平成 31 年度税制改正概要 ( 住宅局 ) 結果特例措置税目 - 消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 住宅ローン減税の控除期間を 3 年間延長 ( 建物購入価格の消費税 2% 分の範囲で減税 ) 所得税個人住民税 延長 拡充 空き家の発生を抑制するための特例措置 ( 延長 ) 相続した空き家につ

Similar documents
平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

平成 28 年 12 月 国土交通省住宅局

<4D F736F F D20819A95BD90AC E937890C590A789FC90B392F18CBE8F918C8B89CA95F18D EE8C9A8BA689EF976C A2E646F6378>

要望理由 (1) 政策目的我が国の住宅ストックのうち 高齢者が安心し自立して暮らせるバリアフリー化された住宅は極めて限られている状況を踏まえ サービス付き高齢者向け住宅の供給を促進することにより 高齢者に適した住まいの確保を図る (2) 施策の必要性本特例措置により 1 高度のバリアフリー化 2 安

1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額

NO 年 1 月 23 日発行 編集 発行公益財団法人住宅リフォーム 紛争処理支援センター 東京都千代田区九段北 九段センタービル3F TEL FAX 消費者が安全で安心して暮らせる豊かな住生活の実現に

消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 1 住宅取得については取引価格が高額であること等から 消費税率引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏まえ 一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和するとともに 良質な住宅ストックの形成を促し響国民の豊かな住生活を確保する

< F2D95BD90AC E937889FC90B32E6A7464>

< F2D819B89DF8B8E82CC8F5A91EE90C590A789FC90B38A >

平成 28 年 12 月 国土交通省住宅局

平成 31 年度国土交通省税制改正概要 ( 主要項目の概要 ) 消費税率引上げを踏まえた需要変動の平準化等 1. 住宅取得対策 平成 31 年 10 月の消費税率引上げに際し需要変動の平準化に万全を期すため 消費税率 10% が適用される住宅の取得等をして 平成 31 年 10 月 1 日から平成

要望理由 (1) 政策目的 既存住宅の流通の円滑化を通じ 既存住宅流通 リフォーム市場の拡大 活性化を図る また 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備するとともに 既存住宅の耐震化を促進し 住宅ストックの品質 性能を高め 国民の住生活の向上を目指す (2) 施策の必要性 国民がライフステ

スライド 1

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

<4D F736F F D D CF092CA91E D81698C668DDA A2E646F6378>

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

平成26年度税制改正及び土地住宅政策に関する提言書(案)

<4D F736F F F696E74202D2095BD90AC E937890C590A789FC90B38C8892E BC7816A205B8CDD8AB B83685D>

の各種税制優遇を受けやすくする見直しが行われ 入居までに耐震基準に適合するという証明があれば 1 住宅ローン減税 2 住宅取得資金に関する贈与税の非課税措置 3 中古住宅に関する不動産取得税の特例措置の適用が可能となる 耐震基準に適合しない中古住宅を取得し 耐震改修工事を実施した後に入居するような場

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

<4D F736F F D2095BD90AC E937890C590A789FC90B D81458D CF092CA8FC892F18F6F>

<4D F736F F D20819A95BD90AC E937892F18CBE8F EE A2E646F6378>

第一住宅関係税制 1. 住宅税制の抜本的な検討 次期消費税引上げまでの期間を活用し 消費税を含めた住宅に係る多重な課税について 抜本的な検討が必要である 良質な住宅ストックの形成に向けて 住宅の取得 保有に係る既存税制と消費税のあり方について 国民にわかりやすい恒久的かつ抜本的な見直しが必要である

<4D F736F F D2097DF E937890C590A789FC90B D8F912890CE88E491E A>

図表 2 住宅ローン減税の拡充 消費税率が 5% の場合 消費税率が 8% または 10% の 場合 適用期間 ~2014 年 3 月 2014 年 4 月 ~2017 年末 最大控除額 (10 年間合計 ) 200 万円 (20 万円 10 年間 ) 400 万円 (40 万円 10 年間 ) 控

