目次

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大津市避難所運営マニュアル

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職員の運営能力の強化 避難所担当職員研修の実施 全庁対象の避難所担当職員研修(5 回開催で約 400 名参加 ) 区毎の避難所担当職員研修 男女共同参画の視点に立った避難所づくり 共助による災害時要援護者支援の取り組みについて説明 各区災害対策本部との連絡 避難所内の課題解決の調整など 地域団体等へ

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

3 歯科医療 ( 救護 ) 対策 管内の歯科医療機関の所在地等のリスト整理 緊急連絡網整備 管内の災害拠点病院 救護病院等の緊急時連絡先の確認 歯科関連医薬品の整備 ( 含そう剤等 ) 自治会 住民への情報伝達方法の確認 病院及び歯科診療所での災害準備の周知広報 - 2 -

(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】

要配慮者支援班の業務 1 配慮が必要な人の情報把握 (1) 情報把握 総務班名簿係と連携し 避難所利用者 ( 避難所以外の場所に滞在する人を含む ) のうち 配慮が必要な人を グループごとに把握する 避難支援のための個別計画がある場合は 内容を確認する (2) 聞き取り 避難所利用者でつくるグループ

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東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

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避難所開設手順・運営のポイント

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H25 港南区区民意識調査

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【Dig訓練とは】

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別添 事業者向け放課後等デイサービス自己評価表 及び 保護者等向け放課後等デイサービス評価表 について 放課後等デイサービスガイドライン ( 以下 ガイドライン ) は 放課後等デイサービス事業所における自己評価に活用されることを想定して作成されたものですが 各事業所で簡易に自己評価を行うことができ

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大規模災害対策マニュアル

4 災害時における他機関 他施設との協定の締結状況災害時に他機関 他施設との協定を結んでいる施設は 97 施設で 1 か所と締結している施設が多くありました 締結先は 地元自治会 町内会 病院 近隣施設 社会福祉施設 物流会社 福祉ネットワーク 市町村等でした 図 2 災害時における他機関 他施設と

避難所運営マニュアル 本編

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国土技術政策総合研究所 研究資料

資料 2-3 超大規模防火対象物等における自衛消防活動に係る訓練の充実強化方策 ( 案 ) 平成 30 年 10 月 31 日 事務局

1 ガイドライン策定の目的防犯カメラについては テレビや新聞で報道されているように 犯罪の解決や犯罪の抑止につながることなど その効果は社会的に認められており さまざまな施設に防犯カメラが設置されております しかし その効果が認知される一方で 防犯カメラにより個人のプライバシーなどの人権が侵害される

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

自治会における個人情報保護 名簿などにより会員の状況等を把握しておくことは 自治会でのコミュニケーションのため大切なことですが プライバシー保護の意識の高まりにより個人情報の提供を拒む方もいらっしゃるようです ここでは名簿の作成や利用など 個人情報の取り扱いについて記載しています 個人情報保護法と自

ください 5 画像の保存 取扱い防犯カメラの画像が外部に漏れることのないよう 一定のルールに基づき慎重な管理を行ってください (1) 取扱担当者の指定防犯カメラの設置者は 必要と認める場合は 防犯カメラ モニター 録画装置等の操作を行う取扱担当者を指定してください この場合 管理責任者及び取扱担当者

本書の目的介護保険サービス事業所は, 高齢者の方が多く利用しており, 災害発生時には避難等の援助が必要となるため, 事業者は, 災害発生時に迅速かつ適切な行動をとれるように備えておく必要があります 本書は, 介護保険サービス事業所が災害対応マニュアルを作成する際に特に留意する点についてまとめています

第 1 はじめに 1 ガイドライン策定の目的安全で安心なまちづくりを進める上で 近年 防犯カメラの設置は広く有用であると認められており 市内においても防犯カメラの設置が進んでいます しかし その一方で 知らないうちに自分の姿が撮影され 目的外に利用されること等に不安を感じる市民の方もいます そこで

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チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

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災害時アクションカード ( 鳴門モデル ) の作成 鳴門教育大学客員研究員プロジェクト研究 アクションカード とは, 医療現場で使われるカードである これは, 緊急時に集合したスタッフ一人ひとりに配布される 行動指標カード であり, 限られた人員と限られた物資で, できるだけ効率よく緊急対応を行うこ

二戸市地域防災計画 ( 震災編 ) の一部修正の新旧対照表現行改正案 目次 ( 震災編 ) 目次 ( 震災編 ) 第 1 章総則 第 1 章総則 第 1 節 計画の目的 351 第 2 節 計画の性格 352 第 2 節の2 災害時における個人情報の取り扱い 352 第 3 節 防災関係機関の責務及

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児童発達支援又は放課後等デイサービス事業に係る自己評価結果公表用(あかしゆらんこクラブ)

防災マニュアル 戸室 2 丁目自治会自主防災隊 自主防災隊組織図 任務と各役割 厚木市災害時要援護者支援制度実施要綱 要援護者支援体制について 戸室地区災害時における要援護者支援の活動プラン 要援護者への支援活動内容 災害時の要援護者支援に係る戸別訪問調査表 支援者連絡表 神奈川県立厚木高校避難所運

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環境 体制整備 4 チェック項目意見 事業所評価 生活空間は 清潔で 心地よく過ごせる環境になっているか また 子ども達の活動に合わせた空間となっているか クーラーの設定温度がもう少し下がればなおよいと思いました 蒸し暑く感じました お迎え時に見学させて頂きますが とても清潔だと思

第3回検討会_質の向上WG検討状況報告

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

平成18年度標準調査票

上川口小学校 保有施設 バリアフリー 種別有無品目数量 トイレ男女共用 毛布 9 入浴シャワー設備 ガス器具 水利 避難所環境整備 男女分離 多目的 施設概要 ブルーシート 99 枚 タオル 30 シャワー 校舎にありバスタオル 5 浴槽 プロパン カセットコンロ 懐中電灯 1 校舎にあり乾電池 (

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

東京都獣医師会多摩西支部と災害時協定の締結 東大和市と東京都獣医師会多摩西支部は 平成 27 年 2 月 5 日に 避難所において避難者に同行する動物の救護活動及び動物の飼育管理等の指導を得るため 災害時協定を締結しました そして同協定第 10 条の規定は 市と獣医師会は 避難所における対応について

( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

目 次 第 1 はじめに 2 1 ガイドライン策定の目的 2 2 ガイドラインの対象となる防犯カメラ 2 3 防犯カメラで撮影された個人の画像の性格 2 第 2 防犯カメラの設置及び運用に当たって配慮すべき事項 3 1 設置目的の設定と目的外利用の禁止 3 2 設置場所 撮影範囲 照明設備 3 3

18 定期的にモニタリンク を行い 放課後等ディサービス計画の見直しの必要性を判断しているか 19 カ イト ラインの総則の基本活動を複数組み合わせて支援を行っているか 20 障害児相談支援事業所のサービス担当者会議にその子どもの状況に精通した最もふさわしい者が参画しているか 関係機関や保護者との連

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1 策定の目的 この手引書は 茅ヶ崎市地域防犯カメラ ( 以下 地域防犯カメラ という ) の設置及び運用について配慮すべき事項を定めることにより 地域防犯カメラの有用性とプライバシー保護等との調和を図り 地域防犯カメラを適切かつ効果的に活用し 茅ヶ崎市の安心して安全に暮らせるまちづくりを推進するこ

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平常時の防災活動 家庭内対策 指導ポイント 家屋の耐震診断と補強 家具などの転倒 落下防止と避難経路の確保 市町においては耐 家具の転倒による被害を防ぐ 震診断や耐震補強の ため タンス 食器棚などの家 補助を行っていま 具は 動かないようあらかじめ す 固定しておきましょう 冷蔵庫 などキャスター

第8章 災害復旧計画

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目  次

目次 1. はじめに 1 (1) 基本方針策定の目的 1 (2) これまでの取組みと今後の取組み 1 (3) 街頭防犯カメラ と 施設監視カメラ 2 2. 設置に係る基本方針 3 (1) 設置場所 3 (2) 撮影範囲 4 (3) 設置していることの表示 4 (4) 設置地域の周知 4 (5) 地域

事業者向け 放課後等デイサービス自己評価表 平成 30 年 9 月実施 職員数 5 名 ( 回答数 :5 名回答率 :100%) チェック項目はいどちらともいえないいいえ現状改善点 工夫している点など 環境 体制整備 1 利用定員が指導訓練室等スペースとの関係で適切であるか 2 職員の配置数は適切で

上六人部会館 保有施設 バリアフリー FAX 種別有無品目数量 トイレ男女共用 - 毛布 90 枚 入浴シャワー設備 ガス器具 テレビ ラジオ 水利 避難所環境整備 スロープ 防災無線 炊事場所 エレベーター AED インターネット設備 ブルーシート 100 枚 タオル 300 枚 バスタオル 50

平成 26 年 3 月 6 日千葉医療センター 地域医療連携ネットワーク運用管理規定 (Ver.8) 千葉医療センター地域医療連携ネットワーク運用管理規定 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条この運用管理規定は 千葉医療センター地域医療連携ネットワーク ( 以下 千葉医療ネットワーク ) に参加

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 29 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

)各 職場復帰前 受入方針の検討 () 主治医等による 職場復帰可能 との判断 主治医又はにより 職員の職場復帰が可能となる時期が近いとの判断がなされる ( 職員本人に職場復帰医師があることが前提 ) 職員は健康管理に対して 主治医からの診断書を提出する 健康管理は 職員の職場復帰の時期 勤務内容

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

伊川谷児童デイサービスステップ 環境 体制整備 区分 1 チェック項目現状評価 ( 実施状況 工夫点等 ) 保護者の評価保護者の評価を踏まえた改善目標 内容 利用定員に応じた指導訓練室等スペースの十分な確保 利用人数が日によって変わるので利用者数に合わせて活動内容を工夫しています 2 職員の適切な配

指定特定相談支援事業 指定障害児相談支援事業の指定に係る Q&A 注意事項事業の実施にあたっては, 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定計画相談支援の事業の人員及び運営に関する基準 や 児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準 等を必ず確認

Ⅰ はじめに 1 ガイドラインを策定する目的 大阪市は 政令指定都市の中でも街頭犯罪が多い都市となっており 安全で安心して暮らせるまちづくりのための対策が必要となっています その中で 防犯カメラは 24 時間撮影が可能であることから 犯罪の抑止効果があるとともに 犯罪発生時には容疑者の特定にも役立つ

Taro-07_学校体育・健康教育(学

目 次 ページ はじめに 1 地区防災計画制度について 1 防災計画の全体像 地区防災計画制度の全体イメージ 2 地区防災計画とは 2 3 本冊子 手引き の活用方法 2 手引きの構成 手引きの活用イメージ 地区防災計画 作成の手引き 1 制度の背景 3 (1) 作成の目的 (2) 自助 共助の重要

1 東日本大震災での多くの被害が発生!! 平成 23 年 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は 三陸沖を震源としたマグニ チュード 9.0 仙台市内での最大震度 6 強 宮城野区 という巨大な地震でした 東部沿岸地域では 推定 7.1m 仙台港 もの津波により 家屋の浸水やライフラ

夜久野ふれあいプラザ施設概要 保有施設 バリアフリー トイレ男女共用 - 毛布 テレビ ラジオ FAX スロープ 防災無線 - ブルーシート 12 タオル 300 枚 バスタオル 50 枚 懐中電灯 1 乾電池 ( 単一型 ) 6 カセットコンロ 2020 年 8 月 1 台 ダンボール間仕切りセッ

防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン

PowerPoint プレゼンテーション

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者のために個室や隔離したスペースを確保する 身近な福祉避難所 また 一般の避難所や身近な避難所では避難生活が困難な要配慮者を避難させるために 社会福祉施設等に開設する 福祉避難所 と重層的に福祉避難所を設置することを想定している (2) 要配慮者とは福祉避難所の対象者として想定されるのは 法律上 要

☆配布資料_熊本地震検証

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 30 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

