最上町バランスシートを読むにあたって

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新しい地方公会計制度 これまで錦町では 総務省方式改訂モデル ( 以後 改訂モデルと言います ) の財務書類を作成してきました 錦町がこれまで積み上げてきた資産と この先返済する必要がある負債 すでに支払いが終わっている純資産などの情報を表示した貸借対照表など 今までの決算書では把握できなかった情報

新しい地方公会計制度 これまで氷川町では 総務省方式改訂モデル ( 以後 改訂モデルと言います ) の財務書類を作成してきました 氷川町がこれまで積み上げてきた資産と この先返済する必要がある負債 すでに支払いが終わっている純資産などの情報を表示した貸借対照表など 今までの決算書では把握できなかった

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Ⅰ 平成 24 年度高鍋町財務書類の公表について 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデル

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平成 26 年度 佐賀市財務諸類の公表について Ⅰ 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデ

(Microsoft Word - 27\214\366\225\\\210\304.docx)

平成 25 年度 佐賀市財務諸類の公表公表についてについて Ⅰ 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示され

○ 何のために財務書類を作成するか

[ 資産の部 ] [ 負債の部 ] 1 公共資産 1 固定負債 (1) 有形固定資産 (1) 地方債 13,451,327 1 生活インフラ 国土保全 12,25,617 (2) 長期未払金 2 教育 7,134,832 1 物件の購入等 3 福祉 1,65,858 2 債務保証又は損失補償 4 環

(Microsoft Word - 24\214\366\225\\\210\304.doc)

平成 28 年度鳥栖地区広域市町村圏組合財務書類 ( 統一的な基準 )

○ 何のために財務書類を作成するか

平成 2 4 年度 佐賀市財務書類 基準モデル 平成 26 年 3 月佐賀市総務部財政課

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PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

資産の部 道路 小 中学校など公共施設の現在価値のほか 他団体に対する出資金や預金など これまで積み上げてきた金額 負債の部 借入金の残高 退職手当の引当金など 将来の世代が負担しなければならない金額 純資産の部 資産のうち税金などによって形成され これまでの世代が負担した金額 公共資産 自治体が所

計算書類等

第 1 部平成 28 年度決算にみる中野区の財政 平成 28 年度普通会計決算の概要 ( 歳入 歳出 ) 歳入歳出 実質収支の推移 歳入歳出実質収支 ( 実質収支 ) 1,4 1,2 1, ,324 1,333 1,23 1,265 1,95 1,43 1,52 1,89 1,14

財務の概要 (2012 年度決算の状況 ) 1. 資金収支計算書の概要 資金収支計算書は 当該会計年度の教育研究活動に対応するすべての資金の収入 支出の内容を明らかにし かつ 当該会計年度における支払資金の収入 支出の顛末を明らかにするものです 資金収支計算書 2012 年 4 月 1 日 ~201

平成 28 年度 武雄市財務書類 ( 統一的な基準 )

科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

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Microsoft Word - 公益法人会計の仕訳

連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

国家公務員共済組合連合会 民間企業仮定貸借対照表 旧令長期経理 平成 26 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 円 ) 科目 金額 ( 資産の部 ) Ⅰ 流動資産 現金 預金 311,585,825 未収金 8,790,209 貸倒引当金 7,091,757 1,698,452 流動資産合計 3

千葉県のバランスシート等の財務書類について

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『学校法人会計の目的と企業会計との違い』

第4期電子公告(東京)

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Microsoft Word - 5第Ⅰ部第1章

3 流動比率 (%) 流動資産流動負債 短期的な債務に対する支払能力を表す指標である 平成 26 年度からは 会計制度の見直しに伴い 流動負債に 1 年以内に償還される企業債や賞与引当金等が計上されることとなったため それ以前と比べ 比率は下がっている 分析にあたっての一般的な考え方 当該指標は 1

平成 29 年度連結計算書類 計算書類 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 連結計算書類 連結財政状態計算書 53 連結損益計算書 54 連結包括利益計算書 ( ご参考 ) 55 連結持分変動計算書 56 計算書類 貸借対照表 57 損益計算書 58 株主

