女性の健康週間セミナー 2013/3/4 元気に働き 人生を楽しむ女性の健康講座 女性のライフサイクルと健康管理 元気に働き 人生を楽しむために! 子宮頸がん検診のススメ 東京慈恵会医科大学産婦人科講師こころとからだの元氣プラザ診療部長小田瑞恵 1 2013/3/29
ライフプランの 3 大要素 1. 生きがい 2. 健康 3. 経済 2 2013/3/29
健康の管理はお金の管理と同じ 1. 経済の仕組みについて最低限の知識を持つ 自分の身体 2. 自分のお金健康を管理できるようにする 3. 自分の経済力健康力に見合ったライフプランを立てる 3 2013/3/29
ライフ スタイルの変化に対応した健康管理 1. セクシャルデビュー = 結婚ではない自分のからだのこと 2.30 代の結婚 妊娠 出産が増加生理のこと 3. 出産回数が減り 生涯月経回数は増加病気のこと今の女性の生き方と健康のこと 4. 平均寿命は世界一 4 2013/3/29
セクシャルデビュー = 結婚ではない 避妊 性感染症への対策 30 代の結婚 妊娠 出産が増加 妊娠力のチェックと予防 ( 子宮頸がん 内膜症 ) 出産回数が減り 生涯月経回数は増加 月経トラブル 子宮内膜症平均寿命は世界一 更年期 生活習慣病 骨粗鬆症 5 2013/3/29
結婚 出産年齢の変化 初婚第 1 子分娩 29 歳以下の第 1 子分娩 * 高齢出産 昭和 50 年 24.7 歳 25.7 歳 91.5% 3.8% 平成 16 年 27.8 歳 28.9 歳 59.5% 15.2% 平成 20 年 28.5 歳 29.5 歳 53.8% 20.9% *35 歳以上 平成 16 年における子供を生んでいない女性の割合 昭和 29 年生まれ (50 歳 *) 10.0% 昭和 49 年生まれ (30 歳 *) 51.5% 6 厚生労働省人口動態統計 2013/3/29
社会的には当然となってきた 30 歳代の妊娠出産に対する知識と対策 1. 妊孕性は25~29 歳から低下し始め 35~37 歳以降になると急速に低下する 1. 不妊治療は日進月歩であるが 限界もある 2. 子宮内膜症 子宮頸癌などは20~30 歳代に増加 早期発見のチャンスは検診 7 2013/3/29
子宮がんには 2 つの種類があります 子宮体がん 子宮頸がん 2013/3/29 8
子宮頸がんの罹患率と死亡率 ( 日本人女性 )
日本における 20~29 歳の女性 10 万人当たりの各種がんの発症率推移
日本における 30~39 歳の女性 10 万人当たりの各種がんの発症率推移
子宮頸がんの主な原因はウイルスの感染 ほとんどは発がん性ヒトパピローマウイルス (HPV) の感染 HPV は主に性交渉で感染する 発がん性 HPV は約 15 種類ある L1 蛋白質五量体 L2 蛋白質及び核 55 nm 環状 DNA Burd EM. Clin Microbiol Rev 2003; 16:1 17. 2013/3/29 12
日本での子宮頸がんに関連する発がん性 HPV の遺伝子型 2013/3/29 13
20~30 代の子宮頸がんは 16/18 型 HPV が多い 14 2013/3/29
A 子さん 28 歳の場合 子宮頸がんの検査で 異形成が見つかったんです ネットで調べたらセックスで感染する HPV が原因と書いてありました 彼と険悪なんです! 2013/3/29 15
実は女性の 8 割が一生に 1 度は HPV に感染する 2013/3/29 16
HPV 感染は不道徳な病気なの? 性経験のある女性の多くは感染する可能性がある 感染してもほとんど一過性で自然消失する 特殊な性行動をイメージするものではない 僕は潔白だ. 信用できないわ! 2013/3/29 17
HPV 感染が子宮頸がんになるまで 多くの女性が HPV に感染する 正常細胞 HPV 感染 持続感染 正常細胞 前がん病変 ( 異形成 CIN) 持続感染 上皮内がん 浸潤がん 2013/3/29 18
HPV 感染が子宮頸がんになるまで 正常細胞 HPV 感染 早期発見 経過観察 早期治療 正常細胞 前がん病変 ( 異形成 CIN) 上皮内がん 浸潤がん 2013/3/29 19
子宮頸がんと HPV 感染 HPV 感染は 病気ではない パートナーがいる女性にとって HPV 感染はありふれた状態 貴女やパートナーが信頼できないということではない ほとんどの HPV 感染は自然に消失する 子宮頸がんに進行するのは稀 2013/3/29 20