5 防災行動マニュアルの作成 自主防災会の防災行動マニュアルを具体的に作成していきましょう 次に掲げる項目について検討し, 実施する項目の にチェックをしていきます また, 災害図上訓練で検討した結果, 課題となった事項や実施すべき事項などで, 記載されていない項目があれば追記していきましょう Ⅰ

揖斐川町デイサービスセンター運営規程

避難所講演資料

3 熊野地区 被災 共助 第 3 回ワークショップの議論をもとに わが地区における地震による時系列での と それへの 共助 をまとめました 1 建物倒壊 注 1 の は活動内容を示し は活動準備を示す 老朽木造住宅面的被害木造密集市街地激しい揺れブロック塀 電柱の倒壊建物倒壊家具の転倒ガラスの飛散生

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1 はじめに 本市では 平成 17 年に 鹿児島市安心安全まちづくり条例 を定め 地域の安全は地域で守る を基本理念に 市と市民 事業者等が連携 協働し 安心して安全に暮らせるまちづくりを進めてきました これまでに防犯パトロール隊や青色防犯パトロール車による防犯活動をはじめ 安心安全ネットワーク会議

受付 母子受付 妊婦受付の設置 各書類と筆記用具 書類箱の準備 リーダー * 具体的な責任者名 あるいは役職を書くを確認する 受付と案内 (* 具体的な場所を書くに配置 ) の要員振り分け < 母子 妊婦到着時 > 母子は母子受付 妊婦は妊婦受付へ案内する 父親は体育館に入る * 家族の部屋を明記す

資料 4 平成 29 年 1 月 27 日記者会見 土地区画整理事業に関する土地利活用意向調査の実施結果について 復興推進本部都市整備推進室 1 土地利活用意向調査の目的 市内 4 地区の土地区画整理事業は 平成 29 年度末を目標に全ての宅地引渡しが完了できるよう鋭意工事を進めております 地権者へ

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家

Ⅱ 土砂災害警戒情報が出たら 緊急連絡網による連絡 電話 メール FAX その他 ( ) の実施 ( 副会長, 各種団体, 該当する自主防災部等 ) 緊急避難場所の開設準備を指示 隣接自主防災会へ情報を提供 該当自主防災部を通じて, 緊急避難場所として の開設準備中 ( 又は開設済み ) を住民へ伝

2 被害量と対策効果 < 死者 負傷者 > 過去の地震を考慮した最大クラス あらゆる可能性を考慮した最大クラス 対策前 対策後 対策前 対策後 死者数約 1,400 人約 100 人約 6,700 人約 1,500 人 重傷者数約 600 人約 400 人約 3,000 人約 1,400 人 軽傷者

の課題フェイズごとの食に関する問題 大規模な水害や地震が起きると ライフラインが寸断されたり家屋が倒壊 損傷したりして自宅で食事を摂ることができなくなります しばらくすると支援物資が運ばれてきますが 道路の寸断により時間がかかり食料が手に入りにくい状況も想定されます また 避難所や野外へ避難する人が

大正小学校 保有施設 バリアフリー 種別有無品目数量 トイレ男女共用 入浴シャワー設備 ガス器具 水利 避難所環境整備 炊事場所 シャワー 浴槽 プロパン カセットコンロ 井戸 保健 医務室 通気 換気設備 自動販売機 駐車可能台数 ヘリ離発着 スロープ AED 男女分離 多目的 プール 施設概要

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避難所運営マニュアル作成のためのガイドライン 平成 24 年 3 月 調布市

はじめに 地震, 台風等により大規模な災害が発生した場合には, 家屋の損壊やライフラインの途絶等により, 多数の市民が自宅での生活が困難となり, 避難所において長期間にわたり共同生活を営むことになる事態が考えられます 避難所は, 学校の体育館や公共のスポーツ施設が指定されていますが, 施設の構造や設備の面において, その機能を十分に果たしているとはいえず, 高齢者 障害者等の災害時要援護者を含む市民に対して運営面で細かい配慮が必要となります そこで, 避難所における共同生活を円滑に営むために, 一定のルール等を定めたものが避難所運営マニュアルといわれているものです 避難所運営マニュアルは, 地域の皆様が主体となって定めるものであり, 実際に運営する際はお互いに協力することが必要不可欠となります 市では, 避難住民の多様なニーズに対応できる避難所運営を行うため, そのマニュアル作成の促進を図ることとしました この避難所運営マニュアル作成のためのガイドラインは, 円滑な運営を行うため, 避難所ごとに実態に合った内容とすることが必要であり, その一助となるようまとめましたので, マニュアル作成の際に活用していただければ幸いです

目 次 Ⅰ ガイドライン 1 1 避難所運営マニュアル作成のためのガイドラインとは 2 1-1 避難所運営マニュアルガイドラインの目的 2 1-2 避難所運営マニュアルガイドラインの構成 3 1-3 避難所の概要 4 -⑴ 避難所の概要 4 -⑵ 避難所の機能及び役割 5 -⑶ 避難所運営の体制 6 2 避難所運営マニュアルの作成方法 8 2-1 マニュアル作成までの流れ 8 2-2 マニュアル作成の留意点 9 2-3 マニュアル作成の進め方 10 -⑴ 避難所運営マニュアル検討委員会の設立 10 -⑵ 検討委員会の活動内容 12 -⑶ 避難所の時期区分及び運営体制 14 -⑷ 避難所運営の流れ 18 2-4 学校施設の利用スペースや周辺の状況 19 -⑴ 学校施設の利用内容の検討 19 -⑵ 学校内や周辺の避難路等の危険箇所の確認 19 2-5 検討委員会の平常時における活動について 20

-⑴ マニュアル検証のための訓練の実施 20 -⑵ 訓練種別 20 2-6 運営マニュアルの構成 22 -⑴ 避難所運営の事前対策 22 -⑵ 避難所運営の時間経過による流れ 22 Ⅱ マニュアル作成例 23 1 避難所運営の事前対策 26 1-1 避難所運営マニュアルの目的 26 1-2 避難所の概要 27 -⑴ 避難所の概要 27 -⑵ 避難所の機能及び役割 28 -⑶ 避難所運営の体制 29 -⑷ 避難所の時期区分 31 2 避難所運営の全体の流れ 32 3 初動期 ( 地震発生から24 時間以内 ) 33 3-1 関係者の参集 33 3-2 初動期避難所運営組織の設置 33 3-3 避難所の開設準備 34 -⑴ 施設の点検 34 -⑵ 施設利用スペースの確保 35 3-4 避難所の開設 38 3-5 避難者の誘導 受入れ 39 3-6 避難者名簿の作成 40 3-7 設備 物資 食料の確認等 41

3-8 避難所運営組織の設立 41 3-9 運営上の留意事項 42 4 展開期 ( 地震発生後 2 日目から3 週間程度 ) 43 4-1 避難所運営委員会の設置 43 4-2 避難所運営委員会の編成 44 4-3 各部の業務 45 4-4 部の編成 46 4-5 班 ( 生活グループ ) の編成 46 4-6 避難所運営会議の開催 47 4-7 相談窓口の設置 47 4-8 ボランティアの活用等 48 4-9 各部の具体的な活動内容 49 -⑴ 総務部 49 -⑵ 管理部 50 -⑶ 情報広報部 52 -⑷ 施設部 54 -⑸ 食料物資部 55 -⑹ 医療衛生部 57 -⑺ ボランティア部 63 5 安定期 ( 地震発生後 3 週間目以降 ) 64 5-1 避難所運営会議の開催 64 5-2 避難所生活の見直し 64 6 撤収期 ( 日常生活が再開可能となったとき ) 65 6-1 避難所運営会議の開催 65 6-2 避難者の意向調査及び撤収時期等の説明 65 6-3 避難所の縮小 統合 65 6-4 避難所の閉鎖 66

様式集 様式 1 避難所開設チェックリスト 68 様式 2 避難所施設の利用計画 ( 開放スペース ) 69 様式 3 避難所収容者名簿 70 様式 4 避難者名簿 71 様式 5 避難所施設被災状況チェックシート 72 様式 6 避難所運営組織表 73 様式 7 避難所状況記録票 74 様式 8 外泊届出 75 様式 9 郵便物等受取簿 76 様式 10 取材受付票 77 様式 11 食料 物資要望票 78 様式 12 食料依頼票 79 様式 13 物資依頼票 80 様式 14 食料 物資受払簿 81 様式 15 食料 物資管理簿 82 様式 16 ペット登録台帳 83 様式 17 ボランティア受付票 84 資料集 資料 1 避難所の利用ルール 86 資料 2 避難所の開設手順 87 資料 3 避難所レイアウト図 ( 例 ) 88 資料 4 コンテナ内備蓄品一覧 89 資料 5 ペットの飼育ルール 90 資料 6 トイレの使用について 91

Ⅰ ガイドライン 1

1 避難所運営マニュアル作成のためのガイドラインとは 1-1 避難所運営マニュアルガイドラインの目的 地震, 台風等により大規模な災害が発生した場合は, 家屋の損壊やライフラインの途絶等により, 多数の市民が長期間にわたり避難所生活をしなければならないことが予想されます 阪神 淡路大震災の際, 行政主体の避難所運営は困難であることが明らかになり, 自主運営組織の有無が避難所生活の長期化や生活環境の良し悪しに大きく影響したといわれています そこで, 大規模な災害が発生したとき, 地域の皆さんが安心して避難所生活を送れるように, 避難所の運営体制を迅速に確立し, 円滑に推進する必要があります 避難所の運営については, 地域住民や市職員, 教職員等との連携が重要になります そのため, 避難所ごとに実情にあった避難所運営マニュアルを作成し, 予想される課題や範囲をあらかじめ示し, いつ, 誰が, 何を, どのように行うべきかを理解することが必要となります 円滑な共同生活を営むため, それぞれの避難所におけるルール等を定めたものが避難所運営マニュアルであり, ガイドラインはそのルールやマナーなどの決まり事を明文化し, それらを順守するための具体的な方向性を示したものです 2

1-2 避難所運営マニュアルガイドラインの構成 避難所運営マニュアル作成のためのガイドラインの構成は, 以下のとおりです 1 ガイドラインとは 目的, 構成 避難所の概要 2 運営マニュアルの作成方法 マニュアル作成までの流れ マニュアル作成の留意点 マニュアル作成の進め方( マニュアル検討委員会の設立等 ) 学校施設の利用スペースや周辺の状況 検討委員会の平常時における活動について( 訓練の実施 ) マニュアルの構成 3 マニュアル作成例 避難所運営の事前対策 避難所運営の全体の流れ 初動期( 地震発生から24 時間以内 ) 展開期( 地震発生後 2 日目 ~3 週間程度 ) 安定期( 地震発生後 3 週間目以降 ) 撤収期( 日常生活が再開可能となったとき ) 4 様式集 避難所運営で必要な書式の様式集開設チェックリスト, 施設利用計画書, 避難者名簿, 運営組織表等 5 資料集 避難所運営に必要な資料集避難所運営の利用ルール, 開設手順, レイアウト図, 備蓄品等 3

1-3 避難所の概要 ⑴ 避難所の概要 避難所は, 市があらかじめ指定している避難施設で, 災害時等に市長が開設 管理 運営し, 被災者に安全と安心の場として提供するものです 調布市地域防災計画では, 市立小 中学校, 都立高校等 32 箇所を避難所として指定しています 避難所の地区割り原則として小 中学校通学区域に準じ, 努めて自治会等の単位で収容します 対象とする避難者 1 災害によって現に被害を受けた市民 2 家屋の倒壊等により自宅では生活できない市民 3 水, 食料, 生活物資等が不足するため自宅では生活できない市民 4 避難勧告の対象となる市民 5 緊急に避難する必要のある市民 帰宅困難者については, 原則として避難所運営マニュアルで規定する避難者に該当しません ただし, 電車の運行状況や施設の利用状況により, 臨時に避難所として開設することがあります 4

