H26.5.13 住団連説明資料 : 東日本大震災被災地における災害公営住宅の整備の推進について 資料 1 ~ 災害公営住宅について ~ 被災者の居住の安定の確保 P.2 災害公営住宅制度の概要 P.3 買取 借上方式 P.4 整備基準 P.5 標準建設費 P.11 福島特措法 P.14 災害公営住宅の整備について P.16 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 平成 26 年 5 月国土交通省住宅局 1
東日本大震災で住居を失われた方への居住の安定の確保 震災発生 復旧期 復興期 東日本大震災 住宅が滅失 避難所等 公営住宅等 ( 国の宿舎等も含む ) 仮設住宅 民間アパートなど 自力での再建 取得が困難な方 災害公営住宅への入居 支援措置 東日本大震災復興交付金を活用した災害公営住宅の整備支援 ( 国庫補助率の引上げなど ) 自力での再建 取得が可能な方 支援金制度による支援金の支給 地震保険制度による保険金の支払い 新規の住宅 ( 建設 購入 ) への金融上の支援 支援措置 ( 独 ) 住宅金融支援機構 ( 以下 機構 という ) による災害復興住宅融資の金利引下げ等 新規ローン 旧住宅金融公庫 機構融資の返済方法の変更の拡充等 ( 一定期間払込の猶予等 ) 既存ローン 住宅ローン控除の継続 2
災害公営住宅制度の概要 制度の目的地震 暴風雨 洪水 高潮その他の異常な天然現象により住宅を失った低額所得者に賃貸するための公営住宅を整備する場合において 地方負担を軽減する特例制度 事業主体地方公共団体 東日本大震災における入居対象 補助率の拡充入居者資格について 当該災害により滅失した住宅に居住していた者について収入要件なしとするとともに 補助率について通常の激甚災害に係る補助率を引き上げる等の措置を実施 一般の公営住宅 災害公営住宅 ( 法律により 災害公営住宅 の名称が規定されているわけではないことに注意 ) 一般災害激甚災害東日本大震災 入居対象 補助率 入居者資格 入居者制限 ( 補助の特例適用時 ) 整備 建設 買取 借上 ( 共同施設整備費のみ対象 ) 用地取得造成 高齢者生活支援施設 収入分位 50% を限度に地方公共団体が条例で定める収入以下の者 国 : 概ね 45% 地方 : 概ね 55% 国 :2/3 概ね 45% 地方 :2/3 概ね 55% 民間 :1/3 収入分位 50% を限度に地方公共団体が条例で定める収入以下の者 災害発生の日から 3 年間は 当該災害により住宅を失った者 国 :2/3 地方 :1/3 国 :2/5 地方 :2/5 民間 :1/5 家賃低廉化 20 年間概ね 45% 20 年間 2/3 当該災害により滅失した住宅に居住していた者について収入要件なし 災害発生の日から 3 年間は 当該災害により住宅を失った者 国 :3/4 地方 :1/4 国 :2/5 地方 :2/5 民間 :1/5 当初 5 年間 3/4 6~20 年目 2/3 当該災害により滅失した住宅に居住していた者について収入要件なし 災害発生の日から 3 年間は 当該災害により住宅を失った者 国 :7/8 地方 :1/8( ) 国 :7/10 地方 :1/10( ) 民間 :1/5 国 :7/8 地方 :1/8( ) 国 :7/12 地方 :1/12( ) 民間 :1/3 特別家賃低減 3/4( ) 当初 5 年間 7/8 6~20 年目 5/6( ) 東日本大震災復興交付金制度の対象となる場合の 地方負担分の 1/2 にあたる追加負担を含む 3
災害公営住宅の整備手法について 手法概要補助について 所有権 建設 地方公共団体が公営住宅として建設するもの 建設費用の 7/8 地方公共団体 買取り 民間事業者等が建設した住宅を地方公共団体が公営住宅として買い取るもの 買取費用の 7/8 地方公共団体 借上げ 民間事業者等が所有する住宅について 地方公共団体が公営住宅として借り上げるもの 共同施設等整備費用の 7/10(1/5 の民間負担あり ) 民間事業者 激甚災害法第 22 条により 東日本大震災復興交付金を活用して整備した場合の補助率 4
