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オーナー テナント協働による省エネ改修 基本ガイド 平成 28 年 3 月

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目 次 1. オーナー テナント協働による省エネ改修 とは何か... 4 2. オーナー テナントの協働がなぜ必要か... 4 3. 協働のメリットは何か... 5 4. オーナー テナント協働のアクションアイテム... 6 5. 省エネ改修実施計画について... 9 6. 省エネ改修実施計画の作成事例... 9 3

1. オーナー テナント協働による省エネ改修 とは何かオーナーまたはテナントが省エネルギーに資する改修を実施するに当たり 相互に情報共有 協力 協調する基盤を構築し 改修のプロセスの円滑化や改修により得られるメリットの最大化を実現していくことである 当基本ガイドにおける 協働 の具体的な要件 ( アクションの内容 ) は 4. に示す 2. オーナー テナントの協働がなぜ必要かビルオーナーやテナントの事業経営における ビル テナントの省エネルギーの重要性が高まっている ( 例 : 温対法 省エネ法などの規制強化の流れ 一般社会における環境意識の向上など ) 省エネ改修を実施する上では 得られるビル経営上 ( テナントにおいては事業経営上 ) のメリットが最大化されることが望ましいが 現状では十分でない その主な要因 ( 課題 ) として以下が挙げられる -オーナー テナントの連携の不足: 情報が適切に共有されていない 改修で得られるメリットがどちらかに偏ってしまう など - 技術的知見の不足 : 設計者の不在により費用対効果の高い改修にならない ( オーバースペックになる 部分最適な改修になる ) など - 改修と運用の断絶 : 改修後に適切な運用がされず 改修で得られるはずのメリットが適切に達成されない など省エネ改修のメリットを最大化するには 上記課題を解決するための基盤を各ビルにおいて整備することが必要であり そのためにはオーナー テナントの協働が不可欠と言える 当事業では オーナー テナント協働 を 上記課題を解決するためにオーナー テナントが連携して構築する基盤として定義している 4

3. 協働のメリットは何かオーナー テナント協働による省エネ改修の最大のメリットは テナントの満足度向上であり これは協働による省エネ改修から得られる様々な効果を通じて実現される ( 下図 ) コミュニケーションの促進 : 協働により最初に得られる効果は オーナー テナント間におけるコミュニケーションの促進である これによりオーナーは事前にテナントのニーズ 不満を把握してから改修を進めることができる 高い改修効果の実現 : またテナントを巻き込み 改修時やその後の設備運用時にテナントの協力 協調を得ることは 光熱費削減などの改修効果を最大化するために不可欠である このようにテナントが協力 協調することは オーナー テナント双方にとって利益になると言える 設備更新の活発化 : 高い改修効果を実現することで 今後のさらなる設備更新の活発化が期待できる グリーンリース ( 光熱費の削減効果をオーナー テナント間で配分する仕組み ) を導入するなど オーナー テナント間で Win-Win の関係を構築することも 設備更新を促す仕組みとして期待できる 設備更新の活発化により コミュニケーションの促進 さらには日常的な信頼関係の強化につながり 安定したビル経営にも資すると言え 下図に示すような好循環が期待できる 図 3-1 協働による省エネ改修におけるメリット ( イメージ ) 5

4. オーナー テナント協働のアクションアイテム協働による省エネ改修を適切に進めるために実施 あるいは検討をすることが望ましいアクションアイテムを表 4-1 に示す また これらのアクションアイテムに従って協働を進める上で参考となるポイントを以下に示す 協働を進める上でのポイント 1) 第三者 ( 専門家など ) の活用多くのビルでは 協働の土壌となるオーナー テナント間のコミュニケーションや協力意識が十分に醸成されていない そのためオーナーから直接テナントに対して協働を働きかけることは テナントに対して少なからず抵抗感を与える場合も考えられる そのため協働の働きかけや 協働の推進に当たり 第三者の専門家等を活用することが有効と言える 第三者の専門家として ビルの省エネ改修やそのコンサルティングの実績の豊富なプロパティマネジメント会社 ビルメンテナンス会社 ビルのエネルギーコンサルタントなどが想定される 2) オーナー テナント協議会の開催協議会形式でコミュニケーションをとることは 双方に当事者意識を醸成するきっかけとなり 協働を促進する上で高い効果が期待できる ただし 協議会の開催は参加者の負担ともなり 必ずしも受け入れられるものではないことに留意が必要である 可能な限り参加者の抵抗感を減らす工夫が必要と言え 例えば 消防の訓練 協議会と組み合わせる 第三者を活用する ( 専門家 コンサル 自治体など ) 省エネ補助金などの話題提供をきっかけとする 等の手段が考えられる 6