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第6期決算公告

Microsoft Word - あきる野市のおさいふ(H30年度版).docx

H28 一般会計等財務書類本表・注記

東京二十三区清掃一部事務組合 平成 28 年度財務書類の分析 統一的な基準

第4期 決算報告書

野村アセットマネジメント株式会社 平成30年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

(訂正・数値データ修正)「平成29年5月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について

平成 27 年度岩国市下水道事業決算の要領 下水道事業の経営成績と財政状態をお知らせするため 平成 27 年度決算の要領を公表します 1. 業務量 下水道区域の拡大により 処理人口は 260 人増加し 年間有収水量は 52,674 m3増加しました 区分 平成 27 年度 平成 26 年度 処 理

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平成 28 年度 北名古屋市財務報告書 統一的な基準による財務書類 4 表 北名古屋市

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野村アセットマネジメント株式会社 2019年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

営業報告書

その 1 花巻市の財政状況は? 平成 27 年度一般会計決算から花巻市の財政状況を説明します 1 平成 27 年度の主なお金の使い道は? 扶助費 81 億 3,922 万円 16.5% その他の経費 225 億 941 万円 45.7% 義務的経費 218 億 5,720 万円 44.4% 人件費

スライド 1

その 1 花巻市の財政状況は? 平成 26 年度一般会計決算から花巻市の財政状況を説明します 1 平成 26 年度の主なお金の使い道は? 扶助費 79 億 6,283 万円 16.5% その他の経費 213 億 1,965 万円 44.1% 義務的経費 215 億 7,690 万円 44.6% 人件

~ わかりやすい決算報告をめざして ~ 市ではさまざまな事業を行っています どのような事業を行うのか 資金調達はどうするか どのように支出するかを 歳入 歳出 という形でお金で表し とりまとめた計画が 予算書 です その予算に沿って事業を行った一年間の結果を報告したものが 決算書 です 決算書 には

計 算 書 類

NO 連結精算表科目 & 連結開示 前連結会計 当連結会計 増減差額 科目 借 年度 年度 借方 方 連結借対照表 千円 千円 千円 千円 開 38 社債 20,000,000 5,000,000 開 39 長期借入金 16,500,000 16,071,500 開 40 リース債務 632,000

Microsoft Word 【公表】HP_T-BS・PL-H30年度

貸借対照表 (2018 年 3 月 31 日現在 ) 科 目 金 額 科 目 金 額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) Ⅰ. 流動資産 8,741,419 千円 Ⅰ. 流動負債 4,074,330 千円 現 金 預 金 5,219,065 未 払 金 892,347 受 取 手 形 3,670 短

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H27年度財務書類説明資料(総務委員会).xlsx

目 次 1. 単式簿記と複式簿記 1 2. 現金主義会計と発生主義会計 2 3. 地方公共団体と民間企業の会計 3 4. 統一的な基準による財務書類の概要 4 5. 統一的な基準における仕訳の考え方 6 6. 統一的な基準の勘定科目 7 7. 統一的な基準による財務書類作成の流れ 8 8. 統一的な

日本基準基礎講座 資本会計

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財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

2 事業活動収支計算書 ( 旧消費収支計算書 ) 関係 (1) 従前の 消費収支計算書 の名称が 事業活動収支計算書 に変更され 収支を経常的収支及び臨時的収支に区分して それぞれの収支状況を把握できるようになりました 第 15 条関係 別添資料 p2 9 41~46 82 参照 消費収入 消費支出

資金収支計算書 平成 30 年度の収支状況を資金収支計算書の流れでみると 収入額は平成 31 年度新入生の入学時納付金の前受金等を含め 195 億 5,975 万 4 千円となり 前年度より繰越された 40 億 5,576 万 3 千円を加えると 収入合計は 236 億 1,551 万 7 千円とな

計算書類 貸 損 借益 対計 照算 表書 株主資本等変動計算書 個 別 注 記 表 自 : 年 4 月 1 日 至 : 年 3 月 3 1 日 株式会社ウイン インターナショナル

