O&M パート III メンテナンスの最適化 Michaël Drexler - 2015 年 3 月 3 日 サイト評価 風力タービン評価 送電系統統合 デューディリジェンス アドバイザリーサービス 本書は参考和訳です 翻訳に疑義が生じた場合は 原文の内容が優先されます
アジェンダ 1. メンテナンスの指針 I. 予防保全 II. 事後保全 III. メンテナンスの最適化 2. 状態監視システム (CMS) I. CMSの利点 II. 保険とCMS III. 動力伝達装置の状態監視 3. 風力タービン評価 I. タービン検査 II. 部品検査 4. ウィンドファーム性能分析 I. データ分析 II. オンサイト測定 1 ページ
1. メンテナンスの指針 メンテナンス という用語は ある設備がライフサイクル期間中に 求められている機能を実行できる状態を維持 あるいはそのような状態に復元するための 技術上 管理上 経営上のあらゆるアクションの組み合わせを指しています メンテナンスの概念は一般的に 予防保全 (preventive maintenance: PM) と事後保全 (corrective maintenance: CM) に分けられます メンテナンス 予防保全 事後保全 状態に応じたメンテナンス 定期的メンテナンス 適切なメンテナンス指針によって 風力タービンの総 LCC( ライフサイクルコスト ) が効果的に減り ウィンドファームの ROI( 投資回収率 ) が最大化されます 2 ページ
1. メンテナンスの指針 I. 予防保全 予防保全は 故障の発生を先延ばしにするためまたは予防するために あらかじめ決められた間隔で実施されます 予防保全には次の2 種類があります 定期的メンテナンス 状態に応じたメンテナンス ( 状態監視保全 ) 定期的メンテナンス 定期的メンテナンス 状態 [%] 状態 [%] 状態に応じたメンテナンス 故障の事後保全 時間 故障の事後保全 時間 3 ページ
1. メンテナンスの指針 II. 事後保全 事後保全は 故障が発生した後に実施され 求められている機能を実行できる状態に設備を戻すことを目的としています 定期的メンテナンス 状態 [%] 故障の事後保全 時間 4 ページ
1. メンテナンスの指針 III. メンテナンスの最適化 メンテナンスの最適化の主な目的は 最もコスト効率の良いメンテナンス指針を決定することです この指針によって 予防保全と事後保全の間のバランスが最善に保たれます コスト 総コスト 予防保全のコスト 事後保全のコスト メンテナンスの量 5 ページ
1. メンテナンスの指針 III. メンテナンスの最適化 信頼性中心保全 信頼性中心保全 (Reliability Centered Maintenance: RCM) は 予防保全と事後保全の間のバランスがとれた体系的な方法を提供します RCM 方法は メンテナンス計画を決定する際に信頼性の側面に焦点を当てた構造的なアプローチです 以下の特徴があります システム機能の維持管理 故障モードの特定 優先順位付け機能 効率的な保全手段の選択 6 ページ
2. 状態監視システム 状態に応じたメンテナンス ( 状態監視保全 ) は システム内の各部品の状態を測定する適切な手段と 状態監視システム (Condition Monitoring System: CMS) があって初めて可能になります CMSは 部品の状態を継続的に示すセンサーと信号処理装置の組み合わせで構成されます それには以下が含まれます 振動解析 音響学 潤滑油分析 電気的影響 その他 監視は オンライン ( 即時 ) の場合と オフライン ( データを一定時間ごとに収集 ) の場合があります 7 ページ
2. 状態監視システム I. CMS の利点 CMS の導入によって O&M に関し以下のようなメリットを得ることができます 特性長所利点 早期警告 問題の特定 連続監視 故障防止メンテナンス計画の向上 適切な時期に適切なサービス不要な交換の最小化保証期限が切れる前に問題を解決 風力発電システムが稼働しているという持続的な情報 修理費用の回避運転停止時間の最短化 耐用年数の長期化メンテナンス費用の低減保証期間中の運転の品質管理 セキュリティストレスが少ない CMS の主な目的は 各部品の運転中の動作変化を検出することです これによりメンテナンス作業をタイムリーに計画し 部品の損傷や故障を回避することができます 8 ページ
