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2. 調査委員会の調査内容について (1) 問題発覚の経緯 1 平成 23 年 3 月 10 日 本学の研究活動通報 相談窓口に研究論文に不正があるとの通報が電話であり 詳細な内容を求めたところ 過日 3 月 16 日に川上助教が責任著者として米国心臓協会誌の Circulation Research に発表した論文 Toll-Like Receptor2 Mediates Apolipoprotein C Ⅲ -Induced Monocyte Activation(2008, 103:1402-1409) ( 以下 第一論文 という ) の一部のデータに捏造 或いは改竄の疑いがあるとする旨の文書が送付された 本学は これを受けて調査委員会における調査を開始した 2 調査委員会は 上記の第一論文の調査の過程において 川上助教が責任著者として発表した他の論文を調査したところ 同協会誌 Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology に発表した論文 Apolipoprotein CⅢ Induces Monocyte Chemoattractant Protein-1 and Interleukin 6 Expression Via Toll-Like Receptor 2 Pathway in Mouse Adipocytes(2010, 30:2242-2248) ( 以下 第二論文 という ) と同協会誌 Circulation に発表した論文 Apolipoprotein CⅢ Links Hyperlipidemia With Vascular Endothelial Cell Dysfunction(2008, 118:731-742) ( 以下 第三論文 という ) の一部のデータにも捏造 或いは改竄の疑いがあることが発覚し 調査を開始した (2) 調査方法 1 関係者からのヒアリング 2 実験現場における実験機器の記録の確認 3 既往論文における捏造 或いは改竄の有無の調査 4 研究不正行為の疑いとされた論文の根拠となる実験ノート及びデータの精査 5 公的研究費の活用の有無の確認 (3) 調査手順 1 第一論文の共著者及び当該論文の実験スタッフであった技術補佐員の事情聴取を行った 2 技術補佐員から自身の実験ノートの提出を求め 当該実験ノートの一部精査を踏まえ 第一論文にあるデータの検証を行った 3 川上助教の実験現場にある実験機器の記録確認を行った 4 川上助教から自身の実験ノートの提出を求め 当該実験ノートの一部精査を踏まえ 第一論文にあるデータの検証を行った 5 川上助教が責任著者として発表した既往論文における捏造 或いは改竄の有無を調査した 6 第二論文の共著者から事情聴取を行った - 2 -

7 川上助教から事情聴取を行った 8 各論文のデータと川上助教及び技術補佐員の各実験ノートの検証を行った 9 川上助教に対する事実確認を行った 10 論文に記載のある公的研究費の活用について 公的研究費の研究代表者から事情聴取を行った 11 本学に在籍する各論文の共著者及び技術補佐員に対する事実確認を行った 12 本学に在籍しない各論文の共著者に対する事実確認を電子メールで行った (4) 調査手順の結果 1 第一論文の共著者から 川上助教が殆ど独自で論文を作成していること及び所属する研究室内では独立して研究を行なっていることを確認した また 当該論文の実験スタッフであった技術補佐員は専ら川上助教の実験スタッフであったこと そして 川上助教には実験データを渡すのみであったことを確認した なお 技術補佐員は川上助教に渡した実験データに関する論文を投稿前に見る 或いは確認することはなかったことを確認した 2 技術補佐員の実験ノートの一部を精査し 論文にあるデータの照合を行ったところ 第一論文に捏造 或いは改竄の疑いに当たる箇所があることを確認した 3 実験現場にある実験機器の記録確認を行ったところ 実験機器の利用実績がなく 論文作成の際のデータが存在しないことを確認した 4 川上助教の実験ノートの一部を精査し 第一論文にあるデータの照合を行ったところ 当該論文に捏造 或いは改竄の疑いに当たる箇所があることを確認した 5 川上助教が責任著者として発表した既往論文を調査したところ 米国心臓協会誌 Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology に発表した第二論文と同協会誌 Circulation に発表した第三論文の一部のデータにも捏造 或いは改竄の疑いがあることを確認した 6 第二論文の共著者から 当該論文で行った業務がマウスを解剖し 心臓からの採血や細胞の採取を行ったのみで それら試料の解析は自身で行っていないことを確認した また 後日川上助教から解析後のデータ結果について 説明を受けていたことを確認した 7 川上助教から 各論文に示すデータの根拠が自身の実験ノートに記載がないことを確認した また 事情聴取のなかで当該実験ノートを一部捏造していることを本人が否定しなかった 8 第一論文及び第二論文の Figure1~6の各データと川上助教及び技術補佐員の各実験ノートを検証したところ 各データが川上助教及び技術補佐員の各実験ノートのデータと一致していなかったほか 川上助教の実験ノートで各論文のデータを立証することができないことが確認された - 3 -

