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目次 はじめに 1 ごみ減量化の取り組みについて 1 (1) 再資源化の推進 1 (2) 生ごみの減量化 堆肥化 2 (3) 事業系ごみの減量 2 (4) 環境教育 2 2 ごみの有料化の意義 3 (1) ごみ減量とリサイクル推進 3 (2) ごみ問題への意識向上と処理費用の負担の公平化 3 3 ご

目次 はじめに 1 ごみ減量化の取り組みについて 1 (1) 再資源化の推進 1 (2) 生ごみの減量化 堆肥化 2 (3) 事業系ごみの減量 2 (4) 環境教育 2 2 ごみ有料化の意義 3 (1) ごみ減量とリサイクル推進 3 (2) ごみ問題への意識向上と処理費用負担の公平化 3 3 ごみ有

Microsoft PowerPoint - H27清掃部(市民説明会第2段)1114.pptx

24 ごみ減量分野様式 2 ごみゼロをめざすまち 分野目標 1 ごみゼロ都市 なかの を実現するために 区民 事業者 区が連携して3Rの取組みを進め ごみの排出量が減少するまちをめざす 2 循環型社会を実現するために 資源の再使用 再生利用などの資源の有効利用が広がっているまちをめざす 成果指標 区

答申

(1) 住民は有料化をどう考えているか 循環型社会の形成に関する世論調査 ( 内閣府平成 13 年 ) ごみ問題にどの程度関心があるか 非常に関心がある (32) ある程度関心がある (58) あまり関心がない (8) まったく関心がない わからない (2) ごみの有料化 に対してどのように思うか

< 目次 > Ⅰ さらなるごみの減量 資源化に向けた新たな施策の進め方 1 1 先行して実施する施策 1 2 引き続き検討していく施策 2 Ⅱ 先行して実施する施策の実施内容 3 1 ごみの減量 分別に関する広報 啓発の強化 3 2 ごみ収集回数の削減 5 Ⅲ 引き続き検討していく施策の検討項目 8

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目 次. 計画策定の意義 2. 基本的方針 3. 計画期間 4. 対象品目 5. 各年度における容器包装廃棄物の排出量見込み ( 第 8 条第 2 項第 号 ) 2 6. 容器包装廃棄物の排出の抑制のための方策に関する事項 ( 第 8 条第 2 項第 2 号 ) 3 7. 分別収集をするものとした容

12年~16年

(2) 奈良県内の生駒市周辺都市の導入状況生駒市周辺の都市での導入状況は 橿原市 大和高田市 桜井市 五條市 宇陀市で有料化が導入されており 社会経済的な状況を勘案して実際の導入には至っていないものの 奈良市では 導入に向けた答申を審議会 ( 平成 21 年 ) から受けている 表 1 奈良県内の生

札幌市一般廃棄物処理基本計画年次報告書

【資料2】答申概要(案)

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平成 18 年 11 月 6 日 龍ケ崎市長串田武久殿 龍ケ崎市廃棄物減量等推進審議会 会長古井恒 家庭系ごみ有料化に係る基本方針について ( 答申 ) 平成 18 年 2 月 16 日付け龍環第 99 号で諮問のあった龍ケ崎市の家庭系ごみ有料化に 係る基本方針である 循環型社会の形成に向けて 家庭

目 次 1 計画策定の意義 1 2 基本的方向 2 3 計画期間 2 4 対象品目 各年度における容器包装廃棄物の排出量の見込み 4 6 容器包装廃棄物の排出の抑制の促進するための方策に 関する事項 5 7 分別収集をするものとした容器包装廃棄物の種類及び当該容器 包装廃棄物の収集に係る

家庭ごみ ( もえるごみ 粗大ごみ ) の有料化について ( 基本的な考え方 ) はじめに物の豊かさや人々の生活レベルが向上するにつれ ごみの種類や質も非常に多様化し ごみ量の増加や分別の徹底などにより ごみ処理費用に要する経費は年々増加しております また 地球温暖化や資源の枯渇などの問題と相まって

