Economic Indicators   定例経済指標レポート

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住宅着工戸数の見通し(2018・19年度)| 第一生命経済研究所 | 小池理人

住宅着工戸数の見通し(2017・18年度)

住宅着工戸数の見通し(2018・19年度) | 第一生命経済研究所

新設住宅着工戸数 ( 全国 ) 23 年 月の新設住宅着工戸数は 67,273 戸 前年同月比 5.8% と 2 か月連続マイナスとなったがマイナス幅は縮小 1,000 ( 戸 ) 新設住宅着工戸数の月別推移 ( 全国 ) 0,000 90,000 80,000 住宅エコホ イント着工期限 (末 )

統計から見た三重県のスポーツ施設と県民のスポーツ行動

住宅取得支援政策とその効果

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【別添3】道内住宅ローン市場動向調査結果(概要版)[1]

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建設経済モデルによる建設投資の見通し

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Economic Trends    マクロ経済分析レポート

月別の売上でみると 百貨店については 夏物衣料が好調だった 7 月と一部店舗で閉店セールを行った 9 月を除いて前年同月を下回っています 一方 スーパーについては 台風の影響があった 8 月を除いて 前年同月を上回っています 1,2 1-3 平成 28 年百貨店 スーパー販売額合計 ( 北海道 :

タイトル

建設経済モデルによる建設投資の見通し

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2014~2016年度 東海経済見通し

○ユーロ

経済・物価情勢の展望(2017年7月)

みずほインサイト 日本経済 2013 年 8 月 27 日 消費増税時の住宅購入補助の効果年収別にみた負担変化の試算 経済調査部エコノミスト 大和香織 住宅ローン減税拡充と すまい給付金 の効果により 消費税率 8%

SERIまんすりー2月号 今月のみどころ

不動産経済 表紙OL

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個人消費の回復を後押しする政策以外の要因~所得の減少に歯止め、節約志向も一段落

Microsoft PowerPoint (確定)【住宅事業者様向け】平成29年度市場動向調査

Microsoft Word NO0173

中期経営計画の見直しについて 2015 年 5 月

半年ごとの地価動向について 地価公示(1 月 1 日時点 ) と都道府県地価調査 (7 月 1 日時点 ) との共通の調査地点で見ると 三大都市圏の住宅地は平成 25 年の前半と後半がほぼ同率の上昇となり 商業地は平成 25 年後半に上昇率が拡大している また 地方圏の住宅地 商業地はともに下落した

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1. 自社の業況判断 DI 6 四半期ぶりに大幅下落 1 全体の動向 ( 図 1-1) 現在 (14 年 4-6 月期 ) の業況判断 DI( かなり良い やや良い と回答した企業の割合から かなり悪い やや悪い と回答した企業の割合を引いた値 ) は前回 ( 月期 ) の +19 から 28 ポイ

図表 1 消費税率引上げに伴う住宅着工の影響 ( 平成 9 年 ) 1995( 平成 7) 年度 1996( 平成 8) 年度 1997( 平成 9) 年度 (4 月 1 日に消費税 (5%) 導入 ) 1998( 平成 10) 年度 住宅着工戸数 前年からの増減 1,485 万戸 - 1,630

新設住宅着工戸数 年 月の新設住宅着工戸数は, 戸 前年同月比 +.% と前年並み水準で推移 ( 戸 ), 新設住宅着工戸数の月別推移,,,,,, 1 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 1 月 年,1,,1,,,,1,,1,1,,1 1 年,,,,1,,,, 1,11,1,1, 年,1,,

2 / 6 不安が生じたため 景気は腰折れをしてしまった 確かに 97 年度は消費増税以外の負担増もあったため 消費増税の影響だけで景気が腰折れしたとは判断できない しかし 前回 2014 年の消費税率 3% の引き上げは それだけで8 兆円以上の負担増になり 家計にも相当大きな負担がのしかかった

1. はじめに 5 年 7 月の住宅着工戸数は 季調済年率換算値で 万戸 前年同月比 +.3% と 97 年以来の高水準 かつ ヶ月連続の着工増加となった 利用関係別に見ると 持家は 年後半以降 住宅ローン減税の規模縮小に伴う駆け込み需要の剥落により 季調済年率換算値で 35.2 万戸

