休業補償( 法 76 条 ) 使用者は 労働者が業務上負傷し 又は疾病にかかった場合には 療養補償として必要な療養を行い または療養の費用を負担し ( 法 75 条 ) その療養のために 労働することができないために賃金を受けない労働者に対しては 療養中平均賃金の 100 分の 60 の休業補償を行

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申出が遅れた場合は 会社は育児 介護休業法に基づき 休業開始日の指定ができる 第 2 条 ( 介護休業 ) 1 要介護状態にある対象家族を介護する従業員 ( 日雇従業員を除く ) 及び法定要件を全て満たした有期契約従業員は 申出により 介護を必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲で

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( イ ) 従業員の配偶者であって育児休業の対象となる子の親であり 1 歳 6か月以降育児に当たる予定であった者が死亡 負傷 疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合 6 育児休業をすることを希望する従業員は 原則として 育児休業を開始しようとする日の1か月前 (4 及び5に基づく1 歳

必要とする家族 1 人につき のべ 93 日間までの範囲内で 3 回を上限として介護休業をすることができる ただし 有期契約従業員にあっては 申出時点において 次のいずれにも該当する者に限り 介護休業をすることができる 一入社 1 年以上であること二介護休業開始予定日から 93 日を経過する日から

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改正労働基準法

2 就業規則について 労働条件は個別に労働者に説明しているため 就業規則は作成していない 常時雇用している労働者が 10 人未満の場合は除く 就業規則について 使用者が一方的に作成しており 労働者からの意見は聴いていない 就業規則を作っているものの 担当者が管理しており 労働者が自由に見られるように

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育児 介護休業規程 第 1 章 目的 第 1 条 ( 目的 ) 本規程は社員の育児 介護休業 育児 介護のための時間外労働および深夜業の制限並びに育児 介護短 時間勤務等に関する取り扱いについて定めるものである 第 2 章 育児休業制度 第 2 条 ( 育児休業の対象者 ) 1. 育児のために休業す

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平成 31 年 4 月 1 日から平成 34 年 3 月 31 日まで 63 歳平成 34 年 4 月 1 日から平成 37 年 3 月 31 日まで 64 歳 4 定年について 労働者の性別を理由として差別的取扱いをしてはなりません ( 均等法第 6 条 ) ( 退職 ) 第 48 条前条に定める

育児休業及び育児短時間勤務に関する規則

ただし 日雇従業員 期間契約従業員 ( 法に定める一定の範囲の期間契約従業員を除く ) 労使協定で除外された次のいずれかに該当する従業員についてはこの限りではない (2) 週の所定労働日数が2 日以下の従業員 (3) 申出の日から93 日以内に雇用関係が終了することが明らかな従業員 2 要介護状態に

第 11 条育児休業を終了して復帰する教職員の年次有給休暇については 理事長が別に定める ( 育児短時間勤務 ) 第 12 条小学校就学の始期に達するまでの子と同居し 当該子を養育する教職員が申し出た場合には 当該子がその始期に達するまで 当該教職員の所定勤務時間を 6 時間とすること ( 以下 育

中央教育審議会(第119回)配付資料

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2. 使用者は 労働者を解雇しようとする場合においては 少なくとも30 日前にその予告をしなければならない 30 日前に予告をしない使用者は 30 日分以上の平均賃金を支払わなければならない 但し 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基づ

第 1 章育児休業 第 1 条 ( 対象者 ) 生後 1 年未満 ( 第 5 条による育児休業の場合は 1 歳 6 ヶ月 ) の子と同居し養育する従業員であって 休業後も引き続き勤務する意思のある者は 育児のための休業をすることができる ただし 日々雇用者 期間雇用者 ( 申出時点において雇用期間が

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休暇

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4-1 育児関連 育児休業の対象者 ( 第 5 条 第 6 条第 1 項 ) 育児休業は 男女労働者とも事業主に申し出ることにより取得することができます 対象となる労働者から育児休業の申し出があったときには 事業主は これを拒むことはできません ただし 日々雇用される労働者 は対象から除外されます

