第4 避難施設

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東京都建築安全条例(昭和二十五年東京都条例第八十九号)新旧対照表(抄)

資料 1-6 認知症高齢者グループホーム等に係る消防法令等の概要 1 消防法令の概要 主な消防用設備等の設置基準消防用設備等の種別消火器屋内消火栓設備スプリンクラー設備自動火災報知設備消防機関へ通報する設備誘導灯 設置基準規模 構造にかかわらずすべて延べ面積 700 m2以上延べ面積 275 m2以

2-21 踊場を共有する階段 令第 23 条令第 121 条府条例第 33 条 図 -1 図 -2 図 -3 UP DN UP DN 3F A 2F 1F DN UP DN UP w w w w 上図のような階段形式のものについては次の通り取り扱う ただし 図 -3 においては 縦方向に A の範囲

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東京都建築安全条例の見直しの考え方

松山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例施行規則平成 26 年 10 月 27 日規則第 65 号 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は, 松山市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例 ( 平成 26 年条例第 52 号 以下 条例 という ) の施行に関し必要な事

178 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 2016 小規模特定用途複合防火対象物 ( 政令別表第 1⒃ 項イに掲げる防火対象物のうち 特定用途に供される部分の床面積の合計が当該部分が存する防火対象物の延べ面積の10 分の1 以下であり かつ 300m2未満であ

1600 mm 1200 mm 1200 mm 1600 mm 2200 mm 1200 mm 大阪市建築基準法取扱い要領 2-30 特別避難階段の付室の取扱い 令第 123 条第 3 項 (1) 付室の最小幅員下記のような特別避難階段の付室内の最小幅員は 法定の廊下幅及び階段幅以上とする 非常用

保育所の設備及び運営に関する基準 保育室等 屋外 遊戯場 設備 ( 必置 ) 面積設備 ( 必置 ) 面積 調理室 便所 0 1 歳児 乳児室及びほふく室 医務室 2 歳以上児 保育室又は遊戯室 乳児室 ほふく室 3.3m2 / 人 保育室 遊戯室 1.98m2 / 人屋外遊戯場 近隣の都市公園を代

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第6 非常用の進入口

別添 ( 用語の定義 ) 消防法( 昭和 23 年法律第 186 号 ) 法 消防法施行令( 昭和 36 年政令第 37 号 ) 令 消防法施行規則( 昭和 36 年自治省令第 6 号 ) 規則 特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令 ( 平成 20

消防法施行規則等の一部を改正する省令等の公布について ( 参考資料 ) 別紙 1 1 改正理由 (1) 背景住宅宿泊事業法 ( 平成 9 年法律第 65 号 ) が平成 30 年 6 月 15 日に施行され 住宅宿泊事業に係る事前の届出が同年 3 月 15 日に開始された ( 住宅宿泊事業法の施行期

第2章 事務処理に関する審査指針

隣地境界線126 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 消防用設備等の設置単位消防用設備等の設置単位は 建築物 ( 屋根及び柱又は壁を有するものをいう 以下同じ ) である防火対象物については 特段の規定 ( 政令第 8 条 第 9 条 第 9 条の

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Microsoft Word - 法第43条第2項第2号許可基準

ポリカーボネート板に関する建築物の屋根への適用状況

新旧対照表 (1/15)

鉄道建築ニュース用原稿 「シャッター」 070928   (社)日本シヤッター・ドア協会

1 目的 建築基準法第 68 条の 5 の 5 第 1 項及び第 2 項に基づく認定に関する基準 ( 月島地区 ) 平成 26 年 6 月 9 日 26 中都建第 115 号 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 法 という ) 第 68 条の 5 の 5 第 1 項 及び第 2

番号 特定共同住宅等の種類と必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等 二方向避難型特定共同住宅等である (1) 初期拡大抑制性能 ( その 2) 図面番 ア地階を除く階数が 5 以下のもの 消火器具屋外消火栓設備動力消防ポンプ設備 又は住戸用及び共同住宅用非常警報設備 イ地階を除く階数

