資料2-1 課税段階について

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p33-36 (自動車税)

揮発油税等の当分の間税率とその環境効果 揮発油税の概要 揮発油税及び地方揮発油税の税率は 昭和 49 年度税制改正において税率引上げが行われた際に 暫定的な措置として 租税特別措置法により税率の特例措置が講じられて以来 平成 20 年度改正において平成 30 年 3 月末までの 10 年間の措置とし

第1章

番号文書項目現行改定案 ( 仮 ) 1 モニタリン 別表 : 各種係 グ 算定規程 ( 排出削 数 ( 単位発熱量 排出係数 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 年度 排出係数 (kg-co2/kwh) 全電源 限界電源 平成 21 年度 -

環境税導入の都道府県別負担の評価

知っておこう

地球温暖化対策のための税の効果について 1. 平成 20 年 11 月中央環境審議会グリーン税制専門委員会 環境税等のグリーン税制に係るこれまでの議論の整理 より 税収を温暖化対策の費用に充てる 又は温暖化対策に係る減税に活用する場合 CO 2 削減に関し大きな効果が見込める ( 前略 ) 環境利用


3. 同意要件との関係宿泊税について 不同意要件に該当する事由があるかどうか検討する (1) 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし かつ 住民の負担が著しく過重となること 1 課税標準宿泊行為に関連して課税される既存の税目としては 消費税及び地方消費税がある 宿泊税は宿泊者の担税力に着目して宿泊数

第 3 章隠岐の島町のエネルギー需要構造 1 エネルギーの消費量の状況 ここでは 隠岐の島町におけるエネルギー消費量を調査します なお 算出方法は資料編第 5 章に詳しく述べます (1) 調査対象 町内のエネルギー消費量は 電気 ガス 燃料油 ( ガソリン 軽油 灯油 重油 ) 新エ ネルギー (

B.2 モニタリング実績 (1) 活動量 ( 燃料消費量 生成熱量 生産量等 ) 記号 モニタリング項目 定義 単位 分類 1 モニタリング方法 概要 頻度 実績値 モニタリング実績 計測対象期間 ( 年月日 ~ 年月日 ) 備考 F PJ,biosolid プロジェクト実施後のバイオマス固形燃料使

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租税特別措置法 ( 石油石炭税 地球温暖化対策のための課税の特例 関係 ) の改正 イギリスドイツフランスオランダフィンランドスウェーデンデンマーク 1993~99 年既存のエネルギー税制の引上げ炭化水素油税 ( ガソリン 軽油 重油等 ) について 税率を物価上昇率以上に毎年引上げ ( エスカレー

租税のあらまし 租税のあらまし 1. 我が国の税金 (1) 税金の役割 1 公共サービスの主要な財源私たち住民が円滑な日常生活を送るためには 国や地方団体が分担する様々な公共サービスの提供などが必要となります 国は 外交や司法など国の存立に関わる見地から行う仕事を担い 地方団体は 地域社会に密着した

スライド 1

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

東洋インキグループの環境データ(2011〜2017年)

扉〜目次

この税金は 自動車などの燃料である軽油にかかるものです 平成 21 年度から 道路整備のための目的税から使い軽油引取税途に制限のない普通税に変更になりました 納める人 特約業者 元売業者から軽油を引き取った ( 購入した ) 人 特約業者 元売業者が軽油代金と一緒に受け取り 県に納めます 軽油に灯油

PowerPoint プレゼンテーション

自動車税 納税義務者 ( 法 123) 1 自動車の所有者に課税します ( 所有者課税 ) なお 割賦販売などで売主が自動車の所有権を留保している場合は 買主を自動車の所有者とみなして課税します 2 国または地方公共団体等が所有する自動車の貸与を受けてその自動車を使用する場合は その使用者が納税義務

平成 22 年度エネルギー消費統計結果概要 経済産業省資源エネルギー庁平成 24 年 4 月 エネルギー種別に見ると 最終エネルギー消費総量の 37.5% が燃料 54.8% が電力 7.4% が熱となっています 調査の対象となった非製造業 製造業 ( 石油等消費動態統計対象事業所を除く ) 業務部

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

●租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案

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エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律の制定の背景及び概要 ( 平成 22 年 11 月 ) 資源エネルギー庁総合政策課編

