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Transcription:

主索ウインチ付スイングヤーダと繊維ロープの導入による索張り距離の延長と集材作業の安全化 効率化 株式会社南星機械 IWS-20DY1 + 東京製綱繊維ロープ株式会社エースラインHD026B 1

1 当組合の現状 愛知県東部に位置する新城市を管内としている 森林面積 41,661ha( 森林率 84%) その内人工林 28,7 12ha( 人工林率 72%) である 齢級構成は 9 齢級 ~10 齢級をピークとする山型を形成している 森林の所有形態では 私有林が 86% で 3ha 以下の小規模所有者が56% を占める 市内には 一級河川豊川が北東から南西に流れており 豊川に沿って中央構造線が分布し いたるところ破砕帯が多くみられる 新城市 平成 16 年から高性能林業機械 3 点 セットで利用間伐を進めてきた 名古屋市 2

2 現行システムの問題点 課題 高密路網開設による林地への影響が大きい 斜面勾配が急なため 路網開設費用が高くなる 小規模所有者が多く 保有林地が無くなる 列状間伐の場合 高齢の所有者から理解が得られにくい 根掛り等により 経費がかかる 労働強度が高く 負担が大きい 3

3 導入する機械 機械の名称 主索ウインチ付スイングヤーダ 形式 IWS-20DY1 メーカー名 株式会社南星機械 全長 5,650mm 主索用ウインチ直引力 20.0kN 12mm 120m 全 幅 2,250mm HAL 用ウインチ直引力 重 量 約 10t 23.0kN 10mm 130m HBL 用ウインチ直引力 14.2kN 8mm 220m エンジン出力 40.5kw HCL 用ウインチ直引力 14.2kN 8mm 120m 平成 22 23 年度森林整備効率化支援機械開発事業において開発された大径材スイングヤーダの改良機 この他 IHI 建機 ( 株 ) のフォワーダ F801 も本事業でレンタルしているが 主索ウインチ付スイングヤーダを主に記載した 4

4 導入機械の特徴 特徴 格納式元柱の装備 主索用ドラムの装備 繊維ロープ使用 主索用 主な改良点 小型化 (0.25m 3 対応 ) 補助索 (HCL) を追加し 1+3 ドラム構造 繊維ロープを全てに使用 繊維ロープ用の搬器等の改良 5

5 繊維ロープ 製造元 : 東京製綱繊維ロープ株式会社 品名 : エースライン HD026B 材質 : 超高分子量ポリエチレン ( ダイニーマ ) 樹脂加工付き 構造 :12 打ち (2 6) 外観 断面図 ワイヤーロープ IWRC 項目 呼称太さ エースラインHD026B 6 Fi(29) 裸 めっきB 種 引張り強さ 質量 引張り強さ 質量 用途 Φmm kn (tf) g/m kn (tf) g/m 主索 12 HAL 10 HBL HCL 8 115 (11.7) 79.9 (8.15) 53.3 (5.43) 95.0 68.5 45.8 97.5 (9.94) 67.7 (6.90) 43.3 (4.42) 634 440 282 6

6 索張り模式図 1 主索 2HBL 3HCL 4HAL Haul Carriage Line 従来システム 伐倒 : チェンソー 集材 : スイングヤーダ 造材 : プロセッサ 運搬 : クローラ式フォワーダ 新システム 伐倒 : チェンソー 集材 : 主索ウインチ付スインク ヤータ 造材 : プロセッサ 運搬 : ホイール式フォワーダ 7

7 機械の導入 改良により見込む効果 4 ドラム構造とすることで 横取り作業が簡単にでき 魚骨状の間伐ができる 定性間伐に近い出来映えとなることで 所有者の理解が得られやすくなる 主索を張ることで 索張り距離が長くなるため 高密路網開設が必要なくなる 繊維ロープを使用することで 労動強度が下がり 低コスト化と労働災害防止につながる 8

8 作業システムの開発 列状間伐 (2 残 1 伐 :6~8m) 魚骨状伐採 ( 列間 20m~ ) 集材距離 50m 集材距離 100m 9

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9 評価項目 機械 繊維ロープの操作性 オペレーターの所感 外部からの観察 繊維ロープによる労働負荷軽減 心拍計等による調査 作業の安全性 オペレータの所感 外部からの観察 集材範囲 残存木調査 労働生産性 サイクルタイム調査 日報調査 実証現場 : 新城市愛郷字猪藪地内所有形態 : 共有林実施面積 :5.08ha 従来システム ( 列状 ) 2.74ha 新システム ( 魚骨 ) 2.34ha 樹種 : スギ ヒノキ (45~50 年生 ) プロット調査結果 調査機関株式会社フォレスト ミッション名古屋大学大学院森林資源利用学研究分野 新システムは 機械導入後に 1 週間の訓練を経てから実証調査を行った 11

