LCA での環境負荷評価概念図 ( 採掘 ~ 製造工程中心に記載 ) CO 2,NOx 等環境負荷海外環境負荷燃料消費電力製造 国内 燃料 環境負荷 燃料消費電力製造 環境負荷 リファイナリー 石油精製 発電所 発電 電力 エネルギー製造 燃料電力等 環境負荷 油田 燃料消費 燃料消費 燃料消費 加工 組立 採掘 海上輸送 原料 輸送 燃料 後工程へ 使用 ( 消費 ) 廃棄 リサイクル 鉱山 選鉱所 採掘 選鉱 製品 副産物 工場, 製錬所 生産 ( 製造 ) 燃料消費 環境負荷
原料 シュレッダーダスト 銅等含有スラッジ 基板類等 有価金属回収フロー ( 前処理 ) < エコアイランドなおしまプラン > 豊島廃棄物等 中間処理施設 ( 香川県 ) ( 飛灰 ) <MMTLリサイクル事業 > 溶融飛灰再資源化施設 有価金属リサイクル施設 銅製錬プロセス 小名浜 反射炉 直島 連続製銅炉 (MI 炉 ) 貴金属製錬プロセス鉛製錬プロセス 銅 金 銀 鉛 亜鉛原料 銅スラグ回収
自動車シュレッダーダスト スラッジ基板類溶融飛灰 直島町一般廃棄物豊島廃棄物等 ボイラーボイラー 電力 焼却 溶融キルン焼却 溶融キルン 5,000 5,000T/ T/ 月 スラグメタル 飛灰 銅製錬設備 溶融飛灰再資源化溶融飛灰再資源化施設施設 1,300 1,300T/ T/ 月 金 銀銅 鉛 亜鉛スラグ 脱塩滓 飛灰 豊島廃棄物等中間豊島廃棄物等中間処理施設処理施設 5,000 5,000T/ T/ 月 溶融スラグ 銅合金 アルミ 蒸気 エコタウン ハード事業
有価金属リサイクル施設 溶融キルン炉二次燃焼室廃熱ボイラー急冷塔バグフィルター 二次燃焼室噴霧タンク 重油タンク類 触媒塔
LCA 評価技術の実践的な活用 総研 LCA 評価技術 ( 環境負荷評価 応用 ) 環境センター 環境マネジメント 資源 環境 リサイクル事業室 環境 リサイクル事業 生産技術センター 省エネ, 省 CO 2 現状メンバーエコネット ( 環境会計 ( 経済効果 ) 分科会 ) 各カンパニー ( 工場 ) コストダウン プロセス改善 最適化 環境負荷低減等 将来的な検討メンバー
三菱マテリアルグループの環境 リサイクル事業による環境負荷低減効果 評価対象 セメント部門での廃棄物 副産物受入 ( 原料 燃料代替 ) 銅製錬部門でのリサイクル原料 ( 故銅, 銅滓等 ) 受入, シュレッダーダスト処理 アルミ缶リサイクル 家電リサイクル 基本的考え方 廃棄物受入廃棄物処理 石炭灰, ダスト, 汚泥 廃プラスチック シュレッダーダスト 廃家電 スクラップ受入 銅含有スクラップ 金銀滓 アルミスクラップ 使用済アルミ缶 マテリアルグループ 原料代替 燃料代替として使用 再生素材 再生燃料を製造 評価項目 社会的効果 ( 貢献 ) 最終処分廃棄物量低減天然資源消費量低減最終処分, 天然資源消費に伴う環境負荷の低減 最終処分量低減 天然資源消費節減 : 鉱物資源, エネルギー資源 CO2 排出量低減
各環境負荷項目の評価の考え方 最終処分量低減効果 当社製造工程における廃棄物受入および家電リサイクル実施により, 最終処分 ( 埋立 ) される廃 棄物量がどの程度低減されているかについて試算 評価を実施した 評価対象 ( 主なもの ) 石炭灰, 汚泥, ばいじん, 廃プラスチック ( セメント ) シュレッダーダスト( 製錬 ) 使用済アルミ缶 使用済家電( 家電リサイクル ) CO2 排出量低減効果 評価対象工程 と 比較対象工程 における CO2 排出量を試算し, その低減量を試算する 評価対象工程 ( 現状 ) 廃棄物受入 リサイクル実施 比較対象工程 ( 仮定 ) 廃棄物 埋立 リサイクル未実施 ( 全量一次資源使用 )
天然資源節減効果 製造工程における原料及び燃料代替となる廃棄物 副産物, リサイクル原料等の受入や, リサイクル工程での再生素材 / 製品, 再生燃料製造により, 天然原料 燃料消費量がどれだけ節減されたかを評価する 評価は 鉱物資源量, エネルギー資源量 について以下の考え方に基づいて行った 鉱物資源量節減効果 原料代替物 ( 廃棄物等, リサイクル原料 ) 受入, リサイクルによる再生素材製造により節減される天然鉱物資源量を試算した エネルギー資源量節減効果 評価対象工程 と 比較対象工程 ( 後述 ) におけるエネルギー消費量を試算し, 低減量を試算する また, 家電リサイクルに関しては, 工程から得られる再生燃料の保有する熱量についても低減量として評価する 今回の評価では, これら低減量を全て原油に換算 ( 発熱量より ) して エネルギー資源節減量 ( 原油換算 ) として評価を行った