さらなるごみの減量 資源化に向けた 新たな施策について 答申 平成 28 年 1 月 市川市廃棄物減量等推進審議会

資料 3 1 ごみ減量化についての課題分析 1) 原因の抽出 課題 : どうして 家庭ごみの排出量が減らないのか? ごみが 減らな い原因 1 使い捨て製品やすぐにごみになるものが身の回りに多い 2ごみを減らしたり リサイクルについての情報が少ない 3 分別収集しているごみの品目が少なく 資源化が十

1 計画策定の意義 私たちが暮らす現代社会は これまで快適で潤いのある生活環境を築くため 大量生産 大量消費 大量廃棄という使い捨てのライフスタイルを恒常化させてきた それに伴い排出される廃棄物は 多様化 増大化を続けたため 処理場や処分場の確保は次第に困難になり 廃棄物処理を取り巻く環境は厳しくな

計画の策定にあたって 本計画は 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第 6 条第 1 項の規定される網走市における一般廃棄物処理に関する基本計画です 網走市では 平成 4 年に策定した基本計画に基づき ごみの減量化の推進 リサイクルセンターや最終処分場を整備するとともに 平成 16 年度にはごみ処理の

< 目次 > 飯山市の今後のごみ減量施策のあり方について答申 1 諮問書 ( 写し ) 6 答申資料編 7

回答用 この用紙に回答をご記入願います 質問 1-(1 1-(2 1-(3 1-(4 1-(5 2-(1 20 歳未満 20 男性 回答欄 女性 歳以上 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人それ以上 戸建て住宅共同住宅店舗兼住宅その他 一中地区二中地区三中地区四

図 ごみの減量化方策及び資源化方策の検討の進め方 2 市民 事業者 行政の役割資料 2-2 に示したとおり 今後のごみ処理においては ごみの減量化 資源化の推進が重要となり これらを実現するためには 各主体がそれぞれの役割を認識し 相互に協力しながら取り組む体制を整備する必要があります

目 次 1. 家庭ごみの有料化について 1 (1) 家庭ごみ有料化制度とは (2) なぜ今有料化を導入するのか (3) 家庭ごみを有料化する目的 2. 家庭ごみ有料化制度について 3 (1) 対象となるごみ (2) 負担軽減措置 (3) 有料化の方法 (4) 手数料の料金体系 (5) 指定ごみ袋の種

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

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家庭ごみ有料化制度の 導入是非の検討について

第6章 その他ごみ処理に関し必要な事項

資料 4 平成 26 年報告書に提言された取組のうち 回収率目標達成アクションプラン以外の取組状況について 平成 29 年 12 月 4 日 経 済 産 業 省 環 境 省

はじめに

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ごみ焼却施設の用地設定

川口市環境基本計画 .indb

家庭ごみ有料化市民懇談会での質問及び回答

Taro-H 議事要旨

目 次 はじめに 1 1 ごみ処理の現状 2 2 福島市一般廃棄物処理基本計画での数値目標と実績 2 3 有料化とは 2 4 有料化の実施状況 3 5 有料化の有効性 (1) 負担の公平性 3 (2) リサイクルの促進 3 (3) ごみ処理手数料の活用 4 6 有料化により生まれる効果 4 7 有料

目 次 提言にあたって 1 1 本市のごみ処理の現状と課題 2 (1) これまでの取り組み (2) 現状 (3) 課題 2 今後の方向性 3 3 有料化によるごみ減量施策について 4 (1) 必要性 (2) 仕組み (3) 市民の合意形成 4 有料化以外のごみ減量施策について 5 (1) 広報 啓発

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朝日町分別収集計画

岸和田市分別収集計画

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目標を達成するための指標 第 4 章計画における環境施策 一般廃棄物焼却量 ( 家庭 事業所 ) ごみ 資源物の総排出量 平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (2003 年度 ) に比べ 30% 削減平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (200

