財政基礎講座

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報告事項     平成14年度市町村の決算概要について

2007財政健全化判断比率を公表いたします

平成 30 年 (2018 年 )9 月 20 日 財政局 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率等の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 に基づき 平成 29 年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率を算定いたしましたのでお知らせします 健全化判断比率については すべての

健全化比率及び資金不足比率の状況について 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 により 藤枝市の健全化判断比率及び資金不足比率につい て 以下のとおり算定しました これは 平成 19 年 6 月に公布された上記法律に基づき 毎年度 監査委 員の審査に付した上で 議会に報告及び公表するものです 本市

貝監第  号

歳入総額 区分 平成 年度の財政フレーム ( 単位 : 百万円 ) 30 年度 31 年度 合計 構成比 構成比 構成比 263, % 265, % 529, % 一般財源特別区税特別区交付金その他特定財源国 都支出金繰入金特別区債 167

平成 28 年度決算に係る健全化判断比率及び資金不足比率に関する審査意見書 春日井市監査委員

スライド 1

平成 27 年度高浜町の健全化判断比率及び資金不足比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 が平成 21 年 4 月から全面施行され この法律により地方公共団体は 4 つの健全化判断比率 ( 実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率 将来負担比率 ) と公営企業ごとの資金不足比率を議会に報

2 決算収支 実質収支は 59 億 63 百万円の黒字で 11 年連続で全団体黒字となった 単収支は 9 億 92 百万円の黒字となった また 赤字団体は35 団体中 15 団体となり 前と比べて8 団体減少した 実質単収支は 189 億 82 百万円の赤字となり 前と比べて41 億 47 百万円赤

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山形県庄内町平成 28 年 11 月 ( 訂正版 ) 平成 26 年度決算に基づく健全化判断比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律第 3 条第 1 項の規定により 健全化判断比率を公表 いたします 健全化判断比率は 自治体の財政が健全かどうかを表す指標です 地方公共団体の財政の健全化に関する法

Web用-広報4月号-Vol.169.indd

Taro-★【2月Ver】01~05. ⑲計

田川市水道事業会計


平成 28 年度予算編成方針 我が国の経済は 景気は引き続き緩やかな回復基調を維持しているが その影響が地方経済にまで十分に行き渡っているとは言えず 我々地方の行財政運営の基本となる税等一般財源を確保するためには 臨時財政対策債に頼らざるを得ない状況が続くものと考える また 税制改正も予測されること

さぬき市普通会計決算状況 普通会計決算状況及び財政指標等 1P 普通会計歳入決算状況 普通会計歳出決算状況 主な一般財源の推移 ( 市税及び地方交付税 ) 普通建設事業費と義務的経費の推移 基金 市債及び元利償還金等の状況 2P 3P 4P 5P 6~8P

平成 28 年度決算に基づく福井市健全化 判断比率及び資金不足比率審査意見書 福井市監査委員

地方公共団体の財政の健全化に関する法律 に係る比率について 1 概要北海道夕張市のような地方自治体の財政破綻を未然に防ぐため 平成 20 年 4 月に 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 ( 以下 財政健全化法 といいます ) が施行されました 財政健全化法では 市の一般会計の決算だけでなく 市

16 筑紫野市 22.91% 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

47 大木町 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 22.96% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

1 北九州市 将来負担比率の状況と推移 将来負担比率 平成 20 年度 171.8% 平成 21 年度 173.5% 平成 22 年度 平成 23 年度 166.9% 166.0% 166.9% 平成 24 年度 170.3% 将来負担比率は 地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め

14 中間市 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 7.65% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は 地

~ わかりやすい決算報告をめざして ~ 市ではさまざまな事業を行っています どのような事業を行うのか 資金調達はどうするか どのように支出するかを 歳入 歳出 という形でお金で表し とりまとめた計画が 予算書 です その予算に沿って事業を行った一年間の結果を報告したものが 決算書 です 決算書 には

57 みやこ町 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 9.49% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は