環境負荷低減効果評価概念図 ( 基本的な考え方 ) 評価項目 評価結果 : 現状の各製造工程, 家電リサイクル : 比較対象プロセス ( 全量天然資源製造 + 廃棄物は最終処分 ) CO 2 排出エネルギー消費 プロセスにおける環境負荷量 (CO 2 排出, エネルギー消費量 ) プロセスにおける環境負荷量 (CO 2 排出, エネルギー消費量 ) 最終処分に伴う環境負荷を含む CO 2 排出量低減効果 天然エネルギー資源消費量低減効果 ( エネルギー消費量を原油に換算 ) 天然資源消費量 天然資源消費量 ( 鉱石 ) 天然資源消費量 ( 鉱石 ) 天然鉱物資源消費量低減効果 最終処分量 ゼロ 最終処分廃棄物量 同量 最終処分廃棄物量低減効果 廃棄物受入量 燃料代替物受入製造 廃棄物処理 受入量ゼロ燃料代替物受入 製造量ゼロ 天然エネルギー資源消費量低減効果 ( 保有熱量を原油に換算 ) と合わせて評価 0 +
リサイクル原料, 廃棄物受入による環境負荷低減効果試算結果 ( 製錬部門,2001 年度 ) 1. 環境負荷低減効果試算結果 項目 単位 直島製錬 小名浜製錬実績出資比率考慮 合計 ( 出資比率考慮 ) ( 参考 ) 単純合計 鉱物資源節減効果 ( 銅精鉱 ) t/ 年 36,389 54,207 26,719 63,108 90,596 エネルギー資源節減効果 ( 原油換算 ) t- 原油 / 年 4,527 44,418 21,894 26,421 48,945 最終処分量低減効果 t/ 年 - 70,188 34,596 34,596 70,188 CO2 排出量低減効果 t-co2/ 年 13,530 39,779 19,607 33,138 53,310 小名浜製錬 ( 株 ) への三菱マテリアル出資比率 :49.29% 2. 環境負荷低減効果のみなし経済効果 項目 単位 直島製錬 小名浜製錬実績出資比率考慮 合計 ( 出資比率考慮 ) ( 参考 ) 単純合計 鉱物資源節減効果エネルギー資源節減効果最終処分量低減効果 CO2 排出量低減効果合計 百万円 / 年百万円 / 年百万円 / 年百万円 / 年百万円 / 年 1,635 98-11 1,744 2,435 963 2,106 33 5,537 1,200 475 1,038 16 2,729 2,835 573 1,038 27 4,473 4,070 1,062 2,106 44 7,281
数値は処理量ベース,2001 年度 セメント製造工程での廃棄物 副産物受入量 計 3,894 千 t/ 年 廃棄物受入量副産物受入量 原料代替 :1,396 千 t, 燃料代替 :93 千 t 原料代替 :2,397 千 t, 燃料代替 : 9 千 t 家電リサイクルでの使用済家電受入量 出資比率を考慮した値 3 工場計 :427 千台 / 年 (16.0 千 t/ 年 ) 製錬工程でのリサイクル原料受入量, シュレッダーダスト受入量 出資比率を考慮した値 故銅, 銅滓受入量 :32.4 千 t/ 年シュレッダーダスト受入量 :34.3 千 t/ 年廃タイヤ受入量 : 0.3 千 t/ 年 使用済アルミ缶 (UBC:Used Beverage Can) 受入量 44.3 千 t/ 年 (350mL 缶の重量換算で約 28 億缶 )
三菱マテリアルグループの環境 リサイクル事業による環境負荷低減効果 ( 社会的貢献 ) 三菱マテリアルグループの環境 リサイクル事業による環境負荷低減効果 ( 社会的貢献 ) 項目単位年度製錬セメントアルミ家電リサイクル合計 鉱物資源節減効果 エネルギー資源節減効果 ( 原油換算 ) 最終処分量低減効果 CO2 排出量低減効果 千 t / 年 千 t- 原油 / 年 千 t / 年 千 t-co2 / 年 2002 92 4,004 149 14 4,259 2001 63 4,016 150 15 4,244 2002 44 123 118 4 289 2001 26 119 119 4 268 2002 62 1,524 44 13 1,643 2001 35 1,489 44 15 1,583 2002 49 1,177 326 10 1,562 2001 33 1,238 329 8 1,608 生産量または処理量 千 t/ 年又は 2002 336 11,493 65 396 千台 / 年 2001 330 11,714 55 427 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 鉱物資源節減効果 単位 : 千 t/ 年 エネルギー資源節減効果 単位 : 千 t- 原油 / 年 400 300 200 100 0 最終処分量低減効果 単位 : 千 t/ 年 2,000 1,500 1,000 500 0 2,000 1,500 1,000 500 0 CO2 排出量低減効果単位 : 千 t-co2/ 年 2001 2002 2001 2002 2001 2002 2001 2002
