高圧ガス(第578号),P40-45

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既存の高越ガス設備の耐震性向上対策について

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( 考慮すべき視点 ) 内管について 都市ガスでは需要家の所有資産であるがガス事業者に技術基準適合維持義務を課しており 所有資産と保安責任区分とは一致していない LPガスでは 一般にガスメータの出口より先の消費設備までが需要家の資産であり 資産区分と保安責任区分が一致している 欧米ではガスメータを境

高圧ガス(第577号),P44-49

高圧ガス(第571号),P69-75

高圧ガス保安法第 44 条第 1 項に基づく容器検査 ( 超低温 30 日 30 日容器以外 )(500リットルを超えるもの) 高圧ガス保安法第 44 条第 1 項に基づく容器検査 ( 超低温容器以外 )(500 リットル以下のもの ) 高圧ガス保安法第 44 条第 1 項に基づく指定容器検査機関の

事業者におけるエネルギー管理者の位置づけ 特定事業者 エネルギー管理統括者 [ 事業者全体としての取組 ] 経営的視点を踏まえた取組 中長期計画作成の取りまとめ 現場管理に係わる企画立案 実務の実施 ( マニュアルなどの作成 ) 事業者の代表者 補佐 条件 : 法律上 事業の実態を統括管理する者 を

整理ページ番号 1 P.1 他 2 P.1-P.2 ご意見全般について 法律 政令 省令等について 公布年や公布番号等がカッコ書きされているものもあれば記載のないものもあるので いずれかに統一することが望ましいです 例 :P b) P 注 1.1 注 1) b) 2) 中間貯

目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

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Microsoft Word - 表紙 雛形(保険者入り)高齢者支援課180320

Microsoft Word - 【施行②】第50条解釈適用指針Rev4.doc

資料 7-1 特殊車両の通行に関する指導取締要領の一部改正について 国土交通省関東地方整備局道路部交通対策課 1 (1) 特殊車両通行許可制度 2

フロン回収・破壊法の改正内容等について

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個人情報保護規定

Q5: 点検で不合格になった場合は? A5: 点検で不合格になった容器弁は 新品の容器弁に更新する必要があります Q6: 点検ではなく更新することはできるの? A6: 更新することはできます 更新した場合は 容器弁の安全性 の点検は必要ありません 劣化の著しいものや当工業会が交換を推奨する期間 (1

安全管理規程

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ください 5 画像の保存 取扱い防犯カメラの画像が外部に漏れることのないよう 一定のルールに基づき慎重な管理を行ってください (1) 取扱担当者の指定防犯カメラの設置者は 必要と認める場合は 防犯カメラ モニター 録画装置等の操作を行う取扱担当者を指定してください この場合 管理責任者及び取扱担当者

< 解説 > 医療用ガスボンベ誤認防止のため ガス種の確認は医薬品ラベルによる確認を最重要と捉えその励行を推奨し 特に誤認の多い医療用小型ガスボンベに焦点を当て 識別性の高い医薬品ラベルの指針を制定する また医療ガス安全管理委員会の役割を強化し 医療ガスを安全に取扱うための医療ガス教育を更に充実させ

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News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日

HPIS

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事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

ただし 森林の土地の所有権の取得と併せて 当該森林について法第 10 条の2の規定に基づく開発行為の許可を受けて他の用途へ転用する場合など 地域森林計画の対象とする森林から除外されることが確実であるときは 届出書の提出を要さないものとして運用して差し支えない (2) 土地の所有者となった日届出書の提

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第 1 はじめに 1 ガイドライン策定の目的安全で安心なまちづくりを進める上で 近年 防犯カメラの設置は広く有用であると認められており 市内においても防犯カメラの設置が進んでいます しかし その一方で 知らないうちに自分の姿が撮影され 目的外に利用されること等に不安を感じる市民の方もいます そこで

1 趣旨このガイドラインは 日本国内の公道 ( 道路交通法 ( 昭和 35 年法律第 105 号 ) 第 2 条第 1 項第 1 号に規定する 道路 をいう 以下同じ ) において 自動走行システム ( 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度に行い 又はその全てを行うシステムをいう 以下同じ ) を

