<H24 年 1 月 5 日発行 > 今月のテーマ 退職後の医療保険手続き 松沢社会保険労務士事務所ライフサポートまつざわ 950-1425 新潟市南区戸石 382-19 TEL 025(372)5215 FAX 025(372)5218 E メール info@matsuzawa-support.com URL http://www.matsuzawa-support.com 被保険者が退職した場合は 退職日の翌日には 被保険者としての資格が喪失し 被保険者証 ( 保険証 ) は使用できなくなります 退職後は 退職後の状況によって加入する健康保険が異なります 健康保険の被保険者資格を喪失 再就職しないとき 再就職するとき ケース 1 任意継続被保険者になる 常用労働者 ( 週 30 時間以上勤務 ) Yes ケース 2 国民健康保険に加入する No 再就職先の健康保険に加入 ケース3 特例退職被保険者になるケース4 家族の被扶養者になる 1~4 すべての人は 75 歳から後期高齢者医療制度に加入します! ケース 1 健康保険の 任意継続被保険者 になる場合 会社を退職して被保険者の資格を失った場合でも 本人の希望により 健康保険の被保険者として継続することができます 加入要件加入期間加入手続手続先 退職日までに継続して 2 ヶ月以上の被保険者期間があること 任意継続被保険者となれる期間は 2 年間です 退職日の翌日から 20 日以内に申出が必要 資格取得時の提出書類資格取得後の提出書類 健康保険組合に加入していた人協会けんぽに加入していた人 健康保険任意継続被保険者資格取得申出書健康保険被扶養者届 資格取得時 資格取得日の翌日以降に被扶養者となる人がいる場合は 別途 健康保険被扶養者 ( 異動 ) 届 を提出加入していた健康保険組合窓口住所地の協会けんぽ支部窓口 - 1 -
任意継続被保険者 ( 協会けんぽ ) の保険料 退職時の標準報酬月額 9.43% ( 会社負担分も本人が支払います ) 介護保険第 2 号被保険者に該当する人は 10.94% ただし 退職時の標準報酬月額が 28 万円を超えていた場合の標準報酬月額は 28 万円です 健康保険料の上限は 26,404 円 ( 介護保険第 2 号被保険者に該当する人は 30,632 円 ) です 上記保険料率および保険料額は 平成 23 年 9 月現在のものです ケース 2 国民健康保険に加入する場合 手続先加入手続保険料 住所地の市区町村役場 退職日の翌日から 14 日以内に届出 手続きの際には 健康保険を脱退した日を証明する書類のほか 身分を証明するもの ( 運転免許証 年金手帳 パスポート等 ) が必要です 前年度の所得により算出 保険料の軽減 減免制度あり 算出方法は各市町村によって異なります 国民健康保険の保険料納付義務者は 世帯主になります 世帯主が職場の健康保険などに加入していて国民健康保険の加入者でなくても 世帯に国民健康保険の加入者がいると 世帯主宛に保険料の通知書や納付書が送付されます ただし 当該加入者名義で口座振替手続きを行うことで 本人が納付することもできます なお 保険料は 支払った人の所得税や住民税の申告の際に社会保険料として全額所得控除の対象となります 新潟市 平成 23 年度国民健康保険料の料率 ( 年額 ) 医療分保険料支援分保険料介護分保険料 所得割 ( ) 7.3% 2.5% 2.2% 均等割 (1 人あたり ) 平等割 (1 世帯あたり ) 19,500 円 6,600 円 12,300 円 23,400 円 8,400 円 賦課限度額 510,000 円 140,000 円 120,000 円 所得割 ( 前年中の所得金額 - 基礎控除額 33 万円 ) 所得割率 ケース 3 特例退職被保険者になる場合 厚生労働大臣から認可を受けた特定健康保険組合では 市区町村の代わりに退職者医療制度を行うことができます この制度を 特例退職被保険者制度 と呼びます 加入要件 加入期間 保険料 老齢厚生年金を受け取っていること 健康保険組合の加入期間が 20 年以上又は 40 歳以降 10 年以上あること 60 歳から 74 歳まで加入できます 保険料は全額自己負担で 収入に関係なく全員一律で決められています 健保組合によって保険料は異なりますが 一般的に任意継続被保険者よりも低額となります 加入手続 年金証書が到着した日の翌日から 3 ヶ月以内に 在職していた健康保険組合で手続します 各健康保険組合の規約をご覧ください - 2 -
ケース 4 家族の被扶養者になる場合 健康保険の被扶養者とは? 1 主として被保険者により生計を維持していること ( 被保険者の収入により その人の暮らしが成り立っていること ) 2 年間収入の見込み額が130 万円未満 (60 歳以上または障害年金受給者は180 万円未満 ) で かつ 被保険者の年間収入の1/2 未満であること 健康保険の被扶養者所得税の扶養親族 年間収入の見込み額が 130 万円未満 その年の合計所得金額が 38 万円以下 3 4 金 額 収入 所得の定義 (60 歳以上又は障害年金受給者 180 万円未満 ) 今後 1 年間の収入の見込み額で判断されますので 130 万円を超えそうになってから扶養からはずれても大丈夫です 例 退職後 基本手当を受給予定で 給付基礎日額 3,611 円を超える場合には 基本手当の受給中は被扶養者となれません 給与収入 年金収入 ( 老齢年金 障害年金 遺族年金 ) 失業給付 ( 基本手当等 ) 事業収入 ( 売上 - 必要経費 ) 青 ( 白 ) 色申告特別控除前 などすべての収入が含まれます 75 歳未満で 後期高齢者医療制度の非該当者であること 被保険者からみて一定の3 親等以内の親族であること