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新規文書1

財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

(別添)新たな貸付制度の会計処理に関する基本的な考え方について

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第10期

平成14年度 バランスシート

第 3 期決算公告 (2018 年 6 月 29 日開示 ) 東京都江東区木場一丁目 5 番 65 号 りそなアセットマネジメント株式会社 代表取締役西岡明彦 貸借対照表 (2018 年 3 月 31 日現在 ) 科目金額科目金額 ( 単位 : 円 ) 資産の部 流動資産 負債の部 流動負債 預金

社会福祉法人心愛会 貸借対照表平成 26 年 3 月 31 日現在 第 5 号様式 社会福祉法人心愛会 ( 単位 : 円 ) 資 産 の 部 負 債 の 部 勘 定 科 目 当年度末 前年度末 増 減 勘 定 科 目 当年度末 前年度末 増 減 流動資産 915,233, ,793,73

3. その他 (1) 期中における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) 無 (2) 会計方針の変更 会計上の見積りの変更 修正再表示 1 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 無 2 1 以外の会計方針の変更 無 3 会計上の見積りの変更 無 4 修正再表示 無 (3)

(1) 連結貸借対照表 ( 添付資料 16 ページ ) (3) 連結株主資本等変動計算書 ( 添付資料 28 ページ ) 6. 個別財務諸表 (1) 貸借対照表 ( 添付資料 31 ページ ) (3) 株主資本等変動計算書 以上 2

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( 資産の部 ) ( 負債の部 ) Ⅰ 特定資産の部 1. 流動負債 366,211,036 1 年内返済予定 1. 流動資産 580,621,275 特定社債 302,000,000 信託預金 580,621,275 事業未払金 2,363, 固定資産 6,029,788,716 未払

科目当年度前年度増減 [ 負債の部 ] 流動負債未払金 3,44,15,654 3,486,316,11-46,3,357 給付金未払金 3,137,757,265 3,192,611,196-54,853,931 年金未払金 287,13, ,91,778 7,228,646 その他未

第 16 回ビジネス会計検定試験より抜粋 ( 平成 27 年 3 月 8 日施行 ) 次の< 資料 1>から< 資料 5>により 問 1 から 問 11 の設問に答えなさい 分析にあたって 連結貸借対照表数値 従業員数 発行済株式数および株価は期末の数値を用いることとし 純資産を自己資本とみなす は

. 資産評価及び固定資産台帳整備の手引き () 評価基準問番号質問回答関連箇所 原則として 全ての項目についてエクセル形式等の編集可能なデータ形式で公表することとします ただし HP 上で公表する際に データ容量の都合上 全ての項目を編集可能なデータ形式で公表することが困難である場合には 未利用資産

平成 27 年度高浜町の健全化判断比率及び資金不足比率 地方公共団体の財政の健全化に関する法律 が平成 21 年 4 月から全面施行され この法律により地方公共団体は 4 つの健全化判断比率 ( 実質赤字比率 連結実質赤字比率 実質公債費比率 将来負担比率 ) と公営企業ごとの資金不足比率を議会に報

UIプロジェクトX

Taro-27文章バージョン

普通会計行政コスト計算書 自至 平成 28 年 4 月 1 日平成 29 年 3 月 31 日 ( 単位 : 千円 ) 科目 金額 経常費用 7,434,734 業務費用 4,078,883 人件費 1,265,527 職員給与費 1,095,503 賞与等引当金繰入額 85,290 退職手当引当金

法人単位貸借対照表 平成 29 年 3 月 31 日現在 第三号第一様式 ( 第二十七条第四項関係 ) 法人名 : 社会福祉法人水巻みなみ保育所 資産の部当年度末前年度末 増減 負債の部当年度末前年度末 流動資産 23,113,482 23,430, ,370 流動負債 5,252,27

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3 貸借対照表 当該年度末時点での資産 負債 基本金の状況を表し 財政状態を明らかにするものです 資金収支計算書と事業活動収支計算書は単年度の収支状況を表すもので 貸借対照表は今までの財政活動における積み重ねの結果を表すものです 貸借対照表は学校法人会計基準第 4 章に掲げられており 基本的には企業

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第 36 期決算公告 浜松市中区常盤町 静岡エフエム放送株式会社代表取締役社長上野豊 貸借対照表 ( 平成 30 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 資産の部 負債の部 Ⅰ. 流 動 資 産 909,595 Ⅰ. 流 動 負 債 208,875 現金及び預金 508,

