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日本産業機械工業会会長賞 高効率型圧入式スクリュープレス 株式会社石垣 1. 開発経過 下水道の普及および下水処理の高度化に伴い 発生する汚泥量は着実に増加しており 汚泥の安定的処理処分は大都市のみならず 新たに下水処理を開始した中小市町村においても緊急の課題となっている 下水汚泥の処理については より一層の効率化や省エネルギー化 維持管理の簡易化が求められており 汚泥脱水処理においても下水汚泥処理施設の重要な一施設として これらの課題の対処が求められている 下水の汚泥は 無機凝集剤を用いる真空や加圧から高分子凝集剤技術の進歩や下水汚泥の資源化利用の普及に伴い 凝集剤による脱水ケーキの増量がなく 脱水ケーキの発熱量が高い 高分子凝集剤を使用するベルトプレスや遠心の採用が多くなってきた 一方 ベルトプレスはろ布交換を含めた維持管理性や臭気対策に難があり 遠心は電力消費量が多く高速回転に伴う振動 騒音対策や機器補修に長期間を要するなどの課題を有している このような背景の中 1 H8 年度で開発した従来型圧その他従来型高効率型 OD 汚泥 1 H9 年度入式スクリュープレス消化汚泥 3 2H1 年度は 省エネル混合生汚泥 3 12 2H11 年度ギー性やろ布を使用 4 18 4 6 H12 年度せず構造が簡単で維 6 21 8 12 H13 年度持管理が容易である 6 25 15 18 H14 年度ことなどが広く認識さ 1 32 2 23 H15 年度 2 13 39 26 29 H16 年度 3 1 れ 下水道施設に平 17 45 34 34 H17 年度 6 4 1 成 8 年に 1 号機を納 18 48 42 47 H18 年度 12 11 1 入後 平成 18 年度 (3 3 月末竣工 18 16 14 12 1 8 6 4 2 を含む 月末竣工を含む ) ま従来型圧入式スクリュープレス高効率型累積設置台数でに 155 台の実績を累積設置台数有するまでになった 図 1 圧入式スクリュープレスの累積設置の推移しかし さらなる顧客ニーズの対応と普及拡大を図るため 従来型の特徴である省エネルギー性や維持管理の容易性等を継承しながら 下記の事項に対応すべく高効率型の開発を行った 高効率型は平成 15 年度に 1 号機を納入後 現在納入予定を含めると 32 台の実績を有している H8 年度 H9 年度 H1 年度 H11 年度 H12 年度 H13 年度 H14 年度 H15 年度 H16 年度 H17 年度 H18 年度 2 4-81-

1 処理能力向上によるイニシャルコストやランニングコストの低減 2 処理能力向上に伴う省スペース化による増設 更新の容易性 3 脱水ケーキ含水率低減化による脱水ケーキ処分費の削減 4 消化汚泥等難脱水汚泥への対応 5 集約汚泥の直接脱水による大都市の再構築対応 2. 装置説明 1) 構造 従来型圧入式スクリュープレスの構造を図 2に示す 従来型の脱水構造部は ろ室を形 成する金属製外筒スクリーンとスクリュー軸 ろ室内の汚泥に脱水力を与えるスクリュー軸と一体と なったスクリュー羽根 最終的に脱水ケーキ水分を調整 外筒スクリーン ( 固定 ) プレッサー ( 押圧板 ) 供給穴するプレッサー装置およびス凝クリュー軸を駆動する装置か集凝集汚泥 M 装 らなる その他の付帯設備と 置 スクリュー 駆動機して ろ材であるスクリーンを高分子ケーキろ液スクリュー軸洗浄する洗浄装置 ろ液の凝集剤 飛散防止や臭気対策のため の防臭カバーおよび汚泥に 汚泥 濃縮ろ過圧搾ゾーンゾーンゾーン 高分子凝集剤を注入し凝集 図 2 従来型圧入式スクリュープレス構造図 フロックを生成する凝集装置 で構成される 高効率型圧入式スクリュー 外筒スクリーン プレスの構造図を図 3 濃縮スクリーン 脱水スクリーン プレッサー に示す 高効率型が従来型 ( 回転 ) ( 固定 ) ( 押圧板 ) 供給穴 と異なる点は 従来型におい凝集凝集汚泥 M て一体型であった外筒スクリ装 置ーンを高効率型では濃縮ゾスクリュー M 駆動機ーン ( 濃縮スクリーン ) とそれ高分子ケーキろ液スクリュー軸凝集剤以降のろ過 圧搾ゾーン ( 脱濃縮スクリーン 駆動機水スクリーン ) に分割し 脱水濃縮ろ過圧搾汚泥ゾーンゾーンゾーン運転時に濃縮スクリーンをス クリュー軸の回転方向に対し 図 3 高効率型圧入式スクリュープレス構造図 て逆方向に回転させる濃縮 機能を付加したことである -82-

2) 脱水原理脱水原理は以下のとおりである 1 密閉型凝集装置において高分子凝集剤により調質された汚泥は, への圧入圧力 (1 ~5kPa で可変 ) が一定になるよう汚泥供給量を制御しながら, スクリュー軸の軸芯より濃縮ゾーンへ圧入される 従来型と同じ 2 従来型の濃縮ゾーンでは 圧入圧力による濃縮が行われるとともに 濃縮汚泥をスクリュー羽根の回転で後段に移送する このとき汚泥はスクリーンのろ過面に対してクロスフロー ( 掃流 ) 効果をもたらし 濃縮ゾーンでの継続的な濃縮分離が行われる 高効率型は 濃縮スクリーンをスクリュー軸の回転方向に対して逆方向に回転させる濃縮機能によりクロスフロー効果を高めるとともに 濃縮汚泥に剪断作用を与えている その結果 濃縮ゾーンでの搬送効率が上がり汚泥充填率を向上させている 続くろ過 圧搾ゾーンでは 従来型より高い汚泥充填率で圧搾脱水されるため 最終的に脱水性能の向上が得られる 高効率型の特徴 3 脱水の最終部では プレッサー装置による背圧 (5~3kPa で可変 ) とスクリュー羽根による脱水力を受けて圧搾されるとともに スクリュー羽根の回転による剪断力も加わって加圧脱水される 従来型と同じ 4 排出端まできた脱水ケーキは プレッサー装置の押圧板を押しのけて機外へ排出される 従来型と同じ 以上の脱水工程を経て 汚泥は連続的に加圧脱水される 従来型と高効率型の実験機を用いて 同じ混合生汚泥を同じスクリュー回転数で脱水した時の内部の脱水ケーキ含水率分布を図 4に示す 高効率型の濃縮ゾーンでは 従来型に比べ脱水ケーキ含水率が大きく低下している ( 乾固形物の充填率が高い ) 続くろ過 圧搾ゾーンでは 高い乾固形物充填率の状態で処理されるため 最終的には従来型に比べ脱水ケーキ含水率が低下している 本結果は高効率型 従来型共に同じスクリュー回転数で処理した場合であり 高効率型を従来型と同じ脱水ケーキ含水率にする場合には 高効率型のスクリュー回転数を従来型より速くして処理できるため 処理量はさらに向上することになる ( 運転 ) また 高効率型を従来型と同じ処理量にする場合には 高効率型のスクリュー回転数を従来型より遅くして処理できるため 脱水ケーキ含水率はさらに低下することになる ( 脱水ケーキ運転 ) このように高効率型の脱水性能は 従来型の脱水性能に対して処理量を向上させた場合と 脱水ケーキ含水率を低減させた場合の2ケースを設定している -83-

供給穴 濃縮スクリーン 脱水スクリーン プレッサ ( 押圧板 ) 凝集汚泥 M M 濃縮スクリーン駆動機 汚泥充填率の向上 スクリュー軸 ケーキ スクリュー駆動機 濃縮ゾーン ろ過ゾーン 圧搾ゾーン 1 95 含水率 (%) 9 85 8 75 濃縮スクリーン回転効果 7 内部の含水率分布 高効率型従来型 図 4 内部の脱水ケーキ含水率分布 -84-

