外部監査の結果 Ⅰ. 事務事業の関係諸法令等への準拠性等に関する指摘事項 1 道路敷登記費について ただし 契約単価については 栃木県と当該社団法人との契約単価が準用されているが 宇都宮市として当該契約に対して関与がない 他の官公庁の契約単価を準用することには一定の合理性はあるが 栃木県と社団法人との協議の場に参加するなど 何らかの関与が必要と考える 2 道路橋りょう企画費の補償及び賠償金につい 市は市の道路管理瑕疵の疑いを8 月 27 日の時点から認識する機会があり, 少なくとも9 月 8 日の時点では損保会社からも市の過失を一部認めるとの意見を受けながら, 同様な他の箇所の調査が 10 日後で, 市としての再発防止策は1カ月以上後となっているのは, 対応の迅速性に問題があると言わざるを得ない ( なお, 他の箇所の調査では, 問題となる箇所は発見されなかった ) 道路管理瑕疵に係る事故に関する対応の迅速性を改善できるよう, 事務処理要領の改善かマニュアルの整備が望ましい 15 土木管理課 17 土木管理課 今年度より, 関東地区用地対策連絡協議会会長 ( 国土交通省関東地方整備局長 ) から通知された 公共嘱託登記 ( 土地家屋調査士 ) 業務積算基準 ( 案 ) 及び公共嘱託登記 ( 司法書士 ) 業務積算基準 ( 案 ) について の公共嘱託登記 ( 土地家屋調査士 ) 委託歩掛と栃木県県土整備部発行の 土木工事実施設計労務資材単価表 により各業務単価を積算し, 予定価格とした 平成 22 年度から事務処理要領中, 事故処理フローに基づき, 迅速な修繕ができる事故担当課 ( 道路維持課 ) が事故対応をすることとした Ⅱ. 費目別の 1 工事請負費について 1 事業執行について ア契約金額の変更承認に対応して, 保証金額の変更要否をチェックする仕組みがない 35 道路建設課 契約変更承認に対して, 起案に一文を加え保証金額の変更要否をチェックする項目を設け, 必ず記載することとした (1) 事業執行について 1 契約保証金変更契約に関する監査手続きとして, 変更契約の状況 ファイルを通覧し, 調査した結果, 以下の契約に関しては, 保証金額の変更が行われていなかった 上記の契約変更の 起案用紙 には, 決裁に至るまでに起案者印を含め 20 の印影があるが, 保証金額の変更要否を点検する担当あるいは仕組みが見られない 上記点検が起案部門の担当者個人だけに依存しているとすれば, 内部統制手続きとしては問題と言わざるを得ない 決裁用紙には必要な点検項目を網羅したチェックリストを添付し, 各段階での押印者は確認を要することとしては如何であろうか 39 道路建設課 契約変更承認に対して, 起案に一文を加え保証金額の変更要否をチェックする項目を設け, 必ず記載することとした -1-
2 土地購入費( 道路新設改良費 ) について (1) 土地購入費の内容 1 交差点改良事業 ( 市道 871 号線 : 若草 1 丁目 ) 若草 1 丁目 871 号線の用地取得においては, 交差点改良の要望があった翌年から予算 89,250 千円 ( 執行 7,000 千円 ) を確保し, 県及び県警との協議を繰り返して来たが, 平成 21 年度において, 県から用地買収が完了した この栃木県との土地売買契約の代金支払い手続きにおいて, 引き渡しが完了していない土地に対する代金を全額県に支払っていた 平成 22 年 3 月に契約し所有権移転登記をした後も県が売買前と変わらず使用管理している 所有権移転登記を行った事実により代金の支払いを行っているが, 市では他の取引において対象物を相手方が占有し維持管理を行っている状態で土地の引渡しが完了したとの取扱はしていない 取扱基準では事業用地の代金の70% 以内の金額を前払支出することはできるものと規定されているが, 全額を支払ってしまったことは取扱基準に反する行為である なお, 当該土地について県との間で無償による賃貸などの契約についても交わされていなかった 41 道路建設課 県との間では, 口頭で管理等の協議は整っていたことから全額支出したところであるが, 今後は, 通常の事務取扱基準によらない場合等は, 覚書や協定書により明確にすることで対応することとした 2 官民の対応手続きの整合性 今後は, 大規模な施設の設置に伴い道路の改修が必要となる場合には, 