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資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

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目 次 1. タムラグループの環境活動 1 2. グリーン調達基準 1 第 1 章総則 1 第 2 章取引先様への要求事項 3 第 3 章材料 部品等の選定基準 3 第 4 章取引先様への調査内容 4 附則 5

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CONTENTS

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2017 年 1 月 18 日 植物由来プラスチック 合成繊維を対象に含む商品類型における 認定基準の部分的な改定について 公益財団法人日本環境協会 エコマーク事務局 1. 改定の概要エコマークでは 植物由来プラスチック 合成繊維に関して 2014 年から調査を行い 2015 年 4 月に エコマー

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【HP公表 最終版の公表前確認修正有り】 北陸取組み(個票)

資料 4 平成 26 年報告書に提言された取組のうち 回収率目標達成アクションプラン以外の取組状況について 平成 29 年 12 月 4 日 経 済 産 業 省 環 境 省

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1 計画策定の意義 私たちが暮らす現代社会は これまで快適で潤いのある生活環境を築くため 大量生産 大量消費 大量廃棄という使い捨てのライフスタイルを恒常化させてきた それに伴い排出される廃棄物は 多様化 増大化を続けたため 処理場や処分場の確保は次第に困難になり 廃棄物処理を取り巻く環境は厳しくな

テンパール工業株式会社 本店


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福井県建設リサイクルガイドライン 第 1. 目的資源の有効な利用の確保および建設副産物の適正な処理を図るためには 建設資材の開発 製造から土木構造物や建築物等の設計 建設資材の選択 分別解体等を含む建設工事の施工 建設廃棄物の廃棄等に至る各段階において 建設副産物の排出の抑制 建設資材の再使用および

24 ごみ減量分野様式 2 ごみゼロをめざすまち 分野目標 1 ごみゼロ都市 なかの を実現するために 区民 事業者 区が連携して3Rの取組みを進め ごみの排出量が減少するまちをめざす 2 循環型社会を実現するために 資源の再使用 再生利用などの資源の有効利用が広がっているまちをめざす 成果指標 区

02

目次 1 はじめに 適用範囲 用語の説明 お取引先様に対して要求する必須条件 調達品に対して要求する必須条件 グリーン調達品の定義 グリーン調達の基準 グリーン調達の取り組み状況調査 附則..

2010 年 12 月環境経済観測調査統計表 目次 ページ 表 1(1) 主業別 資本金別対象企業数及び回答率 1 表 1(2) 主業別 資本金別回答企業数及び構成比 1 表 2-1 我が国の環境ビジネス全体の業況 資本金別 主業別 2 表 2-2 発展していると考える環境ビジネス 資本金別 主業別

1 平成 22 年度の取組み結果 平成 22 年度の取り組み結果は 下記のとおりです 温室効果ガスの総排出量 平成 22 年度 温室効果ガス総排出量 (t-co2) 26,876 27, % 具体的取り組み 平成 22 年度 電気使用量 (kwh) 37,334,706 38,665,4

平成20年度税制改正(地方税)要望事項


エコアクション 21 環境活動レポート ( 対象期間平成 21 年 10 月 ~ 平成 21 年 12 月 ) 目次 1. 環境方針 1ページ 2. 事業概要 2ページ 3. 環境目標とその実績 3ページ 4. 主要な環境活動計画 4ページ 5. 環境活動の取組結果の評価 ( 全社 ) 5ページ 5

寺島木工株式会社事業概要 商号 代表者 創業 所在地 連絡先 環境管理責任者 担当者 事業内容 取扱商品 機械設備 資本金 従業員数 主要取引銀行 主な納品先 所属組合 敷地面積 建築面積 寺島木工株式会社 代表取締役社長寺島秀雄 昭和 22 年 3 月 31 日 本社 : 工場

目 次 1 計画策定の意義 1 2 基本的方向 2 3 計画期間 2 4 対象品目 各年度における容器包装廃棄物の排出量の見込み 4 6 容器包装廃棄物の排出の抑制の促進するための方策に 関する事項 5 7 分別収集をするものとした容器包装廃棄物の種類及び当該容器 包装廃棄物の収集に係る

目次 1. 策定の趣旨 2 2. 水素利活用による効果 3 3. 能代市で水素エネルギーに取り組む意義 5 4. 基本方針 7 5. 水素利活用に向けた取り組みの方向性 8 6. のしろ水素プロジェクト 10 1

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目 次 まえがき 1. 目的 1 2. 適用範囲 1 3. 引用規格 1 4. 用語の定義 2 5. 情報開示項目 ( 開示内容及び開示形式 ) 製品情報 環境情報 4 1) 法令 環境ラベル等への対応 4 2) 省エネルギーへの対応 5 3) 電磁波影響への対応 6 4)