益城町平成 28 年度決算の財務書類 新しい地方公会計制度 これまで益城町では 総務省方式改訂モデル ( 以後 改訂モデルと言います ) の財務書類を作成してきました 益城町がこれまで積み上げてきた資産と この先返済する必要がある負債 すでに支払いが終わっている純資産などの情報を表示した貸借対照表な

Transcription:

最上町の財務書類 ( 平成 28 年度 ) 最上町

平成 28 年度最上町財務書類について 1. 統一的基準による財務諸類について 本年度より統一的基準による財務書類を行います 前年度まで作成していた総務省方式改訂モデル との違いは 発生主義 複式簿記の導入 ICT を活用した固定資産台帳の整備 比較可能性の確保 総務省方式改訂モデル決算統計データを活用して財務書類を作成 固定資産台帳の整備は必ずしも前提とされていない基準モデルや総務省方式改訂モデル その他の方式が混在 統一的な基準発生の都度または期末一括で複式仕訳 ( 決算統計データからの脱却 ) 固定資産台帳の整備が前提であり 公共施設等のマネジメントに活用できる統一的な基準により 団体間の比較可能性が確保 整備される財務書類は以下の通りです 1 貸借対照表 ( バランスシート ) 借方に資産 貸方に負債と純資産を計上し 貸方に係る資金調達がどのような形で資産形成 ( 借方 ) につながっているのかが表わされています 2 行政コスト計算書 資産形成につながらない費用が計上されます 行政コストを経常収益で賄って尚不足する 額は 純資産変動計算書に計上される一般財源や補助金で賄われます 3 純資産変動計算書 貸借対照表貸方の純資産における一年間の動きを表しています 4 資金収支計算書 貸借対照表借方の流動資産における現金の一年間の動きを表しています 1

2. 貸借対照表 ( バランスシート ) について 行政コスト計算書 純資産変動計算書 資金収支計算書は全て貸借対照表に反映しており 貸借対 照表は財務書類の集積と言えます 資産 バランスシートの左側 借方 に計上されるのが資産です 資産は一会計年度を越えて 最上町の経営資源として用いられるものを言います 言い換えれば 将来にわたり公共サービスを提供することが出来る価値 すなわち次世代が受けることのできるサービスの価値であると言えます これには 道路 公園 町営住宅 学校などの資産のほか 投資 出資 基金などが計上されています このうち有形固定資産は 主に道路 公園 学校などの固定資産のことを言います 自治体の予算書 決算書等と同様に目的別に記載されており 土地以外は構造 用途 資産分類により耐用年数を適用し 減価償却を行った上で計上しています 負債 負債は 将来において支払や返済の必要があるものを言います 固定負債と流動負債に分かれますが 一年以内に支払の期限が到来するものを流動負債 それ以外を固定負債としています つまり 地方債 ( 借金 ) のうち一年以内に償還期限が来るもの ( 次年度の元金償還額 ) は流動負債 それ以外は固定負債になります 退職手当引当金は 年度末に職員全員が普通退職したと仮定した場合の支給額を計上しています 純資産 営利活動を目的としない地方公共団体には 民間企業の 資本 に当たる概念はないので 純資産 という名称を用いています これは バランスシートの借方 ( 左側 ) に計上されている資産のうち 町民から支払われた税金や国 県からの補助金を財源としていて既に取得している金額 つまり資産のうち地方債 ( 借金 ) 以外で既に取得している金額を指します 2