2. 状態監視システム II. 保険と CMS 風力発電業界内の主要な保険会社によって 動力伝達装置全体に対する CMS についての要求事項が作成されています これらの要求事項を満たすために 様々な CMS を試験して確認する必要があります 動力伝達装置部品は 典型的な振動特性を発する回転部品がベースになっているので CMS は主にそれらに対応しています 9 ページ
2. 状態監視システム III. 動力伝達装置に対する状態監視 様々な状態監視技術を使用して ベアリングやギアの状態を評価することができます 部品 ベアリング ギア 振動解析 X X 音響放出 X X デブリ解析 X X 潤滑油分析 X X 圧力監視 - X 温度監視 X X 熱画像 X X 応力 / 歪み解析 - X 性能監視 - X 10 ページ
2. 状態監視システム III. 動力伝達装置に対する状態監視 ギアボックスの摩耗や故障に対する主要な観測対象 : 振動過剰な摩擦 温度測定部品の状態( 振動解析によって検出 ) 状態変化の開始 ( 油分析によって検出可能な粒子 ) 騒音 ( 可聴 ) 熱 ( 接触または熱センサーによって検出 ) 振動の増大 油分析 煙 ( 匂いまたは目視検査によって検出 ) 故障 月週日分 時間 故障予防時間 11 ページ
2. 状態監視システム III. 動力伝達装置に対する状態監視 振動解析 振動解析は 回転装置の状態を測定する最も一般的な方法です 振動周波数域ごとに異なるセンサーが必要になります 位置検出器 低周波数域 速度センサー 中周波数域 加速度計 高周波数域 分光放射エネルギーセンサー 極高周波数域 風力タービンでは ギアボックスのベアリングとギア 発電機のベアリング及びメインベアリングの監視に適用されます 12 ページ
2. 状態監視システム III. 動力伝達装置に対する状態監視 振動解析 これらの技術は 機械の異常な動作の検出において信頼性と精度が高いことが分かっています 警告 2 月 -28 3 月 -2 3 月 -4 3 月 -6 3 月 -8 3 月 -10 3 月 -12 3 月 -14 3 月 -16 3 月 -18 監視は多くの場合 信号の解析や診断に特殊な知識が必要となるため 専門のサプライヤーによって実行されます 不感帯 そのコストは 発電量の損失を削減することによって補償されます 13 ページ
2. 状態監視システム III. 動力伝達装置に対する状態監視 潤滑油分析 潤滑油の監視によって 次の項目の安全が確保されます 油 / グリースの品質 部品の完全性 フィルターの過剰な汚れ 油 / グリースの汚染または部品特性に変化が生じた場合 粒子の特性評価によって 部品の過剰摩耗に関する警告を早い段階で出すことができます このようなアプローチは特に重大な故障を回避するのに有効であり コスト効率も高い方法と言えます 14 ページ
2. 状態監視システム III. 動力伝達装置に対する状態監視 潤滑油分析 ギアボックスのように故障モードが急速に発生する場合は オンラインでリアルタイムに監視するのが望ましいと考えられます オンライン監視の実施には 以下の機器が使用されます 電磁センサー ( 粒子計数器 ) 流量または圧力センサー ( ろ過システム ) 光学デブリセンサー ( 清浄度評価 ) 15 ページ
3. 風力タービン評価 安全かつ効率的な運転を確保するために 風力タービン及びその部品の現在の技術的な状態を評価します 16 ページ
3. 風力タービン評価 I. タービン検査 風力タービン及びサブステーションの状態を明確に把握します タービンに関する文書について製造者の推奨事項との整合性をチェック 目視検査 ( タワー 基礎 機械部品と電気部品 ブレード ) 安全装置及び機能テストの条件の検証 ( 緊急時スイッチ 過回転 振動センサー ) 17 ページ
3. 風力タービン評価 II. 部品検査 風力タービン部品の状態に関する詳細なステータスを取得します 技術的監査 SCADAデータ分析 詳細な検査 (NdT) 以下の主要部品を中心に : ロータブレード メインベアリング ギアボックス 発電機 タワー 18 ページ