表 4-1 オーナー テナント協働のアクションアイテム アイテム 1 短期的取り組み 長期的取り組み ビルの省エネに対する意識を共有 - 省エネ対策は総論賛成 という雰囲気を醸成する - 今後どれだけのレベルの省エネ対策を実施可能か明確化す (1) 意識の醸る 成 共有 今後実施していくべき省エネ対策を共有 - - 各種省エネ対策についてテナントの理解を促進し できる限りテナントを巻き込んだ形で対策を抽出することで 協働意識を醸成する (2) 目標の設定 省エネ改修により実現することが望ましい目標を設定 - 省エネ改修 および付随する運用改善により対象設備において実現すべきエネルギー消費量削減率を明確化する 目標を達成するための方針を策定 既存の評価 認証制度 (BELS や東京都カーボンレポート等 ) を用いた目標を設定 環境省が作成する 省エネ改修効果算定ガイドライン ( 仮称 ) を活用する等して想定省エネ量を算出 -オーナー テナント双方の活動方針を定めることが望ましい (3) 計画の策定 省エネ改修実施計画 (5. 参照 ) を策定 - 当基本ガイドをベースとして 省エネ改修の実施プロセス等を明確化し 実施計画としてまとめる - 計画には 改修後のコミッショニング 運用フェーズに関する計画も含めることが望ましい - 1 検討順序は規定しない 7

アイテム 1 短期的取り組み 長期的取り組み (4) 体制の構築 オーナー テナント間のコミュニケーション基盤を整備 - 年に数回程度集まって協議する協議会を設置する 等 体制の中に 適切な省エネ改修の実現に必要な知見を有する人員を含める 他オーナーへの横展開を実現する体制を構築 - 個別ビル単独での取り組みだけでなく ローカルな商工会を通じた他オーナーなどを巻き込み リソースを共有する等して取り組みを進める - 施工業者 有識者 研究機関等を巻き込むことが望ましい (5) 責任分掌 利害の明確化 得られたメリットの配分 および費用や責任の分担を協議 明確化 グリーンリーススキームにもとづく契約の締結 - 国土交通省が作成する グリーンリースガイド ( 仮称 ) を活用する (6) 必要情報の明確化 共有 適切な省エネ改修を実現するために必要な情報を特定し 関係者で共有 または周知 - 特に 改修後の運用者が適切に運用するために必要な情報 ( 新たに設置する設備の省エネな運用方法など ) は重点的に検討する - (7) 省エネ改 省エネ改修実施計画 に従って改修を実施 - 修の実施 (8) 目標の達成状況 計画の履行状況の検証 1. の目標 2. の実施計画が適切に達成 履行されているかを 実際のデータ等を用いて検証 - 検証結果をオーナー テナントで共有することが望ましい - 改修直後の検証だけでなく 運用の中で継続的にモニタリングし 継続的に省エネ効果を向上させることが望ましい 既存の評価 認証制度 (BELS 等の ) により 実際のデータを用いて評価 8

5. 省エネ改修実施計画について当計画は 当基本ガイドをベースとして オーナー テナントの協働のもとで作成するものである 当基本ガイド 4. オーナー テナント協働のアクションアイテム における(2)~(7) のすべてについて協議 検討した結果をまとめたものであり 省エネ改修を実際に進めるに当たって参照される具体的な活動計画となる 当計画の基本構成を以下に示す 具体的な記載事例は 6. 省エネ改修実施計画の作成事例 参照とする 省エネ改修実施計画基本構成 表紙 ( 省エネ改修名を含む ) 1. 省エネ改修計画の概要 2. 対象ビル 2.1. ビル概要 2.2. ビル全体における省エネ目標 3. 対象とする改修の内容 4. オーナー テナント協働の実施計画 4.1. 省エネ改修における目標 4.2. 体制 役割 4.3. 省エネ効果の配分 責任分掌 4.4. モニタリング 共有すべき情報 4.5. 目標の達成状況 計画の履行状況の検証 5. 長期的な取り組み事項 6. 省エネ改修実施計画の作成事例 次頁より 実際のビルを対象として試験的に作成された省エネ改修計画の作成事例を紹介 する 9

