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感染症の診断は 原因微生物を患者検体から検出することにより確定される 病原微生物の検出方法 顕微鏡検査培養 同定検査免疫学的検査核酸同定検査 ( 遺伝子検査 ) 信頼できる結果を得るためには? 用いられた検体の品質が検査に適したものでなければならない!

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浜松地区における耐性菌調査の報告

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公開情報 2016 年 1 月 ~12 月年報 院内感染対策サーベイランス集中治療室部門 3. 感染症発生率感染症発生件数の合計は 981 件であった 人工呼吸器関連肺炎の発生率が 1.5 件 / 1,000 患者 日 (499 件 ) と最も多く 次いでカテーテル関連血流感染症が 0.8 件 /

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2012 年 1 月 25 日放送 歯性感染症における経口抗菌薬療法 東海大学外科学系口腔外科教授金子明寛 今回は歯性感染症における経口抗菌薬療法と題し歯性感染症からの分離菌および薬 剤感受性を元に歯性感染症の第一選択薬についてお話し致します 抗菌化学療法のポイント歯性感染症原因菌は嫌気性菌および好

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公開情報 2016 年 1 月 ~12 月年報 ( 全集計対象医療機関 ) 院内感染対策サーベイランス検査部門 Citrobacter koseri Proteus mirabilis Proteus vulgaris Serratia marcescens Pseudomonas aerugino

改訂の理由及び調査の結果直近 3 年度の国内副作用症例の集積状況 転帰死亡症例 国内症例が集積したことから専門委員の意見も踏まえた調査の結果 改訂することが適切と判断した 低カルニチン血症関連症例 16 例 死亡 0 例

は減少しています 膠原病による肺病変のなかで 関節リウマチに合併する気道病変としての細気管支炎も DPB と類似した病像を呈するため 鑑別疾患として加えておく必要があります また稀ではありますが 造血幹細胞移植後などに併発する移植後閉塞性細気管支炎も重要な疾患として知っておくといいかと思います 慢性

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別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

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よる感染症は これまでは多くの有効な抗菌薬がありましたが ESBL 産生菌による場合はカルバペネム系薬でないと治療困難という状況になっています CLSI 標準法さて このような薬剤耐性菌を患者検体から検出するには 微生物検査という臨床検査が不可欠です 微生物検査は 患者検体から感染症の原因となる起炎


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10 Robinsoniella peoriensis の同定について 佐久間彩加 1) 山崎裕貴 1) 川島千亜紀 1) 横山明孝 1) 澤村治樹 1) 社会医療法人杏嶺会一宮西病院 1) はじめに Robinsoniella peoriensis は嫌気性有芽胞グラム陽性桿菌で 2009 年に登

染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります

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背部痛などがあげられる 詳細な問診が大切で 臨床症状を確認し 高い確率で病気を診断できる 一方 全く症状を伴わない無症候性血尿では 無症候性顕微鏡的血尿は 放置しても問題のないことが多いが 無症候性肉眼的血尿では 重大な病気である可能性がある 特に 50 歳以上の方の場合は 膀胱がんの可能性があり

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2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります


2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメ

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

Staphylococcus aureus (MSSA) 薬剤感受性情報 2017 年 05 月 1 薬剤感受性結果 系統 薬剤記号 商品名 株数 S( 感性 ) % I( 中間 ) R( 耐性 ) CEZ セファメシ ン CTM ハ ンスホ リン セフェ

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

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通常の市中肺炎の原因菌である肺炎球菌やインフルエンザ菌に加えて 誤嚥を考慮して口腔内連鎖球菌 嫌気性菌や腸管内のグラム陰性桿菌を考慮する必要があります また 緑膿菌や MRSA などの耐性菌も高齢者肺炎の患者ではしばしば検出されるため これらの菌をカバーするために広域の抗菌薬による治療が選択されるこ

