北海道八雲町への提案 デロイトトーマツコンサルティング合同会社 2017 年 6 月 16 日
SDGs を地方創生に活用する 2
地方自治では SDGs が掲げる全ての目標が課題として存在します SDGs の内容 3 出所 : 国連広報センター
日本の地方自治体の多くが 同様の悩みを抱えています 事例 : 八雲町における人口減少の課題 大幅な人口減少見込み 働き盛り世代の転出超過 魅力的な仕事がないことが原因 0-5 -10-15 -15-18 -7-14 -14-2 転出理由上位に労働環境不足が挙がる 約 1.9 万人 約 1.1 万人 -20-25 -30-35 -40-45 -50-50 -42-48 -39 就業場所やビジネスの機会がない 少ない やりがいのある仕事がない 少ない 2010 2060 出所 : 八雲町まち ひと しごと創生人口ビジョン総合戦略 八雲町 (2016/2) 出所 : 住民基本台帳人口移動報告 総務省統計局 (2015) 出所 : 八雲町人口ビジョン及び総合戦略策定に係るアンケート調査結果報告書 八雲町 (2016/2) 4
地方自治体が取組みたい活動を SDGs と紐づけることができます 引きこもり児童 学生を受け入れる学校整備 海洋深層水を利用したタラソテラピー 安心できるホテル運営 マクロビやオーガニック (BIO) 食品の提供 6 次産業促進や牛乳工場設立 シングルマザー 障がい者 高齢者 外国人等脆弱層の雇用創出 地熱開発 バイオ燃料の開発 地熱発電や浜辺漂着ゴミ発電 間伐材利用促進等で 森林を適切に管理 ( 自然災害対策 ) 多様な人材を雇用するホテルや農業 中小企業誘致 6 次産業の促進 牛乳工場の設立 タイ人旅行プラン策定 民間翻訳技術提供プラン策定 Public Pitch の開催 PPP(Public-Private Partnership) /PFI(Private Finance Initiative), SIB(Social Impact Bond) の実施 イベントの民営化 地域版商社や地域版投資銀行設立 最新 ICT 技術の実証実験実施 タクシー Uber の導入 空き家 Airbnb の導入 技術的な規制緩和と特区活用 X-ROAD( 電子政府 ) や Local Management 法人の先行実施 光回線の導入 5 MSC ASC 認証を補助 MSC 認証取得補助 民間特殊技術利用 民間運輸による海外への配送 出所 : 国連広報センター 八雲町岩村町長とのディスカッションを基に DTC 作成 緑字 : 環境に配慮した取組み青字 : 人に配慮した取組みグレー字 : ガバナンス強化の取組み 障がい児や外国人 引きこもり生徒を受け入れる学校整備 女性を積極的に雇用する中小企業誘致 PPP/PFI SIB の実施 最新 ICT 技術の実証実験実施 技術的な緩和と特区活用 地域版商社や地域版投資銀行の設立規制 間伐材利用促進等で 森林を適切に管理 ( 水に関連する生態系の保護 回復 ) 国際認証 Global G.A.P, JGAP,MSC/ASC 認証を導入 酪農 農業 漁業で連携 中小飲食企業を誘致 タクシー Uber の導入 マルチステークホルダーと連携 核兵器廃絶平和都市宣言及び シングルマザーへ雇用を提供既存航空自衛隊基地との共存 間伐材利用促進等で 森林を適切に管理 インクルーシブな社会実現促進 バリアフリーの徹底 女性 障がい者 高齢者 外国人 若者 アイヌ民族等が働ける 6 次産業及び森林ビジネスの促進 牛乳工場の設立 最新 ICT 技術の実証実験実施 タクシー Uberの導入 技術的な規制緩和と特区活用 X-ROAD( 電子政府 ) やLocal Management 法人の先行実施 地域版商社や地域版投資銀行の設立 複式簿記や包括外部監査の導入 全電線地中化
SDGs に紐づく取組みを ESG の三軸で整理し直してみると 三軸の相互連関の重要性が見えてきます エコシステムアプローチ概要 特定地域で SDGs を推進する意義 Step1 SDGs 達成度を高めるという社会からの期待に応える Step2 SDGs に沿って既存 新規の課題又は取組みを整理 SDGs で整理した課題又は取組みを ESG に分類しあてはめる E ( 環境 ) S ( 社会 ) 三位一体の取組み G ( ガバナンス ) 各 SDGs 目標を軸とし 特定地域の持つ課題や取組みを洗い出す ESG にあてはめて考えることで相互連関を生み出す SDGs 個々の目標達成ではなく相互連携を意識したエコシステムアプローチ 6 出所 : 国連広報センターの図を基に DTC 作成