官民問わず同様の取り扱いにより安全確保のために相当の負担を求めることを検討すべきと考える 42 道路建設課 今後は, 道路の安全確保のために相当の負担を求めることを前提に, 協議することとした 3 補償費 ( 道路新設改良費 ) について 1 協定書の未作成 土地売買契約書第 5 条第 1 項にも補償契約が成立するまでの間は契約金の請求が出来ない旨の記述もあり, 現物補償にかかる補償契約の成立を証する書類として取扱基準に従い協定書を作成すべきである 44 道路建設課 指摘の内容を踏まえ, 覚書や協定書の締結を徹底した 2 担当課の会議録の未作成 今回, 市担当課が外部委託者から報告された認定工法について, 適正な工法であるか否かを担当課が決定したことを確認することは出来なかった 補償業務に係る主要な業務を外部委託している担当課においては, その判断, 検討した過程を含め, 関係者の記憶ではなく, 記録として文書化して残すことを検討すべきである 45 道路建設課 平成 24 年度より用地交渉開始時に, 指摘の件も含めて, 決裁を受けることで対応することとした -2-
4 土地購入費( 街路事業費 ) について 1 代替地の代金の支出について 代替地の提供及び支出に関する事務取扱基準第 6 条において事業用地及び代替地の引渡しがそれぞれ完了しないと代替地の代金を全額支出できないところ, 事業用地の引渡しが完了していないのに代替地の代金を全額支払っていた これは当該土地売買契約書の文中において補償金等の支払に関する記述に誤りがあったこと及び事務取扱基準第 6 条第 2 項の 70% 以内の内金の支出に関する記述が抜けてしまったことが原因の一つである 同時に契約されている物件移転等補償契約による補償金については, 事業用地の引渡し完了していないため 70% 以内の内金のみの支出命令が承認されており, その決裁手続きの段階において発見することは可能だったはずである なお, 当該補償契約については, 物件移転等完了期限延期願書が平成 22 年 3 月 31 日にも提出されていた 外部監査人は, 監査日現在も店舗が移転されず, 市に所有権が移転登記された対象地で営業活動を行っていることを確認した 支出負担行為決議書には, すべての決裁印が押印されているが, 当該契約書の内容及び引き渡し手続きについて, どの様に確認手続きを行っていたのか疑問が残る これは管理上の大きな問題であり, 直ちに改善策を検討すべきである 47 道路建設課 契約書の内容については, 指摘のとおり内容に不備があり, 適切ではなかったことから, 指摘後直ちに契約書の内容を是正し, 適正化を図った 市名義に移転された土地での営業については, 物件移転等補償契約書の期限内に移転先の建築が完了しないと移転ができないことから延期願いが提出されているもので, 市も承認していることから, 営業活動は, 適正なものであり, 措置の必要はないと判断した Ⅲ. 雀宮駅東口周辺整備の事業概要 1 事業の内容 1 残地補償における売却損率の加味について <1 件目 > しかし, 支出行為決議書にも 構内再築工法 による支出であることが謳われており, 外部の補償コンサルタントに, 更なる条件の違いを説明し 構外再築工法 が妥当であるとの判断を得て, 再認定を受けた資料は見当たらなかった この事例については, その支払い根拠には明らかな手続き上の不備があると言わざるを得ない 補償対象の内容は千差万別であり, その合理的な工法の判断を途中で変更せざるを得ない場合があることも考えられるが, 補償の決定には, 当然公平性が重要であり, 判断基準の客観性が必要になり, この場合の適切な手続きは明確にしておく必要がある また, 上記のような手続き不備で, 支出行為がなされてしまう内部統制制度についての見直しが必要である 51 西部区画整理事業課 指摘の点について, 今後は, 移転工法が構内再築の場合は適用しないことを徹底することで対応した -3-