災害公営住宅の計画の基準 ( 宮城県の例 ) 公営住宅の整備は事業主体が条例で定める整備基準に従って行う必要がある 各自治体では整備基準を定めるとともに ガイドライン 設計標準等を示している場合がある 5
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宮城県災害公営住宅設計標準 ( 抜粋 ) 7
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災害公営住宅の整備等に係る補助制度 [ 補助対象 ] 東日本大震災に係る災害公営住宅の補助対象 調査 設計等 住棟の建設 共同施設の整備 用地取得等 特定工事 ( 公営住宅等整備事業対象要綱第 4 第 1 項二 ) 工事の実施のため必要な測量 調査 設計に係る金額 既設公営住宅等の除却に係る金額 標準建設費 ( 公営住宅法第 7 条第 4 項 第 8 条第 5 項及び 平成 23 年度における住宅局所管事業に係る標準建設費について ( 国土交通事務次官通知 ) 別表第 1 及び別表第 2) < 主体附帯工事費 > 立地条件 構造 階数等により決定される金額 < 特例加算 > 特別な工事により費用を要する場合 上記に加算される金額 特定工事 ( 公営住宅等整備事業対象要綱第 4 第 1 項二 ) 道路 緑地 給水施設 排水処理施設その他公営住宅等の建設に関連して実施する必要のある工事に係る金額 共同施設費 ( 公営住宅等整備事業対象要綱第 4 第 1 項三 ) 児童遊園 集会所 通路その他公営住宅の入居者の共同の福祉のために必要な施設の整備に係る金額 土地取得費用地の取得に要する費用 ( 借地権の取得に要する費用を含む ) 造成費盛土 切土 地盤改良等の土木工事及び擁壁の設置等の宅地造成並びに取り付け道路工事 給水工事などそれぞれ管理を他に移管する部分に要する費用 東日本大震災に係る災害公営住宅の整備に限る措置 11
災害公営住宅の整備等に係る補助制度 [ 標準建設費について ] 補助対象のうち 住棟の建設費については 補助上の上限額 ( 標準建設費 ) が定められている 標準建設費は 標準的な住宅を基本とし 特別な工事については加算することにより算出 標準建設費は 住宅の立地条件 構造 階数に応じ 毎年度の価格変動を反映して国土交通大臣が定める 特別な工事を行うなど通常よりも費用を要する場合は その工事内容に対して 一定額の加算を措置 立地条件 構造 階数等により決定される金額 ( 主体附帯工事費 ) 特例加算 戸数 < 標準建設費の見直し > 公営住宅整備等に係る工事費の動向を踏まえ 標準建設費を見直し 金額についてはモデル的な例 1 平成 25 年 9 月 1 日見直し 立地条件 仙台市 ( 多雪寒冷地域 ) 構造 中層耐火構造 片廊下型 階数 3 階建 従前 主体附帯工事費 1,434 万円 / 戸 特例加算 躯体工事費等の単価上昇分太陽光発電設備工事等 269.5 万円 標準建設費 最大 1703.5 万円 / 戸 見直し後 H25.91 施行 主体附帯工事費 1,434 万円 / 戸 215 万円 躯体工事費等の単価上昇分 ( 現在の工事費上昇に対応した 15% 分の嵩上げ ) 269.5 万円 特例加算 追加の性能向上等に対応太陽光発電設備工事等 269.5 万円 特例加算 ( その他特殊事情による工事費上昇等に対応 ) 標準建設費 最大 2,188 万円 / 戸 2 平成 26 年 4 月 1 日見直し 見直し後 H26.4.1 施行 主体附帯工事費 1,526 万円 / 戸 さらに 平成 26 年度予算において 被災 3 県における標準建設費を引き上げ 低層 :+4.8% 中層 :+6.4% 高層 :+6.7%( 消費税引き上げ分を含む ) 229 万円 躯体工事費等の単価上昇分 特例加算 286.8 万円 追加の性能向上等に対応太陽光発電設備工事等 286.8 万円 特例加算 標準建設費 最大 2,329 万円 / 戸 12