エ建替え後の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影面積の合計は 現に存する建築物又は現に建築の工事中の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影面積の合計を超えないこと オ建替え後の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影部分の形状は 現に存する建築物又は現に建築の工事

設計内容説明書 ( バリアフリー性 : 等級 3 対応 ) 専用部分 ( 第二面 ) 手すり 通路及び出入口の幅員 ( 日常生活空間 ) 寝室 便所及び浴室 ( 日常生活空間 ) 廊下階段 ( 開放されている側 ) 転落防止 手すり子 通路 出入口 ( バルコニー勝手口を除く ) 浴室 便所 特定寝

国土技術政策総合研究所 研究資料

便所 縮尺 福祉型便房のある便所の構造 福祉型便房並びに腰掛便座及び手すりの 設けられた便房の構造並びに床置式の小便器の構造 手すり 縮尺 外形 両端部及びわん曲部の構造並びに傾斜路及び階段の両端部の構造 視覚障害者用 床材 縮尺 視覚障害者用床材及び周囲の床材の仕上げ材料 仕上げ方法 色及び形 状

民泊の安全措置の手引き ~ 住宅宿泊事業法における民泊の適正な事業実施のために ~ 平成 29 年 12 月 26 日 ( 平成 30 年 3 月 29 日改訂 ) 国土交通省住宅局建築指導課

Taro-03_H3009_ただし書同意基準

(5) 第 1 号から前号までの規定により住宅用防災警報器が設置される階以外の階のう ち 次に掲げるいずれかの住宅の部分 ア床面積が 7 平方メートル以上である居室が 5 以上存する階の廊下 イアに規定する階に廊下が存しない場合にあっては 当該階から直下階に通ずる 階段の上端 ウアに規定する階に廊下

8 避難経路 避難経路とは 廊下 階段 避難上有効なバルコニーその他これに類するものをいう 直接外気に開放されていること 避難上支障のない幅員及び転落防止上有効な高さの手すり等を有し 60 cm以上の幅員を有していること 3 バルコニー等に設ける仕切板等の寸法は 概ね幅 600 mm 高さ 800

4. エレベータホール ( 設置する場合 ) 5. エレベーター ( 設置する場合 ) 6. 共用廊下 共用階段 ること 共用玄関等からの見通しが確保されていない場合には 見通しを補完する対策が講じられていること 照明設備 1 共用メールコーナーの照明設備は 床面において50ルクス以上の平均水平面照

[ 例 1] 敷地の分割例 1270 m2の敷地を 135 m2ずつに分割する場合 270 m2 135 m2 135 m m2の敷地を 140 m2と 130 m2に分割する場合 270 m2 140 m2 130 m2 2

第2 令別表第1の取扱い

建築基準法第 86 条第 1 項 第 2 項の規定に基づく一団地の総合的設計制度及び連担建築物設計制度等の運用について 建築基準法第 86 条第 1 項 第 2 項及び法第 86 条の2 第 1 項の規定に基づく認定の運用は 平成 11 年 4 月 28 日付け建設省住街発第 48 号局長通達による

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建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の同意の取扱い基準 平成 18 年 6 月 1 日東広島市建築審査会 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 43 条第 2 項第 2 号の規定により許可を行う場合, 次 に定める基準のいずれかに該当する建築物の敷地については, 建築審査会

建築基準法第43条第1項ただし書に係る一括同意基準

目次 ( )

第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける

日影許可諮問(熊野小学校)

建築基準法第85条第4項の仮設建築物の許可基準

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(4) 区域は 境界が明確であること (5) 区域は 道路に 4m 以上接していること ただし 次に掲げる場合は この限りでない ア路地状区域の場合は 道路に 2.7m 以上接すること イ小規模路地状区域の場合は 道路に 2m 以上接すること (6) 区域は 区域内の敷地を細分化する建築行為を含まな

条例解説6~11条

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移動等円滑化経路を構成するエレベーターの規定である ( 停止階の規定やかご及び昇降路の出入口に関する規定など ) 適合義務の対象となる建築物のうち床面積の合計が 500 m2以上の建築物については エレベーター等の設置義務が発生する (500 m2未満の建築物における任意設置するエレベーターに対して

