常総市から国へ支援要請 ( 市管理道路の啓開 ) また 同日 茨城県も常総市内の県管理道路を指定 9 月 14 日茨城県から国への協力要請 ( 県管理道路の啓開 ) (1) 現地調査道路啓開を行うにあたり 現地状況の情報不足が問題となった 現地の詳しい状況がほとんど入ってきていなかったため現地の被害

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避難開始基準の把握 1 水害時の避難開始基準 釧路川では 水位観測所を設けて リアルタイム水位を公表しています 水位観測所では 災害発生の危険度に応じた基準水位が設定されています ( 基準となる水位観測所 : 標茶水位観測所 ) レベル水位 水位の意味 5 4 ( 危険 ) 3 ( 警戒 ) 2 (

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1 首都直下地震の概要想定震度分布 (23 区を中心として震度 6 強の想定 ) 首都直下地震 想定震度分布 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 2

鬼怒川緊急対策プロジェクト 鬼怒川下流域 茨城県区間 において 水防災意識社会 の再構築を目指し 国 茨城県 常総市など 7市町が主体となり ハードとソフトが一体となった緊急対策プロジェクトを実施 ハード対策 事業費合計 約600億円 ソフト対策 円滑な避難の支援 住民の避難を促すためのソフト対策を

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( 参考資料 ) 緊急速報メールを活用した 洪水情報のプッシュ型配信 国土交通省四国地方整備局松山河川国道事務所平成 29 年 3 月

避難を促す緊急行動 被災した場合に大きな被害が想定される国管理河川において 以下を実施 1. 首長を支援する緊急行動 ~ 市町村長が避難の時期 区域を適切に判断するための支援 ~ できるだけ早期に実施 トップセミナー等の開催 水害対応チェックリストの作成 周知 洪水に対しリスクが高い区間の共同点検

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平成 31 年度宮崎河川国道事務所災害時協力会社募集要項 1. 目的宮崎河川国道事務所では 管理する大淀川 小丸川 宮崎海岸 国道 10 号 国道 220 号 東九州自動車道 霧島砂防を主に 災害が発生し または発生のおそれがある場合に迅速な状況把握 ならびに的確な災害対応を図るため 下記の部門にお

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水系名 : 那賀川河川名 : 那賀川 台風の接近 上陸に伴う洪水を対象とした 直轄河川管理区間沿川におけるの避難勧告発令等に着目したタイムライン ( 防災行動計画 )( 案 ) H 現在 時間経過は 平成 26 年台風 11 号を参考 49h 39h 33h 台風に関する徳島県気象

避難勧告等の発令に着目したタイムラインの概要 取組概要 市町村長が避難勧告等を適切なタイミングで発令できるよう 全国の直轄河川を対象に避難勧告等の発令に着目したタイムラインを策定 平成 26 年の出水期までに 全国 109 水系の 148 市町村と連携し 洪水を対象とするタイムラインを策定 各地域で

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平成16年度 台風災害調査報告書(WEB).indd

ハザードマップポータルサイト広報用資料

目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

重ねるハザードマップ 大雨が降ったときに危険な場所を知る 浸水のおそれがある場所 土砂災害の危険がある場所 通行止めになるおそれがある道路 が 1 つの地図上で 分かります 土石流による道路寸断のイメージ 事前通行規制区間のイメージ 道路冠水想定箇所のイメージ 浸水のイメージ 洪水時に浸水のおそれが

東日本大震災 (H ) 地震時の情報収集や提供に関する課題 国 地方公共団体などが連携した被災者や物資輸送者への交通関係情報の提供 大震災直後は 各管理者から別々に通行止め情報等が提供されたため 被災地までの輸送ルートの選定が困難な状況 国が集約して提供を始めたのは10 日以上過ぎた3/

Microsoft Word - 表紙

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21年6月 目次 .indd

第 2 項交通応急対策 災害時には 道路 橋梁等の道路施設が被災するとともに 倒壊建物 がれき等による障害物や 緊急車両 一般車両による交通渋滞が発生し 緊急輸送等に支障をきたすおそれがある 町民等の避難 災害応急対策員の輸送および救助 救護のための資材 物資の輸送を確実に行うため 迅速かつ適切に交

