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また 関係省庁等においては 今般の措置も踏まえ 本スキームを前提とした以下のような制度を構築する予定である - 政府系金融機関による 災害対応型劣後ローン の供給 ( 三次補正 ) 政府系金融機関が 旧債務の負担等により新規融資を受けることが困難な被災中小企業に対して 資本性借入金 の条件に合致した

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様式第二号の九 ( 第八条の四の六関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画実施状況報告書 平成 30 年 5 月 18 日 広島県知事 様 提出者 住所 氏名 広島県三原市須波 1 丁目 23-8 藤井建設 代表取締役藤井啓文 ( 法人にあっては, 名称及び代表者の氏名 ) 電話番号 (08

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ための手段を 指名 報酬委員会の設置に限定する必要はない 仮に 現状では 独立社外取締役の適切な関与 助言 が得られてないという指摘があるのならば まず 委員会を設置していない会社において 独立社外取締役の適切な関与 助言 が十分得られていないのか 事実を検証すべきである (2) また 東証一部上場

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File 12 資源 タイルカーペットの再資源化を実現 リファインバース株式会社 ( 東京都 ) 同社の製品であるリファインパウダー 純度の さから タイルカーペット to タイルカーペットを実現した リファインバース株式会社 (2003 年創業 以下 同社 ) は これまでリサイクルが難しいとされてきた 使用済みタイルカーペットの塩化ビニル樹脂素材の再資源化を手掛ける タイルカーペットは コンパクトな正方形の床材で張り替えが簡単に行えることから 今ではオフィスなどの床材の定番である しかし 特に都市部では大量の使用済みタイルカーペットが廃棄されている 使用済みタイルカーペットは 不純物を多く含み 構造も複雑であることから再資源化が難 しく 燃焼すると有害なダイオキシンが発生するため 廃棄物処理業者の間では 処理困難物 として扱われていた この 処理困難物 に着目し 独自技術によって見事に 資源 へと変身させることに成功し 2003 年 12 月に事業を開始した その後 使用済みタイルカーペットの再資源化ビジネスは軌道に乗り 2009 年には大手総合ディベロッパー 2011 年には大手インテリアメーカとの大口契約を獲得するなど 成長を続け 2016 年 7 月には東証マザーズへ上場した 112

同社の特 ポイント 環境だけでなく 価格 での優位性を実現したビジネスモデル 独 技術によりタイルカーペット to タイルカーペットに成功 安定した供給先の確保により 事業拡 とさらなる技術開発を可能に 企業設 事業開始の経緯 処理困難物 として 量に発 する使 済みタイルカーペットを問題視同社の前身にあたる株式会社ジーエムエス ( 以下 ジーエムエス ) は 1983 年の創業以来 建築系内装材を中心とした産業廃棄物の収集 運搬 中間処理を行っていたが オフィスなどの内装の改修時やテナントの入替時に発生する大量の使用済みタイルカーペットの処理に頭を悩ませていた タイルカーペットは 上層のナイロン繊維部分と下層の塩化ビニル部分を貼り合わせた二重構造になっており 焼却処分をした場合 塩化ビニルから有害なダイオキシンが発生してしまう そのため 破砕して埋立て処分をする方法が主流であった タイルカーペットの上層部と下層部を分離することは技術的にも困難であるとされ リサイクル技術が確立されていなかったことから ジーエムエスは 世の中に機械が存在しないのであれば 作ってみよう と考え 2001 年に新規事業として立ち上げた 独 技術の確 と資 調達に成功し 別会社としてリファインバースを設 タイルカーペットの下層にある塩化ビニル部分を削るための機械を作りたいと模索していた頃 工作機械メーカの技術者出身の堀内氏と巡り会った 堀内氏は事業に参加し ホームセンターで購入した材料で試作を繰り返し 早々に独自技術を確立した そしてジーエムエスは 新規事業の立ち上げと同じ 2001 年のうちに ある投資会社のビジネスコンテストに応募し資金調達を行った そこで審査員を務めていた人物こそが リファインバース社長の越智晶氏であった ジーエムエスの事業構想に将来性を見出した越智氏は 2003 年 5 月からジーエムエスに合流し 同年 12 月にリファインバースを設立するに至った 越智氏がリファインバースを設立した意図は 資源再生のための新たなベンチャー企業であることをアピールすることで 人 モノ 金 といった新規事業を推進するうえで必要となる経営資源が集まりやすい仕組みを作り事業化するべきだと考えたためである なお ジーエムエスはこの時の組織再編によって リファインバースの子会社となった 113