と税 環境負荷の大きい自動車新車新規登録から 11 年を超えているディーゼル車 及び 13 年を超えているガソリン車 (LPG 車を含む ) の自動車税率が概ね 10%( 注 ) 高くなります ( 電気自動車 天然ガス自動車 メタノール自動車 ハイブリッド自動車 ( ガソリン車 ) 一般乗合用バス及

平成 28 年度エネルギー消費統計における製造業 ( 石油等消費動態統計対象事業所を除く ) のエネルギー消費量を部門別にみると 製造部門で消費されるエネルギーは 1,234PJ ( 構成比 90.7%) で 残りの 127PJ( 構成比 9.3%) は管理部門で消費されています 平成 28 年度エ

災害被害者に対する個人市民税の減免について 質問 1 当市では6 月 10 日に地震が発生し 大きな被害が生じました 地方税法第 323 条の規定により 被災者に対して個人市民税を減免したいと考えています (6 月 20 日時点と仮定 ) 当市の個人市民税 ( 普通徴収 ) の納期は 6 月 (1

新とする理由⑴ 政策目的 車体課税については 平成 23 年度税制改正大綱において エコカー減税の期限到来時までに 地球温暖化対策の観点や国及び地方の財政の状況を踏まえつつ 当分の間として適用される税率の取扱いを含め 簡素化 グリーン化 負担の軽減等を行う方向で抜本的な見直しを検討 することとされて

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

目 次 ( 補足説明資料 1) 入札価格算書作成用算シート ( 補足説明資料 2) 入札価格算書記載例 ( 補足説明資料 3) 合成比率の算定書作成要領 ( 補足説明資料 4) 入札価格と受給料金の関係 ( 補足説明資料 5) 二酸化炭素排出係数 - 特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量算

資料3

平成 21 年度資源エネルギー関連概算要求について 21 年度概算要求の考え方 1. 資源 エネルギー政策の重要性の加速度的高まり 2. 歳出 歳入一体改革の推進 予算の効率化と重点化の徹底 エネルギー安全保障の強化 資源の安定供給確保 低炭素社会の実現 Cool Earth -1-

国税通則法の見直しについて (23 年度改正 ) 税務調査手続の明確化 更正の請求期間の延長 処分の理由附記等 国税通則法の大幅な見直しを実施 主な改正事項 1. 税務調査手続 ( 平成 25 年 1 月 1 日以後適用 ) 税務調査手続について 以下のとおり 現行の運用上の取扱いを法令上明確化する

目次 年度第 3 四半期決算 (1) 概要 (2) セグメント別情報 年度業績予想 (1) 概要 (2) セグメント別情報 3. 参考資料 1

Taro jtd

地方税法等の一部を改正する法律案の概要 総務省 1 地方法人課税における新たな偏在是正措置 平成 31 年 10 月 1 日施行 都市 地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築の観点から 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案 において特別法人事業税 ( 国税 ) を創設することに併

この税金は 自動車という財産にかかる財産税の一種ですが 自動車を運行することにより道路を損傷させるので その維持費を負担自動車税してもらうという性格をもっています 納める人県内に主たる定置場のある自動車 ( 軽自動車 二輪の小型自動車 小型特殊自動車などと大型特殊自動車は除かれます ) を所有してい

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

平成18年度地方税制改正(案)について

国税通則法施行令新旧対照表

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第1回 消費税率引上げに向けての経過措置の対応

石油製品流通網維持強化事業平成 28 年度予算案額 7.7 億円 (4. 億円 ) 石油製品の安定供給を実現することを目的として 以下の事業を行います (1) 石油製品流通網再構築実証事業地域の実情や外部環境の変化を踏まえた燃料供給システムに係る実証事業等を支援します (2) 緊急時石油製品供給安定

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

平成 29 年 12 月 22 日林野庁 平成 30 年度林野庁税制改正事項 新規 拡充事項 森林吸収源対策に係る地方財源を確保するため 次期通常国会における森林関連法令の見直しを踏まえ 森林環境税 ( 仮称 ) 及び森林環境譲与税 ( 仮称 ) を創設する 木質バイオマス発電設備等の再生可能エネル