4 奨励品種決定調査 (1) 奨励品種決定調査の種類ア基本調査供試される品種につき 県内での普及に適するか否かについて 栽培試験その他の方法によりその特性の概略を明らかにする イ現地調査県内の自然的経済的条件を勘案して区分した地域 ( 以下 奨励品種適応地域 という ) ごとに 栽培試験を行うことに

PowerPoint プレゼンテーション

薬食発 0718 第 15 号平成 24 年 7 月 18 日 各都道府県知事殿 厚生労働省医薬食品局長 コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について コンタクトレンズについては 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 以下 法 という ) 第 2 条第 5 項に規定する 高度管

目 次 第 1 はじめに 2 1 ガイドライン策定の目的 2 2 ガイドラインの対象となる防犯カメラ 2 3 防犯カメラで撮影された個人の画像の性格 2 第 2 防犯カメラの設置及び運用に当たって配慮すべき事項 3 1 設置目的の設定と目的外利用の禁止 3 2 設置場所 撮影範囲 照明設備 3 3

日消装発第 号初版 : 平成 22 年 10 月 14 日改訂 1: 平成 24 年 9 月 12 日一般社団法人日本消火装置工業会 容器弁の安全性 に係る点検について Q&A Q1: 容器弁の安全性 の点検対象は? A1: 不活性ガス消火設備 ハロゲン化物消火設備 粉末消火設備 パッケ

Microsoft Word - 【発送版】製造所の登録通知

金融円滑化に関する方針 千葉銀行は 地域金融機関として 金融サービスの提供をつうじて 地域のお客さまニーズにお応えし 地域の発展に貢献する という役割 使命を果たす 姿勢を堅持してまいりました 特に 地域への円滑な資金供給をはじめとする金融仲介機能の発揮やお客さまへの経営健全化支援等による地域密着型

1 策定の目的 この手引書は 茅ヶ崎市地域防犯カメラ ( 以下 地域防犯カメラ という ) の設置及び運用について配慮すべき事項を定めることにより 地域防犯カメラの有用性とプライバシー保護等との調和を図り 地域防犯カメラを適切かつ効果的に活用し 茅ヶ崎市の安心して安全に暮らせるまちづくりを推進するこ

JCROA自主ガイドライン第4版案 GCP監査WG改訂案及び意見

5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

準処理期間 経由機関での協議機関での処分機関での処理期間処理期間処理期間内訳設置許可 14 日 - - 変更許可 10 日設定年月日平成 26 年 4 月 1 日最終変更日年月日 備考

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D 液 日団協技術資料 D 液 地下埋設式バルク貯槽の発生能力 1. 制定目的 バルク貯槽を地下埋設し自然気化によってLPガスを消費しようとする場合 需要家の消費量に対して十分な量のLPガスを供給することのできる大きさのバルク貯槽を設置しなければならないが バ

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J I S J A S O 廃止提案書 1. 対象規格 JASO M 304:02 ( 自動車用発泡体 ) 2. 廃止の背景と理由この規格は自動車用の断熱 防音 防振及びクッション用材料の性能 試験方法を標準化する趣旨で 1969 年に制定され 以後 4 回の改正が行われた なお 本年度の定期見直し

つがる市小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備建設に関するガイドライン 平成 29 年 11 月 15 日公表 1 目的本ガイドラインは つがる市 ( 以下 市 という ) において小形風力発電 (20kW 未満 ) 設備及び設備建設に伴う送電線等の付帯設備 ( 以下 小形風力発電設備等 という

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平成 26 年度経済産業省委託事業 高圧ガス取扱施設における リスクアセスメント手法及び保安教育プログラム調査研究 講師データベースの構築 平成 27 年 3 月 高圧ガス保安協会

「GMP担当者研修・認定講座」の運用規定(案)

監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

消防法 ( 抄 ) ( 昭和 23 年 7 月 24 日法律第 186 号 ) 最終改正 : 平成 27 年 9 月 11 日法律第 66 号 第 17 条 ( 消防用設備等の設置 維持と特殊消防用設備等の適用除外 ) 学校 病院 工場 事業場 興行場 百貨店 旅館 飲食店 地下街 複合用途防火対象

資料  

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( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の

Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

別紙 フロン排出抑制法に基づく平成 28 年度のフロン類の再生量等及び破壊量等の集計結果について 環境省 1. 再生量等の集計結果 (1) 再生量フロン排出抑制法に基づき第一種フロン類再生業者から報告のあった平成 28 年度におけるフロン類の再生量の合計は約 1,248 トンであり 平成 27 年度

会員各位 29 東協第 40 号平成 29 年 12 月 15 日 一般社団法人東京都 LP ガス協会高圧ガス保安協会東京都液化石油ガス教育事務所所長尾崎義美 ( 印略 ) 液化石油ガス設備士再講習会開催のご案内 液化石油ガス法第 38 条の 9 第 1 項の規定に基づく標記講習会を下記の要領で実施

2. 主な改正事項等の概要 (1) 液石法施行規則の一部改正 ( 別添 1 参照 ) 1 第 16 条 ( 販売の方法の基準 ) に 一般消費者等に対して液化石油ガスの供給に係る料金その他の一般消費者等の負担となるものを請求するときには 一般消費者等にその算定根拠を通知することを追加 WG 報告書

仮貯蔵 仮取扱い実施計画書 ( ドラム缶等による燃料の貯蔵及び取扱い ) 保有空地の周囲にロープを張り ( バリケードを立て ) 空地を確保する 第 5 種消火設備を 3 本設置する 保有空地 確保する 高温になることを避けるため 通気性を確保した日除けを設置 工場東側空地約 360 m2 通風 換

「GMP担当者研修・認定講座」の運用規定(案)

平成27年度事業計画書

資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

望の内容平成 28 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) ( 経済産業省経済産業政策局産業再生課 ) 制度名産業競争力強化法に基づく事業再編等に係る登録免許税の軽減措置 税 目 登録免許税 ( 租税特別措置法第 80 条 ) ( 租税特別措置法施行令第 42 条の

~ 都市計画道路予定地の評価 ~ 今回の豆知識では 我々不動産鑑定士が日常の評価業務において良く目にする 都市計画 道路予定地 の評価について取り上げてみたいと思います 1. 都市計画道路とは? 都市計画法では 道路 公園 下水道処理施設等の施設 ( 都市施設 ) のうち必要なものを都市計画に定める

- 2 - 改正後改正前(登録申請書に添付すべき書類)(登録申請書に添付すべき書類)第一条(略)第一条(略)一次の表の上欄に定める倉庫の種類に応じ 同表の下欄に掲げる一次の表の上欄に定める倉庫の種類に応じ 同表の下欄に掲げる書類書類規則第三条第一号一~五(略)規則第三条第一号一~五(略)の一類倉庫

イドライン が策定されたところです こうした中 平成 30 年 6 月 29 日に第 196 回通常国会で成立した 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律 ( 以下 働き方改革関連法 という ) に基づく改正後の労働基準法において 建設業については 平成 31 年 4 月の法施行から5

中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など

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特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 新旧対照表 改正後 特定保健指導における情報通信技術を活用した面接による指導の実施の手引き 現行 ICT を活用した特定保健指導の実施の手引き 最終改正平成 30 年 2 月 9 日 1.ICTを活用した特定保健指導の実施者保険

図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

新システム概念図 変更点及び今後の課題 新システムの検討にあたっては 当初 シールを用いた徴収方法を検討していたが 関係者との調整の結果 以下のような変更及び課題が生じている 1 変更点 : 製品価格に内部化する費用の性質発炎筒の流通は 主として 新車搭載用として自動車製造業者等 交換用として自動車

第3章 指導・監査等の実施

小水力発電に係る電気事業法の規制について

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( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

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問 19. 自由化後に新規参入のガス小売事業者と契約した場合 その後に引っ越しをすると どうなるのですか 海外への転勤などで契約廃止の手続をするにはどうすれば良いですか 問 20. 持ち家 ( 戸建住宅 マンション又は集合住宅 ) に住んでいるのですが 新規参入のガス小売事業者からガスを買うことはで

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地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

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1 監督 検査の意義監督 検査は 会計法 に基づき 契約の適正な履行を確保するための手段です 監督は 通常 製造又は役務の請負契約の履行過程において 必要な立会 工程管理 材料 部品等の審査又は試験 細部設計書の審査 承認等の方法により 検査では確認できない部分について 契約物品に対する要求事項が確