新川水系新川 中の川 琴似発寒川 琴似川洪水浸水想定区域図 ( 計画規模 ) (1) この図は 新川水系新川 中の川 琴似発寒川 琴似川の水位周知区間について 水防法に基づき 計画降雨により浸水が想定される区域 浸水した場合に想定される水深を表示した図面です (2) この洪水浸水想定区域図は 平成

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

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試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 30 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

10.2 道路占用規則関係 ( 太田市に関して ) 当該様式は 参考例として掲載しております 申請の際には 所管にて必ず確認を行ってください 111

( ウ ) 交通管制被災区域への車両の流入抑制及び緊急交通路を確保するための信号制御等の交通管制を行う (3) 警察官 自衛官及び消防吏員による措置命令警察官は 通行禁止区域等において 車両その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあると認め

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CONTENTS Vol.64 No.9 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

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地震発生後の九州地方整備局の活動 4 月 16 日の夜明け 本震の後に再度調査を実施しておりま す その際は 道路崩壊の調査 土砂崩壊の箇所の調査 被 災地に入るための安全ルートの確認等を実施しております 次に九州地方整備局の活動について紹介させていただき ます まず最初に地震発生後の初動体制につい

平成 27 年 9 月 15 日現在 出水概要 _ 平成 27 年 9 月台風 17 号および 18 号 _ 国土交通省関東地方整備局利根川下流河川事務所 速報値のため 今後数値等が変わる場合があります

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 29 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

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別紙 大雨時の川のはん濫の危険性を知らせる 身近な 雨の状況 川の水位と危険性 川の予警報 などを リアルタイムでお知らせするウェブサイトです 川の水位 川の画像 PC 版 スマホ版 浸水想定区域図 住民の方々が自らはん濫の危険性を知り 的確な避難行動などに役立つように 利用者目線に立った新しい 川

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Microsoft Word 最終【資料-4】.docx

Taro-【資料-5】①中表紙

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

9 箇所名 江戸川区 -1 都道府県東京都 市区町村江戸川区 地区 清新町, 臨海町 2/6 発生面積 中 地形分類 盛土地 液状化発生履歴 近傍では1855 安政江戸地震 1894 東京湾北部地震 1923 大正関東地震の際に履歴あり 土地改変履歴 国道 367 号より北側は昭和 46~5 年 南

平成16年新潟県中越地震 JR西日本福知山線列車事故 16年10月23日に発生した新潟県中越地震は 死者68人 災害関連死を含む という被害を もたらしました この地震を契機に 警察では 極めて高度な 救出救助能力を必要とする災害現場において 迅速かつ的確に被災者の救出救助を行う専門部 隊として 1

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8. ピンポイント渋滞対策について 資料 8

許可方針

平成 29 年 8 月 8 日 国道 33 号の渋滞緩和にご協力ください! ~ 経路変更によるお盆の渋滞回避 ~ 愛媛県渋滞対策協議会 ( 議長 : 松山河川国道事務所長 ) では GW 及びお盆期間中において国道 33 号が混雑する事から 昨年よりドライバーの皆様に渋滞の回避及び緩和の為 経路変更

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

路面補修 切削オーバーレイ工 施工前 施工後 4車線化工事 白鳥IC 飛騨清見IC 対面通行区間の中央分離帯の改良 施工前 施工後 車線切替を実施しⅠ期線の改良を実施 左 Ⅰ期線 右 Ⅱ期線 左 Ⅱ期線 右 Ⅰ期線

177 箇所名 那珂市 -1 都道府県茨城県 市区町村那珂市 地区 瓜連, 鹿島 2/6 発生面積 中 地形分類自然堤防 氾濫平野 液状化発生履歴 なし 土地改変履歴 大正 4 年測量の地形図では 那珂川右岸の支流が直線化された以外は ほぼ現在の地形となっている 被害概要 瓜連では気象庁震度 6 強

