2. 地域の経済力等 1) 地域の雇用吸収力 若年層を引き留めるための雇用を地域が生み出すことができるかが大きな課題 北部地域においては 市町村合併や行財政改革に伴い 役場が縮小したことによって 雇用の場が減尐 公的セクターの縮小にともない 民間セクターも縮小する悪循環となっている 民間資本による雇

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資料1 第1回会議のポイントについて

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基本指針の概要 1 基本指針改定の趣旨近年 地域社会における社会的課題が多様化 複雑化する中 行政 企業 NPO 自治会などが互いに協力して課題解決に取り組み 地域社会をより住み良いものとしていくことが今後ますます重要となっています このため 従前の NPO 活動に関する基本指針 の基本的な考え方を

1) 3 層構造による進捗管理の仕組みを理解しているか 持続可能な開発に向けた意欲目標としての 17 のゴール より具体的な行動目標としての 169 のターゲット 達成度を計測する評価するインディケーターに基づく進捗管理 2) 目標の設定と管理 優先的に取り組む目標( マテリアリティ ) の設定のプ

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つのシナリオにおける社会保障給付費の超長期見通し ( マクロ ) (GDP 比 %) 年金 医療 介護の社会保障給付費合計 現行制度に即して社会保障給付の将来を推計 生産性 ( 実質賃金 ) 人口の規模や構成によって将来像 (1 人当たりや GDP 比 ) が違ってくる

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問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

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浜田市事務事業の外部化 ( 民間委託等 ) に関する指針 の 策定について 平成 25 年 5 月浜田市行財政改革推進本部 浜田市では 平成 17 年 10 月に市町村合併を行い 平成 18 年 2 月に 浜田市行財政改革大綱 を策定して 平成 22 年度までの 5 年間で改革に取り組んできました

資料 1

市町村合併の推進状況について

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03-1知事会提言かがみ文

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☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

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はじめに

いる 〇また 障害者の権利に関する条約 においては 障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとされている 〇一方 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度 ( いわゆる欠格条項 ) については いわゆるノーマライゼーションやソーシャルインクルージョン ( 社会的包摂 ) を基本理念とする成年

計画の今後の方向性

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P10 第 2 章主要指標の見通し 第 2 章主要指標の見通し 1 人口 世帯 1 人口 世帯 (1) 人口 (1) 人口 平成 32 年 (2020 年 ) までの人口を 国勢調査 ( 平成 7 年 ~22 年 ) による男女各歳人口をもとにコーホー 平成 32 年 (2020 年 ) までの人口

4 合併を選択した理由 合併を選択した理由は 直面する財政危機への対応よりも 将来に向けた行政体制の充実 強化や行政サービスの維持 向上 合併を選択した理由 地方分権時代にふさわしい基礎自治体としての行政体制の充実 強化を図るため 20 市町村 効率的 効果的な行財政運営により 行政サービスを維持


1 地域主権改革 Q1-6 市町村の人口規模はどのぐらいが適正かについて どういう議論があるのですか A1-6. 市町村の適正な人口規模について 大阪府自治制度研究会 においては 次のような検証 とりまとめがされています 検証 効率的な行政運営 備えるべき組織体制 望ましい行政サービス提供の 3 つ

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問題意識 1 現状 現在の制度 (1) 交付金 ( 件数は制度開始以降平成 23 年度までの累計 ) 件数 : 326 件 (H19) 557 件 (H23) 雪害 震災除く 支援額 : 168 百万 (H19) 180 百万 (H23) 雪害 震災除く 一事業当たりの支援額 : 約 50 万円 (

問題意識 1 現状 現在の制度 (1) 交付金 件数 : 326 件 (H19) 557 件 (H23) 雪害 震災除く 支援額 : 168 百万 (H19) 180 百万 (H23) 雪害 震災除く 一事業当たりの支援額 : 約 50 万円 (H19~21) 約 35 万円 (H22~23) 交付

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により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

目 次 1 章策定の趣旨 1 1 これまで経緯 1 2 さらなる行財政改革の必要性 1 2 章行財政改革の基本的な考え方 2 1 推進期間 2 2 基本方針 2 3 重点項目 2 (1) 事務 事業の効率化の推進 3 (2) 定員管理の適正化及び人材育成の推進 4 (3) 民間活力の活用 4 (4)

主な論点 資料 4 1. ワーク ライフ バランスの推進 生産性向上等の観点から 働き方とともに休み方を見直すことの必要性 重要性 (1) 有給休暇取得状況と長時間労働の国際比較 (2) 休暇取得と生産性との関係 (3) 仕事と仕事以外の生活の充実 2. 秋の連休の大型化等を実現する上での課題 (1