第一種特定製品の管理者が取り組むべき措置について フロン類の漏えい防止対策が必要です 第一種特定製品とは 1 業務用のエアコンディショナー 1 及び 2 業務用の冷蔵機器及び冷凍機器であ って 冷媒としてフロン類が使用されているもの 管理者とは原則として 当該製品の所有権を有する者 ( 所有者 )


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3 最近の製作実績 3.1 中部電力 納入移動式変電所 第 1 表 第 1 図 3.2 国内電力会社納入 Tr 車 第 1 表 中部電力 納入 Tr 車の仕様 Tr 車の寸法と質量, 及び変圧器の主な仕様を示す 項目 仕様 寸法 W2480 H3480 L9305mm 質量 総質量 19.85t(

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

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4 推進体制別途添付いたします 5 公表の方法等 ホームページアドレス 閲覧場所 窓口で閲覧 所在地 冊 子 閲覧可能時間 冊子名 入手方法 その他

概要:プラスチック製容器包装再商品化手法およびエネルギーリカバリーの環境負荷評価(LCA)


目次 平成 30 年 6 月環境経済観測調査地域別統計表 ページ 表 A 地域別対象企業数及び回答率 1 表 1-1 我が国の環境ビジネス全体の業況 主業別 2 表 1-2 発展していると考える環境ビジネス 4 表 2-1(1) 現在行っている環境ビジネス数 主業別 6 表 2-1(2) 現在行って

1 自然に対する関心 (1) 自然に対する関心 平成 24 年 6 月 平成 26 年 7 月 関心がある( 小計 ) 90.4% 89.1% 非常に関心がある 29.5% 21.9%( 減 ) ある程度関心がある 60.9% 67.2%( 増 ) 関心がない( 小計 ) 8.8% 10.5% あま

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目 次. 計画策定の意義 2. 基本的方針 3. 計画期間 4. 対象品目 5. 各年度における容器包装廃棄物の排出量見込み ( 第 8 条第 2 項第 号 ) 2 6. 容器包装廃棄物の排出の抑制のための方策に関する事項 ( 第 8 条第 2 項第 2 号 ) 3 7. 分別収集をするものとした容

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認証番号 エコアクション 21 環境活動レポート レポート期間 2016 年 9 月 ~2017 年 8 月

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2 回収台数の推移 (2) 再資源化実績 1 平成 23 年度実績 製品区分処理量 (t) 処理台数 ( 台 ) 再資源化量 (t) 再資源化率 (%) 法定目標 (%) 1, ,907 1, (1,964) (181,617) (1,495) (76.1)

2.2 環境配慮設計の高度化に向けて (1) 製品アセスメントマニュアルの活用 家電製品協会は 新製品の環境配慮設計への改善度を評価し 環境負 荷をより低減したものづくりを行う具体的な設計指針として 家電製品 製品アセスメントマニュアル を作成しており 製造業者等は同マニュ アルを各社で活用している

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目標を達成するための指標 第 4 章計画における環境施策 一般廃棄物焼却量 ( 家庭 事業所 ) ごみ 資源物の総排出量 平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (2003 年度 ) に比べ 30% 削減平成 27 年度 (2015 年度 ) までに平成 15 年度 (200

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普段のごみ出しについて (2) ごみと資源の分別について 1 分別の取り組み状況 Q2 ごみと資源 ( 缶 びん ペットボトル プラスチック製容器包装 小型金属 ) を分別していますか 美原区は古紙類 ( 新聞 雑誌 ダンボール 紙パック ) を含む 分別の取り組み状況 分別していないほとんど 0.

まえがき 太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーは エネルギー安全保障 低炭素社会 成長産業の創出 分散型エネルギーシステムの普及によるエネルギーシステムの強靭化等の観点から 極めて重要な電源である なかでも 太陽光発電は 平成 24 年 7 月に始まった 再生可能エネルギーの固定価格買取制度

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平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

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計画の策定にあたって 本計画は 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第 6 条第 1 項の規定される網走市における一般廃棄物処理に関する基本計画です 網走市では 平成 4 年に策定した基本計画に基づき ごみの減量化の推進 リサイクルセンターや最終処分場を整備するとともに 平成 16 年度にはごみ処理の

2 回収台数の推移 (2) 再資源化実績 1 平成 22 年度実績 製品区分 処理量 (t) 処理台数 ( 台 ) 再資源化量 (t) 再資源化率 (%) 法定目標 (%) 1, ,617 1, (1,935) (171,493) (1,488) (76,9) 50 46