October vol

2025年の住宅市場 ~新設住宅着工戸数、60万戸台の時代に~

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不動産経済 表紙OL

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経済・物価情勢の展望(2017年10月)

経済・物価情勢の展望(2018年1月)

住宅着工統計による再建築状況の概要 ( 平成 1 9 年度分 ) 国土交通省総合政策局情報安全 調査課建設統計室 平成 20 年 11 月 5 日公表 [ 問い合わせ先 ] 担当下岡 ( 課長補佐 ) 遠藤( 建築統計係長 ) 中村 TEL ( 代表 ) 内線

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○ユーロ

目次 はじめに 住宅ローン減税の背景と概要... 2 (1) 足元の住宅市場の状況... 2 (2) 住宅ローン減税制度の概要 住宅ローン減税の効果... 6 (1) 家計の住宅取得能力に与える影響... 6 (2) 住宅投資への効果... 8 (3) 消費への効果.

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平成 23 年 3 月期 決算説明資料 平成 23 年 6 月 27 日 Copyright(C)2011SHOWA SYSTEM ENGINEERING Corporation, All Rights Reserved

別紙2

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当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表)

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( 公社 ) 近畿圏不動産流通機構市況レポート市況トレンド /1 年 7~9 月期の近畿圏市場 1. 中古マンション市場の動き 成約価格は前年比で 3 期連続上昇 1 年 7~9 月期の近畿レインズへの成約報告件数は,9 件と 前年同期比で 1.% 増加した (P1 図表 1) 新規登録件数は 15

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調査のポイント 1 調査の概要住宅事業者 一般消費者及びファイナンシャルプランナーに対し 今後の住宅市場に関する事項についてアンケート調査を実施し その結果を取りまとめた資料です 2 調査結果の主なポイント 平成 30 年度の住宅取得環境 住宅事業者の平成 30 年度 ( 平成 30 年 4 月 ~

木造住宅の価格(理論値)と建築数

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1. 総論 総括判断 都内経済は 回復している 項目前回 ( 1 月判断 ) 今回 (3 年 1 月判断 ) 前回比較 総括判断回復している 回復している ( 注 )3 年 1 月判断は 前回 1 月判断以降 1 月に入ってからの足下の状況までを含めた期間で判断している ( 判断の要点 ) 個人消費

野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

目次 1 調査概要 P2~P4 2 平成 29 年度の販売見込みについて ( 住宅事業者 ) P5~P6 3 平成 29 年度の住宅の買い時感について ( 一般消費者 ) P7 4 住宅で重視するポイントは?( 住宅事業者 一般消費者 ) P8~P9 5 建物の性能で重視する事項は?( 住宅事業者

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

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平成10年7月8日

30歳代の住宅ローンが急増したのはなぜか

Microsoft Word NO0257

( 億円 ) ( 億円 ) 営業利益 経常利益 当期純利益 2, 15, 1. 金 16, 額 12, 12, 9, 営業利益率 経常利益率 当期純利益率 , 6, 4. 4, 3, 2.. 2IFRS 適用企業 1 社 ( 単位 : 億円 ) 215 年度 216 年度前年度差前年度

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月例経済報告

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日本経済見通し:2017 年の消費増税に向けた

熊本商工会議所 製本第四四半期(HP・報道機関用)

1. 各都市の不動産市場トレンド 1-1. オフィス価格指数 対前回変動率 (2016 年 4 月から 2016 年 10 月まで ) 図表 1-1は オフィス価格指数の各都市 対前回変動率 今回 (2016 年 10 月現在 ) 対前回変動率が最も高かったのは 東京 の +3.4% 次いで 大阪

Ⅰ.市場の総括 (1) 首都圏マンション市場 新規供給 数 2,260 件 35,898 前年 (35,772 ) 比 0.4% 増 4 年ぶりに前年を上回る 総販売 数 35,952 前年 (35,043 ) 比 2.6% 増 新規物件の平均初 販売率 68.1% 前年 (68.8%) より0.7