平成24年度エネルギー消費統計結果概要

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お知らせ

電気料金種別定義書 動力プラン 株式会社 Looop

問題意識 民生部門 ( 業務部門と家庭部門 ) の温室効果ガス排出量削減が喫緊の課題 民生部門対策が進まなければ 他部門の対策強化や 海外からの排出クレジット取得に頼らざるを得ない 民生部門対策において IT の重要性が増大 ( 利用拡大に伴う排出量増加と省エネポテンシャル ) IT を有効に活用し

2. 環境へのへの負荷負荷の状況 ( 取りまとめりまとめ表 ) 環境への負荷 単位 年 年 年 1 温室効果ガスガス排出量 二酸化炭素 Kg-CO 2 ( ( ) ) Kg-CO 2 -CO 2 2 廃棄物排出量及び ) 廃棄物最終処分量 一般廃棄物 ) 最終処分量 ) 産業廃棄物 ) 最終処分量

( 別紙 ) 中国電力株式会社及び JFE スチール株式会社 ( 仮称 ) 蘇我火力 発電所建設計画計画段階環境配慮書 に対する意見 1. 総論 (1) 石炭火力発電を巡る環境保全に係る国内外の状況を十分認識し 本事業を検討すること 本事業を実施する場合には 本事業に伴う環境影響を回避 低減するため

自力執行権 ( 徴 47など ) が特別に認められる点を除けば 私債権と同様に取り扱うことが妥当である ( 通 723) 国税の徴収権及び納税者の国に対する還付請求権は 私債権と同様に時効制度が採られている ( 通 ) 徴収権及び還付請求権と私債権との消滅時効における違いは 次表のとお

資料2 紙類の判断の基準等の設定に係る検討経緯について

緒論 : 電気事業者による地球温暖化対策への考え方 産業界における地球温暖化対策については 事業実態を把握している事業者自身が 技術動向その他の経営判断の要素を総合的に勘案して 費用対効果の高い対策を自ら立案 実施する自主的取り組みが最も有効であると考えており 電気事業者としても 平成 28 年 2

産業廃棄物税は 最終処分される産業廃棄物に課されるものであり 排出事業者から中間処理に委託された廃棄物すべてに課税されるわけではありません 中間処理業者の方が排出事業者から処理料金に含めて受け取る税相当額は 中間処理によって減量化されたり リサイクルされた分を除いた中間処理後に最終処分される産業廃棄

様式第 8 の 2 揮発油特定加工業登録申請書 の記載例 様式第 8 の 2( 第 9 条の 2 関係 ) ( 表 ) 整理番号 審査結果 受理年月日 年 月 日 登録番号 揮発油特定加工業登録申請書 経済産業局長殿 平成 年 月 日 氏名又は名称及び法人にあ 特定加工株式会社 つてはその代表者の氏

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

目次 Ⅰ エネルギー供給の概要 1. 主要国の一次エネルギー供給構成 1 2. 主要国の石油輸入依存度 2 3. 我が国の一次エネルギー供給状況の推移 3 Ⅱ 石油 1. 世界の石油消費量の推移 4 2. 我が国の石油需給原油輸入状況 ( 国別 ) 5 製油所の能力と立地状況 6 石油製品生産量の推

自動車と税19 環境負荷の大きい自動車地方税法の改正にともない 重課の割合が平成 27 年度より概ね 10% から概ね 15% に引き上げられました バス ( 一般乗合用以外 ) 及びトラックは 10% に据え置かれます 平成 26 年度までに新車新規登録から 11 年を超えるディーゼル車 及び 1

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

( 考慮すべき視点 ) 内管について 都市ガスでは需要家の所有資産であるがガス事業者に技術基準適合維持義務を課しており 所有資産と保安責任区分とは一致していない LPガスでは 一般にガスメータの出口より先の消費設備までが需要家の資産であり 資産区分と保安責任区分が一致している 欧米ではガスメータを境

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スライド 1

自動車重量税の廃車還付制度について 自動車重量税の廃車還付制度の創設使用済自動車の不法投棄の防止及びリサイクル促進という観点から 自動車検査証の有効期限内に使用済みとなり 使用済自動車の再資源化等に関する法律 ( 自動車リサイクル法 ) に基づいて適正に解体された自動車について還付措置が設けられまし