2006 年にはリファインバースの 100% 出資にて 再生樹脂の製造 販売を手掛けるインバースプロダクツ株式会社 ( 以下 インバースプロダクツ ) を設立した インバースプロダクツの設立も それぞれの事業の機能や役割ごとに別法人とすることで必要となる許認可の保有主体を明確にするとともに グループとしての ブランディング効果の狙いもあった 現在は これら3 社がグループ会社として連携し 仕入れ 再資源化 素材製造 販売 のフローを一気通貫で行えることが強みとなっている グループ各社のマテリアルリサイクル フロー上の位置付け出所 ) リファインバース株式会社 事業概要 東京に油 を つけた企業 これは同社が自らを表現したキャッチフレーズである リサイクル樹脂の原料となる使用済みタイルカーペット等の廃棄物を石油として捉え そうした廃棄物が大量に発生する東京は油田そのものであるとユニークに表現している 同社が生み出した リファインパウダー は 異物混入が少なく 極めて高品質な再生ポリ塩化ビニルコンパウンドであり その純度の高さから タイルカーペット to タイルカーペット という水平リサイクルの実現を可能とした さらにタイルカーペット以外にも遮音シート 建材 床材 自動車部品など様々な用途に使用されている 原料である石油の代替として使用済みタイ リファインバース株式会社 所在地 東京都中央区 従業員数 ( 連結 ) 123 名 創業年 2003 年 資本 390 百万円 2014 年 6 1,702 百万円 売上 ( 連結 ) 2015 年 6 1,809 百万円 2016 年 6 2,120 百万円 114

リファインバース製品の環境優位性出所 ) リファインバース株式会社 ルカーペットを採用することで 石油消費量の削減につながり 石油原料から精製されるバージン製品の製造時と比べ エネルギー消費量にして 86.7% CO2 排出量にして 90.0% の削減に成功した 技術に裏打ちされた価格競争 環境優位性だけではなく 価格面にも同社の強みは表れている リファインパウダー は高品質でありながら 価格帯をバージン製品の約 2 分の 1 に抑え 高い価格競争力を実現したのである このビジネスモデルを確立した越智氏は リファインバースを化学製品製造の化学メーカであると認識した上で 事業を展開している と機械を駆使した品質安定化同社は タイルカーペットの中間処理から再資源化まで一連の事業を行っている 人手による選別から 機械による異物除去までを徹底して行うことで 再生樹脂の品質安定化を実現した ライン内は全て自動化しており 効率的なリサイクル処理が行われている 塩化ビニル部分の切削と粉体化を同時に実現した独 技術タイルカーペットは 上層のナイロン繊維部 分と下層の塩化ビニル部分の二重構造になっている これまで使用済みタイルカーペットの処理は まるごと破砕し埋立て処理をする方法が主流であったが 同社の独自技術では 上層と下層に素材を分離した上で それぞれに異なる処理を行って再資源化している 素材の分離後 上層のナイロン繊維部分は燃料として利用され 下層の塩化ビニル部分は リファインパウダー に生まれ変わる 独自技術のなかでも特筆すべきなのは リファインパウダー の製造工程で 塩化ビニル部分の分離と粉体化を同時に行えることだ このような効率的な製造技術を確立したことで コスト競争力の確保のみならず エネルギー使用量の低減にもつながった 同技術による塩化ビニル部分の再資源化率は 90% に達し 将来的には 100% を見込んでいるという リファインバース株式会社代表取締役社 越智晶さん 投資会社での勤務を経て 2003 年に株式会社ジーエムエスに 社し 同年に設 されたリファインバース株式会社の代表取締役に就任 115

再 処理量の増加に向けた事業拡 2015 年のリファインバースの再生処理量は 20,000t を超えた その量は首都圏で廃棄される使用済みタイルカーペットの年間量の約 6 割に相当すると推計される 今後は 首都圏に限らず 国内 海外で新たな拠点の展開を視野に入れ 事業拡大を行う予定だ タイルカーペットのリサイクルフロー 出所 ) リファインバース株式会社 成功 差別化要因 機動的な新規事業 ち上げを可能とする企業体制同社はジーエムエスの時代から 新規事業を立ち上げる際に既存企業内に部門を増設するのではなく 法人として新規に設立する形を採用してきた これにより 状況に応じて速やかな事業活動の立ち上がりが可能となった また 新規設立されたベンチャー企業という属性をいかし 資金調達や人材確保に結び付けている 独 技術のブラックボックス化独自技術のコア部分は タイルカーペットの上層と下層の分離処理であるが そのノウハウはブラックボックス化されており 一部の社員しか詳細を把握していない これにより外部への技術流出を防ぎ 競争優位性を維持している また タイルカーペット のサイズ (50 cm 50 cm ) は国内だけでなく海外でも共通のケースが多いため 技術の汎用性が高い 安定した供給先の確保に向けた取組再生素材であるリファインパウダーとバージン素材とでは粒子の大きさの違いなどから 加工特性が異なるという 当然 タイルカーペットメーカの既存の製造ラインはバージン素材の加工に適合するよう設計されているため リファインパウダーを使用した場合には生産効率が悪くなるという問題があった せっかく 高品質な再生素材を安価に提供できるところまで辿り着いたにも関わらず 製造ラインが障壁となり 最終製品の製造原価が高くなるという課題が残った この課題は事業を開始した段階から認識していたため 解決のための技術開発を明治大学 116