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藤沢市地区計画運用基準 施行平成 30 年 4 月 1 日 る 本運用基準は, 地区計画の届出に際しての審査の画一化及び円滑化を図るため, 必要な事項を定め 項目第 1 建築物等の用途の制限に関する事項第 2 建築物の容積率の最高限度に関する事項第 3 建築物の建蔽率の最高限度に関する事項第 4 建

第 28 条 居室の採光及び換気 屋外廊下に面した開口部の採光について 屋外階段前の開口部の採光について 採光補正係数 (1) 106 変更 81 採光補正係数 (2) 採光補正係数 (3) 線路敷の取扱い 109 削除 - 換気に有効な部分

法適合性チェックシートVer.2.1

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屋内消火栓設備の基準 ( 第 4.2.(3). オ ) を準用すること (2) 高架水槽を用いる加圧送水装置は 屋内消火栓設備の基準 ( 第 4.2.(4). ア イ及びウ ) を準用するほか (1). ア イ及びウの例によること (3) 圧力水槽を用いる加圧送水装置は 屋内消火栓設備の基準 ( 第

番号

認可保育所の整備について

(2) 路地街区 ア路地街区の内部で 防火性の向上と居住環境の改善を図るため 地区施設等に沿った建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定めることにより 道路斜線制限を緩和し 3 階建て耐火建築物の連続した街並みを形成する イ行き止まりの路地空間では 安全性の確保のため 2 方向の避難を目的とし

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大阪市再開発地区計画にかかる

建築基準法施行規則第10条の2第1号

動車車庫については 隣地境界線又は同一敷地内の他の建築物との距離は2m 以上とし 各階の外周部に準不燃材料で造られた防火壁 ( 高さ1.5m 以上 ) を設けること (3m 以上の距離を確保した場合を除く ) に改める 号通知 記 2 自動火災報知設備の設置について の一部改正記 2 中

用に供するものをいう ) の昇降路の出入口に接するは 水平とすること ( ウ ) 壁面には 突出物を設けないこと ただし やむを得ず突出物を設ける場合にあっては 視覚障害者の通行の安全上支障が生じないよう必要な措置を講ずること ( エ ) 特定施設を利用する者の休憩の用に供するための設備を適切な位置

第19 避難器具

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第2章第2節 第4~6

第19 排煙設備

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第 3 倉庫に係る防火安全対策 1 目的この基準は 近年 倉庫が大規模化し また 作業所的要素が出てくるなど特殊化する傾向が見られることから 倉庫に係る出火防止 延焼拡大防止 避難の安全確保等に係る具体的基準を定めたものである 2 指導対象この基準に基づき指導する防火対象物の範囲は次に掲げるものとす

194 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 共通事項 省令第 12 条の 2 並びに第 13 条第 1 項第 1 号及び第 2 項に規定するスプリンクラー設備を設置するこ とを要しない構造の取り扱いは 次によること ⑴ 省令第 12 条の2で定める

第二面 1. 建築物の位置 延べ面積 構造 設備及び用途並びに敷地面積に関する事項 建築物に関する事項 1. 地名地番 2. 敷地面積 m2 3. 建築面積 m2 4. 延べ面積 m2 5. 建築物の階数 地上 階 地下 階 6. 建築物の用途 一戸建ての住宅 共同住宅等 非住宅建築物 複合建築物

第 21 換気設備等製造所等の換気設備及び排出設備の基準については 次による 1 換気設備 (1) 換気設備は 室内の空気を有効に置換するとともに 室温を上昇させないためのものであり 下記のものがある ア自然換気設備 ( 給気口と排気口により構成されるもの ) イ強制換気設備 ( 給気口と回転式又は

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2 3 階施設 建築基準法第 2 条第 9 号の2に規定する耐火建築物又は同条第 9 号の3に規定する準耐火建築物であること 保育室等が設けられている次の表の欄に掲げる区分ごとに それぞれ同表の右欄に掲げる施設又は設備が1 以上設けられていること 区分施設又は設備 1 建築基準法施行令第 123 条

