( 事案の全体像は複数当事者による複数事件で ついての慰謝料 30 万円 あり非常に複雑であるため 仮差押えに関する部 3 本件損害賠償請求訴訟の弁護士報酬 分を抜粋した なお 仮差押えの被保全債権の額 70 万円 は 1 億円程度と思われるが 担保の額は不明であ を認容した る ) なお 仮差押え

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1 前提となる事実等 ( 証拠の摘示のない事実は, 争いのない事実又は弁論の全趣旨から容易に認められる事実である ) (1) 当事者原告は, X1 の名称を使用してウエブサイトの制作請負を行っている者であり, 被告は, 不動産業を主な業務としている特例有限会社である (2) 原告によるプログラムの制

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

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で年 5 分の割合による遅延損害金の支払を求めたところ, 被告は, 原告らは期限の利益を喪失したとして乙事件を提訴して争っている事案で, 2 乙事件被告は, 本件取引について, 原告ら ( 原告及び連帯保証人 B) は, 平成 16 年 11 月 16 日に所定の金員の支払を怠り期限の利益を喪失し,

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遺者であったが 事情があって遺贈の放棄をした 民法 986 条の規定によれば 受遺者は 遺言者の死亡後 いつでも 遺贈の放棄をすることができ 遺贈の放棄は 遺言者死亡のときに遡ってその効力を生じるとされているから 前所有者から請求人に対する本件各不動産の所有権移転の事実は無かったものであり 請求人は

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参考資料 1 不当な仮差押命令に関する損害賠償請求についての近時の裁判例 1 2 裁判所 判決日 文献番号等事案の概要結果 被告は 原告の取得した本件各土地を同人から買い受けるとの売買契約が成立したと主張して 同契約に基づく所有権移転登記請求権を被保全権利とする処分禁止の仮処分決定を得た ( 担保の額は 8000 万円 ) ものの 原告と被告との間の本東京地裁平成 26 年 1 月 23 日判件各土地に関する所有権移転登記手続に係る本決 (2014WLJPCA01238013) 案で被告の請求を棄却する判決が確定した そこで 原告が 仮処分は被告の過失によって原告の権利を侵害したものであるとして 被告に対し 不法行為に基づく損害賠償の一部請求として 8000 万円を請求した 被告らは 原告が詐欺を行ったとして仮差押えの申立てをして 仮差押決定を得たものの 原告東京地裁平成 26 年 4 月 15 日が保全異議を申し立て 裁判所がこの申立てに基判決 (2014WLJPCA04158007) づき仮差押決定を取り消した そこで 原告は 被告らに対して 不法行為に基づく損害賠償請求をした 裁判所は 原告主張の損害が発生していないか 仮処分との間で相当因果関係のある損害であるとは認められないとして 原告の請求を棄却した 裁判所は 原告の主張した損害のうち 1 本件仮差押えに係る保全異議事件等の訴訟代理人に支払った弁護士報酬 660 万円 2 仮差押えされた財産 ( 振替社債や預金債権 ) を処分できなくなったことに 損害賠償請求の成否 1

( 事案の全体像は複数当事者による複数事件で ついての慰謝料 30 万円 あり非常に複雑であるため 仮差押えに関する部 3 本件損害賠償請求訴訟の弁護士報酬 分を抜粋した なお 仮差押えの被保全債権の額 70 万円 は 1 億円程度と思われるが 担保の額は不明であ を認容した る ) なお 仮差押えされた株式につき上場 廃止となったことの損害については 被 告らが予見可能であったとは認めること ができないとして棄却されている 被告は 原告所有の不動産について仮差押命令 裁判所は 仮差押決定の内容 債務者 を申し立て 仮差押決定を得た ( 担保の額は 120 ( 原告 ) が債権者 ( 被告 ) に対して取得 万円 ) が 原告が保全異議を申し立て 同申立 する可能性がある損害賠償請求権の担保 により仮差押決定が取り消された そこで 原告 として 120 万円の供託を命じられたこ は 被告の仮差押えにより損害を被ったとして と その他本件に現れた一切の事情を考 3 東京地裁平成 26 年 6 月 27 日判決 (2014WLJPCA06278012) その賠償を請求した 慮して 仮差押命令に対して異議を申し立てたことによる原告の損害額は 120 万 円とするのが相当であるとし この 120 万円に加えて 弁護士費用として 120 万 円の 1 割である 12 万円が相当因果関係 ある損害であるとして 合計 132 万円の 請求を認めた 4 東京地裁平成 26 年 8 月 5 日判決 (2014WLJPCA08058001) 被告は 原告所有の不動産について仮差押命令を申し立て 仮差押決定を得た ( 被保全債権の額は1 億 2000 万円で 担保の額は不明 ) 裁判所は 本件不動産の売却に関する取引経過から 原告が本件不動産の売却の機会を逸した原因が仮差押命令にある 2