危険物施設簡易タンク移動タンク給油取扱所屋内貯蔵所屋外タンク屋内タンク屋外貯蔵所地下タンク販売取扱所一般取扱所合小小造計計計所 第 Ⅱ 編一般災害予防計画 第 3 章第 7 節二次災害の防止体制整備計画 4) 車両火災の予防 5) 危険物施設における自主防災組織の育成 現況 本市における危険物 高圧

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調査の目的 全国の自動はかりの設置 使用状況等の実態把握 この度の計量制度見直しにより 平成 年 月より順次 取引又は証明に使用される自動はかりを検定の対象とすることとなった 検定システムを構築するには これらの 自動はかり の全国的な設置状況の実態を把握し 検定に必要なリソースを検討するため 全国

死亡者数については 図-2より 35~40 年前 ( 昭和 51 年 - 昭和 55 年の5 年間の平均 ) は63.2 人であったが その後 25~30 年前 ( 昭和 61 年 - 平成 2 年の5 年間の平均 ) は34.2 人 15~20 年前 ( 平成 8 年 - 平成 12 年の5 年間

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中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律第 7 条第 1 項に規定する説明書類 奄美信用組合 奄美信用組合は 奄美地区における金融の円滑化への取り組みをこれまで以上に強化するとともに その取り組み姿勢をお客様にご理解していただき 借入の条件変更等に関する ご要望 ご相談に迅速

上記の要件をすべて満たさないカメラ ( 例えば 録画装置を備えていないカメラ ) であっても 不特定多数の人を撮影している場合は プライバシーを侵害するおそれがあります このガイドラインの趣旨を踏まえ プライバシーの保護に配慮するとともに設置目的に沿った適切な運用を行うことが必要です 第 2 防犯カ

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目 次 1. トップランナー制度について 1トップランナー制度の概要について 3 2トップランナー基準に関する基本的な考え方について 5 3トップランナー基準に関する主な規定について 8 4トップランナー基準策定及び運用の流れについて 9 2. ラベリング制度について 1ラベリング制度の概要について

金融円滑化に係る説明書類(平成26年9月末時点)

Transcription:

462 液化石油ガス法の基礎シリーズ 液化石油ガス法の制定経緯と法令改正等の沿革 ( 第 12 回 ) 一昨年実施いたしました 高圧ガス誌 の読者アンケートおける今後取り上げて欲しいテーマでは, 高圧ガス保安法の基礎, LP 法の基礎 が上位でありました 加えてアンケートの自由記載欄でも法令に関するテーマの要望が多かったので, 高圧ガス保安法令及びLPガス法令に関する連載を開始しています 第 12 回目となる5 月号では, LPガスバルク供給システムの歩み ( その1) 関係業界の取組み のテーマで当協会山川雅美がLPガスのバルク供給に関する基準, 法整備などの経緯をわかりやすく紹介し, 関係事業に携わる多くの方にとって興味ある記事になっています 液化石油ガス法の基礎シリーズの掲載号 第 1 回 液化石油ガス法の誕生まで (1) 高圧ガス保安協会 山川雅美 Vol.54 No.6 第 2 回 液化石油ガス法の誕生まで (2) 高圧ガス保安協会 山川雅美 Vol.54 No.7 第 3 回 液化石油ガス法の誕生まで (3) 高圧ガス保安協会 山川雅美 Vol.54 No.8 第 4 回 液化石油ガス法の制定理由と規制内容 高圧ガス保安協会山川雅美 Vol.54 No.9 第 5 回 簡易ガス事業の法制化と LP ガスタンクローリ事故防止委員会発足高圧ガス保安協会山川雅美 Vol.54 No.10 第 6 回 液化石油ガス法の運用開始は手探りで 高圧ガス保安協会山川雅美 Vol.54 No.11 第 7 回 LPガス消費者保安啓発活動の事業展開と安全器具の普及高圧ガス保安協会山川雅美 Vol.54 No.12 第 8 回 液化石油ガス設備士制度, 認定調査機関制度の創設等高圧ガス保安協会山川雅美 Vol.55 No.1 第 9 回 一酸化炭素中毒等事故の多発と特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律の制定及び液化石油ガス法施行規則の給 排気関係基準の強化 高圧ガス保安協会 山川雅美 Vol.55 No.2 第 10 回 地下街等の保安対策の策定等 ( 静岡駅前ビル地下街のガス爆発事故を受けて ) 高圧ガス保安協会 山川雅美 Vol.55 No.3 第 11 回 ヤマハレクリェーション つま恋 内レストランでガス爆発事故発生等 料理飲食店等に対する末端閉止弁等に対する 保安規制の強化等 高圧ガス保安協会 山川雅美 Vol.55 No.4 40 高圧ガス