平成 30 年 7 月 2 日からの大雨による出水概要 ( 上流 ) 速報版第 3 報 国土交通省北海道開発局旭川開発建設部平成 30 年 7 月 6 日 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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表 - 2 流域内各機関における洪水時の主な役割 機関洪水時の主な役割湯沢河川国道直轄区間における河川情報の収集や提事務所供等の水害時の治水対策秋田県 各地指定区間における河川情報の収集や提域振興局供等の水害時の治水対策流域内市町管轄地域における応急復旧等の水防活動や住民の避難誘導など 人的資源や情

南西方向の概要 木造住宅密集地域は 世田谷区に広く分布し 大規模火災発生のおそれ < 道路 ( 直轄国道 246 号 )> 道路上に車両は 最大で約 3,200 台滞留すると想定 道路上への家屋の倒壊 電柱の倒れ込み等によるガレキの発生は 120m3 (10tダンプ30 台分 ) 程度発生すると想定

大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6

02一般災害対策編-第3章.indd

Taro-地震防災マップQ&A集.jtd

【東日本大震災発生から8年】「災害への備えに関するアンケート」結果_損保ジャパン日本興亜

協定の資料 1. 番号の付け方 災害応急対策時に, 各部及び各班で利用する資料が分かるよう, 下記の規定で番号を付ける 部班連番 基準 A1 1 A: 統括部 1. 本部班 2. 情報分析班 3. 情報記録班 4. 広報班 5. 財政班 6. 渉外班 E: 建設部 1. 建設総務班 2. 応急仮設住

埼玉県版 川の防災情報 はじめに 埼玉県ホームページを開きましょう URL 埼玉県ホームページトップ 彩の国の安心安全 ① ① 埼玉県HPの 彩の国の安心安全 を ② ② 現在の埼玉県状況 雨量水位 を 2

資料 4 安全 安心の確保 ~ 道路の防災 震災対策 ~ Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

平成17年7月11日(月)

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Microsoft Word - 報道発表鑑+

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

ことを呼びかけます Q4. ミサイルが落下する可能性がある との情報伝達があった場合は どうすれば良いのでしょうか A4. 屋外にいる場合 近くの建物 ( できれば頑丈な建物 ) の中又は地下に避難してください 近くに適当な建物等がない場合は 物陰に身を隠すか地面に伏せ頭部を守ってください 屋内にい

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

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スライド 1

今後の気象の見通し ( 別紙 1) 石狩 空知 後志地方では 3 月 2 日は 見通しが全くきかない猛ふぶきや大きな吹きだまりにより 車両の立ち往生に警戒が必要です 最新の気象情報や道路情報等を確認していただき 不要不急の外出は避けていただくとともに 万全な備えをお願いします 今後の気象の見通し 2

近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流

通行禁止道路 について 道路標識又は道路標示によるもの 対象にするもの 車両通行止め道路 根拠規定道路標識 道路標示 ( 例 ) 道路交通法第 8 条第 1 項 自転車及び歩行者用道路 標識 302 同法第 8 条第 1 項 標識 325 の 3 歩行者用道路 同法第 8 条第 1 項 標識 325

水防法改正の概要 (H 公布 H 一部施行 ) 国土交通省 HP 1

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平成 3 1 年度 記者発表資料 平成 3 1 年 2 月 4 日九州地方整備局武雄河川事務所 災害時協力会社の公募について ~ 災害への迅速かつ的確な対応のため ~ 国土交通省武雄河川事務所では 災害時等における 迅速な被災状況の把握 円滑で的確な対応 を強化するため 事前に建設業等関係者の皆様と

【東日本大震災発生から7年】「災害への備えに関する調査」結果 ~あなたのご家庭の備えを点検しませんか~_損保ジャパン日本興亜

平成 30 年 7 月 2 日からの大雨による出水の概要 平成 30 年 7 月 4 日 北海道開発局建設部河川計画課 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

Microsoft Word - ■130212_復興みちづくりアクションプラン_報告書(素案)

( 参考資料 ) 緊急速報メールを活用した 洪水情報のプッシュ型配信 国土交通省東北地方整備局秋田河川国道事務所湯沢河川国道事務所能代河川国道事務所 平成 29 年 3 月