4. ウィンドファーム性能分析 ウィンドファームの運転実績を理解することは プロジェクトの財務実績を評価するために重要な要素です 分析は SCADA (Supervisory Control and Data Acquisition: 自動管理データ記録 ) によって記録されたデータパラメータに基づいて行われます 中心となるのは以下のデータです 稼働率 ( 技術上またはエネルギー上 ) パワーカーブの性能 運転停止時間問題によっては オンサイトでの物理的な診断が必要になる場合があります このような分析では 深い関与 時間 高度なソフトウェアツールの使用に加え経験豊富なエンジニアの知識が必要になります ウィンドファームの性能分析を通じて 高い発電収量の利益を検討することができます 19 ページ
4. ウィンドファーム性能分析 I. データ分析 SCADA データ分析は 10 分の SCADA データとエラーログに基づいています この分析では以下のデータに注目します 風力タービンパワーカーブ 発電量の損失 ( エネルギー稼働率 ) 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 14 Apr.14 年 4 月 11 Sep.11 年 9 月 11 年 Oct.11 10 月 11 Nov.11 年月 11 年 Dec.11 12 月 12 Jan.12 年 1 月 12 Feb.12 年 2 月 Mar.12 年 3 月 12 Apr.12 年 4 月 May.12 年 5 月 12 Jun.12 年 6 月 12 Jul.12 年 7 月 12 Aug.12 年 8 月 12 Sep.12 年 9 月 12 年 Oct.12 10 月 12 Nov.12 年 11 月 12 年 Dec.12 月 13 Jan.13 年 1 月 13 Feb.13 年 2 月 13 Mar.13 年 3 月 13 Apr.13 年 4 月 13 May.13 年 5 月 13 Jun.13 年 6 月 13 Jul.13 年 7 月 13 Aug.13 年 8 月 13 Sep.13 年 9 月 13 年 Oct.13 10 月 13 Nov.13 年 11 月 13 年 Dec.13 12 月 14 Jan.14 年 1 月 14 Feb.14 年 2 月 14 Mar.14 年 3 月 Technical Availability 技術的稼働率 14 May.14 年 5 月 10 分データ平均パワーカーブ標準偏差予想パワーカーブ 10 分データ平均パワーカーブ標準偏差予想パワーカーブ Energetic Availability エネルギー稼働率 20 ページ E01 E02 E03 E04 E05 E06 E07 E08 E09 E10 E11 E12 E13 E14 E15 E16 E17 E18 出力 [kw] 出力 [kw] ハブ風速 [m/s] ハブ風速 [m/s]
4. ウィンドファーム性能分析 I. データ分析 故障イベント -E1 エラーコード分析によって以下が可能になります 運転停止時間の主要原因の検出 部品に潜在する不具合の検出 ( オンサイトでの追加調査の明確化 ) メンテナンスの調整 ( 必要な場合 ) タービンユーザー環境送電系統 2つの側面によるアプローチ : タービン固有の条件 事象 WP3100 のコントローラエラー 電気的エラー 発電機及び変換機のエラー 機械的エラー 時間 ( 時間単位 ) 過回転 ピッチエラー 繰り返しエラー センサーエラー 温度エラー 警告 WEC の安全停止 WEC の停止 タービン ユーザー 21 ページ
4. ウィンドファーム性能分析 II. 物理的な診断及びオンサイトでの測定 問題を解決し最適な性能を達成するために より深く正確な調査を実行します 主な問題の原因は 風力タービンのサブシステムの調整にあります す す ヨー : 平均風向に対するロータ軸の位置の調整 動的な負荷と振動レベルを削減 風力から得られるエネルギーを最適化 ブレード角 : 3つのブレード及びすべてのブレードに対する全体的なピッチ角の調整 動的な負荷と振動レベルを削減 空気力学的な不均衡による発電量の損失を削減 ロータ : 不均衡 ( 質量及び場所 ) 動的な負荷と振動レベルを削減 質量の不均衡による発電量の損失を削減 22 ページ
ありがとうございます