<2 件目 > 道路建設課でも, 市道 5580 号線の物件補償において構内再築工法と認定を決定した案件で残地補償額算定表にて残地補償額の算定を行う際, 残地売却損率の計算がなされていた形跡があった 結果的にこの事例では, 早急性の程度が低いとの判定により支出額はゼロで影響はなかったが, この残地売却損率の適用については, 道路建設課内でも意思統一がされておらず, 建設部の内部統制制度の整備及び運用状況に問題があるものと考えられる このことから庁内での統一された運用方法について, 同じ方法で手続きが行われているかを直ちに確認するとともに早期に内規や運用マニュアルを作成し, 統一的な運用が図られる体制の見直しが必要である 51 道路建設課 指摘の点について, 今後は, 移転工法が構内再築の場合は適用しないことを徹底することで対応した 2 管理上の不備 代替地提供者への代替地の代金の支払いは, 代替地の引渡し完了がその支払条件の一つであるが当該事業用地に関するファイルに代替地の引渡しの完了を確認するための書類が何も綴じ込まれていなかった 担当課によると支出の承認手続きは, 当該ファイルに綴じ込まれた書類によって行われているとの話だが以前から支払要件の一部について確認をしないまま承認手続きが行われていたことが窺える 担当者への請求により代替地の当時の現況写真を確認することはできたが今後は代替地の写真や当事者からの引渡完了の確認書などをファイルに綴じ込み, 支払に必要な書類をすべて一覧出来るように整えるとともに支出手続きに関する管理を徹底すべきである 51 西部区画整理事業課 指摘の点について, 支払に必要な書類をすべて一覧出来るように整えるとともに支出手続きに関する管理を徹底することで対応した Ⅳ. 事務事業の関係諸法令等への準拠性等に関する指摘事項 1 (1)No16.JR 宇都宮駅西口高架通路ほか清掃業務 1 問題点 現在では, 設計価格が 130 万円を超える工事に関してはすべて一般競争入札による業者選定が行われている しかし, 宇都宮市契約事務取扱規程に該当する工事は, 指名委員会に契約の方法及びその条件を付議している 指名競争入札が広く行われていた以前の状況に対して, 今日一般競争入札が大勢となっている 入札の制度が大きく変わっているのであるから, 指名委員会の意義及び役割について再検討する必要がある (2)No26. 橋梁耐震補強修繕工事 1 丁目市道 85 号線 ( 城東橋 ) 1 問題点 宇都宮市天神 本工事のように, 事前に適正な競争条件が成立しているか否か具体的な情報に基づいて判断できない入札案件について, 結果として 2 社入札となった稀な事案は, その理由 原因を究明し, 現状の参加資格要件に問題がないか否か検証する必要がある 62 契約課 63~64 道路維持課契約課 再検討した結果, 指名委員会については, 引き続き同じ意義, 役割を担うことが適当であると判断したところであるが, 一般競争入札が大勢となっていることから, 平成 23 年 4 月に名称を 入札参加審査委員会 に改めた 設計額に応じ, 参加資格要件を見直しした ただし, 応札者が 1 者だけであってもその競争性は失われるものではないと解されている -4-
Ⅴ. 事務事業の管理制度等に関する指摘事項 1 市の説明責任の遂行状況について (1) 広報等について河川課には, 宇都宮市道路見える化計画 のような事業内容や成果, 進捗状況を市民にインターネットで公表しているような制度がない 道路事業と同様に, 河川事業についても, 解決を急ぐべきところを重点的に対策し, 河川事業の目的や成果をわかりやすくするとともに, 今後の事業の予定を明らかにするために, 市民への公表制度の構築を図るべきである (2) 議会からの質問と回答の状況河川課では, 河川事業に係る議員からの質問事項を年度ごとに一覧表にして, 全体が分かるようにし, その下に, 議会答弁進行管理票 と 議会質問 答弁要旨 として取り纏められて管理されている この年度ごとの一覧表を作成する対応は, 議員からの質問の全体が捉えられ, 他の課より分かりやすい 他の課でも参考とすべきである 87~88 河川課 88 土木管理課行政改革課 平成 23 年 3 月より, 本市ホームページにより河川事業を市民に PR するとともに, 平成 24 年 1 月には, 市庁舎ロビーにおいて 河川事業 PR 展 を開催し, 河川事業の進捗状況について啓発を行った 今後とも, ホームページの一層の活用や,PR 展の内容充実により, 市民への啓発に努めていく 指摘の内容につきまして, 部全体の 議会答弁進行管理票 を取りまとめ, 年度, 開催議会, 議員ごとに一覧表を作成し管理した -5-