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

国土交通大臣 太田昭宏殿 平成 27 年 7 月 27 日 一般社団法人プレハブ建築協会 会長樋口武男 平成 28 年度住宅関連税制及び制度改正要望 昨年 政府は経済再生と財政健全化を両立するため 平成 27 年 10 月に予定していた消費税率 10% の引き上げを平成 29 年 4 月に 1 年半

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

税幅を 1% ずつ小刻みに引き上げるべきであるといった意見も浮上しており 予定通り引上げが実施されるかは 不透明な状況です Q 消費税増税で住宅取得時の税負担は どのくらい増加しますか A そもそも住宅購入にかかる消費税は 土地にはかからず新築物件なら建物部分のみです 仮に図表 1の モデル のよう

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

< F2D E518D6C8E9197BF >

第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

やさしい税金教室

基本資料1-平成25年税制改正ポイント(表紙).pdf

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

税金のいろいろ所得税の計算の税金サラリーマン20 生活の税金株式の税金事業の税金不動産の税金贈与の税金相続の税金(2) 適用を受けるための主な要件 取得又は増改築等をした日から6か月以内に居住すること 住宅の床面積が50m 2 以上で取得又は増改築後の家屋の床面積の1/2 以上が居住用であること 中

事業用資産の買換え等 用資産を譲渡し あらた 中小企業 適用実積の 8 の場合の課税の特例措 に事業用資産を取得し 割以上が地方関連であ 置の延長 ( 法人税等 ) た場合 譲渡した事業用 り 中小企業の設備投資 29.4~32.3 資産の譲渡益について 等の促進による生産性 80%( 一部 75%

Microsoft PowerPoint - ‡g‡o„´“e†iH18’Å’§›ü’³†j0403

平成 28 年度国土交通省税制改正要望 ( 主要項目 ) Ⅰ. 豊かで安全 安心な暮らしの実現 赤枠が住宅局関係項目 1. 住まいの質の向上 無理のない負担での住宅の確保 1 新築住宅に係る税額の減額措置の延長 ( 固定資産税 ) 2 認定長期優良住宅に係る特例措置の延長 ( 登録免許税 不動産取得

公的な住宅改修制度について

約 6 倍になると予測されており これら高経年マンションが増えていく中 経年による建物 設備の劣化等に対応するための大規模修繕や改修等の資金不足の問題が深刻化している 今後 良質なマンションを維持していくためにも 特にマンション共用部のリフォームについての支援が急務である (4) 賃貸住宅のリフォー

所得税確定申告セミナー

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

4. 土地 住宅用建物に係る不動産取得税の特例の延長土地や住宅に対する投資を促進し 都市や地域の活力を高める観点から 土地及び住宅用建物に係る軽減税率 3%( 本則 4%) 及び宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の特例 ( 固定資産税評価額の 1/2) の適用期限 ( 平成 27 年 3

2. 省エネ改修工事 耐震改修工事をした場合の所得税額の特別控除に係る工事範囲の拡充 (1) 改正の趣旨 背景 新築の長期優良住宅の認定基準制度に加え 平成 28 年 2 月 増改築による長期優良住宅の認定基準が制定された 長期優良住宅であると認定されることで 税制上様々な優遇措置を受けることができ

#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

図表 1 消費税率引上げに伴う住宅着工の影響 ( 平成 9 年 ) 1995( 平成 7) 年度 1996( 平成 8) 年度 1997( 平成 9) 年度 (4 月 1 日に消費税 (5%) 導入 ) 1998( 平成 10) 年度 住宅着工戸数 前年からの増減 1,485 万戸 - 1,630

設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

スライド 1

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

表紙

(3) 居住用財産の買換えに伴う長期譲渡所得の課税の特例の適用期限 ( 平成 29 年 12 月 31 日 ) を延長する Ⅱ. 時代を先取りするまちづくりの推進税制 1. 国家戦略特区に係る特例の延長 拡充 (1) 我が国の大都市に世界中からヒト モノ カネ 情報を呼び込む魅力的なまちづくりを推進

間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 53ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期間 5 年間