今後の気象の見通し ( 別紙 1) 渡島地方を中心に これから 2 月 5 日にかけて大雪による車両の立往生などの交通障害の発生するおそれがあります 湿った重い雪により除雪作業が困難になるおそれもあります 大雪による交通障害に警戒し なだれにも注意が必要です 外出される際は 事前に気象情報や道路情報

大雪の際のドライブプランの検討に役立つ新たな情報提供を行います 高速道路会社が共同で 株式会社ウェザーニューズと連携した 新たな 高速道路の情報提供サイト を立ち上げます 大雪の際には情報提供サイトをご確認いただき 大雪地域へのご旅行等の見合わせや広域の迂回など ご協力をお願いします タイムライン

重点項目表紙

今後の気象の見通し ( 別紙 1) 渡島地方を中心に これから 2 月 5 日にかけて大雪による車両の立往生などの交通障害の発生するおそれがあります 湿った重い雪により除雪作業が困難になるおそれもあります 大雪による交通障害に警戒し なだれにも注意が必要です 外出される際は 事前に気象情報や道路情報

01〔物件明細〕【高架下②】(摂津市鳥飼本町).xlsx

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資料1(第1回水害WG)

戸田市災害に強いまちづくり推進ワークショップ 住民版地域防災計画作成の手引き 緊急一時避難場所を決めましょう 避難を支援する方法を考えましょう 緊急時の連絡体制をつくりましょう リーフレットを作成し 町会員に周知しましょう 参照 : 戸田市洪水ハザードマップ

Transcription:

水害による日本初の道路啓開 中島央人 関東地方整備局常陸河川国道事務所道路管理第二課 ( 310-0851 茨城県水戸市千波町 1962-2) 昨年の 平成 27 年 9 月関東 東北豪雨 により茨城県常総市の鬼怒川堤防が決壊し広範囲にわたり浸水被害が発生したため常総市は 9 月 12 日に市内全域の市道について 災害対策基本法 76 条の 6 第 1 項に基づく指定を実施した 関東地方整備局は 常総市長からの要請を受け緊急輸送路の確保のため 放置車両等の移動 ( 道路啓開 ) を目的に テックフォースの派遣を行った 2014 年 11 月の災害対策基本法改正以降 水害による道路啓開を行ったのは日本初であることから 実施内容や課題についてとりまとめを報告する また 決壊の前日に実施した川島橋通行止めの状況報告を行う キーワード平成 27 年 9 月関東 東北豪雨 道路啓開 災害 1. はじめに平成 27 年 9 月関東 東北豪雨の当事務所の対応として鬼怒川に架かる国道 50 号川島橋の通行止めの実施 その後 常総市での道路啓開実施の2 点の対応についてとりまとめた (1) 道路啓開とは緊急車両等の通行のため 1 車線でもとにかく通れるように早急に最低限の瓦礫処理を行い 簡易な段差修正により救援ルートを開けることをいう 大規模災害では 応急復旧を実施する前に救援ルートを確保する道路啓開が必要である 今回の常総市の道路啓開では放置車両の撤去を実施した (2) 道路啓開実施の背景 平成 27 年 9 月関東 東北豪雨 により茨城県常総市では鬼怒川の堤防が決壊し広範囲にわたり浸水被害が発生 道路上に多くの放置車両が溢れた 関東地方整備局は 常総市長からの要請を受け緊急輸送路の確保のため 放置車両等の移動 ( 道路啓開 ) を行った (3) 川島橋の通行止めの背景国道 50 号川島橋 ( 昭和 28 年完成 ) は老朽橋化が進行していることなどから 結城市で 震度 5 弱以上 の地震が発生した場合や鬼怒川 ( 川島観測所 ) の水位が はん濫危険水位 に達した場合には一時的に通行止めを行い 安全性の確認をすることとしている 平成 27 年 9 月関東 東北豪雨 により堤防決壊の前日 (9 月 9 日 23:00) に川島橋水位観測所にて鬼怒川の水位上昇が確認されたことから川島橋の通行止めを実施した 2. 道路啓開内容 9 月 12 日 4:00 常総市は道路区間の指定を行い 1