消費税増税後の仕入・販売単価に関する東北6県企業の動向調査

関西経済レポート (2019 年 9 月 ) 令和元年 (2019 年 )9 月 30 日 ~ 輸出減少が継続 インバウンド消費はプラスの伸びを維持 ~ 足元の経済情勢と当面の見通し 関西経済は輸出 生産が斑模様であるが 内需が下支えとなり底堅く推移している 企業部門では 輸出は中国経済の減速等によ

金融市場 2013年10月号

29 歳以下 3~39 歳 4~49 歳 5~59 歳 6~69 歳 7 歳以上 2 万円未満 2 万円以 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 21 年度 211 年度 212 年度 213 年度 214 年度 215 年度 216 年度

景気見通し調査 ( 平成 24 年 12 月期 ) 調査結果 福井商工会議所 中小企業総合支援センター 調査の概要 当調査は 福井商工会議所管内の小規模事業所の短期的な景気動向を把握するため 毎年 3 月 6 月 9 月 12 月の年 4 回実施している 調査時期 平成 24 年 11 月 30 日

年 2 月期関西圏 中京圏 福岡県賃貸住宅指標 大阪府 京都府 兵庫県 愛知県 静岡県 福岡県 空室率 TVI( ポイント ) 募集期間 ( ヶ月 ) 更新

2016年冬のボーナス見通し

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RTE月次レポート企画

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平成 25 年 3 月 19 日 大阪商工会議所公益社団法人関西経済連合会 第 49 回経営 経済動向調査 結果について 大阪商工会議所と関西経済連合会は 会員企業の景気判断や企業経営の実態について把握するため 四半期ごとに標記調査を共同で実施している 今回は 2 月下旬から 3 月上旬に 1,7

2017年度 決算説明会資料

1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額

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生活衛生関係営業の景気動向等調査 平成17年7~9月期

関西の景気動向 2013 年 11 月株式会社日本総合研究所調査部関西経済研究センター 1. 景気の現状関西の景気は 持ち直しのペースがひところと比べて鈍化している 輸出 ( 円ベース )

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国土交通省総合政策局情報管理部建設統計室平成 20 年 2 月 29 日 ( 金 ) 公表 建築着工統計調査報告 平成 20 年 1 月分 平成 20 年 2 月分は 3 月 31 日 ( 月 ) 公表予定 問い合わせ先 国土交通省総合政策局情報管理部建設統計室 電話 担当

Transcription:

Economic Trends マクロ経済分析レポート ~ 年度住宅着工戸数の見通し発表日 : 年 月 日 ( 水 ) ~ 駆け込み需要はピークアウトへ ~ ( 要旨 ) 第一生命経済研究所経済調査部担当エコノミスト高橋大輝 TEL:-- 月の住宅着工戸数は.7 万戸 ( 季節調整済年率換算値 ) となった 住宅着工は 消費税率引き上げ 前の駆け込み需要の本格化に伴い 万戸台の高水準で推移している 足元の着工を取り巻く環境は引き続き良好だ 着工の押し上げ要因として 消費税率引き上げ前の駆け 込み需要 金利の低位安定などの良好な住宅取得環境 東北 県の着工増加などが挙げられる 97 年増税時と今回の住宅着工の推移を比較すると 販売が好調な分譲 住宅ローン減税制度の延長 拡 充やすまい給付金が適用されない貸家を中心に駆け込み需要が発生していることが示唆される 持家 は 同制度によって駆け込みが幾分抑制されているようだ 住宅着工は駆け込み需要によって大きく押 し上げられており 今後 駆け込み需要のピークアウトを背景に住宅着工の落ち込みは避けられないだ ろう 年 月の消費税率引き上げ時にも駆け込み需要の発生が予想される もっとも 今回多くの駆け込 み需要が見込まれることなどから % へ引き上げ時の駆け込み需要の規模は 8% 時よりも小さくなる 可能性が高い また 国内景気の改善に伴い雇用 所得の改善が見込まれること 金利や地価の先高観 が下支えとなることで住宅着工は底堅い推移となろう 先行きの住宅着工戸数は 年度 97. 万戸 年度 89. 万戸 年度 8. 万戸を予測する 年度は駆け込み需要によって高い伸びになるものと見込まれるが 年度はその反動減により落ち込み が避けられない 年度は 月の消費税率引き上げの反動減を背景に減少が見込まれる もっとも 雇用 所得環境の改善などが下支えとなり 97 年増税時のような大幅な落ち込みは避けられるとみてい る 駆け込み需要を背景に好調な住宅着工 年 月の住宅着工戸数は季節調整済年率換算値 で.7 万戸となった 消費税率引き上げ前の駆け込 み需要が本格化したことで 万戸を超える水準での 推移が続いた 利用関係別にみると 持家 貸家が堅 調な推移になっている 分譲は足元で減少したものの 均してみれば水準は高い ( 資料 ) 足元の住宅着工の押し上げ要因として 消費税率 引き上げ前の駆け込み需要 金利の低位安定などの 良好な住宅取得環境 東北 県の着工増加などが挙 げられる 以下では 足元の住宅を取り巻く環境を整理した上 で ~ 年度の住宅着工戸数を展望する 9 9 8 8 7 7 資料. 住宅着工戸数の推移 ( 季節調整済年率換算値 万戸 ) 着工戸数計 ( 左軸 ) 持家 ( 右軸 ) 貸家 ( 右軸 ) 分譲 ( 右軸 ) ( 出所 ) 国土交通省 新設住宅着工統計