⑵ 避難所の機能及び役割 避難所は, 災害時等において, 市民の生命の安全を確保する避難施設とし て, また, 一時的に生活する施設として重要な役割を果たします 避難所での生活支援の主な内容 項目内容 1 安全な施設への受入れ 安全 生活基盤の提供 2 非常食, 飲料水, 毛布, 生活必需品等の提供 3 一定期間の生活の場の提供 保健 医療 衛生支援情報支援コミュニティ支援避難者のケア 4 傷病の治療, 健康相談等の保健医療サービスの提供 5トイレ, 風呂, ゴミ処理, 防疫対策等, 衛生的な生活環境の維持 6 災害情報, 安否確認等の提供 7 復興支援情報等の提供 8 避難者が互いに助け合い, 励まし合う体制やコミュニティの維持 形成への支援 9 専門家による心のケア, 生活支援相談等 5

市職員等学校教職員市民避難者 避難所の運営に協力, 参加する ボランティア⑶ 避難所運営の体制 避難所の管理 運営については, 様々な関係者が関与し, 避難者以外の地域住民の方やボランティアの協力も積極的に求めていくことから, 役割分担を明確にすることが必要です そのため相互に連携し, 協力し合っていくための運営組織が必要となります 関係者役割初動期の態勢 市災害対策本部 避難所担当職員等 ( 市派遣職員 ) ボランティア支援本部 避難所施設管理者 ( 学校長等 ) 自主防災組織等地域住民 職員の派遣, 食料や物資等の配布を行う 避難所を開設 管理し, 避難者を支援する 避難所を拠点とする被災者支援対策を行う ボランティアの派遣調整, 応援依頼等を行う 施設被害の復旧と避難所の開設管理 運営に協力する 児童生徒の安全確保と学校の再開を優先する 避難所の運営を支援し, 避難所を拠点とする支援対策に主体的に参画する 就業時間 ( 1) 避難所担当の指定職員が参集する 休日 夜間 初動要員が指定の避難所に参集する ( 2) 就業時間 教職員が対応する 休日 夜間 指定された教職員が参集する ボランティア ( 市内 市外 ) 避難所の運営を支援する 初動期避難所運営組織 ( 市職員 教職員 避難所支援者 初期避難者 ) 避難所運営委員会 避難所運営に関する様々な活動を行い, 避難者代表, 市職員, 施設管理者, 自主防災組織等地域住民の代表者で構成する なお, 災害時要援護者や女性の参加に留意する 1 就業時間 : 原則, 月曜日から金曜日までの 8 時 30 分 ~17 時 15 分とする 2 市初動要員 : 休日 夜間など勤務時間外において, 市内で震度 5 弱以上の地震が発生した場合等において, 市役所本庁舎及び避難所に出動し, 災害対策本部が立ち上がり災害対応態勢が確立するまでの期間, 情報収集 伝達, 避難所開設及び運営等の業務を行う 6

避難所運営の概要図 災害発生直後の初動期から展開期 ( 被災生活支援期 ) になる時期に, 避難所運営委員会を立ち上げます 組織の概要図は以下のとおりです 避難所運営委員会 避難所施設管理者 ( 学校長等 ) 避難所自主運営組織 ( 避難者で構成し, 代表者や部長等を選出 ) 自主防災組織等地域住民 ボランティア ( 市内外 ) 避難所担当職員等 ( 市派遣職員 ) 市災害対策本部 災害発生直後の初動期の体制災害発生直後は, 市からの初動要員等や学校教職員, 初期避難者, 避難所支援者等で, 応急的な 初動期避難所運営組織 を設置し, 避難所の安全確認や避難所開設等を行ないます なお, 組織体制については事前に検討しておきます 7

2 避難所運営マニュアルの作成方法 2-1 マニュアル作成までの流れ 避難所運営マニュアルは, 地域住民主体の避難所運営マニュアル検討委員会を設け, 協議し作成します 避難所運営マニュアル検討委員会の設立 検討委員会の活動内容の検討 避難所生活の組織づくり 避難所生活のルールづくり 避難所施設の利用検討 避難所運営マニュアルの作成 検討委員会主体の訓練実施 ( マニュアル検証 ) 8

2-2 マニュアル作成の留意点 避難所を円滑に運営していくためには, 運営に関する具体的な手順等につい てマニュアルとして策定しておくことが重要となります 避難所運営マニュアル検討委員会を設立し, 避難所運営マニュアルを作成します 同マニュアルは, 避難者等で作る避難所運営委員会の活動, 初動期の避難所運営組織の体制, 学校施設の利用方法, 避難所生活のルールなどについて検討しておくものです 避難所は, 地域住民が協力し合って運営していくため, マニュアルの作成するための検討委員会には, 地域内の多様な住民の意見を反映していくことが重要です 災害時要援護者や女性の参加にも留意します 災害時, 地域住民が学校施設等を避難所として一定期間利用する場合, 避難所が避難者にとって秩序のある生活拠点として機能するよう, 避難所を運営する組織として 避難所運営委員会 を設置し, 避難所の自主運営体制の確立を図ることが必要となります 避難所運営委員会は, 避難所を開設した際に, 避難所の運営本部としての機能を果たす組織となります 災害発生直後は, 市からの初動要員等や学校教職員, 初期避難者, 避難所支援者等で, 応急的な 初動期避難所運営組織 を設置します そのため, 体制については事前に検討しておきます 作成したマニュアルが実効性のある内容であるか確認するため, 検討委員会のメンバーが主体となって訓練を実施し, 修正等を加えていく必要があります 9

2-3 マニュアル作成の進め方 ⑴ 避難所運営マニュアル検討委員会の設立 検討委員会の設立について避難所は, 避難した地域住民が協力し合って運営します そこで事前に避難所運営マニュアル検討委員会 ( 以下, 検討委員会 という ) を設立します 検討委員会のメンバーは, 地域住民, 防災関係団体, 市職員, 学校教職員等で構成し, 避難所運営マニュアルを作成し, 避難所生活のルールや利用施設等を事前に決めておきます 検討委員会の対象区域避難所である各市立小中学校等に検討委員会を立上げ, 避難所ごとの運営マニュアルを策定します なお, 中学校区域等については, 小学校区域と重複していることを踏まえ, 今後, 区域割りについて検討していきます 検討委員会の構成 1 避難所区域内の地区協議会, 自治会, 防災市民組織,PTA, 民生児童委員, 健全育成推進地区委員, 災害時要援護者及び関係団体等が参加します これらの団体等から代表として委員を選任します なお, 男女比率に配慮します 2 避難所の区域内に病院 社会福祉施設等がある場合は, 防災担当者や施設の関係者も検討委員会への参加をお願いします 3 市職員 学校教職員 その他防災関係機関等も参加 協力します 4 検討委員会を実施するにあたっては, 話し合いを円滑に進めるため, 議長として委員長を1 名, 補佐するものとして副委員長 2 名程度を選出します 作成にあたっての留意点 1 マニュアル作成にあたっては, 女性からの意見の反映に留意します 避難所において, お年寄りの世話や育児等を女性が担うことが多いことや, 長期間避難所生活する場合等, 女性の目線で避難所運営を検討することが重要なためです 10

検討委員会の構成 避難所運営マニュアル検討委員会 会長 1 名, 副会長 2 名程度を選出 調布市 避難所担当職員 関係部署 地域住民 地区協議会 自治会 防災市民組織 PTA 災害時要援護者及び関係団体 健全育成推進地区委員 民生児童委員等 学校 教職員 事務局 オブザーバー 地域内の病院 社会福祉施設等の防災担当者や施設関係者 消防, 警察 11

⑵ 検討委員会の活動内容 検討委員会では, 避難所の利用ルール ( 資料 1) や具体的な作業内容を話し合います また, 避難所での作業を効率よく行なうため, 部及び班態勢を構築します 地震発生直後,24 時間後,3 日後,1 週間後,3 週間後などの時系列に応じた運営課題を検討します 学校の平面図等の図面をもとに施設の利用内容を検討し, 避難所レイアウト図 ( 資料 3) を作成します 1 体育館, 教室および備蓄倉庫 2 学校が提供可能な備品 機器類の置き場や使用方法 3 避難所として利用するスペース, 避難所と学校の共用スペース, 学校として利用するスペースの検討 避難所内やその周辺の危険箇所や物資の運搬経路等, 避難所運営に欠かせない場所は, 現地を確認します 1 現地確認では, 避難路にブロック塀や階段の有無, 施設に段差の有無等実際使用する際, 危険や障害となる工作物の安全を確認します 2 現地確認は, 日中 夜間や季節を変えて行います 特に地震が夜間に発生した場合を想定し, 避難路や施設等を確認します 夜間は周りの状況が分かりにくくなっており, いつ地震が発生しても避難所が開設できるように訓練を行う必要があります 3 降雨 降雪の場合も念頭に置きます 崖や法面の土砂崩れや, 歩行時の足元も考慮します 災害発生直後に活動する 初動期避難所運営組織 の体制について事前に検討します 組織のメンバーは, 市からの初動要員等や学校教職員, 避難所支援者等で組織します, マニュアル作成後, その内容の検証を行い, より実効性のあるものとするためマニュアルに沿った訓練を行ないます 訓練結果から課題を抽出し, マニュアルを見直し, 修正していきます 12

検討委員会の活動 避難所運営マニュアル検討委員会 マニュアルの作成 1 運営委員会の体制と活動 初動期 展開期 安定期 撤収期 避難所生活のルール作り 2 学校施設利用の検討 学校の現状を把握 スペースの活用方法を検討 施設利用の優先順位の検討 3 学校周辺や避難路等の確認 危険箇所の調査 避難路の確認等 マニュアルの検証 1 防災訓練の実施 避難場所確認 避難所開設 受入 避難所生活体験 救護等 2マニュアルの修正 大震災発生 関係者の参集 01 初動期避難所運営組織の設置 移行 避難所運営委員会の設置 避難所運営マニュアルによる避難所運営 13

⑶ 避難所の時期区分及び運営体制 避難所開設から撤収までの流れとして, 初動期 ( 災害発生直後 ), 展開期 ~ 安定期 ( 被災生活の支援期 ), 撤収期 ( ライフライン復旧, 仮設住宅の建設 ) があり, 各時期の機能と体制を検討します 1 初動期は, 市職員 学校教職員等による施設の安全確認と避難所立ち上げについて検討します 2 展開期 ~ 安定期は, 避難所運営組織の体制と活動内容を検討します 3 撤収期は, 避難者の減少に伴う避難所の縮小, 閉鎖を検討します 初動期展開期安定期撤収期 関係者 避難者 役 割 摘 要 就業時間 市職員: 担当部署内 の指定職員が参集 学校教職員: 教職員が対応 初期避難者 休日 夜間 市職員: 初動要員が指定の避難所に参集 学校教職員: 指定された教職員が参集 市災害対策本部の支援 市職員( 避難所担当 ) 避難者代表 学校教職員 ボランティア, 自治会等 市災害対策本部と委員会の検討 避難者代表 市職員( 避難所担当 ) 会の縮小 廃止~ 学校教職員 応急的な初動期 避難所の安全確認避難所運営組織 避難所の開設の設置 避難所運営委員 本格的な避難所会による運営, 内運営組織の設置容の充実 避難所の縮小 閉 避難所運営委員鎖 就業時間 : 原則, 月曜日から金曜日までの 8 時 30 分 ~17 時 15 分とする 14

避難所運営体制の流れ 初動期 応急的な初動期避難所運営組織 市学校教職員職員 ( 初動要員 ) 学校教職員 初期避難者 役割 避難所の安全確認 避難所の開設 避難所支援者 展開期 ~ 安定期 本格的な避難所運営組織 後方支援市災害対策本部等 市職員 ( 避難所担当 ) 学校教職員 避難者代表 役割 避難所運営委員会の設置, 本格運営 ボランティア 自治会等との連携 撤収期 避難所運営委員会 市職員 ( 避難所担当 ) 学校教職員 避難者の減少に伴う規模縮小 避難者代表 役割 避難所の縮小 避難所の閉鎖, 施設の返却 15

