1 計画の目的と位置づけ 1 計画の目的 本県では 平成 17 年度に 福井県住宅 宅地マスタープラン を策定 平成 23 年度に改定して ゆとりある豊かな住生活の実現に取り組んでいます 今回 本計画の上位計画となる住生活基本計画 ( 全国計画 ) が平成 28 年 3 月に改定されたことや 人口減少 少子高齢化の一層の進展 空き家問題の深刻化等の社会情勢の変化を受け 住生活の安定の確保および向上の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的に改定します 2 計画の位置づけ 福井県住宅 宅地マスタープランは 住生活基本法第 17 条に基づく都道府県計画であり 福井県の住宅政策に関する最も上位に位置づけられる計画となります 平成 23 年 平成 28 年 全国計画 県の関連計画等 平成 23 年 3 月住生活基本計画 ( 全国計画 ) ( 平成 23~32 年度 ) 改定 平成 28 年 3 月住生活基本計画 ( 全国計画 ) ( 平成 28~37 年度 ) 平成 22 年 12 月 福井県民の将来ビジョン 平成 27 年 10 月ふくい創生 人口減少対策戦略 全国計画に即して改定 新しい全国計画に即して改定 福井が目指す方向性 福井県計画 平成 23 年度 福井県住宅 宅地マスタープラン ( 福井県住生活基本計画 ) ( 平成 24~32 年度 ) 改定 住生活を取り巻く状況や前計画の進捗状況等を踏まえて改定 平成 28 年度 福井県住宅 宅地マスタープランの改定 ( 福井県住生活基本計画 ) ( 平成 28~37 年度 ) 意見聴取 連携 福井県住宅政策懇話会 市町 住生活産業 県民 3 計画の期間 本計画の計画期間は 平成 28 年度から平成 37 年度までの 10 年間とし おおむね 5 年後に 見直しを行います 1
2 福井県の住宅 宅地の現状 1 住生活を取り巻く現状 人口減少 少子高齢化が進展している 今後総世帯数は減少傾向に転じるが 単身高齢者世帯数は増加する 年齢別人口の推移 ( 出典 : 国勢調査 日本の地域別将来推計人口 / 国立社会保障 人口問題研究所 ) ( 万人 ) 100 2 住まい 住環境の特徴 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 79.4 81.8 82.4 82.7 82.9 82.2 80.6 78.7 76.0 73.1 70.0 9.2 10.5 12.2 14.7 16.9 18.6 20.1 22.2 52.1 53.7 54.5 54.0 52.9 51.4 48.5 18.1 17.6 15.6 14.1 13.0 12.1 11.2 10.3 9.4 8.5 7.7 7.2 6.8 昭 55 昭 60 平 2 平 7 平 12 平 17 平 22 平 27 平 32 平 37 平 42 平 47 平 52 ( 総数は年齢不詳も含む ) 15 歳未満 15~64 歳 65 歳以上 23.8 24.0 23.9 23.6 66.8 63.3 23.8 45.1 42.8 40.7 38.4 36.0 32.7 住宅ストック数は充足しており 利用目的のない その他 空き家が増加している 持ち家率が高い ( 全国 3 位 ) 延べ面積が大きい住宅が多い ( 全国 2 位 ) 三世代同居率が高いが ( 全国 2 位 ) 同居より近居を望む人の割合が高い 空き家総数と空き家率の推移 ( 出典 : 住宅 土地統計調査 ) ( 万戸 ) 10 8 6 4 2 0 15.1% 13.9% 13.1% 15% 11.5% 13.1% 13.5% 9.4% 9.8% 12.2% 4.7 10% 10.2% 4.3 3.8 8.0% 8.2% 2.8 2.6 2.1 1.9 2.1 2.3 