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topics vol.82 犬膿皮症に対する抗菌剤治療 鳥取大学農学部共同獣医学科獣医内科学教室准教授原田和記 抗菌薬が必要となるのは 当然ながら細菌感染症の治療時である 伴侶動物における皮膚の細菌感染症には様々なものが知られているが 国内では犬膿皮症が圧倒的に多い 本疾患は 表面性膿皮症 表在性膿

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グラム染色を 10 倍楽しくする グラム染色の見方 考え方 順天堂大学浦安病院感染対策室中澤武司

塗抹検査の有用性 利点 培養検査に比較して短時間で結果が得られる 起因菌のおおまかな推測ができる 抗菌薬の選択可能 特別な機器を必要としない ( 試薬と顕微鏡 ) 同定検査に比較して低コスト 欠点 菌数が少ないと検出できない(10 5 以上必要 ) 難染色性の菌種がある 成績にばらつきがある

グラム染色の種類 ハ ラロース アニリン系色素 酸性媒染剤 脱色 後染色 1. クリスタルハ イオレット 2. ケ ンチアナハ イオレット ヨウ素 純アルコール サフラニン 塩基性フクシン 3. ヒ クトリアフ ルー ヒ クリン酸 + 純アルコール フェイハ ー G 染色 ; 同時に行っている

前染色脱色 媒染後染色鏡検 特徴 各グラム染色方法 Hucker 変法 Bartholomew&Mittwer 変法 neo Bartholomew&Mittwer 変法 西岡法 ( フェイバー Gセット ) クリスタルバイオレット シュウ酸アンモニウム液をスライドガラスに満載する クリスタルバイオレットをスライドガラスに満載し炭酸水素ナトリウムを数滴滴下する クリスタルバイオレットをスライドガラスに満載 ビクトリアブルー B 液をスライドガラスに満載する (1 分 ) (30 秒 ) (30 秒 ) (1 分 ) 水洗 水洗 水洗 水洗 ヨウ素 ヨウ化カリウム ヨウ素 水酸化ナトリウム ヨウ素 水酸化ナトリウム 20% ピクリン酸エタノール スライドガラスに満載して (1 分 ) スライドガラスに満載して (30 秒 ) スライドガラスに満載して (30 秒 ) 青が流れなくなるまで 水洗水洗水洗水洗 95% エタノールアセトン エタノールアセトン エタノール 青が流れなくなるまで青が流れなくなるまで 数秒青が流れなくなるまで 数秒 ( アセトンが入ると脱色時間が速くなる ) ( アセトンが入ると脱色時間が速くなる ) 水洗水洗水洗 サフラニン使用液または0.1~0.2% 塩基性フクシン水溶液またはパイフェル液 サフラニン使用液または0.1~0.2% 塩基性フクシン水溶液またはパイフェル液 サフラニン使用液または0.1~0.2% 塩基性フクシン水溶液またはパイフェル液 標本の塗抹部分にピクリン酸の黄色味が残らないよう水洗する サフラニン使用液または 0.1~0.2% 塩基性フクシン水溶液またはパイフェル液 スライドガラスに満載して (30 秒 ~1 分 ) スライドガラスに満載して (30 秒 ~1 分 ) スライドガラスに満載して (30 秒 ~1 分 ) スライドガラスに満載して (30 秒 ~1 分 ) 少し長めに染色するのがコツ 少し長めに染色するのがコツ 少し長めに染色するのがコツ ク ラム陰性菌の染まりが悪いため ク ラム陰性菌の染まりが悪いため ク ラム陰性菌の染まりが悪いため 水洗 水洗 水洗 水洗 乾燥 鏡検 乾燥 鏡検 乾燥 鏡検 乾燥 鏡検 現在のグラム染色の標準的方法 染色手技が難しい Hucker 変法に比較し染色性が良好 前染色時に炭酸水素ナトリウムの添加が必要 neo-b&m ワコーでは改善され省略された 脱色が強力で早い 脱色過多にならないよう注意 グラム陽性球菌と見間違える顆粒が乗ることがある 媒染と分別が同時にされるためステップ数が他より少ない 厚めの標本や蛋白濃度が高いと顆粒が析出しやすくなる

