登録販売者用 Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 症状 部位別 ネットセミナー 基礎講座 Ⅵ-1 アレルギー症状 Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 ( 登録販売者試験問題作成に関する手引き より ) まずは 登録販売者試験問題作成に関する手引き を復習し 手引きの知識を確実なものにする そして それぞれの 手引き の記載についてコメントを付し 手引き の記載をより実践で活用できるようにまとめた なお ここでは クロモグリク酸ナトリウム ( ケミカルメディエーター * 遊離抑制薬 ) を 抗アレルギー成分 とし その他の抗ヒスタミン作用をもつ成分のうち 抗ヒスタミン作用のみをもつものを 第 1 世代抗ヒスタミン成分 抗ヒスタミン作用とケミカルメディエーター遊離抑制作用などを併せ持つものを 第 2 世代抗ヒスタミン成分 とした * ケミカルメディエーター : 肥満細胞などから遊離される化学伝達物質で アレルギー症状や炎症などを引き起こす ヒスタミン プロスタグランジン ロイコトリエン トロンボキサンA 2 などがある 1) アレルギー症状 (1) 手引き の記載免疫は 本来 細菌やウイルスなどが人体に取り込まれたとき 人体を防御するために生じる反応であるが 免疫機構が過敏に反応して 好ましくない症状が引き起こされることがある 通常の免疫反応の場合 炎症やそれに伴って発生する痛み 発熱等は 人体にとって有害なものを体内から排除するための必要な過程であるが アレルギーにおいては過剰に組織に刺激を与える場合も多く 引き起こされた炎症自体が過度に苦痛を与えることになる このように 体の各部位に生じる炎症をアレルギー症状といい 流涙や眼の痒み等の結膜炎症状 鼻汁やくしゃみ等の鼻炎症状 蕁麻疹や湿疹 かぶれ等の皮膚症状 血管性浮腫のような広い範囲にわたる腫れ等が生じることが多い 1
膚のかゆみ花粉症+++ +++ +++ ++ ++ + ++ + - - ± ± ± ± ± ± 鼻かぜⅠ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 (2) コメント 花粉症と鼻かぜの違い 鼻の症状目の症状のどの症状その他の症状くしゃみ鼻水鼻づゆまりかみ涙目充血かゆみ乾燥感痛み咳 下痢嘔吐食欲不振発熱寒気皮+ + +++ ± ± ± ± ++ ++ ++ ± ± ± + + - ( 飯沼壽孝 : あなたの鼻炎は花粉症? かぜ?: 武田薬報,412(8), 1998) 2) アレルゲン (1) 手引き の記載アレルギーは 一般的にあらゆる物質によって起こりうるものであるため 医薬品の薬理作用等とは関係なく起こりうるものであり また 内服薬だけでなく外用薬等でも引き起こされることがある さらに 医薬品の有効成分だけでなく 基本的に薬理作用がない添加物も アレルギーを引き起こす原因物質 ( アレルゲン ) となりえる アレルゲンとなりえる添加物としては 黄色 4 号 ( タートラジン ) カゼイン 亜流酸塩 ( 亜流酸ナトリウム ピロ硫酸カリウム等 ) が知られている 普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも 病気等に対する抵抗力が低下している状態などの場合には 医薬品がアレルゲンになりやすく 思わぬアレルギーを生じることがある また アレルギーには体質的 遺伝的な要素もあり アレルギーを起こしやすい体質の人や 近い親族にアレルギー体質の人がいる場合には 注意が必要である 医薬品を使用してアレルギーを起こしたことがある人は その原因となった医薬品の使用を避ける必要がある また 医薬品の中には 鶏卵や牛乳等を原材料として作られているものがあるため それらに対するアレルギーのある人では使用を避けなければならない場合もある どのような物質がアレルゲン ( 抗原 ) となってアレルギーを生じるかは人によって異なり 複数の物質がアレルゲンとなることもある 主なものとしては 小麦 卵 乳 2
Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 そば 落花生等の食品 ハウスダスト ( 室内塵 ) 家庭用品が含有する化学物質や金属 等が知られており スギやヒノキ ブタクサ等の花粉のように季節性のものもある (2) コメント食品 ( アレルギー物質 ) の表示 表示が義務づけられているもの(7 品目 ): 卵 乳 小麦 かに えび そば 落花生 表示が推奨されているもの(18 品目 ): あわび いか いくら オレンジ キウイフルーツ 牛肉 くるみ さけ さば ゼラチン 大豆 鶏肉 バナナ 豚肉 まつたけ もも やまいも りんご 卵: 卵白から抽出されたリゾチーム塩酸塩は 抗炎症成分として薬剤に配合されていることがあるため 卵アレルギーがある人はこの成分を含有した薬剤を服用しないこととされている また 最近 卵アレルギーの人でも食べられる卵 がインターネット上で話題となったが 消費者庁では 事業者に対して 卵アレルギーの人に誤解を与えないような表現に修正するよう指導を行っている 乳: 牛乳の蛋白質 ( カゼイン ) から精製されたアルブミンが タンニン酸アルブミンとして止瀉薬に配合されていることがあるため 牛乳アレルギーの人はこの成分を含有した薬剤を服用しないこととされている また カゼイン カゼインナトリウムなどは 添加物として使用されていることもあるので 注意が必要となる ゼラチン: カプセルの原材料として用いられているが 豚などの蛋白質から作られているものもあるため 豚肉等にアレルギーのある人は 摂取を避ける必要があるものもある ラテックスフルーツアレルギー: ラテックス ( 天然ゴム ) を原料とするゴム手袋やゴム風船などにアレルギーを示すラテックスアレルギーの人は キウイフルーツやアボカド バナナ クリなどにもアレルギー反応を示すことがある 救急絆創膏の粘着剤としてラテックスが使用されているものもあり注意が必要な場合がある 3) アレルギー (1) 手引き の記載アレルゲンが皮膚や粘膜から体内に入り込むと その物質を特異的に認識した免疫グロブリン ( 抗体 ) によって肥満細胞が刺激され 細胞間の刺激の伝達を担う生理活性物質であるヒスタミンやプロスタグランジン等の物質が遊離する 肥満細胞から遊 3
Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 離したヒスタミンは 周囲の器官や組織の表面に分布する特定の蛋白質 ( 受容体 ) と 反応することで 血管拡張 ( 血管の容積が拡張する ) 血管透過性亢進 ( 血漿蛋白質が 組織中に漏出する ) 等の作用を示す (2) コメント 花粉症 というと鼻水やくしゃみ 目のかゆみばかりが注目されがちだが 症状はそれだけにとどまらない 顔や首など 肌が露出しているところに花粉がつくと その部分が赤くなったり かゆくなったりすることがあり これを 花粉皮膚炎 と呼ぶ 特に上まぶたや頬骨などは花粉が付着しやすく カサカサしたり 赤くなったりすることが多い このような場合 基本的にはステロイド外用薬を塗って対処するが 何より大切なのは 予防である 花粉がつかないように マスクやメガネ 帽子 スカーフなどを利用して 肌の露出をできるだけ少なくするように心がける また 花粉が付着しても皮膚の中に入らなければ このような症状は引き起こされない スギ花粉の飛散時期は空気も乾燥しており 乾燥肌から花粉が侵入しやすくなる 乾燥肌対策のスキンケアも重要である また 花粉がのどに入ると のどのかゆみやいがらっぽさを生じることにもなる 外から帰ったときは 花粉をはらい 洗顔やうがい シャワーを浴びるなどして からだについた花粉を落とすようにアドバイスをする 4) 蕁麻疹 (1) 手引き の記載なお 蕁麻疹についてはアレルゲンとの接触以外に 皮膚への物理的な刺激等よってヒスタミが肥満細胞から遊離して生じるもの ( 寒冷蕁麻疹 日光蕁麻疹 心因性蕁麻疹など ) も知られている また 食品 ( 特に サバなどの生魚 ) が傷むとヒスタミンに類似した物質 ( ヒスタミン様物質 ) が生成することがあり そうした食品を摂取することによって生じる蕁麻疹もある (2) コメント蕁麻疹は 発疹出現後 数時間 ~24 時間以内に跡形もなく消えてしまうという特徴をもっている 原因としては 食物や薬剤などによるものが多いが 成人では 食物が原因の蕁麻疹は少なくなり 疲労やストレス 緊張による発汗などによるものが多 4
Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 くなる 自律神経のバランスが乱れてくると 周囲の温度変化や刺激 状況変化などについていくことができなくなるため 血管が拡張し 蕁麻疹の症状が現れやすくなる 青魚での蕁麻疹の発症が知られているが マグロやイワシ アジなどの青魚にはヒスチジンが含まれており その体表面に生息する細菌 (Proteus morganii) のヒスタミン脱炭酸酵素によってヒスタミンに変換される 通常は これを食べたとしても体内で分解されるため 問題になることは少ない しかし 魚介類が古くなると ヒスチジンの含有量が増えるため ヒスタミン中毒を起こしやすくなる 青魚を食べると蕁麻疹が出る という人の中には 青魚に対するアレルギーではなく そのとき食べた魚介類の鮮度に問題があったケースが多いと考えられる 上記のような ヒスタミンによる食中毒も少なくなく 特に給食や社員食堂などでみられることが多い 症状としては 口の周りの腫れや頭痛 吐き気 湿疹など 魚介類を食べて 唇や舌先にピリピリとした刺激を感じたら注意が必要である 可食部 100g 中のヒスチジン量 食品名ヒスチジン量食品名ヒスチジン量食品名ヒスチジン量 マグロ 111 ブリ 101.4 ハマチ 109.4 サバ 71.9 サンマ 63.9 イワシ 55.7 アジ 42.6 サヨリ 32.3 サワラ 19.4 ハモ 3.9 サケ 1.3 タイ 1.2 カレイ 0.4 マナガツオ 0.3 赤エイ 0.2 タラ 0.2 コチ 0.2 タチウオ ND アンコウ ND タコ 0.4 赤エビ 1.0 サンマ ( 干物 ) 81.4 イワシ ( 干物 ) 53.6 アジ ( 干物 ) 47.0 キス ( 干物 ) 5.5 ニシン ( 干物 ) 4.6 ND:not detected ( 検出されず ) ( 飲食物 嗜好品と医薬品の相互作用 研究班編: 飲食物と医薬品の相互作用改訂第 3 版.p243, じほう,1988) 5
Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 アカントアメーバ 花粉症の季節に 目の痛みやかゆみ 充血などを訴えられると 花粉症だ と決めつけてしまいがちだが アカントアメーバの可能性があることも忘れてはならない 中には 花粉症とアカントアメーバによる角膜感染症を合併しているケースもあるので 見逃さないように注意が必要である アカントアメーバによる角膜感染症では 強い眼痛 充血 視力障害などがみられ 重症化すると失明に至るおそれもある 障害の原因としては コンタクトレンズの使用によるものが 85~90% を占め そのうち 8 割以上がソフトコンタクトレンズの使用者だとされている ソフトコンタクトレンズのケアとしては 洗浄 すすぎ 消毒 保存までを一つの商品で行うことができるマルチパーパスソリューション (MPS) ポビドンヨード消毒 過酸化水素消毒の3つがあるが 国民生活センターの報告によれば ポビドンヨードタイプは他の2 種に比べて消毒効果が高かった また 石鹸での手洗い レンズのこすり洗い レンズケースを 3 ヶ月以内に交換するという3つの注意点を守ってケアを行っていた人は 注意点を守っていなかった人に比べて アカントアメーバ汚染率 細菌検出ともに低かったとしている コンタクトレンズケア用品を販売するときには 上記の3つの注意点を守るとともに 定期的に専門医のいる医療機関で検査を受けることなども 積極的に伝えていくことも大切である 5) 主な配合成分 (1) 手引き の記載アレルギー用薬は 蕁麻疹や湿疹 かぶれ及びそれらに伴う皮膚の痒み又は鼻炎に用いられる内服薬の総称で ヒスタミンの働きを抑える作用を示す成分 ( 抗ヒスタミン成分 ) を主体として配合されている また 抗ヒスタミン成分に 急性鼻炎 アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状の緩和を目的として 鼻粘膜の充血や腫れを和らげる成分 ( アドレナリン作動成分 ) や鼻汁分泌やくしゃみを抑える成分 ( 抗コリ 6
分類作用成分の例副作用 注意事項第1世代抗ヒスタミン成分第2世代抗ヒスタミン成分抗炎症成分Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 ン成分 ) 等を組み合わせて配合されたものを鼻炎用内服薬という 肥満細胞から遊離したヒスタミン受容体と反応することを妨げることにより ヒスタミンの働きを抑える作用を示す 上記の抗ヒスタミン作用のほか ケミカルメディエーター遊離阻害作用なども併せ持つ 第 1 世代抗ヒスタミン成分に比べて 一般に中枢抑制作用や抗コリン作用などは弱く 鼻閉に対する効果はややすぐれている 皮膚や鼻の粘膜の炎症を和らげる クロルフェニラミンマレイン酸塩カルビノキサミンマレイン酸塩クレマスチンフマル酸塩ジフェンヒドラミン塩酸塩ジフェニルピラリン塩酸塩など ケトチフェンフマル酸塩アゼラスチン塩酸塩メキタジンエメダスチンフマル酸塩 グリチルリチン酸二カリウムグリチルリチン酸カンゾウリゾチーム塩酸塩ブロメライントラネキサム酸 共通 : 眠気 服用後は 乗物又は機械類の運転操作を避ける 共通 : 抗コリン作用による排尿困難 眼圧上昇 口渇 便秘など 排尿困難の症状がある人 緑内障の診断を受けた人は服用前に相談 ジフェンヒドラミンを含む成分 : 乳児に昏睡を生じるおそれ 授乳中は服用しないか 服用する場合は授乳を避ける 共通: 眠気 服用後は 乗物又は機械類の運転操作を避ける ケトチフェンフマル酸塩: 気管支喘息 アトピー性皮膚炎 てんかんの診断を受けた人 排尿困難のある人は服用前に相談 アゼラスチン塩酸塩: 気管支喘息 アトピー性皮膚炎 アトピー素因があると診断を受けた人は服用前に相談 メキタジン: 緑内障の診断を受けた人 排尿困難のある人は服用前に相談 重篤な副作用としてショック ( アナフィラキシー ) 肝機能障害 血小板減少 エメダスチンフマル酸塩: 気管支喘息 アトピー性皮膚炎 アトピー素因があると診断を受けた人 肝障害のある人又はその既往歴のある人は服用前に相談 グリチルリチン酸類 カンゾウ: 偽アルドステロン症 高齢者 むくみのある人 心臓病 腎臓病 高血圧の診断を受けた人は 服用前に相談 リゾチーム塩酸塩: 卵白から抽出した成分 鶏卵アレルギーの人は使用を避ける ブロメライン: フィブリノゲンやフィブリンを分解 血液凝固異常 ( 出血傾向 ) のある人は 服用前に相談 トラネキサム酸: 固した血液が分解されにくくする働き 血栓のある人 血栓を起こすおそれのある人は 服用前に相談 7
Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 アドレナリン作動成分抗コリン成分交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させることによって鼻粘膜の充血や腫れを和らげる 鼻腔内の粘液分泌腺からの粘液分泌を抑えるとともに 鼻腔内の刺激を伝達する副交感神経系の働きを抑えることによって 鼻汁分泌やくしゃみを抑える プソイドエフェドリン塩酸塩フェニレフリン塩酸塩メチルエフェドリン塩酸塩 ベラドンナ総アルカロイドヨウ化イソプロパミド プソイドエフェドリン : 他のアドレナリン作動成分よりも中枢神経系に対する作用が強い 副作用として不眠や神経過敏 プソイドエフェドリン : 心臓病 高血圧 糖尿病 甲状腺機能障害の診断を受けた人 前立腺肥大による排尿困難のある人 服用しない ( 他のアドレナリン作動成分は 相談すること ) プソイドエフェドリン : モノアミン酸化酵素阻害薬 ( セレギリン塩酸塩など ) で治療を受けている人 服用しない プソイドエフェドリン メチルエフェドリン : 依存性がある 長期連用により薬物依存につながるおそれ 共通 : 散瞳による目のかすみやまぶしさ 眠気 服用後は 乗物又は機械類の運転操作を避ける 共通 : 排尿困難のある人 緑内障 心臓病の診断を受けた人 服用前に相談 アレルギー用薬の例商品名 効能 効果 配合成分 アルガード抗アレルギーカプセル ( ロート製薬 ) 花粉 ハウスダスト ( 室内塵 ) などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和 : くしゃみ 鼻みず 鼻づまり 蕁麻疹 湿疹 かぶれによる次の症状の緩和 : 皮膚のはれ かゆみ エメダスチンフマル酸塩 ハイガード スカイナー AL 錠 ( エーザイ ) アレルギール錠 ( 第一三共ヘルスケア ) 小粒タウロミン ( 興和 ) 花粉 ハウスダスト ( 室内塵 ) などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和 : くしゃみ 鼻みず 鼻づまり 蕁麻疹 湿疹 かぶれによる次の症状の緩和 : 皮膚のはれ かゆみ 皮膚のかゆみ 湿疹 蕁麻疹 皮膚炎 かぶれ 鼻炎 湿疹 皮膚炎 蕁麻疹 皮膚のかゆみ 鼻炎 アゼラスチン塩酸塩 クロルフェニラミンマレイン酸塩 ピリドキシン塩酸塩 グリチルリチン酸カリウム グルコン酸カルシウム水和物サイコ末 ハマボウフウ末 センキュウ末 ブクリョウ末 オウヒ末 キキョウ末 ショウキョウ末 ドクカツ末 ケイガイ末 カンゾウ末 リン酸水素カルシウム 乳酸カルシウム ヨクイニン末 アミノエチルスルホン酸 グルクロノラクトン チアミン硝化物 リボフラビン ピリドキシン塩酸塩 ニコチン酸アミド パントテン酸カルシウム イノシトール エルゴカルシフェロール クロルフェニラミンマレイン酸塩 8
Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 スラジン A( 佐藤製薬 ) リリース錠 ( アルフレッサファーマ ) レスタミンUコーワ錠 レスタミンコーワ糖衣錠 蕁麻疹 湿疹 かゆみ かぶれ 蕁麻疹 湿疹 かぶれによるかゆみ 鼻炎 蕁麻疹 湿疹 かぶれによるかゆみ 鼻炎 蕁麻疹 湿疹 かぶれ かゆみ 鼻炎 クロルフェニラミンマレイン酸塩 dl-メチルエフェドリン塩酸塩 インチンコウトウ乾燥エキスメキタジン ジフェンヒドラミン塩酸塩 グリチルリチン酸二カリウム リボフラビン ピリドキシン塩酸塩 オロチン酸ジフェンヒドラミン塩酸塩 (2) コメント 花粉の飛散が少ない飛び始めの時期で症状が軽いとき 抗アレルギー成分や第 2 世代の抗ヒスタミン剤を配合したアレルギー用薬 点鼻薬 毎年 鼻づまりがひどい人にはステロイド配合の点鼻薬もお勧め 花粉症の症状が発症して重いとき 抗ヒスタミン成分 交感神経刺激成分などを配合した鼻炎用内服薬や血管収縮成分配合の点鼻薬で一時的に対応し 抗アレルギー薬も併用し症状が軽くなってきたらアレルギー用薬のみに切り替える アレルギー性鼻炎か鼻かぜかはっきりしないとき 症状を確認して ( 熱や咳の有無など ) 抗ヒスタミン成分 交感神経刺激成分などを配合した鼻炎用内服薬または総合感冒薬で対応 眠くならない薬を希望 過去にどのような薬をのんで眠くなったかを確認 その成分を避けて選択 第 2 世代の抗ヒスタミン成分は第 1 世代の抗ヒスタミン成分に比べて眠気が少ないといわれるが 人によっては眠気が出ることもある どうしても眠くなっては困る人は漢方薬で対応 前立腺肥大のある人 排尿困難の症状がある人 抗ヒスタミン成分 抗コリン成分 プソイドエフェドリンなどを含まないもの 緑内障と診断された人 抗ヒスタミン成分 抗コリン成分を含まないもの 心臓病 高血圧 甲状腺機能障害 糖尿病と診断された人 交感神経刺激成分を含まないもの 特にプソイドエフェドリンは禁忌 調べてみよう アゼラスチン塩酸塩とケトチフェンフマル酸塩 ( ただし 点鼻剤 内服剤に限る ) は 第 2 類医薬品に変更されている どのような特徴のある成分か 6) 漢方処方製剤 9
漢方処方製剤適す人 症状適さない人主に皮膚の症る状に用いられ用いられる主に鼻の症状にⅠ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 (1) 手引き の記載 十味敗毒湯 消風散 当帰飲子 葛根湯加川芎辛夷 荊芥連翹湯 辛夷清肺湯 化膿性皮膚疾患 急性皮膚疾患の初期 蕁麻疹 急性湿疹 水虫 分泌物が多い慢性湿疹 冷え症の人における分泌物が少ない慢性湿疹 痒み 鼻づまり ( 鼻閉 ) 蓄膿症 慢性鼻炎 蓄膿症 慢性鼻炎 慢性扁桃炎 にきび 鼻づまり ( 鼻閉 ) 慢性鼻炎 蓄膿症 体の虚弱な人 胃腸が弱い人 体の虚弱な人 胃腸が弱く 下痢をしやすい人 胃腸が弱く 下痢をしやすい人 体の虚弱な人 胃腸が弱い人 発汗傾向の著しい人 胃腸の弱い人 体の虚弱な人 胃腸虚弱で冷え症の人 (2) コメント花粉症などのくしゃみ 鼻汁 鼻閉 薄い水様の痰を伴う咳 気管支炎 気管支喘息等の呼吸器症状には小青竜湯が用いられることが多い ただし 体の虚弱な人 胃腸の弱い人 発汗傾向の著しい人では 悪心 胃部不快感等の副作用が現れやすい等 不向きとされる 7) 相互作用 (1) 手引き の記載一般用医薬品のアレルギー用薬 ( 鼻炎用内服薬を含む ) は 複数の有効成分が配合されている場合が多く 他のアレルギー用薬 ( 鼻炎用内服薬を含む ) 抗ヒスタミン成分 アドレナリン作動成分又は抗コリン成分が配合された医薬品 ( かぜ薬 睡眠補助薬 乗物酔い防止薬 鎮咳去痰薬 口腔咽喉薬 胃腸鎮痛鎮痙薬等 ) などが併用された場合 同じ成分又は同種の作用を有する成分が重複摂取となり 効き目が強すぎたり 副作用が起こりやすくなるおそれがある 一般の生活者においては 鼻炎の薬 と 蕁麻疹の薬 等は影響し合わないとの誤った認識がなされることも考えられるので 医薬品の販売等に従事する専門家においては適宜注意を促していくことが重要である また アレルギー用薬 ( 鼻炎用内服薬を含む ) と鼻炎用点鼻薬のように 内服薬と外用薬でも同じ成分又は同種の作用を有する成分が重複することもあり それらは相互に影響し合わないとの誤った認識に基づいて 併用されることのないよう注意が必要である 10
フェイン類痰成眠鎮静成Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 (2) コメント 一般用医薬品の鼻炎用内服薬などに配合されている成分アドヒコ炎熱咳レスリ症鎮成ナタンリミ成成痛分去ンン分抗分解成作成分鎮動分抗成分抗分催分カ鼻炎用内服薬 * 鼻炎用点鼻薬 かぜ薬 解熱鎮痛薬 鎮咳去痰薬 乗物酔い防止薬 : 多くの製品に配合されている : 一部の製品に配合されている *: 最近では 抗アレルギー成分だけを配合した点鼻薬やステロイド成分だけを配合した点鼻薬も発売されている ステロイド成分を配合した点鼻薬は 鼻づまり 鼻水 くしゃみに等しく効果がある 8) 受診勧奨 (1) 手引き の記載蕁麻疹や鼻炎等のアレルギー症状に対する医薬品の使用は 基本的に対症療法である 一般用医薬品のアレルギー用薬 ( 鼻炎用内服薬を含む ) は 一時的な症状の緩和に用いられるものであり 長期の連用は避け 5~6 日間使用しても症状の改善がみられない場合には 医師の診療を受けることが望ましい (2) コメント鼻水やくしゃみは 一般用医薬品でもある程度症状を抑えることは可能だが 鼻づまりに対しては十分な効果が得られないことが多い ただし ステロイドの点鼻薬も販売されるようになり 花粉症などアレルギーでの鼻づまりの対策もOTC 薬でかなりカバーできるようになった しかし 鼻づまりの場合 鼻の構造に異常がある場合も少なくないので 耳鼻科医を受診し 適切な治療を受けるようにアドバイスすべき場合も多い 11
Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 9) アレルゲンの除去 減感作療法など (1) 手引き の記載アレルギー症状を軽減するには 日常生活におけるアレルゲンの除去 回避といった根源的な対応が図られることが重要であり 何がアレルゲンとなって症状が生じているのかが見極められることが重要である アレルゲンを厳密に特定するには医療機関における検査を必要とし その上で アレルゲンに対して徐々に体を慣らしていく治療法 ( 減感作療法 ) 等もある 皮膚症状が治まると喘息が現れるというように 種々のアレルギー症状が連鎖的に現れることがある このような場合 一般用医薬品によって一時的な対処を図るよりも 医療機関で総合的な診察を受けた方がよい なお アレルギー症状が現れる前から予防的に一般用医薬品のアレルギー用薬 ( 鼻炎用内服薬を含む ) を使用することは適当でない アレルギー症状に対する医薬品の予防的使用は 医師の診断や指導の下で行われる必要がある 鼻炎症状はかぜの随伴症状として現れることも多いが 高熱を伴っている場合には かぜ以外のウイルス感染症やその他の重大な病気である可能性があり 医療機関を受診することが望ましい (2) コメント 日常生活でのアレルゲンの除去 回避室内ダニの除去 1 掃除機がけは 吸引部をゆっくりと動かし 1 畳当たり 30 秒以上の時間をかけ 週に2 回以上行う 2 布張りのソファー カーペット 畳はできるだけやめる 3ベッドのマット ふとん 枕にダニを通さないカバーをかける 4ふとんは週 2 回以上干す 困難な時は室内干しやふとん乾燥機で ふとんの湿気を減らす 週に 1 回以上 掃除機をかける 5 部屋の湿度を 50% 室温を 20~25 に保つよう努力する 6フローリングなどのホコリのたちやすい場所は 拭き掃除の後に掃除機をかける 7シーツ ふとんカバーは週に 1 回以上洗濯する スギ花粉の回避 1 花粉情報に注意する 2 飛散の多い時の外出を控える 外出時にはマスク メガネを使う 3 表面がけばだった毛織物などのコートの使用は避ける 4 帰宅時 衣服や髪をよく払ってから入室する 洗顔 うがいをし 鼻をかむ 5 飛散の多い時は窓 戸を閉めておく 換気時の窓は小さく開け 短時間にと 12
Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 どめる 6 飛散の多い時のふとんや洗濯物の外干しは避ける 7 掃除を励行する 特に窓際を念入りに掃除する ( 鼻アレルギー診療ガイドライン 2009) 10) 皮膚の症状 (1) 手引き の記載一般用医薬品 ( 漢方処方製剤を含む ) では アレルギー性皮膚炎等による慢性湿疹 痒み等の症状に用いることを目的とするものはない 皮膚感染症 ( たむし 疥癬等 ) により 湿疹やかぶれ等に似た症状が現れることがある その場合 アレルギー用薬によって一時的に痒み等の緩和を図ることは適当でなく 皮膚感染症そのものに対する対処を優先する必要がある 医薬品が原因となってアレルギー症状を生じることもあり 使用中に症状が悪化 拡大したような場合には 医薬品の副作用である可能性を考慮し その医薬品の服用を中止して 医療機関を受診することが望ましい 特にアレルギー用薬の場合 一般の生活者では 使用目的となる症状 ( 蕁麻疹等 ) と副作用の症状 ( 皮膚の発疹 発赤等の薬疹 ) が見分けにくいことがあり 医薬品の販売等に従事する専門家においても適宜注意を促していくことが重要である (2) コメントたむし : 水虫の原因菌である白癬菌が 体部に寄生して生じたものを 体部白癬 ( ぜにたむし ) 陰股部に寄生して生じたものを 股部白癬( いんきんたむし ) という いずれも 周囲がやや盛り上がった紅斑を生じ 強いかゆみを伴う 通常は 外用の抗真菌薬を用いるが 症状が広範囲に及ぶ場合や再発を繰り返す場合などは 抗真菌薬の内服薬を用いることもある 疥癬 : ヒゼンダニという小さなダニが皮膚に寄生して生じる皮膚疾患 疥癬トンネルと呼ばれる横穴や赤いブツブツが見られ 激しいかゆみを伴う 治療には 医療用医薬品のイベルメクチン ( 製品名 : ストロメクトール錠 ) の内服 クロタミトン ( 製品名 : オイラックス ) の外用などが行われる 疥癬にはステロイドの使用は避ける必要がある 一般用医薬品の オイラックス には ステロイド剤が配合されているものが多く 疥癬の治療には適さない 11) 鼻に用いる薬 13
Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 (1) 手引き の記載急性鼻炎は 鼻腔内に付着したウイルスや細菌が原因となって生じる鼻粘膜の炎症で かぜの随伴症状として現れることが多い アレルギー性鼻炎は ハウスダストや花粉症等のアレルゲンに対する過敏反応として引き起こされる鼻粘膜の炎症で スギ等の花粉がアレルゲンとなって生じるものは一般に 花粉症 と呼ばれる 副鼻腔炎は こうした鼻粘膜の炎症が副鼻腔にも及んだもので 慢性のものは一般に 蓄膿症 と呼ばれる 鼻炎用点鼻薬は 急性鼻炎 アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状のうち 鼻づまり 鼻みず ( 鼻汁過多 ) くしゃみ 頭重( 頭が重い ) の緩和を目的として 鼻腔内に適用される外用液剤である 鼻炎用内服薬との主な違いとしては 鼻粘膜の充血を和らげる成分 ( アドレナリン作動成分 ) が主体となり 抗ヒスタミン成分や抗炎症成分を組み合わせて配合されていても それらは鼻腔内における局所的な作用を目的とし 外用痔疾用薬や外皮用薬で配合されている場合と同様である 剤型はスプレー式で鼻腔内に噴霧するものが多いが 小児向けの商品には液剤を綿棒で塗布するタイプもある (2) コメント点鼻薬性鼻炎 : 血管収縮成分 ( 交感神経刺激成分 ) を配合した点鼻薬を頻繁に使用すると 鼻にある交感神経の刺激を受ける受容体が 強い刺激を受けにくくするために受容体の数が減少 ( ダウンレギュレーション ) してしまう そのため 交感神経を介した正常な刺激に対しても受容体の数が少ないわけだから反応が鈍くなる このようなダウンレギュレーションによって 点鼻薬の効果が減弱するのはもちろん 正常な自律神経のバランスもくずれて かえってひどい鼻づまりを生じることになり これを 点鼻薬性鼻炎 ( 薬剤性鼻炎 ) という 12) スプレー式鼻炎用点鼻薬 (1) 手引き の記載 スプレー式鼻炎用点鼻薬に関する一般的な注意事項 噴霧後に鼻汁とともに逆流する場合があるので 使用前に鼻をよくかんでおくことのほか 使用後には鼻に接した部分を清潔なティッシュペーパー等で拭き 必ずキャップを閉めた状態で保管し清潔に保っておく必要がある また 汚染を防ぐために容器はなるべく直接鼻に触れないようにするほか 他人と 14
Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 点鼻薬を共有しないようにする必要がある (2) コメント 点鼻薬の使い方 ( 図 2 参照 ) 点鼻の前に 点鼻 1 片方ずつ鼻をかみましょう 2 点鼻薬のキャップをはずし縦方向によく振ります * お薬によっては 振ってはいけないものもあるので注意!! 3 顔をうつむき加減にし片方の鼻の穴をふさぎもう一方の鼻の穴に容器の先端を入れて噴霧します 指示された回数を守りましょう * お薬によって息を止めた状態で噴霧するものと息を吸いながら噴霧するものとがあります 詳しくは薬剤師にご確認ください 点鼻のあとは 4 薬液を鼻の奥まで行き渡らせるように少し上を向き 鼻からゆっくり呼吸しましょう 5 使い終わったら 容器の先端をきれいに拭き キャップをします * お薬は冷蔵庫には入れず室温で保管します Copyright c 2010 SIC-Info.Co.,Ltd.All rights reserved 13) 鼻炎用点鼻薬の代表的な配合成分 主な副作用 (1) 手引き の記載 15
成分ドレナリン作動ン成分第1世代抗ヒスタミ酔成分局所麻Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 分類作用成分名副作用 注意ア2世代抗ヒスタミン成分抗アレルギー成分交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っているナファゾリン塩酸塩血管を収縮させることフェニレフリン塩酸塩により 鼻粘膜の充血テトラヒドロゾリン塩酸塩や腫れを和らげる 肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応することを妨げることにより ヒスタミンの働きを抑える クロルフェニラミンマレイン酸塩ジフェンヒドラミン塩酸塩 ジフェンヒドラミンサリチル酸塩など 上記の抗ヒスタミン作用のほか ケミカルメケトチフェンフマル酸塩ディエーター遊離抑制などの作用をもつ 肥満細胞からヒスタミンの遊離を抑える作用を示し 花粉 ハウスダスト ( 室内塵 ) 等にクロモグリク酸ナトリウムよる鼻アレルギー症状を緩和する 通常 抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される 鼻粘膜の痛みや痒みを抑える リドカイン 共通 : 過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり 逆に血管が拡張して二次充血を招き 鼻づまり ( 鼻閉 ) がひどくなりやすい 成分が鼻粘膜を通っている血管から吸収されて循環血液中に入りやすく 全身的な影響を生じることがある 共通 : 排尿困難のある人 緑内障の診断を受けた人は 服用前に相談 共通 : 使用により眠気が促されるため 使用後の乗物又は機械類の運転操作は避ける ジフェンヒドラミンを含む成分 : 乳汁に移行し乳児に昏睡を生じるおそれがある 第 アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効 アレルギーによる症状か他の原因による症状かはっきりしない人では 使用前に相談 1 週間くらい使用しても症状の改善がみられないような場合は アレルギー以外の原因による可能性が考えられる 医療機関で減感作療法等のアレルギー治療を受けている人では その妨げとなるおそれがあるので 使用前に相談 症状の改善がみられても 使用期間が 2 週間を超える場合は 相談 ( 副作用を見逃さないため また治療法を誤らないため ) アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効 アレルギーによる症状か他の原因による症状かはっきりしない人では 使用前に相談 3 日間使用しても症状の改善がみられないような場合は アレルギー以外の原因による可能性が考えられる 医療機関で減感作療法等のアレルギー治療を受けている人では その妨げとなるおそれがあるので 使用前に相談 重篤な副作用 : アナフィラキシー様症状 その他の副作用 : 鼻出血 頭痛 16