平均賃金を支払わなければならない この予告日数は平均賃金を支払った日数分短縮される ( 労基法 20 条 ) 3 試用期間中の労働者であっても 14 日を超えて雇用された場合は 上記 2の予告の手続きが必要である ( 労基法 21 条 ) 4 例外として 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の

労働法令のポイント に賞与が分割して支払われた場合は 分割した分をまとめて 1 回としてカウントし また 臨時的に当該年に限り 4 回以上支払われたことが明らかな賞与については 支払い回数にカウントしない ( 賞与 として取り扱われ に該当しない ) ものとされている 本来 賞与 として取り扱われる

調査等 何らかの形でその者が雇用期間の更新を希望する旨を確認することに代えることができる ( 雇用期間の末日 ) 第 6 条第 4 条及び第 5 条の雇用期間の末日は 再雇用された者が満 65 歳に達する日以後における最初の3 月 31 日以前でなければならない 2 削除 3 削除 ( 人事異動通知

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留意事項 ( 1) 賃金アップの方法 欄には 賃金の算定方法を下記から選択し記載してください 賃金アップが 毎月決まって支払われる賃金 の場合は 1 賃金アップが 毎月決まって支払われる賃金 + 臨時に支払われる賃金 の場合は 2 賃金アップの方法 欄において 1の 毎月決まって支払われる賃金 を選

条第一項の通算契約期間に関する基準を定める省令 ( 平成 24 年 10 月 26 日厚生労働省令第百四十八号 ) に定める期間 ) 以上であるときは 当該空白期間前に満了した労働契約の期間は含まないものとする 5 第 1 項から第 3 項の労働契約の期間を定める場合において 労働契約の期間の終期は

第 8 条年俸制適用職員の特殊勤務手当は, 給与規程第 18 条の規定に準じて支給する ( 超過勤務手当 ) 第 9 条年俸制適用職員の超過勤務手当は, 給与規程第 21 条の規定に準じて支給する ( 休日給 ) 第 10 条年俸制適用職員の休日給は, 給与規程第 22 条の規定に準じて支給する (

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士業PDF

役 員 等 報 酬 規 程

目 次 第 1 条 目的及び内容 1 第 2 条 育児休業 2 第 3 条 パパ ママ育休プラス 2 第 4 条 1 歳 6 か月までの育児休業 2 第 5 条 育児休業の申出の手続等 3 第 6 条 パパ休暇の特例 3 第 7 条 介護休業 3 第 8 条 介護休業の申出の手続等 4 第 9 条

3 育児 介護 112

非常勤職員の勤務時間及び休暇 人事院規則 < 有給の休暇 規則 3 条 4 条 1 項各号 > 年次休暇 6か間継続勤務し 8 割以上出勤した出勤した職員に対し 勤務日数に応じた日数を付与 公民権行使の場合必要と認められる期間 裁判員 証人等として出頭する場合必要と認められる期間 災害等

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規定例 ( 育児 介護休業制度 ) 株式会社 と 労働組合は 育児 介護休業制度に関し 次 のとおり協定する ( 対象者 ) 育児休業の対象者は 生後満 歳に達しない子を養育するすべての従業員とする 2 介護休業の対象者は 介護を必要とする家族を持つすべての従業員とする 介護の対象となる家族の範囲は

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5 労働基準法第 3 条は 法の下の平等を定めた日本国憲法第 14 条と同じ事由で 人種 信条 性別 社会的身分又は門地を理由とした労働条件の差別的取扱を禁止している 6 労働基準法第 3 条では 信条による労働条件の差別的取扱いを禁止しているが 企業における労働者の雇入れについては 特定の思想 信