標本の作製の注意 1 標本の厚い部分 2 標本の薄い部分 1 薄い標本を作製する ( 厚い標本では 透過性が悪く菌が不鮮明 ) 2 薄い部分で判定する 膿尿 :Enterococcus faecalis と Escherichia coli

固定 1 火炎固定 最も一般的なグラム染色の固定 塗抹面を上にして, ガスバーナーの炎の中をゆっくり 3 回通過させる 固定中に湯気や煙が標本より発生した場合は染色に使用してはならない 2 メタノール固定 グラム染色の化学的固定として推奨. メタノール中に 1~2 分浸し 完全に乾燥させて染色 好中球の核など 細胞の内部構造が観察しやすい 方法によって 菌体の変形 破壊 収縮 膨張 などが起こる

固定による影響 火炎固定 メタノール固定 ホルマリン固定 1 分 1 分 関節液 :Staphylococcus aureus(mssa)

陰性桿菌 フェイハ 固定による影響 火炎固定 ホルマリン エタノール 特に差はない ( 結構主観的に見ています ) 陽性球菌 ハ ーミ 特に差はない 背景 フェイハ ハ ーミ バーミに比較して厚い標本で顆粒が析出し易い 厚い標本で顆粒が析出 厚い標本でも顆粒が析出しにくい ( 染色時脱色が火炎固定に比較して容易 ) 背景がきれいで見やすい 厚い標本でも顆粒が析出しにくい ( 染色時脱色が火炎固定に比較して容易 ) 背景がきれいで見やすい 火炎固定より 顆粒が析出しやすい 背景も検体によって汚い 火炎固定より 顆粒が析出しやすい 背景も検体によって汚い フェイハ 細胞質辺縁明瞭 核は赤でコントラストはアルコール固定標本に比較しやや不良 核が青く染まる傾向有り 細胞質辺縁の破壊 核の青みは バーミより強い傾向 細胞質辺縁明瞭 核は赤でコントラストも良好 好中球 ハ ーミ 細胞質辺縁明瞭 核は赤でコントラストはアルコール固定標本に比較しやや不良 細胞質辺縁の破壊 核は 赤で青味を帯びたもの有り 細胞質辺縁明瞭 核は赤でコントラストも良好

脱色の注意 95% エタノール ( 原法 ) n- プロピルアルコールの使用を推奨している (Bartholomew らは ) アセトン : アルコールの 3:7 比率を推薦 (ASM:American Society for Microbiology) 脱色剤の違いは 脱色速度が異なる エタノールと n- プロピルアルコールは比較的ゆっくり脱色 アセトン アルコールは速く脱色される

ここがポイント 西岡法の注意点脱色後の水洗は黄色を完全に落とす 1 元の標本 2 ピクリン酸アルコール 3 確実に による脱色水洗後 黄色味を落とす 4 ピクリン酸が標本に残った状態で後染色した標本の観察 西岡法では 血液成分や蛋白成分が多い検体を厚く塗抹するとピクリン酸アルコールで脱色した後の水洗でピクリン酸が残りやすくなり 顆粒析出の原因となる ピクリン酸が標本に残ると 4 のように顆粒が析出し 判定が困難になることがある 黄色を完全に洗い落とすことがポイントである

後染色の注意 1 ビスマルクブラウン ( 原法 ) 2 サフラニン ( グラム陰性桿菌や嫌気性菌の染色不良 ) 3 0.1%-0.2% フクシンの溶液 4 塩基性フクシン (0.8%) と石炭酸フクシンより強烈に着色するが 背景も同様に濃く着色する傾向がある