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

スライド 1

固定資産税等の概要及び税収動向等 3-1

平成18年度地方税制改正(案)について

<4D F736F F D C590A789FC90B D8F B690E682C882B5837A815B A2E646F63>

Taro-P0 表紙.jtd

< F2D E738BC794B A C8892E >

4 住宅購入 名称住宅購入に対する各種税金と給付金に関する支援 担当部課 概要新築または中古の住宅を取得するとかかる税金があります また 所得税控除や給付金が支払われる制度もあります 1. 不動産取得税 ( 県税 ) 土地や家屋などの不動産の取得時に 県が課税する税金です お問い合わせ先 神奈川県藤

平成 25 年度住宅 土地関連税制改正 住宅関連予算要望 ( 社 ) 住宅生産団体連合会 日本国内は 東日本大震災からの復興需要から明るさが見えてきてはいるが ヨーロッパの金融不安の再燃による経済の不透明感やその影響による中国をはじめとする新興国の経済成長率の鈍化 更に日本の株安円高などの不安定要因

経 ViewPoint 営相談 相続時における小規模宅地等の特例の改正 谷口敬三相談部東京相談室 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 ( 以下 小規模宅地等の特例 ) は 一定の要件を満たす宅地等 ( 特定事業用等宅地等 特定居住用宅地等 貸付事業用宅地等 ) につ

平成 29 年度税制改正要望 平成 28 年 9 月 5 日一般社団法人不動産協会 我が国の経済は緩やかな回復を続けているが 世界経済のリスクなどにより 先行きは不透明な状態となっている 我が国の経済がデフレからの脱却を確実なものとし GDP を拡大していくためには 経済効果の高い大都市が牽引すると

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A81698DC481588F4390B3816A8F5A91EE91EE926E95AA89C889EF8E9197BF816990C590A AA816A205B8CDD8AB B83685D>

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

Ⅱ. 時代を先取りするまちづくりの推進税制 1. 都市再生促進税制の延長 都市再生を引き続き強力に推進し 都市の国際競争力を一段と強化するために 以下の 都市再生促進税制の特例措置の適用期限 ( 平成 31 年 3 月 31 日 ) を延長する (1) 特定都市再生緊急整備地域に係る特例 税 目 特

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

同 修繕 基本融資額 補修資金引方移転資金整地資金 730 万円 440 万円 440 万円 引方移転資金と整地資金の両方を利用する場合は 合計で 440 万円が限度となる 引方移転資金および整地資金は 補修資金と併せて利用する場合に限り利用できる (2) 東日本大震災被災者向け特例措置 の改正 1

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

<4D F736F F F696E74202D208DC48DB782B591D682A F8C668DDA97708E9197BF816995CA A205B8CDD8AB B83685D>

2. 二世帯住宅と特定居住用宅地等 [1] 区分所有なし : 外階段 / 親族が取得する場合 Q. 被相続人 A が所有する宅地の上に A の所有する建物があり 1 階に A が居住し 2 階に子 B とその家族が居住しています ( 建物内部では行き来ができない構造 ) A と B は別生計です こ

住宅税制の概要 1 住宅の取得に係る税制 ( 注 ) を付した部分は 平成 22 年度税制改正により改正されたもの ( 1) 所得税 住宅ローン減税 ( 租 41) ( 国税 ) 住宅の新築 取得又は増改築等をした場合 10 年間 住宅ローン等の年末残 個人住民税 高の1.0%( 長期優良住宅につい

栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 二期計画 ) 概要版 1 計画の目的と背景 高齢化が急速に進行する中 平成 24 年 3 月に県土整備部と保健福祉部が連携のもと高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく 栃木県高齢者居住安定確保計画 ( 以下 現計画 という ) を策定し 高齢者が安心して快適に暮

事務連絡 平成 31 年 2 月 28 日 ( 一社 ) 住宅リフォーム推進協議会ご担当者様 国土交通省住宅局住宅政策課 住宅企画官付 住宅生産課 建築指導課 税制特例に係る証明書における建築士等の個人の住所欄の削除について 平素より住宅行政の推進にご協力をいただき 誠に有難うございます 先般 パブ

第 5 章 N

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

13全日総第16号

平成 26 年度住宅 土地関連税制改正 住宅関連予算要望 一般社団法人住宅生産団体連合会 日本経済は デフレからの脱却に向けた政府の政策により 円安による輸出環境の改善 大胆な金融緩和や財政出動による株式市場の活況など再生の兆しが見えてきているところである これからは 規制改革や税制による支援などで