2 病院次のいずれにも該当する病院のうち 相当程度の患者の見守り体制を有するもの ( 火災発生時の消火活動を適切に実施することができる体制を有するものとして総務省令で定めるもの ) 以外のもの ( ア ) 特定診療科名を有するもの ( イ ) 一般病床又は療養病床を有する病院 火災発生時の延焼を抑制

建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の基準 ( 包括同意基準 ) 平成 30 年 9 月 28 日 加古川市都市計画部建築指導課

第18 消防用水

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習志野市一団地の総合的設計制度認定基準 第 1 目的この基準は 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 86 条第 1 項又は第 86 条の2 第 1 項 ( 第 86 条第 1 項に係る部分に限る 以下同じ ) の規定による認定に関し必要な事項を定め 一団地の総合的設計制度の適用により良好な市街

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第 6 内装制限 防火材料 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律 ( 平成 11 年法律第 87 号 ) が平成 12 年 4 月 1 日に施行されたことに伴い これまでの建設省等の通達等の取扱いについては建築主事等 の執務上の取扱いによることとなった 1 防火材料 (1) 不燃材

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調布都市計画深大寺通り沿道観光関連産業保護育成地区の概要

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様式第 2 号の 4 特定共同住宅等省令適用チェックリスト ( その 1) 番号 特定共同住宅等の種類と省令消防用設備等 計画 図面 番号 1 二方向避難 開放型特定共同住宅等である ( 計算書を添付する ) (1) [ 初期拡大抑制性能 ] ア地階を除く階数が 10 以下のもの 消火器具 屋内消火

第5 建築排煙

(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

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Transcription:

第 4 避難施設 建基令第 5 章第 2 節第 120 条から第 126 条に規定される避難施設等は, 次に掲げる建築物とする なお, 当該審査要領については, 避難施設等のうちの階段及び出入口とする 建基法別表第一( い ) 欄 ( 一 ) 項から ( 四 ) 項までに掲げる用途に供する特殊建築物 階数が3 以上である建築物 建基令第 116 条の2 第 1 号に該当する窓がその他の開口部を有しない居室を有する階 延べ面積が 1,000 m2を超える建築物 1 直通階段直通階段とは, 各階で次の階段まで誤りなく通じ避難階 ( 直接地上へ通じる出入口のある階 ) に容易に到達できる階段をいう 建基令第 120 条の直通階段の要件階段の途中に扉があるなど避難上支障があるものや, 次の階へ通じる階段の位置が離れていて連続性に欠けるものなどは直通階段に該当しない ( 第 4-1 図参照 ) また, 避難時に次の階段が容易に確認できないものや階段の踊場が廊下状のものなども含む 避難上支障があり直通階段に該当しない例 : 避難経路 廊下 室 室 室 屋上 ( 階段の途中に戸があるもの ) ( 長い廊下を介するもの ) ( 階段の踊場が廊下状のもの ) ( 屋上を介して見通しのきかないもの ) 第 4-1 図 2 2 以上の直通階段 (1) 次に掲げる階段は, 建基令第 121 条で定める2 以上の直通階段として扱えない 1 2 以上の階段が途中階 ( 避難階を含む ) で一の階段となるもの 2 2 以上の直通階段を必要とする階が, 一の階段室内を経由しなければ他の階段に到達できない避難動線となっているもの (2) 避難上有効なバルコニー等建基令第 121 条の避難上有効なバルコニー, 屋外通路その他のこれらに類するものは, 次によること 1