策定した取組み案を ESG に関連させ 個々の相互作用を最大化することができます ESG を用いた SDGs 地方創生 の具現化 E(Environment) 持続可能 自律的で 循環型産業の促進を含む環境に配慮した取組み S(Social) 健康 福祉 人権 コミュニティの結びつきを高める人に配慮した取組み 例 : 間伐材を利用した新規事業を立ち上げ 持続的な森林保護体制を構築 ESG 領域間のパートナーシップ ( 三位一体での取組み ) が重要です G(Governance) 自治体と産業のガバナンス強化 ( 含ベンチャー企業との連携 ) 例 : 新規間伐材事業でシングルペアレントや障害者 外国人 若者などの脆弱層を雇用 例 : 間伐材事業の立上げは役場が実施も 後に最新のガバナンス体制で民営化又はベンチャー企業に委託し 持続的な運営体制を構築 7 出所 : 国連広報センターの図を基に DTC 作成
ESG エコシステムアプローチに基づいた総合的な取組案を検討します 八雲町における SDGs 取組み案詳細イメージ G/J GAP MSC ASC 認証の取得を補助 民間技術を活用し販路拡大 タラソテラピー導入ホテルを誘致 女性 ( 特にシングルマザー ) 障がい者 高齢者 外国人 若者 アイヌ民族を雇用 酪農 農業 漁業で連携 廃棄物削減のエコシステムを構築 廃棄物の再利用を促進 バイオ燃料の開発 全電線地中化 地熱発電や浜辺漂着ゴミ発電の実施 木材スプーン / フォークの製造 公共機関のログハウス化 牛乳工場の設立 バリアフリーの徹底 地熱開発を促進 マクロビやオーガニックなど健健康的な食事を提供康的な食事を提供する 中小企業を誘致 住民が集える場を設置 女性 ( 特にシングルマザー ) 障がい者 高齢者 外国人 若者 アイヌ民族を雇用 障がい児 外国人 引きこもり児童を受け入れる学校整備 第 6 次産業を促進 女性 ( 特にシングルマザー ) 障がい者 高齢者 外国人 若者 アイヌ民族を雇用 : 環境に配慮した取組み : 人に配慮した取組み : ガバナンス強化の取組み インクルーシブな社会実現促進 RIPMO の設立 核兵器廃絶平和都市宣言及び既存航空自衛隊基地との共存 持続可能な観光業促進政策を策定 / 実施する Public Pitch の開催 最新 ICT 技術の実証実験 タクシー Uber の導入 空き家 Airbnb の導入 技術的な規制緩和と特区活用 Xroad や LM 法人の先行実施 電子住民投票や電子政府の社会実験実施 PPP/PFI SIB の実施 イベントの民営化 地域版商社や地域版投資銀行の設立 複式簿記や包括外部監査の導入 光回線の導入 8 出所 : 国連広報センター 2014 年町勢要覧 八雲町岩村町長とのディスカッションを基に DTC 作成
SDGs 推進型地域エコシステムは ヒト モノ 市場の持続可能性の複合的要素で成り立ちます SDGs 推進型地域エコシステム FSC 認証の取得による国際競争力向上 イノベーションを取り入れた維持管理システム ビッグデータによる生産情報管理 トレーサビリティによる森林資源の管理 産業自体 ( モノ ) の持続可能性例 : 町有林を 60 年サイクルで持続的に維持 管理する 担い手 ( ヒト ) の持続可能性 例 : 植林 伐採 加工のための世代を超えた人材プールが存在する ベンチャー企業とのコラボレーション 自治体によるダイバーシティ人材の取り込み 高齢者の知見 知識のデータ化と活用 市場の持続可能性 例 : 国内外に継続的に木材需要と妥当な価格水準が保たれる ブランディングによる需要の掘り起こし 加工過程での付加価値創造 木材活用による新規市場の創造 9 地域における SDGs 推進には あらゆるステークホルダーとの協業が不可欠
10 各目標間の関係を捉えたエコシステム創造例えば 地方自治体の重点施策として女性活躍推進に取り組むことで複数の SDGs 達成が可能になります直接的間接的間接的間接的 Leverage point Innovation A Innovation B Innovation C Additional Innovation Innovation D 持続可能な街へ自治体 企業が女性のエンパワメントを推進働き甲斐のある企業の増加と生産性向上ダイバーシティが進みあらゆる格差が是正子どもの教育の質の向上子どもの幸福度向上 ネガティブインパクトを考慮する上では 有識者や NGO との対話が必要