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政策提言書(環境厚生)

家具類

目次

目 次 Ⅰ 本市のごみ処理の現状と課題等 1 本市のごみ排出状況 2 一般廃棄物処理基本計画目標値との乖離 3 今後の課題 4 清掃事業審議会からの提言 5 環境省の方針 Ⅱ 家庭ごみ有料化について 1 家庭ごみ有料化の定義及び目的と効果 (1) 家庭ごみの有料化とは (2) 家庭ごみ有料化の目的と

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2 基本方針と数値目標基本的考え方を踏まえ, 資源循環型社会の形成に向けてごみ減量 リサイクルの施策を推進するためには, 基本方針と達成度を測る指標が必要です 本計画においては, 本市の過去の実績や今後の施策の展開をもとに, 数値目標を設定します (1) 基本方針 1 と数値目標 基本方針 1 家庭

1. 実施事業ごとにみた検証 検討 再構築にあたっては ごみ処理基本計画 ( 中間見直し ) に記載される実施事業ごとに実効性等を踏まえ (1) スケジュールの修正を要する実施事業 (2) 達成状況により目標値を改める実施事業 (3) 新たに取り組む実施事業 の 3 つに分け検証等を行いました (1

平成26年度に向けた事務局案

女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針について

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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

1 貴重な自然環境を継承するため 保全活動に取り組みます 指標目標の推移 指標目標 米代川やきみまち阪 風の松原などの豊かな自然を他に誇れると思う市民の割合 ( 市民意識調査 ) 松くい虫被害量 計画策定目標値 H20 年度 H21 年度 H22 年度 H23 年度 H24 年度 H19 年度 (H

次 1 はじめに 1 (1) 家庭系可燃ごみ排出量の推移と見込 1 (2) 家庭系可燃ごみ有料指定袋制の収益の見込み 3 2 収益を活用したごみ減量及び再資源化に資する環境施策 4 (1) 重点に取り組む分野 4 (2) 実施すべき具体の事業の検討 4 (3) 収益を活用して実施すべき具体の事業 6

都道府県の食品ロス削減の取組状況 1 47 都道府県全てから回答があった 平成 8 年度に食品ロス削減に関する取組を 行っている と回答したのは 4 自治体で 食品ロス削減施策に関する予算が ある と回答したのは 5 自治体であった 平成 7 年度の調査結果と比較するといずれも増加している 食品ロス

Microsoft PowerPoint 崎田委員

Ⅰ. 前回 (12 月 1 日開催第 43 回 ) の意見等の集約について [ ごみ減量を進めるにあたってのテーマの設定 ] 減量施策全体をまとめる大阪らしいテーマが必要である 次世代に引き継げるようなもの( 美しい環境など?) をごみ減量施策の目標とすべきである [ 施策の実施単位 ] 施策の 実

岐阜市環境基本計画の改定について


提案仕様書

1 大内

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北九州市集団資源回収団体奨励金交付要綱

第 2 回審議会資料 (2017/11/24) 資料 1 一般廃棄物処理基本計画の策定に関する審議スケジュール ( 訂正 ) 一般廃棄物処理基本計画の策定に関する審議会は 本年度において本会をあわせて 4 回を 予定しています 開催回年月日審議事項 第 1 回 ( 済 ) 平成 29 年 8 月 4


目 次 1 行動計画策定の趣旨 1 (1) 行動計画の目的 1 (2) 計画の位置づけ 1 (3) 基本方針 1 2 ごみ減量等の数値目標 2 (1) ごみ排出量の目標 2 (2) リサイクル目標 3 3 具体的施策の取り組みと実践内容 4 参考資料ごみ排出の現状整理 1 ごみ排出量等の推移 8 2