9-1 退職のルール 職することは契約違反となります したがって 労働者は勝手に退職することはできません 就業規則に 契約期間途中であっても退職できる定めがある場合には それに従って退職できることになりますが 特段の定めがない場合には なるべく合意解約ができるように 十分話し合うことが大切です ただ

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平成 27 年改正の概要 ( サマリー ) 一般労働者派遣事業 ( 許可制 ) 特定労働者派遣事業 ( 届出制 ) 26 業務 期間制限なし 26 業務以外 原則 1 年 意見聴取により最長 3 年まで 規定なし 規定なし 1. 許可制への統一 2. 派遣契約の期間制限について すべての労働者派遣事

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(1) 学校等の卒業証明書 (2) 生年月日を証明する書類 ( 免許証等公的機関が発行する証明書 なお 卒業証明書に生年月日が記載されている場合は 省略できる ) 3 要綱第 9 条第 2 項第 1 号イに該当する労働者を雇用した場合は 次の各号いずれかの書類を提出するものとする (1) 雇用保険受

はじめに この規程は クルーと株式会社クラッソーネ ( 以下 会社 といいます ) の信頼関係を保ちながら 良い就業環境を築いていくことを目的として 賃金を制定したものです 第 1 章基本となるきまり 第 2 章賃金の計算および支払 第 3 章基本給の更改 第 4 章諸手当 ( 改訂中 ) 第 5

4-1 育児関連 休業期間を有給にするか 無給にするかは 就業規則等の定めに従います また 雇用保険に加入している労働者には 国から給付金が支給されます (P106 参照 ) 産前産後休業期間中及び育児休業期間中は 労働者 使用者とも申請により社会保険料が免除になります 育児休業の対象者 ( 第 5

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●「高齢者医療運営円滑化等補助金《については、なぜ、本日の公開による再仕分けの対象事業に選定されたと認識しているか

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五有価証券 ( 証券取引法第二条第一項に規定する有価証券又は同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利をいう ) を取得させる行為 ( 代理又は媒介に該当するもの並びに同条第十七項に規定する有価証券先物取引 ( 第十号において 有価証券先物取引 という ) 及び同条第二十一項に規定する有価証券先

⑴ 子の死亡 離縁 養子縁組の解消等の理由により 子を養育しなくなった場合 ⑵ 休業申し出をした教職員が傷病又は心身の障害のため 子を養育できない状態になった場合 ⑶ 次の子の産前産後休暇 介護休業又は新たな育児休業が始まった場合 2 下記のいずれにも該当する教職員については 子が1 歳 6 箇月に

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( 育児休業の期間 ) 第 5 条育児休業の期間は 原則として 子が 1 歳に達するまでを限度として育児休業申出書 ( 様式 1) に記載された期間とする 2 前項にかかわらず 会社は 育児休業 介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 ( 以下 育児 介護休業法 という ) の定

社内様式 2 育児 介護 休業取扱通知書 平成年月日 会社名 あなたから平成年月日に 育児 介護 休業の 申出 期間変更の申出 申出の撤回 がありました 育児 介護休業等に関する規則 ( 第 3 条 第 4 条 第 5 条 第 7 条 第 8 条及び第 9 条 ) に基づき その取扱いを下のとおり通

社内様式 2 育児 介護 休業取扱通知書 あなたが平成年月日にされた 育児 介護 休業の申出について 育児 介護休業等に関する規則 第 3 条 第 7 条 に基づき その取扱いを下のとおり通知します ( ただし 期間の変更の申出があった場合には下の事項の若干の変更があり得ます ) 1 休業の期間等

22 1 退職時の証明労働者の退職時 労働者から使用期間 業務 地位 賃金 退職事由について証明書の請求があったとき 交付している ( 労働者が請求していない事項は記 明書を請求されたとき 交付している ( 労働者が請求していない事項は記入して 2 解雇理由の証明労働者が解雇の予告をされた日から退職