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25 周年を迎えたコミ協の新たな取組 について ( 報告 ) 20 周年に向けての見直し検討報告書 に明示された方策等の推進状況を企画総務部会で精査したところ そのほとんどが既に実施もしくは改善されていることがわかった ついては これらの事業は引き続き実施することとし 新たに 地域コミュニティ が抱

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資料3

地域包括ケア構築に向けた実態調査の実施 ひとり暮らし高齢者 高齢者のみ世帯 の全てを訪問形式で調査 地域全体で生活支援等必要なサービス内容を検討 H24 年度 H24.7 月 ~ひとり暮らし実態調査 ( 訪問 ) 集計 解析 ( 名古屋大学 )1 H 福祉を考える集会 ( 住民 関係者

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2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

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26 X 1.X バンド レーダー設置の必要性と京丹後市への配備決定 X BMD PAC-3 BMD

目 次 1. 作成の目的 P2 2. 推計方法 P2 3. 歳入の推移 P4 4. 歳出の推移 P5 5. 歳入歳出の比較 P6 6. 基金の状況 P7 7. 地方債残高の状況 P8 8. 経常収支比率の状況 P9 9. 実質公債費比率の状況 P まとめ P11-1 -

包括規定 案

0-1表紙

内部統制ガイドラインについて 資料

人 ) 195 年 1955 年 196 年 1965 年 197 年 1975 年 198 年 1985 年 199 年 1995 年 2 年 25 年 21 年 215 年 22 年 225 年 23 年 235 年 24 年 第 1 人口の現状分析 過去から現在に至る人口の推移を把握し その背

山梨県地域医療再生計画 ( 峡南医療圏 : 救急 在宅医療に重点化 ) 現状 社保鰍沢病院 (158 床 ) 常勤医 9 名 実施後 社保鰍沢病院 峡南病院 (40 床 ) 3 名 市川三郷町立病院 (100 床 ) 7 名 峡南病院 救急の重点化 県下で最も過疎 高齢化が進行 飯富病院 (87 床

注 : 平成 年度募集研究種目 国際的に評価の高い研究の推進 研究費の規模 / 研究の発展 H には 新たに基盤研究 (B) 若手研究 (A) の 種目に基金化を導入 若手研究 9 歳以下 ~ 年 (A) 500~,000 万円 (B) ~500 万円 研究活動スタート支援 年以内年間 50 万円以

渚泊推進対策 平成 29 年 3 月に閣議決定された 観光立国推進基本計画 において 農山漁村滞在型旅行をビジネスとして実施できる体制を持った地域を平成 32 年度までに 500 地域創出することにより 農泊 の推進による農山漁村の所得向上を実現する と位置づけられたところ 農泊 を持続的なビジネス

平成 22 年 4 月 9 日新しい公共円卓会議資料 平成 2 2 年 4 月 9 日第 5 回 新しい公共 円卓会議谷口委員提出資料 ソーシャルビジネスの振興について 1. 新しい公共とソーシャルビジネスの関係 2. ソーシャルビジネスの課題とこれまでの取り組み 3. 事業者及び支援者が集う 場

長期総合計画の計画的推進について < 部経営上の課題 取組方針 > H19 年度の各部の経営上の課題 取組方針の協議 < 行政改革 > 財政 人事など経営資源の現状分析 把握 課題についての対処方法の検討 行政改革実施計画の見直し <サマーレビュー > 懸案施策 事業の協議 < 実施計画 > 今後

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老いても美しく輝くために

構成 ヘルスケアサービスを担うインフラとしてのドラッグストア 日本におけるドラッグストア業界の発展 ドラッグストアに期待される役割 ドラッグストアを巡る環境の変化 1 高齢化社会 人口減少の進展 2 買い物弱者 への対応 3 他の小売業との競争激化 4 消費者に対する専門性認知の必要性 5 セルフメ

歳入総額 区分 平成 年度の財政フレーム ( 単位 : 百万円 ) 30 年度 31 年度 合計 構成比 構成比 構成比 263, % 265, % 529, % 一般財源特別区税特別区交付金その他特定財源国 都支出金繰入金特別区債 167

1. 行政運営の改革 町の現況と課題 厳しい財政事情や町民ニーズの複雑 多様化が進むなか 限られた行政経営資源 ( 人材 財源 情報 ) のもとで 町民が満足できるサービスを効率的 効果的に提供していくことが求められています 本町では 第 5 次松伏町行政改革大綱 に基づき協働によるまちづくりや 暮

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評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

新長を必要とする理由今回合理性の要望に設 拡充又は延⑴ 政策目的 資源に乏しい我が国にあって 近年 一層激しさを増す国際社会経済の変化に臨機応変に対応する上で 最も重要な資源は 人材 である 特に 私立学校は 建学の精神に基づき多様な人材育成や特色ある教育研究を展開し 公教育の大きな部分を担っている

