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Transcription:

IAIS 市中協議 会合参加 監督文書等の策定に係る手続きおよびステークホルダーとの協議方針 ( 概要 ) 一般社団法人日本損害保険協会国際企画部 (2014 年 9 月作成 ) ( ) 本資料を利用することにより発生するいかなる損害やトラブル等に関して 当協会は一切の責任を負いません

Ⅰ. 経緯 国際金融コミュニティにおける IAIS の役割は ここ数年大幅に増加している その結果 IAIS は 現行の戦略計画および財務業績見通しを策定した際には想定していなかった システム上重要なグローバルな保険会社 (G-SIIs) の選定支援やグローバルな保険資本基準の策定等の付加的な責任を担っている その結果 2013 年に IAIS は 組織構造 運営およびリソースの割振りを向上させるための提案を策定することを意図して 戦略的目標 財務業績見通しおよびリソースの見直しを開始した 過去 12 ヶ月にわたって IAIS は組織の活動の効率性を向上させ 基準策定 基準実施および金融安定に係る作業の適切なバランスを確保し ステークホルダーからの意見や情報の入手プロセスおよび質を向上させることを意図した意思決定を行ってきた 2014 年 8 月から 9 月にかけて IAIS は 会合参加 監督文書等の策定に係る手続きおよびステークホルダーとの協議方針に関する市中協議を実施した 1

Ⅱ. 背景 A. IAIS の使命 IAIS の使命は 保険契約者の利益 保護および世界的な金融安定への貢献を目的として 公正 安全および安定した保険市場を開発 維持するために 効果的かつ世界的に調和の取れた保険業界の監督を促進することである 上記使命を促進するために実施する活動は 次の 3 つのカテゴリーに分類される 1. 基準設定活動 2. 基準実施活動 ( 策定された基準の各国への適用支援等 ) 3. 金融安定活動 2

Ⅱ. 背景 B. IAIS の使命の推進方法 IAIS は戦略計画の採択を通じた 5 年区切りのハイレベル ゴールおよび戦略的方向性を設定する ハイレベル ゴールは複数決定され それぞれのゴールに様々な戦略が設けられている 現状使用されている戦略計画は 2010 年 10 月に採択されたものであり 2011 年から 2015 年までの期間がカバーされている 戦略計画に規定されている目標は さらに具体的な作業計画 ( ロードマップ ) に落としこまれ 毎年 執行委員会 (Executive Committee) の承認を受ける 現在 IAIS は 2015 年 ~2019 年の戦略計画を策定している最中である 3

Ⅱ. 背景 C. IAIS 業務効率の向上 - 過去に同意された改革 IAIS の戦略的ゴール 財務業績見通しおよびリソースの検討において 執行委員会は 2013 年 3 月に 活動およびリソースを見直し 組織運営およびリソースの分配を改善するための提案を行うための小グループを設置した この設置過程において 執行委員会は既存の IAIS 組織上の以下の課題に対処するよう努めた - 現状の限られたリソースの中での IAIS 活動の効率性向上 - IAIS を拡大する外部からの期待に応えられる組織とすること - 基準策定 基準実施および金融安定活動の適切な調和を確実にすること - 過去に決定した事項に関する不必要な検討を避けること - ステークホルダーからの情報や意見の入手過程および質の向上 - IAIS のガバナンスの強化 - さらに効率的で効果的な意思決定文化の促進 4

Ⅱ. 背景 執行委員会は 2013 年 9 月に IAIS の活動の効率性を向上させるための最初の一連の措置を承認した これらの措置は 保険監督および保険監督の補足資料の開発 会合の持ち方 メンバー オブザーバーおよびステークホルダーからの情報や意見の入手過程など IAIS の小委員会の改編や組織改編に関わる一連の作業や手順の変更を含むものであった 執行委員会は ステークホルダーからの情報や意見について オブザーバーおよび他のステークホルダーからの貢献が 基準策定 基準実施および金融安定等の作業に対して多大な恩恵をもたらしていることを認識している しかしながら ステークホルダーからの情報や意見の入手プロセスについては 今まで以上に効率的で効果的な方法とすべきであることも同時に認識している したがって 執行委員会は ステークホルダーからの情報や意見の入手の機会をタイムリー 実質的かつ質の高いものとし さらに効率的で一貫性 透明性があり 予測可能な内容となるよう 関連する手続きを改正することを承認した 5

Ⅱ. 背景 本改定の一部として IAIS は 外部からの専門的な情報 意見の提供が必要な場合に メンバー以外のステークホルダーを招聘することとした 同時に 執行委員会は 政策展開のステージごとに 特別な執行委員会セッション 委員会レベルのヒアリング 背景説明文書の発行および電話会議を通して IAIS と外部ステークホルダーが関与する機会を増やすことにも同意した ( 例 : パブリックコンサルテーションの開始時の 当該コンサルテーションの背景や事情を説明するための電話会議等 ) 本改定上 とりわけ重要な実施スケジュールは以下のとおり - 監督および監督補足資料策定の新たな一連の作業過程は 2014 年 10 月に執行委員会が承認し 2015 年 1 月から発効する予定 - ステークホルダーへのコンサルテーションに係る作業過程は 2014 年 10 月に執行委員会が承認し 2015 年 1 月から発効する予定 - したがって 既存のオブザーバー参加について直ちに影響を与えるものではない 6