常総市から国へ支援要請 ( 市管理道路の啓開 ) また 同日 茨城県も常総市内の県管理道路を指定 9 月 14 日茨城県から国への協力要請 ( 県管理道路の啓開 ) (1) 現地調査道路啓開を行うにあたり 現地状況の情報不足が問題となった 現地の詳しい状況がほとんど入ってきていなかったため現地の被害情報 放置車両の数 位置 道路啓開の必要な範囲などがわからなかったためである そのため 9 月 11 日の夜間から翌日にかけて現地調査を行うこととなった そこで 調査のために現地に職員を派遣したが 浸水の影響で移動に車を使えなかったことから徒歩での調査を余儀なくされ調査に困難を要した ( 写真 -1 2) 図 -2 道路啓開の実施範囲 写真 -1 現地調査時写真 -2 現地調査時 (2) 道路啓開の実施範囲現地調査の結果から道路啓開の実施範囲を決めた 市道の道路啓開を行うことから図 -2 のとおり常総市役所周辺と破堤箇所周辺の常総市北側を実施範囲とした (3) 道路啓開の実施状況道路啓開にかかる職員や作業員 使用機材などの実施状況については表 -1 に記載のとおりである 日時内容 9 月 10 日利根川水系鬼怒川左岸 ( 常総市三坂 12:50 町地先 ) が決壊 9 月 12 日常総市が市全域を指定道路区間に指定する これにより道路啓開が実施可能となる 現地調査のため職員 4 名派遣 9 月 13 日前日の現地調査を受け放置車両の移動を実施 職員 7 名の 3 班体制 維持業者 3 社 作業員 15 名 ユニック 4 台 バックホウ 4 台が出動し 5 台の放置車両を移動した 9 月 14 日 B 型バリケードの設置のために維持業者が出動した 9 月 15 日放置車両の移動を実施 職員 8 名の 3 班体制 維持業者 3 社 2

作業員 9 名 バックホウ 3 台が出動し 15 台の放置車両を移動した 9 月 18 日 9 月 14 日に設置したB 型バリケードを撤去するため維持業者が出動した 9 月 19 日側溝清掃を行うために職員 1 名が現地へ派遣された 9 月 24 日常総市が指定道路区間の解除表 -1 実施状況 (3) 現地での作業内容について現場作業を行うにあたっては 3 班体制で現地作業を実施した 各班 職員 2 名 維持作業員 2~3 名 重機 1 台 レッカー 1 台を割り振った 職員 2 名で記録 車両の状況の確認等を行った ( 写真 -3) また 今回水害ということから車両移動にレッカーだけでは厳しいことが予想され重機を用意したが実際に現地で使うことはなく レッカーのみで車両を移動となった 実際の作業としては放置車両を 1 台移動するためには 1 時間ほどの時間を要した また 職員 1 名を車両保管所 ( 常総市の駐車場 ) に配置し移動した車両の管理等を行った ていては作業効率が悪くなる そのため事前に記録表を複写式にしてまとめた 災害時の現場持ち出し書類 < 路上放置車両対策編 > を作り作業の簡素化を計った ( 図 -3,4,5) 車両移動記録表は次のような作りになっている 1 車両移動記録 ( 図 -3 右 ) 2 車両移動通知 ( 図 -4 左 ) 3 車両移動に関する通告 ( 図 -4 右 ) 4 車両移動伝票及び移送状況確認表 ( 図 -5 左 ) 5 移動車両個票 ( 図 -5 右 ) 図 -3 表紙 ( 左 ) 1 車両移動記録表 ( 右 ) 図 -4 2 車両移動通知 ( 左 ) 3 車両移動に関する通告 ( 右 ) 写真 -3 実施状況 a) 車両の写真撮影作業に着手する前に損傷状況を記録する これは移動時に新たに損傷を発生させていないかを記録するためのものである b) 車両移動の記録表について道路啓開で車両移動する際 記録表を毎回記載し 図 -5 4 車両移動伝票及び移送状況確認表 ( 左 ) 5 移動車両個票 ( 右 ) 3