殺菌消毒成分成分抗炎症Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 ベンザルコニウム塩化物鼻粘膜を清潔に保ち ベンゼトニウム塩化物細菌による二次感染セチルピリジニウム塩化を防止する 物 鼻粘膜の炎症を和らげる グリチルリチン酸二カリウム 黄色ブドウ球菌 溶血性連鎖球菌 カンジダ等の真菌類に対する殺菌消毒作用を示すが 結核菌やウイルスには効果がない (2) コメント血管収縮成分の乳幼児への使用について乳幼児の場合 血液脳関門の発達が未熟なため 血管収縮成分 ( ナファゾリンやテトラヒドロゾリンなどの交感神経刺激成分 ) が中枢神経に達しやすく 意識障害や低体温などを引き起こすことがある わずか 1 滴の点鼻でも このような危険性があるため 乳幼児への血管収縮成分配合の点鼻薬の使用は避ける ( ただし幼児への適応がある商品は別 ) 14) 相互作用 (1) 手引き の記載アドレナリン作動成分は 鎮咳去痰薬に気管支拡張成分として配合されているほか 外用痔疾用薬に止血成分として配合されていたり 点眼薬にも結膜の充血を取り除く目的で配合されている場合もある また 抗ヒスタミン成分は 風邪薬の鼻汁止めや睡眠改善薬又は乗物酔い防止薬の成分として配合されている これらの医薬品との併用がなされた場合 同種の作用を有する成分が重複し 効き目が強すぎたり 副作用が現れやすくなるおそれがある (2) コメント鼻からの薬の吸収点鼻薬の成分は鼻の粘膜から吸収され 循環血流にのって全身を駆け巡るため 全身性の副作用を生じることがある 15) 受診勧奨 (1) 手引き の記載 17
Ⅰ. アレルギーとアレルギー用薬の基礎知識 一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲は 急性又はアレルギー性の鼻炎及びそれらに伴う副鼻腔炎であり 蓄膿症などの慢性のものは対象となっていない 鼻炎用点鼻薬には それらの症状を緩和する働きはあるが その原因そのものを取り除くわけではない また アドレナリン作動成分のように 鼻以外の器官や臓器に影響を及ぼすおそれがある成分も配合されていることから 長期連用は避けることとされており 3 日位使用しても症状の改善がみられない場合には 漫然と使用せずに医療機関 ( 耳鼻科 ) を受診することが望ましい かぜ症候群に伴う鼻炎症状の場合 鼻炎が続くことで副鼻腔炎や中耳炎などにつながることもあるため そのような症状の徴候に対しても注意を促すとともに 中耳炎が発生した場合などは医療機関を受診するよう勧めるべきである 鼻粘膜が腫れてポリープ ( 鼻茸 ) となっている場合には 一般用医薬品により対処を図ることは適当でなく 医療機関における治療 ( ステロイド性抗炎症成分を含む点鼻薬の処方等 ) が必要となる (2) コメント子どもと中耳炎中耳は 外耳と内耳をつなぐ部分で 鼓膜 鼓室 耳小骨 耳管からなる 鼓室は耳管によって 鼻腔やのどとつながっている 子どもの場合 耳管は短く 水平に近いため 鼻やのどからウイルスや細菌などが入りやすく 中耳炎になりやすい 18
Ⅱ. 症状別の対応法 Ⅱ. 症状別の対応法 < ケース 1> 1) 顧客の訴え 20 代女性 ハウスダストによると思われるアレルギー性鼻炎のため 鼻水 くしゃみが出る 以前 メキタジンという成分が入った鼻炎用内服薬をのんだら とても眠くて仕事にならなかったので 眠くならない薬がほしい それ以外のかぜ薬などでは 眠くて困った経験はない 2) 対応メキタジンを配合していない抗アレルギー薬を選択する 今までに どんな薬をのんで どんな具合だったか ( 効果がみられたかどうかなど ) を確認した上で 製品を絞り込むとよいだろう 人によって効き方が異なるため 万一 この薬で十分な効果が得られなくても 治療をあきらめないように伝えることも必要だろう < ケース 2> 1) 顧客の訴え 50 代男性 かぜをひいたのか 鼻水 くしゃみが出る 血圧が高いといわれているの で 血圧に影響のない飲み薬がほしい 2) 対応アドレナリン作動成分 ( 特にプソイドエフェドリン塩酸塩 ) を含まない製品を選ぶ アドレナリン作動成分は交感神経系を刺激して血管収縮作用により 鼻粘膜の充血をとって鼻づまりを緩和させる 一方では その血管収縮作用や心臓刺激作用などにより 血圧を上昇させることが考えられる また グリチルリチン類やカンゾウも ナトリウムと水分の貯留 カリウムの排泄促進を促し 血圧を上昇させることから 念のため 避けたほうがよいと思われる 調べてみよう 19
Ⅱ. 症状別の対応法 このケースに適切な製品としては どのようなものがあるか 復習しよう アドレナリン作動成分は どのような作用をもっているか < ケース 3> 1) 顧客の訴え 30 代女性 花粉症で 鼻づまり 鼻水 くしゃみがひどい この他に治療中の疾患や 服用中の薬剤はない 2) 対応 鼻づまり 鼻水 くしゃみがひどい とのことだが どの程度ひどいのか 昨年ま ではどのようにして対応していたのかなどを確認し それに応じて対応する どちらかといえば鼻水やくしゃみがつらいという場合は 抗ヒスタミン成分や抗コリ ン成分中心の内服薬 鼻づまりがひどい場合は 交感神経刺激成分を配合した内服薬を 選択する 症状がひどいときに限って 血管収縮成分配合の点鼻薬の使用も考慮する また 花粉症の時期の鼻づまりの期間が長い場合には ステロイドの点鼻薬の使用も 検討する くしゃみの発作 (1 日の平均発作回数 ) 鼻汁 (1 日に鼻をかむ平均回数 ) 鼻閉 日常生活の支障度 ++++ +++ ++ + - 21 回以上 20~11 回 10~6 回 5~1 回 + 未満 21 回以上 20~11 回 10~6 回 5~1 回 + 未満 1 日中完全につまっている 全くできない 鼻閉が非常に強く 口呼吸が 1 日のうち かなりの時間あり手につかないほど苦しい 鼻閉が強く 口呼吸が 1 日のうち ときどきあり (+++) と (+) の中間 口呼吸は全くないが鼻閉あり あまり差し支えない + 未満 + 未満 ( 鼻アレルギー診療ガイドライン 2009) 調べてみよう 花粉症の原因となる植物には スギ以外にどのようなものがあるか 20
Ⅱ. 症状別の対応法 図 3 アレルギー日記 Produced by SIC 21
Ⅱ. 症状別の対応法 < ケース 4> 1) 顧客の訴えコリン作動性蕁麻疹の顧客 10 代の男性 汗をかくと そこに小さな赤いブツブツができてかゆくなる またできたときのために 何か薬がほしい 2) 対応汗をかくと小さな皮疹ができるとのことから コリン性蕁麻疹ではないかと考えられる コリン性蕁麻疹に関しては 日常注意すべきことも多いので アレルギー用薬で対応するだけでなく 皮膚科医に相談するようにアドバイスする < ケース 5> 1) 顧客の訴え 50 代男性 鼻汁がのどの方に落ちて その刺激で咳が出る 2) 対応鼻汁がのどの方に落ちることを 後鼻漏 といい 痰と間違えられることも少なくないため 鎮咳去痰薬で対応してしまいがちである しかし この場合はのどの方に流れ込む鼻汁が原因なのだから 鼻炎用内服薬または去痰成分だけを配合した去痰薬で一時的に対応し なるべく早く 耳鼻科医の診察を受けるように勧める 22
Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 1. アレルギー用薬とアレルギー症状 1) 添付文書の記載してはいけないこと次の人は服用しないこと本剤によるアレルギー症状を起こしたことがある人 アレルギー用薬 鼻炎用内服薬に記載 2) 記載理由抗アレルギー作用をもつアレルギー用薬でも 生体にとっては異物であり アレルギー反応が起こる場合がある 過去に本剤でアレルギー症状を起こしたことがある人が 再び本剤を服用した場合 アレルギー症状を引き起こす可能性が高いため 服用しないこととされている 2. アレルギー用薬と小児 1) 添付文書の記載してはいけないこと次の人は服用しないこと 15 歳未満の小児 アレルギー用薬に記載 2) 記載理由小児では 症状がアレルギーによるものかどうかわからないことが多い また アレルギーによると思われる場合もその原因などを明らかにするため 専門医を受診することが望ましい また エメダスチンフマル酸塩やケトチフェンフマル酸塩などの成分は スイッチ OTC 化されて間もないため 安全性を確保するためにも 小児には使用しないこととされている 3. 抗アレルギー成分 抗ヒスタミン成分の併用 1) 添付文書の記載してはいけないこと本剤を服用している間は 次のいずれの医薬品も服用しないこと 23
Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 他のアレルギー用薬 ( 皮膚疾患用薬 鼻炎用内服薬を含む ) 抗ヒスタミン剤を 含有する内服薬 ( かぜ薬 鎮咳去痰薬 乗物酔い薬 催眠鎮静薬 ) アレルギー用薬 鼻炎用内服薬に記載 2) 記載理由 同種の作用をもつ成分が重複し 眠気や注意力 集中力の低下などの中枢神経抑制作 用が増強するおそれがある 4. 飲酒 1) 添付文書の記載してはいけないこと服用時は飲酒しない アレルギー用薬に記載 2) 記載理由 抗アレルギー成分は抗ヒスタミン作用も併せ持つため アルコールにより 中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある 5. 運転操作 1) 添付文書の記載してはいけないこと服用後 乗物又は機械類の運転操作をしない アレルギー用薬 鼻炎用内服薬に記載 2) 記載理由中枢神経抑制作用によって 眠気や注意力 集中力の低下などがみられるおそれがある また 抗コリン成分を含む薬剤では 目のちらつきや異常なまぶしさなどがみられることがある 6. 授乳婦 1) 添付文書の記載してはいけないこと授乳中の人は本剤を服用しないか 本剤を服用する場合には授乳を避ける 24
Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 アレルギー用薬 ジフェンヒドラミンを含む鼻炎用内服薬に記載 2) 記載理由 アレルギー用薬は 動物実験で 乳汁中に移行することが知られている また ジフ ェンヒドラミンは母乳を通じて乳児に移行し 乳児に昏睡がみられるおそれがある 7. 長期連用 1) 添付文書の記載してはいけないこと長期連用しない アレルギー用薬 鼻炎用内服薬に記載 2) 記載理由アレルギー用薬を数日服用しても症状が改善しない場合は アレルギー以外の原因の可能性が考えられるため 専門医による診察を受ける必要がある また これらの薬剤によって効果がみられた場合であっても 症状が長引いているときや症状を繰り返すときには 受診することが望ましい 8. プソイドエフェドリン 1) 添付文書の記載服用しないこと次の症状のある人は服用しない 前立腺肥大による排尿困難次の診断を受けた人は服用しない 高血圧 心臓病 甲状腺機能障害 糖尿病 プソイドエフェドリンを含有する製剤に記載 2) 記載理由 プソイドエフェドリンは 交感神経刺激作用をもつため 症状を悪化させるおそれが ある 9. 医師の治療 1) 添付文書の記載 25
Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 相談すること 次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談すること 医師の治療を受けている人 アレルギー用薬 鼻炎用内服薬に記載 2) 記載理由医師の治療を受けている場合には 現在の症状が 治療中の疾病による可能性や服薬中の薬剤の副作用であることも考えられる また 処方されている薬剤との重複や相互作用の可能性もあることから 相談事項となっている 10. 高齢者 1) 添付文書の記載相談すること次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談すること 高齢者 アレルギー用薬 鼻炎用内服薬に記載 2) 記載理由 高齢者では 体力や免疫力が低下していることがあり 慎重な対応が必要となる 11. アレルギー 1) 添付文書の記載相談すること次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談すること 薬によりアレルギーを起こしたことがある人 アレルギー用薬 鼻炎用内服薬に記載 2) 記載理由アレルギーの治療に用いられる成分によっても アレルギーが引き起こされることがある 過去に薬によりアレルギーを起こしたことがある人やアレルギー体質の人では その危険性が高まることがある 12. アトピー性皮膚炎 1) 添付文書の記載 26
Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 相談すること次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談すること アトピー性皮膚炎 またはアトピー素因があると診断された人 アレルギー用薬に記載 2) 記載理由アレルギー用薬に用いられている成分やその類似成分は 医療用医薬品としてアトピー性皮膚炎に用いられることもあるため すでに同種の薬剤を服用している可能性も考えられる 13. 気管支喘息 1) 添付文書の記載相談すること次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談すること 気管支喘息と診断された人 アレルギー用薬に記載 2) 記載理由 アレルギー用薬の中には 医療用医薬品として気管支喘息に適応がある成分もあり すでに同種の薬剤を服用している可能性も考えられる 14. てんかん 1) 添付文書の記載相談すること次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談すること てんかんと診断された人 ケトチフェンフマル酸塩を配合したアレルギー用薬に記載 2) 記載理由 本成分は 痙攣閾値を低下させることが知られているため てんかんの人に使用する 場合は 注意が必要となる 15. 高熱 27
Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 1) 添付文書の記載相談すること次の症状のある人は 服用前に医師又は薬剤師に相談すること 高熱 鼻炎用薬に記載 2) 記載理由 高熱が出た場合は 他の疾患 ( インフルエンザなど ) の可能性がある また 鼻炎用 薬には 解熱鎮痛成分は配合されていないため 相談することとなっている 16. 排尿困難 1) 添付文書の記載相談すること次の症状のある人は 服用前に医師又は薬剤師に相談すること 排尿困難 鼻炎用薬に記載 2) 記載理由 鼻炎用薬に含まれる抗ヒスタミン成分や抗コリン成分などにより症状が悪化するお それがある 17. 緑内障 1) 添付文書の記載相談すること次の症状のある人は 服用前に医師又は薬剤師に相談すること 緑内障 鼻炎用薬に記載 2) 記載理由鼻炎用薬に含まれる抗ヒスタミン成分や抗コリン成分などにより症状が悪化するおそれがある 緑内障の状態によっては 服用しても問題がないケースもあるので 眼科の主治医に確認しておく 18. モノアミン酸化酵素阻害剤 28
Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 1) 添付文書の記載相談すること次の人は 服用前に医師又は薬剤師に相談すること モノアミン酸化酵素阻害剤 ( セレギリン塩酸塩 ) を服用している人 プソイドエフェドリンを含有している製剤に記載 2) 記載理由モノアミン酸化酵素 (MAO) 阻害剤は アドレナリン作動性ニューロンの貯蔵部にあるノルエピネフリンの量を増加させる傾向にある 一方 プソイドエフェドリンは交感神経終末からノルエピネフリンの放出を促進させる その結果 プソイドエフェドリンの作用が増強することが考えられる 19. 血管収縮成分配合の点鼻薬 1) 添付文書の記載相談すること次の診断を受けた人は 使用前に医師又は薬剤師に相談すること高血圧 心臓病 糖尿病 甲状腺機能障害 緑内障 血管収縮成分配合の点鼻薬に記載 2) 記載理由 交感神経を刺激して 血管収縮 心悸亢進 血圧上昇 血糖値上昇などを引き起こす ことがあるため 相談事項となっている 20. 抗アレルギー成分配合の点鼻薬 1) 添付文書の記載してはいけないこと使用後 乗物又は機械類の運転操作をしないこと 2) 記載理由 抗ヒスタミン作用も有するため 眠気を生じることがある 21. 抗アレルギー成分配合の点鼻薬 1) 添付文書の記載 29
Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 相談すること 次の人は使用前に医師又は薬剤師に相談する 減感作療法等 アレルギーの治療を受けている人 2) 記載理由減感作療法は 原因となるアレルゲンを特定した後 アレルゲンを少量から接種し 徐々にその量を増やしていくことでアレルゲンに対する反応を鈍くさせていくものである 抗アレルギー成分を使用することにより 減感作療法の効果判定の妨げになる可能性が考えられる 22. 抗アレルギー成分配合の点鼻薬 1) 添付文書の記載次の場合は 医師又は薬剤師に相談すること 症状の改善がみられても使用期間が2 週間を超える場合 2) 記載理由副作用の兆候に早く気づき 副作用の発現を防ぐこと また 症状の変化や改善の程度を把握して治療法を誤らないためにも 2 週間を超えて使用する場合は 医師 薬剤師に相談することとされている 23. ステロイド剤配合の点鼻薬 1) 添付文書の記載してはいけないこと次の人は使用しないこと次の診断を受けた人全身の真菌症 結核性疾患 高血圧 糖尿病 反復性鼻出血 ぜんそく 緑内障 感染症 2) 記載理由 ステロイド剤には免疫抑制作用があるため これらの疾患や症状を悪化させるおそれ がある 24. ステロイド剤配合の点鼻薬 30
Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 1) 添付文書の記載してはいけないこと次の人は使用しないこと鼻腔内が化膿している人 2) 記載理由 ステロイド剤には免疫抑制作用があるため 症状をかえって悪化させるおそれがある 25. ステロイド剤配合の点鼻薬 1) 添付文書の記載してはいけないこと次の人は使用しないこと 18 歳未満の人 2) 記載理由小児では 症状がアレルギーによるものかどうかわからないことが多い また 大量使用により発育障害を起こすことも知られているので 安全性の観点から18 歳未満は使用しないこととした 26. ステロイド剤配合の点鼻薬 1) 添付文書の記載してはいけないこと次の人は使用しないこと妊婦又は妊娠していると思われる人 2) 記載理由 ラットでの動物実験により 催奇形作用が報告されている 27. ステロイド剤配合の点鼻薬 1) 添付文書の記載してはいけないこと次の人は使用しないことステロイド点鼻薬を過去 1 年のうち 1か月以上使用した人 31
Ⅲ. 添付文書に記載されている理由 2) 記載理由 本剤は 季節性アレルギー専用の点鼻薬であり 長期にわたって使用するものではな い 長期連用する場合は 医師の指導 指示のもとに行う 28. ステロイド剤配合の点鼻薬 1) 添付文書の記載相談すること次の人は使用前に医師又は薬剤師に相談すること頭 額や頬などに痛みがあり 黄色や緑色の鼻汁のある人 ( 感染性副鼻腔炎 ) 肥厚性鼻炎や鼻たけの人 2) 記載理由 本剤は 季節性アレルギー専用の点鼻薬であり これらの症状や疾患のある人に使用 しても改善は期待できない 32
Ⅳ. 応用知識 ( 医療用医薬品との相互作用 副作用 ) Ⅳ. 応用知識 ( 医療用医薬品との相互作用 副作用 ) 一般名製品名相互作用 ケトチフェンフマル酸塩 ザジテン 中枢神経抑制剤 ( 鎮静剤 催眠剤 いずれも中枢神経抑制作用を有するため 眠気 精神運動機能低下等を起 エメダスチンフマル酸塩 レミカット 等 ) 抗ヒスタミン剤 アルコール こすことがある アルコール性飲料の摂取を制限すること 中枢神経抑制剤 アルコール : 本剤の クロルフェニラミンマレイン酸塩 各社 中枢神経抑制剤 MAO 阻害剤 アルコール 中枢抑制作用により 作用が増強される MAO 阻害剤 : 本剤の解毒機構に干渉し 作用を遷延化し増強することがあ る クロルフェニラミンマレイン酸塩 各社 ドロキシドパ ノルアドレナリン 本剤はヒスタミンによる毛細血管拡張を抑制するため 血圧の異常上昇を起こすおそれがある 医療用医薬品を服用中の方に関しての注意は 薬剤師だけでなく 登録販売者も知っておくことが重要である 特に注意しておきたいポイントを以下に示した 1 一般用医薬品購入のために訴えている症状が 服用中の医療用医薬品の副作用ではないか 2 一般用医薬品と医療用医薬品との 作用の重複や相互作用はないか 3 一般用医薬品が 現在治療中の疾病に悪影響を引き起こす可能性はないか 33
Ⅴ. 添付文書の読み方 Ⅴ. 添付文書の読み方 添付文書には様々な医薬品の情報が収録されています 一般用医薬品の添付文書は使用者であるお客様向けに記載されていますが 医薬品販売の専門家は それらの情報をよく整理して さらに専門家ならではの店頭での情報提供や 相談応需に活用できるようにしておくことが大切です ここでは 実際の商品に添付されている添付文書を参考に それぞれの項目ごとに 読み方やポイントを解説していきます なお 文頭の数字は それぞれ添付文書中の数字と対応していますので 実際の添付文書と見比べながら学習してください 第 1 類医薬品 使用上の注意してはいけないこと 1(1) 本剤でアレルギー症状の既往歴のある人が 再度服用することにより 重篤な副作用が現れるおそれがあります 1(2) スイッチ OTC 化されたばかりの薬剤であり また 小児への安全性が確立されていないことから 15 歳未満の小児には使用しないこととされています 2 本剤は鼻炎用内服薬で ここに挙げられた薬剤と成分が重複するおそれがあります 併 34
Ⅴ. 添付文書の読み方 用により 成分が重複して過量となり 副作用が強く現われたり 中毒が起こったりすることも考えられることから 併用しないこととされています 3 薬を服用するときに飲酒しないこと は基本的な注意事項です 特に本剤は抗ヒスタミン作用を併せ持つため 中枢抑制作用が増強され 眠気や注意力の低下などが現れやすくなることが考えられます 4 本剤の成分であるエメダスチンフマル酸塩により 眠気を催すことが知られています 5 動物実験で乳汁への移行が認められているため 授乳中の人は服用しないか 服用する場合は授乳を避けることとされています 6 本剤を服用しても症状が改善されない場合には 他の病気にかかっている可能性 間質性肺炎などの副作用が発現している可能性などが考えられます 症状が長引く場合は 自己治療の範囲を超えていると考え 速やかに医療機関の受診を勧めましょう 相談すること 1(1) 現在の症状が 治療中の病気による可能性 または服用中の薬剤の副作用による可能性があります 本剤が 治療中の病気や服用中の薬剤に影響を与えることも考えられるため 相談することとなっています 1(2) エメダスチンフマル酸塩の服用により 肝機能障害が引き起こされることがあります 1(3) 妊婦や妊娠していると思われる人では 胎児への影響を考え 専門医の指示を受ける必要があります 1(4) 高齢者では 生理機能が低下していることが多く 薬の代謝や排泄が遅延して 薬の作用が強く現われる可能性があります また 高血圧や糖尿病などの基礎疾患 ( 持病 ) をもっていることも多いので 相談事項となっています 1(5) 過去に薬剤でアレルギーを起こしたことがある人では 本剤でもアレルギーを起こす可能性があります 過去にどのような薬でアレルギー症状を起こしたかを確認して 対応しましょう 35
Ⅴ. 添付文書の読み方 1(6)(7) アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくの診断を受けた人では 同種の薬剤を使用していることもあるため 確認が必要です 1(8) 本剤は アレルギー性鼻炎やじんましんなどに適応のある薬剤です 原因がアレルギー以外の症状に対しては効果が期待できないため 相談事項となっています 2(1) 本剤で起こる可能性のある副作用です 服用中に これらの症状や体調の変化がみられたときは 服用を中止し 医師 薬剤師に相談するように伝えて下さい 2(2) 鼻炎の症状では1 週間 皮膚の症状では3 日間服用しても症状の改善がみられない場合は 他の病気にかかっている可能性もあります 症状が長引く場合には 自己治療の範囲を超えていると考え 医師 薬剤師に相談するように伝えて下さい 3 本剤の服用により 口の渇きや便秘 眠気などがみられることがあります これらの症状が 継続したり 増強したりする場合は 服用を中止して 医師 薬剤師に相談するように伝えて下さい 4 治療の方向性を誤ったり 副作用の発現を見落としたりしないように 効果がみられた場合でも 2 週間以上服用する場合は 医師 薬剤師に相談するように伝えて下さい 5 皮膚症状を繰り返したり 1 週間以上症状が続いたりする場合は 自己治療の範囲を超えていると考えられますので 医師 薬剤師に相談するように伝えて下さい 成分 分量 エメダスチンフマル酸塩 : 抗アレルギー作用と抗ヒスタミン作用を併せ持ち アレルギ ー性鼻炎のほか じんましんなどの皮膚症状にも効果を示します 36
Ⅴ. 添付文書の読み方 用法 用量 用法 用量を決められた 1 回量 服用回数 服用方法を守って下さい たくさん服用し ても 早くよくなるということはなく むしろ 思わぬ副作用が発現する場合もあります 保管及び取扱い上の注意 (1) 直射日光や高温 多湿は薬の変質の原因となります 窓際や暖房器具のそばなどに 37
Ⅴ. 添付文書の読み方 は置かないように注意しましょう (2) 小児は 好奇心から何にでも手を出し口に入れてしまうおそれがあります 誤飲などの事故を避けるため 小児の手の届かないところに保管しましょう (3) 他の容器に移し替えてしまうと 何の薬かわからなくなったり 不衛生になったりとさまざまな不具合が起こります もとの箱に入れたまま 添付文書と一緒保管するように伝えましょう (4) 薬に記載されている使用期限は 未開封の状態でのものです これを過ぎたものは使用しないようにしましょう 38
Ⅴ. 添付文書の読み方 第 2 類医薬品 使用上の注意してはいけないこと 1. 一般用医薬品の点鼻薬は 小児用のものを除いて 7 歳未満は使用しないこととされています 特に本剤に配合されているケトチフェンフマル酸塩は スイッチOTC 化されて間もないこともあり 安全性確保の面から 7 歳未満は使用しないこととされています 2. ケトチフェンフマル酸塩は 抗ヒスタミン作用を併せ持つため 眠気を催すことがあります 3. 本剤は 鼻の粘膜から吸収された成分の一部が循環血液中に入り 乳汁中にも移行することが知られています ( 動物実験 ) 39