スライド 1

連結実質赤字比率 ) 実質赤字比率 =A/B*100が負一般会計等 2 会計名学童等災害共済学童等災害共済事業 数の場合における A/B*100の絶対 一般会計等 2 実質収支額 値 一般会計等 3 会計名 中小企業従業員中小企業従業員退職金等

市税収入額(人口推移)

15 小郡市 将来負担比率の状況と推移 将来負担比率 平成 21 年度 118.0% 平成 22 年度 102.9% 平成 23 年度 平成 24 年度 81.4% 92.7% 81.4% 平成 25 年度 76.4% 将来負担比率は 地方公社や損失補償を行っている出資法人等に係るものも含め その地

54 赤村 実質赤字比率及び連結実質赤字比率の状況と推移 1.59% 実質赤字比率は 地方公共団体の一般会計等を対象とした実質赤字額の標準財政規模に対する比率で 福祉 教育等を 行う地方公共団体の一般会計等の赤字の程度を指標化し 財政運営の悪化の度合いを示す指標ともいえます 連結実質赤字比率は 地方

1. 財政状況の年度推移 ( 一般会計 ) (1) 決算概況 ( 単位 : 億円 ) グラフの解説 一般会計の歳入 歳出の規模は増加傾向にあり 平成 27 年度の決算規模は 歳入 歳出ともに過去最大規模となっています 実質収支は 黒字を継続しており 27 年度は約 49 億円 前年度と比べると約 1

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⑴ 練馬区の予算規模はどのくらいですか? どんなことに予算が多く使われているのですか? 平成 27 年度の予算規模は約 2,500 億円で 児童 高齢者 障害者 生活困窮者などを支援するための経費の割合が増えています 平成 27 年度における予算額は約 2,500 億円で前年度より約 55 億円増加

1 北九州市 実質公債費比率の状況と推移 11.4% 10.8% 実質公債費比率 平成 21 年度 9.9% 平成 22 年度 11.7% 平成 23 年度 11.4% 平成 24 年度 10.8% 平成 25 年度 10.5% 実質公債費比率は その地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金等の

1 北九州市 実質公債費比率の状況と推移 11.8% 12.6% 実質公債費比率 平成 24 年度 10.8% 平成 25 年度 10.5% 平成 26 年度 11.8% 平成 27 年度 12.6% 平成 28 年度 13.7% 実質公債費比率は その地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金等

地方公共団体の財政の健全化に関する法律 に係る比率について 1 概要北海道夕張市のような地方自治体の財政破綻を未然に防ぐため 平成 20 年 4 月に 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 ( 以下 財政健全化法 といいます ) が施行されました 財政健全化法では 市の一般会計の決算だけでなく 市

地方公共団体財政健全化法

目 次 1. 作成の目的 P2 2. 推計方法 P2 3. 歳入の推移 P4 4. 歳出の推移 P5 5. 歳入歳出の比較 P6 6. 基金の状況 P7 7. 地方債残高の状況 P8 8. 経常収支比率の状況 P9 9. 実質公債費比率の状況 P まとめ P11-1 -

29 那珂川町 実質公債費比率の状況と推移 4.6% 4.0% 実質公債費比率 平成 23 年度 5.6% 平成 24 年度 5.1% 平成 25 年度 4.6% 平成 26 年度 4.0% 平成 27 年度 3.6% 実質公債費比率は その地方公共団体の一般会計等が負担する元利償還金等の額を その

Ⅰ 平成 24 年度高鍋町財務書類の公表について 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデル

15 小郡市 13.9% 13.5% 比較する財政の規模 ( 分母 ) の内訳について 計算式 : 標準財政規模 (c) - 算入公債費等の額 (b) 標準財政規模 (c) の内訳 ( 単位 : 千円 %) H22 決算 H23 決算 H24 決算 H25 決算 標準税収入額等 7,265,856

目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

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目 次 (1) 財政事情 1 (2) 一般会計税収 歳出総額及び公債発行額の推移 2 (3) 公債発行額 公債依存度の推移 3 (4) 公債残高の累増 4 (5) 国及び地方の長期債務残高 5 (6) 利払費と金利の推移 6 (7) 一般会計歳出の主要経費の推移 7 (8) 一般会計歳入の推移 8