その他注意事項 Mycoplasma spp. Chramydia spp. Rickettsia spp. などいくつかの微生物は グラム染色では提示できない 一般的に十分に染色されない微生物として Campylobacter spp. や Legionella spp. や嫌気性菌などがある 抗酸菌は一般的には染色されない 48 時間以上古い培養からとられる微生物や保管されていた検体では 細胞壁損害などにより グラム不定に染色される場合がある ( 特に肺炎球菌 ) 検体採取前の患者に抗生剤投与歴があると 細菌の細胞壁に損害を与えグラム不定に染色される

1. グラム陽性球菌ココまで分類しよう! ブトウ球菌 連鎖球菌肺炎球菌 ( 双球菌 ) その他の連鎖球菌エンテロコッカス ( 検査材料で推定 ) ペプトストレプトコッカス ( 偏性嫌気性菌 )

1) ブドウ球菌 Staphylococcus 属の推定 菌体はほぼ円形 直径 1μm: グラム陽性球菌の基準 集塊をなすブドウの房状 : 重積性 閉鎖部位の塗抹で好中球によく貪食像が認められる

ブドウ球菌を推定したら次に考えることは? 塗抹試験で菌種 の鑑別は不可 1 菌種の推定 1) Coagulase positive staphylococci Staphylococcus aureus 病原性あり 2) Coagulase negative staphylococci (C.N.S.) S. epidermidis 表皮ブドウ球菌が代表その他 33 種類非病原性 2 抗菌薬の選択 MSSとMRS(Methicillin-resistant Staphylococcus) で異なる 1) MSSの第一選択は 第 1か第 2 世代セフェム 2) MRSはVCM( ハ ンコマイシン ) LZD( リネソ リト ) DAP( タ フ トマイシン ) ABK( アルヘ カシン ) MRS とは β- ラクタム剤が結合できないペプチドグリカン合成酵素 (PBP2 ) を作ることで β- ラクタム剤に耐性を獲得したブドウ球菌 MPIPC( オキサシリン ) で判定する

ブドウ球菌の β- ラクタム薬の感受性は MPIPC( オキサシリン ) の感受性で決まる 系統略号商品名 MSS MRS ペニシリン系 MPIPC オキサシリン S R ABPC ビクシリン R CEZ セファメジン S R CTM パセトクール S R セファロスポリン系 CTX セフォタクス S R CCL ケフラール S R CPR S R カルバペネム系 DRPM ドリぺネム S R MEPM メロペン S R

血液培養 : ブドウ球菌菌種別 ( 平成 23 年 11 月 ~ 平成 24 年 10 月 376 症例の focus の内訳 ) 血液培養でブドウ球が検出されたらまず IVH カテが入っていないか確認しよう S.aureus では膿瘍に注意しましょう coagulase-negative staphylococci は非病原菌 膿瘍はつくりません デバイスに注意

症例 :61 歳女性慢性関節リュウマチで 外来にて月 1 回膝関節腔内ステロイト 療法中 膝関節部の腫脹と悪寒戦慄 38.5 の発熱がみられた WBC 1500 / μl CRP 28.3 mg/dl 関節腔内ト レナーシ を施行 関節腔内ト レナーシ のグラム染色 推定菌は? Staphylococcus aureus ブドウ球菌は 一般的に閉鎖部位から検出される場合は 多数の好中球が見られよく貪食されている 貪食されているが菌数が少ないと レンサ球菌との鑑別が難しいが 菌体に重積性がみられればブドウ球菌と推測する MSSA:MRSA の比率は ( 抗菌薬は?)