負担緩和策によって抑制されたものの 駆け込み需要は本格化 年 月 日に 年 月 日の% から8% への消費税率引き上げが決定した あわせて 消費税率引き上げによる景気への悪影響を緩和するために 新たな経済対策が実施されることとなった 住宅関係の経済対策としては 住宅ローン減税の拡充や住宅取得に係る給付措置 ( すまい給付金 ) 等の実施が公表された 以前のレポート でも指摘したように 住宅ローン減税 すまい給付金による駆け込み需要の抑制効果は限定的なものになるとみられる その理由としては 消費税負担の増加額がローン減税制度の拡充による追加減税額を上回る場合が少なくないこと 住宅ローン控除の対象は 居住用 であり 貸家取得の負担を和らげる効果は薄いと考えられることなどである では 実際に駆け込み需要の動向はどうなっているのか 足元と前回増税時付近の住宅着工の動向を比較してみると 推移に違いがみられた 前回増税時と今回の住宅着工の推移を比較したのが資料 であり それぞれ 99 年 年の水準を としている 資料. 前回増税時と今回の着工の推移 全体 9 9 持家 8 7 前回 (99=) 今回 (=) 8 7 前回 (99=) 今回 (=) 7 8 9 - - 貸家 9 7 8 9 - - 9 分譲 8 前回 (99=) 8 前回 (99=) 7 今回 (=) 7 今回 (=) 7 8 9 - - ( 出所 ) 国土交通省 住宅着工統計 7 8 9 - - 住宅着工全体や貸家の推移は 今回と前回に大きな違いはみられない 持家の推移をみると 前回よりも 低水準で推移しており 駆け込み需要が抑制されていることが示唆される 一方で 分譲は前回増税時より 詳細は 当社レポート Economic Trends ~ 年度住宅着工戸数の見通し ~ 駆け込み需要は本格化へ 新たな負担緩和策の効果は?~ ( 年 9 月 日発行 ) をご参照ください