Ⅴ. 添付文書の読み方 相談すること 1.(1) 現在の症状が 治療中の病気による可能性 または服用中の薬剤の副作用による可能性があります 本剤が 治療中の病気や服用中の薬剤に影響を与えることも考えられるため 相談することとなっています 1.(2) 減感作療法は 原因となるアレルゲンを特定した後 アレルゲンを少量から接種し 徐々にその量を増やしていくことで アレルゲンに対する反応を鈍くさせる療法です そのため 本剤を用いることで減感作療法に影響を与えたり 効果判定の妨げになったりする可能性が考えられます 1.(3) 妊婦や妊娠していると思われる人では 胎児への影響を考え 専門医の指示を受ける必要があります 1.(4) 過去に薬剤でアレルギーを起こしたことがある人では 本剤でもアレルギーを起こす可能性があります 過去にどのような薬でアレルギー症状を起こしたかを確認して 対応しましょう 1.(5) 本剤は 鼻のアレルギー症状に適応のある薬剤です 原因がアレルギー以外の症状に対しては効果が期待できないため 相談事項となっています 2.(1) 本剤で起こる可能性のある副作用です 服用中に これらの症状や体調の変化がみられたときは 服用を中止し 医師 薬剤師に相談するように伝えて下さい 2.(2)1 週間くらい使用しても症状の改善がみられない場合は 他の病気にかかっている可能性もあります 症状が長引く場合には 自己治療の範囲を超えていると考え 医師 薬剤師に相談するように伝えて下さい 3. 本剤の服用により 眠気がみられることがあります 眠気が継続したり 増強したりする場 40
Ⅴ. 添付文書の読み方 合は 服用を中止して 医師 薬剤師に相談するように伝えて下さい 4. 治療の方向性を誤ったり 副作用の発現を見落としたりしないように 効果がみられた場合でも2 週間以上服用する場合は 医師 薬剤師に相談するように伝えて下さい 用法 用量用法 用量を決められた1 回量 使用回数 使用方法を守って下さい 何回も使用しても 早くよくなることはなく むしろ 思わぬ副作用が発現する場合もあります 成分ケトチフェンフマル酸塩 : 坑アレルギー作用と坑ヒスタミン作用を併せ持ち アレルギー性の鼻の症状をやわらげます 保管及び取扱い上の注意 1. 直射日光や高温 多湿は薬の変質の原因となります 窓際や暖房器具のそばなどには置かないように注意しましょう 2. 小児は 好奇心から何にでも手を出し口に入れてしまうおそれがあります 誤飲などの事故をさけるため 小児の手の届かないところに保管しましょう 3. 他の容器に移し替えてしまうと 何の薬かわからなくなったり 不衛生になったりとさまざまな不具合が起こります もとの箱に入れたまま 添付文書と一緒保管するように伝えましょう 4. 点鼻薬が細菌などで汚染されていると 他の人にも感染が広がるおそれがあるため 共用しないこととされています 5. 薬に記載されている使用期限は 未開封の状態でのものです これを過ぎたものは使用しないようにしましょう 41
Ⅴ. 添付文書の読み方 第 2 類医薬品 使用上の注意してはいけないこと 1(1) 本剤でアレルギー症状の既往歴のある人が 再度服用することにより 重篤な副作用が現われるおそれがあります 1(2) 本剤には 交感神経刺激薬のプソイドエフェドリン塩酸塩が配合されているため 膀胱括約筋や前立腺平滑筋が収縮し 前立腺肥大による排尿困難を悪化させるおそれがあります 1( 3 ) 本剤には 交感神経刺激薬のプソイドエフェドリン塩酸塩が配合されているため 次の診断を受けた人は服用しないこととされています 高血圧: 末梢血管を収縮させ 血圧を上昇させることがあります 心臓病: 心拍数が増え 心収縮力が増強するため 頻脈や動悸 血圧の上昇などがみられ 症状を悪化させるおそれがあります 甲状腺機能障害: 甲状腺機能障害では 交感神経系が優位になっているため さらに交感神経刺激薬を服用すると 症状を悪化させるおそれがあります 糖尿病: 肝臓に蓄積されているグリコーゲンの分解が進み 血糖値が上昇するおそれがあります 2. 本剤は鼻炎用内服薬で ここに挙げられた薬剤と成分が重複するおそれがあります 併用により 成分が重複して過量となり 副作用が強く現われたり 中毒が起こったりすることも考えられることから 併用しないこととされています 3. 本剤には 眠気を催す作用のある抗ヒスタミン成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩 目のかすみや異常なまぶしさを生じることがあるベラドンナ総アルカロイドが配合されています 4.5~6 日間服用しても症状が改善しない場合には 他の病気にかかっている可能性 間質性肺炎などの副作用が発現している可能性などが考えられます 症状が長引く場合は 自己治療の範囲を超えていると考え 速やかに医療機関の受診を勧めましょう 42
Ⅴ. 添付文書の読み方 相談すること 1(1) 現在の症状が 治療中の病気による可能性 または服用中の薬剤の副作用による可能性があります 本剤が 治療中の病気や服用中の薬剤に影響を与えることも考えられるため 相談することとなっています 1(2) 妊婦や妊娠していると思われる人では 胎児への影響を考え 専門医の指示を受ける必要があります 1( 3 ) 高齢者では 生理機能が低下していることが多く 薬の代謝や排泄が遅延して 薬の作用が強く現われる可能性があります また 高血圧や糖尿病などの基礎疾患 ( 持病 ) をもっていることも多いので 相談事項となっています 1(4)(5) 本剤の配合成分の中には アレルギーを起こすおそれのあるものが含まれています 本人や家族がアレルギー体質の人 薬によりアレルギーを起こしたことがある人は 特に注意が必要です 過去にどのような薬でアレルギー症状を起こしたかを確認して 対応しましょう してはいけないこと 1-1 参照) 1(6) 本剤は鼻炎用内服薬であり 解熱鎮痛成分は配合されていません また 熱が高いときは かぜ以外の原因である可能性もあるため 受診が勧められます また クロルフェニラミンマレイン酸塩やベラドンナ総アルカロイドの抗コリン作用により 排尿困難の症状を悪化させるおそれがあります 本剤は グリチルリチン酸を配合しているため 偽アルドステロン症を起こすおそれがあり むくみのある人は特に注意する必要があります 1(7) 腎臓病: 本剤は グリチルリチン酸を配合しているため 偽アルドステロン症を起こすおそれがあり 腎臓に障害のある人は特に注意する必要があります 緑内障: クロルフェニラミンマレイン酸塩とベラドンナ総アルカロイドの抗コリン作用により 症状が悪化するおそれがあります 1(8) プソイドエフェドリン塩酸塩の代謝が阻害されるため 副作用が現われやすくなるおそれがあります 2. 本剤で起こる可能性のある副作用です 服用中に これらの症状や体調の変化がみられたときは 服用を中止し 医師 薬剤師に相談するように伝えて下さい 2(2) 症状が長引く場合には 自己治療の範囲を超えていると考え 医師 薬剤師に 43
Ⅴ. 添付文書の読み方 相談するように伝えて下さい 3. クロルフェニラミンマレイン酸塩やベラドンナ総アルカロイドによる口の渇きや便秘が副作用として考えられます これらの症状が 継続したり 増強したりする場合は 服用を中止して 医師 薬剤師に相談するように伝えて下さい 用法 用量用法 用量を決められた 1 回量 服用回数 服用方法を守って下さい たくさん服用しても 早くよくなるということはなく むしろ 思わぬ副作用が発現する場合あります 成分 プソイドエフェドリン塩酸塩 フェニレフリン塩酸塩: 交感神経刺激成分で 鼻粘膜の血管を収縮させることによって 鼻粘膜の充血や腫れをやわらげ 鼻づまりを楽にします クロルフェニラミンマレイン酸塩: ヒスタミンの働きを抑え 鼻水やくしゃみを抑えます ベラドンナ総アルカロイド: 抗コリン作用により 鼻水やなみだ目を抑えます 44
Ⅴ. 添付文書の読み方 グリチルリチン酸: 鼻やのどの炎症をしずめます 無水カフェイン: 軽い頭痛や頭重感をやわらげます 眠気も防止します 保管及び取扱い上の注意 (1) 直射日光や高温 多湿は薬の変質も原因となります 窓際や暖房器具のそばなどには置かないように注意しましょう (2) 小児は 好奇心から何にでも手を出し口に入れてしまうおそれがあります 誤飲などの事故を避けるため 小児の手の届かないところに保管しましょう (3) 他の容器に移し替えてしまうと 何の薬かわからなくなったり 不衛生になったりとさまざまな不具合が起こります もとの箱に入れたまま 添付文書と一緒保管するように伝えましょう (4) 薬に記載されている使用期限は 未開封の状態でのものです これを過ぎたものは使用しないようにしましょう 45