2. 要望事項は 9 つのテーマ 一般社団法人プレハブ建築協会の要望事項は 以下の 9 項目となっている 要旨を紹介する 1. 住宅取得に係る消費税の負担軽減措置を含む住宅税制の見直しついて 住宅に係る税制は 消費税をはじめ多重に課税されており 特に住宅取得時には大きな負担となっている このため 国

平成27年度 住宅・土地関連税制改正、住宅関連予算要望

Microsoft Word - 3

(4) 宅地建物取引士の欠格要件について定める第十八条第一項の五号の二の次に次の号が 付け加えられました 五の三暴力団員等 ( 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規 定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者 ) (5) 更新日前でも手数料を

住宅リフォームの減税制度の概要 リフォームの減税制度 一定の要件を満たすリフォームを行った場合に受けられる減税制度は 5 種類あります 各制度の概要と主な要件は以下の通りです 詳細は本編をご覧ください 減税制度の種類 1. 所得税の控除 1 投資型減税 2 ローン型減税 3 住宅ローン減税 2. 固

Microsoft PowerPoint (確定)【住宅事業者様向け】平成29年度市場動向調査

平成16年版 真島のわかる社労士

<4D F736F F F696E74202D C590A789FC90B38A BC D96B189DB92F18F6F816A>

1. 住宅税制の概要 1

12. 小規模宅地等の特例の見直し 1. 改正のポイント (3) 適用時期平成 30 年 4 月 1 日以後に相続又は遺贈により取得する宅地等に係る相続税について適用される ただし (2)1 の改正について 平成 30 年 3 月 31 日においての別居親族の要件を満たしていた宅地等を平成 32 年

Transcription:

平成 31 年度 国土交通省税制改正事項 ( 住宅局関係抜粋 ) 平成 30 年 12 月 国土交通省住宅局

平成 31 年度税制改正概要 ( 住宅局 ) 結果特例措置税目 - 消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 住宅ローン減税の控除期間を 3 年間延長 ( 建物購入価格の消費税 2% 分の範囲で減税 ) 所得税個人住民税 延長 拡充 空き家の発生を抑制するための特例措置 ( 延長 ) 相続した空き家について 当該空き家を耐震改修したもの及びその敷地又は当該空き家を除却した後の敷地を譲渡した場合に 譲渡所得から 3,000 万円を控除 ( 拡充 ) 被相続人が老人ホーム等に入居していた場合を対象に追加 所得税個人住民税 延長 拡充 延長 買取再販で扱われる住宅の取得等に係る特例措置 ( 延長 ) 買取再販事業者が既存住宅を取得し一定のリフォームを行う場合 以下の通り減額 住宅部分 : 築年数に応じて 一定額を減額 敷地部分 : 一定の場合 ( ) に 住宅の床面積の 2 倍にあたる土地面積相当分の価格等を減額 対象住宅が安心 R 住宅である場合又は既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入する場合 ( 拡充 ) 省エネ改修の要件 ( 全ての居室の全ての窓の断熱改修 : 全窓要件 ) の合理化 サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制 固定資産税 :2/3を参酌して1/2 以上 5/6 以下の範囲内で条例で定める割合を5 年間減額不動産取得税 : 住宅について課税標準から1,200 万円控除等 不動産取得税 固定資産税不動産取得税 その他の項目 防災街区整備事業の施行に伴う新築の施設建築物に係る税額の減額措置の延長 ( 固定資産税 ) 被災居住用財産の敷地に係る譲渡期限の延長等の特例の拡充 ( 東日本大震災関連 )( 所得税 個人住民税 ) 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合等の所得税額の特別控除に関する標準的費用額の工事実績を踏まえた見直し ( 所得税 ) 熊本地震の被災住宅用地等に係る課税標準の特例措置の拡充 ( 固定資産税 都市計画税 )