3 車体課税 自動車取得税の見直し 自動車取得税の税率 ( 一定税率 ) を以下のとおり引下げ ( 平成 26 年 4 月 1 日以降 ) 自家用自動車 ( 軽自動車を除く ) 5%( ) 3%( ) 営業用自動車 軽自動車 3%( ) 2%( ) いわゆる エコカー減税 について 環境性能に優れた

部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

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御意見の内容 御意見に対する電力 ガス取引監視等委員会事務局の考え方ることは可能です このような訴求は 小売電気事業者が行うことを想定したものですが 消費者においても そのような訴求を行っている小売電気事業者から電気の小売供給を受け 自らが実質的に再生可能エネルギーに由来する電気を消費していることを

23 法人 2 税第 6 号様式別表 14 基準法人所得割額及び基準法人収入割額に関する計算書 H 以後に開始する事業年度に係る申告に適用 24 法人 2 税第 6 号の 2 様式退職年金等積立金に係る申告書 H 以後に開始する事業年度に係る申告に適用 25 法人 2 税第

15 18 定率減税の縮減 (15% 控除 7.5% 控除 (2 万円上限 )) 資本金等の額 ( 税法に規定する資本金等の額又は連結個別資本金等の額 ) が 50 億円超 800,000 円 10 億円超 50 億円以下 540,000 円 1 億円超 10 億円以下 130,000 円 1 千万

石油業界の現状と課題

第 5 章国税の還付及び還付加算金 第 5 章国税の還付及び還付加算金 第 1 節国税の還付 学習のポイント 1 国税の還付金等とはどのようなものか 2 充当とはどのようなものか 1 還付金等の種類国税の還付には 還付金の還付と過誤納金の還付の二種類があり 還付金と過誤納金を併せて還付金等という (

⑵ 過誤納金還付金が各税法の定めに基づいて発生するのに対して 過誤納金は 法律上 国税として納付すべき原因がないのに納付された金額で 国の一種の不当利得に係る返還金である なお この過誤納金は 次の二つに分かれる イ過納金過納金は 納付時には納付すべき確定した国税があったが 減額更正や不服審査の裁決

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エネルギー需給実績について 本エネルギー需給実績について 平成 28 (216 ) におけるエネルギー需給実績 は 各種一次統計等の確報値により取りまとめたものです ただし 一部の一次統計等で確報未発表の部分があること等から 今後一次統計値が修正されることがあるので 次のエネルギー需給実績発表時に平

MARKALモデルによる2050年の水素エネルギーの導入量の推計

(*2) ハイブリッド自動車 ハイブリッドバス トラック ハイブリッド乗用車等車両総重量 3.5t 以下は 車 (*4) かつ燃費基準 +25% 達成車 (*5) 車両総重量 3.5t 超は重量車 車 (*9) かつ重量車燃費基準達成車 (*7) (*3) クリーンディーゼル乗用車平成 21 年排出

様式第14の2

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問 19. 自由化後に新規参入のガス小売事業者と契約した場合 その後に引っ越しをすると どうなるのですか 海外への転勤などで契約廃止の手続をするにはどうすれば良いですか 問 20. 持ち家 ( 戸建住宅 マンション又は集合住宅 ) に住んでいるのですが 新規参入のガス小売事業者からガスを買うことはで

平成 30 年度税制改正等要望項目 要望 1 ワインの酒税増税時における中小 零細ワイナリーの救済策の充実強化 1 頁 ワインに係る酒税については 醸造酒類間 の税率格差是正という名目で平成 15 年 平成 18 年の増税に続き 平成 29 年度税制改正においても平成 32 年 平成 35 年に増税

間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 6 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例事業者 ( 免税事業者を除く ) が簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額特定資産の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り ( 以下 高

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Microsoft Word - 20税制要望表紙.doc

(1) 理由付記等

消費税 : 課税の適正化について 1 ( これまでの取組み等 ) 1. 総論 社会保障 税一体改革成案 ( 平成 23 年 6 月 30 日政府 与党社会保障改革検討本部決定 ) においては 消費税制度の信頼性を確保するための一層の課税の適正化を行う こととされている ( 参考 ) 平成 23 年度

2 営悪化を招くことになる 2.消費税の申告等の状況多くの農業者が売上一千万円以下であり 他業種に比べ 免税事業者が多くなっている 農業者は 他業種に比べ 税務申告割合が低く 納税 税務申告に不慣れといえる 特に 消費税については 所得税に比べ対応している農業者が少なく 事務負担が増す懸念から 有利