避難所運営委員会の体制について 避難所を運営するため住民代表, 施設管理者, 市職員, ボランティアか ら構成される避難所運営員会をつくります 避難所運営委員会の組織図 ( モデル図 ) 避難所 避難所運営委員会 負担軽減 機能回復支援 施設管理者 部長総務部 班 災害対策本部 救援物資の配給 医師等の派遣 生活環境の改善 運営委任 連絡調整 連絡調整 各種要請ア 職員の派遣 ボランティ支援本部 応援依頼 派遣調整 運営の協力市職員代表運営の協力ボランティア代表等運営の協力 委員長 副委員長 副委員長 部長管理部部長情報広報部部長施設部部長食料物資部部長医療衛生部部長ボランティア部 班班班班班班 地域住民の安否確認 自主的活動の促進 班 : 生活グループ 部 : 部は避難者の代表で構成され, 避難所内での各種業務を運営します 班( 生活グループ ) : 避難所内での円滑な生活や活動を実施するために編成し, 部の活動に従事します 自治会等隣近所の住民グループの単位で班を編成します 16

部の主な業務内容 部の名称 ⑴ 総務部 ⑵ 管理部 ⑶ 情報広報部 ⑷ 施設部 ⑸ 食料物資部 ⑹ 医療衛生部 ⑺ボランティア部 各部で行う主な業務内容 1 運営委員会事務 2 災害対策本部との連絡調整 3 避難所レイアウトの設定等 4 防災資器材の管理 5 避難所の記録 1 避難者名簿の作成 管理 2 安否の問い合わせ 3 郵便物等の取次ぎ 1 情報の収集 2 情報の発信 3 情報の伝達 4 取材対応 1 避難所の安全確認 2 避難所の防火 防犯 1 食料 物資の調達 2 炊き出し 3 食料 物資の受入 4 食料 物資の管理 配布 1 医療活動 2 生活用水 3トイレ 4ごみ 5 掃除 6 洗濯 7 風呂 8 衛生管理 9ペット 1ボランティアの受入れ 2ボランティアの管理 17

勤務時間内 ( 就業時間 ) 勤務時間外 ( 休日 夜間 ) 関係者の参集初避難所の開設準備動期避難所の開設展組織の設置開期 組織の運営安定期撤収期避難所の閉鎖⑷ 避難所運営の流れ 学校教職員市職員 ( 初動要員 ) 1 市職員 ( 避難所担当 ) 市職員 ( 避難所担当 ) 学校教職員初動期避難所運営組織の設置 避難所開設準備 ( 地域住民と連携 ) 避難所施設の点検施設利用スペースの確保 避難者の誘導 受入れ避難者名簿の作成設備 物資 食料の確認等避難所運営組織の設立 避難所運営委員会の設置 避難所運営委員会の編成部 班の編成避難所運営会議の開催総務部管理部情報広報部施設部 食料物資部 医療衛生部 ボランティア部 避難所運営委員会の縮小 統合 避難所運営委員会の廃止 1 初動要員は, 災害発生直後に対応し, 避難所担当が到着した時点で交代する 18

2-4 学校施設の利用スペースや周辺の状況 ⑴ 学校施設の利用内容の検討 学校平面図等をもとに施設の利用内容を検討し, 現地を確認し, 体育館, 教室について利用スペースを検討します 1 避難所として利用するスペース 2 避難所と学校の共用スペース 3 学校の利用スペース 学校の災害時提供可能な備品や機器類を把握する ⑵ 学校内や周辺の避難路等の危険箇所の確認 学校施設内において災害等により危険箇所となりやすい所を確認する 避難路や物資運搬経路について確認 1 日中や夜間について危険な箇所 ( ブロック塀 階段等 ) を予め確認する 2 降雨や降雪の場合も念頭に置き, 崖や法面の土砂崩れ等の危険箇所を確認する 19

2-5 検討委員会の平常時における活動について ⑴ マニュアル検証のための訓練の実施 検討委員会のメンバーが主体となって, 災害時に早急に活動する体制がとれるように, 避難所運営マニュアルを検証 修正を行うために訓練を行います 災害時の避難所は, 避難者で混乱し, その運営には困難が予想されます 更に, 避難所を運営するために必要な物資の不足が予想されるなかで, 効率的に避難所を運営するには, 一定のルールが必要となります 1 避難所運営マニュアルに無理や無駄がないかを検証します 2 避難所運営マニュアルに基づき, 訓練を行います いつ, どこで発生するかわからない災害への対策として, 日頃からの準備及び訓練が被害を最小限に抑えるためには不可欠です 3 実際に指定されている避難所を活用します 4 現に避難する地域住民の方と協働し, 情報を共有します 5 避難所運営に携わる役員等は, 代理者を含め複数選出しておきます 6 訓練の実施結果を反映し, マニュアルを修正します これを繰り返すことにより, 更に効率的な運営マニュアルを作成していきます ⑵ 訓練種別 状況に応じて, 次のような訓練を実施します 1 避難場所確認訓練 ( 避難誘導 ) ア ) 地域ごとに, 地震を想定した一時避難場所や安否の確認, 情報連絡方法, 自宅から避難所までの危険箇所等の確認を行います 2 避難所開錠 安全確認 開設 受入訓練ア ) 職員の勤務時間外を想定し, 校門 体育館 校舎等の開錠, 施設の安全確認を行います イ ) 施設の安全確認は, 建築の有資格者 ( 建築士 応急危険度判定士 ) が実施することを原則としますが, 万一の場合に備え, 検討委員会の 20

メンバーも施設使用について簡易判定ができるよう, 避難所開設チェックリスト ( 様式参照 ) の記入方法を学びます ウ ) 電話 FAX 等通信機器, 掲示板等, 避難所運営に必要な機器の設置を行います エ ) 避難所施設の利用計画 ( 開放スペース ) に基づき, 避難所の開設手順を検討し, 避難者の活用スペースの配置, 利用上の問題点を検討 修正します オ ) 避難所への避難訓練と併せて, 避難者の誘導 受付 ( 避難者名簿の配布 記入 ) を行います カ ) 水道水 ( 飲み水等 ) の使用可否の確認, 及び濾水機の使用訓練キ ) トイレの使用可否の確認, 及び仮設トイレの組立て訓練ク ) 二次避難所や救護所, 病院等への搬送訓練 3 防災備蓄倉庫の内容物の確認訓練ア ) 備蓄倉庫の備蓄品等の状況を把握し, 内容物について熟知する 4 避難所生活訓練ア ) 備蓄品を活用し, 避難所での生活や宿泊訓練を行います イ ) アルファ米を使った炊き出し訓練の実施 5 救護訓練応急手当や車椅子の移動による, 災害時要援護者の対応訓練を行います 6その他ア ) 避難所生活の役割分担の確認イ ) 生活ルールの確認ウ ) ボランティアの受入れ訓練エ ) 防災無線 (MCA 無線等 ) の通信訓練他 21

2-6 避難所運営マニュアルの構成 ⑴ 避難所運営の事前対策 避難所運営の機能及び役割, 組織的に避難所運営を行なうための避難所運営委員会の設置等について検討します 1 避難所の概要 2 避難所の機能と役割 3 避難所運営の体制について ⑵ 避難所運営の時間経過による流れ 避難所運営の状況は, 時間の経過によって大きく異なってくる時期があります また, 避難所では, それぞれの時期に特有な運営課題が発生します 以下の4つの時間に区分して必要な業務等について記載します 1 初動期 ( 地震発生から24 時間以内 ) 避難所施設の安全を確保し, 住民主体の避難所運営に向けた準備となる期間です 2 展開期 ( 地震発生後 2 日目から3 週間程度 ) 避難者が本格的な避難所運営を開始し, 避難所ルールに従った生活の安定を確立する時期です 3 安定期 ( 地震発生後 3 週間目以降 ) 避難生活の長期化に伴い, 避難者の要望が多様化する時期です 一方, 避難者が減少してくるため, 避難所運営体制を再構築する時期です 4 撤収期 ( 日常生活が再開可能となったとき ) 電気 ガス 水道等のライフラインが回復し, 日常生活が再開可能となるため, 避難所生活が不要となります 自立が困難な避難者には, 住居や生活の支援体制が必要となります 22

Ⅱ マニュアル作成例 23

24

避難所運営 マニュアル 平成 年 月 日 避難所運営マニュアル検討委員会 25

1 避難所運営の事前対策 1-1 避難所運営マニュアルの目的 大規模な災害が発生した場合は, 家屋の倒壊 破損やライフラインの途絶により, 多くの市民が避難所生活をしなければならないことが予想されます 阪神 淡路大震災の際, 行政主体の避難所運営は困難であることが明らかになり, 自主運営組織の有無が避難所生活の長期化や生活環境の良し悪しに大きく影響したといわれています そこで, 大規模な災害が発生したとき, 地域の皆さんが安心して避難所生活を送れるように, 避難所の運営体制を迅速に確立し, 円滑に推進する必要があります 避難所の運営については, 地域住民や市職員, 教職員等との連携が重要になります そのため, 避難所ごとに実情にあった避難所運営マニュアルを作成し, 予想される課題や範囲をあらかじめ示し, いつ, 誰が, 何を, どのように行うべきかを理解することが必要となります 26

1-2 避難所の概要 ⑴ 避難所の概要 避難所は, 市があらかじめ指定している避難施設で, 災害時等に市長が 開設 管理 運営し, 被災者に安全と安心の場として提供するものです 避難所の場所 調布市地域防災計画では, 市立小 中学校, 都立高校, 大町スポーツ施 設の 32 箇所を避難所として指定しています 避難所の地区割り原則として小 中学校通学区域に準じ, 努めて自治会等の単位で収容します 対象とする避難者 1 災害によって現に被害を受けた市民 2 家屋の倒壊等により自宅では生活できない市民 3 水, 食料, 生活物資等が不足するため自宅では生活できない市民 4 避難勧告の対象となる市民 5 緊急に避難する必要のある市民 帰宅困難者については, 原則として避難所運営マニュアルで規定する避難者に該当しません ただし, 電車の運行状況や施設の利用状況により, 臨時に避難所として開設することがあります 27

⑵ 避難所の機能及び役割 避難所は, 災害時等において, 市民の生命の安全を確保する避難施設とし て, また, 一時的に生活する施設として重要な役割を果たします 生活支援の主な内容 項目内容 1 安全な施設への受入れ 安全 生活基盤の提供 2 非常食, 飲料水, 毛布, 生活必需品等の提供 3 一定期間の生活の場の提供 保健 医療 衛生支援情報支援コミュニティ支援避難者のケア 4 傷病の治療, 健康相談等の保健医療サービスの提供 5トイレ, 風呂, ゴミ処理, 防疫対策等, 衛生的な生活環境の維持 6 災害情報, 安否確認等の提供 7 復興支援情報等の提供 8 避難者が互いに助け合いや励まし合う体制, コミュニティの維持 形成への支援 9 専門家による心のケア, 生活支援相談等 28

市職員等学校教職員市民避難者 避難所の運営に協力, 参加する ボランティア⑶ 避難所運営の体制 避難所の管理 運営については, 様々な関係者が関与し, 避難者以外の地域住民の方やボランティアの協力も積極的に求めていくことから, 役割分担を明確にすることが必要です そのため相互に連携し, 協力し合っていくための運営組織が必要となります 関係者役割初動期の態勢 市災害対策本部 避難所担当職員等 ( 市派遣職員 ) ボランティア支援本部 避難所施設管理者 ( 学校長等 ) 自主防災組織等地域住民 職員の派遣, 食料や物資等の配布を行う 避難所を開設 管理し, 避難者を支援する 避難所を拠点とする被災者支援対策を行う ボランティアの派遣調整, 応援依頼等を行う 施設被害の復旧と避難所の開設管理 運営に協力する 児童生徒の安全確保と学校の再開を優先する 避難所の運営を支援し, 避難所を拠点とする支援対策に主体的に参画する 就業時間 ( 1) 避難所担当の指定職員が参集する 休日 夜間 初動要員が指定の避難所に参集する ( 2) 就業時間 教職員が対応する 休日 夜間 指定された教職員が参集する ボランティア ( 市内 市外 ) 避難所の運営を支援する 初動期避難所運営組織 ( 市職員 教職員 避難所支援者 初期避難者 ) 避難所運営委員会 避難所運営に関する様々な活動を行い, 避難者代表, 市職員, 施設管理者, 自主防災組織等地域住民の代表者で構成する なお, 災害時要援護者や女性の参加に留意する 1 就業時間 : 原則, 月曜日から金曜日までの 8 時 30 分 ~17 時 15 分とする 2 市初動要員 : 休日 夜間など勤務時間外において, 市内で震度 5 弱以上の地震が発生した場合等において, 市役所本庁舎及び避難所に出動し, 災害対策本部が立ち上がり災害対応態勢が確立するまでの期間, 情報収集 伝達, 避難所開設及び運営等の業務を行う 29