施策の背景 消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 住宅投資は内需の柱であり 消費税率引上げによる駆け込み需要とその反動減が生じた場合に経済に与える影響が大きいことを踏まえ メリットが出るよう施策を準備 するという安倍総理の発言に沿って 需要変動の平準化に万全を期すための対策を講ずる 消費税率引上げとそれに伴う対応について ( 抄 ) ( 平成 30 年 10 月 15 日臨時閣議内閣総理大臣発言 ) 第 4 に 消費税負担が大きく感じられる大型耐久消費財について 来年 10 月 1 日以降の購入にメリットが出るように 税制 予算措置を講じます ( 略 ) 住宅についても 来年 10 月 1 日以降の購入等について メリットが出るよう施策を準備します 平成 31 年 10 月の消費税率引上げに伴う住宅に係る対策 ( 既に決定済のもの ) 1 住宅ローン減税の拡充措置の継続 ( 控除対象借入限度額 : 一般住宅 4,000 万円長期優良住宅 低炭素住宅 5,000 万円 ) 2 すまい給付金の拡充 ( 対象となる所得階層の拡充 給付額を最大 30 万円から 50 万円に引上げ ) 3 贈与税の非課税枠の大幅な拡充 ( 最大限度額 1,200 万円 最大限度額 3,000 万円 ) 持家及び分譲住宅の着工戸数指数の推移 ( 季節調整値 ) 前々回 (1997 年 4 月 ) 前回 (2014 年 4 月 ) の消費税率引上げ時は 駆け込み需要とその反動減が発生 出典 : 住宅着工統計 国土交通省 平成 31 年 10 月の消費税率引上げに際し需要変動の平準化に万全を期すため 以下の通り住宅ローン減税の拡充措置を講ずる 控除期間適用年の 11 年目から 13 年目までの各年の控除限度額 ( 一般住宅の場合 ) 3 年間延長 (10 年間 13 年間 ) 以下のいずれか小さい額 1 借入金年末残高 ( 上限 4,000 万円 ) の 1% 2 建物購入価格 ( 上限 4,000 万円 ) の 2/3%(2% 3 年 ) 認定住宅の場合は 借入金年末残高の上限 :5,000 万円 建物購入価格の上限 :5,000 万円 消費税率 10% が適用される住宅の取得等をして 平成 31 年 10 月 1 日から平成 32 年 12 月 31 日までの間に居住の用に供した場合に適用 また 既に措置することが決まっているすまい給付金の拡充 ( 対象となる所得階層の拡充 給付額を最大 30 万円から 50 万円に引上げ ) 等 税制 予算による総合的な対策を講ずる

空き家の発生を抑制するための特例措置の拡充 延長 ( 所得税 個人住民税 ) 空き家の発生を抑制するため 空き家の譲渡所得の 3,000 万円特別控除について 適用期間を 4 年間延長するとともに 被相続人の直前居住要件を緩和し 老人ホーム等に入居していた場合を特例適用対象に加える 周辺の生活環境に悪影響を及ぼしうる空き家の数は年々増加 相続人が使う見込みのない古い住宅が空き家として放置され 周辺の生活環境に悪影響を与えることを未然に防止することが必要 ( 万戸 ) 600 500 400 300 200 100 0 施策の背景 125 万戸 昭和 58 年平成 25 年平成 35 年平成 37 年 出典 住宅 土地統計調査( 総務省 ) 将来値は民間シンクタンク試算値を参考 ( 今後の空き家対策を加味しない推計 ) 特例措置の内容 ( 主な要件 ) 被相続人が単独で居住し 亡くなった後に空き家の状態空き家 敷地の譲渡所得 相続後 3 年経過した年の12 月 31 日までに譲渡 から3,000 万円を特別控除 旧耐震基準建築物を除却又は耐震リフォーム 結果 賃貸 売却用等以外の その他空き家 戸数の推移 318 万戸 約 500 万戸程度 約 100 万戸抑制 平成 28 年住生活基本計画における目標 約 400 万戸程度 被相続人は相続開始の直前において老人ホーム等に入居していることも多い 相続人が使う見込みのない空き家 敷地の流通を促進し 空き家の発生を抑制 老人ホーム等で亡くなる方は年々増加しており 特例適用対象に加えることで空き家対策を着実に実施 本特例措置を 4 年間 ( 平成 32 年 1 月 1 日 ~ 平成 35 年 12 月 31 日 ) 延長する 被相続人が老人ホーム等に入居していた場合を対象に加える 親の家屋に人が住まなくなった ( 親が主たる居住地を移した ) 理由 無回答 11.7% 死亡 64.2% 別の住宅へ転居 8.4% 老人ホーム等の施設に入居 14.4% 出典 平成 26 年空家実態調査 ( 国土交通省 ) 老人ホーム等の入居者が持ち家を所有し続ける理由 家財道具を置いておくため 45.0% 施設と自宅を行き来して生活しているため 14.5% 出典 老人ホーム等入居者へのアンケート調査 ( 国土交通省 )