25 年度取り組み体制図 12

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10 実証現場の現況 15

11 安全性 操作性の改善 アームを地面に付けて集材するため 集材時の機械転倒が抑止され 安全性が飛躍的に向上した 主索 HCL ドラムにより搬器のみの移動が可能となった結果 窪地等でも安全に集材でき 魚骨集材でも列状間伐と同じ程度の残存木損傷率に軽減できた ワイヤーでは素線のほつれが手に刺さることもあるが繊維ロープではそれがなく 油で汚れる事もないため現場技術者に好評 現場技術者の評価によると ワイヤーロープと比べると引き出して歩くのが非常に楽であった 200 回以上集材を行ったが繊維ロープに大きな損傷はなかった 16

12 残存木の損傷具合 列状 魚骨 項目 単位上げ荷下げ荷上げ荷下げ荷 伐採前成立本数 本 118 165 277 312 残存本数 本 79 103 197 230 損傷本数 ( 重度 ) 本 5 15 15 13 損傷率 ( 重度 ) % 6 15 8 6 損傷箇所 ( 重度 ) 本 11 22 25 26 魚骨上げ荷プロットの損傷木 魚骨下げ荷プロットの損傷木 17

形成層まで傷が達しているものを 重度 として 残存木に対する損傷木の比率を出したところ 列状上げ荷 魚骨上げ荷 魚骨下げ荷の損傷率は大きくは異なっておらず 魚骨集材によって残存木荷損傷が起きやすいとは必ずしも言えないことが示唆された 集材方向と損傷木の位置を照らし合わせると 主索のある集材路での損傷は少なく 横取り時の損傷が多発していることが明らかとなった 18

13 サイクルタイム 労働生産性の比較 サイクルタイム調査結果 従来システム 新システム 列状下げ荷 4 線平均 魚骨上げ荷 主索なしランニンク スカイライン上げ荷 1 線あたり 要素作業 所要時間 割合 (%) 所要時間 割合 (%) 所要時間 割合 (%) 架設 0:06:08 0:41:43 0:14:39 グラップル木寄せ 0:01:44 撤去 0:02:25 0:26:20 0:07:59 1サイクルあたり フック上げ 0:00:13 9.4 0:00:07 3.1 0:00:06 5.7 空搬器走行 0:00:09 6.9 0:00:34 15.6 0:00:22 20.6 フック下げ 0:00:05 3.6 0:00:06 2.9 0:00:04 3.4 横取り 0:00:08 3.8 0:00:04 3.7 荷掛け 0:00:23 16.8 0:00:31 14.4 0:00:12 10.9 実搬器走行 0:00:50 36.6 0:01:19 36.4 0:00:39 35.6 荷下ろし 0:00:09 6.9 0:00:12 5.6 0:00:07 6.1 荷外し 0:00:22 16.4 0:00:35 16.0 0:00:15 14.0 遅延 付帯 0:00:05 3.5 0:00:05 2.1 1サイクル小計 0:02:16 100 0:03:36 100 0:01:48 100 総サイクル計 0:13:36 1:29:59 0:18:04 合計 0:23:57 2:38:02 0:40:42 作業地条件 従来システム 新システム 列状下げ荷魚骨上げ荷主索なしランニンク スカイライン上げ荷 支間斜距離 (m) 41.7 58.3 28.4 支間傾斜 ( ) 13.7 22.4 26.7 サイクル数 ( 回 ) 6 25 10 集材本数 ( 本 ) 7 39 10 集材材積 (m3) 1.1 6.1 1.6 グラップル集材 1 本含む 注 1: 上げ荷と下げ荷なので比較しづらいが サイクルタイムの目安として比較を行った 注 2: 従来システムでは手の届く高さで架設 撤去を行ったため これらの時間が短い 当組合では架設は10~15 分程度 撤去は5~10 分程度が平均的な作業時間である 注 3: 集材材積はプロット調査結果をもとに利用率を考慮し 従来システム 新システムともに 0.156m3とした 主索を張るため架設 撤去は時間が掛かった 2 本集材と横取りのため新システム ( 主索あり ) は実搬器走行や荷外しに時間が掛かった 単木材積の差 ( 従来 :0.192m3 新 :0.156m3) もあり サイクルタイムを調査しない集材箇所も含めた事業地全体では 集材工程の労働生産性は 8.2m3/ 人日 5.0m3/ 人日に減少 架設方法や集材方法などの検討を行いながら集材したため 今回だけでは新システムの生産性における優位性は確認できなかった 19