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3Rエコポイントシステム促進のためのガイドライン

常磐町内会説明会 会議要旨

るための説明会を開催 併せて指定ごみ袋の製造及び販売ルートの整備を順次行い 平成 24 年 1 月 1 日から販売開始 同 4 月 1 日までを移行期間とした 猶予期間についても 地域性を考慮し 指定ごみ袋制が導入されていなかった旧近江八幡市域については新たに指定ごみ袋を購入してもらわなければならな

1 平川

A. 1 管理責任者に変更がない場合書面で ( 書式はありません ) 速やかに所有者の住所 氏名 電話番号及び管理責任者に変更がない旨お知らせ下さい 2 管理責任者に変更がある場合書面で ( 書式はありません ) 速やかに所有者変更の旨お知らせいただき 30 日以内に 管理責任者選任届 を提出して下

() パブリックコメント制度について 答申案は全て広報に掲載するのですか 粗大ごみ有料化反対者が多くなった場合どうするのですか 交野市意見公募手続に関する規則第 5 条 第 2 項に 公表しようとする内容が相当量に及ぶときは 内容の一部を省略し公表することができる ( 一部抜粋 ) と規定しており

第 4 回審議会 資料 4 H ごみ減量 資源化の目標について 1. 現行計画の目標達成状況と今後の予測 (1) 現行計画の目標達成状況現行計画の数値目標の内, 家庭系ごみ原単位目標は平成 29(2017) 年度の時点で既に平成 34(2022) 年度目標を達成しています 低下傾向にあ

二フリーマーケットなどの推進家庭などにある不用品を再使用する意識を高めるため 市民参加によるフリーマーケット ( 不用品交換会 ) など 自主的なリサイクル活動の推進に努めます ホ表彰制度の創設 3Rに積極的に取り組んでいる家庭 地域 団体 事業所などを表彰し あわせてその内容を広く周知し 活動を支


Microsoft Word ダイジェスト(修正版).doc

新システム概念図 変更点及び今後の課題 新システムの検討にあたっては 当初 シールを用いた徴収方法を検討していたが 関係者との調整の結果 以下のような変更及び課題が生じている 1 変更点 : 製品価格に内部化する費用の性質発炎筒の流通は 主として 新車搭載用として自動車製造業者等 交換用として自動車

2. 今後の主な検討事項 1 高濃度 PCB 廃棄物に係る行政代執行費用に対する支援の必要性 高濃度 PCB 廃棄物の処分は 排出事業者責任の観点から その保管事業者が行 うことが原則 このため 都道府県市による行政代執行に要する費用についても 保管事業者が負担することが原則 しかしながら 高濃度

阿久比町家庭系ごみ減量化実施計画(案)

福井県建設リサイクルガイドライン 第 1. 目的資源の有効な利用の確保および建設副産物の適正な処理を図るためには 建設資材の開発 製造から土木構造物や建築物等の設計 建設資材の選択 分別解体等を含む建設工事の施工 建設廃棄物の廃棄等に至る各段階において 建設副産物の排出の抑制 建設資材の再使用および

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ツールへのデータ入力前にすべきこと 一般廃棄物処理に係るフロー図を作成 < 収集 : 直営 > < 直接搬入 > 粗大ごみ **t <A 破砕施設 : 直営 > <D 最終処分場 > 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 燃やすごみ **t アルミ缶 **t スチール缶 **t びん

Microsoft Word - 高槻市ごみ減量化推進計画

3 集約した意見の詳細及びそれについての市の考え方 1 戸別収集について 31 件 意見内容家庭でごみを保管することになると 臭いや保管場所がないなどの問題があるので 収集回数を検討してほしい ごみを出せる時間が決まってしまうと困る ダストボックス収集から戸別収集となることで 収集の費用及び労力は増