3. 成果 (1) 性能 1) 脱水性能脱水性能は 各種の汚泥に対して処理量 脱水ケーキ含水率 薬注率 SS 回収率で示される 高効率型の脱水性能は 脱水原理で記述したように従来型の脱水性能に対して処理量を向上させた場合 ( 運転 ) と脱水ケーキ含水率を低減させた場合 ( 脱水ケーキ運転 ) の2ケースを設定している 運転における各種下水汚泥の高効率型と従来型の脱水性能比較を表 1に示す 脱水ケーキ含水率 薬注率 SS 回収率は従来型と同じ性能で 処理量は機械濃縮した混合生汚泥が従来型より 7% 以上向上し その他の汚表 1 運転における高効率型と従来型の脱水性能比較泥は 3% 以上向上す脱水ケーキ脱水性能項目処理量薬注率 SS 回収率含水率る 重力濃縮 3%UP 混合生汚泥脱水ケーキ含水率優機械濃縮 7%UP 従来型従来型と従来型と従来型と先運転における各種下嫌気性重力濃縮に対する 3%UP 同じ同じ同じ消化汚泥向上率機械濃縮 3%UP 水汚泥の高効率型と従 OD 法余剰濃縮汚泥 3%UP 来型の脱水性能比較を表 2に示す 処理量 薬注率 SS 回収率は従来表 2 脱水ケーキ運転における高効率型と従来型の脱水性能比較型と同じ性能で 脱水ケ脱水ケーキ脱水性能項目処理量薬注率 SS 回収率含水率ーキ含水率は OD 法余重力濃縮 2ホ イント低減混合生汚泥剰濃縮汚泥が従来型よ機械濃縮 2ホ イント低減従来型従来型と従来型と従来型とり 1 ポイント以上低減し 嫌気性重力濃縮に対する 2ホ イント低減同じ同じ同じ消化汚泥向上率機械濃縮 2ホ イント低減その他の汚泥は 2 ポイン OD 法余剰濃縮汚泥 1ホ イント低減ト以上低減する 2) 他機種との比較例表 3に示す中 大規模の処理場条件において 従来の汚泥である高効率型ベルトプレス, 高効率型遠心, 従来型圧入式スクリュープレスと比較を行った 高効率型圧入式スクリュープレスは運転と脱水ケーキ運転の2 条件にてサイズ選定を行った 各処理場規模における各の諸元表を表 4に示す 1,m 3 / 日の中規模処理場の 表 3 比較条件 処理場規模 中規模処理場 大規模処理場 条件 計画 1 日最大汚水量 1,m 3 / 日 2,m 3 / 日 計画流入 SS 濃度 2mg/λ 2mg/λ 計画放流 SS 濃度 1mg/λ 1mg/λ 排 除 方 式 分流式 分流式 水濃 処縮 理 方方 式式 標準活性汚泥法重力式 標準活性汚泥法初沈 : 重力式 余剰 : 機械式 脱水対象汚泥 嫌気性消化汚泥 混合生汚泥 強 熱 減 量 (VTS) 61~64% 8~83% 汚 泥 濃 度 2.% 3.5% 繊維状物 (1メッシュ) 運転時間 5% 7 時間 / 日,5 日 / 週 2% 24 時間 / 日,7 日 / 週 ( 稼動率 8%) 脱水ケーキ処分方法 セメント原料委託処理 焼却処理 -85-

嫌気性消化汚泥の場合 従来型圧入式スクリュープレスはスクリーン径 φ6mm が 2 台となるが 高効率型圧入式スクリュープレスをで選定すると スクリーン径 φ 5mm が 2 台となり 1 サイズ小型の機種となる 2,m 3 / 日の大規模処理場の機械濃縮混合生汚泥の場合 従来型圧入式スクリュープレスはスクリーン径 φ1,mm が 4 台となるが 高効率型圧入式スクリュープレスをで選定すると スクリーン径 φ8mm が 4 台となり 2 サイズ小型の機種となる 表 4 比較の諸元表 処理場規模 中規模処理場 機種高効率型従来型圧入式高効率型圧入式スクリュープレス高効率型ベルトプレススクリュープレス遠心項目脱水ケーキ 容量及び数量 ベルト幅 2m 2 台 処理量 7m 3 /h 2 台 スクリーン径 φ6 2 台 スクリーン径 φ5 2 台 スクリーン径 φ6 2 台 8kg/m h 2m 処理能力 =16kg-DS/h 7m 3 /h(14kg-ds/h) 14kg-DS/h 119kg-DS/h 14kg-DS/h 薬注率 1.3% 1.3% 1.4% 1.4% 1.4% 脱水ケーキ含水率 81% 81% 81% 81% 79% 固形物回収率 9% 95% 95% 95% 95% 大規模処理場 容量及び数量 ベルト幅 3m 7(1) 台 処理量 3m 3 /h (21m 3 /h) 4(1) 台 スクリーン径 φ1, 4(1) 台 スクリーン径 φ8 4(1) 台 スクリーン径 φ1, 4(1) 台 14kg/m h 3m 処理能力 =42kg-DS/h 21m 3 /h(735kg-ds/h) 71kg-DS/h 752kg-DS/h 71kg-DS/h 薬注率 1.3% 1.3% 1.