政策体系における政策目的の位置付け エネルギー基本計画 ( 平成 22 年 6 月 18 日閣議決定 ) において 一次エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合を 2020 年までに 10% とすることを目指す と記載 地球温暖化対策基本法案 ( 平成 22 年 10 月 8 日閣議決定 )

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納税証明書を請求される方へ

環境負荷の大きい自動車平成 28 年度までに新車新規登録から 11 年を超えるディーゼル車及び 13 年を超えるガソリン車 (LPG 車を含む ) の自動車税率は概ね 15%( 一般乗合用以外のバス及びトラックは 10%) 高くなります なお 電気自動車 天然ガス自動車 メタノール自動車 ハイブリッ

(消費税)確定申告書作成(一般課税)編

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資料 2-1 課税段階について 1. 課税段階に関する検討事項施策総合企画小委員会中間取りまとめで掲げられた課税段階に関する論点は 以下の3つに分類される (1) 税の価格インセンティブ効果 上流課税については 化石燃料の上流段階から下流段階への価格転嫁は行いにくく 化石燃料の消費者が税の負担を実感しにくいことから そもそも税の価格インセンティブ効果が期待できないのではないか 上記に関しては 上流課税でも 化石燃料の小売業者が領収証に税額を表示することとすれば 化石燃料の消費者が税の負担を実感する仕組みとなるのではないか 下流課税については 税の価格インセンティブ効果が期待できるのではないか (2) 減免 還付措置 上流課税の場合 特定の主体を対象とする税の軽減を行いにくいのではないか 下流課税については 税の軽減を行うことが容易なのではないか (3) 徴税事務の執行可能性 下流課税については 膨大な徴税コストが必要となるほか 徴収漏れの問題が生じやすいのではないか

2. 課税段階の類型中間取りまとめにおいては 二酸化炭素又は化石燃料を対象として 二酸化炭素の排出量又は化石燃料の消費量等に応じて課税するという基本的枠組みについては この方向で検討を進めることが妥当である とされているが 化石燃料に課税することとした場合には 輸入から消費に至るまでのどの段階で 何に着目して 誰に課税するかを明らかにする必要がある 課税段階としては 最上流課税 上流課税 下流課税の3つの類型が考えられる 課税物件 ( 例 ) 課税標準 ( 例 ) 納税義務者 ( 例 ) 既存の化石燃料課税の例 最上流課税上流課税下流課税 化石燃料の輸入時点又は採取場からの採取時点での課税 石炭 原油 輸入石油製品 天然ガス (LNG) 保税地域からの引取量 採取場からの採取量 保税地域からの引取者 採取者 化石燃料の製造場からの出荷時点での課税 石炭 石油製品 ( ガソリン 重油 軽油等 ) 都市ガス 石炭 : 最上流と同じ 石油製品 都市ガス : 製造場からの移出量 石炭 : 最上流と同じ 石油製品 都市ガス : 製造者 化石燃料の消費者への供給時点での課税 石炭 石油製品 ( ガソリン 重油 軽油等 ) 都市ガス 石炭 石油製品 都市ガスの消費量 ( 又は消費者への販売量 ) 石炭 石油製品 都市ガスの消費者 ( 又は消費者への販売者 ) 石油石炭税 ( 国税 ) 揮発油税 ( 国税 ) 石油ガス税( 国税 ) 航空機燃料税( 国税 ) 軽油引取税 ( 都道府県税 ) ( 軽油の引取に対して課税 ) 注 ) この他 下流課税には 消費税導入前に存在した電気税 ガス税のように 電気やガスの消費に着目して課税 することも考え得る