2) 連鎖球菌 Streptococcus 属の推定 (Enterococcus 属 ) 一般的な連鎖球菌と肺炎球菌に分けよう! 1 一般的な連鎖球菌と溶血連鎖球菌 比較的丸く粒が揃って連鎖する 2 肺炎球菌 ランセット ( カプセル ) 状の双球状配列 菌体周囲に莢膜を認めることがある

血液培養で検出される連鎖球菌 1 一般的な連鎖球菌 2(A 群 ) 溶連菌 3 肺炎球菌 口腔内常在菌 咽頭炎 肺炎 一般的に無害 蜂窩織炎 中耳炎 副鼻腔炎 細菌性心内膜炎 劇症溶連菌感染症 髄膜炎 β- ラクタム薬の耐性なし β- ラクタム薬低感受性菌増加

症例 :66 歳 女性 甲状腺機能低下症 多発性筋炎のためプレドニゾロンを内服中 39.5 の発熱と呼吸困難のため外来受診 胸部 X 線上で大葉性に浸潤影を認め たため 肺炎の診断で入院となった 喀痰のグラム染色 推定菌は? Streptococcus pneumoniae Streptococcus pneumoniae は 双球菌 ( 莢膜を認めることがある ) で菌体はランセット状 ( あまり正円にならない ) を示すのが特徴である 正円でないため グラム陽性単桿菌と間違えやすいが 注意深く観察すると 2 連であったり 切れ込みが見られる また菌体の周りが白く抜けて莢膜が見られれば 肺炎球菌の可能性が高い

症例 :70 歳 男性腹痛出現しその後 10 回以上の下痢で救急搬送 高乳酸血症 血圧低下 挿管管理 CV と DL 挿入し CHDF 開始 血液培養のグラム染色 推定菌は? Streptococcus pyogenes 抗菌薬は? PCG+CLDM

症例 :1 歳 男性 38 の発熱 風邪様症状で近医にてケフラール処方 3 日後食欲低下 嘔吐で当院に来院 頚部硬直 体温 38.5 WBC29200/ μl CRP 30.3 mg/dl ルンバール施行 髄液のグラム染色 髄液検査所見 細胞数 14190/mm3(N:L 11352:2838) 糖 54mg/ml 蛋白 79mg/ml 推定菌は? Streptococcus pneumoniae (PRSP) 抗菌薬は? ABPC+CTX(CTRX)+VCM ABPC+ カルバペネム +VCM

2. グラム陽性桿菌の形態による鑑別 グラム染色により 4 つの形態に区分 Clostridium 様 Actinomyces 様ジフテロイド様小短桿菌 大型の分岐のない桿菌 細い小型の分岐した桿菌 不規則な塊状柵状 松葉状 小型の多形性の桿菌

1)Clostridium 様の細菌の推定 偏性嫌気性菌嫌気培養で発育したら Clostridium perfringens 胆管 横隔膜下の感染症 膿瘍 Clostridium difficile 消化管内のみ (Clostridium botulinum Clostridium tetani あまり考えない ) 通性嫌気性菌好気培養で発育したら Bacillus cereus 血管留置カテーテル関連感染殆どコンタミ? 食品の汚染 ( 食中毒 ) Bacillus anthracis 畜産関連とバイオテロ 偏性好気性菌 Bacillus subtilis 雑菌の汚染

2)Actinomyces 様細菌の推定 細い小型の分岐した桿菌 1Nocardia spp. 2Actinomyces spp. ( 好気性菌 ) ( 嫌気性菌?: 嫌気培養で発育 )

3) ジフテロイド様細菌の推定 Corynebacterium diphtheria ( 臨床ではまず見られない ) 扁桃 咽頭周辺に白 ~ 灰白色の偽膜偽膜は厚く その境界は鋭利で剥れにくく 剥がすと出血しやすい もし見られたら検査室に連絡 Corynebacterium spp. 人の皮膚 粘膜 腸内に常在 喀痰 咽頭 皮膚 耳 鼻 尿路 病原性が弱く 感染症を起因することはまれ = 定着菌と考える C. jeikeiumは 多くの抗菌薬に耐性 不規則な塊状柵状 松葉状 血培陽性時は多くはコンタミで 血管留置カテーテル関連感染もある 尿や喀痰培養の場合は大半が汚染菌として考える