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目次 要旨 1 Ⅰ. 通信 放送業界 3 1. 放送業界の歩み (1) 年表 3 (2) これまでの主なケーブルテレビの制度に関する改正状況 4 2. 通信 放送業界における環境変化とケーブルテレビの位置づけ (1) コンテンツ視聴環境の多様化 5 (2) 通信 放送業界の業績動向 6 (3) 国民

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4 地方公営企業会計基準の見直しの影響 ( 概要 ) 地方公営企業会計基準の見直しのため 平成 23 年度に地方公営企業法施行令等を改正し その改正内容が平成 26 年度予算 決算から全面的に適用となっている (1) 見直しの趣旨 昭和 41 年以来大きな改正がなされていない地方公営企業会計制度と国

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資料 1 人口減少 高齢社会における府と市町村のあり方研究会 ( 中間的な整理 案 ) 1~3 については 項目を追加 検討し ブラッシュアップすることを想定 4 については 論点として検討し 研究会としての具体的な提言につなげて いくことを想定 1. 統計からみる京都府の状況 生産年齢人口が減尐し 老年人口が維持されることから 人口が減尐し 高齢化率が上昇 一方で 世帯数が急増 ( 国勢調査 ) 京都府域は 地域ごとに人口減尐 高齢化の進展状況が異なる 丹後地域や相楽東部では 人口減尐割合が 40% を超過 社会保障関係経費はマクロで毎年 7,000 億円増加し 京都府内市町村で も 10 年前に比して 83% の増加 経常収支比率に占める高齢化の寄与も増加 北部では大学や雇用の場が尐なく 若年層の地域外流出が顕著 いわゆる 限界集落 が北部を中心に増加傾向 一方で 大規模団地を 抱える京都市周辺部では 都市の高齢化が進展 マクロの経済成長は鈍化 京都府域における地域間格差は拡大 ( 丹後地域の所得は平均に比して 35% 程度 ) 所得の低い地域は 公的サービスの地域 GDP に占める割合が高く 厳しい財政状況による公共投資の減が経済に直接影響 人口減尐 高齢化傾向の強い地域の経済成長可能性は 限定的にならざるを得ない 1

2. 地域の経済力等 1) 地域の雇用吸収力 若年層を引き留めるための雇用を地域が生み出すことができるかが大きな課題 北部地域においては 市町村合併や行財政改革に伴い 役場が縮小したことによって 雇用の場が減尐 公的セクターの縮小にともない 民間セクターも縮小する悪循環となっている 民間資本による雇用が見込めない地域においては行政主導による雇用の創出もあり得るが どこまでが行政の役割であるかは議論の余地 地域産業の創出には 事業と地域の関連性を意識することが肝要 地域産業をサステナブルなものとするための 民間 行政 その他の主体の関わり方が大きなポイントであり さらなる検討が必要 地域産業に期待するレベル ( 生きがいか 地域経済の下支えか ) に応じた取り組み方についても 考慮するべきポイント 2) 農林業の可能性 農林業の衰退が 人口減尐 高齢化の著しい地域の力を削いでいる大きな要因 農林業は 特に行政主導 補助金による誘導が行われてきた分野であり 農業者の創意工夫と発展を阻んできたといえる 地方分権や規制緩和の観点から 農林業の可能性を発揮する方策が見出せる 農林業による雇用の確保や地域を担う人材の育成 誘致のあり方 ビジネスモデルの確立方法について 検討する必要 地域の取り組みがサステナブルなものとなるための 事業者と行政の関わり方が大きなポイント 2

3. 地域の生活基盤 1) 地域交通等 基本的なインフラ 地域の経済力が衰え 基本的な地域の暮らしや生業が成り立たなくなっていることの具体的な表れが買い物難民である 雇用と移動の確保が地域を維持するための最大のポイントである アクセスの手段が限定されることが 買い物難民や地域医療の問題につながっているといえる 高齢化が進む地域では 配送サービスのニーズも高い 買い物難民対策は 同時に高齢者福祉対策などとあわせた複合的なものとしていくべき ボランティアとしての事業はサステナブルではない やはり地域において 仕事 として認識され 継続する必要 行政との距離感も重要 補助金に頼らない行政の支援のあり方はどのようなものか 模索する必要 過疎地有償運送には 制度的に使い勝手が悪い部分がある 人口減尐地域の実情 ニーズに合った仕組みに制度改正していくべき 2) 地域コミュニティ 人口減尐 高齢化地域では 行政以外の主体がいままで行政が行ってきた分野とオーバーラップする仕事を果たす必要性が高まっている そのような取り組みをサステナブルなものとしていくために 行政と多様な主体がどのように関わるかがポイント 特に担い手となる人材をどう確保していくか 地域を良く知った行政職員の果たす役割は大きい 市町村合併の影響をどう考えるか さまざまな団体がばらばらに活動するのではなく一元的なものとなる必要がある その仕組み方がポイント 機動的な対応可能性を考えて 法人格を持つ組織とするか 任意の組織にするかを選択するべき 地域住民の意見を反映させる仕組みづくり ( プラットフォーム等による市町村施策への関与 ) が必要 都市部における高齢化の進展は 過疎地域等に比べて極めて急激であり そもそも高齢化を見据えたライフスタイルになっていないことから 早急に対応方策を考える必要 3