1 避難上有効なバルコニーの構造 ( 第 4-2 図参照 ) アバルコニーの位置は, 直通階段の位置と概ね対称の位置とし, かつ, 当該階の各部分と容易に連絡されていること イバルコニーは, その1 以上の側面が道路等又は幅員 75 cm以上の敷地内の通路に面し, かつ, 安全な場所に避難することができる手段が講じられていること 安全な場所に避難することができる手段とは, 避難器具により地上への避難動線が確保されているものをいう なお, 当該避難器具は, 固定タラップ, 床埋設式避難ハッチ等の連続的な避難ができる設備をいう ( 福岡市確認申請の手引きによる ) ウバルコニー ( 共同住宅の住戸等に附属するものを除く ) の各部分から2m 以内にある当該建築物の外壁は耐火構造 ( 準耐火建築物にあっては準耐火構造 ) とし, その部分に開口部がある場合には, その開口部に防火戸 ( 建基法第 2 条第 9 号の2ロに規定する防火設備をいう 以下同じ ) が設けられていること エバルコニーの面積は,2m2以上( 当該バルコニーから安全に避難する設備の部分を除く ) とし奥行きの寸法は 75 cm以上であること オ屋内からバルコニーに通ずる出入口の戸の幅は 75 cm以上, 高さは 1.8m 以上, 下端の床面からの高さは 15 cm以下であること カバルコニーは十分外気に開放されていること キバルコニーの床は, 準耐火構造その他これらと同等以上の耐火性能を有するものとし, かつ, 構造耐力上安全なものとすること 防火設備 防火設備で幅 75 cm以上, 高さは 1.8m 以上, 床からの高さは 15 cm以下面積 2m2以上で床は準耐火構造など 耐火構造など 75 cm以上 2m 十分外気に開放第 4-2 図 2m 2 屋外通路の構造ア当該階の外壁面に沿って設けられ, 直通階段の位置と概ね対称の位置で屋内と連絡されていること イ当該階の各部分と容易に連絡されていること ウ幅 60 cm以上で, 手すりその他の安全な場所に通じるものとすること エ通路の一端は, 直通階段に連絡し, 他端はタラップその他の避難上有効な手 2

段により安全な場所に避難できる措置が講じられていること 直通階段が外壁に接して設けられていない場合又は通路を直通階段に連絡することが困難でやむを得ない場合等にあっては, 両端に安全に避難することができる手段を講じたもの オ屋内部分との区画, 出入口の戸及び構造については, バルコニーの場合と同様にされていること 3 その他これらに類するもの下階の屋根, ひさし等 ( 耐火構造のものに限る ) 及び避難橋等で,1 又は2の避難上有効なバルコニー又は屋外通路と同等以上の避難上の効果を有するものは, その他これらに類するものとみなす 3 避難階段又は特別避難階段建基令第 123 条の避難階段及び特別避難階段は, 次によること (1) 屋内に設ける避難階段 1 構造 ( 第 4-3 図参照 ) ア階段室の壁の構造は, 耐火構造とする ただし, 建基令第 123 条第 4 号の開口部, 第 5 号の窓, 第 6 号の出入口の部分は除く イ階段室の内装は, 天井, 壁について下地 仕上げとも不燃材料とする ウ採光上有効な窓又は予備電源を有する照明設備を設ける エ屋外に面する開口部 (1m2以内の鉄製網入りガラス入り等の防火設備のはめごろし戸は除く ) は, 階段室以外の開口部等から 90 cm以上離すか, 又は 50 cm以上突出したそで壁 ひさし等を設ける オ屋内に面して窓を設ける場合は,1m2以内の鉄製網入りガラス入り等の防火設備のはめごろし戸とする カ階段室の出入口の戸は, 防火設備で次の ( ア ) 又は ( イ ) のいずれかに適合するものであること ( ア ) 常時閉鎖式防火戸 ( 面積 3m2以内 ) ( イ ) 随時閉鎖できる煙感知器又は熱煙複合式感知器連動の自動閉鎖の防火設備とし, かつ, 直接手で避難方向に開くことができ, しかも, 手を放せば自動的に閉まる構造を有するものとする 幅 75 cm, 高さ 1.8m, 敷居高さ 15 cmキ階段は, 耐火構造として避難階まで直通させること ( 鉄造も可 ) 3