症例 :64 歳 女性 慢性関節リュウマチ 6 月 4 日ころから 39 度の発熱 関節痛 呼吸苦あり 症状の改善がないため 6 日救急外来受診 WBC13200 CRP15.5 X-P 上肺炎像あり 精査目的で入院 血液培養施行 血液培養のグラム染色 血液培養のグラム染色 推定菌は? Listeria monocytogenes 小型で多形成の陽性桿菌 コリネバクテリウムと似ているが 小型で多形成である 第一選択剤は ABPC( ビクシリン ) でセファロスポリンは無効 近年 抗 TNF-α モノクロナール抗体製剤 ( インフリキシマブ ) などの免疫抑制剤の使用中の患者で発症するケースが報告されている 第一選択薬は? ABPC( ビクシリン ) セファロスポリンは無効

症例 :72 歳 女性胃癌 Ope 後 末梢カテーテルを留置中 突然 39 の発熱と挿入部位の炎症と痛みを訴え 血液培養と挿入部位の培養を実施 血液培養のグラム染色 推定菌は? Bacillus cereus 大型で角張った形の陽性桿菌で縦に連鎖するのが特徴 ボトルが一般的に強い溶血を示す場合 Bacillus cereus を疑う Clostridium 属と鑑別が難しいが 好気ボトルで陽性であれば Bacillus 属を推定する グラム陽性桿菌は グラム陰性に染まることもあるが 大きさと形と配列の仕方で鑑別する Bacillus 属は多くはコンタミネーションであるが 近年カテーテル関連菌血症でのアウトブレイクの報告例が見られ 患者が血管カテーテルを留置している場合注意する

症例 :55 歳 男性 総胆管結石による胆道閉塞があり 39 の発熱 悪寒を訴え 血液培養実施 嫌気ボトル陽性時のグラム染色 血液培養ク ラムの染色 推定菌は? Clostridium perfringens 大型で角張った形の陽性桿菌で 先の Bacillus との鑑別は難しい 嫌気ボトルで陽性 主訴や基礎疾患等で推定する また C. perfringens は芽胞をあまり見ないのが特徴である

症例 :69 歳女性繰返す発熱 咳 痰 : 幼少のころより痰が多く見られた 近医にて気管支拡張症の診断で 当院に紹介され 2 年前より外来通院していた 2 日前より発熱があり外来を受診 喀痰培養を実施した 喀痰のグラム染色 Nocardia sp.(cyriacigeorgica) 写真のように旺盛に分岐し 真菌のように菌糸状に発育する陽性桿菌としては ノカルジアやアクチノミセス属の細菌を推定する ノカルジア属は 希硫酸水を使用した kinyoun 染色で陽性を示すことから鑑別に有用である Knyon 染色

2. グラム陰性球菌の推定病原性ナイセリアと非病原性ナイセリアに分けましょう 1 病原性ナイセリア 1) 淋菌 Neisseria gonorrhoeae 2) 髄膜炎菌 Neisseria meningitidis 3) ブランハメラ菌 Branhamella catarrhalis 腎臓型の双球菌 多数の好中球が検出される 好中球に貪食されて細胞外にはあまり観察されないのが特徴 2 非病原性ナイセリア 口腔内に限局して常在 喀痰 咽頭でよく見られる

症例 :18 歳 男性 尿道痛で来院 尿培養施行 尿中白血球多数 /1 視野 尿のグラム染色 推定菌は? Neisseria gonorrhoeae 腎臓型 そら豆型の双球菌 尿に多数の好中球が出現貪食されて細胞外にはあまり見えないのが特徴 見落とされることも多い 尿で好中球多数で菌が見えない場合単染色を実施する!