岐阜市環境基本計画の改定について

1 報告事項

1. 制度全般に関すること ( 目的 必要性など ) 1-1 家庭ごみ有料化に賛成する ( 同旨 9 件 ) 今 持続可能な社会の構築と将来の世代の暮らしを守る 1-2 家庭ごみ有料化に賛成する ごみについて考ためにも 一層のごみの減量 資源化の促進が求められてえるきっかけとなった います 1-3

4. 町田市の廃棄物の処理及び再利用の促進に関する条例及び施行規則 6 審議会の議事は 出席委員の過半数で決し 可否同数のときは 会長の決するところによる 7 会長は 必要に応じて 委員以外の者を会議に出席させ 説明又は意見を聴くことができる ( 所掌事項 ) 第 4 条審議会は 市長の諮問に応じ

Ⅱ ごみに関する情報提供について 問 6 あなたは下記のごみに関する事項についてどの程度関心がありますか ごみに関する事項 関心の程度 非常に関心がある ある程度関心がある あまり関心がない 全く関心がない 1 ごみの減量化について ごみの再資源化について ご

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

資料3

Transcription:

家庭系ごみの有料化について ( 報告 ) 弘前市廃棄物減量等推進審議会 ごみ減量化 資源化検討部会 平成 28 年 8 月

目次 1. はじめに 1 2. ごみ処理の現状 1 3. 家庭系ごみ有料化の有効性 2 (1) ごみの減量化 資源化の推進 (2) 公平性の確保 (3) 適正排出の推進 4. 家庭系ごみ有料化の仕組み 2 (1) 有料化の対象 (2) 手数料の徴収方法 (3) 手数料の料金体系 燃やせるごみ 燃やせないごみ 大型ごみ (4) 手数料の設定 燃やせるごみ 燃やせないごみ 大型ごみ (5) 指定ごみ袋などの種類 (6) 減免措置 5. 家庭系ごみ有料化にあたっての留意事項 6 (1) 市民への周知啓発活動 (2) 手数料の使途 (3) 併行施策

1. はじめに弘前市においては 低迷するごみ処理状況を受け 平成 37 年度までの1 0 年間を計画期間とする 弘前市一般廃棄物処理基本計画 を平成 28 年 4 月に策定し オール弘前体制で実現する 循環のまち弘前 を基本理念に ごみの減量化 資源化を強力に推進することとしています 計画の中では 家庭系ごみ対策の重要施策の一つとして 家庭系ごみの有料化 が掲げられており これを検討するため 平成 28 年 4 月 26 日 市長から本審議会に対し諮問が行われています 家庭系ごみの有料化 については 本審議会においても 早期検討の必要性を認識していたため 審議会内に専門的な審議を行うための ごみ減量化 資源化検討部会 を設置し 速やかに審議を重ねてきました 審議では まず 全国及び青森県内のごみ有料化の実施状況や効果検証を行い 弘前市にとって家庭系ごみの有料化が本当に必要か について 有料化の有効性の観点から審議した上で 望ましい実施方法について議論を行いました 本報告書は 以上の過程で慎重に審議し とりまとめた報告書であり 今後の審議会全体審議の基礎となるものです 2. ごみ処理の現状弘前市のごみ排出量及びリサイクル率は大きく低迷しており 循環型社会の構築や資源保護 地球温暖化防止 ごみ処理費用の削減などの観点から ごみの減量化 資源化の推進が急務です しかし 全ての市民が継続的にごみの減量化 資源化に取り組むためには 意識啓発を中心とした現状の取組だけでは限界があり 市民一人ひとりが主体性を持って取り組むための動機付けを図る必要があります また 現在 ごみの排出量に関わらず 処理費用は全て税収等で賄われており ごみの減量に努力した実感が得られないことから 具体的な行動に結びつきにくい状況です このようなことから 市民一人ひとりの努力が反映されるよう ごみの排出量に応じた負担の公平感が図られる仕組みづくりが必要です - 1 -