% 1.% 1.% 脱水ケーキ含水率 79% 79% 76% 76% 74% 固形物回収率 93% 95% 95% 95% 95% 注 ) 高効率型ベルトプレスおよび高効率型遠心の脱水性能は, 日本下水道事業団編著の機械設備標準仕様書記載の性能値とし, 従来型圧入式スクリュープレスは ( 財 ) 下水道新技術推進機構が 21 年 3 月に発行した技術マニュアル記載の脱水性能値とした 高効率型圧入式スクリュープレスの脱水性能は ( 財 ) 下水道新技術推進機構が 26 年 3 月に発行した技術マニュアル記載の性能値とした (2) 特許の有無 1) 取得特許 1 濃縮機能を有するスクリュープレス 特許番号: 特許第 3775232 号 発行日 : 平成 18 年 5 月 17 日 2) 申請中特許 ( 国内 ) 1 濃縮機能を有するスクリュープレス 特許出願番号: 特願 22-23259 出願日: 平成 14 年 8 月 7 日 特許出願公開番号: 特開 24-6636 公開日: 平成 16 年 3 月 4 日 3) 申請中特許 ( 国際 ) 1 スクリュープレス 国際出願番号:PCT/JP/7822 国際公開番号:W1/34374-86-

国際公開日: 平成 13 年 5 月 17 日 特許出願公表番号: 特表 23-51385 公表日: 平成 15 年 4 月 15 日 (3) 維持管理 1) 維持管理費 他機種との比較例の結果から電力費 薬品費 用水 表 5 試算単価 費 オーバーホール費について維持管理費の比較を行 項 目 試算単価 った 試算単価を表 5に 中規模処理場の試算結果を図 5に 大規模処理場の試算結果を図 6に示す 電 力 費 15 円 /kwh 中規模処理場では 高効率型圧入式スクリュープレス 高分子凝集剤費 5 円 /kg をで選定した場合の維持管理費は 4,384 千円 / 年で 高効率型 用 水 費 2 円 /m 3 ベルトプレスの 65% ( 千円 / 年 ) オーバーホール費程度 高効率型遠心 1, 用水費 (196) 薬品費の 51% 程度 従来型圧入式 8, 電力費 (153) スクリュープレスの 94% 程度となり最も安価となった 大規模処理場では 高効率型圧入式スクリュープレス 6, 4, 2, (16) (1) (17) をで選定ベルトプレス遠心スクリュープレススクリュープレス した場合の維持管理費は 87,76 千円 / 年で 高効率 図 5 維持管理費試算結果 ( 中規模処理場 ) 型ベルトプレスの 49% 程度 高効率型遠心脱 ( 千円 / 年 ) オーバーホール費水機の 5% 程度 従来型圧 2, (24) (2) 用水費薬品費入式スクリュープレス電力費 の 94% 程度となり最も安価となった 高効率型圧入式スクリュープレスの維持管理費は 従来機種の高効率型ベ 15, 1, 5, (16) (1) (16) ルトプレスと比較すると中 大ベルトプレス遠心スクリュープレススクリュープレス 規模ともに特に用水費とオー バーホール費に優位性があり 図 6 維持管理費試算結果 ( 大規模処理場 ) 高効率型遠心と比較 すると中 大規模ともに特に電力費とオーバーホール費に優位性がある結果となった -87-