症例 :64 歳 男性 COPD で当院掛かり付け 2 週間前より咳嗽痰 発熱を認め呼吸苦を認め来院 右下肺野に浸潤影あり肺炎疑い 喀痰ク ラム染色 推定菌は? Moraxella catarrhalis 腎臓型 そら豆型の双球菌 好中球によく貪食されて細胞外にも 多数観察されるのが特徴 呼吸器感染症 3 大起因菌の 1 つである

症例 : 血液生来健康 32 歳女性 下痢 腹痛 頭痛があり 翌日近医を受診 白血球数と血小板数の著明な低下を指摘され当院に転送 DICが急速に進行し 急激で著明な出血斑とショック状態に陥る 血液培養のグラム染色 推定菌は? Neisseria meningitidis: 髄膜炎菌 感染症において急速に進行するショック症状 DIC と意識レベルの低下は非常に重篤な状態である さらに多発する出血斑や紫斑は AIPF と呼ばれ国内では 肺炎球菌が多く 海外では髄膜炎菌が多い 考えられる疾患は? 急性感染性電撃性紫斑病 :AIPF (Waterhouse-Friderichsen 症候群 )

3. グラム陰性桿菌の推定 代表的次の 3 つ菌群の特徴を把握しましょう! 大腸菌 ( 腸内細菌群 ) ブドウ糖を発酵するグラム陰性桿菌群 尿路 腸管に関連した検体や感染症 緑膿菌( ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌群 ) 院内感染特にデバイスの使用に関連した感染症 その他 インフルエンザ菌( グラム陰性短桿菌 ) 嫌気性菌

1) 腸内細菌科 : 大腸菌 (Escherichia coli) 特徴 長さ1~3μmのグラム陰性桿菌で 塗抹検査で陰性桿菌の基準となる グラム陰性桿菌の中では 中等大で太目のグラム陰性桿菌である 両端は鈍円である 2) 非発酵菌 : 緑膿菌 ( Pseudomonas aeruginosa) 特徴 緑膿菌は 大腸菌に比較して細長である 慢性の持続感染症などで多数の菌体をムコイド物質で覆うことがある 染色性が悪い場合があり 見落しが多い

3) インフルエンザ菌 (Haemophilus influenzae) の推定 喀痰のグラム染色 喀痰で見られたインフルエンザ菌グラム陰性の短桿菌で 球状に見えることがある 粘液質や壊死性背景に混じり注意深く観察しないと見落とすことがある 髄液で見られたインフルエンザ菌インフルエンザ菌は 球菌状から大腸菌と比較してやや細身のグラム陰性桿菌状を示し多型性である 髄液のグラム染色

4) キャンピロバクター (Campylobacter 属 ) の推定 ラセン状またはカモメの羽状形態を示す多形成のグラム陰性桿菌 先端は先細りである サフラニンの後染色は染まりが悪い 生標本で観察すると コルクスクリュー状の回転をしながら活発に運動する 血液で分離された C. fetus ラセン状 検査材料によって推定可能便 Campylobacter jejuni/coli 胃粘膜 Helicobacter pylori 血液 Campylobacter fetus Helicobacter cinaedi がよく分離される カモメの羽状

症例 :25 歳 女性 頻尿 排尿痛に続き 発熱 悪寒戦慄 右背部痛が出現 38.9 の発熱 血液培養実施 血液培養のグラム染色 推定菌は? Klebsiella pneumoniae ( 肺炎桿菌 ) 基本的にはグラム染色では莢膜は染まらず 菌体の周囲が抜けて見える やや太めの陰性桿菌でまた菌体 1 個 1 個を覆うような形態を示す 莢膜を持つ腸内細菌と患者の症状から腎盂腎炎による菌血症を疑い 確率的にみて Klebsiella を推定する