その年の 1 月 1 日から 12 月 31 日までの所得金額で判断されます 給与所得 ( 給与収入 - 給与所得控除額 ) 老齢年金などの雑所得 ( 年金収入 - 控除額 )) 事業所得 ( 売上 - 必要経費 - 青 ( 白 ) 色申告特別控除額 ) その他の所得不動産所得 配当所得など 障害年金 遺族年金 失業給付は非課税です 別居でも認められる人 配偶者 ( 内縁関係を含む ) 子 孫 父母などの直系尊属 弟妹 同居であることが条件の人 内縁の配偶者の父母 連れ子 上記以外の三親等内の親族 ( 義父母 兄姉等 ) Q1 今まで国民健康保険に加入していましたが 就職して職場の健康保険に加入しました 被扶養者として 子ども (1 人 ) も同時に健康保険に加入しました 市役所への手続きは必要ですか? A1 はい 2 人とも国民健康保険を脱退するための届出が必要です この届出をしないと 国民健康保険に加入し続けることになり 保険料を請求されますのでご注意ください < 必要書類 > 本人と被扶養者の職場の健康保険証 国民健康保険証 - 3 -
Q2 退職して職場の健康保険を脱退しました 国民健康保険に加入するにはどうすればいいですか? A2 健康保険の脱退日が記載された 健康保険資格喪失証明書 等をお持ちのうえ 脱退した日 ( 退職日の翌日 ) から 14 日以内に 国民健康保険への加入手続を行ってください < 必要書類 >1 健康保険の脱退日を証明する書類 ( 次のいずれか ) * 健康保険 厚生年金保険資格取得 資格喪失等確認請求書 本人の申請により 協会けんぽ又は健康保険組合で発行します * 健康保険 厚生年金保険被保険者資格等取得 ( 喪失 ) 連絡票 退職時に職場で発行します 2 身分を証明するもの ( 運転免許証 年金手帳 パスポート等 ) Q3 妻はパート収入の他にも収入があるため 所得要件によって職場の健康保険の扶養から外れました 妻が勤務している職場では 健康保険に加入していません どうしたらいいですか? A3 被扶養者だった人が所得要件などにより扶養から外れた場合 被扶養者は任意継続の手続ができないため 国民健康保険に加入しなければなりません < 必要書類 >1 健康保険の脱退日を証明する書類 ( 次のいずれか ) * 健康保険 厚生年金保険資格取得 資格喪失等確認請求書 協会けんぽ又は健康保険組合で発行します * 健康保険 厚生年金保険被保険者資格等取得 ( 喪失 ) 連絡票 退職時に職場で発行します 2 身分を証明するもの ( 運転免許証 年金手帳 パスポート等 ) Q4 退職後は 健康保険の任意継続の手続きをしようと考えています 内容について詳しく教えて下さい 退職後の健康保険加入のご案内 ( 協会けんぽ ) http://www.kyoukaikenpo.or.jp/resources/content/62524/20110914-170319.pdf 任意継続に関する Q&A( 協会けんぽ ) http://www.kyoukaikenpo.or.jp/11,0,159.html Q5 国民健康保険料の軽減制度や減免制度があると聞きました 内容について詳しく教えて下さい 保険料の軽減制度 国の定める所得基準を下回る世帯は 均等割額 平等割額の一部が軽減されます 新潟市 軽減対象世帯の例 世帯人数 世帯の年間所得 7 割軽減 5 割軽減 2 割軽減 1 人 33 万円以下 - 68 万円以下 2 人 33 万円以下 57.5 万円以下 103 万円以下 3 人 33 万円以下 82 万円以下 138 万円以下 世帯の人数には擬制世帯主 ( 住民票上の世帯主で国民健康保険に加入していない人 ) も含まれます ただし 2 割軽減については含みません 詳細は 住所地の市区町村役場にお問い合わせください - 4 -
非自発的失業者に係る保険料の軽減措置 非自発的な失業のため職場の健康保険を脱退し 国民健康保険に加入した人の保険料が軽減されます 対象者 次のすべての条件を満たす人が対象です (1) 平成 21 年 3 月 31 日以降に失業した人 (2) 失業した時点で 65 歳未満の人 (3) 雇用保険の特定受給資格者または特定理由離職者である人 雇用保険受給資格者証の第 1 面 離職理由 欄に記載の番号で確認します 下記のコードが記載されている人が対象です 特定受給資格者理由コード 11 12 21 22 31 32 特定理由離職者理由コード 23 33 34 軽減内容 保険料の所得割を算定する際 離職日の翌日の属する月からその翌年度末までの間 非自発的失業者の前年の給与所得を 30/100 として算定します 軽減を受けられる期間 失業した日によって異なります 失業した日 平成 22 年 3 月 31 日 ~ 平成 23 年 3 月 30 日 平成 23 年 3 月 31 日 ~ 平成 24 年 3 月 30 日 軽減期間 平成 24 年 3 月まで 平成 25 年 3 月まで 失業した日 とは 退職 ( 離職 ) 日の翌日をいいます 軽減期間中に職場の健康保険に加入し 国保の資格を喪失した場合 軽減措置は終了します 申請方法 保険証と雇用保険受給資格者証 ( 原本 ) をお持ちのうえ 各市町村窓口で申請してください 保険料の減免制度 次のような事情で生活が著しく困難になり 保険料が納められないときは 申請により保険料の減免を受けられることがあります 火災や地震などの災害により大きな災害を受けたとき 失業などにより所得が大幅に減少したとき 国民健康保険加入者に障害者手帳を交付されている人がいるとき 母子家庭 父子家庭の場合など 本年も どうぞよろしくお願い申し上げます これからも クオリティの高い情報を発信してまいります! - 5 -