普通会計バランスシートから 平成 28 年度末現在のバランスシートでは 資産合計が 220 億 1,156 万円 負債合計 68 億 3,788 万円 純資産合計 151 億 7,367 万円となっています 有形固定資産のうち行政目的別の割合をみると 土木費である生活インフラ 国土保全費が 51.1% 教育費が 20.4% 農林水産業費 商工費 労働費である産業振興費 6.3% 民生費である福祉費 9.0% となっています つまり学校施設 道路 公園施設等で 7 割を占めています 平成 28 年度 有形固定資産 20,036 投資等 741 流動資産 1,235 借方 内訳 固定負債 6,231 純資産 18,325 固定資産等形成分 21,676 不足分 6,502 貸方 流動負債 607 ( 単位 : 千円 %) 有形固定資産等内訳 資産額 割合 生活インフラ 国土保全 10,234,614 51.1 教育 4,089,217 20.4 福祉 1,805,134 9.0 環境衛生 0.0 産業振興 1,260,053 6.3 消防 147,658 0.7 総務 2,498,955 12.5 計 20,035,631 100.0 一般会計の資産形成度に係る指標 歳入額対資本比率 平成 28 年度の歳入総額に対する資産の比率を算出することにより これまでに形成されたストックとしての資産が 歳入の何年分に相当するかを表し 最上町の資産形成の度合いを測る指標です ( 本計算において 歳入総額について前年度末資金残高を含まず計算しています ) 歳入額対資産比率 = 資産合計 / 歳入総額 22,011,563 千円 ( 資産合計 )/7,281,765 千円 ( 歳入総額 )=3.0 年 資産老朽化比率 有形固定資産のうち 償却資産の取得に対する減価償却累計額の割合を計算することにより 耐用年数に対して資産の取得からどの程度経過しているのかを全体として把握する指標です 資産老朽化比率 = 減価償却累計額 /( 有形固定資産 - 土地 + 減価償却累計額 ) 24,263,604 千円 ( 減価償却累計額 )/{20,035,631 千円 ( 有形固定資産 )-8,843,705 千円 ( 土地 )-116,020 千円 ( 建設仮勘定 )+24,263,604 千円 ( 減価償却累計額 )}=68.7% 上記のうち事業用資産老朽化比率 11,896,141 千円 ( 減価償却累計額 )/{9,678,432 千円 ( 事業用資産 )-3,490,483 千円 ( 土地 )-83,639 千円 ( 建設仮勘定 )+11,896,141 千円 ( 減価償却累計額 )}=66.1% 上記のうちインフラ資産老朽化比率 10,876,978 千円 ( 減価償却累計額 )/{10,060,007 千円 ( インフラ資産 )-5,353,222 千円 ( 土地 )-32,381 千円 ( 建設仮勘定 )+10,876,978 千円 ( 減価償却累計額 )}=69.9% 上記のうち物品老朽化比率 1,490,485 千円 ( 減価償却累計額 )/1,787,677 千円 ( 物品 )=83.4% 3

一般会計の世代間公平性に係る指標 純資産比率 地方公共団体は 地方債の発行を通じて 将来世代と現世代の負担の配分を行います したがって 純資産の変動は 将来世代と現世代との間で負担の割合が変動されたことを意味します 例えば 純資産の減少は 現世代が将来世代にとっても利用可能であった資源を費消して便益を享受する一方で 将来世代に負担が先送りされたことを意味し 逆に 純資産の増加は 現世代が自らの負担によって将来世代も利用可能な資源を蓄積したものと言えます 純資産比率 = 純資産総額 / 資産総額 15,173,676 千円 ( 純資産総額 )/22,011,563 千円 ( 資産総額 )=68.9% 将来世代負担比率 有形固定資産について将来償還が必要な負債による形成割合をみることにより 将来世代の負担の比重を把握する指標です 将来世代負担比率 = 地方債残高 / 有形固定資産 6,140,159 千円 ( 地方債残高 )/20,035,631 千円 ( 有形固定資産 )=30.6% 一般会計バランスシートの特徴点 変更点 (1) 有形固定資産について 固定資産台帳より算出されます 固定資産と捉えるものは 土地 建物 道路や橋梁等のインフラ資産及び本体価格 20 万円以上の車両や物品が対象となります 資産の評価の方法は 下記の通りです (2) 町民一人当たりのバランスシートです ( 人口 8,951 人 ) 4