(1) 出産予定日前に子が出生したこと (2) 配偶者が死亡したこと (3) 配偶者が負傷又は疾病により,1 週間を超える期間継続して, 通院, 加療, 入院又は安静を必要とする状態となり, 育児休業申出に係る子を養育することが困難になったこと (4) 配偶者が育児休業申出に係る子と同居しなくなった

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別紙 常勤医師等の取扱いについて 1. 一日平均患者数の計算における診療日数 (1) 入院患者数ア通常の年は 365 日である イ病院に休止した期間がある場合は その期間を除く (2) 外来患者数ア実外来診療日数 ( 各科別の年間の外来診療日数で除すのではなく 病院の実外来診療日数で除すこと ) イ

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(2) 報酬日額の算出方法休業給付の給付日額を算出する際の 標準報酬日額 の算定は 標準報酬月額の1/22 支給割合 となりますが 比較の対象となる 報酬日額 については 次表の区分に応じて算出します 報酬日額の算出方法 ( 手当等の金額に乗じる率 ) 区分手当等の種類算出に用いる率 日々の勤務に対

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4. 預入方法等 (1) 本定期預金の預入は 当行の円普通預金口座からの振替入金の方法によります (2) 本定期預金の最低預入金額は 一口につき10 万円以上とし 預入単位は10 万円とします なお 当行は お客さまが預入を行うことのできる金額の上限を設ける場合があります また 当行は 一口あたりの

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労働法 の基本と活用法 ( 第 5 回 ) 2014 年 6 月 24 日 ( レポーター ) 本村充 (1) 労働基準法 賃金と平均賃金 1 賃金( 法 11 条 ) 1 賃金とは 賃金 給料 手当 賞与その他名称の如何を問わず 労働の対象として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう 制度趣旨 労働基準法は 労働条件の重要な部分を占める賃金について様々な保護規定を設けている 本条において 保護の対象となる 賃金の範囲 を定義している ポイント 労働の対象 とは 使用者が 使用従属関係にある労働者に対して その労働の報酬として支払うもの (1) 賃金とならないもの賃金か否かは 労働の対象であるか否かで判断する 次のものは賃金とはならない 任意的 恩恵的な給付( 結婚祝金 退職手当 見舞金 死亡弔慰金等 ) 福利厚生施設( 住宅 食事等 ) 企業設備の一環( 制服 作業衣 出張旅費等 ) ポイント 但し 恩恵的なもの 福利厚生的なものであっても 労働協約 就業規則 労働契約等によって あらかじめ支給条件の明確なものは 賃金となる ( 昭 22.9.13 基発 17 号 ) ポイント 社宅 ( 住宅 ) の貸与を受けない者に対し一定額の均衡手当を支給されている場合は 賃金である (2) 実物給与賃金を通貨以外のもので支払うためには 法令か労働協約に別段の定めがあることが要件となる ポイント 労働協約による場合には 労働組合の存在が前提となる ポイント 労働組合と締結した労働協約による 6 箇月通勤定期乗車券は 各月の賃金の前払いと認められる ( 昭 33.2.13 基発 90 号 ) (3) 上記以外の賃金に関する行政解釈 事業主の負担する労働者の税 社会保険料の労働者負担分 賃金となる ポイント 労働者が法令により負担すべき所得税 社会保険料の労働者負担分を 事業主が労働者に代わって負担する場合 当該負担分は賃金となる ( 昭 63.3.14 基発 150 号 ) 労基法 26 条の休業手当 賃金となる 休業手当( 法 26 条 ) 使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合 使用者は 休業期間中当該労働者に その平均賃金の 100 分の 60 以上の休業手当を支払わなければならない ( 法令の詳細は後ほど説明 ) 通勤手当 年次有給休暇の賃金 昼食代補助 賃金となる 育児休業期間中の賃金 賃金となる 労基法の休業補償( 費 ) 100 分の 60 を超える部分もすべて賃金ではない (1)