も大きく上振れた推移となっている 前回増税時の分譲住宅は 販売の好調に対して在庫の取り崩しによって対応したとみられ 駆け込み需要による着工が抑えられていたと推察される ( 資料 ) 足元では 97 年増税時よりも在庫は低水準で推移しており 前回よりも明確に駆け込みが発生しているものとみられる 総じてみれば 住宅取得の負担緩和策は持家の駆け込み需要を幾分抑制したものの 全体でみれば抑制効果は限定的なものになっており 足元の住宅着工は駆け込み需要によって大きく押し上げられていると考えられる 資料. 首都圏マンション全残戸数と販売戸数 97 年増税時 今回 8 ( 千戸 ) ( 前年比 %) ( 千戸 ) ( 前年比 %) 8 8 8 全残戸数 販売戸数 ( 右軸 ) 全残戸数 販売戸数 ( 右軸 ) 8 8 - - - - 9 9 97 98 ( 出所 ) 不動産経済研究所 首都圏マンション市場動向 - - 住宅取得環境は引き続き良好住宅着工に大きな影響を与える住宅ローン金利は 低水準での推移が続いている ( 資料 ) 長期金利は 金融市場の混乱などを背景に 月に急上昇したものの 足元では再び低下傾向にある こうした住宅取得にかかるコストの低減は消費者の住宅取得意欲を高めることに繋がり 足元の着工の好調を支えているとみられる 主要銀行貸出動向アンケート調査をみると 住宅ローンの資金需要判断 DIが上昇傾向で推移しており 住宅ローンの需要が高まっていることが確認できる ( 資料 ) また 金融機関の貸出態度も 9 年以降改善が続いており 資金調達環境の改善も着工の下支え要因になっているものとみられる ( 資料 ) 資料. 各種金利の推移 (%) 住宅金融支援機構 ( 基準金利 ) 新発 年債利回り ( 右軸 ) 資料. 資金需要判断 DI( 住宅ローン ) と住宅着工 (% ポイント ) ( 万戸 ) - - 資金需要判断 DI( 住宅ローン ) - 住宅着工合計 ( 季調値 )( 右軸 ) - 7 8 9 7 8 9 ( 出所 ) 住宅金融支援機構 財務省 ( 出所 ) 日本銀行 国土交通省

資料. 金融機関の貸出態度 DI 緩い - - 厳しい - - - - 建設 不動産 - 8 9 ( 出所 ) 日本銀行 東北 県の住宅着工は震災前を越える推移が続く東北 県の住宅着工戸数は 足元で増加傾向に一服感が窺えるものの震災前を上回る推移が続き 着工を押し上げる一因となっている 住宅の再建はまだ道半ばであることから 長期に亘って住宅着工の下支えになると考えられる ただし 着工全体に占める割合は大きくないことなどから 住宅着工全体を大きく押し上げる効果を期待するのは難しいだろう 資料 7. 東北 県の住宅着工戸数 ( 季節調整済年率換算値 ) ( 万戸 ) 東北 県合計宮城 岩手福島 資料 8. 東北 県の復興に係る着工の進捗 宮城 + 岩手 + 福島の住宅着工戸数について 年 月 ~ 年 月ま でのトレンド線を推計 トレンドからの乖離分を復興による住宅着工戸数 9 と定義 ( 出所 ) 国土交通省 住宅着工統計 ( 出所 ) 国土交通省 住宅着工統計 より第一生命経済研究所作成 季節調整は当社 9 8 7 ( 万戸 ) 岩手 + 宮城の復興計画戸数 (9 万戸 ) 復興による着工戸数 ( 累計 ) 8 9 7 8 9 7 8 9 駆け込み需要ピークアウト後の住宅着工以上のように 足元の住宅着工は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要や住宅取得環境が良好であること 東北 県の着工増加などを背景に好調に推移しているが 駆け込み需要のピークアウト後はどうなるのだろうか マンション販売の動向をみると 首都圏では昨年末頃から好調に推移していたものの 月は伸びが鈍化 近畿圏でも9 月に大幅増となった後 月は前年比マイナスに転じている ( 資料 9) 好調なマンション販売は着工の押し上げに繋がっていたとみられるものの 駆け込み需要のピークアウトが示唆される また 大手住宅メーカーの受注速報をみると 月の受注は大きく落ち込んでおり 駆け込み需要の反動減が