避難所運営の概要図 災害発生直後の初動期から展開期 ( 被災生活支援期 ) になる時期に, 避難所運営委員会を立ち上げる 組織の概要図は以下のとおりです 避難所運営委員会 避難所施設管理者 ( 学校長等 ) 避難所自主運営組織 ( 避難者で構成し, 代表者や部長等を選出 ) 自主防災組織等地域住民 ボランティア ( 市内外 ) 避難所担当職員等 ( 市派遣職員 ) 市災害対策本部 災害発生直後の初動期の体制災害発生直後は, 市からの初動要員等や学校教職員, 初期避難者, 避難所支援者等で, 応急的な 初動期避難所運営組織 を設置し, 避難所の安全確認や避難所開設等を行ないます 30

⑷ 避難所の時期区分 避難所開設から撤収までの流れとして, 初動期 ( 災害発生直後 ), 展開期 ~ 安定期 ( 被災生活の支援期 ), 撤収期 ( ライフライン復旧, 仮設住宅の建設 ) があり, 各時期の機能と体制を検討します 1 初動期は, 市職員 学校教職員等が施設の安全確認と避難所立ち上げについて検討します 2 展開期 ~ 安定期は, 避難所運営組織の体制と活動内容を検討します 3 撤収期は, 避難者の減少に伴う避難所の縮小, 閉鎖を検討します 初動期展開期安定期 関係者避難者役割摘要 就業時間 市職員: 担当部署内の指定職員が参集 学校教職員: 教職員が対応 休日 夜間 市職員: 初動要員が指定の避難所に参集 学校教職員: 指定された教職員が参集 市災害対策本部の支 初期避難者 援 市職員( 避難所担当 ) 避難者代表 学校教職員 ボランティア, 自治会等 避難所の安全確認 避難所の開設 避難所運営委員会による運営, 内容の充実 応急的な初動期避難所運営組織の設置 本格的な避難所運営組織の設置 撤収期 市災害対策本部と委員会の検討 避難者代表 市職員( 避難所担当 ) 学校教職員 避難所の縮小 閉鎖 避難所運営委員会の縮小 廃止~ 就業時間 : 原則, 月曜日から金曜日までの 8 時 30 分 ~17 時 15 分とする 31

2 避難所運営の全体の流れ 避難所運営を行う場合, 施設の点検や運営組織を設立することが必要です 関係者の参集から始まる避難所運営の全体の流れは, 以下のとおりです 関係者の参集初動期避難所運営組織の設置 避難所施設の点検 避難所施設の開設 避難者の受入れ 居住区割り 避難者名簿の作成 避難所運営委員会の設置 部 班 ( 生活グループ ) の編成 部 班による活動 32

3 初動期 ( 地震発生から 24 時間以内 ) 初動期は, 災害発生直後の混乱した状況の中で, 避難所を開設し運営するために必要な業務を行う期間です 3-1 関係者の参集 勤務時間内 1 大地震が発生し大規模な災害が発生した場合, 災害対策本部が設置され, 市の避難所担当職員が避難所に派遣されます 2 学校教職員は, 児童生徒の安全確保を図ります 3 市職員 学校教職員は, 避難所支援者や初期避難者に協力を求め, 避難所開設の準備を行います 避難所開設チェックリスト ( 様式 1) による点検 避難所支援者 : 災害時に避難所をサポートする地域の支援者 勤務時間 : 市の職員や教職員が勤務している時間帯で, 原則, 月曜日から金曜日までの 8 時 30 分 ~17 時 15 分の間 勤務時間以外 ( 休日 夜間 ) 1 震度 5 弱以上の地震が発生した場合, 指定された市職員 ( 初動要員 5 名 ) や学校教職員が避難所に参集します 2 市職員は, 避難所支援者や初期避難者に協力を求め, 避難所開設の準備を行います 3 避難所に設置してある備蓄コンテナの鍵は, 市職員が持参します 3-2 初動期避難所運営組織の設置 初動期避難所運営組織の設置 1 災害発生直後は, 市からの初動要員等や学校教職員, 初期避難者, 避難所支援者で応急的な初動期避難所運営組織を設置し, 避難所開設準備, 開設, 誘導, 受入れ, 名簿作成, 設備 物資 食料の確認等を行ないます 2 事前に初動期避難所運営組織を, 地域の方々等と検討し, 体制を整えておく必要があります 33

3-3 避難所の開設準備 ⑴ 施設の点検 避難施設への立入りは, 危険状況を点検し安全性が確認されてからとします 避難所施設被災状況チェックシート ( 様式 5) 1 建物が地震により損壊していることもあり, 施設の安全性が確認されるまで, 建物への立入りは禁止します 2 明らかに危険と認められる箇所については, 避難者が近付かないようにその周辺を立入禁止にします 3 避難者や自治会等の中から, 専門知識を有する方 ( 建築士または応急危険度判定士 ) を募り, 危険度判定の判断をしてもらいます 4 有資格者がいない場合は, 避難所に派遣されている市職員や学校教職員が目視による点検を実施します その際は2 名以上で確認し, 少しでも安全性に疑問がある場合には災害対策本部に連絡のうえ, 確認を取ります 34

⑵ 施設利用スペースの確保 安全点検を行った後に, 避難者の利用スペースを決めます 1 屋内で, 広いスペースが確保できる場所から利用スペースを決めます 例 ) 体育館 教室 2 居住スペースは, 身体障がい者 高齢者 乳幼児 妊産婦等の災害時要援護者を優先に決めます 避難所の管理や運営に必要な場所を決めます 1 避難所及び学校の管理 運営に必要な場所は, 避難者を受け入れるスペースにはしません 2 全体管理に使う場所も避難者を受け入れるスペースにはしません 例 ) 校長室, 職員室, 事務室, 会議室, 保健室, 医務室給食室, 調理室, 配膳室, 放送室, 視聴覚室理科室, 技術家庭室など薬品や機械等がある部屋物資の保管場所 3 避難者の共用スペース例 ) 玄関, 廊下, 階段, トイレ, 水場の周辺など あらかじめ利用計画を策定している場合は, 利用計画に沿って避難者のスペースを確保します 避難所施設の利用計画 ( 開放スペース )( 様式 2) 避難所として利用する場所は, 誰でも分かるように利用目的やその範囲などを張り紙やテープなどで表示 区分けをします 35

避難所としての施設利用 ( 避難所の利用スペース分類 ) 学校の場合 炊出しや調理のスペース 仮設テント 避難所の管理 運営のスペース 体育館入口 医療活動やカウンセリングのスペース保健室医療用テント 要援護者等の一時的なスペース 授乳のため等のスペース 和室 多目的室 避難者の利用可能なスペース 体育館 運動場など 通信や情報連絡のスペース仮設電話の設置 その他のスペース 最小限の授業場所スペース 玄関ロビー 廊下 踊場等 余裕教室 1 校長室 職員室等は, 早期の授業再開を考慮し利用は避ける 2 災害時要援護者に対しては, 冷暖房設備が整備された部屋や小部屋などを 当てることが望ましい 36

避難所運営用会議場所 避難所運営組織等のミーティング場所( 事務室等 ) 救護活動物資等の配布場所 物資や食料を配布する場所( 天候に左右されない場所 ) 用避難生活用屋外避難所に設けるスペース 避難者の受付 事務所 広報場所 避難スペースの玄関近くに設置 避難スペースの玄関近くに, 受付とともに設置 避難スペースの玄関近くに, 受付とともに設置 災害対策本部等からの情報伝達用 広報掲示板 と避難所運営用 伝言板 の設置 仮眠所 ( スタッフ用 ) 事務室や仮設テント等の確保 救護所育児室 授乳室物資等の保管場所特設公衆電話の設置場所 救護テントの設置や施設の医務室( 保健室 ) の利用 就寝場所から離れた場所を確保 救援物資などを収納 管理する場所 屋根のある屋外等, 在宅被災者も利用できる場所に設置 避難所内の就寝場所に声が聞こえない場所に設置 更衣室 ( 兼授乳場所 ) 個室又は仕切りの確保相談室 個人のプライバシーが守られる場所( 個室 ) の確保休憩所 共用の多目的スペースとして設置調理場 ( 電気調理器具 ) 電気湯沸しポットコーナー等の設置( 電気復旧後 ) 遊戯場, 勉強場所 昼は遊び場, 夜は勉強の場とし, 就寝場所から離れた場所 仮設トイレ ゴミ集積場 就寝場所に臭いが届かない所, し尿収集車の進入しやすい所, 就寝場所から壁伝いで行ける ( 高齢者等が行き易い ) 所 就寝場所に臭いが届かない所, ゴミ収集車が進入しやすい所 喫煙場所 屋外に設置 ( 学校 ( 園 ) など敷地内禁煙の施設は禁煙 ) 物資等の荷下ろし場 トラックが進入しやすい所 ( 屋外に仮設テント等を設置 ) 炊事 炊き出し場仮設入浴場洗濯 物干場駐輪場 駐車場 避難者が炊事 炊き出しができる仮設設備等を設置 トラックが進入しやすく, ボイラー等の使用や排水の確保ができる場所 自動車, 自転車の乗り入れ不可 住まい 置場を失った場合, 他の用途に支障がない場合に一時的に許可 ペット飼育場所 原則として, 屋外に設置 37

3-4 避難所の開設 原則として, 市長が避難所開設の要否を判断します 状況に応じては, 最も迅速に対応できる人 ( 施設管理者, 自治会等 ) が, 避難所を応急的に開設できるような体制を整えます 1 避難所内で, 電気 放送設備 水道 電話 インターネット 下水道 ( トイレ ) 等の使用が可能か否か確認します 2 避難所を開設後, 災害対策本部に避難所状況報告を行います 3 避難所が開設されたことを, 地域住民に周知 広報を行います 例 ) 防災行政無線, 市ホームページ, 市民防災情報メール, ラジオ, 広報車等 4 休日や夜間に大規模な地震が発生し, 何らかの理由により, 市職員の参集が遅れる場合も想定します 5 施設の鍵は, 自治会や自主防災組織の代表者が保管することも検討します 38

3-5 避難者の誘導 受入れ 開設準備中は, 施設の外で待機してもらいます 1 荒天時には, 改めて場所割りをすることを前提に施設内に誘導します 2 避難者に対して, 当面の避難所運営の協力を呼びかけます 避難所までは, 徒歩で避難してもらいます 1 避難者の移動経路 ( 敷地入口から施設入口までの間 ) と物資輸送の車両の進入経路については, 原則駐停車禁止とします 2 避難者に対しては, 自動車 自転車による避難を禁止します ( 災害時要援護者等を除く ) 避難者の受入れ 1 避難所の安全点検が終わり, 受入れ体制が整い次第, 避難者の受入れを行います 2 利用者の入所に備え, 施設内の破損物や備品を片付けるとともに, 最低限の清掃をします 3 避難者の人数 構成等により, 部屋割り スペース割りを指定し, 貼り紙 ロープ テープ等で表示します 4 立入禁止のスペースも, 同様に行います 5 施設の入口, 玄関に避難所の表示を行います 体育館では, 最初に通路となるスペースを確保します 備蓄品の養生テープを用いて通路部分のラインを引きます 最低限の通路は, 外周部分及び中央縦横となります ( 漢字の 田 の字のイメージ ) 受付の開始 1 受付場所を指定します 2 備品等 ( 机, 椅子, 筆記用具 ) の準備をします 3 受付付近の見やすい場所に, 施設の概略, 利用範囲, 利用するためのルールを表示します 4 災害時要援護者や負傷者を早期に把握し, 災害対策本部に連絡して医療機関への搬送等, 適切に対処します 必要に応じて, 災害対策本部の指示を受けます 39