2) 維持管理質量 ( 維持管理に要する最大部品質量 ) 他機種との比較例の結果から維持管理質量の比較を行った 中規模処理場の比較結果を図 7 に 大規模処理場の比較結果を図 8に示す 中規模処理場では 高効率型圧入式スクリュープレスをで選定した場合の維持管理質量は.35ton で 高効率型ベルトプレスの 18% 程度 高効率型遠心の 17% 程度 従来型圧入式スクリュープレスの 78% 程度となり最も軽量である 大規模処理場では 高効率型圧入式スクリュープレスをで選定した場合の維持管理質量は.8ton で 高効率型ベルトプレスの 4% 程度 高効率型遠心の 11% 程度 従来型圧入式スクリュープレスの 67% 程度となり最も軽量である (ton) 2.5 2. 1.5 1..5. 高効率型 1 高効率型 2 従来型圧入式 3 4高効率型圧入式 5 ベルトプレス遠心スクリュープレススクリュープレス (ton) 8 7 6 5 4 3 2 1 高効率型ベルトプレス 1 高効率型 2 従来型圧入式 3 4高効率型圧入式 5 遠心スクリュープレススクリュープレス 図 7 維持管理質量比較 ( 中規模処理場 ) 図 8 維持管理質量比較 ( 大規模処理場 ) (4) 経済性 1) 機器費 他機種との比較例の結果から本体と補機について機器費の比較を行った 中規模処理 場の試算結果を図 9に 大規模処理場の試算結果を図 1 に示す 中規模処理場では 高効率型圧入式スクリュープレスをで選定した場合の 機器費は 高効率型ベルトプレスの 71% 程度 高効率型遠心の 8% 程度 従来型 圧入式スクリュープレス脱水 機の 95% 程度で最も安価で ある 本体を比較すると 高効率型ベルトプレス脱 ( 指数 ) 16 本体 補機 14 水機の 62% 程度 高効率型 12 遠心の 86% 程度 従 1 13 74 来型圧入式スクリュープレス 8 69 64 75 の 93% 程度となった 6 特に従来型圧入式スクリュープレスに対する本体 4 2 37 51 36 36 36 価格の低減は 処理量向上ベルトプレス遠心スクリュープレススクリュープレス により 1 サイズ小型の機種と なった効果によるものである 図 9 機器費試算結果 ( 中規模処理場 ) 大規模処理場では 高効 -88-

率型圧入式スクリュープレスをで選定した場合の機器費は 高効率型ベルトプ レスの 51% 程度 高効率型遠心の 51% 程度 従来型圧入式スクリュープレス脱水 機の 82% 程度で最も安価である 本体を比較する ( 指数 ) 25 本体 と 高効率型ベルトプレス脱 補機 2 水機の 62% 程度 高効率型 15 遠心の 86% 程度 従 174 176 1 来型圧入式スクリュープレス 12 11 8 の 93% 程度となった 5 中規模処理場と同様に 従 24 21 2 2 2 来型圧入式スクリュープレスベルトプレス遠心スクリュープレススクリュープレス に対する本体価格の 低減は 処理量向上により 2 図 1 機器費試算結果 ( 大規模処理場 ) サイズ小型の機種となった効 果によるものであり 中規模処理場より低減効果が大きい結果となった 2) 脱水ケーキ処分費 他機種との比較例の結果から中規模処理場ではセメ 表 6 試算単価 ント原料委託処理を行うものとして 大規模処理場では 項 目 試算単価 焼却処理を行うものとして脱水ケーキ処分費の比較を行委託料 7, 円 /t セメントった 試算単価を表 6に 中規模処理場の試算結果を原料輸送費図 11 に 大規模処理場の試算結果を図 12 に示す ( 片道 3km) 14, 円 /1t 電力費 15 円 /kwh 中規模処理場のセメント原料委託処理では 高効率焼却 型圧入式スクリュープレスを脱水ケーキで選定した場合の脱水ケーキ処分費は 24,412 千円 / A 重油費 5 円 /λ 年で 高効率型ベルトプレスの 93% 程度 高効率型遠心および従来型圧入式スク リュープレスの 95% 程度となり 低含水率による発生ケーキ量の減量効果が大きく最も安価 となった 大規模処理場の焼却処理 ( 千円 / 年 ) 3, では 従来型圧入式スクリュ (18) (11) (11) (11) (1) ープレスと高効率型圧入式スクリュープレスをで選定した 25, 2, 15, 場合の脱水ケーキ含水率は 1, 脱水ケーキ運搬費 76% で 高効率型圧入式ス 5, セメント原料委託料 クリュープレスを脱水 ケーキで選定し た場合の脱水ケーキ含水率ベルトプレス遠心スクリュープレススクリュープレス は 74% で ともに自然する結 果となり焼却用 A 重油が不 図 11 セメント原料委託処理費用試算結果 ( 中規模処理場 ) -89-