( 参考 ) 災害公営住宅の整備等に係る補助制度 [ 標準建設費について ] 主体附帯工事費 岩手県宮城県福島県 木造 準耐火 平屋 2 階建 3 階建 4 5 階建 6~8 階建 耐火 * 主体附帯工事費 ( 単位 : 千円 / 戸 ) ( ) 書きは標準床面積最終改正 : 平成 26 年 3 月 28 日 木造 準耐火 耐火 準耐火 準耐火 ( 片 廊下型 ) 耐火 耐火 ( 片廊下型 ) 耐火 耐火 ( 片廊下型 ) 耐火 いわき市 広野町 楢葉町 富岡町 大熊町 双葉町 11,640 (74.7) 12,370 (74.7) 12,590 (79.3) 13,500 (79.3) 13,090 14,400 13,450 14,790 13,040 14,340 15,240 (101.1) 宮古市 ( 旧新里村を除く ) 下記の地域を 福島市 新地町 相馬市 南 大船渡市 一関市 ( 旧一関市 旧花泉町 旧大東町に限る ) 陸前高田市 釜石 除く宮城県全域 相馬市 白河市 ( 旧大信村を除く ) 郡山市 田村市( 旧都路村に限る ) 鏡石町 浪江 12,120 (74.7) 12,870 (74.7) 13,030 (79.3) 13,980 (79.3) 13,510 14,860 13,880 15,260 13,500 14,840 15,700 (101.1) 市 平泉町 町 桑折町 葛尾村 川俣町 岩手県内 ( 上記市町村及び 栗原市 ( 旧栗駒 会津若松市 ( 旧河東町に限 久慈市 ( 旧山形村に限る ) 八幡平市 葛巻町 岩手町 西和賀町を除く ) 町 旧一迫町 旧鶯沢町 旧花 山村に限る ) る ) 白河市 ( 旧大信村に限 る ) 須賀川市 ( 旧長沼町に限 る ) 田村市 ( 旧都路村を除く ) 12,880 (74.7) 13,700 (74.7) 13,760 (79.3) 14,760 (79.3) 14,190 15,600 14,600 16,060 14,270 15,690 16,460 (101.1) 川内村 飯館村 主体附帯工事費は平均床面積により決定される 整備する住宅の平均床面積が標準床面積よりも小さい場合は 面積に応じて低減される 特例加算 特別な工事を行うなど通常よりも費用を要する場合は その工事内容に対して 一定額の加算を措置 項目 加算額 特殊な基礎工事 中層住宅 (3~5 階建 ) へのエレベーター設置 風除室など雪害対策工事 店舗 公共建築物等の併設 防腐 防蟻などの耐久性向上工事 その他特別工事費 1 ( 地域特有の事情等により 性能の向上又は工期の短縮等を図るために特別の工事を実施する場合 ) < 例 > プレキャスト工法等の採用 その他特別工事費 2 ( その他特別の事情がある場合 ) 3,315 千円 / 戸 28,702 千円 / 件 1,989 千円 / 戸 1,490 千円 / 戸 1,989 千円 / 戸 2,868 千円 / 戸 2,868 千円 / 戸 岩手県 宮城県 福島県の区域内において実施する事業について適用 注 : 加算額は平成 26 年度のもの