集材荷掛手 14 作業の労働強度 従来システム 新システム 下げ荷 1 下げ荷 2 下げ荷 3 下げ荷 4 魚骨下げ荷魚骨上げ荷 支間斜距離 (m) 38.1 44.3 37.7 46.5 66.8 58.3 支間傾斜 ( ) 12.6 14.5 12.3 15.2 27.8 22.4 集材本数 ( 本 ) 7 5 8 6 57(41 往復 ) 39(25 往復 ) 要素作業 平均平均平均平均平均平均 空歩行 心拍水準 70.8 74.3 93.7 100.8 64.2 60.9 RMR 6.0 6.6 10.1 11.3 3.7 4.0 引き出し歩行心拍水準 72.5 64.0 RMR 5.1 4.6 荷掛け 心拍水準 62.8 68.1 83.4 95.6 64.2 61.0 RMR 7.2 5.5 8.2 10.4 3.8 4.1 スリング掛け心拍水準 65.8 74.7 93.2 98.3 60.8 58.5 RMR 5.1 6.7 10.0 10.9 3.2 3.5 待機 心拍水準 60.5 66.4 85.5 94.4 58.6 58.0 RMR 4.1 5.2 8.6 10.2 2.8 3.5 その他 心拍水準 63.8 55.5 RMR 3.7 3.1 4 列連続集材 運搬オペレーター 従来システム 新システム 要素作業 平均 平均 積み込み心拍水準 44.7 45.9 RMR 1.3 0.6 実走行心拍水準 43.1 45.8 RMR 1.0 0.6 荷下ろし心拍水準 44.2 45.6 RMR 1.2 0.6 空走行心拍水準 44.5 45.9 RMR 1.2 0.6 RMR( エネルギー代謝率 ) = ( 作業時代謝量 - 安静時代謝量 )/ 基礎代謝量 1~2( 中作業 ) 2~4( 強作業 ) 4~7( 重作業 ) 7~ ( 激作業 ) プロセッサ 0.4 フォワーダ 0.7 タワーヤーダ 2.4 チェンソー伐倒 3.9 荷掛手 5.8 ( 今冨 : 森林総研研報 373,1997) 集材荷掛手 運搬オペレーターともに新システムのほうが RMR( 労働強度の指標の一つ ) は小さく 労働強度が大きく改善されたことが明らかとなった 20

POMS による気分の調査 対象者が気分を表す 65 項目の質問に 5 段階の回答をすることにより, 対象者がおかれた条件により変化する一時的な気分, 感情の状態を 6 つの指標 ( 緊張 抑うつ 怒り 活気 疲労 混乱 ) で測定 評価する手法である 活気はプラスの指標であり T 得点が高いほど良いが それ以外の 5 つはマイナスの指標であり T 得点が高いほど悪い評価となる 70 60 荷掛け新旧システム比較 ( 下げ荷 ) 旧 作業前 (12/3) 旧 作業後 新 作業前 (12/26) 新 作業後 70 60 荷掛け新旧システム比較 ( 上げ荷 ) 新 作業前 (12/25) 新 作業後 50 T 得 40 点 30 50 40 30 20 20 10 10 0 緊張抑うつ怒り活気疲労混乱 0 緊張抑うつ怒り活気疲労混乱 21

15 機械の動き 機械が動く様子をご覧下さい 22

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16 新しい作業システムに向けて 従来システムで 6 線張ると 新システムの魚骨上げ荷とほぼ同じ作業時間 集材本数になる 林分の条件が同じであれば 現時点では同等の生産性 機械に不慣れでドラムを 1 速で動かしていることも搬器走行時間に影響 習熟により 架設は 10 分程度 撤去は 5 分程度 短縮できる オートチョーカーを導入することで荷外し時間の大幅な短縮と安全性向上が期待できる 0.25m 3 クラスだが胸高直径 40cm 樹高 15m の木を全木で 2 本同時に集材しており 従来機では集材できない距離 大きさに対応 集材距離 100m 程度までは導入機械でできるので 100m 以上の集材を主とするのであればタワーヤーダを使うのがよい 従来システムよりも 1.5 倍程度 (12m 3 / 人日 ) まで集材工程の作業効率が上がる可能性は高い 25

17 技術的サポート体制 架線集材経験の有無が技術力を左右する 機械自体は特殊な保守 メンテナンスは不要 繊維ロープは耐久性を検証中なので 他事例も参照しながら当組合なりの目安を作ることが必要 ( メーカーにおいても目安は作成されているので参考にする ) 委員会では あらゆる索張りに対応できる機械なので応用性が高い 集材距離が伸びたところを評価したい リモコン操作により安全で効率的な操作ができるので期待できる との評価 26

18 今後の調査予定 機械 機械本体 滑車等の耐久性 必要に応じ 安全性改善 効率性向上のために機械の改良を行う リモコン操作の改良 繊維ロープ 繊維ロープの摩耗調査 ( 継続 ) 張力の調査 ( 横取りのときどれくらいなのか 主索索張り時の張力 ワイヤーとの比較等 ) ロープ引き出しの生理的負担 控索としての繊維ロープの可能性の検証 作業システム 100m 程度のスパンでのサイクルタイム分析 最適な魚骨集材 ( 横取り ) の角度と距離の関係性分析 習熟度が上がった段階でのサイクルタイム分析 工程調査 その他 魚骨集材に対する森林所有者の反応 27

19 今年度の取組み内容 機械 機械本体の安定度の調査 主索ウィンチの改良 オートチョーカーの導入 リモコン操作の改良 繊維ロープ 繊維ロープの摩耗調査 ( 継続 ) 張力の調査 ( 横取りのときどれくらいなのか 主索索張り時の張力 ワイヤーとの比較等 ) 労働強度の低減調査 ( 継続 ) 作業システム 100m 程度のスパンでのサイクルタイム分析 最適な魚骨集材 ( 横取り ) の角度と距離の関係性分析 28

ご清聴ありがとう ございました 29