要となった そのため 高効率型圧入式スクリュープレスを脱水ケーキで選定した場合の脱水ケーキ焼却処理費は 47,435 千円 / 年で 高効率型ベルトプレスおよび高効率型遠心の 48% 程度 従来型圧入式スクリュープレスの 94% 程度となり 低含水率による焼却燃料費の削減と発生ケーキ量の減量効果が大きく最も安価となった ( 千円 / 年 ) 12, 1, 8, 6, 4, 2, (21) (29) (16) (16) 焼却 A 重油費 焼却電力費 ベルトプレス 遠心 スクリュープレス スクリュープレス 図 12 焼却処理費用試算結果 ( 大規模処理場 ) (1) (5) 将来性 1) 設置スペース他機種との比較例の結果から本体の設置スペース比較を行った 各の所要設置スペースを表 7に示す 中規模処理場の設置スペース比較を図 13 に 大規模処理場の設置スペース比較を図 14 に示す 中規模処理場では 高効率型圧入式スクリュープレスをで選定した場合の所要設置スペースは 8.9m 9.3m(83m 2 ) で 高効率型ベルトプレスの 62% 程度 高効率型遠心の 62% 程度 従来型圧入式スクリュープレスの 89% 程度となり最も省スペースである また 縦 横方向ともに全てのより設置寸法が短いため 従来機種からの代替えに対して設置スペースの問題はないと考えられる 高効率型圧入式スクリュープレス ( ) 83m 2 (1) 高効率型圧入式スクリュープレス ( ) 216m 2 (1) 高効率型遠心 5m 2 (231) 高効率型遠心 134m 2 (161) 高効率型ベルトプレス 134m 2 (161) 従来型圧入式スクリュープレス 93m 2 (112) 従来型圧入式スクリュープレス 294m 2 (136) 高効率型ベルトプレス 768m 2 (356) 図 13 設置スペース比較 図 14 設置スペース比較 ( 中規模処理場 ) ( 大規模処理場 ) -9-

大規模処理場では 高効率型圧入式スクリュープレスをで選定した場合の所要設置スペースは 11.5m 18.8m(216m 2 ) で 高効率型ベルトプレスの 28% 程度 高効率型遠心の 43% 程度 従来型圧入式スクリュープレスの 74% 程度となり最も省スペースである また 縦 横方向ともに全てのより設置寸法が短いため 従来機種からの代替えに対して設置スペースの問題はないと考えられる 表 7 各の所要設置スペース 機種中規模処理場大規模処理場 高効率型ベルトプレス 11m 12.2m 134m 2 24m 32m 768m 2 高効率型遠心 1m 13.4m 134m 2 14.8m 33.8m 5m 2 従来型スクリュープレス 9.5m 9.8m 93m 2 12.8m 23m 294m 2 高効率型スクリュープレス 脱水ケーキ 8.9m 9.3m 83m 2 9.9m 9.8m 97m 2 11.5m 18.8m 216m 2 13.2m 23m 34m 2-91-

2) 動荷重他機種との比較例の結果から動荷重の比較を行った 中規模処理場の比較結果を図 15 に 大規模処理場の比較結果を図 16 に示す 中規模処理場では 高効率型圧入式スクリュープレスをで選定した場合の動荷重は 6.5ton で 高効率型ベルトプレスの 3% 程度 高効率型遠心の 54% 程度 従来型圧入式スクリュープレスの 81% 程度となり最も軽量である 大規模処理場では 高効率型圧入式スクリュープレスをで選定した場合の維持管理質量は 13.5ton で 高効率型ベルトプレスの 38% 程度 高効率型遠心の 42% 程度 従来型圧入式スクリュープレスの 75% 