また 第三論文の Figure1~8の各データは 川上助教及び技術補佐員の各実験ノートから全く根拠が見当たらなかった 9 川上助教は 第一論文及び第二論文のデータを捏造 或いは改竄していることを明言しなかった また 第三論文のデータに関する根拠が川上助教と技術補佐員の各実験ノートからは見当たらなかったが 川上助教はデータを捏造 或いは改竄していないとは明言しなかった 10 各論文に記載のある公的研究費を調査したところ 第一論文及び第二論文の資金源に記載の科学研究費補助金 ( 課題番号 :18590805) の支援は 科学研究費補助金の研究代表者が当該補助金で作成した細胞等試料を川上助教に提供したのみであったことを確認した また 第三論文に記載の公的研究費を調査したが 該当する公的研究費が存在しなかった しかし 第三論文に記載がなく 上述の科学研究費補助金の研究成果報告書から当該補助金が第三論文に対する支援を行っていることが確認されたので調査したところ 第一論文及び第二論文の支援と同様に科学研究費補助金の研究代表者が当該補助金で作成した細胞等試料を川上助教に提供したのみであったことを確認した 加えて 川上助教の公的研究費の獲得状況を調査したところ 米国留学で帰国後の平成 18 年度以降は公的研究費を獲得した実績はなかった 11 本学に在籍する各論文の共著者は各論文にあるデータの作成に全く関与していない者であり 技術補佐員は川上助教の指示のもと実験したデータを提出していただけであったことを確認した 12 本学に在籍しない各論文の共著者は各論文にあるデータの作成に全く関与していない者であったことを確認した (5) 調査委員会の結論調査委員会は 関係者からのヒアリング 実験機器の記録の確認及び各論文の根拠となる実験ノート並びにデータの精査を踏まえ 総合的に判断して次の結論に至った 第一論文及び第二論文については 各論文のデータが川上助教及び技術補佐員の各実験ノートのデータと一致していなかったほか 川上助教の実験ノートで確認できない論文のデータも一部見受けられた また 川上助教に対する事実確認において 当該論文のデータを捏造 或いは改竄しているとは明言しなかったが 川上助教の説明が研究不正行為であるとの疑いを覆すに至らなかった したがって これらの論文に関しては一部のデータに捏造 或いは改竄が行われたと結論する 第三論文については 川上助教及び技術補佐員の各実験ノートから当該論文のデータの根拠がまったく見当たらなかった また 川上助教に対する事実確認において 当該論文のデータを捏造 或いは改竄していないとは明言しなかったが - 4 -

論文の根拠となるデータは自身のコンピュータ上からすべてファイルを削除しており 再実験は出来ないと発言している したがって 川上助教の説明と根拠を示す証拠が存在していないことから研究不正行為であるとの疑いを覆すに至らないので この論文に関しても一部のデータに捏造 或いは改竄が行われたと結論する (6) 研究不正行為のあった論文の取扱い調査委員会は 研究不正行為のあったと結論した三つの論文について 川上助教自身で論文を取り下げるよう要請した (7) 調査委員会の氏名及び所属委員長森田育男 : 理事 ( 研究担当 ) 湯浅保仁 : 医学部長大野喜久郎 : 大学院医歯学総合研究科教授 ( 前医学部長 ) 烏山一 : 大学院医歯学総合研究科教授磯部光章 : 大学院医歯学総合研究科教授桐野高明 : 独立行政法人国立国際医療研究センター総長清水幹裕 : 清水法律事務所弁護士 - 5 -

今後に向けた再発防止策について 本学は これまでに研究活動における不正行為の防止に向けて 国立大学法人東京医科歯科大学における研究活動に係る不正防止指針 を策定したほか 国立大学法人東京医科歯科大学における研究者の行動規範 を定め 研究者に対する研究倫理の意識向上を図ってきました また 研究活動における不正行為に関する説明会を開催してきたほか 教職員に対して不正行為に対する認識をできるだけ 分かりやすく記載したハンドブックを作成し 配布する等の不正行為防止対策に努めてきました しかし このようなことが起こってしまったことは誠に遺憾であり 今回の事態を真摯に受け止め 今後の研究者倫理のより一層の徹底を図り 公正な研究活動の確保に努めていく所存です 今回の調査結果を踏まえ 研究活動における不正行為の再発を防止するため 以下の方策を実施します ア. 本学教職員及び学生に対して 研究活動における不正行為の防止及び研究費の不正使用の防止に関する意識を喚起し 不正行為防止対策を徹底する イ. 研修会等により 研究者が遵守すべき基本的義務に関する研究倫理教育を徹底する ウ. 研究指導者に対して 研究に対するチェックを日常的に行わせる エ. 研究ノート等論文の根拠となるデータは 論文を発表した後 10 年間は各研究室の責任において保管することを義務付ける - 6 -