3. 我が国の化石燃料の流通経路の現状と課税段階の検討我が国の化石燃料の流通経路は 石炭 石油製品 ガス製品等ごとに多種多様である 課税段階の検討に当たっては それぞれの化石燃料について どれだけのものが どのような流通経路を経て 最終的に誰が使用しているのか また 既に存在するエネルギー関係諸税ではどのような課税方法をとり どの程度の課税場があるのかを踏まえる必要がある (1) 我が国の化石燃料の流通経路の概観我が国の化石燃料の流通経路は 輸入 採取 -( エネルギー転換 )- 流通 ( 卸 小売 )- 消費 に大きく分類することができるが 燃料種別によって流通経路は大きく異なる ( 詳細は資料 2-2 参照 ) 石炭 ほぼ全量を輸入 輸入から消費までのいずれの段階においても 関わる者の数は比較的少数で 流通経路もさほど複雑ではない 供給の約 35% は発電用燃料 石油 ほぼ全量を輸入 多くは原油として輸入され 国内で 用途の異なる石油製品へとエネルギー転換 ( 精製 ) される また 各種石油製品とも一定量は 石油製品の形で輸入される 各種石油製品毎に 流通経路や消費者は大きく異なる ガソリン 軽油 灯油及び L PG は 比較的複雑な流通経路を経て 家庭を含めた極めて多数の者により消費される 他方 重油及びジェット燃料は比較的短い流通経路を経て 比較的少数の者に消費される 原油供給の約 3% 重油供給の約 20% は発電用燃料 天然ガス (LNG) ほぼ全量を輸入 発電用燃料となるものを除き ほとんどが都市ガスの原料となる 比較的短い流通経路を経て ( 都市ガスの生産を行う事業者は少数の大手ガス事業者であり そこから数百のガス事業者を経て ) 家庭を含めた極めて多数の者により消費される 電気 上記の各化石燃料等を用いて電気事業者が発電を行い 発電された電気が家庭を含めた極めて多数の者により消費されている

(2) 想定される課税場の数主な化石燃料について 上流課税 下流課税それぞれの場合に 想定し得る納税義務者を仮に設定し 課税場がどの程度の数になるのかを大まかに推定すると 以下のとおりとなる ( 注 1) 納税義務者等は 議論のために仮に設定したものである ( 注 2) 最上流課税の場合には 石炭 原油 石油製品及び天然ガスの輸入業者及び採取業者となり 課税場数は 414 場となる ( 石油石炭税に同じ ) 1) 石炭 上流課税納税義務者 : 輸入業者 (8 社 ) 国内石炭会社 (13 社 ) 課税場数 : 石油石炭税の課税場数から推定すると 13 場 下流課税納税義務者 : 石炭を使用する工場 事業場 * 課税場数 : 推定困難 2) ガソリン 上流課税納税義務者 : 輸入業者及び精製業者課税場数 : 揮発油税の課税場数から推定すると約 300 場 下流課税納税義務者 : 販売店 (SS) 又は消費者課税場数 : 販売店の数から推定すると約 50,000 場 3) 軽油 上流課税納税義務者 : 輸入業者及び精製業者課税場数 : 揮発油税の課税場数から推定すると約 300 場 下流課税納税義務者 : 販売店 (SS) 又は消費者課税場数 : 販売店の数から推定すると約 50,000 場

4) 灯油 上流課税納税義務者 : 輸入業者及び精製業者課税場数 : 揮発油税の課税場数から推定すると約 300 場 下流課税納税義務者 : 灯油を使用する工場 事業場 家庭等 * 課税場数 : 推定困難 5) 重油 上流課税納税義務者 : 輸入業者及び精製業者課税場数 : 揮発油税の課税場数から推定すると約 300 場 下流課税納税義務者 : 重油を使用する工場 事業場等 * 課税場数 : 推定困難 6) ジェット燃料 上流課税納税義務者 : 輸入業者及び精製業者課税場数 : 揮発油税の課税場数から推定すると約 300 場 下流課税納税義務者 : 航空会社課税場数 : 航空機燃料税の課税場数から推定すると約 1,500 場 7) 天然ガス 上流課税納税義務者 : 輸入業者及び採取業者 課税場数 : 石油石炭税の課税場数から推定すると約 380 場 下流課税納税義務者 : 都市ガス生産者 発電事業者 工場等 * 課税場数 : 推定困難