3-6 避難者名簿の作成 避難者名簿( 様式 4) は, 避難所の受付で配布し, 避難者に記入してもらいます また, 記入は世帯ごととし, 必要と思われる項目を付け加えます また, 避難者名簿をもとに避難所収容者名簿を作成します 避難所収容者名簿 ( 様式 3) 1 家族構成, 年齢 2 家屋の被害状況 3 親族などの連絡先 4 家族の安否情報 5 特別な配慮が必要か 6 その他必要事項 ( 体調, ペットなど ) 緊急を要する要望も同時に調査します 病院 社会福祉施設などの受入希望等の緊急を要する要望について, 名簿に記入してもらいます 避難所名簿を回収します 1 記入もれや回収もれのないようにします 2 回収した避難所名簿は, 紛失しないよう厳重に管理します 名簿の内容に変更等がある場合は, 速やかに管理班に申し出てもらい修正します 避難者が公開を希望した場合は, 住所 氏名を避難所の伝言板に掲出します 退所者の名簿も保存しておきます 40

3-7 設備 物資 食料の確認等 避難所運営に必要な設備を確認します 1 放送室, 放送設備の点検 ( メガホン, 拡声器等 ) 2 通信機器, 事務機器の利用の可否 備蓄品 ( 物資 食料 ) を確認します 配布に備え, 必要数は避難者名簿等により確認します 設備や備蓄品が足りない場合, 必要なもの及び数量を把握し, 災害対策本部に要請します 物資 食料の配給については, できるだけ速やかに公平に行ないます なお, 災害時要援護者等必要度の高い人に配慮します 3-8 避難所運営組織設立準備 初動期避難所運営組織等で, 今後の避難所運営の中心となる人 ( 委員長 1 名, 副委員長数名 ) を検討します 1 避難所運営の中心となる人は, 避難者の意見により推薦された人など 自治会 防災市民組織の役員など 2 避難所運営の中心となる人が不在となることも考えて, 代理の選出も検討しておきます 避難所運営組織が形成されるまでは, 市職員, 学校教職員, 避難所支援者及び初期避難者で構成する初動期避難所運営組織が主体となって避難所の運営にあたります 41

3-9 運営上の留意事項 生活ルールの策定と周知多くの避難者が避難所で共同生活を行うには, 様々なルールが必要となります 1 避難所運営委員会において, 食事や消灯などの生活時間, ごみ処理やトイレの使い方などを決めます 避難所の利用ルール ( 資料 1) 等 2 決められた事項は, 掲示板などに掲載し周知します 災害時要援護者 女性への配慮避難所生活では, 避難者等が相互に協力し合うことが必要です 特に身体障がい者や高齢者等の災害時要援護者は, 災害による生活環境の変化に対応することが困難になる場合も多く予想されることから, 特段の配慮が必要となります そこで, 自分が災害時要援護者と考えられる人は, 自己申告により申請してもらいます 1 高齢者 身体障がい者 乳幼児 妊産婦等を優先して, 和室や空調施設のある教室に割り当てることになります 2 避難所では対応が困難と判断された場合, 設備のある別の避難所や福祉施設への搬送, または病院への収容等を検討し, 災害対策本部へ要請します 3 災害時要援護者のほか, 児童, 女性, 日本語のわからない人等, その他災害時にハンディを持つ可能性や不安があり, 自分は災害弱者だと思う人も避難時に自己申告を受付けます 4 避難者のうち, 負傷者 疾病者 災害時要援護者について, 次の内容を把握します ( 氏名, 年齢, 病名, 通常服用している薬, かかりつけ医療機関, 食事 物資等の個別要望等 ) 5 これらの申告書は個人情報とし, 取扱いに注意します プライバシーの確保体育館のような避難所では, 避難者のプライバシーを確保することが難しく, 世帯単位で可能な限り早い段階でパーテーション等による間仕切りを実施します 42

4 展開期 ( 地震発生後 2 日目から 3 週間程度 ) 展開期とは, 災害発生後 2 日目から約 3 週間程度までの期間であり, 避難者にとっては避難所での仕組みや規則に従った日常性を確立する時期です 4 1 避難所運営委員会の設置 避難者数が増え, 避難生活が長くなることが見込まれる場合は, 避難所運営委員会 を設置し, 避難所の自主運営体制の確立を図ることが必要です なお, 初動期避難所運営組織が設置されている場合は解散します 避難所運営委員会は, 避難所を運営する意思決定機関とし, 避難者の要望や意見の調整, 生活のルールの決定などを行います 1 避難所運営委員会は, 避難所全般について協議を行い, 方針を決定します 2 災害対策本部と連絡をとり, 避難所運営の調整を図ります 3 委員長 副委員長 各部長で構成し, 市職員および学校教職員が協力します 4 委員長 副委員長 各部長は, 避難者の総意により選出します なお, 女性の参加に配慮します 5 部長の業務分担を軽減するため, 副部長を複数置いても構いません 6 避難所生活が長期化してくると, 部長等の役員に就いていた人が自宅や仮設住宅等に移ることがあることから, 後任の人事に備える必要があります 7 避難所運営組織表( 様式 6) を作成し, 避難所受付周辺に掲出します 43

災害対策本部4 2 避難所運営委員会の編成 避難所運営委員会は, 委員長 副委員長 各部長によって編成し, 市職員, 施設管理者及びボランティアが協力して円滑な運営を行うための組織です 活動編成については, 統合または細分化することもあります 避難所運営委員会の組織図 ( モデル図 ) 避難所 避難所運営委員会 負担軽減 機能回復支援 施設管理者 部長総務部 班 救援物資の配給 医師等の派遣 生活環境の改善 運営委任 連絡調整 連絡調整 各種要請ボラ 応援依頼ンテ 派遣調整部 職員の派遣ィア支援本運営の協力市職員代表運営の協力ボランティア代表運営の協力 委員長 副委員長 副委員長 部長管理部部長情報広報部部長施設部部長食料物資部部長医療衛生部部長ボランティア部 班班班班班班 地域住民の安否確認 自主的活動の促進 班 : 生活グループ 部 部は避難者の代表で構成され, 避難所内での各種業務を運営します 班( 生活グループ ) 避難所内での円滑な生活や活動を実施するために編成し, 部の活動に従事します 自治会等隣近所の住民グループの単位で班を編成します 44

4-3 各部の業務 各部の主たる業務内容は, 次表のとおりです 部の名称 ⑴ 総務部 ⑵ 管理部 ⑶ 情報広報部 ⑷ 施設部 ⑸ 食料物資部 ⑹ 医療衛生部 ⑺ボランティア部 各部で行う主な業務内容 1 運営委員会事務 2 災害対策本部との連絡調整 3 避難所レイアウトの設定等 4 防災資器材の管理 5 避難所の記録 1 避難者名簿の作成 管理 2 安否の問い合わせ 3 郵便物等の取次ぎ 1 情報の収集 2 情報の発信 3 情報の伝達 4 取材対応 1 避難所の安全確認 2 避難所の防火 防犯 1 食料 物資の調達 2 炊き出し 3 食料 物資の受入 4 食料 物資の管理 配布 1 医療活動 2 生活用水 3トイレ 4ごみ 5 掃除 6 洗濯 7 風呂 8 衛生管理 9ペット 1ボランティアの受入れ 2ボランティアの管理 45

4-4 部の編成 避難者の代表により部を作り, 避難所内で発生する様々な事項への対応 実施内容について検討します 部は, 避難所運営委員会に設ける活動組織で, 避難所生活を自主的に運営します 部は, おおよそ1 班 ~5 班ぐらいを目途に編成します 部単位で避難所において行なう作業を分担し従事します 4-5 班 ( 生活グループ ) の編成 班とは, 避難所における避難者の生活や活動を円滑に行うために編成するもので, 自治会等の一定の住民組織を単位に編成し, 各班ごとに代表 ( 班長 ) を選出します 班は, 部に所属し, 部から指示された作業に従事します 各種連絡事項の伝達や, 避難所での活動 ( 炊き出しや日用品の配布, 掃除等 ) を行う際には, 班を単位とした行動をとることとなります 1 班は, おおよそ5~10 世帯ぐらいを目途に構成します 2 自治会やマンション, アパートのように普段からコミュニティがある場合はそのコミュニティを活かして班や部を構成します 3 食料 日用品等の必要数の把握や配布は, 班単位で行います 4 避難者での作業は, 班単位で分担して行います ( 例 : 炊き出しや掃除など ) 5 避難者数が少ないときは, 家族単位等になります 可能な限り, 顔見知り同士が集まれるように助言し, 避難者自身に組織させます 観光客 通勤客等, もともと地域内に居住していない避難者は, まとめて編成します 46

4-6 避難所運営会議の開催 災害対策本部との連絡調整事項, 避難所内の状況把握や課題等, 避難所の運 営を円滑に進めるため, 避難所運営会議を開催します 災害発生直後は,1 日 2 回, 朝食前および夕食後に開催します 朝の会議では, 前夜の避難所運営会議以降に連絡する必要が生じた事項を主として報告し, 夕食後の会議では, 避難所での課題や問題点への対処などを検討します 災害発生後, 時間が経過し連絡事項が減少すれば,1 日 1 回開催します 特に連絡事項がない場合でも, 必ず1 日 1 回は会議を開催し, 問題点等を協議します 構成員は, 委員長 副委員長 各部長とし, 必要に応じオブザーバーとして, 市職員 学校教職員 ボランティアの代表者等にも参加してもらいます 4-7 相談窓口の設置 避難者の不安 疑問 不満等に対し, 個々に相談できる窓口を設置し, ストレス等の軽減につとめます また, 女性相談員の配置に留意します 1 生活についての不安, 疑問, 不満, 将来の生活設計等について, 相談窓口を設けます 2 応急仮設住宅等の入居相談を行います 避難者の精神的なケアについて, 医師や保健師等の派遣を要請し, 専門家による相談の場を設けます 47

避難所4-8 災害時ボランティアの要請 避難所での作業対応について, 避難者だけでは人手が不足したり, 専門 的な知識, 技術を持った人が必要であったりすることから, ボランティア等の派遣を市対策本部へ要請する 要請要領 1 要請先 避難所運営委員会 避難所運営本部 ボランティア支援本部 ( 社会福祉協議会 ) 2 要請方法 無線, 電話,FAX, 直接口頭等 3 要請内容 派遣場所, 派遣人数, 業務内容, 他 ボランティアの流れ ボランティア 登録 災害対策本部 ボランティア支援本部 ( 社会福祉協議会 ) 派遣 ボランティアの要請 避難所運営本部 ボランティアの受入れ ボランティア窓口 ( ボランティア部 ) ボランティアの派遣要請 受付表によりボランティアの管理 各活動部へ 避難所内での活動 48

4-9 各部の具体的な活動内容 ⑴ 総務部 運営委員会事務避難所運営委員会の事務局を担当し, 避難所運営会議の開催や記録を行います 災害対策本部との連絡調整災害対策本部との連絡調整に関する窓口となり, 連絡調整事項の把握や整理等を行います 連絡調整事項については, 避難所運営会議で協議しますが, 緊急を要する場合は各部長と協議し, 避難所運営会議で事後報告します 避難所レイアウトの設定等 1 多数の人々が共同生活を円滑に進められるよう, 災害発生時間 被害状況 避難状況に見合った避難所のレイアウトを設定します 避難所レイアウト図 ( 資料 3) 2 災害時要援護者等の中には継続的な医療が必要な避難者もおり, 小部屋や冷暖房設備が整備された部屋を割り当てる等の配慮が必要です 3 女性専用の更衣室を設ける場合は, 空き教室を利用し, 個々に間仕切りをします これと関連して, 更衣室に準じて授乳室を設けます 防災資器材の管理救出, 救護に必要な資器材を確保するとともに, 必要に応じて貸出しを行います コンテナ内備蓄品一覧 ( 資料 4) 避難所の記録避難所運営会議, 避難所内の活動や情報などについて, 避難所状況記録票 ( 様式 7) に記録し, 今後の資料として活用できるようにします 49