症例 9: 喀痰 78 歳 女性 慢性気管支炎 在宅酸素療法中 9 月上旬発熱と痰が持続するため ガチフロキサシン処方し 一時改善が見られたが24 日 38.5 の発熱が見られ喀痰培養施行 WBC 11000 / μ l CRP 3.3 mg/dl 喀痰培養のグラム染色 推定菌は? Pseudomonas aeruginosa ( ムコイト 型 ) ムコイド型の緑膿菌のムコイドは 淡赤色 ( やや黄色味を帯びる ) に染まる粘液物質に包まれている 複数の菌体を覆うような形態を示す び慢性汎細気管支炎や気管支拡張症などの慢性気道感染症の喀痰で見られることが多い 第一選択薬は? ピペラシリン 第 3 世代セフタジチム 第 4 世代全般 カルバペネム全般 + アミノグリコシドニューキノロン

症例 :21 歳 女性 尿のグラム染色 基礎疾患なし 頻尿 尿グラム染色起因菌は? Escherichia coli ( 大腸菌 ) 単純性膀胱炎のグラム陰性桿菌 (GNR) E. coli, Klebsiella を疑う

問題 :25 歳 女性 虫垂切除 10 日後 39 の発熱 全身倦怠感と軽度の黄疸で当院 内科へ入院 超音波で肝膿瘍を穿刺 ドレナージした時の検体 肝膿瘍のグラム染色 推定菌は? 嫌気性菌 Bacteroides fragilis group 一般的に嫌気性グラム陰性菌は 小型で多形成である 菌形のみでは好気性菌のインフルエンザ菌などとの鑑別は困難である 検体が膿瘍で 性状が汚い 悪臭がするグラム染色でグラム不定 多形成などが嫌気性菌を疑う所見である

症例 :66 歳 男性フィリピン帰りで帰国後 2 日目より水溶性下痢 発熱 (-) WBC 22000 / μ l Hgb 20.5 CRP 5.2 mg/dl TP 10.9mg/dl BUN 35mg/dl 便培養施行 便のグラム染色 便 推定菌は? Vibrio cholerae O1

症例 :25 歳 女性 38.5 の発熱と粘血便 腹痛で当院内科へ受診 問診で3 日前に焼き鳥屋で半生の焼き鳥を食し 一緒に行った同僚も同様の症状あり 問診より便培養と塗抹検査を実施 便のグラム染色便の性状 推定菌は? Campylobacter jejuni 抗菌薬は? マクロライト 系薬

症例 :0 歳 男性 膀胱留置カテーテル施行中の尿路感染症 Ceftriaxone (CTRX) 静注後の尿検体のク ラム染色 細長い物体は? 抗菌薬に曝され分裂できず 伸長する Pseudomonas aeruginosa

症例 :57 歳男性 2 日前より右膝の疼痛があり 体動困難にて外来受診 37.1 の発熱 WBC 9500 / μl CRP 18.3 mg/dl 関節腔内吸引時のク ラム染色 関節液のグラム染色 ピロリン酸カルシウム結晶 ( 偽痛風 ) ピロリン酸結晶は 偽痛風の患者で見られ 多数の好中球を伴い 写真のように台形状の結晶をよく貪食している 関節腋が膿性で 発熱や炎症性マーカーが上がるため 感染性の関節炎と間違えることもある 尿酸結晶は 針のように細く尖った形の結晶である 好中球多数で菌が検出されない場合は 結晶の有無も観察するとよい 尿酸結晶

関節液で見られる結晶成分 関節液で見られる結晶成分としては ピロリン酸カルシウム結晶のほか, 尿酸ナトリウム結晶, 塩基性リン酸カルシウム結晶, シュウ酸カルシウム結晶, ステロイド結晶などが報告されているが 大多数は 前 2 つであり 一般的な光学顕微鏡 ( 透過観察型顕微鏡 ) を使用し 生標本の鏡検で十分診断可能である ピロリン酸カルシウム結晶 尿酸結晶 長方形 台形状や棒状 結晶は様々な方向を向く 針状で尖る 長いものが多い 結晶が束状になりやすい