( 単位 : 千円 %) 資産 負債額 町民一人 比率 資産の部 1 有形固定資産 20,035,631 2,238 91.0 (1) 生活インフラ 国土保全 10,234,614 1,143 46.5 (2) 教育 4,089,217 457 18.6 (3) 福祉 1,805,134 202 8.2 (4) 環境衛生 0 0 0.0 (5) 産業振興 1,260,053 141 9.8 (6) 消防 147,658 16 0.7 (7) 総務 2,498,955 279 11.4 2 無形固定資産 421 0 0.0 (1) その他 421 0 0.0 3 投資等 740,789 83 3.4 (1) 投資及び出資金 197,842 22 0.9 (2) 長期延滞債権 25,810 3 0.1 (3) 長期貸付金 106,503 12 0.5 (4) 基金 418,054 47 1.9 (5) 徴収不能引当金 7,420 1 0.0 4 流動資産 1,234,722 138 5.6 (1) 現金預金 319,896 36 1.5 (2) 未収金 16,825 2 0.1 (2) 基金 898,000 100 4.1 資産合計 22,011,563 2,459 100.0 負債の部 1 固定負債 6,230,571 696 28.3 (1) 地方債 5,604,496 626 25.5 (2) 長期未払金 6,281 1 0.0 (3) 退職手当引当金 619,794 69 2.8 2 流動負債 607,315 68 2.8 (1)1 年内償還予定地方債 535,663 60 2.4 (2) 未払金 4,432 0 0.0 (3) 賞与引当金 58,826 7 0.3 (4) 預り金 8,393 1 0.0 負債合計 6,837,886 764 31.1 純資産の部 1 固定資産等形成分 21,676,317 2,422 98.5 2 余剰分 ( 不足分 ) 6,502,640 726 29.5 純資産合計 15,173,676 1,695 68.9 負債 純資産合計 22,011,563 2,459 100.0 5

3. 行政コスト計算書について行政コスト計算書とは 行政サービスを提供するのに伴って発生した一年間の費用 ( 行政コスト ) とそれに充てられる収入の状況を表したものです 貸借対照表 ( バランスシート ) では 資産の形成につながる費用が累積計上されているのに対し 行政コスト計算書では 当該年度 ( 単年度 ) 中に資産の形成以外に使われた費用が計上されています また 収入については 経常収益 ( 使用料 手数料 財産貸付収入 利子および配当金 ) のみとすることで 受益者負担を意識したものとなっています 一般会計の効率性に係る指標 住民一人当たり行政コスト 行政コスト計算書で算出される 純経常行政コスト を人口で割り返し 住民一人当たり 純経常行政コスト とすることにより 地方公共団体の経常的な行政活動の効率性を測定する指標です 住民一人当たり行政コスト= 純経常行政コスト / 住民基本台帳人口 5,384,488 千円 ( 純経常行政コスト )/8,951 人 ( 住民基本台帳人口 )=602 千円 性質別行政コスト 行政コスト計算書では 発生主義による性質別の行政コストが把握できます 6

一般会計の弾力性に係る指標 行政コスト対財源比率 純経常行政コストに対する財源の比率を見ることで 当年度の行政コストから受益者負担分を控除した純行政コストに対して どれだけが当年度の負担で賄われたかがわかります この比率が 100% に近づくほど資産形成の余裕度が低いと言え 更に 100% を上回ると 過去から蓄積した資産が取り崩されたことを表します 行政コスト対財源比率 = 純経常行政コスト / 財源 5,384,488 千円 ( 純経常行政コスト )/5,336,967 千円 ( 財源 )=100.9% 一般会計の自律性に係る指標 受益者負担の割合 行政コスト計算書の 経常収益 は 使用料 手数料など行政サービスに係る受益者負担の金額であるため これを 経常費用 ( 経常行政コスト ) と比較することにより 行政サービスの提供に対する受益者負担の割合を算出することができます 受益者負担の割合 = 経常収益 / 経常費用 ( 経常行政コスト ) 201,987 千円 ( 経常収益 )/5,586,475 千円 { 経常費用 ( 経常行政コスト )}=3.6% 債務返済能力指標 地方債の償還可能年数 地方債を 経常的に確保できる資金で返済した場合に 何年で返済できるかを表す指標 地方債の償還可能年数 = 地方債残高 / 業務活動収支 6,140,159 千円 ( 地方債 +1 年内償還予定地方債 )/505,601 千円 ( 業務活動収支 )=12.1 年 7