3. 家庭系ごみ有料化の有効性 本部会では 弘前市の現状を踏まえた上で審議した結果 主に次のような 効果が期待できることから 家庭系ごみの有料化 が有効であると考えます (1) ごみの減量化 資源化の推進経済的な動機付けにより 排出者としての自覚と責任がこれまで以上に明確となり 市民一人ひとりがごみを意識したライフスタイルへ転換するきっかけとなります (2) 公平性の確保弘前市のごみ処理費用は 平成 26 年度実績で約 32 億円となっていますが その費用の全てが税収等で賄われており また ごみの排出量に関わらず その負担は同じです ごみの排出量に応じて処理費用の一部を負担する仕組みを導入することによって ごみの減量化 資源化の推進に対する公平性が確保されます (3) 適正排出の推進周辺の多くの市 町が既に家庭系ごみの有料化を実施しているため 家庭系ごみの有料化を実施していない弘前市へのごみの投棄が報告されています また 本来 事業者が自ら処理することが義務付けられている事業系ごみが家庭系ごみとして排出されている事例も報告されています 有料化を実施することにより これらの抑制効果が期待できます 4. 家庭系ごみ有料化の仕組み本部会は 家庭系ごみの有料化の仕組みについて 弘前市の現状や既に有料化を実施している他の市町村の事例などを踏まえ 次のような仕組みが望ましいと考えます (1) 有料化の対象有料化の対象とするごみは 家庭系ごみに含まれている資源化物の分別促進の観点から 燃やせるごみ 燃やせないごみ 大型ごみ を対象とし 容器包装 ( かん びん 紙パック ダンボール その他の紙 ペットボトル ) や 古紙類 ( 新聞 雑誌 雑がみ ) は対象外とすることが望ましいと考えます また 意識的に減らすことができないものや不法投棄を誘発するものについても対象外とすることが望ましいと考えます - 2 -

(2) 手数料の徴収方法家庭系ごみの有料化は ごみの減量化 資源化を目的とするものであるため 市民にとって ごみの減量効果を実感しやすく 排出量に応じて適正な手数料負担であることが明確な方法である 指定ごみ袋方式 が適当であると考えます なお 大型ごみについては 指定ごみ袋での排出が困難であることから ごみの排出の際に有料のシールを張り付ける 処理券 ( シール ) 方式 が適当であると考えます また 指定ごみ袋 の販売に当たっては 市民の利便性を考慮し 市内各地域のスーパーマーケットやコンビニエンスストアをはじめ その他多くの小売店等で販売することが望ましいと考えます (3) 手数料の料金体系 燃やせるごみ 燃やせないごみ手数料の料金体系については 大きく分けて 単純従量制 と 超過従量制 があります 単純従量制 は 購入した袋の枚数に応じて 手数料を負担するもので 超過従量制 は 一定量までは無料でごみ袋を配布し それを超えた場合は 有料ごみ袋を購入し 手数料を負担するものです 超過従量制 は 一定量まで無料となるため 減量意識が働きにくいことや 無料分のごみ袋配布に費用を要するなど 問題点もあることから 全国的にも採用例が多く ごみの排出量に応じて単純に料金が加算される方式である 単純従量制 が望ましいと考えます 大型ごみ手数料の料金体系については 大きく分けて 単一料金体系 と 複数料金体系 があります 単一料金体系 は 小さいものも大きいものも同一の料金とするものです 市民がごみの種類により料金を判別する必要が無く 理解しやすいという一方で 排出量に応じた負担の公平化を図る受益者負担の考え方に矛盾するという欠点があります 複数料金体系 は 小さいものは安く 大きいものは高く料金を設定し 排出量に応じた料金体系にするものです 受益者負担の考え方に合致し より排出抑制を促すことができる一方で ごみの種類によって料金が異なるため 価格表の作成や問い合わせ窓口の設置などの整備が必要となります 弘前市は 他の市町村に比べ 大型ごみが非常に多く より排出抑制を促す必要があることから 複数料金体系 が望ましいと考えます - 3 -