⑵ 管理部 避難者名簿の作成 管理避難者名簿の作成は, 避難所を運営する上で最初に行う仕事であり, 安否確認や食糧 物資を全員に効率的に安定供給するために不可欠なものです 従って, できる限り迅速かつ正確に作成する必要があります 1 避難者の受付時, 避難者名簿の記入を依頼し, 回収します 体調の悪い方, 目の悪い方, 外国人などは記入を手伝います 避難者名簿の記載内容は, 個人情報であり, 取扱い 管理を厳重にします 回収した名簿は, パソコンまたは手計算で集計し, 毎日定時に入所状況等をまとめます 2 入 退所者を管理するため, 避難者名簿に記入を依頼します この名簿により, 空きスペースを把握し, 以後の部屋割り作りに活用します 新しい入所者には, 避難所の生活ルールを説明します 外泊する人がいる場合, 外泊届出( 様式 8) に記入を依頼します 退所をする場合にも, 申し出をしていただくようにします 安否の問い合わせ災害発生直後は, 安否を確認する電話等による問い合わせが殺到します また, 避難所には避難者のみならず, 来訪者等様々な人が出入りすることが予想されます そこで, 安否確認には避難者名簿に基づいて迅速に対応するとともに, 避難者のプライバシーと安全を守るために受付を一本化します さらに訪問者 ( 部外者 ) が避難所内に立ち入ることを規制します 1 安否確認の対応被災直後は, 施設あてと避難者あてにかかってくる電話が混乱しますので, 誰が電話の対応を行うのかを施設管理者と調整します 問い合わせに対しては, 避難者名簿に基づき対応します 2 避難者への伝言 50

施設内の電話は, 直接避難者へは取り次がないようにし, 通話内容を避難者に直接伝えるかもしくは伝言板に貼り, 折り返しの電話をしてもらいます また, 災害時要援護者には, その障がいの程度に対応した適切な手段により確実に伝えます 3 訪問者への対応避難者以外は, 原則として居住スペースに立ち入らせないようにします 訪問者との面会場所は, 避難所入口付近を指定し, 周知徹底させます 郵便物等の取次ぎ 1 避難者あての郵便物等は, 相当量になると予想されます 郵便物等の配達は, 避難者へ直接手渡してもらうこととしますが, 防犯上の観点から受付に声をかけるように協力を依頼します 2 避難者数が多い場合は, 受付で保管し 郵便物等受取簿 ( 様式 9) を作成するとともに, 紛失しないようにします 3 避難者が避難所を移動することも考えられますので, 郵便物等の受取人が不在となった場合は, 紛失することのないよう適正に管理し, 新しい避難所に届くように対処します 51

⑶ 情報広報部 情報の収集通信手段が絶たれた状況が続く場合, 情報が錯綜し不安が募りますので, 正確な情報収集が求められます 1 市災害対策本部, 警察, 消防など, 防災関係機関へ直接連絡を取り, 必要な情報を収集します また, 直接出向き, 公開されている情報を収集します 2 他の避難所との情報交換を行うことにより, 地域の状況を把握します ただし, デマには注意しなければなりません 3 テレビ ラジオ インターネット 新聞など, あらゆるメディアから情報を収集し, 集まった情報は分かりやすく整理します 4 情報は常に新しくなるので, その情報を受けた日時を必ず明記します 情報の発信避難所の状況を正確かつ迅速に外部へ伝達することは, 適切な支援を受けるために重要なことです また, 避難所が地域の被害情報等を発信することにより, 災害対策本部は被災地全体の被害状況をより詳しく把握することができます 1 情報発信の窓口を一本化し, 避難所から発信した情報の整理を行います 2 避難所は地域の情報拠点となり, 地域への情報発信を行います 情報の伝達 1 正しい情報を避難者全員が共有することは非常に重要なことです 避難所内の情報を効率よく, かつ漏れのないように避難者に伝える必要があります 特に, 災害時要援護者への伝達には十分配慮します 2 避難者全体への情報伝達は, 原則として文字による情報とし, 緊急時には放送設備を使用しますが, それ以外は, 入口近くの見やすい場所に掲示板を作成し, 貼り紙などで伝達します 52

掲示する情報としては, 次のようなものが考えられます 最新情報 ( 当日入った情報 ) 市役所からのお知らせ ( 罹災証明発行, 被災者生活再建支援制度など ) 生活情報 ( 風呂, 給水車, ライフライン復旧状況 ) 復興情報 ( 求人, 復興資金 融資など ) 使用施設関連情報 ( 避難所となった施設に関する情報 ) 相談所の開設情報 ( 医師などの派遣情報 ) その他 ( かわら版, 避難者同士の情報交換 ) など 3 掲示板に掲載する情報には, 必ず掲示日時を掲載し, いつの時点の情報であるか明確にします そして, 避難者には定期的に掲示板を見るように呼びかけます 特に重要な項目については, 避難所運営委員会で部長に連絡し, 部長を通じて口頭で避難者へ伝達します 4 障がい者や日本語が通じない人など, 情報が伝わりにくい避難者に対しては, 災害対策本部と連携して情報伝達に配慮します 5 避難者個人への情報伝達は, 伝言板に氏名を掲示して担当者から本人に伝えます この際, プライバシーに配慮します 取材対応発災直後, 避難所には報道や調査関係者が詰めかけることが予想されます そこで, 取材を許可するか否かの判断, 許可をした場合の対応策等については, 基本的に避難所運営会議で決定します 1 原則として, 取材 調査は避難所の代表者が対応します その際, 避難者のプライバシーに配慮すること, それを守らないときは中止することを伝えます 2 避難所での取材を行う場合は, 必ず受付に立ち寄り, 取材受付票( 様式 10) に記入してもらいます 取材者は, 腕章などを付け, 身分を明らかにしてもらいます 居住スペースに立ち入る場合は, その避難所運営会議に諮り, 承諾を必要とします 避難所内の見学 取材は, 必ず部員が立会い, 避難者への取材は, 本人が同意した場合のみとします 53

⑷ 施設部 避難所の安全確認 余震等による二次災害を防止するため, 施設の安全確認と危険箇所への 対応を早急に行います 1 災害対策本部へ応急危険度判定士の派遣を要請し, 判定を行ってもらいます 2 危険と判定された箇所については, 立入りを禁止し, 貼り紙やロープを用いて注意を呼びかけます 特に子供が立入るおそれのある危険箇所については, バリケードを作るなどして立入りを禁止します 避難所の防火 防犯被災地が混乱している間は, 盗難 暴力事件などで避難所周辺の治安が悪化したり, 集団生活において火災の危険性が増大する傾向があります 1 火気取扱いの制限等 室内での火気取扱いは, 原則として禁止です ストーブが使用できる場合, 部屋ごとに火元責任者を決め, 厳重に管理します 喫煙については指定場所のみ許可します 火気を取り扱う場所は, 必ず消火器や防火バケツ等を設置します 2 夜間の当直制度 異常事態の発生に備えるもので, 当直者は避難所運営本部室等で仮眠をとるようにします 防火防犯のため, 夜間巡回をします 余裕があれば, 消防 警察 地域の自治会等と協力して地域の防火 防犯にも努めます 3 外部者の出入り制限 多くの避難者が生活する避難所では, 全ての入口の扉を施錠することが困難なため, 不特定多数の人の出入りが可能となり, 盗難などのトラブルが起きやすくなります 日中は入口付近に受付を設け, 担当者が外来者をチェックすることが必要となります 夜間における入口の扉は, 避難所運営本部室に近い入口を1 箇所だけ施錠せず, 出入りができるようにします 4 避難所で生活する避難者の出入りについても検討します 54

⑸ 食料物資部 食料 物資の調達 1 災害発生直後は, 食料の十分な配布を行うことが困難なため, 災害対策本部へ避難所の避難者数や必要な食料 物資を報告します 2 人工透析患者 糖尿病患者等の場合は, 食事制限があり, 高齢者の場合は軟らかいものが必要であるなど, 災害時要援護者に対する食料の確保には十分配慮が必要です 3 状況が落ち着いてきたら, 各班 ( 生活グループ ) 長から避難者の食料 物資に関する要望をまとめ, 災害対策本部へ支給を働きかけます 食料 物資要望票 ( 様式 11), 食料依頼票( 様式 12), 物資依頼票 ( 様式 13) 炊き出し 1 災害対策本部から食料等が支給されるまでの間, 調理施設等が衛生的に利用でき, かつ防火対策が講じられる場合は, 避難者全員に呼びかけ, 協力し合い炊き出し等を行えるようにします 2 食中毒を起こさないために, 原則として加熱するものとし, 生ものは避けます 3 火気の使用には十分に気をつけます 食料 物資の受入れ 1 災害対策本部から食料 物資が届いたら, 当番制を組み, 荷下ろし 搬入のための人員を確保します 2 個数及び品目を 食料 物資受払簿 ( 様式 14) に記入し, 適正な管理をします 食料 物資の管理 配布 1 災害発生直後は, 避難所生活で必要な食料 物資を十分に配布することができません 災害対策本部に避難所の場所と避難者数や食料 物資を速やかに報告するとともに, 防災備蓄倉庫からの備蓄品で当分の間をしのぎます 場合によっては, 避難者から食料を提供してもらい, それ 55

を分けて当座をしのぎます 2 食料 物資の在庫管理は, 避難所運営において重要な仕事となります 在庫管理を徹底することで, 避難所内での要望に対して迅速な対応が可能となり, また, 不足しそうな食料 物資の支給を効率よく災害対策本部に働きかけていくことが可能となります 3 食料 物資を有効利用するため, 食料 物資管理簿( 様式 15) により, その種類と在庫数を常に把握しておきます 4 食料の保管は, 受入れ時に消費期限や賞味期限を確認し, 見える位置に記載しておきます 古くなった食品は処分します 5 物資の管理には十分に注意を払います 特に梅雨時期などは, カビ ダニが発生する危険性がありますので, 貯蔵庫の衛生管理には十分注意する必要があります 6 食料の配布は, 余裕があれば引換券等を利用する 緊急の場合には, 災害時要援護者を優先します 7 全員に配布する必要がある物資については, 人数分を確保できた時点とします もし, 必要数が確保できない場合は, 災害時要援護者等から配布します ア全員に平等に配布するもの ( 例 : 衣類 毛布 ) イ必要な人が取りに来るもの ( 例 ; おむつ 生理用品 ) ウ全員が共同で使用するもの ( 例 ; トイレットペーパー ウエットティッシュ ) 56

⑹ 医療衛生部 医療活動災害時には, 全ての避難所に医療救護所 ( 災害対策本部が医療救護を実施する場所 ) が設置されるとは限りません 可能な範囲で, 負傷者 疾病者の治療にあたるとともに, 身体障がい者や高齢者などの災害時要援護者の介護等を行う必要があります 1 近隣の医療救護所, 医療機関の開設状況の把握をします 2 避難者の中に, 医師 看護師等の有資格者がいる場合には協力を要請し, 一時的に保健室等を利用して緊急の医療体制を作ります なお, 医師には専門があることに留意します 3 保健室等で対応できない場合には, 速やかに医療救護所や近隣の医療機関に搬送します 4 備蓄医薬品や保健室に備え付けの医薬品等の種類 数量を把握し管理します 5 避難者のうち, 負傷者 疾病者 災害時要援護者については, 次の内容を把握します ただし, プライバシーの観点から把握した情報の管理には十分に注意します 氏名 年齢 性別 病名 通常服用している薬 かかりつけ医 食事, 物資等の個別要望 6 病人やけが人は医療機関への収容, 災害時要援護者については, 本人の意向を確認したうえで実情に合わせ, 適応設備のある避難所や福祉施設等への移送が必要となります 生活用水災害時に生活用水を確保することは, 非常に重要な仕事です 生活用水の確保は, 労力を要する仕事なので, 避難者全員で行います 避難所で使用する水は, 用途に応じて明確に区別します 57