買取再販で扱われる住宅の取得等に係る特例措置の拡充 延長 ( 不動産取得税 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化を図るため 買取再販事業者が既存住宅を取得し一定のリフォームを行った場合 不動産取得税を減額する特例措置を 2 年間延長するとともに 省エネ改修の適用要件の合理化する措置を講じる 施策の背景 既存住宅流通市場の更なる活性化に向けて平成 30 年 4 月より 宅地建物取引業法の改正によるインスペクションの活用や 安心 R 住宅 制度などの取組を開始したところ 買取再販は ノウハウを有する事業者が既存住宅を買い取り 質の向上を図るリフォームを行ってエンドユーザーに販売する事業 消費者が安心して購入できることから 既存住宅流通 リフォーム市場拡大に大きな役割を果たすものとして期待 目標 2025 年までに既存住宅流通市場規模を 8 兆円に リフォーム市場規模を 12 兆円に倍増 未来投資戦略 2017( 平成 29 年 6 月 9 日閣議決定 ) 特例措置の内容 現行 買取再販で扱われる住宅に係る不動産取得税 ( 事業者の取得にかかるもの ) ついて 以下の通り減額 2 150 万円又は家屋の床面積の 2 倍 (200 m2を限度 ) に相当する土地の価格のいずれか大きい額に税率を乗じて得た額 結果 リフォーム工事 ( 一定の質の向上 ) * 売主事業者買主 住宅 : 築年月日に応じ 一定額を減 住宅部分 築年月日に応じ 一定額を減額額 ( 最大 36 万円 ) 敷地部分 一定の場合 ( 1) に 税額から一定額 ( 2) を減額敷地 : 一定額を減額 (H31.4.1~H33.3.31) 拡充 延長 1 対象住宅が 安心 R 住宅 である場合または既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入する場合 現行の措置を 2 年間 ( 平成 31 年 4 月 1 日 ~ 平成 33 年 3 月 31 日 ) 延長する 省エネ改修について 適用要件を合理化する 不動産取得税 登録免許税 現行の必須要件 ( 全ての居室の全ての窓の断熱改修 ( 全窓要件 )) に 住宅全体の省エネ性能 ( 断熱等級 4 など ) を改修により確保した場合を追加 不動産取得税 登録免許税 住宅 : 所有権移転登記 : 0.1% ( 本則 2% 一般住宅特例 0.3%) (~H32.3.31) * 耐震 省エネ バリアフリー 水回り等のリフォーム

サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制の延長 ( 不動産取得税 固定資産税 ) 高齢者が安心して暮らせる住宅ストックが不足していることから 在宅医療 介護の場となるサービス付き高齢者向け住宅の供給を促進するため 新築のサービス付き高齢者向け住宅に係る特例措置を 2 年間延長する 施策の背景 高齢者が安心して暮らせる住宅ストックは諸外国と比較すると不足している中 高齢単身世帯 高齢夫婦世帯の増加は今後も見込まれる状況 このため 在宅医療 介護の場となるサービス付き高齢者向け住宅の供給を促進することが必要 日本 (2005) デンマーク (2006) 英国 (2001) 全高齢者に対する介護施設 高齢者住宅の割合施設系住宅系 2.5% ( 参考 ) 政府計画における位置づけ住生活基本計画 (H28.3.18 閣議決定 ) ニッポン一億総活躍プラン (H28.6.2 閣議決定 ) 高齢者が望む地域で住宅を確保し 日常生活圏において 介護 医療サービスや生活支援サービスが利用できる居住環境を実現 3.5% 0.9% 4.4 % 3.7% 米国 (2000) 4.0% 2.2% 6.2 % 特例措置の内容 8.1% 8.0% 10.7 % 11.7 % 資料 : 社会保障国民会議サービス保障 ( 医療 介護 福祉 ) 分科会 ( 第 8 回 ) まちづくりと調和し 高齢者の需要に応じたサービス付き高齢者向け住宅等の供給促進や 生涯活躍のまち の形成 高齢者人口に対する高齢者向け住宅の割合 4%( 平成 37 年度 ) 高齢者生活支援施設を併設するサービス付き高齢者向け住宅の割合 90%( 平成 37 年度 ) 2005(H17) 2010(H22) 2015(H27) 2020(H32) 2025(H37) 2030(H42) 2035(H47) 2040(H52) 高齢単身世帯 高齢夫婦世帯の増加 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 2020 年代初頭までに介護基盤の整備拡大量 :50 万人分以上 ( サービス付き高齢者向け住宅約 2 万人分を含む ) 固定資産税 5 年間 税額を 1/2~5/6 の範囲内で市町村が条例で定める割合を軽減 ( 参酌標準 :2/3) 不動産取得税 家屋 : 課税標準から 1,200 万円控除 / 戸土地 : 税額から一定額 (150 万円又は家屋の床面積の 2 倍 (200 m2を限度 ) に相当する土地の価格のいずれか大きい額に税率を乗じて得た額 ) を軽減 結果現行の措置を 2 年間 ( 平成 31 年 4 月 1 日 ~ 平成 33 年 3 月 31 日 ) 延長する 386 479 592 702 751 795 841 896 477 552 642 674 676 669 666 858 687 902 936 688 675 660 651 659 3,184 3,250 3,161 3,346 3,308 3,222 3,072 2,833 ( 万世帯 ) ( 平成 17,22,27 年は総務省 平成 27 年国勢調査 平成 32,37,42,47,52 年は国立社会保障 人口問題研究所 日本の世帯数の将来推計 ( 全国推計 )( 平成 30 年推計 ) をもとに 国土交通省作成 ) 5,000 4,000 3,000 単身高齢者世帯 高齢者夫婦世帯 2,000 高齢者がいるその他の世帯 1,000 高齢者のいない一般世帯 ( 単位 : 千人 -) 要介護状態にある高齢者は増加傾向 65 歳以上の要介護者数の推移 3,323 3,475 3,609 3,784 3,962 4,103 4,241 4,352 H21.3 H22.3 H23.3 H24.3 H25.3 H26.3 H27.3 H28.3 ( 出典 : 介護保険事業状況報告 ) 日本再興戦略 2016 (H28.6.2 閣議決定 ) 中短期工程表 既存住宅流通 リフォーム市場を中心とした住宅市場 活性化 2 サービス付き高齢者向け住宅や高齢者支援施設等の整備を促進 サービス付き高齢者向け住宅の適切な立地や質の確保の推進等により 多世代循環型の住宅 コミュニティづくり ( スマートウェルネス住宅 シティ ) を推進 等

その他の税制改正事項 防災街区整備事業の施行に伴う新築の施設建築物に係る税額の減額措置の延長 ( 固定資産税 ) 適用期限を平成 33 年 3 月 31 日まで 2 年延長 被災居住用財産の敷地に係る譲渡期限の延長等の特例の拡充 ( 東日本大震災関連 )( 所得税 個人住民税 譲渡期限を 3 年延長 ( 平成 30 年 12 月 31 日まで 平成 33 年 12 月 31 日まで ) 併せて 一部運用の見直しを実施 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合等の所得税額の特別控除に関する標準的費用額の工事実績を踏まえた見直し ( 所得税 ) 工事実績を踏まえて見直すこととする 熊本地震の被災住宅用地等に係る課税標準の特例措置の拡充 ( 固定資産税 都市計画税 ) 熊本地震の被災住宅用地等の特例について 2 年延長 ( 平成 30 年度分まで 平成 32 年度分まで )