が 原告が保全異議を申し立て 同申立により と認めることができないとして 原告の 仮差押決定が取り消された そこで 原告は 請求を棄却した 被告の仮差押えにより本件不動産の売却の機会 ( なお 仮差押命令とは別の請求原因 を逸したとして 2000 万円の損害賠償請求をし による損害賠償請求は一部認容してい た る ) 東京地裁平成 26 年 8 月 18 日 原告所有の不動産について被告の申立てに基 裁判所は 本件仮処分は 本件不動産 判決 (2014WLJPCA8188001) づき処分禁止の仮処分命令が発令されて ( 担保の に関する 1 原告から訴外 A に対する売 額は不明 ) 登記がなされた後 被告が上記仮処 買 2 訴外 A から被告に対する売買を前 分の被保全権利について提起した本案訴訟が請 提としているところ 本案訴訟において 求棄却となって被告の敗訴が確定した そこで は 1 の成立が否定されているが 被告に 5 原告が 被告による上記仮処分の申立てに故意又は過失があったとして 不法行為に基づく損害賠 おいて 1の売買に関する原告の意思を確認したり 代表取締役の辞任登記がな 償請求として 仮処分登記により上記不動産を賃 されたか否かを確認しなかったからとい 貸することができなかったことによる逸失利益 っても 被告に過失があると認められな として賃料相当額の 1288 万 6555 円及び本案訴 いとして 原告の請求を棄却した 訟に応訴するための弁護士費用相当額として 500 万円の合計 1788 万 6555 円の支払を求めた 東京地裁平成 27 年 2 月 3 日判 被告は 原告を債務者として不動産仮差押え 裁判所は 本件仮差押えは 本案訴訟 決 (2015WLJPCA02038002) を申し立て 仮差押決定を得た ( 被保全債権の における敗訴部分は被保全権利の不存在 6 額は 1630 万円であり 担保の額は不明 ) が 原告が仮差押解放金を供託して仮差押えの執行 が確定しており 勝訴部分についても保全の必要性があったと認められないか は取り消された その後 その被保全債権の大 ら 本件仮差押えは違法であるとして 部分について本案敗訴の判決が確定した そこ 以下の損害に関する原告の請求を認容し 3

7 東京地裁平成 27 年 2 月 3 日判決 (2015WLJPCA02038003) で 原告が損害賠償請求をした た 1 執行取消に関する手続費用として 4370 円 2 仮差押解放金を調達するために金融機関に支払った借入費用 約定利息として 14 万 8823 円 3 仮差押解放金として用いられた自己資金についての法定利率の割合による金員として 95 万 5311 円 4 仮差押えにより期限の利益を喪失し一括弁済を余儀なくされたことにより約定どおりに支払った場合よりも高額な支払いをせざるを得なくなったことが被告にも予見しえたとして 15 万 3564 円 5 弁護士費用として合計 36 万円なお 慰謝料及び本件不動産の売却を企図していたものの仮差押えを懸念して買主が購入を躊躇したために値引きせざるを得なくなったことに関する損害についての請求は棄却されている 原告は 訴外 Aに対して債権を有しており 被裁判所は 仮差押え ( 及び本訴提起 ) 告が 同債権に係る債務を引き受けたとして 被が不法行為に該当するとして 保全異議 4

告を債務者として仮差押えの申立てをし 仮差押決定を得た (2500 万円を被保全債権とする預金債権についての仮差押えと 1589 万円を被保全債権とする動産仮差押え ( 執行により被告の工場内の原材料が執行官保管となった ) 担保の額は いずれも不明 ) その後 被告が保全異議を申し立て 同申立に基づき仮差押命令が取り消された 原告は 仮差押えの被保全債権を請求するために本訴を提起し 被告は本訴請求を争いつつ 反訴として 仮差押え ( 及び本訴 ) が不法行為であるとして損害賠償請求をした 事件に関する弁護士費用として 703 万 5000 円 ( 及び本案事件の弁護士費用として 462 万 7800 円 ) を認容した なお 被告は 仮差押えにより金融機関や取引先に対する信用毀損が生じたとしてその慰謝料を請求したが この請求は棄却されている 注 1 本参考資料は ウェストロー ジャパンで 最高裁昭和 43 年 12 月 24 日判決 ( 仮処分命令が異議等により取り消され あるいは本案訴訟において原告敗訴の判決が言い渡され その判決が確定した場合には 他に特段の事情のないかぎり 申立人において過失があったものと推認するのが相当である旨を判示したもの ) を引用している裁判例を検索し 参考になると考えられる平成 26 年及び 27 年の裁判例を抜粋して整理したものである 注 2 保全異議とは 民事保全法第 26 条以下に規定されている債務者から保全命令を発した裁判所に対してされる同一審級の不服申立てをいう ( 瀬木比呂志著 民事保全法 新訂版 ( 日本評論社 以下 瀬木 民事保全法 という )339 頁 ) 注 3 保全取消しとは 同一審級における債務者の不服申立てであるが 保全異議が保全命令の再審理の申立てであるのに対して 保全取消しは 保全命令の存在を前提としてその取消し 変更を求めるものである ( 瀬木 民事保全法第 378 頁 ) 本案の訴えの不提起等による保全取消し ( 民事保全法第 37 条 ) 事情の変更による保全取消し( 同法第 38 条 ) 特別の事情による保全取消し( 同法第 39 条 ) がある 5