初期の子宮頸がんの症状は? A. 腹痛 B. 不正性器出血 C. 無症状 D. 異常なおりもの 2013/3/29 21
子宮頸がんを予防するには 子宮頸がんを防ぐためには 婦人科できちんと検診を受けましょう せっかくだから 子宮頸がんや検診について説明しましょうね 2013/3/29 22
子宮がん検診を受ける方法 1. 地域検診 20 歳以上 2 年に 1 回無料 ~1000 円 2. 職場検診 30 歳以上毎年 950~1500 円 3. 自費検診 8000~13000 円 4. 無料クーポン 20.25.30.35.40 歳 2013/3/29 23
子宮頸がん検診の実際 婦人科の診察 1. 問診 2. 外陰部の診察 3. 腟鏡診 4. 細胞診 5. 内診 ( 双手診 ) 頸がん以外の病気もチェックしている
上手な検診の受け方 問診票はきちんと記入 最終月経月経の様子既婚 未婚妊娠 出産歴不正出血の有無既往歴その他 注意事項 検診の 3 日前より性生活 腟洗浄は避けてください 正しい判定のためには 月経中は避けてください 2013/3/29 25
細胞診ってどういう検査?
細胞診 コルポ診 組織診 2013/3/29 27
なぜ早期発見が大切か 1. いのちを失わない 2. 子宮を失わない 前がん状態またはごく初期のがんで発見する 28 2013/3/29
子宮頸癌の進行期と治療 前がん病変 ごく初期のがん(Ⅰa1 期 * まで ) * Ⅰa1 期浸潤 3mm 縦軸方向 7mm 以下 Ⅰa1~Ⅱ 期のがん 広汎性子宮全摘 円錐切除子宮温存が可能後遺症身体的 精神的苦痛 QOL 低下 これから結婚 出産を迎える世代では特に深刻な問題
海外データ 子宮頸癌発生率と検診受診率 浸潤子宮頸癌の年齢調整発生率と検診の受診率 ( 英国 1980~1995 年 ) 10 万人あたりの発生率 18 16 14 12 発生率 検診受診率 (%) 100 80 60 40 検診受診率 National Call/Recall System * の導入 10 20 0 1980 1985 1987 1990 1995 * 家庭医の登録リストから受診対象者名簿を作成し それをもとに個人へ受診勧奨を行う仕組み Quinn M, Babb P, Jones J, Allen E. BMJ. 1999;318:904 908. Adapted with permission from the BMJ Publishing Group. 0
世界各国の子宮頸癌検診受診率 (OECD 加盟国における 20~69 歳の女性 2009 年 ) 83.5 79.4 78.6 75.6 72.8 72.4 71.0 70.6 70.5 69.6 69.4 65.3 0 20 40 60 80 100 米国 1 英国 1 スウェーデン 1 ノルウェー 1 カナダ 2 フランス 2 アイスランド 1 ニュージーランド 1 フィンランド 1 オランダ 1 デンマーク 2 ベルギー 1 (%) 1 Programme data. 2 Survey data. Health Care Quality Indicators Project, OECD 2009. OECD Health Data 2009 (cervical screening) 62.2 60.6 41.7 38.5 24.5 アイルランド 1 オーストラリア 1 ルクセンブルク 1 イタリア 1 日本 2 子宮頸癌検診受診率
日本における年代別子宮癌検診受診率 子宮癌検診受診率 (%) 40 30 20 21.2 30.2 32.0 24.4 16.3 10 0 7.0 5.6 1.5 20-24 25-34 35-44 45-54 55-64 65-74 75-84 85 以上 ( 歳 ) 国民生活基礎調査平成 19 年 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa07/toukei.html
いつから婦人科に行くの? 産婦人科は妊娠してから受診するところ 平成 12 年 昭和 10 年 初経 結婚 第一子 末子 閉経 死亡 -10 10 30 50 70 90 パートナーができたら産婦人科のかかりつけ医を持ちましょう 2013/3/29 33
子宮頸がんに対する新たな予防方法 早期発見 早期治療 予防ワクチンの時代へ 予防ワクチンの効果 HPV16.18 型の感染の予防 2013/3/29 34