液化石油ガス法の基礎シリーズ 液化石油ガス法の制定経緯と法令改正等の沿革 463 LP ガスバルク供給システムの歩み ( その 1) 関係業界の取組み 高圧ガス保安協会 山川雅美 1 LP ガスバルク供給方式への胎動我が国において,LP ガスの一般家庭等への供給は, 昭和 20 年代後半から始まったとの記録があり, 公式統計によれば,1956( 昭和 31) 年に家庭 業務用を中心に 4.5 万トンの需要量と公表されたのを嚆矢 ( こうし ) とし, 昭和 50 年には 1,000 万トンという大台を突破した 家庭用燃料が, それまでの薪炭中心から石油ガス系燃料へ, まさにエネルギー革命の最中にあった 当然ながら LP ガスの配送業務は増加の一途をたどり,LP ガス業界では LP ガスの保安を確保しつつ供給の円滑化, 合理化を図ることが求められるところとなった そこで, その数年前から LP ガスの供給を, 消費先に定置された大形容器に移動式製造設備により充塡して供給する方式, 即ち LP ガスバルク供給方式 が注目されるようになってきたのである 当時 LP ガス関係団体は, 日本 LP ガス団体統合協議会 ( 以下, 日統協 と略称) を組織して各種活動を統一的に行っていたが, 1973( 昭和 48) 年 9 月に LP ガスバルク供給方式推進委員会 を設置し,LP ガスバルク供給方式に関する実態調査, 取扱要領の作成等の活動を開始したところである 折しも,1974( 昭和 49) 年 7 月 30 日通商産業大臣 ( 現経済産業大臣 ) の諮問機関であ る 高圧ガス及び火薬類保安審議会 ( 以下, 審議会 という) より 今後の高圧ガス保安行政のあり方 と題する答申が出され, その第 6 章 高圧ガスの輸送保安対策 の中で, バルク輸送を詳細に検討し, 合理的な体系を確立して行くよう提言され,LP ガス業界のバルク供給に対する取組に力を与えるところとなったのである こうして,1976( 昭和 51) 年 9 月 20 日に日統協から発行された LP ガスバルク供給設備及び取扱要領 ( 暫定案 ) には, 次のような内容がまとめられている 1 LP ガスバルク供給方式一般要領 2 LP ガスバルク容器製造要領 3 LP ガスバルク供給用タンクローリ製造要領 4 LP ガスバルク容器設置要領 5 LP ガスバルク供給設備取扱要領この要領の特徴的な点は次のとおりである (1)バルク容器は, 質量 250 kg,500 kg, 1,000 kg,2,000 kg 及び 2,900 kg の 5 種類とし, それぞれ標準品を例示した (2)カップリングには, セフティカップリング ( 後に液化石油ガス法施行規則では カップリング用液流出防止装置 と呼称 ) を採用することとした (3)タンクローリには, 原則として定量検知装置付流量計を設け過充塡を防止する構造とした Vol.55 No.5(2018) 41