なお 複数料金体系 での実施に当たっては 市民の料金把握等に対応 するため 問い合わせ窓口の設置などの配慮が望ましいと考えます (4) 手数料の設定 燃やせるごみ 燃やせないごみ手数料は 直接 市民の生活に影響するものであることから 過度な負担とならないよう配慮が必要ですが ごみの排出抑制を明確に促すことのできるよう設定する必要があります また 市民の受容性や周辺市町村との均衡を図る必要があります これらを踏まえ 以下の3つの観点から 手数料を1L 当たり0.67 円 ~1 円程度に設定することが望ましいと考えます 1ごみの発生抑制及び分別促進効果ごみの排出抑制と分別を促す程度の料金設定が必要です 弘前市一般廃棄物処理基本計画 では 平成 32 年度までに家庭系ごみの排出量を 789グラムから680グラムに109グラム削減することを目標に掲げており このうち家庭系ごみ有料化の効果を家庭系ごみの排出量の約 9% である71.5グラムと見込んでいます 平成 25 年 4 月に国が示した 一般廃棄物処理有料化の手引き によると 家庭系ごみの排出量の 9% を削減するための料金設定は 1L 当たり0.5 円 ~0.99 円となります 2 市民の受容性他の自治体が実施した有料化の負担額に関する調査によると 1か月に負担しても良いと感じる金額は 1 世帯当たり300 円 ~500 円程度という意見が多くなっており 1 世帯当たり500 円以上とすることで 十分な経済的動機付けを働かせることができると考えられます 一方で 別の調査によると ごみの排出抑制 分別行動は 1 世帯当たりの負担金額が500 円を超えると鈍くなるという結果もあり 単に負担金額を高くすれば効果が高まるわけでもありません 弘前市の平成 26 年度の家庭系燃やせるごみ 燃やせないごみ排出量で試算すると 1 世帯 1か月当たり45Lごみ袋 9 枚が必要となり 1 世帯当たり負担金額を500 円とした場合 45Lごみ袋 1 枚当たりの金額が約 55 円 1L 当たりでは 約 1.22 円となります - 4 -

1 世帯月額 500 円と仮定した場合のごみ袋 1 枚当たりの価格 平成 26 年度 ( 実績値 ) 世帯数 ( 平成 26 年 10 月 1 日 ) 79,176 世帯 燃やせるごみ排出量 / 年 39,852t 1 世帯当たり / 月 41.9kg 45L 袋必要枚数 / 月 7.5 枚 8 枚 1 燃やせないごみ排出量 1,701t 1 世帯当たり / 月 1.8kg 45L 袋必要枚数 / 月 0.3 枚 1 枚 2 1 月当たりの必要枚数 (1+2) 9 枚 /1 世帯 1 世帯月 500 円で計算した場合 1 枚当たり約 55 円 環境省 / 一般廃棄物処理有料化の手引き ( 平成 25 年 4 月 ) より ごみ量 1L=0.125kg で計算 3 周辺市町村の料金水準有料化を実施している弘前市周辺の市町村の料金水準は 1L 当たり 0.33 円 ~1.33 円となっており その中でも1L 当たり0.67 円以上 (45Lごみ袋 1 枚当たり30 円以上 ) の水準としている市町村が多くなっています 周辺市町村からのごみの投棄を抑制するためには 同程度以上の料金設定が必要となり 1L 当たり0.67 円以上の料金水準が望ましいと考えます 大型ごみ他の自治体が実施した調査によると 大型ごみの中でも比較的小さなものは1 個につき200 円程度 その他 大きくなるにつれて 400 円 ~8 00 円程度で減量効果が高くなると考えられます ごみの排出抑制の観点から 弘前市においても同程度の料金設定が適当であると考えますが 周辺市町村からのごみの投棄を考慮する必要があると考えます また 有料化の実施に合わせて大型ごみを毎戸収集方式で収集する市町村も多く見られますが 弘前市においても利便性向上を考慮し 毎戸収集方式の検討が必要であると考えます (5) 指定ごみ袋などの種類指定ごみ袋については 核家族世帯や単身世帯にも配慮し 各世帯がごみの排出量に応じて選択できるよう複数サイズの指定袋を設定することが適当であると考えます - 5 -