オーナー テナント協働による省エネ改修計画 - Y ビル ( 東京都千代田区 ) の作成事例 - 目次 1. 省エネ改修計画の概要...2 2. 対象ビル...2 2.1. ビル概要...2 2.2. ビル全体における省エネ目標 ( 参考 )...3 3. 対象とする改修の内容...3 4. オーナー テナント協働の実施計画...4 4.1. 省エネ改修における目標...4 4.2. 体制 役割...5 4.3. 省エネ効果の配分 責任分掌...5 4.4. モニタリング 共有すべき情報...6 4.5. 目標の達成状況 計画の履行状況の検証...7 5. 長期的な取り組み事項...7 1

1. 省エネ改修計画の概要本書では Y ビル ( モデル事業対象ビル ) のテナント A 社占有部における省エネ改修において 目標とする省エネ効果を効率的 効果的に達成することを目的として 関連する実施事項 およびそれを履行するための手法 計画について明記する 当計画は オーナー テナント協働による省エネ改修基本ガイド の規程内容にもとづき Y ビル および A 社占有部の状況を勘案して作成している 2. 対象ビル 2.1. ビル概要 当計画の対象とするビルの概要は以下の通りである ビル名称住所所有者管理者など竣工年月 Y ビル東京都千代田区 X 社 S 社 1992 年 5 月 18 日 延床面積約 1,200m 2 階数 ( 地上 地下 ) 地上 9 階 地下 1 階 建物用途オフィス ( 地上 1 階 地下 1 階の一部を倉庫利用 ) 特記事項 ( 改修履歴 など ) レンタブル比約 83% 2013 年 ~2015 年にかけて順次空調機を更新 ( 天井カセットエア コン ) ただし 7~9 階は未実施 2

2.2. ビル全体における省エネ目標 ( 参考 ) Y ビルにおけるビル全体の省エネ目標は以下の通りである 現状では東京都カーボンレポートにおける評価が A1 - であるため 2020 年までに A2 - ( 東京都の補助金対象レベル ) へとランクアップすることを目指す そのための方策として 2020 年までに 40% 以上のテナントにおいて省エネ改修 ( 主に照明の LED 化 ) を実施することを目指す また占有部においても 照明の間引き 不要時間帯の消灯 空調オフを実施する 3. 対象とする改修の内容 当計画の対象とする設備 およびその改修内容は以下のとおりである 改修 1 対象とする設備設備の対象範囲改修内容改修時期 ( 予定 ) 特記事項 ( 予想される騒音など ) 改修 2 A 社テナント占有部の照明器具 (FLR40) A 社テナント占有部全体 FLR40 2 埋込型 24 機すべてを交換 LED ベースライト ( 埋込 下面開放型 W220(60,100 円 )) への更新 2017 年 5 月土日に施工業者がテナント占有部に入り 照明器具を交換する (2 日間で完了予定 ) 対象とする設備 A 社テナント占有部の空調機 ( 天井埋め込み型カセット ) 設備の対象範囲改修内容改修時期 ( 予定 ) 特記事項 ( 予想される騒音など ) A 社テナント占有部全体全 5 台を更新最新式空調機 ( 天井埋め込み型カセット ) への更新 2019 年 3 月土日に施工業者がテナント占有部に入り 空調機を交換する (2 日間で完了予定 ) 3

4. オーナー テナント協働の実施計画 省エネ改修において目標とする省エネ効果を効率的 効果的に達成するため 以下の計画 に従って協働を実施する 4.1. 省エネ改修における目標ここでは 当計画の対象とする省エネ改修 1 2を通じて達成することが望ましい目標について明記する 目標は 光熱費削減などの省エネ自体に関するものに限らず オーナーやテナントの管理 運用体制など 幅広い目標が含まれる 目標 目標の内容 A 社占有部における照明の月平均電力消費量を 60% 削減する A 社占有部における空調の月平均電力消費量を 50% 削減する 改修後 毎年上記両削減量を達成することを目指す Before: 過去 3 年間 (2014 年 5 月 ~2017 年 4 月 ) の平均値 After:2019 年 4 月 ~2021 年 3 月の2 年間の平均値 目標を達 成するた めの方針 オーナー テナント 両者 改修 (LED 導入 空調機更新 ) を円滑に実施 照明 空調に関する電力消費量を測定し その推移をテナントに提示する また必要に応じて 外部専門家からアドバイスを受け その結果をテナントに伝達する 照明 占有部の照明の照度を可能な範囲で抑える 占有部の不必要な時間 場所は消灯を励行する 空調 占有部の空調設定温度を従来よりも 2 程度緩和する 占有部の不必要な時間 場所は空調オフを励行する 照明 + 空調 オーナーから提示された照明 空調の電力消費量の推移を定期的に確認し 省エネ余地を検討 実践する オーナー テナント間でグリーンリース契約を締結し 改修 1 2による光熱費削減額をオーナー 各テナント間で 50% ずつ分配する 4