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Transcription:

1 / 6 SANYO DENKI TECHNICAL REPORT No.12 November-2001 特集 松崎昭憲 Akinori Matsuzaki 阿藤聡 Satoshi Atoh 近年 地球温暖化 環境汚染 資源枯渇などの地球環境負荷を低減し 環境にやさしい製品が求められてきている それに伴って 製品アセスメントを実施し 環境負荷の評価および環境に対する影響を低減するための設計は 当然の責務となってきている 現在当社では 製品の製造 流通 使用 回収および廃棄時の環境負荷を評価する LCA(Life Cycle Assessment) の簡易評価手段として 設計段階の製品アセスメントに全社レベルで取り組んでいる 本稿では パワーシステム事業部での取り組み方針および代表機種での具体的な実施例などを紹介する パワーシステム事業部の電源装置は 少なくとも数千点以上の部品 材料からなる複雑な機能集合体であり 設計時の検討要素が非常に多岐にわたるため コスト 機能 性能および環境側面からの配慮をすべて満たすためには 多くの技術的課題がある したがって 電源装置という製品固有の着眼点を明確にし 評価基準を確立することが環境適合設計への取り組みとして重要である 表 1 に電源装置における環境適合設計の着眼点を示す その中で電源装置として特筆される環境側面について以下に述べる 2.1 減量化 ( 小型 軽量化 ) 製品を小型 軽量化することは 製品を製造する上で使用する資源の削減と加工に使用するエネルギーの削減 および加工時間の短縮に大きく貢献することが期待される また 小型 軽量化により 電源装置を設置する場所の床面積と床荷重の制約が小さくなるために 製品設計では重要な項目である

2 / 6 2.2 省エネルギー 電気エネルギーの発生には 資源枯渇物質である石油を大量に消費し 地球温暖化効果ガスの CO 2 を発生する 省エネルギーはこれら環境負荷の低減に直接寄与するため 重要な項目である 電源装置における省エネルギーは 使用時の消費電力 ( 損失 ) を削減することである 特に最新機種では 消費電力の少ない部品の選定や高効率を得る新しい回路方式などが開発され 効果を上げている 表 1 電源装置における環境適合設計の着眼点 項目内容着眼点 減量化 省エネルギー 長寿命化 安全性 環境保全性 再資源化 製品の分解性 小型化 軽量化 性能の向上を図りエネルギーの合理化 長期使用 有害物質の使用量削減 処分処理時の安全性 処分処理時の環境保全性 設置面積の縮小を図る ( 重要 ) 製造エネルギーの削減 床荷重の低減を図る ( 重要 ) 製造エネルギーの削減 消費電力の低減を図る ( 重要 ) 長期使用設計を行うと製品コストが上がるため 市場要求コストに見合った範囲の長寿命化を検討 鉛フリーはんだ 鉛フリー電線の使用 バッテリなどの処分方法の確立取扱説明書への記載 同上 材料の統一使用材料はできるだけ統一する ( 重要 ) リサイクル率 分解が容易 再利用が容易な構造 材料の表示 バッテリ プラスチック類の表示リサイクルが容易な材料の使用ダンボールなどの利用 分解性を考慮する 再使用できる部品をできるだけ使用する筐体材料にできるだけ表示する 廃棄処理 環境負荷の少ない材料の採用度 調査の上採用を増やす 収集 運搬 収集運搬が容易 廃棄時の運搬が容易な構造とする 情報の開示 再生資源の利用促進などに資するための情報の記載材料部品などの供給者の協力 取扱説明書への記載材料への表示 包装材外部への記載 情報収集を迅速に行う

3 / 6 2.3 有害物質の使用量削減 電源装置に使用するプリント回路板は 装置の種類により 1 台あたり数枚から数十枚使用されている 当社では プリント回路板の洗浄にオゾン層破壊物質のフロンを使用しない製品の製造技術をすでに確立している 最近は 製品のプリント回路板の製作に不可欠なはんだに含まれる鉛の使用が問題となってきているため 鉛フリー化の製造技術に取り組んでいる 2.4 安全性 環境保全性 環境汚染の原因となる有害化学物質に関しては あらゆる使用部品 材料の一点に至るまで調査 データベース化される社内システムが構築されている 特に無停電電源装置 ( 以下 UPS という ) では 停電時のバックアップとして鉛蓄電池を利用するため 廃棄処分時の安全性と環境保全性に十分配慮し 取扱説明書への記載を徹底している 2.5 材料の統一 製品で使用する部品や材料の種類を統一し少なくすることは リサイクルの容易化につながる また 使用材料もできる限りリサイクル容易またはできるものを選定すべきである このため 電源装置で使用される材料の分類とリサイクル性を共通資料化し 設計上の共有認識として継続的改善に取り組んでいる パワーシステム事業部の電源関連製品群では 現在までに設計段階の製品アセスメントを 8 機種実施完了した その中から 小 中容量 UPS および太陽光発電用パワーコンディショナの最新代表機種について 環境適合設計による改善点とその効果を紹介する 3.1 小容量 UPS SANUPS ASE 従来の小容量 UPS SANUPS ASC に対し 新たに SANUPS ASE を製品化した時の改善点とその効果を以下に示す また 小容量 UPS SANUPS ASE の外観を図 1 に示す なお 小容量 UPS SANUPS ASE に関する詳細は 新製品紹介の掲載記事 小容量 UPS SANUPS ASE の開発 を参照のこと