程度となり最も軽量である 中 大規模ともに全てのより動荷重が小さく低速回転で振動等がないため 従来機種からの代替えに対して設置建家の強度的問題はないと考えられる (ton) 25 2 15 1 5 高効率型 1 高効率型 2 従来型圧入式 3 4高効率型圧入式 5 ベルトプレス遠心スクリュープレススクリュープレス 図 15 動荷重比較 ( 中規模処理場 ) (ton) 4 35 3 25 2 15 1 5 高効率型 1 高効率型 2 従来型圧入式 3 4高効率型圧入式 5 ベルトプレス遠心スクリュープレススクリュープレス 図 16 動荷重比較 ( 大規模処理場 ) (6) 独創性 1) 集約汚泥の直接脱水近年 大都市の下水道では維持管理の効率化を目的として 水処理と汚泥処理を分離し 数カ所の水処理で発生する汚泥を汚泥処理場へポンプ圧送して集約処理する方式が増えている 圧送汚泥は 圧送中の閉塞防止や配管損失低減のため希釈されることが多く 汚泥処理場で濃縮後脱水処理されている また 圧送工程や濃縮工程に時間を要するため 汚泥は腐敗しやすく脱水性が悪くなる傾向にある 処理量 (kg-ds/h at φ3mm) 16 14 12 1 8 6 4 2 重力濃縮混合生汚泥標準性能 ( )..5 1. 1.5 2. 2.5 3. 汚泥濃度 (%) 脱水ケーキ含水率 (%) 1 95 9 85 8 75 7 65 6 55 5 重力濃縮混合生汚泥標準性能 ( )..5 1. 1.5 2. 2.5 3. 汚泥濃度 (%) 図 17 直接脱水実験結果 図 18 直接脱水実験結果 ( 汚泥濃度と処理量の関係 ) ( 汚泥濃度と脱水ケーキ含水率の関係 ) -92-

集約された圧送汚泥を直接脱水することで 濃縮工程による汚泥の腐敗進行防止と濃縮設備が不要となるためイニシャルおよびランニングコストの削減が図れるメリットがある 冬 春 夏に実験機を持ち込み 集約された圧送汚泥の直接脱水実験行った 汚泥濃度と処理量の関係を図 17に 汚泥濃度と脱水ケーキ含水率の関係を図 18に 汚泥濃度と薬注率の関係を図 19 に 汚泥濃度と SS 回収率の関係を図 2 に示す 圧送汚泥は濃度が.42~1.95% と大きく変動しているが 低濃度においても高い脱水性能が得られた 薬注率 (%) 1.6 1.4 1.2 1.8.6.4.2 重力濃縮混合生汚泥標準性能 ( )..5 1. 1.5 2. 2.5 3. 汚泥濃度 (%) SS 回収率 (%) 1 99 98 97 96 95 94 93 92 91 9 重力濃縮混合生汚泥標準性能 ( )..5 1. 1.5 2. 2.5 3. 汚泥濃度 (%) 図 19 直接脱水実験結果 図 2 直接脱水実験結果 ( 汚泥濃度と薬注率の関係 ) ( 汚泥濃度と SS 回収率の関係 ) 2) 電力使用量他機種との比較例の結果から電力使用量の比較を行った 中規模処理場の比較結果を図 21 に 大規模処理場の比較結果を図 22 に示す 中規模処理場では 従来型圧入式スクリュープレスの電力使用量が最も少ない結果となった 高効率型圧入式スクリュープレスの電力使用量は で選定した場合と脱水ケーキで選定した場合ともに従来型より若干多い程度で 高効率型ベルトプレスの 65% 程度 高効率型遠心の 28% 程度となった 大規模処理場では 高効率型圧入式スクリュープレスをで選定した場合の使用電力量が最も少なく (kwh/ 年 ) 12, 1, 8, 6, 4, 2, (kwh/ 年 ) 2,5, 2,, 1,5, 1,, 5, (154) (355) 補機 図 21 電力使用量試算結果 ( 中規模処理場 ) 図 22 電力使用量試算結果 ( 大規模処理場 ) 本体 (92) (1) (1) ベルトプレス 遠心 スクリュープレス スクリュープレス (247) (695) 補機 本体 (15) (1) (112) ベルトプレス 遠心 スクリュープレス スクリュープレス -93-