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23家計簿syuusei.xls

資料 5 公共施設更新コスト試算 1 試算ケース ケース1: 旧耐震基準のうち 築 60 年以上は建替え それ以外は大規模改修 新耐震基準は老朽箇所修繕 耐用年数を 60 年と想定した場合 旧耐震基準の施設のうち 築 60 年以上の施設は 築 60 年が経過した施設から建替える 建替え対象以外の旧耐

5 財政見通し地方交付税の減少等に伴い歳入額が大きく減少する一方で, 歳出は緩やかに減少することから, 期間を通じて収支不足が生じるものの, 財源対策 ( 財政調整基金の取崩し ) を講じることにより, 対象期間中は収支均衡を図ることができる見込みとなった しかしながら, 平成 33 年度末の財政調

各種財政分析指標の解説

2 決算規模及び収支 (1) 決算規模 特別の平成 26 年度普通会計決算は 歳入総額 3 兆 5,779 億 31 百万円 歳出総額 3 兆 4,423 億 40 百万円となった 決算規模は 前年度に比べて歳入は8.0% の増 歳出は8.3% の増となり 歳入 歳出ともに4 年連続の増となった (

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国民健康保険税率等の諮問 について 国立市健康福祉部健康増進課国民健康保険係 国立市富士見台 : ( 代表 ) 内線

鯖監査第  号

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はじめにこの 釧路市の財政 は 釧路市の歳入 歳出等の状況をグラフを使って経年的に表すことにより 市民の皆様に釧路市の財政状況を出来るだけわかりやすくお知らせするために作成いたしました 本資料を通じて 釧路市の財政について 一人でも多くの市民の皆様にご理解をいただき ご意見をいただきながら今後の財政

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Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 国保は構造的な問題を抱えており 被保険者の保険料負担軽減のために法定外繰入金を繰入れているといった状況は 全国的な状況であることから 国は全国で約 3,400 億円の公費を拡充し 国保の財政基盤の強化

1

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H28秋_24地方税財源

平成17年度の決算状況

第 Ⅰ 部横浜市の財政規模 横浜市の財政状況 目次 1 歳入 歳出決算額の推移 2 第 Ⅱ 部歳入の状況 1 歳入構造 (1) 歳入決算額の推移 3 (2) 歳入決算構成比の推移 4 2 市税の状況 (1) 市税決算額と伸び率の推移 5 (2) 税目別構成比の推移 6 3 地方交付税の状況 7 4

試算の前提条件 2018( 平成 30) 年度当初予算を基本に 収支等に大きく影響のあるもの (2018 年度の新規 拡充事業など ) や 2017 年度補正予算等による影響を反映 市税を 中長期の経済財政に関する試算 (2018 年 1 月内閣府 ) で示されたベースラインケースの指標により試算し

2. 歳入の状況 ( 単位 : 億円 ) 1,8 1,6 1,4 1, 1, 1, 市債 国庫 県支出金 地方交付税 地方譲与税 交付金 市税以外の自主財源 市税 自主財源総額 比率 1,384 1,525 1,529 1,539 1, ,564

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その 1 の財政状況は? 平成 28 年度一般会計決算からの財政状況を説明します 1 平成 28 年度の主なお金の使い道は? その他の経費 212 億 93 万円 扶助費 82 億 3,606 万円 16.7% 43.0% 義務的経費 219 億 7,332 万円 人件費 44.5% 79 億 8,

Ⅱ 健全化判断比率の概要 1 健全化判断比率 財政健全化法の施行に伴い 地方公共団体は 平成 19 年度から 毎年度 次の健全化判断比率 (4 指標 ) を監査委員の審査に付した上で 議会に報告し 公表しなければならないことになっています 早期健全化基準を上回ると財政健全化計画の策定が義務付けられ

図 4-1 総額 と 純計 の違い ( 平成 30 年度当初予算 ) 総額ベース で見た場合 純計ベース で見た場合 国の財政 兆円兆 国の財政 兆円兆 A 特会 A 特会 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定 一般会計 B 特会 X 勘定 Y 勘定