8)LPG 上流課税納税義務者 : 輸入業者及び精製業者 課税場数 : 揮発油税の課税場数から推定すると約 300 場 下流課税 納税義務者 : 都市ガス生産者 工場 事業場 LPG 充填者 ( 家庭 運輸業含む ) 等 * 課税場数 : 推定困難 9) 電気 ガスについて消費時点に着目した下流課税をする場合 1 電気納税義務者 : 消費者特別徴収義務者 : 電気事業者課税場数 : 一般電気事業者 卸電気事業者 特定規模電気事業者等 : 約 100 事業者 2ガス納税義務者 : 消費者特別徴収義務者 : ガス事業者課税場数 : 一般ガス事業者 簡易ガス事業者 : 約 1,900 事業者 *: 石炭 灯油 重油 LPG 及び天然ガスの使用者の数は小規模のものも含めた場合 推定が難しい このうち石炭 重油及び天然ガスは 産業部門及び業務その他部門での使用割合が高い 産業及び業務その他部分における大口の消費者としては 例えば省エネ法の第 1 種エネルギー管理指定工場 ( 燃料等 3,000kl/ 年以上又は電気 1,200 万 kwh/ 年以上 約 4,160 場 ) 第 2 種エネルギー管理指定工場 ( 燃料等 1,500kl/ 年以上又は電気 600 万 kwh/ 年以上 約 6,650 場 ) 公害健康被害補償予防法の汚染負荷量賦課金の納付義務者( 約 8,700 場 ) の数字が参考となる ( 参考 1) 消費税導入以前は 電気やガスについて 供給会社が特別徴収義務者となり 消費者に対し 料金に課税する電気税及びガス税があった この電気税 ガス税は 市町村税 ( 法定普通税 ) であり 電気料金の5% ガス料金の2% に対して課税されていた この税制には 特定の産業にかかる製品の製造に用いる電気に関する軽減や 小口需要者に対する免税点等の制度が設けられていた

( 参考 2) 既存のエネルギー関連税制の課税段階と課税場数 石油石炭税 ( 最上流課税 ): 原油 :20 場 天然ガス :381 場石炭 13 場 揮発油税 ( 上流課税 ):338 場 製造場数等 石油ガス税 ( 下流課税 ):2,642 場 航空機燃料税 ( 下流課税 ):1,503 場 納税地数 軽油引取税 ( 下流課税 ):31,048 場 元売業者及び特約業者の事業所等の数 軽油引取税については 特別徴収義務者となっている元売業者及び特約業者の事業所等の数である 特別徴収とは 税の徴収について便宜を有する者にこれを徴収させ かつその徴収すべき税金を課税庁に納入させることである 軽油引取税の特別徴収義務者には 免税の手続きを行う等一般の特別徴収義務者とは異なる事情があることに鑑み 課税庁は一定の事務費を交付金として特別徴収義務者に交付している (3) 税の軽減の観点からの論点本小委員会中間とりまとめでは 今後の課題として軽減策について検討を行うことが掲げられているが 課税段階を検討するに当たっては 軽減の講じやすさについても考慮に入れる必要がある 既存のエネルギー関係諸税では 資料 3-2のとおり 様々な軽減措置が設けられているが これらは 基本的に納税義務者が軽減措置 ( 還付又は免税 ) を受けることとなっている 主な軽減措置等 揮発油税 エチレン生成 接着剤生成等の原料用途に揮発油を使用する場合は非課税とされ 未納税のまま 製造場より移出を行うことができる 石油石炭税 石油化学製品の製造者が 課税済みの原油等から製造されたナフサ等を原料として石油化学製品等を製造した場合 ナフサ等の製造者に対して ナフサ製造用の原料として使用された原油等に係る石油石炭税が還付される 石油化学製品の製造に使用されるものとして保税地域より引取られるナフサ 灯油 軽油等は石油石炭税が免税される また 上流課税の場合 納税義務者が払った税金をエネルギーの最終消費者が最終的に負担したと認め 最終消費者に対して還付措置が講じられている例は 既存のエネルギー関係諸税には見当たらない