117 と共同で 2003 年から取り組み 再生素材に適した加工技術の開発に成功していた この加工技術と同様の技術を用いた再生素材用の製造ラインを新設したアメリカの大手企業がリファインパウダーに目を付け 輸送費を加味しても採算が取れると判断したことから 取引が開始されることとなった アメリカ企業での成功例もあって 国内の大手タイルカーペットメーカが専用設備導入を決断し 取引開始に至った それまでの一貫した取組が結実し 事業が軌道に乗ったと実感できた瞬間であったと越智氏は振り返る 技術系 材の積極採 など 優秀な 材確保に向けた 針と 夫事業拡大に伴い採用に力を入れ 大手化学メーカ等の人材を中心に中途採用を行ってきた 特に化学分野のシニア人材は 高度成長期に新しい事業に取り組んでイノベーションを起こすといった経験をしてきたため 優秀な技術者が多いという このような人材は 新技術の開発の現場で貴重な人材になることから 積極採用を行っているという とはいえ 人材確保には苦労をしており ウェブサイトに掲載する採用関連のコンテンツを充実するなど工夫を行っている 事業ビジョン 展望ナイロン繊維部分の再資源化使用済みタイルカーペット下層の塩化ビニル部分を切削した後に残る上層のナイロン繊維部分は 不純物の含有率が高いことから再資源化が困難だとされてきたため 燃料としての需要にとどまっているのが現状だ 実は 素材としてのナイロンの単価は 塩化ビニルの単価の約 4~5 倍と高額であり ナイロン部分の再資源化技術を確立した場合には大きな収益が見込めることから 同社でこれを再資源化するための技術開発を進めている 具体的には ナイロン部分を有機溶剤で溶かし 再生資源となるナイロンを分離して抽出するという化学的な技術を開発しているという 再生ナイロン素材は 主に成形材や自動車の部材などに活用されることが見込まれており 既に大手メーカとの交渉も進んでいる また 再生ナイロンは不純物が含まれるため一般的に繊維化は難しいとされているが 大手繊維メーカと共同で繊維化のための技術開発を行っている 廃棄物ではなく 資源として使 済みタイルカーペットを購 する仕組みの実現現在は 廃棄される使用済みタイルカーペットを逆有償で引き取っているが 将来的には資源として買い取ることを目指している そのためには収益構造の改善が必要となるため 前述したナイロン部分の再資源化の実現や 塩化ビニル再生技術のさらなる高度化を進めている この資源として買い取るというビジネスモデルの構築は さらなる資源の効率的な収集につながるだけでなく 海外展開を行う場合にも有利に働くと考えている 海外への事業展開今後 買取りモデルを導入した海外展開を進める方針であるが 進出先はタイルカーペットの使用量が多い都市部を想定している 海外展開をする際の一番の課題は 人 であると越智氏は考えており いかにして現地で事業を推進していく覚悟を持った人材を確保できるか模索している状況だ

政策への要望 許認可制度の改善 直しについて現状の許認可制度では 許認可を受けるために必要な時間が長い傾向にあり 迅速な事業推進を妨げる要因になることを越智氏は問題視している また 許認可のタイミングに関して 設備等を新規導入する際は設備を設置してから許認可を受けなければならず 設備設置から許認可を受けるまでの間は操業できないことがベンチャー企業の資金面に悪影響を与える可能性が高いと指摘する しかしその反面で 許認可を受けている廃棄 物事業者を特定できるという利点もあり 原料調達先の確保に役立っているという 期的な資 援体制の構築研究開発や設備投資が発生するような事業を手掛けるベンチャー企業は 長期的な資金調達を必要とするが 民間の金融機関からの投融資は 短中期リターンを求めるものが多いのが実態である そのため 公的機関が主導となって長期的な資金支援の体制を構築することを期待している 118