一般会計 特別会計を含めた国全体の財政規模 (1) 国全体の財政規模の様々な見方国の会計には 一般会計と特別会計がありますが これらの会計は相互に完全に独立しているわけではなく 一般会計から特別会計へ財源が繰り入れられているなど その歳出と歳入の多くが重複して計上されています また 各特別会計それぞ

資料 1-1 資料 1-1 平成 29 年度財政融資資金運用報告について 平成 30 年度財政融資資金運用報告について 平成令和元年 30 年 7 月 26 日財務省理財局財務省理財局

概算要求基準等の推移

平成 26 年度 佐賀市財務諸類の公表について Ⅰ 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデ

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H30 表紙

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外部監査

Microsoft Word - あきる野市のおさいふ(H30年度版).docx

平成 2 4 年度 佐賀市財務書類 基準モデル 平成 26 年 3 月佐賀市総務部財政課

Taro-中期計画(別紙)

平成20年度決算に基づく

下呂市は今後 市税の減収や地方交付税特例措置 の終了を見据え 大幅に支出をカットし 身の 丈に合った市政運営をしていかなければ なりません 広報紙 11月号参照 今月は支出をどう見直していく のか 予算規模縮減に向け たお話です 3 と 年度 は 前 下呂市の財政の弾力性を示す経 進む財政の硬直化

財 政 の 現 状

沖縄県の財政2018

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別紙様式 1-1( 平成 19 年度承認計画用 ) 西総財第 7 7 号 平成 23 年 8 月 26 日 静岡財務事務所長 殿 西伊豆町長藤井武彦印 財政健全化計画等執行状況報告書 以下の財政健全化計画等の執行状況について 別紙のとおり報告します 財政健全化計画 公営企業経営健全化計画上水道事業

平成 25 年度 佐賀市財務諸類の公表公表についてについて Ⅰ 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示され

01 H30記者発表資料

沖縄県の財政2015検討(最終)

⑵ 繰越金 5 億円を当初予算で措置市では 前決算の剰余金である繰越金が2 千万円を切る決算が平成 と続き ぎりぎりの財政運営を行っていました そのため 繰越金を当初予算で市民サービスに活用することができず 平成 19 当初予算まで科目存置 1 千円としていました しかしながら 平成 1


○ 何のために財務書類を作成するか

沖縄県の財政2017

第 1 部平成 28 年度決算にみる中野区の財政 平成 28 年度普通会計決算の概要 ( 歳入 歳出 ) 歳入歳出 実質収支の推移 歳入歳出実質収支 ( 実質収支 ) 1,4 1,2 1, ,324 1,333 1,23 1,265 1,95 1,43 1,52 1,89 1,14

平成27年度 決算の概要

Transcription:

資料 5 City of Yokohama 横浜市の財政状況 ~22 年度予算の概要と財政運営の取組み ~

1. 横浜市の財政規模 単位 : 億円 35,000 33,195 32,591 30,998 30,000 6,425 6,005 5,755 公営企業会計 25,000 20,000 13,171 12,873 11,639 特別会計 15,000 10,000 5,000 13,599 13,713 13,604 一般会計 0 H20 予算 H21 予算 H22 予算

2. 横浜市の特別会計 企業会計 特別会計計 11,639 億円 公営企業会計計 5,755 億円 市債金 5,502 48% その他 553 5% 国民健康保険 3,152 27% 介護保険 1,915 16% 後期高齢者 517 4% 単位 : 億円 埋立 591 10% 高速鉄道 796 14% その他 613 11% 水道 1,201 21% 下水道 2,554 44% 単位 : 億円

3. 予算編成 平成 16 年度 ~ 包括的財源配分方式による 自律分権型予算編成 増加傾向 各局の財政需要 原則 所要額配分をする事業人件費 公債費 義務的繰出金指定管理経費 債務負担設定済み事業費財政健全化対応経費 : 所要額 扶助費 : 対象人員の伸び等を勘案 配分上配慮が必要な事業対前年度 15% 減少傾向 次年度の収入見込 基礎配分事業対前年度 35% 財政需要と収入見込を調整率で調整して配分 + 平成 22 年度予算編成では自律分権型予算編成に加え 課題検討事業 (49 事業 ) 枠的公共事業 (5 事業 ) を要求 審査型の事業として設定 将来負担の増につながる事業の進捗調整 政策的に調整が必要な事業 予算編成前から 各局に見直すべき事業 視点を示し 予算編成において 見直しを促進 950 件 122 億円の見直し効果額