5% 1.0 1.1 1.6 0.9 0.9 1.3 1.6 2.1 2.3 0% 昭 63 平 5 平 10 平 15 平 20 平 25 その他賃貸 売却用空き家率空き家率 ( 全国 ) ( 賃貸 売却用には別荘などの二次的住宅も含む ) 高齢期における子との住まい方 ( 出典 : 福井県住生活総合調査 ) 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2.2 平 20 28.6 21.7 22.7 9.8 15 平 25 平 25 ( 全国 ) 13.5 25.2 24.6 30.6 5.8 3.3 36.1 32.1 11.4 4.14.7 8.6 子と同居する 片道 1 時間未満の場所に住む 子はない 子と近居する 特にこだわりはない その他 2
3 福井県住宅 宅地マスタープランの体系図 本県は 幸福度日本一 という輝かしい評価を受けており 全国に誇れる暮らしの豊かさがあります 特に 子育てしやすく 男女共に働きやすい環境が整っており ゆとりある戸建て持ち家住宅の割合が高く 豊かな自然環境や良好なまち並み 福井に残る家族や地域のつながりの力が特長となっています 一方 少子高齢化と人口減少の急速な進展 空き家の増加 相次ぐ自然災害など住宅 住環境を取り巻く状況の変化に対応していくことが求められます 課題 1 少子高齢化 人口減少社会への対応 多世帯同居 近居の意向に応じた住宅取得等への支援が必要 子育て世帯が必要とする広さ 質の住宅への住替え等への支援が必要 高齢者が住み慣れた地域で必要なサーヒ スを受け 住み続けられる住まいづくりが必要 課題 2 福井の地域特性を活かした住まいづくりの普及 地域のつながり力を活かし 若年世帯や高齢者を地域で支える仕組みづくりが必要 福井の気候風土にあった住まいの普及が必要 課題 3 美しいまち並みの継承 美しいまち並み景観づくりに対する県民意識の向上が必要 伝統的民家などを地域の資産として保存 活用していくことが重要 課題 4 地域の住まいづくりを支える住生活産業の担い手の確保と育成 地域の住まいづくりを支える住生活産業の担い手の確保と育成が必要 課題 5 増加する空き家への対応 利用可能な中古住宅 ( 空き家 ) の活用 適正管理のための取組みが必要 老朽化した空き家の除却の促進が必要 課題 6 環境 エネルギー問題 住宅の長寿命化への対応 再生利用可能なエネルギーを活用した住まい 環境づくりや 住宅の長寿命化への対応が必要 課題 7 住まいの安全性の確保 ( 住宅の耐震化 ) 地震に対する県民意識や住宅の耐震性能の向上など 住まいの安全確保が必要 課題 8 多様な住宅セーフティネットの構築 公営住宅の適切な供給や民間賃貸住宅の活用により多様な住宅セーフティネットの構築が必要 3
基本理念 ゆとりある豊かな住生活の実現 ~ 住むひと 来るひとが幸福を実感できるふくいの住まいづくり ~ ふくいの住みよい暮らしを発展し 次世代につなぐため 福井に住んでいるひと 福 井に来て住むひとたちが幸福を実感し 人生を豊かに感じられるゆとりある豊かな住生 活の実現を目指します 目標 1 ふくいらしい住まい 持ち家率や共働き率が高く 住宅が広いという本県の特長を活かし 子育てや介護を世代間で助け合える住環境の整備等を進めることにより 少子高齢化 人口減少社会に対応し 風土にあったふくいらしい住まいづくりを目指します 基本方向 (1) 子育てしやすい住まいづくり 基本方向 (2) 高齢者 障がい者等にやさしい住まいづくり 基本方向 (3) 地産地消の住まいづくり 目標 2 誇りと愛着が持てるまち並み 先人が築き上げてきた伝統的民家等の貴重な景観資源や伝統的技法を活かした住環境を保全し 次世代に継承するとともに 福井の豊かな自然環境や住文化などを活かして 