HPV の感染予防予防ワクチン 正常な細胞 HPV に感染 HPV 感染持続 軽度異形成中等度異形成高度異形成 早期発見 早期治療 子宮頚がん 2013/3/29 35
子宮けいがん予防ワクチンは 16 型 18 型 発がん性 HPV の感染を防ぐワクチンです 2013/3/29 36
ウイルス粒子に酷似した VLP の構造 HPV VLP HPV DNA DNA ゲノムを含む感染性粒子 L1 タンパク DNA ゲノムがない非感染性 37 Stanley M, et al. Vaccine 2006; 24(Suppl 3):S106 S113. 2013/3/29
現在使用されている子宮頸がん予防ワクチン l 1 接種分の用量 2 価ワクチン 0.5mL l アジュバント ( 免疫増強剤 ) AS04 (GSK 独自開発 ) - Al(OH)3 500μg - MPL 50μg l L1-HPV16 l L1-HPV18 l 蛋白発現系 20μg 20μg バキュロウイルス Hi-5 細胞 l 接種スケジュール 0 1 6 ヶ月 l 1 接種分の用量 4 価ワクチン 0.5mL l アジュバント ( 免疫増強剤 ) アルミニウム塩 225μg l L1-HPV6 l L1-HPV11 l L1-HPV16 l L1-HPV18 l 蛋白発現系 20μg 40μg 40μg 20μg 酵母 l 接種スケジュール 0 2 6 ヶ月
2 価ワクチン 4 価ワクチン 16 型 18 型 6,11 型 16,18 型 16,18 型以外を含めた有効率 高い抗体価が 20 年以上持続 31,33,45 型にも効果が認められています 尖圭コンシ ローマ予防 子宮頸がん予防 16,18 型以外 16,18 型の有効率 16,18 型の有効率 有効率 87% 16,18 型 有効率 100% 16,18 型 有効率 100% 16,18 型 国内ですでに 100 万人以上の方へ接種されています 16,18 以外を含めた有効率 43%
子宮頸がん予防ワクチンの効果 1. 発がん性 HPV16 型 18 型 ( 日本人の子宮頸がんの約 64%) に対するワクチン 2. 予防の効果は約 4~9.4 年持続する事が確認されている ( 多分もっと継続するだろう ) 40 2013/3/29
子宮頸がん予防ワクチンの効果的な接種法 HPV に感染する前に接種するのが最も効果的 ハイリスク HPV に感染してから癌になるまで数年 ~10 数年かかる 10 代前半の接種すれば 16 型 18 型 HPV の感染予防により有効 41 2013/3/29
再感染を防ぐためにも 成人女性のワクチン接種が有効です 発癌性 HPV は感染してもほとんど自然に排除されますが 何回も感染します 成人女性は接種することで 再感染を防ぐことができます 現在感染している 16/18 型 HPV の排除はできません 42 2013/3/29
接種後の症状について 接種部の痛み 腫れ 発赤 頭痛 疲れ 吐き気 おう吐 下腹痛 筋肉痛 関節痛 最近接種後の失神が指摘されている 43 2013/3/29
子宮頸がんワクチンは既に世界中で使用され 先進国では公費助成で接種されている HPVワクチンの国別使用状況 対象年齢 キャッチアップ 公費負担 豪州 12~13 歳 13~26 歳 全部公費負担 米国 11~12 歳 13~26 歳 一部公費負担 英国 12~13 歳 18 歳まで 一部公費負担 仏 14 歳 15~23 歳 一部公費負担 独 12~17 歳 なし 全部公費負担 日本 11~14 歳 15~45 歳 一部公費 ただし ワクチンは検診の代替にはなりません 44 2013/3/29
子宮頸がん予防ワクチンが効かないもの すでに感染している HPVに対する治療効果はないすでに発症している前がん病変や子宮頸がんに対する治療効果はない 16 型 18 型以外のHPVによる発がんは予防できない
ワクチン接種後も頸がん検診は必要 ワクチンを接種したら子宮頸がんにならない 検診を受けなくても OK という誤解が一番危険
女性にとって大切なこと ( 正確な知識 ) 女性の生き方やライフサイクルは激変している 月経痛 PMS 更年期障害などで生活の質 (QOL) を下げることはない 妊娠する能力 ( 妊孕性 ) は限界がある 47 2013/3/29
女性の健康管理は婦人科検診から始まる 婦人科検診を受けましょう 本人の意識と周囲の環境 受けるのが当たり前 2013/3/29 48