4.22 年度予算のポイント 横浜は現場主義 生活主義 元気主義! 安心と活力をともに生み出す ポイント 1 ポイント 2 ポイント 3 緊急的取組 : 子育て支援の充実待機児童の解消 産科 小児医療 救急医療体制の充実 学校支援の拡充 緊急経済対策 : 中小企業融資の充実 雇用の創出 事業量の確保 ( 道路修繕費 学校特別営繕費等 ) 政策分野での重点的取組 1 市民の暮らしの充実 2 現場目線でぬくもりのある行政サービスの充実 3 環境問題への更なる取組み 4 国際都市化への一層の推進 経済の活性化 ポイント 4 財政健全化の取組 大幅な税収減に対応した緊急避難的な財源確保横浜方式のプライマリーバランスを維持した範囲における市債の活用補正予算に対応する市税留保の取りやめ (30 億円 ) 財政調整基金の活用 (27 億円 ) 徹底した事務事業の見直し 950 件 122 億円の効果額

5. 横浜市の一般会計予算歳入 <22 年度一般会計予算 :1 兆 3,604 億円 > 対 21 年度 385 市税 6,870 億円 個人市民税 2,804 億円 法人市民税 449 億円 固定資産税 2,676 億円 景気後退を受けて 個人所得の減少 法人収益の縮小により 21 年度予算と比較して 22 年度収入見込は 385 億円 ( 個人市民税 338 法人市民税 80) +100 42 +572 +127 478 地方交付税 115 億円地方譲与税 83 億円 県税交付金 551 億円 国 県支出金 2,540 億円 市債 1,274 億円 その他 2,171 億円 都市計画税 559 億円その他 382 億円 市税収入の大幅減を受けて 地方財政対策の動向を受けて 地方交付税を増額 (+100 億円 ) して見込む 緊急避難的な措置として 市債を中期計画の目標を達成する発行上限額 (1,074 億円 ) より 200 億円増額 ( 臨時財政対策債の増額分 ) して計上

6. 横浜市の一般会計予算歳出 ( 性質別 ) <22 年度一般会計予算 :1 兆 3,604 億円 > 義務的経費 H21:48.9% H22:54.2% 人件費 2,029(14.9%) 扶助費 3,475(25.5%) 公債費 1,873(13.8%) 行政運営費 2,721(20.0%) 市単独事業費 1,083(8.0%) 国庫補助事業費 587(4.3%) 繰出金 1,836(13.5%) 職員 特別職人件費 議員報酬対 21 年度 74 億円 ( 給与改定 新陳代謝 退職者数の減 ) 生活保護費 保育所運営費 横浜保育室助成費 小児医療費助成 障害者自立支援給付費対 21 年度 +749 億円増 ( 子ども手当 470 億円 生活保護 152 億円 保育所運営 25 億円等 ) 市債の償還経費 ( 借金の返済 ) 対 21 年度 9 億円 小中学校運営費 市民利用施設管理費 庁舎管理 中小企業融資 予防接種 各種団体助成対 21 年度 323 億円 ( 産業活性化融資 368 億円 ) 道路 橋梁 福祉施設 市民利用施設等の整備 修繕 改修 用地取得 買替経費対 21 年度 361 億円単独 141[ 11.5%] 補助 220[ 27.3%] 一般会計から特別会計 企業会計に対する繰出金特別会計 : 国保 後期高齢者 介護保険 市街地 みどり等企業会計 : 下水道 埋立 高速鉄道 自動車 水道等対 21 年度 92 億円 ( 市街地 58 億円 下水道 33)