464 (4) タンクローリには, ホース及びローディ ングアームを設置することとし, ホースまたはローディングアームを格納するか, 弁計器室のドアーを確実に閉じるなどしなければ, 発車できない構造とした ( 誤発進防止装置の装備 ) (5) 周囲の環境を十分考慮して, 容器を設置するようにした (6) 取扱いに関しては, きめ細かく規定し, 安全を配慮するとともに, 取扱者は保安責任者の免状を持ち, 業界自ら自主的に行う教育を受けることとした (7)タンクローリの点検について, 具体的かつ詳細に規定し, タンクローリの安全性が常に維持されるよう配慮した そして, 将来, この暫定案は, 実績を積み, 試験 実験を実施し, 完璧なものであることが実証された場合, 暫定案 の文字を削除したいと結んでいる 2 LP ガスバルク供給方式安全性確認実験 ( 野外公開実験 ) の実施 前述の取扱要領 ( 暫定案 ) がまとめられた後,1977( 昭和 52) 年 8 月 30 日, 審議会が通商産業大臣に提出した答申 液化石油ガス消費者保安体制のあり方について の中で, バルク供給方式について, 今後更に安全のためのテスト等も含めた詰めを行い, 技術基準, 保安管理基準等について所要の安全率を見込んで決定し, それに対応できる者についてバルク供給を段階的に認めて行くことが必要である さらに, その経験をフィードバックしつつ, バルク供給の普及を一層図っていくべきであると考えられる と提言している この答申の趣旨に従い, バルク供給方式の 取扱い及び保安面における安全性を確認することを目的として,1978( 昭和 53) 年 11 月 16 日に, 埼玉県伊奈町の高圧ガス関係工場建設予定地において標記野外公開実験が行われることとなった 国としても, このバルク供給システムが今後安全に推進していくべき供給方式であるとの認識から, この実験に国の予算を導入して支援した また, 実験本部長に高圧ガス保安協会の理事を充て,LP ガス業界はその総力を挙げて協力するとともに, 日本 LP ガスプラント協会及び高圧ガス保安協会が幹事役となって実施されたのである 3 実験に用いられたバルク容器の仕様実験用のバルク容器は,500 kg,890 kg の 2 種類の容器とし, その上部にしゃへい板 ( その内外面に反射率の高い塗料を塗布したもの ) を取り付けたものとした また, 一般の 500 kg 容器と同一直径のものとした この当時, バルク供給に使用する貯蔵設備については, バルク貯槽の構想はなく, あくまでも 500 kg 容器の延長で考えられていたためである なお, このときの容器には, 周辺火災発生時等においてバルク容器の過熱防止策の一つとして, 引出し用車輪装置を装備した 4 実験に用いられたバルクローリの仕様バルクローリの最大積載量は 3,000 kg 未満とし, 充塡用にポンプ搭載の 2720 型 ( 移充塡能力 120 ~ 160 リットル / 分 ), 回収用にコンプレッサ搭載の 2300 型の 2 台が用意された 42 高圧ガス

液化石油ガス法の基礎シリーズ 液化石油ガス法の制定経緯と法令改正等の沿革 465 バルクローリには, 安全装置として, 過充塡防止装置, 緊急しゃ断装置, セフティカップリング, 誤発進防止装置等を搭載したものとした LP ガスの回収作業を行い, タンクローリの誤発進防止装置の作動確認, 過充塡防止機構の作動確認, セフティカップリングの信頼性確認などを行う 5 実験の手順及び方法バルク供給システムの安全性確認実験は, 次のような事項について行われた (1)バルク容器における移充塡作業の安全性の確認 2720 型バルクローリから 500 型バルク容器へ 300 kg の LP ガスを充塡及び規定量まで継ぎ足し充塡, また同じく 890 型バルク容器へ 500 kg の LP ガスを充塡及び規定量まで継ぎ足し充塡 さらに,2300 型バルクローリにより, 規定量充塡されている 500 型バルク容器及び 890 型バルク容器からそれぞれ (2) バルク容器の移動作業性の確認バルク容器の設置場所周辺の火災等不測の事態に対処するため, バルク容器を消費設備から取り外し, 安全な場所まで人力で移動させるための準備時間の計測, 容器の設備からの取り外し操作の容易性の確認, 容器を 8 m の目的場所まで移動する時間の計測, 移動作業者の最少人員の確認などを行う ( 写真 ) (3) バルクローリ搭載用消火器の消火能力の確認能力単位 A- 5,B - 12,C( 薬剤充塡量 ABC 6.0 kg) の消火器を搭載することとし, 実験用の立体火災に対し, 消火に要した時間 写真 500 90 8m 3 30 Vol.55 No.5(2018) 43