1 飲料 調理用の水 飲料用の水は, 非常用として備蓄または救援物資として届くペットボトルもしくは浄水場から給水車で運搬される水を使用します ペットボトルはできるだけ冷暗所に保管し, 開栓後は長く保存しないようにします 2 手洗い 洗顔 食器洗い用の水 給水車の水やろ過水 ( ろ水機 ) を使用します 手洗い, 洗顔用として使用した水は, トイレ用水として再利用することを心がけます 3 風呂 洗濯用の水給水車の水やろ過水 ( ろ水機 ) を使用します 4 トイレ用の水プール, 河川の水を使用します 飲料用調理用 手洗い, 洗顔, 食器洗い用 飲料水 ( ペットボトル ) 風呂用洗濯用 トイレ用 給水車の水 ろ過水 防災井戸 プール 河川の水 凡例 : 最適 : 使用可 : やむを得ない場合のみ使用可 : 使用不可 トイレライフラインが寸断され, 水が自由に使用できない状況下では, トイレの確保は重大な問題となります 避難者数に応じたトイレや災害時要援護者のための洋式トイレを確保し, その衛生状態を保つことは, 避難所運営において重要な仕事となります トイレの使用について ( 資料 6) 1 施設内のトイレ排水管の使用可否について調べ, 使用不可能な場合は, トイレを使用禁止とし, 貼り紙などして避難者に周知します なお, 排水管の状況が不明な場合は,1 階のトイレを優先的に使用するようにします 58

2 既設のトイレが使用できない場合は ( 多数の避難者がいる避難所では既設トイレの使用可否に関わらず ), 速やかに仮設トイレの設置場所と必要数 ( 概ね100 人あたり1 基 ) を災害対策本部に連絡します 3 排水管が使用可能な場合は, 汚物を流すための水を確保し, トイレとして使用します 4 仮設トイレは, 避難者が利用しやすい場所に設置し, 可能な限り照明電源が確保できる所とします また, 男女別に分け, 共用することのないようにします ( 乳幼児を除く ) 5 トイレの清掃 消毒は, 定期的に行い, 衛生管理には十分注意を払います 6 手洗い用として消毒水を用意し, トイレットペーパーや清掃用具も確保します ごみ避難所では多くの人が共同生活をするため, 大量のゴミが発生します また, 災害発生後の混乱した状況では, ごみの収集も滞る恐れがあります 1 避難所敷地内の屋外で, 次のような場所にゴミ集積場を設置します ごみ収集車が出入りしやすい場所 調理室など, 衛生に関して十分に注意を払わなければならない箇所から離れた場所 居住スペースからある程度以上離れ, 臭気など避けられる場所 直射日光が当たりにくく, 屋根や壁のある場所 2 ごみの分別収集を徹底し, ごみ集積場は清潔に保ちます 通常通りの分別収集をするように呼びかけます 危険物 ( 破損したガラス, カセットボンベ等 ) の分別には特に注意を払います ごみは, 班 ( 生活グループ ) ごとにごみ袋を設置してまとめ, ごみ集積場に捨てます 残飯等は, 野良犬 猫, 烏等に食い荒らされることのないようにします また, 水気を取り, ごみの量を減少するように努めます 59

掃除多くの人が共同生活を行う避難所では, 避難者全員が避難所内の掃除を心がける必要があります 1 トイレ, 風呂などの共有部分の掃除は, 班 ( 生活グループ ) を単位に当番制を組み, 交代で行います 2 居室としている部分の掃除は, 毎日 1 回は実施するように呼びかけます 3 災害時要援護者のみが居住としている部分の掃除は, 医療衛生部が手伝うようにします 洗濯 1 班 ( 生活グループ ) ごとに使用時間割りを決めます この際, 災害時要援護者や子供がいる家族には配慮します 2 洗濯物の乾燥については, できる限り日当たりがよく, 盗難やプライバシーの保護の観点から, 人目につきにくい場所を選定します また, 女性専用の乾燥場を設ける等, 盗難防止等の対応策をすることが必要となります 風呂多数の避難者が生活する場所において, 避難者が平等かつ快適に入浴の機会が得られるようにします 1 避難所内に仮設風呂, シャワーが設置されない場合には, もらい湯や近くに公衆浴場があれば, その開店状況を確認し利用を呼びかけます 2 避難所内に仮設風呂, シャワーが設置された場合には, 男女別, 班 ( 生活グループ ) 単位に利用時間を定めます 3 風呂の掃除は, 当番を決めて交代で行います 衛生管理ライフラインが停止し, 物資が不足する中での避難所生活は, 決して衛生的なものとはいえません 感染症等, 疾病の発生を予防し, 過ごし易い避難環境を作るためには衛生管理に十分注意を払う必要があります 1 消毒液を調達し, 消毒水を作り, 手洗いを励行します また, 季節によっては, 施設内の必要箇所を消毒します 60

2 食器は衛生管理上, できるだけ使い捨てのものを使用します もし, 使い捨ての食器を十分に調達できない場合は, 食器にラップを巻くことで洗う必要が無くなります 食器を再利用する場合には, 各自が用いる食器を特定し, 洗浄などは各自が責任を持って行います 3 避難所での集団生活においては, 風邪などの感染症が蔓延しやすくなるため, 十分な対策を講じる必要があります 外出から帰ってきたら, うがい 手洗いを励行します また, マスクやうがい薬などの予防薬も準備する必要があります ペット災害が起こると, ペットも人間と同様に生活の場所を失います また, ペットの存在は, 飼い主にとっては全く気にならないことでも, 他の人にとっては相当のストレスとなる場合があります ペットは, 鳴き声, 排泄物, 臭いなどの課題があり, 様々な人が生活する避難所内で人とペットが共存するには一定のルールを設け, トラブルにならないように注意することが必要となります 盲導犬 介助犬 聴導犬などの身体障がい者の補助犬は, ペットではありません 身体障害者補助犬法 により, 公共的な施設を身体障がい者が利用する場合に同伴を認められています ただし, 避難所内に同伴することにより, 他の避難者がアレルギー等を起こす可能性がある場合は, 身体障がい者と補助犬に別室を準備する必要があります 1 避難所の居住スペース部分には, 原則としてペットの持ち込みは禁止とします これは, 多種多様の価値観を持つ人が共同生活を行う場所では, ペットの飼育をめぐるトラブルが発生しやすいことやアレルギーの発症のおそれがあるためです 2 ペットの飼育スペースは, 避難所敷地内に専用スペースを設け, つなぐかケージ等で飼育するようにします 専用スペースにはできる限り屋根 壁等をつけ, 風雨がしのげるようにします また, 校庭での放し飼いを禁止します 3 ペットとの共同生活を行うため, ペットの飼育および飼育場所の清掃は, 飼い主が全責任を負って管理します また, 散歩などにおける排泄 61

物の処理等も同様に管理します 4 避難所にペットを連れてきた避難者に対して, ペット登録台帳( 様式 16) に記載させます 5 大型動物 危険動物の同伴を禁止します また, 蛇などの爬虫類も同様とします 6 ペットの飼育場所と ペットの飼育ルール ( 資料 5) を, 飼育者および避難者に周知徹底します 7 ペットの救護活動が開始されたときは, その情報を飼育者に提供します 62

⑺ ボランティア部 災害時, 被災地や避難所へは多数のボランティアが駆けつけることが予想されます 避難所は, あくまでも避難者組織による自主運営が基本ですが, 避難者の負担を軽減し, 円滑な運営ができるようボランティアにも積極的に協力を依頼していきます ボランティアの受入 1 避難所にボランティアの受入れ窓口を設置します 2 ボランティアの派遣は, 災害対策本部を通じて設置される ボランティア支援本部 から受けます 3 避難所運営の中で, 支援を必要とする部分については, ボランティア支援本部の窓口を通して派遣を要請します 4 避難所を直接訪問してきたボランティアについては, 災害対策本部等の受入窓口で登録するように依頼します ボランティアの管理 1 ボランティアに対する協力依頼の内容については, 避難所運営会議で検討します 2 災害対策本部等から派遣されたボランティアに対しては, ボランティア受付票 ( 様式 17) を作成し管理します 3 必ずボランティア保険に加入してもらいます また, 未加入のボランティアについては, 災害対策本部等へ問い合わせをし, 保険加入の手続きをします 4 ボランティアに対する具体的な作業指示は, 各活動部の作業担当者が行います また, ボランティアの安全には十分配慮し, 危険な作業は絶対に行わせることのないようにします 5 ボランティアであることが一目で分かるように, 名札や腕章の着用を義務づけます 63

5 安定期 ( 地震発生後 3 週間目以降 ) 安定期とは, 災害発生後 3 週間目以降であり, 毎日の生活に落ち着きが戻り, 長期化に伴って被災者の心身の抵抗力が低下する時期でもあります また, 被災者の要望も多様化してくるときでもあり, 柔軟な対応が必要とされる時期です 5-1 避難所運営会議の開催 避難所運営は原則として, 展開期と同じです 1 避難所から退去する人もおり, 避難者の減少等に対応した避難所運営が必要となります 2 避難所の規模が縮小するなど, 状況変化があった場合は, 職員の交代及び班の再編成を行います 3 学校の再開に向けた協議を行い, 避難所から学校施設としての利用への転換計画の作成が必要です 5-2 避難所生活の見直し 避難生活が長引くことにより, 不自由な現在の生活に対して不満が発生します 1 生活ルールに必要な見直しを行います 2 避難所内外のイベント レクレーションを行い, 生活に変化を取り入れることも必要です 3 避難所内の空調や照明 音響等に配慮します 食事内容に留意します 1 食事内容がワンパターン化しやすくなります 生鮮食料品, 特に野菜 果物等を確保します 2 お菓子等の嗜好品について, 避難者の要望を取り入れることも必要です 64

6 撤収期 ( 日常生活が再開可能となったとき ) 避難所周辺のライフライン機能が回復し, 本来の生活が再建可能となるため, 避難所生活の必要性がなくなる時期です 避難所に代わって, 住居を失うあるいは住むことができなくなった方に, 長期受入施設の斡旋や仮設住宅の提供を行い, 避難所施設 ( 学校 ) の本来業務の再建に向けて, 環境整備に必要な業務を進める時期です 6-1 避難所運営会議の開催 避難所閉鎖についての避難者の合意形成を行い, 適切な残務整理を進めます 6-2 避難者の意向調査及び撤収時期等の説明 避難所の存続や将来の要望等をまとめ, 避難者の意向調査を実施します 住居の見通し ( 住居の修理 建替え 公営住宅の入居など ) や仮設住宅への入居希望調査を行い, 調査結果を災害対策本部に伝えます 6-3 避難所の縮小 統合 自立し避難所を退去した人の居住スペースについては, 原則的にそのスペースについては縮小し, 避難所全体をを縮小していきます 避難者が少なくなったら他の避難所と統合します 避難所統合の後, 空いた避難所は本来の業務である学校再開のために使用します 避難所が縮小 統合された場合, 新たにに避難所運営委員会を設立します その後は, 従来の避難所委員会と同じ業務を行います 65

6-4 避難所の閉鎖 原則として, 各避難所に避難者がいなくなった時点で閉鎖します 閉鎖の判断は, 避難所運営委員会, 災害対策本部及び施設管理者が協議して決定します 仮設住宅が完成した場合も, 閉鎖と同じ扱いをします 閉鎖後は, 学校施設として本来の業務に使用しますので, 避難所以前の現状に戻します 1 使用していたスペースを清掃し, 避難所開設のために, 移動した備品等を元に戻します 2 避難所運営に係る記録や使用した台帳等を整理し, 災害対策本部に引き渡します 使用した物資, 残っている物資 食料についても, 同様とします 3 避難所閉鎖後の事務については, 災害対策本部で対応するため, 委員会の代表者等の連絡先を明確にしておきます 4 避難所運営委員会を解散します 66