7. 財源確保の取組 市税収納率の向上 高い収納率を維持 H11:93.0% H20 97.0% H21( 決見 ) 97.0% H22( 予算 )97.0% 横浜みどり税の導入 開港 150 周年を機に 緑豊かなまち横浜 を次世代に継承していくため 横浜みどり税を導入 平成 22 年度税収見込 21 億円 企業誘致による税収増 企業立地促進条例 ( 平成 16 年制定 ) 企業立地に対する助成 税軽減制度 H16~H20 年度に44 件の企業立地を促進 さらに3 年間適用期間を延長 対象をテナント本社等にも拡大認定企業による税収約 45 億円 / 年 歳入確保強化担当の設置 市民の暮らしの根幹 税や国民健康保険などのしくみの健全な維持 公平性の観点から強く求められている 広告料収入等 広告事業の推進 収納未収金対策を統括的に進める新組織を設置 広報印刷物広告 施設への広告物設置など 広告付き物品の現物寄贈など ネーミングライツ日産スタジアム ニッパツ三ツ沢球技場 はまぎんこども宇宙科学館など 滞納額圧縮目標 H19 年度末約 560 億円 ( 一般会計 特別会計未収額の合計 ) H21 年度末 530 億円台へ 11

8. 横浜市の財政運営上の取組み 1 市債発行 横浜方式フ ライマリーハ ランス の黒字維持 発行額をその年度の元金償還額の範囲内に抑制 当該年度の収入で 利払いを含む当該年度の支出を賄う 歳入 市税等の市債以外の歳入 市債 歳出 事業費など市債償還以外の歳出 利払い額 元金償還額 市債以外の収入で利払い額を支出 この分だけ横浜方式は厳しい 中期的に残高の確実な減少につながる 横浜方式のプライマリーバランスの推移 ( 当初予算ベース ) ( 単位 : 億円 ) 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 市債発行額 1 1,233 1,171 1,113 1,147 1,274 元金償還額 2 1,309 1,381 1,406 1,383 1,401 中期計画 での目標値 プライマリーバランス (2-1) 77 210 294 236 127 18 年度 ~22 年度 毎年度黒字 注 : 各項目で単位未満を四捨五入しているため 2-1が一致しない場合があります 7

9. 横浜市の財政運営上の取組み 2 市債発行 市債発行額の抑制 H9~ 一般的な市債 12% H16~ 一般会計の市債 8% 毎年度平均 5% 減の範囲内で抑制 (H19~H21) 発行抑制対象 : 一般会計のすべての市債 + 市税等で償還する特別会計 企業会計の市債 ) 20 年度後半からの景気悪化に伴う市税収入の減により 21 年度 22 年度ともに 計画目標を上回る発行となった それにより 中期目標を 129 億円超過して危機を乗り越えた 中期計画目標に対する市債の発行実績見込額 ( 単位 : 億円 ) 一般会計の市債 (A) 市税等で償還する特別会計 企業会計の市債 (B) (A)+(B) 19 年度 20 年度 21 年度 1 計画目標注 1 1,171 1,113 1,203 1,074 2 決算 ( 見込 ) 予算注 2 1,104 1,159 1,320 1,274 2-1 117 200 1 計画目標注 1 484 460 408 435 2 決算 ( 見込 ) 予算注 2 400 445 408 247 2-1 0 188 1 計画目標 1,655 1,573 1,611 1,509 目標 6,228 2 決算 ( 見込 ) 予算 1,504 1,604 1,728 1,521 実績見込額 6,357 2-1 117 12 差 129 注 1: 各年度の目標の 19 年度 20 年度は対前年度 5% とした場合の額 21 年度 22 年度は 22 年度予算編成開始時に設定した目標額注 2:19 年度 20 年度は決算 21 年度は 2 月補正後見込 22 年度は当初予算の数値 22 年度 中期計画目標 (19~22 年度合計 )