4.2. 体制 役割 ここでは 上記目標を達成するために各関係機関 組織 関係者が担うべき役割 実施事 項等を明記する 関係者リスト および役割 実施事項 オーナー側 - 改修 1 2の責任者 担当者 : 氏 (S 社 ) テナント側 -A 社省エネ推進担当者 : 氏 その他 - 照明 空調の更新の施工者 : B 社 - 省エネ効果算定者 ( 第三者 ): C 社 - 改修後の電力消費量データの分析 省エネアドバイス : C 社 情報共有体制 オーナー A 社とで協議会またはメールでの協議を実施し ( 不定期 ) 改修や省エネ 対策の進め方 目標達成状況 省エネの実施状況などについて共有する 4.3. 省エネ効果の配分 責任分掌 ここでは 省エネ改修により得られたベネフィットの配分 および費用や責任の分担を明 記する 省エネ対策により削減された光熱費の配分の考え方 以下の式により 照明 空調の各月の電気料金削減額を算出する X 月の電気料金削減額 = 改修前の X 月の電気料金 ( 過去 3 年間の平均値 ) - 改修後の X 月の電気料金 上記式により算出された各月の光熱費削減額を オーナー テナントが 50% ずつ分配する つまり テナントの各月の光熱費は以下のように算出される テナントの X 月の電気料金 = 改修後の X 月の電気料金 +X 月の電気料金削減額 1/2 ただし 光熱費の削減額に影響のあるイベントなどが発生した場合 ( 極度の猛暑など ) は C 社 ( 第三者の省エネ効果算定者 ) が適宜考慮して削減額を調整する 削減額に調整があった場合 オーナー テナントの双方の合意により調整後削減額を決定する 5

改修 およびその後の運用に関わる費用の負担者 改修 1 2 に関わる初期投資は全額オーナーが負担することとする 4.4. モニタリング 共有すべき情報 ここでは 効率的 効果的な省エネ改修 ( その後の設備運用も含む ) を実現するためにモ ニタリング 共有すべき情報を明記する モニタリング 共有すべき情報 オーナーがモニタリング 共有すべき事項 目標の達成状況 ( 月 1 回確認 ) A 社占有部における照明 空調の電力消費量 および料金 ( 月 1 回確認 共有 ) A 社がモニタリング 共有すべき事項 A 社占有部における照明の照度抑制 および空調の設定温度緩和の実施状況 ( 四半期に1 回確認 共有 ) A 社占有部における照明の消灯 および空調の電源オフの実施状況 ( 四半期に1 回確認 共有 ) メーカ 施工業者から得るべき情報 ( 設備の効果的な運用方法など ) 設置する照明 空調において 効率を高めるための設定方法 - 照明 : 望ましい明るさの設定など - 空調 : 温度設定 早朝 深夜におけるオンオフのタイミングなど 情報共有の方法 ( 媒体 頻度など ) 等 メール ( 月 1 回程度 ) 6

4.5. 目標の達成状況 計画の履行状況の検証 ここでは 省エネ改修が計画通りに効果を達成していることを担保するために必要な活動 を明記する 目標 計画が達成 履行されていない場合の対処方法 オーナーから各テナントに対して 未達成の旨を共有 オーナーが 必要に応じて C 社 ( 外部専門家 ) のアドバイスを受けつつ要因を特定し 対策を実施 ( テナントへの協力要請を含む ) 5. 長期的な取り組み事項 ここでは 今回対象とする省エネ改修では実施しないものの 長期的に目指すことが望ま しい事項 実施することが望ましい事項について明記する 今後長期的には 窓ガラスへの断熱内窓の設置を実施し A 社占有部における空調の月平 均電力消費量削減率を 50% から 60% に拡大する 以上 7