466 の計測を行う 6 実験の結果と考察 上記の安全性確認実験は, 無事に予定の事 項の確認が行われ,LP ガスバルク供給が適正な設備と取扱によって成されるならば, 安全性がきわめて高いことが証明されたのである なお, この実験に対する関係者の関心はきわめて高く, 来賓, 一般見学者総数は約 560 名に及び, さらに記帳せずに見学した関係者が別途 200 名ほどいたものと推察される 7 高圧ガス保安協会による LP ガスバルク供給基準 の作成と周知 関係業界による上記のバルク供給システムの安全性確認実験を経ても, 実際にバルク供給システムは順調に普及するまでに至らなかった これは, バルク供給のためのバルク貯槽または容器 ( 以下, 貯蔵設備 という) が, 用途上その多くが住宅街に設置されること, また, 貯蔵設備に充塡するために, 大形のバルクローリが, 道路の狭い住宅街に入っていくことに対する住民の不安, 反発等が予想され, さらに, 住宅街において貯蔵設備にタンクローリから高圧ガスを直接充塡するという危険を伴う行為が, 機器の安全性, 充塡作業者の資格等の安全面の保証がないまま行われることになるという不安がある それに加えて, バルク供給システムが高圧ガス取締法と液化石油ガス法の両法に規制がまたがることとなるため, これに対応した法的な整備がなされない状況では, 行政として積極的に進めづらい面があったものと推察される 一方, LP ガスによる事故の減少傾向が進む中, 関係業界の LP ガスの安全性のさらなる向上, 省力化, 配送の合理化による交通の緩和等に関する要望は日増しに強くなってきていた そこで, 高圧ガス保安協会にバルク供給に関する基準を作成してほしいとの要請があり, 協会においては,1976 年に業界がまとめた LP ガスバルク供給設備及び取扱要領 ( 暫定案 ) の内容及び上記 バルク供給システムの安全性確認実験 の結果等を勘案しつつ, 1985( 昭和 60) 年 3 月,LP ガスバルク供給基準 (KHKS0005-1985) を制定したところであり, 同月 23 日付けをもって通商産業省 ( 現経済産業省 ) 立地公害局保安課長から各都道府県高圧ガス担当部長あてに, バルク供給システムの普及にあたっては, この自主基準を周知徹底して安全に進めるよう通達されたのである 8 LP ガスバルク供給基準の構成第 1 章基本的事項 1. 適用範囲貯槽又は貯蔵能力 450 kg 以上 3 トン未満の容器に,LP ガス移動式製造設備から LP ガスの供給を受け, これを消費する場合について適用 2, 製造と消費の法規制との関係等受入者が高圧ガスの製造, 消費等高圧ガス取締法の適用を受ける場合は同法の, 貯槽又は容器が液化石油ガス法の 特定供給設備 となる場合は同法の, それぞれ定めるところによること 3. 附属機器の型式認定等この基準に定める附属機器は, 大臣認定品又は協会が行う型式認定等を受け, これに合格したものとすること 44 高圧ガス

液化石油ガス法の基礎シリーズ 液化石油ガス法の制定経緯と法令改正等の沿革 467 4. 小容器への充塡規制 LP ガス移動式製造設備から, 内容積 1000 リットル以下の容器に直接 LP ガスを充塡しないこと 5. 適用期日この基準は昭和 60 年 3 月 23 日 ( 保安責任者の選任は, 協会の教育, 講習修了者とする関係で同年 7 月 1 日 ) から適用 なお, 現に都道府県知事の許可を受け, 又は届出済みの施設等のうち, この基準に適合しないものは改善すること 第 2 章基準 A LP ガス移動式製造設備 ( ポンプ又は圧縮機付タンクローリ ) 基準 B LP ガス受入設備等基準 C LP ガスカップリング用液流出防止装置基準 D LP ガス受入容器用過充塡防止装置基 準 E LP ガス受入容器用フロート式液面計基準 F LP ガス受入施設設置基準 G LP ガス受入施設管理基準 H LP ガス供給 ( 受入 ) 作業基準 I LP ガス移動式製造設備移動 管理基準こうして,LP ガス関係業界の悲願ともいうべき LP ガスバルク供給システムの普及は,1973 年 9 月に業界がバルク供給システム推進のための委員会を設置し検討を始めてから 10 年余を経て, ようやく国からの通達により船出に漕ぎ着けたのであるが, その法制化にはさらに 10 年余の時を要することとなるのである 山川雅美 ( やまかわまさみ ) MPC Vol.55 No.5(2018) 45