10. 横浜市の財政運営上の取組み 3 外郭団体等債務への確実な対応 各年度の予算編成の中で 毎年 1,000 億円程度債務対応を償還する経費を計上し 確実に減少させる 特別会計 公営企業会計の市債の償還経費 外郭団体の借入金の償還経費 合計 ( 単位 : 億円 ) 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度合計 814 800 818 766 3,197 222 201 194 160 777 1,036 1,001 1,012 926 3,975 注 : 各項目で単位未満を四捨五入しているため 各年度の合計額が一致しない場合があります 本市全体の借入金残高 借入金の内訳 中期計画 での目標値 19 年度 ~22 年度合計 4,000 億円以上 21 年度末見込み 1 22 年度末見込み 2 増減額 (2-1) 借入金残高 借入金残高 借入金残高 うち市税等で償還するものうち市税等で償還するものうち市税等で償還するもの 一般会計の市債 2 兆 3,901 億円 1 兆 5,935 億円 2 兆 4,136 億円 1 兆 5,715 億円 236 億円 219 億円 特別会計 公営企業会計の市債 2 兆 2,325 億円 9,106 億円 2 兆 1,629 億円 8,699 億円 696 億円 406 億円 外郭団体の借入金 6,512 億円 2,657 億円 6,216 億円 2,510 億円 296 億円 147 億円 合計 5 兆 2,738 億円 2 兆 7,697 億円 5 兆 1,982 億円 2 兆 6,924 億円 756 億円 772 億円 注 1:21 年度末見込額は 一般会計と特別会計 公営企業会計が21 年度 2 月補正後 外郭団体の借入金が決算見込数値です 注 2: 各項目で単位未満を四捨五入しているため 増減額が一致しない場合があります

11. 横浜市の財政運営上の取組み 4 人件費の縮減 22 年度 21 年度 20 年度 19 年度 4 か年合計 中期計画での見込み ( 注 1) 人件費予算 ( 注 2) ( 単位 : 億円 ) 増減額 2,100 2,029 71 2,120 2,102 18 (2,052) ( 68) 2,140 2,137 3 (2,111) ( 29) 2,150 2,134 16 中期計画 での目標値 8,510 8,402 108 (8,326) ( 184) 19 年度 ~22 年度累計 90 億円以上の削減 注 1:18 年度予算ベースの職員数 給与体系を前提とし 退職予定者数を積み上げた退職手当を試算 注 2:( ) 内は2 月補正後の予算額 経常的経費の縮減健全化経費 中期計画重点事業 新規事業を除く 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 ( 単位 : 億円 ) 21 年度 22 年度増減率 中期計画 での目標値 行政推進経費 1,931 1,911 1,892 1,713 9.5% 毎年度 1% 経常的内部経費 682 661 640 621 3.0% 毎年度 3% 施設等整備費の縮減 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 ( 単位 : 億円 ) 21 年度 22 年度増減率 施設等整備費 2,288 2,214 2,031 1,670 17.8% 中期計画 での目標値 19 年度 ~22 年度合計 8,675 億円程度 ( 毎年度 3% 程度 )

一公営事業会計広域連合等20 年度決算に基づく横浜市の 健全化判断比率 外郭等平成 12. 財政健全化指標の状況 ( 財政健全化法 H20 決算 ) 横浜市の状況早期健全化基準財政再生基準 実質赤字比率赤字額なし 11.25% 20.0% 連結実質赤字比率赤字額なし 16.25% 40.0% 20.2%(18) 実質公債費比率 20.6% 25.0% 35.0% 261.1%(17) 将来負担比率 292.7% 400.0% - 般会計等早期健全化基準は下回っているが 他都市と比べて 数値は悪い 実質公債費比率 将来負担比率 が高い理由 実質公債費比率 人口急増に対応し 下水道等の都市基盤整備を進めたことにより過去の借入金返済額が大きいこと 減債基金残高が国基準と比べ不足していること ( ただし 償還に支障のないよう残高を管理している ) 将来負担比率 下水道事業等の公営企業の償還にあてるため国の基準に基づき繰り出す見込額が大きいこと 土地開発公社や道路建設事業団等の外郭団体の負債の負担見込額が大きいこと 今後の見通し 今後は本市の進めている 市債発行抑制 企業会計 外郭団体等の借入金の着実な返済 の効果が表れ 比率は着実に低下していく見込み 減債基金残高は償還がピークを越えたことから 積立額 > 取崩額 の状況が続き 着実に増加していく見込み 14

おわり