高効率型ベルトプレスの 4% 程度 高効率型遠心の 14% 程度 従来型圧入式スクリュープレスの 95% 程度となった 以上のことから 高効率型圧入式スクリュープレスは従来型と同様に他機種に比べ省エネルギーなである 3) 運転時の CO 2 排出量他機種との比較例の結果から運転時の CO 2 表 8 運用時における CO 2 排出係数 排出量の比較を行った 運用時における CO 2 環境負荷 種類排出係数 ( 下水道における地球温暖化防止 CO 2 排出係数単位 実行計画策定の手引き ( 平成 11 年 8 月 ) ( 社 団法人日本下水道協会 )) を表 8に 中規模 高分子凝集剤 6,534 kg-co 2 /t 処理場の比較結果を図 23 に 大規模処理場の比較結果を図 24 に示す 電 *1 用 力水.384.18 kg-co 2 /kwh kg-co 2 /m 3 中規模処理場では 従来型圧入式スクリュ *1) 用水は工業用水の値を用いた ープレスの運転時の CO 2 排出量が最も 少ない結果となった 高効率型圧 入式スクリュープレスの運 (kg-co 2 / 年 ) 用水転時の CO 2 排出量は 処理量優 8, (173) 薬品 先で選定した場合と脱水ケーキ含 7, 電力 6, (126) 水率優先で選定した場合ともに従 5, (98) (1) (1) 来型より若干多い程度で 高効率 4, 型ベルトプレスの 79% 程度 高効率型遠心の 58% 程度となった 3, 2, 1, 大規模処理場では 高効率型ベルトプレス遠心スクリュープレススクリュープレス 圧入式スクリュープレスをで選定した場合の運 転時の CO 2 排出量が最も少なく 図 23 運転時の CO 2 排出量試算結果 ( 中規模処理場 ) 高効率型ベルトプレスの (kg-co 2 / 年 ) 64% 程度 高効率型遠心 2,5, 用水 (198) 薬品の 51% 程度 従来型圧入式スクリ電力 2,, (156) ュープレスの 99% 程度とな った 1,5, (11) (1) (11) 以上のことから 高効率型圧入 1,, 式スクリュープレスは従来 型と同様に他機種に比べ運転時 5, の CO 2 排出量が少ないで ある ベルトプレス遠心スクリュープレススクリュープレス 図 24 運転時の CO 2 排出量試算結果 ( 大規模処理場 ) -94-

(7) 今後の規制に対する対応策従来のに比べ省エネルギーで運転時の CO 2 排出量も少なく 消耗品であるろ材は SUS 製のためマテリアルリサイクルが可能である このような特徴を有するため 今後環境関連の法規が強化されても対応が十分可能である 4. 応用分野下水汚泥に加えて 食品工場排水汚泥 化学工業排水汚泥 製紙工場排水汚泥等 種々の有機性排水汚泥の脱水処理に適用できる また ろ布を使用していないので油分を多量に含んだ汚泥には ろ布のように目詰まりがないため非常に効果的である 5. 第 1 号分野 (1) 装置の仕様 1) 型 式 : ISGK-Ⅳ75 2) スクリーン径 : φ7mm 3) 設計条件 汚泥の種類 : 下水混合生汚泥 汚 泥 濃 度 : 約 2.5% 薬 注 率 : 高分子一液調質 1.% 以下 処 理 量 : 4kg-DS/h 以上 脱水ケーキ含水率 : 78% 以下 (2) 装置の納入先 神奈川県酒匂川流域下水道左岸処理場 (3) 納入時期 平成 14 年 3 月 (4) 稼働状況 1) 稼働年月 ( 平成 19 年 1 月時点 ) 1 台目 (1 号機 ):2 年 1 ヶ月 ( 平成 16 年 4 月より稼働 ) 2 台目 ( 増設 ) :1 年 1 ヶ月 ( 平成 17 年 4 月より稼働 ) 3 台目 ( 増設 ) :1 ヶ月 ( 平成 18 年 4 月より稼働 ) 2) 運転状況 運転時間 :24 時間 7 日 / 週 稼働開始後 トラブル無く順調に稼働 (5) トラブル発生の有無特になし -95-