誇りと愛着がもてる福井らしいまち並みづくりを目指します 基本方向 (1) 地域特性を活かしたまち並みづくり 基本方向 (2) 先人が築きあげてきた住まいやまち並みの保存 活用 基本方向 (3) 地域の住生活産業の成長 目標 3 環境にやさしく持続可能な住まい 空き家の増加に対応するため 空き家の適正な管理 老朽化した空き家の除却 利活用を促進するとともに 低炭素社会の実現に向けた環境配慮型の住まいを普及することにより 環境にやさしく持続可能な住まいづくりを目指します 基本方向 (1) 空き家の活用 除却の促進 基本方向 (2) 環境にやさしい住まいづくり 基本方向 (3) 住宅の適正な維持管理の促進 目標 4 誰もが安心して暮らせる住まい 地震や豪雨などの災害の教訓を活かし 住宅の耐震化の一層の促進など 災害等に強い安全な住まいづくりを目指します また 公的賃貸住宅の的確な供給と民間賃貸住宅への円滑な入居を促進することにより 安心して暮らせる住まいづくりを目指します 基本方向 (1) 災害等に強い安全な住まいづくり 基本方向 (2) 公的賃貸住宅の適切な供給 基本方向 (3) 民間賃貸住宅への入居の円滑化 4
目標 1 ふくいらしい住まい (1) 子育てしやすい住まいづくり 多世帯同居 近居の意向に応じた住宅取得の支援 世代間で助け合いながら子どもを育てる同居 近居のための住宅取得やリフォームを支援 新子育て世帯が望む広い戸建て住宅への住替えの支援 賃貸住宅に住む子育て世帯の空き家取得やリフォームを支援 新女性の視点によるふくいらしい住宅プラン リフォーム事例の発信 女性建築士や学生との連携による住宅事例集の作成 工務店等を通じた子育てしやすい住宅の情報発信 普及促進 (2) 高齢者 障がい者等にやさしい住まいづくり 住宅のバリアフリー化の促進 高齢者や障がい者等が安全に安心して生活が送れる住宅のバリアフリー化を支援 サービス付き高齢者向け住宅の供給 新高齢者と学生が支え合う共同生活 ( シェアハウス等 ) の提案 持ち家の空き部屋を提供できる高齢者等と低廉家賃で安心な住宅を望む学生との共同生活 交流の促進 (3) 地産地消の住まいづくり 県産材 越前瓦や越前和紙を活用した住まいの普及 福井の風土に適した県産材 越前瓦や越前和紙を活用した住宅建設を支援 新は新たな取組 広い住宅への住替え 指標 1 子育て世帯における誘導居住面積水準達成率 1 [ 64%(H25) 75%(H37) ] 指標 2 高齢者人口に対する高齢者向け住宅の割合 [ 1.4%(H27) 2%(H37) ] 指標 3 高齢者の居住する住宅のバリアフリー化率 [ 43%(H25) 75%(H37) ] 目標 2 誇りと愛着が持てるまち並み (1) 地域特性を活かしたまち並みづくり 住教育の実施 地域特性を活かした 住まい まち並み 住まい方 を次世代に継承するための住教育の実施 景観に配慮した住まいづくりの促進 長期優良住宅の認定申請時に景観チェックの実施 (2) 先人が築きあげてきた住まいやまち並みの保存 活用 伝統的民家の認定 改修等への支援 特有の形態および意匠を有する民家( 伝統的民家 ) の認定 改修への支援 伝統的民家の空き家を地域の交流施設や宿泊施設等の用途へ活用 伝統的民家群保存活用推進地区の指定伝統的民家 伝統的民家が集積する地区を伝統的民家群保存活用推進地区として指定 新伝統的民家の安全性向上 伝統工法に適する新たな改修方法( 面格子壁等を活用した補強 ) の普及による安全性向上の促進 (3) 地域の住生活産業の成長 伝統的民家技能者の登録 育成 伝統的技法を習得している大工や左官の建築技能者を福井県伝統的民家技能者として登録 情報発信 伝統的技法を活用した住宅の改修等の促進 住宅ストックビジネス ( 既存住宅のリフォーム 空き家管理等 ) の活性化 既存住宅の維持管理 