休業補償( 法 76 条 ) 使用者は 労働者が業務上負傷し 又は疾病にかかった場合には 療養補償として必要な療養を行い または療養の費用を負担し ( 法 75 条 ) その療養のために 労働することができないために賃金を受けない労働者に対しては 療養中平均賃金の 100 分の 60 の休業補償を行わなければならない ( 法令の詳細は後ほど説明 ) 役職員交際費 賃金ではない 使用者が負担する生命保険料の負担金 賃金ではない 労基法 20 条の解雇予告手当 賃金ではない 解雇予告手当( 法 20 条 ) 使用者は 労働者を解雇しようとする場合は 30 日前に予告するか 予告に代えて 30 日分以上の平均賃金を支払わなければならない ( この場合 予告日数を平均賃金と換算することができる したがって たとえば平均賃金 15 日分を支払って 15 日前に解雇することができる 法令の詳細は後ほど説明 ) 2 平均賃金( 法 18 条 ) 1 平均賃金平均賃金 = 算定事由発生日以前 3 箇月間に支払われた賃金の総額 算定事由発生日以前 3 箇月間の総日数 (1) 条文では 算定事由発生日以前となっているが 実際には前日から起算する 算定事由発生日は含まず前日から遡って計算する (6 月 24 日が算定事由発生日とすると 3 月 24 日から 6 月 23 日までの期間によって平均賃金を算定する ) (2) 賃金締切日がある場合は 原則として 直前の賃金締切日から起算する ( 6 月 24 日が算定事由発生日で毎月 20 日が賃金締切日とすると 直前の賃金締切日から起算するため 3 月 21 日から 6 月 20 日までの期間によって平均賃金を算定する ) ポイント 雇入後 3 箇月に満たない者については 雇入後の期間によって平均賃金を算定する なお この場合においても 賃金締切日があるときは 直前の賃金締切日から起算する ( 昭 23.4.22 基収 1065 号 ) ポイント 実際に支払う場合には 特約がなければ 1 円未満の端数は四捨五入する 2 平均賃金の算定から控除するもの (1) 算定期間中の 総日数 と 賃金の総額 の両方から控除するもの ( 法 12 条 3 項 ) イ 業務上の負傷 疾病による療養のための休業期間ポイント 通勤災害による療養のための休業期間の日数とその期間中の賃金 は平均賃金の算定から控除しない ロ 産前産後の女性が 法 65 条の規定によって休業する期間 産前産後( 法 65 条 ) 1 使用者は 6 週間 ( 多胎妊娠の場合は 14 週間 ) 以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては そのものを就業させてはならない ( 法 65 条 1 項 ) 2 使用者は 産後 8 週間を経過しない女性を就業させてはならない ただし 産後 6 週間を経過した女性が請求した場合において そのものについて医師が支障がないと認めた業務に就かせることは 差し支えない ( 法 65 条 2 項 ) ( 法令の詳細は後ほど説明 ) ハ 使用者の責めに帰すべき事由による休業期間 (2)