1 車両移動記録に情報を記載し 2 車両移動通告を現地に残す この際に電柱など現地に掲示する場所がない場合には木杭などで現地に残すようにした 実際に今回の道路啓開では田んぼの中に放置車両があったため 木杭を打ち対応した 運転手が車内に残っていて車の移動に応じない場合には3 車両移動に関する通告を行う 今回道路啓開を行った中では持ち主が近くにいることはなかった現地で記載した4 車両移動伝票及び移送状況確認表を保管場所 ( 駐車場 ) にいる職員に渡す 5 車両移動個表は移動車両のフロントガラス等に掲示した (1.1m) から氾濫危険水位 (2.3m) へ移行した (2) 現場状況現地到着時にはすでに警察が通行止めをしている状況だった 図 -1 の位置にバリケードを設置し 通行止めについての説明を行った 通行止めを開始してから数時間後 鬼怒川の西側にある田川が決壊し通行止め箇所である川島橋の左岸側は冠水し水が腰の位置まで達した 川島橋の右岸側は堤防が低いため家などが水に浸かってしまっている状況であった ( 写真 -4) (4) 移動車両の引渡しについて道路啓開で移動した車両については 2.(3) に記載のとおり車両移送運転手から保管所の職員に車両移動確認表を渡し道路啓開で移動した車両であることを確認した その後 保管所職員から国道事務所に車両諸元についての連絡をし 国道事務所から茨城県公安委員会へ移動車両の情報提供を行った また 保管所にある車両を引き渡す際の車両所有者との確認書の取り交わしについては常総市に対応をしてもらった 図 -1 川島橋位置図 ( 出典 : 参考文献 1) 3. 川島橋の通行止めの実施 (1) 通行止めの判断基準川島橋の通行止めをするための基準について事前に設定しており水防団待機水位 (0m) で注意体制 氾濫注意体制 (1.1m) で維持業者が現場待機 事務所から出張所への応援 氾濫危険水位 (2.3m) で警戒体制に入り通行止めとしていた 今回の場合 氾濫注意水位 (1.1m) に達したため常陸河川国道事務所から職員 2 名が岩瀬国道出張所へ向かった 事務所から出張所まで向かう 1 時間ほどの間に氾濫注意水位 写真 -4 川島橋の右岸 4. 成果 (1) 課題 a) 現地に車両がない 4

今回の道路啓開は大雪などの場合と違い 対象範囲が広範囲に点在している状況であった そのため 事前に調査を行ったが 実際に車両移動の場所に向かうと車両がないといったことが起きた 指示された場所に車両がないため 指示内容が間違っていたのか すでに車両が移動済みであるかを確かめるために現地と地図を何度も確認することなり作業に時間を要することとなった b) 保管所の警備今回の道路啓開では常総市役所の南側の駐車場に 道路啓開で国 県 自治体が移動した車両を停めていた また 車両移動後の管理は常総市でもらっていた 駐車場には 放置車両を買い取るために業者が何社もおり買い取り車両と間違えて違う車両を持って行かれる事などが考えられた また 移動した車両が盗まれる恐れもあり駐車場の警備等に課題が見られた 駐車場には道路啓開で移動した車両以外にも駐車してあり 駐車場の門は閉められないといった状況であった そのため警備が手薄な状況ではあった 実際には警備を付けるなどした方が良いと思われた が現場にそこまで人手を割ける余裕はなかったと予想される (2) 対策 a) 現地に車両がない車両がない場合には 写真等で現地に車両がないことを記録し報告した b) 保管所の警備盗難防止を呼びかけるため 保管してある車両のフロントガラスに日本語と英語で書いてある注意喚起の張り紙を張った (3) 感想 9 月 9 日川島橋通行止めから始まり休むことなく常総市の道路啓開へ移行したため指定道路区間の解除となる 9 月 24 日まで 昼夜なく対応にあたり体力的にも非常に厳しい中での災害対応となった また 今回のような貴重な実体験によって得られた知見に基づいて 課題や問題点の解消に向け検討を進め 今後の災害対応 対策に役立てていきたい 参考文献 1) Google:Google マッフ 5