講演者プロフィール 田瀬和夫 / Kazuo Tase 執行役員ディレクター Office of CSR and SDGs Initiatives ktase@tohmatsu.co.jp 外務省 国際連合を経て現職 政府系機関 国際機関 与野党等に強いパイプを持ちグローバルな経済 社会課題に精通 92 年外務省に入省し 国連政策課 人権難民課 アフリカ二課 国連行政課 国連日本政府代表部一等書記官等を歴任 2001 年より 2 年間は 緒方貞子氏の補佐官として 人間の安全保障委員会 事務局勤務 2005 年 11 月外務省を退職 同月より国際連合事務局 人間の安全保障ユニット課長 2010 年 10 月より 3 年間はパキスタンにて国連広報センター長 外務省での専門語学は英語 河野洋平外務大臣 田中真紀子外務大臣等の通訳を務めた 2014 年 5 月に国連を退職 同 6 月よりデロイトトーマツコンサルティングの執行役員 ディレクターに就任 経済産業省ビジネスと人権研究会委員 (2015 年度 ~) 厚生労働省国際保健に関する懇談会参与 (2015 年度 ~) 一般社団法人グローバル コンパクト ネットワークジャパン組織拡大委員長 (2015 年度 ~) を担務 大阪大学大学院国際公共政策研究科招聘教授 筑波大学大学院非常勤講師も務める 11
デロイトトーマツグループは日本におけるデロイトトウシュトーマツリミテッド ( 英国の法令に基づく保証有限責任会社 ) のメンバーファームおよびそのグループ法人 ( 有限責任監査法人トーマツ デロイトトーマツコンサルティング合同会社 デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社 デロイトトーマツ税理士法人および DT 弁護士法人を含む ) の総称です デロイトトーマツグループは日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループのひとつであり 各法人がそれぞれの適用法令に従い 監査 税務 法務 コンサルティング ファイナンシャルアドバイザリー等を提供しています また 国内約 40 都市に約 9,400 名の専門家 ( 公認会計士 税理士 弁護士 コンサルタントなど ) を擁し 多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています 詳細はデロイトトーマツグループ Web サイト (www.deloitte.com/jp) をご覧ください Deloitte( デロイト ) は 監査 コンサルティング ファイナンシャルアドバイザリーサービス リスクアドバイザリー 税務およびこれらに関連するサービスを さまざまな業種にわたる上場 非上場のクライアントに提供しています 全世界 150 を超える国 地域のメンバーファームのネットワークを通じ デロイトは 高度に複合化されたビジネスに取り組むクライアントに向けて 深い洞察に基づき 世界最高水準の陣容をもって高品質なサービスを Fortune Global 500 の 8 割の企業に提供しています Making an impact that matters を自らの使命とするデロイトの約 245,000 名の専門家については Facebook LinkedIn Twitter もご覧ください Deloitte( デロイト ) とは 英国の法令に基づく保証有限責任会社であるデロイトトウシュトーマツリミテッド ( DTTL ) ならびにそのネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびその関係会社のひとつまたは複数を指します DTTL および各メンバーファームはそれぞれ法的に独立した別個の組織体です DTTL( または Deloitte Global ) はクライアントへのサービス提供を行いません Deloitte のメンバーファームによるグローバルネットワークの詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください 本資料は皆様への情報提供として一般的な情報を掲載するのみであり その性質上 特定の個人や事業体に具体的に適用される個別の事情に対応するものではありません また 本資料の作成または発行後に 関連する制度その他の適用の前提となる状況について 変動を生じる可能性もあります 個別の事案に適用するためには 当該時点で有効とされる内容により結論等を異にする可能性があることをご留意いただき 本資料の記載のみに依拠して意思決定 行動をされることなく 適用に関する具体的事案をもとに適切な専門家にご相談ください Member of Deloitte Touche Tohmatsu Limited