ニ 育児休業又は介護休業をした期間ポイント 育児 介護休業法に規定するものに限る ポイント 育児 介護休業法に規定する子の看護休暇をした期間とその期間中の賃金は 平均賃金の算定基礎から控除しない ホ 試みの試用期間 (2) 算定期間中の 賃金の総額 のみから控除するもの ( 法 12 条 4 項 ) イ 臨時に支払われた賃金 ( 私傷病手当 退職手当等 ) ポイント 私傷病手当は 臨時に支払われた賃金として扱う 業務上の負傷 疾病の休業期間は 総日数と賃金の総額の両方から控除する ロ 3 箇月を超える期間ごとに支払われる賃金 ( 年 2 回の賞与等 ) ハ 通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しないもの ( 法令又は労働協約の定め以外に基づいて支払われる実物給与 ) ポイント 年次有給休暇の日数と賃金は 平均賃金の計算においては 算入しなければならない ( 昭 22.11.5 基発 231 号 ) ポイント 通勤手当は 平均賃金の計算上算入する ( 昭 22.12.25 基発 573 号 ) 3 最低保障額 ( 法 12 条 1 項但書 ) (1) 賃金が 日 時間によって算定され または 出来高払制その他請負制によって定められている場合 ( 法 12 条 1 項 1 号 ) 最低保障額 = ( 算定期間中の賃金の総額 算定期間中の実際に労働した日数 ) 100 分の 60 (2) 賃金の一部が 月 週 その他一定の期間によって定められている場合 ( 法 12 条 1 項 2 号 ) 最低保障額 = ( その部分の賃金の総額 その期間の総日数 ) + (1) の金額ポイント 原則的計算で算出した金額と上記 (1) または (2) によって算出した金額のいずれか高い方をその者の平均賃金とする 4 日雇労働者の平均賃金 ( 昭 38 労働省告示 52 号 ) (1) 平均賃金 = (1 箇月間に支払われた賃金総額 1 箇月間に当該日雇労働者がその事業場で実際に労働した日数 ) 100 分の 73 (2) 上記の算式で算定できない場合平均賃金 = (1 箇月間に事業場で同一業務に従事した日雇労働者に支払われた賃金総額 1 箇月間にこれらの日雇労働者がその事業場で労働した総日数 ) 100 分の 73 3 賃金の支払い( 法 24 条 ) 賃金は 通貨で 直接労働者に その全額を支払わなければならない ( 法 24 条 1 項 ) 毎月 1 回以上 一定の期日を定めて 支払わなければならない ( 法 24 条 2 項 ) 制度趣旨 労働の対価である賃金が 完全かつ確実に労働者本人の手に渡るよう 賃金の支払い方法を規制したものである 1 通貨払いの原則賃金は 通貨 ( 貨幣 ) で支払わなければならない 原則例外 次の場合 賃金を 通貨以外のもので支払うことが出来る (3)

(1) 法令に別段の定めがある場合 (2) 労働協約に別段の定めがある場合ポイント (1)(2) の場合は現物給付である実物給与も認められる (2) は労働協約が必要であるため 労働組合のない事業所では認められない ( 労働組合がない場合の労働者の過半数代表者との間の労使協定は含まない ) ポイント 過半数の労働者で組織する労働組合が 労働協約の定めによって通貨以外のもので賃金を支払うことが許されるのはその労働協約の適用を受ける労働者に限られる ( 昭 63.3.14 基発 150 号 ) (3) 退職手当について 労働者の同意を得て次の者により支払う場合 ( 則 7 条の 2 第 2 項 ) イ 金融機関の振出小切手ロ 金融機関の支払い保証小切手ハ 郵便貯蓄銀行がその行う為替取引に関し負担する債務に係る権利を表章する証書 ( 郵便為替のこと ) ニ 地方公共団体振出の小切手 ( 地方公務員の退職手当に限る ) (4) 労働者の同意を得て 口座振込等によって支払う場合 ( 則 7 条の 2 項第 1 項 ) ポイント 労働者の同意を得た場合 賃金 ( 退職手当を含む ) を その労働者の指定する本人の預金口座 貯金口座に振り込み又は証券総合口座に払い込むことができる この場合 賃金支払日当日に払い出し又は払い戻しうる状況にあることが必要である ポイント 労働者の同意 形式は問わないが 個々の労働者から得る必要がある ( 労働協約や労使協定による代替はできない ) 労働者の同意は書面でなくともよい ( 昭 63.1.1 基発 1 号 ) 2 直接払いの原則賃金は 直接労働者に支払わなければならない 原則ただし 使者に対して賃金を支払うことは差し支えない (( 昭 63.3.14 基発 150 号 ) ポイント 使者に支払うことは 伝達の手段に過ぎないと考えられている ポイント 派遣労働者の賃金を 派遣先の使用者を通じて支払うことについては 伝達の手段として手渡すのであれば 直接払いの原則に違反しない ( 昭 61.6.6 基発 333 号 ) ポイント 労働者が年少者である場合に 親権者や法定代理人に賃金を支払うことは 直接払いの原則に反する ( 昭 63.3.14 基発 150 号 ) ポイント 労働者が賃金債権を第三者に譲渡した場合においても 使用者は直接労働者に対し賃金を支払わなければならない したがって賃金債権の譲受人は自ら使用者に対してその支払いを求めることは許されない ( 最判第 3 小昭 43.3.12 小倉電話局事件 ) 3 全額払いの原則賃金は その全額を支払わなければならない 原則例外 次の場合 賃金の一部を控除して支払うことができる (1) 法令に別段の定めがある場合 税金や社会保険料の源泉控除は 事業主に義務付けられている (2) 労使協定がある場合 ( 行政官庁への届出は不要 ) 組合費 社宅費 社内預金等労使協定 使用者が 当該事業場に 労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合 労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との間に締結した書面による協定のことをいう ポイント 賃金カットの場合 労働の提供のなかった限度を超えるカットは 全額払いの原則に反し違法 ただし 就業規則に定める減給の制裁として法 91 条の範囲内で行う場 (4)