採光窓又は予備電源付照明設備 ( 屋外 ) 50 cm以上 90 cm以上 耐火構造の壁 内装下地 仕上げとも不燃材料 第 4-3 図 防火設備 1 常時閉鎖式 2 随時閉鎖式煙感知器連動自動閉鎖幅 75 cm以上, 高さは 1.8m 以上, 床からの高さは 15 cm以下 屋内に面する窓 1 m2以内の鉄製網入りガラス等の防火設備等のはめごろし戸 2 階段室内に設けるエレベーターの出入口階段室内には, 原則としてエレベーターの出入口は設けることができない ただし, すべての階でエレベーターの昇降路等の部分が他の部分と防火区画され, 出入口が階段室内のみにある場合は, この限りではない (2) 屋内避難階段等の部分を定める件 ( 平 14.11.28 消防庁告示第 7 号 ) の階段規則第 4 条の2の3 並びに第 26 条第 2 項, 第 5 項第 3 号ハ及び第 6 項第 3 号の屋内避難階段等の部分は, 階段の各階又は各階の中間の部分ごとに設ける直接外気に開放された排煙上有効な開口部 ( 窓の場合は該当しない ) で次の1 及び2に該当するもの ( 第 4-4 図参照 ) 1 開口部の開口面積は,2m2以上であること 2 開口部の上端は, 当該階段の部分の天井の高さの位置にあること ただし, 階段の部分の最上部における当該階段の天井の高さの位置に 500 cm2以上の外気に開放された排煙上有効な換気孔を設けた場合は, この限りではない 4

垂壁なし有効開口部面積 2 m2以上 踊場の天井 壁 ( 最上階 ) 天井 天井面に接して 500 cm2以上の外気に開放された換気孔 壁 垂壁 手すり壁 手すり壁 排煙上有効な開口部を有する屋内避難階段第 4-4 図 (3) 屋外に設ける避難階段 1 構造 ( 第 4-5 図参照 ) ア階段から2m 以内には階段への出入口以外の窓等を設けないこと ( ただし,1m2以内の鉄製網入りガラス入り等の防火設備のはめごろし窓は可 ) イ階段への出入口の戸は, 前 (1).1. カの戸を設けること ウ階段は, 耐火構造として地上まで直通すること ( 鉄造も可 ) エ階段の開放性は, 各階において開放性は階段周長の 1/2 以上が直接外気に有効に開放されていること ( 開放率は 75% 以上とする ) オ手すりの高さは,90 cm以上 ( 踊場部分は 1.1m 以上 ) とすること ( 屋外 ) 2m 手すり 耐火構造の階段防火設備常時閉鎖式又は随時閉鎖式 煙感知器若しくは熱煙複合式感 2m 知器連動自動閉鎖 この範囲内の出入口以外の開口部は禁止 ( ただし,1 m2以内の鉄製網入りガラス入り等のはめごろし戸は可 ) 第 4-5 図 5

2 2m 未満の距離に設けるはめごろし窓の取扱い屋外避難階段から2m 未満の距離の範囲に1m2以内の鉄製網入りガラス等の防火設備のはめごろし戸を連続して設置する場合, 当該はめごろし戸相互間の部分は耐火構造の壁で区切られるものとし, 単に窓枠等で区切られた場合は窓枠相互で区切った面積の合計が1m2を超えることはできない ( 第 4-6 図参照 ) ア イ a b a b a,b 各々 1 m2以内であれば認められる a と b の合計が 1 m2以内であれば認められる ( 耐火構造の壁で相互が隔てられている ) ( 開口部の窓枠等の区切りでは別の開口部として認められない ) ウ ( 屋外避難階段から 2m 未満の距離の部分 ) エ ( 屋外避難階段から 2m 未満の距離の部分 ) a b ( 片引き ) a b a と b の合計が 1 m2を超える場合は認められない a の部分がはめごろしの構造となっていないので認められない 第 4-6 図 3 手すり 格子等の取り扱い ( 福岡市確認申請の手引きによる ) 屋外避難階段に手すり, 格子等が設置されている場合は, 当該部分の見付面積の 3/4 以上の空隙があれば, 開放されているものとして取り扱う ( 第 4-7 図参照 ) a 3a a 3a a 第 4-7 図 6