また シール式の処理券については 改ざん防止加工が施されたものを 採用する必要があると考えます (6) 減免措置家庭系ごみの有料化は ごみの減量化 資源化を推進するための一つの手法であり 一人ひとりが主体性を持つことにより 費用負担を少なくすることができる仕組みであることから 原則として全ての市民にごみの排出量に応じた負担をしていただくことが望ましいと考えます しかし 天災など特別な理由がある場合の配慮は必要であると考えます 5. 家庭系ごみ有料化にあたっての留意事項 本部会では 家庭系ごみの有料化の実施に際し 次のことについて留意す ることが望ましいと考えます (1) 市民への周知啓発活動家庭系ごみの有料化を円滑に実施するためには 市民が有料化の目的や実施内容などを十分に理解することが不可欠です 実施に当たっては 周知の期間と機会を十分に設け 市民へのきめ細やかな周知啓発活動に努めることが望ましいと考えます (2) 手数料の使途有料化によって得られる収入については 有料化に対する理解と協力を得ることが重要であるため その使途の透明性を確保し また 有料化の目的を踏まえ 有料化を実施するために必要な費用や更なるごみの減量化 資源化を推進するための施策などの財源として活用することが望ましいと考えます (3) 併行施策家庭系ごみの有料化は 他の施策と組み合わせて実施することにより 相乗効果が得られ また 効果が持続することが他市町村の実施結果などで示されています 本部会では 更なるごみの減量化 資源化の推進や利便性向上を図るため 家庭系ごみの有料化を実施する場合は 次の施策を併せて実施することが望ましいと考えます 1 ごみの減量化 資源化に関する周知啓発の推進 市民がごみの減量化 資源化に対する正しい知識を習得し 理解を深 - 6 -

めることで効果が高まり 持続することに繋がると考えます 特に ご みの収集運搬や焼却などのごみ処理費用や施設の整備及び維持管理費用 などの費用に関する積極的な情報提供が望ましいと考えます 23キリ運動の推進燃やせるごみの約 4~5 割を占める生ごみの減量は ごみの減量化に特に効果的であるため 食材を使い切る 使いキリ 食べ残しをしない 食べキリ ごみに出す前に水を切る 水キリ の 3キリ運動の推進が望ましいと考えます 3 家庭用生ごみ処理機の活用推進これまで実施したモニター事業で一定の効果が示された家庭用電動生ごみ処理機やダンボールコンポストなどの活用について 補助制度の創設などによる推進が望ましいと考えます 4 再生資源回収運動の推進町会やPTAなどが実施する再生資源回収運動は ごみの減量に効果があるだけでなく 物を大切にする心を育み 地域住民の絆づくりにも役立つことが期待できることから 更なる普及促進を図ることが望ましいと考えます 5 廃棄物減量等推進員の活用推進ごみの減量化 資源化の推進やごみ出しマナーの向上を図るため 市が地域に配置している廃棄物減量等推進員について 今後 重要性が増すことが予想され また 地域間で配置が不均衡となっているなどの課題もあることから 制度の充実が望ましいと考えます 6 高齢者等へのごみ出し支援事業の実施今後 ごみ出しが困難なひとり暮らしの高齢者や障がい者などが増加することが予想されることから ごみ出し収集支援策の検討 実施が望ましいと考えます 7 不法投棄 不適正排出対策の強化有料化実施後は 空き地や道路わきなどへの不法投棄の増加やごみ集積所への不適正な排出が予想されることから 啓発活動や監視パトロールの強化が望ましいと考えます - 7 -