合には 全額払いの原則には反しない ( 昭 63.3.14 基発 150 号 ) 制裁規定の制限( 法 91 条 ) 就業規則で 労働者に対して減給の制裁を定める場合 その減給は 次の額を超えてはならない 1 回の額 平均賃金の 1 日分の半額総額 賃金支払期における賃金の総額の 10 分の 1 ポイント 1 箇月の賃金支払期における端数処理 賃金の一部を控除して支払う場合には 控除した額に 100 円未満の端数が生じた場合に 50 円未満の端数を切り捨て それ以上を 100 円に切り上げて支払うこと 1 箇月の賃金支払額に生じた 1,000 円未満の端数を翌月の賃金支払い日に繰り越して支払うこと 便宜上の取り扱いと認められ法違反とはならない ( 昭 63.3.14 基発 150 号 ) 4 毎月 1 回以上払いの原則賃金は 毎月 1 回以上支払わなければならない 原則例外 賃金でも次のものについては 毎月 1 回以上支払わなくてもよい (1) 臨時に支払われる賃金 (2) 賞与 (3) その他準ずるもの 1 箇月を超える期間について支給 算定される精勤手当 勤続手当 奨励加給又は能率手当をいう ( 則 8 条 ) 5 一定期日払いの原則賃金は 一定の期日を定めて支払わなければならない 原則ポイント 賃金支払い日を特定する 毎月の月末払いというのは違反ではないが 毎月の第 4 金曜日という決め方は 特定したとはいえない ポイント 所定の賃金の支払い日が休日に該当する場合に その支払い日を繰り上げ又は繰り下げることを定めることは 一定期日払いの原則に違反しない 4 非常時払( 法 25 条 則 9 条 ) 使用者は 労働者が出産 疾病 災害その他厚生省令で定める非常のための費用に充てるために請求する場合においては 支払期日前でも 既往の労働に対する賃金を支払わなければならない 制度趣旨 賃金を主要な収入源とする労働者等が急な出費を要するときは 一定期日払の例外として 賃金の繰上払いを請求できることとし 労働者に対し 一定期日払の原則を補う目的がある ポイント 労働省令で定める非常の場合 イ 労働者の収入によって生計を維持する者の出産 疾病 災害 ロ 労働者又は労働者の収入によって生計を維持する者の結婚 死亡又はやむを得ない事由による 1 週間以上にわたる帰郷 ポイント 既往の労働に対する賃金については 労働者のみならず労働者の収入によって生計を維持する者に関しても非常時払を請求し得る 次回は 賃金と平均賃金 の休業手当 ( 法 26 条 ) 出来高払制の保障給 ( 法 27 条 ) 最低賃金 ( 法 28 条 ) 及び最低賃金法を終わり 次回以降 労働契約 の項に入っていきます (5)