4 エレベーターの出入口との関係屋外避難階段から2m 未満の距離の範囲であっても, 十分外気に開放されている場合には, その部分にエレベーターの出入口を設置することができる なお, エレベーターの昇降路の戸は, 法第 2 条第 9 号の2ロに規定する防火設備とする必要がある ( 第 4-8 図参照 ) 室内 開放廊下 EV 出入口 2m 出入口 ( 常時閉鎖式防火戸 ) 階段の踊場の幅 手すり 屋外避難階段 第 4-8 図 (4) 特別避難階段 1 構造 ( 第 4-9 図参照 ) ア屋内と階段室とは, バルコニー又は外気に向かって開くことのできる窓若しくは排煙設備 ( 国土交通大臣が定めた構造方法に限る ) を有する付室を通じて連絡すること ( 特別避難階段の付室に設ける外気に向かって開けることのできる窓及び排煙設備の構造方法を定める件 ( 昭和 44 年 5 月 1 日建設省告示第 1728 号 )) イ階段室, バルコニー及び付室は, オの開口部, キの窓又はケの出入口の部分を除き, 耐火構造の壁で囲むこと ウ階段室及び付室の天井 壁の室内に面する部分は, 下地 仕上げとも不燃材料とする エ階段室には, 付室に面する窓その他の採光上有効な開口部又は予備電源を有する照明設備を設ける オ階段室, バルコニー又は付室の屋外に面する壁に設ける開口部は, 避難階段の場合と同様のほか, 延焼のおそれのある部分に設けてはならない カ階段室には, バルコニー及び付室に面する部分以外に屋内に面して開口部を設けないこと キ階段室のバルコニー又は付室に面する部分に窓を設ける場合には, はめごろし戸を設けること クバルコニー及び付室には, 階段室以外の屋内に面する壁に出入口以外の開口部は設けないこと 7

バルコニー隣地境界線第 4 避難施設 ケ屋内からバルコニー又は付室に通ずる出入口には特定防火設備を, バルコニー又は付室から階段室に通ずる出入口には防火設備を設け, その開閉機能及び大きさは, いずれも避難階段と同じとする コ階段は, 耐火構造とし, 避難階まで直通とすること サ 15 階以上の各階又は地下 3 階以下の各階における階段室及びこれと屋内とを連絡するバルコニー又は附室の床面積の合計は, その階の居室床面積に 3/ 100( 建基法別表第一 ( い ) 欄 ( 一 ) 項又は ( 四 ) 項の用途の居室にあっては 8 /100) を乗じたものの合計以上とする バルコニー方式の特別避難階段 採光上有効な開口部 b 耐火構造の壁 内装下地, 仕上とも 不燃材料 特定防火設備 a 1 常時閉鎖式又は 2 随時閉鎖式, 煙感知器連動自動閉鎖防火設備若しくは熱煙複合式感知器連動自動閉鎖 1 常時閉鎖式又は 2 随時閉鎖式, 煙感知器連動自動閉鎖若しくは熱煙複合式感知器連動自動閉鎖 自然排煙方式の特別避難階段 外気開放窓 耐火構造の壁, 内装は下地, 仕上とも不燃材料 予備電源付照明設備 延焼のおそ れある部分以上の距離 a 付室特定防火設備自動閉鎖 b 防火設備 1 常時閉鎖式又は 2 随時閉鎖式 煙感知器連動自動閉 鎖若しくは熱煙複合式感知器連動 8

機械排煙方式の特別避難階段 a 防火設備 b 特定防火設備 50 cm 90 cm 窓 付室 予備電源付照明設備 耐火構造の壁, 内装は下地, 仕上とも不燃材料排煙設備 ( 風道 ) 第 4-9 図 2 特別避難階段のバルコニー又は付室の床面積特別避難階段のバルコニー又は付室の床面積については,5m2以上とすることが望ましい 3 非常用エレベーターの乗降ロビーと特別避難階段の付室を兼用する場合の必要床面積は, 非常用エレベーターの乗降ロビーの必要床面積 (1 基について 10 m2 ) と特別避難階段の付室 ( 概ね5m2 ) との合算とし, 建基令第 123 条第 3 項第 11 号の規定にも適合しなければならない ( 第 4-10 図参照 ) 排煙 DS 非常用 EV 乗降ロビー兼用付室 (Bm2) EPS Bm2 (10 m2+5m2 ) (A+B) m2 建基令第 123 条第 3 項第 11 号の規定面積 +10 m2 特別避難階段 (A m2 ) 第 4-10 図 9