リフォーム 空き家管理等の住宅ストックビジネスの活性化の推進 1 誘導居住面積水準 : 住宅の延べ面積 (1 人世帯 55 m2 2 人世帯 75 m2 3 人世帯 100 m2 4 人世帯 125 m2 ) 5 指標 4 住宅に対する評価 ( 満足度 ) [ 73%(H25) 75%(H37) ] 指標 5 住環境に対する評価 ( 満足度 ) [ 73%(H25) 75%(H37) ] 指標 6 伝統的民家群保存活用推進地区の指定 [ 29 地区 (H27) 35 地区以上 (H37) ]
目標 3 環境にやさしく持続可能な住まい (1) 空き家の活用 除却の促進 空き家情報バンクの運営 全市町の空き家情報を一元的に情報発信 空き家を活用した U I ターン者の住まい支援 U I ターン者の空き家の取得やリフォームを支援 新市町による計画的な空き家対策の推進 空き家の流通促進につながる相談会の開催 コーディネーターの派遣 老朽化した空き家の除却 (2) 環境にやさしい住まいづくり 住宅の省エネ対策の推進 低炭素建築物の認定制度の周知徹底 既存住宅ストックを活用した省エネ住宅の普及促進 再生可能エネルギーを活用した住まいの普及 (3) 住宅の適正な維持管理の促進 長期優良住宅の普及による長寿命化の促進 耐久性や省エネルギー性等に優れ適切な維持管理が実施される長期優良住宅の普及 住宅診断 ( 建物状況調査 ) の普及 住宅の劣化状況等を明らかにする住宅診断 ( 建物状況調査 ) の普及 体験交流施設への活用 指標 7 空家等対策計画を策定した市町数 [ 1 市 (H27) 17 市町 ( 全市町 )(H37) ] 指標 8 リフォーム実施率 ( 持ち家 ) [ 6.8%(H21~25 平均 ) 8%(H37) ] 指標 9 新築住宅における認定長期優良住宅の割合 [13%(H26) 20%(H37) ] 目標 4 誰もが安心して暮らせる住まい (1) 災害等に強い安全な住まいづくり 住宅耐震化の促進 耐震改修工事に関する補助制度等の説明会や現場見学会の開催 耐震診断や耐震改修 ( 全体改修 部分改修 ) への支援 雪に強い住まいの普及 克雪住宅や安全な雪下ろし作業に配慮した住宅 雪下ろし場所が確保された住宅の普及 災害時に備えた体制づくり 大地震により被災した建築物を調査する震災建築物応急危険度判定士の確保 (2) 公的賃貸住宅の適切な供給 住宅に困窮する世帯への住まいの提供 公的賃貸住宅の適切な供給 公営住宅等の長寿命化の実施 公営住宅の耐震改修や外壁改修等による維持保全と既存ストックの有効活用 (3) 民間賃貸住宅への入居の円滑化 新居住支援の充実 ( 民間賃貸住宅を活用した住宅確保要配慮者向け住宅の提供 ) 国が創設する民間賃貸住宅の空き室を活用した新たな住宅セーフティネット制度による支援 ( 住宅に困窮する高齢者世帯 子育て世帯 外国人世帯等に対し入居を拒まない賃貸住宅の情報提供 家賃補助等 ) 居住支援協議会の活動 6 耐震改修工事現場見学会 指標 10 住宅の耐震化率 [ 73%(H25) 90%(H32) ] 指標 11 最低居住面積水準未満率 2 [ 2.1%(H25) 早期に解消 (H37) ] 指標 12 公営住宅の供給目標量 [ 4,800 戸 (H28~H37) ] 2 最低居住面積水準 : 住宅の延べ面積 (1 人世帯 25 m2 2 人世帯 30 m2 3 人世帯 40 m2 4 人世帯 50 m2 )
福井県住宅 宅地マスタープラン ( 福井県住生活基本計画 ) 発行 発行者 平成 29 年 3 月 福井県土木部建築住宅課 910-8580 福井県福井市大手 3 丁目 17 番 1 号 TEL 0776-20-0505 FAX 0776-20-0693 E-mail kenjyu@pref.fukui.lg.jp