4. 課税段階の特徴 (1) 上流課税と下流課税の評価以上を踏まえ 上流課税 下流課税について 1 税の価格インセンティブ効果 2 減免 還付措置 3 徴税事務の執行可能性の3つの観点から評価すると次のとおり 最上流課税又は上流課税 下流課税 評価基準 1 税の価格インセンティブ効果 2 減免 還付措置 最上流 上流段階から化石燃料の消費者への税額の転嫁が必要 税の負担を実感しやすくするため 化石燃料の販売店が領収証に税額を表示することが考えられる 下流 排出段階に位置する化石燃料の消費者 ( 温室効果ガスの排出者 ) に対して 最上流 上流段階で課税した税の減免 還付措置を講ずることは 既存税の例に照らすと 制度設計上困難となる その場合 下流 排出段階に位置する税負担を軽減すべき者に対しては 歳出面での補助金等により 負担軽減を図ることが考えられる また 特定用途についての減免 還付措置は 課税する段階において 課税時又は事後的に当該用途を特定することが可能であれば 制度設計可能であるが 流通経路が長い場合には 事務が非常に煩雑になる 化石燃料の消費者が申告納税する場合は 上流等からの課税転嫁の問題はない 化石燃料の販売店が 納税義務者となる場合に 消費者が税の負担を実感しやすくするためには 販売店が 領収書に税額を表示することが考えられる 下流 排出段階に位置する税負担を軽減すべき者に対して 税の減免 還付措置を講ずることは 制度的に可能 また 特定用途についての減免 還付措置は 課税する段階において 課税時又は事後的に 当該用途を特定することが可能であれば 制度設計可能 3 徴税事務の執行可能性 納税義務者は比較的少数であり また 既存税の制度を活用することが可能であり 効率的な執行が可能 活用できる既存の国税の制度がほとんどないため新たな仕組みの構築が必要 また 納税義務者が多数にのぼる 把握が必要な課税場が多数に昇り 徴税漏れの問題が生じ易い

(2) 各課税段階の具体像以上のように上流課税 下流課税にはそれぞれ長所 短所があるが 課税段階を具体的に考える上では 上流課税 下流課税と並んで これらを組み合わせる課税 ( ハイブリッド課税 ) も考えられる 上流課税及び下流課税を検討するに当たっての課題は前項のとおりだが ハイブリッド課税を検討するに当たっては 次の点を踏まえる必要がある 燃料種ごとに輸入から消費に至る流れが様々であり 短所の程度も異なるので その程度に応じて上流課税 下流課税のどちらが適切かを検討してはどうか その場合 下流課税の最大の問題点は 執行可能性であり これを克服できるような燃料種については 下流課税とする方向で検討してはどうか これらの 3 つの課税標準及び納税義務者を例示 整理すると以下のようになる 1 上流課税 石炭 天然ガス 課税標準 保税地域からの引取量等 ( 石油石炭税のスキームを活用 ) 納税義務者 保税地域からの引取者 ガソリンジェット燃料灯油軽油重油 LPG 製造場から移出した数量等 ( 揮発油税と同様のスキーム ) 製造者等 2 下流課税 石炭 天然ガス 課税標準 消費者 納税義務者 ガソリン 販売店又は消費者 ジェット燃料 航空会社 ( 航空機燃料税と同様のスキーム ) 灯油 消費量 販売店又は消費者 ( 事業者 家庭等 ) 軽油 販売店又は消費者 重油 消費者 LPG 販売店又は消費者 ( 事業者 家庭等 ) 電気 消費者 ( 電力事業者が特別徴収 ) 都市ガス 消費者 ( ガス事業者が特別徴収 ) *) 電気 都市ガスを消費段階で課税した場合 発電 ガス製造に用いる燃料には課税しない

3 ハイブリッド課税 石炭天然ガス 消費量 課税標準 納税義務者一定量以上の燃料を消費するもの ( 大口消費者による申告納税 ) 下流課税 ガソリン 揮発油税と同様のスキームとし 製造場から移出した数量等とする又は 消費量等とする 上流の場合 : 製造者等下流の場合 : 販売店又は消費者 上流課税又は下流課税 ジェット燃料灯油 消費量 ( 航空機燃料税と同様のスキーム ) 製造場から移出した数量等 ( 揮発油税と同様のスキーム ) 航空会社 製造者等 下流課税 上流課税 軽油 揮発油税と同様のスキームとし 製造場から移出した数量等とする又は 消費量等とする 上流の場合 : 製造者等下流の場合 : 販売店又は消費者 上流課税又は下流課税 重油 LPG 消費量 製造場から移出した数量等 ( 揮発油税と同様のスキーム ) 一定量以上の燃料を消費するもの ( 大口消費者による申告納税 ) 製造者等 下流課税 上流課税 電気消費者 ( 電力事業者が特別徴収 ) 消費量 下流課税 都市ガス 消費者 ( ガス事業者が特別徴収 ) *) 電気 都市ガスを消費段階で課税した場合 発電 ガス製造に用いる燃料には課税しない