4 屋外への出口 建基令第 125 条に定める避難階の屋外への出口は, 回転扉としないこと 5 その他 (1) 建基令第 126 条第 2 項の規定による屋上広場を設ける百貨店等は, 百貨店等の 防火安全に関する条例の運用等 第 3 節第 2( 参考 )3(3) により指導すること (2) 建基令第 120 条の居室等の歩行距離は, 火災時等の避難を想定したものであるか ら, 室内の間仕切り, 家具等を考慮したものとする必要がある (3) 避難経路となる通路や階段等の壁及び天井には, 避難上障害となる鏡等を設けな いこと (4) 直通階段が避難階において上層と下層のいずれにも連なる場合の避難階の階段 室内には, その旨の表示 ( 避難口誘導灯, 誘導標識 ) をしておくこと (5) 避難通路等には, 避難の障害となるような段差等を設けないこと (6) その他避難通路等の取扱いは, 条例第 5 章によること (7) トランク付きエレベーターの仕様救急隊が保有するストレッチャーが収容できるようトランク扉の形状について, 次のとおりとすること 1 トランクルームを含めたかごの奥行きを, 内法寸法で 2m 以上確保すること 2 トランクルーム扉のシャッター化やサイズの拡大 ( 高さ概ね 80 cm以上, 幅 60 cm以上 ) 及び容易に開閉できる構造とすること 10

参考 関係条文 建基法建基令建設省告示 第 35 条 ( 特殊建築物等の避難及び消火に関する技術的基準 ) 第 36 条 ( この章の規定を実施し, 又は補足するため必要な技術的基準 ) 第 116 条の 2 ( 窓その他の開口部を有しない居室等 ) 第 117 条 ( 適用の範囲 ) 第 118 条 ( 客席からの出口の戸 ) 第 119 条 ( 廊下の幅 ) 第 120 条 ( 直通階段の設置 ) 第 121 条 (2 以上の直通階段を設ける場合 ) 第 121 条の 2 ( 屋外階段の構造 ) 第 122 条 ( 避難階段の設置 ) 第 123 条 ( 避難階段及び特別避難階段の構造 ) 第 123 条の2 ( 共同住宅の住戸の床面積の算定等 ) 第 124 条 ( 物品販売業を営む店舗における避難階段等の幅 ) 第 125 条 ( 屋外への出口 ) 第 125 条の2 ( 屋外への出入口等の施錠装置の構造等 ) 第 126 条 ( 屋上広場等 ) 第 23 条 ( 階段及びその踊場の幅並びに階段のけあげ及び踏面の寸法 ) 第 24 条 ( 踊場の位置及び踏幅 ) 第 25 条 ( 階段等の手すり等 ) 第 26 条 ( 階段に代わる傾斜路 ) 第 27 条 ( 特殊の用途に専用する階段 ) 昭 44.5.1 第 1728 号 ( 特別避難階段の付室に設ける外気に向かって開けることのできる窓及び排煙設備の構造方法を定める件 ) 11

建基市条例 第 8 条 ( 劇場等の屋外への出口 ) 第 9 条 ( 劇場等の直通階段 ) 第 10 条 ( 劇場等の避難階段等 ) 第 11 条 ( 劇場等の用途に供する部分への準用 ) 第 12 条 ( 劇場等の用途に供する部分における 直通階段の共用 ) 第 13 条 ( 劇場等の避難階における避難経路 ) 第 14 条 ( 劇場等の廊下 ) 第 15 条 ( 劇場等の客席からの出口 ) 第 18 条 ( マーケット等の通路 ) 第 19 条 ( 木造の共同住宅等の出口 ) 平 23.3.31 国家公安委員会 総務省 国土交通省告示第 1 号 ( 高齢者, 障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく告示 ) 福岡市福祉のまちづくり条例 ( 平 10 福岡市条例第 9 号 ) 福岡市福祉のまちづくり条例施行規則 ( 平 10 福岡市規則第 93 号 ) 条例第 5 章 ( 避難及び防火の管理等 ) 12