福島復興再生特別措置法について ( 原発避難者の居住の安定確保関係 ) 背景 現状 警戒区域等の避難指示区域 に居住していた方 ( 避難者 ) については 避難の継続を余儀なくされることから その居住の安定を確保することが必要 避難指示解除準備区域 居住制限区域 帰還困難区域 [ 避難者の居住の安定確保に係る視点 ] 居住制限を受ける避難者は 現に居住できる住宅がない点で 災害で滅失した住宅に居住していた者と同様であり 被災者向けの支援策と同様の対応が必要避難者の居住していた住宅は滅失していないため 災害により住宅を失った者 を対象としている 災害公営住宅の整備支援や住宅金融支援機構の災害復興住宅融資など東日本大震災復興特区法による被災者向けの支援策の対象外 福島復興再生特別措置法における主な措置避難指示区域に居住していた者 ( 避難者 ) について 災害により滅失した住宅に居住していた者とみなすことにより 東日本大震災の被災者と同様に扱うなどの措置を講ずる (1) 災害公営住宅の供給等 1 入居者資格の特例 : 避難者については 収入にかかわらず公営住宅へ入居できるよう措置 2 整備に係る補助の特例 : 避難者に対する災害公営住宅の整備を支援 [ 補助率 :3/4 被災地では東日本大震災復興交付金の対象 ] 3 用途廃止 譲渡の特例 : 避難者向けに整備した災害公営住宅の柔軟な用途廃止や譲渡が可能となるよう措置 (2) 住宅金融支援機構の災害復興住宅融資の提供避難指示区域の住宅に代わる住宅を取得する費用について 東日本大震災の被災者向けの住宅金融支援機構の災害復興住宅融資 ( 当初 5 年間金利 0% 等 ) の対象とするよう措置 (3) 都市再生機構による業務の受託都市再生機構が 福島県等の避難者向け住宅等の整備に係る事業について本来業務として受託できるよう措置 14
災害公営住宅の整備に係る補助の特例 入居者資格の特例 原子力発電所事故に伴い避難の継続を余儀なくされる避難者の居住の安定を確保するため以下の特例を設ける 1 原発事故に伴う避難指示区域からの避難者を対象とした災害公営住宅の整備支援 2 避難指示区域からの避難者に対する公営住宅の入居者資格の付与 通常時災害時 ( 東日本大震災の場合 ) 避難指示区域からの避難者向けの場合 整備に係る補助の特例 第 19 条関係 公営住宅に係る入居者資格の特例 第 20 条関係 対象 住宅に困窮する低額所得者 補助率概ね 45% 整備支援 社会資本整備総合交付金 等 以下の 1~2 について満たすことが必要 1 収入要件 収入が一定水準以下であること ( 収入分位 25% の基準参酌して地方公共団体が条例で定める ) 2 住宅困窮要件現に住宅に困窮していることが明らかな者であること 4 人家族 ( 扶養親族 3 名 ) の場合で年収約 450 万円 対象 補助率 整備支援 災害により滅失した住宅に居住していた者 7/8 ( 激甚災害区域の場合 ) 5/6 ( その他の場合 ) 東日本大震災復興交付金など 東日本大震災復興特別区域法等により被災者について以下の特例を措置 対象 期間 措置 災害により滅失した住宅に居住していた者 など 復興推進計画に記載する災害公営住宅の整備に要する期間の終了まで 対象者は収入にかかわらず入居可能注 対象 補助率 7/8 整備支援 補助率は 復興交付金等による地方負担分の 50% の追加支援を含む率 対象 期間 措置 避難指示区域に H23 年 3 月 11 日時点で居住していた者 長期避難者生活拠点形成交付金など 福島復興再生特措法により避難者について以下の特例を措置 避難指示区域に H23 年 3 月 11 日時点で居住していた者 避難指示を受けている間 対象者は収入にかかわらず入居可能注 注 : 入居後に入居者資格要件を満たさなくなった場合でも一定期間継続入居が可能 15
( 参考 ) 今回の災害公営住宅の整備について 復興庁 < 事業推進のための支援 > < 国の支援 > 東日本大震災復興特区法に基づく措置 予算( 復興交付金等 ) の確保 配分 復興加速化措置のとりまとめ等 連携 本庁 復興局 国は 自治体に対し支援 補助 支援 災害公営住宅事業主体 市町村 買取 市町村発注の支援 UR 発注 買取 発注 設計事務所 建設会社 国土交通省 本省 東北地整 公営住宅法に係る措置 予算 ( 復興交付金等 ) の執行管理 事業の進捗管理等 < 県の支援 > 県 県 県 発注 発注 ハウスメーカー 等 この他 借上方式による整備が可能 16