Ⅱ. 背景 D. ステークホルダーからの情報や意見入手方法の向上 IAIS は オブザーバーおよび他のステークホルダーからの情報や意見等の貢献によって 基準策定 基準実施および金融安定等の作業面で多大な恩恵を得ている IAIS は 最善の結果を達成するために 今後もドラフト文書のコンサルテーションをできるだけ幅広に行う予定である この度 執行委員会は これまで以上にオープンで透明な審議プロセスを確立することを承認した 新しいプロセスにおいて IAIS の活動に関心のあるステークホルダーは誰でも会費を支払うことなく情報を入手することができ 監督文書および監督補足文書の策定に対して貢献することができる 2014 年 10 月の IAIS 総会において今回提案が承認されれば 2015 年 1 月 1 日付でオブザーバー資格は廃止されることとなる 7

Ⅲ. 手続きおよび協議方針の概要 新たな手続きおよび協議方針に従って IAIS は次の事項について責任を果たしていく すべての監督および補足文書の策定に関する市中協議 本件に関心を有するすべてのステークホルダーは以下の複数の審議段階において IAIS 監督文書および監督補足文書の策定に関する情報を入手することができる IAIS のウェブサイト上に掲載される 監督文書策定に関する背景説明書 本説明書には 計画の範囲および目的 IAIS が改定または策定を行う理由 スケジュールおよびステークホルダーが情報 意見を提供する機会 本計画の IAIS 活動の中での位置付け等内容を含む 少なくとも 1 回のパブリックコンサルテーションの実施 パブリックコンサルテーションの開始時には 計画の背景を説明するためのパブリック バックグラウンド セッションを開催し 計画の進捗状況 コンサルテーションで発表される内容 IAIS が欲しい情報 意見等に関する具体的な内容の概要説明が行われる 8

Ⅲ. 手続きおよび協議方針の概要 パブリックコンサルテーションで入手したコメントおよび同コメントへの回答の IAIS ウェブサイト上への掲載 パブリックコンサルテーション過程で入手したコメントおよび同コメントに対する IAIS の回答に関するパブリック ディスカッション セッションの開催 ( 同セッションの開催は 開催日の 2 週間前には通知 ) 本セッション開催の目的は パブリックコンサルテーション時に提案された事項の公表およびそれらの提案に対する対応方針の検討 決定されていない事項に関する情報提供 既に完了した作業およびこれから計画されている作業に関する情報提供およびフィードバックを得るための事後作業や機会の公表等を行うことである IAIS で最終的な採択を行う前に ファイナルドラフトを最低 14 日間 IAIS ウェブサイトに掲載 9

Ⅲ. 手続きおよび協議方針の概要 執行委員会とのパブリック セッションの実施 オープンセッションでステークホルダーを招いて重要事項を検討するために少なくとも年 1 回開催する パブリック ダイアログまたはヒアリングの実施 専門家と政策展開に関する具体的な問題に関する検討 / ヒアリングを行うために 必要に応じて委員会レベルでパブリック ダイアログまたはヒアリングを実施する IAIS の活動に関するタイムリーなパブリック情報の提供 IAIS は以下の手段を通じてすべてのステークホルダーに対して情報提供を継続する IAIS ウェブサイト上での IAIS 活動に関する定期的な情報の更新 現在進行中の IAIS の活動を説明しタイムリーな情報提供を行うオンラインの月刊ニュースレターの発行 開催された会合の審議内容や結論を記載した会議概要 すべての意見発出機会を網羅した IAIS カレンダー 前年度のすべての活動を集約し また IAIS の監査済みの財務諸表が記載された年次報告書 10

Ⅳ. 市中協議文書に対する損保協会の意見 損保協会が提出した主な意見は以下のとおり - オブザーバー制度はわが国の損害保険業界にとって 規制検討の最新動向の把握や官民の意見交換を行うことができる非常に有意義なものである 仮に オブザーバー制度が廃止となった場合でも IAIS が今後も業界と対話する姿勢を堅持していくことを期待する - 従来委員会会合や年次会合時に開催されていたグローバルセミナーや官民の意見交換ができるセッションは ステークホルダーと IAIS とのコミュニケーションの場として大変有用であることから 今後も是非同様の機会を設けてもらいたい - 委員会等では 議長の裁量により非メンバーを招くことができるとされているが 属人的な選定により結果として一部の地域や会社から頻繁に選定される等の懸念がある ゲストの選定においては 地域的な あるいは業態の偏りが生じないように幅広い選定を行うべきである 損保協会が提出した意見 ( 和英 ) http://www.sonpo.or.jp/efforts/international/regulations/iais/pdf/overview/0003.pdf 11