発生している様子が窺える ( 資料 ) 月着工は堅調な推移となったものの 駆け込み契約が後ずれした ことが背景にあるとみられる こうした動きに鑑みると 駆け込み需要の反動減は避けられず 先行きの住 宅着工は減少に向かっていくだろう 資料 9. 首都圏 近畿圏マンション販売 ( 前年比 %) 資料. 住宅メーカーの受注速報 ( 前年比 %) 8 首都圏 近畿圏 9 7 A 社 B 社 C 社 D 社 E 社 F 社 - - - - - 7 8 9 7 8 9 ( 注 ) 住宅分類や数値に含んでいる項目 ( 戸建 分譲など ) についてはメーカー間で差異がある ( 注 ) 金額ベース ( 出所 ) 不動産経済研究所 首都圏 近畿圏マンション市場動向 ( 出所 ) 住宅メーカーホームページより第一生命経済研究所作成 もっとも 消費税率 % 引き上げに伴う駆け込み需要 国内景気の回復を背景とした雇用 所得環境の改善 金利 地価の先高感などを背景に 住宅着工は比較的早期に持ち直しに向かっていくだろう 年 月に予定されている消費税率の % への引き上げを睨んだ駆け込み需要が徐々に顕在化することで 今回の駆け込み需要の反動減を相殺していくものとみられる なお % 引き上げ時の駆け込み需要およびその反動は 多くの駆け込み需要が8% 引き上げ時に集中すると考えられることなどから 比較的小規模なものに留まる見込みだ また 雇用 所得環境の改善が見込まれることも着工にとって好材料だ ( 資料 ) 加えて 足元で地価の下落幅が縮小傾向で推移していることなども確認でき 金利 地価の先高観などが住宅取得マインドの下支えとなろう ( 資料 ) こうした要因を背景に 駆け込み需要のピークアウト後も住宅着工は底堅い推移になるものとみている 資料. 完全失業率と住宅着工資料. 都道府県地価 ( 住宅地 )( 前年比 %) ( 万戸 ) ( 逆目盛 %) 東京圏大阪圏名古屋圏三大都市圏地方圏全国 - - 住宅着工戸数 ( 季調値 ) 完全失業率 ( 右軸 ) 7 - -8 8-7 8 9 9 9 97 98 99 7 8 9 ( 出所 ) 総務省 国土交通省 ( 出所 ) 国土交通省

年度 97. 万戸 年度 89. 万戸 年度 8. 万戸を予測 以上を踏まえ 先行きの住宅着工戸数を 年度 97. 万戸 年度 89. 万戸 年度 8. 万戸と予測 する なお 本見通しでは 年 月に 8% から % への消費税率引き上げが行われることを想定している 年度後半の着工は 消費税率引き上げ前の駆け込み需要がピークアウトすることを背景に 減少に向 かっていくだろう 工期の短い住宅であれば 年 月に引き渡しが間に合うことから 一部で駆け込み需 要が発生する可能性があるものの 反動減を大きく抑えることは考えづらい 年度は駆け込み需要の反動減や実質可処分所得の減少などを背景に 住宅着工の落ち込みが予想される もっとも 年度後半は 年 月の消費税率引き上げを睨んだ駆け込み需要などを背景に持ち直しに向か うものとみている 年度は 度目の消費税率引き上げに伴う反動減が収束へ向かうものの 減少を見込んでいる 先述した ように 消費税率 % 引き上げ前の駆け込み需要は比較的小規模なものに留まるだろう 年度後半は 国 内景気の改善や雇用 所得環境の改善が続くこと 金利 地価の先高観などが住宅取得マインドを後押しす ることで住宅着工は底堅い推移になると予想している なお 見通しにおける下振れリスクとしては 長期金利の動向 建設資材や労働力のボトルネックなど が挙げられる 長期金利の急激な上昇は 住宅取得コストの増加や消費者マインドの悪化を通じて 住宅着 工の押し下げ要因となると考えられるため 動向には注意が必要だ また 足元で建築費の上昇や労働者の 不足感の強まりがみられる 好調な住宅着工や緊急経済対策による公共事業の増加などが影響している 住 宅着工の減少に伴い不足感は弱まるとみられるが 今後も政府による新たな経済対策を背景に公共事業は高 水準での推移が続くことが予想されるため こうしたボトルネックが住宅着工を抑制する可能性がある 資料. 住宅着工戸数の見通し ( 単位 : 万戸 %) 新設住宅着工戸数 持家 貸家 分譲 前年比 前年比 前年比 前年比 8..7. -. 9. -.7.9.7 89...7..... 97. 8.. 8.9.9 8. 7. 8.8 89. -8.. -8.7. -..9 -.8 8. -.. -.. -.. -. ( 出所 ) 国土交通省 年度以降の見通し ( 網掛け部分 ) は第一生命経済研究所作成 資料. 住宅着工戸数の推移 万戸 万戸 9 9 8 8 7 7 全着工戸数持家 ( 右軸 ) 貸家 ( 右軸 ) 分譲 ( 右軸 ) ( 出所 ) 国土交通省 年 - 月期以降の見通しは第一生命経済研究所作成 ( 注 ) 季節調整済年率換算値