4. 京都府 市町村 地域住民等の関わり 1) 市町村合併等 アンケート結果を分析 2) 地域と行政の連携のあり方 地域経済力が低下していることから 本来民間の役割を行政が一定程度担う必要もある場合があるのではないか 一方で 行政の機能縮小により 行政が担っていたサービスを地域が主体的に行うべき場合もあるのではないか 行政が地域に関わる期間や程度について ケースごとに考える必要があるのではないか 押し付け型の補助金による地域への関わりは 見直しが求められるのではないか 補助金が終了した段階で地域への関わりもなくなるのではなく それ以降もフォローアップする仕組みづくりが必要ではないか 住民が直接行政をチェックする仕組みづくりが必要ではないか 地域が 参加する のみならず 行政職員が直接地域に入り 府民ニーズをくみ上げるシステム作りが必要ではないか 行政は 地域の担い手の育成にどのような役割が果たせるか 行政職員が地域の担い手の一員として地域を支えていくことが必要ではないか 京都府は住民との距離感がある 地域に出てコーディネート機能を発揮する機会をもっと増やしていく必要があり かつ それを府の施策に確実に反映させていくシステムづくりも必要ではないか 行政は すべての地域をあまねく支援するスタイルから やる気のある 地域を積極的に支援し 他を引っ張るモデルを作っていくスタイルに転換していくべきではないか 大学生などの若者が地域の一時的な担い手となる人材育成や流動化を図る仕組みを形づくっていくことが必要ではないか 地域社会における公共活動を行政だけではなく 住民組織 NPO 事業団体 企業等の各セクターで広く担うための人材 ( 地域公共人材 ) を発掘 育成し 位置付けられないか 行政との対等な関係のもとに 地域公共人材の活動に対して持続的な資金措置を行うことにより 行政が直接執行するよりも より効果的 効率的に所期の公共目的を達成していけるようなしくみづくりを検討できないか 4

3) 京都府と市町村の連携のあり方 府域の地理的多様性 人口減尐 高齢化の進展の差異などを考えれば 京都府は 個別の地域課題に対し メリハリをつけて市町村を支援していく必要があるのではないか 枠組みありきの補助金行政から脱却する必要 財政支援を行う場合も ( 一括交付金など ) 地域の自主性を尊重した仕組みに変えていく必要があるのではないか 真に効果的な権限移譲等の制度見直しを進めていくために どのようなシステム作りが考えられるか 京都市との関係も含め 京都府と市町村との役割分担を全面的に見直す必要があるのではないか 府との連携や財政支援のみでは行政の責任が果たせない市町村が出てくる可能性があるが 京都府が一定の行政事務を肩代わりするような行政機能の再編をどう考えるか 府は 市町村と地域の間を取り持つコーディネート機能を期待されているのではないか そのためにはどのような施策展開が必要か 4) 市町村間の連携のあり方 市町村合併との関係をどう考えるか 市町村合併の代替として 広域連携は充分に機能するのか 広域的な連携になじむ行政とはどのようなものか 市町村間での広域的な連携による行政サービスの提供と 京都府が権限を肩代わりすることによる行政サービスの提供との選択はどのように考えるべきか 5) 住民参加 実質的な住民参加を担保するためにはどのような方策が必要か 世代間格差を避けるための現役世代の住民参加の確保方策をどのように仕組めばよいか 地域で考える力 が失われているのではないか 地域で考える力 を取り戻すためにはどのような取り組みが必要か 6) 人口減少が著しい地域 人口減尐が著しい地域における地域おこしの意義 タイムスパンをどのように考えるか 5

いわゆる 限界集落 のすべてを存続させるべくフォローしていく ことは現実的ではないのではないか ある段階で 一定の選別を行 う必要が生まれるのではないか ( これまでの開催経緯 ) 第 1 回研究会 (22/11/18) 第 2 回研究会 (23/ 1/19) 第 1 回フィールドワーク ( 綾部市 南丹市 )(23/ 1/21) 第 2 回フィールドワーク ( 京丹後市 与謝野町 )(23/ 2/ 9) 第 3 回研究会 (23/ 2/23) 23/ 3/16 予定のフィールドワーク ( 京丹後市 舞鶴市 ) は延期 第 3 回フィールドワーク ( 八幡市 和束町 )(23/ 4/ 7) 第 4 回研究会 (23/4/22) 6