4 / 6 (1) 小型 軽量化 改善点部品使用率の最適化 部品点数の削減 高効率化 効果容積を17643cm 3 から13072cm 3 へ26% 削減質量を22kgから18kgへ18% 削減 (2) 省エネルギー 改善点主回路に高効率回路方式を採用 効果消費電力を 124W から 69W へ 56% 削減 (3) 分解処理の容易化 改善点部品点数の削減 効果部品点数 ( プリント回路板実装部品を含む ) を 1248 点から 755 点へ 40% 削減 (4) 再資源化 改善点プラスチック部品への素材表示 効果プラスチック部品は全て素材表示を実施 3.2 中容量 UPS SANUPS AMB T3 従来の中容量 UPS SANUPS AMA T3 に対し 新たに SANUPS AMB T3 を製品化した時の改善点とその効果を以下に示す また 中容量 UPS SANUPS AMB T3 の外観を図 2 に示す (1) 小型 軽量化 改善点絶縁トランスの削除 半導体絶縁方式 ( 特許出願中 ) の採用 効果容積を1.06m 3 から0.474m 3 へ55% 削減質量を850kgから460kgへ45% 削減

5 / 6 (2) 省エネルギー 改善点絶縁トランスの削除 半導体絶縁方式 ( 特許出願中 ) の採用 効果消費電力を 3650W から 2820W へ 23% 削減 (3) 長寿命化 改善点製品寿命中の交換部品の削減 効果交換部品点数を 7 種類から 4 種類へ 43% 削減 (4) 材料の統一 改善点使用材料の統一 効果使用材料を 898 種類から 501 種類へ 44% 削減 3.3 太陽光発電用パワーコンディショナ SANSOLAR PMC-TD 従来の太陽光発電用パワーコンディショナ SANSOLAR PMB に対し 新たに SANSOLAR PMC-TD を製品化した時の改善点とその効果を以下に示す また 太陽光発電用パワーコンディショナ SANSOLAR PMC-TD の外観を図 3 に示す (1) 小型 軽量化 改善点部品使用率の最適化 部品点数の削減 高効率化 効果容積を0.4m 3 から0.1044m 3 へ74% 削減質量を180kgから65kgへ64% 削減 (2) 省エネルギー 改善点制御回路の集積化 キャリア周波数の最適化 効果消費電力を 1100W から 750W へ 32% 削減

6 / 6 (3) 分解処理の容易化 改善点部品点数の削減 一体化構造の採用 効果部品点数を 277 点から 97 点へ 65% 削減分解時間を 2534 分から 384 分へ 85% 削減 (4) 材料の統一 改善点使用材料の統一 複合材の使用の削減 効果使用材料を 15 種類から 11 種類へ 27% 削減複合材を 26 種類から 10 種類へ 62% 削減 以上 パワーシステム事業部の電源装置における環境適合設計への取り組みと実施例を紹介した 今後は 設計段階の環境アセスメントから 製造 使用 流通 回収および廃棄までの各段階で製品が環境に及ぼす影響を定量的に評価する LCA に取り組む予定である また 環境アセスメントによって一定の水準を満たす製品を環境適合設計製品として認定する社内制度が確立されているため 早期の認定取得を含め より地球環境にやさしい製品の開発を推進する所存である 松崎昭憲 1981 年入社パワーシステム事業部設計第 1 部電源システムの開発 設計に従事 阿藤聡 1989 年入社パワーシステム事業部設計第 1 部無停電電源装置の開発 設計に従事

図 1 小容量 UPS SANUPS ASE の外観 1 / 1

図 2 中容量 UPS SANUPS AMB T3 の外観 1 / 1

図 3 太陽光発電用パワーコンディショナ SANSOLAR PMC-TD の外観 1 / 1