各部門の環境負荷低減効果の要因 製錬 鉱物資源節減効果 故銅, 銅滓を鉱石代替として評価 エネルギー資源節減効果 SDの燃料代替効果が大きい 最終処分量低減効果 SD 全量埋立と比較した低減効果 CO2 低減効果 鉱石の採掘 ~ 輸入工程の環境負荷低減効果の占める比率が高い セメント 鉱物資源, エネルギー資源節減,CO2 低減効果 ポルトランドセメント, 高炉セメント製造での低減量が大きい 最終処分量 ポルトランドセメントでの廃棄物受入による効果が大きい 高炉セメント セメント製造での副産物 廃棄物使用量が大きいため, 環境負荷低減効果が大きい アルミ 鉱物資源, エネルギー資源節減,CO2 低減効果 UBCからの再生地金製造による環境負荷低減効果が大きい( 新地金製造と比較 ) 最終処分量低減効果 UBC 全量埋立と比較した低減効果 家電リサイクル 鉱物資源消費節減,CO2 低減効果 再生素材製造による環境負荷低減効果の占める比率が大きい ( 再生素材と同量の素材を天然資源から製造すると仮定して評価 ) エネルギー資源節減効果 再生燃料, プラ類の熱回収による効果の寄与がある程度存在 最終処分量低減効果 全量埋立と現状とを比較した低減効果
環境負荷の経済性への換算単価について 環境負荷量 金額 ( みなし経済効果 ) への換算には以下の単価を用いた 鉱物資源換算単価 項目 単位 値 出典, 根拠 鉱物資源 ( セメント ) 円 /t- 鉱物資源 1,000 当社実績値と各種統計より算出 銅精鉱 円 /t- 銅精鉱 44,928 国際調査機関統計資料より ボーキサイト 円 /t- ボーキサイト 3,128 財務省貿易統計の 2001 年度データ 鉄鉱石 円 /t- 鉄鉱石 3,007 財務省貿易統計の 2001 年度データ エネルギー資源換算単価 項目 単位 値 出典, 根拠 エネルギー資源 ( 原油 ) 円 /t- 原油 21,690 財務省貿易統計の 2001 年度データ 最終処分廃棄物換算単価 項目 単位 値 出典, 根拠 最終処分費用 ( 製錬部門, 家電リサイクル部門 ) 円 /t- 廃棄物 30,000 ミレニアムプロジェクト 循環型経済社会構築のための調査研究,H13 年度事業実施報告書より 最終処分費用 ( セメント部門, アルミ部門 ) 円 /t- 廃棄物 15,000 ( 財 ) 全国産業廃棄物連合会最終処分部会調査資料より CO 2 換算単価 項目 単位 値 出典, 根拠 CO 2 円 /t-co 2 818 環境省資料 (2001/8), 炭素税 ( 補助金込の数値 ) より試算
2002 年度みなし経済効果 項目 単位 製錬 セメント アルミ 家電リサイクル 合計 鉱物資源節減効果 百万円 / 年 4,115.3 4,472.8 465.6 75.9 9,129.7 エネルギー資源節減効果 ( 原油換算 ) 百万円 / 年 962.6 2,703.7 2,554.5 87.3 6,308.1 最終処分量低減効果 百万円 / 年 1,873.1 22,862.7 655.7 392.3 25,783.9 CO2 排出量低減効果 百万円 / 年 39.9 966.9 266.3 8.2 1,281.3 合計 百万円 / 年 6,990.9 31,006.1 3,942.2 563.8 42,503.1 2001 年度みなし経済効果 項目 単位 製錬 セメント アルミ 家電リサイクル 合計 鉱物資源節減効果 千 t / 年 2,835.3 4,285.9 469.5 85.4 7,676.1 エネルギー資源節減効果 ( 原油換算 ) 千 t- 原油 / 年 573.1 2,575.2 2,581.2 76.8 5,806.2 最終処分量低減効果 千 t / 年 1,037.9 22,330.2 664.4 441.9 24,474.4 CO2 排出量低減効果 千 t-co2 / 年 27.1 1,012.9 269.3 6.6 1,315.9 合計 百万円 / 年 4,473.4 30,204.2 3,984.3 610.7 39,272.5
環境負荷の低減 42,461 454 15,400 164 25,784 156 1,277
LCA, 環境会計の社内応用について 今回の評価結果 ( 環境負荷低減,LCA 評価 ) を踏まえて LCA の用途 ( 今後の展開 ) について 内部利用 1. 環境負荷の現状把握 工程( サブプロセス ) 毎の評価 環境負荷の高いプロセス, 要因の把握 工程改善の評価 環境負荷の面からみた 工程改善研究開発 等 判断基準 指針 外部利用 2. 環境 リサイクル事業の評価, 環境対策の評価 ( 環境負荷低減効果の評価 ) 低減効果の大きい項目( プロセス, 要因等 ) の把握 3. 環境ラベル 環境指標などの検討 外部公表 経済性評価とのリンク 実際の経済効果 みなし経済効果 ( 社会的効果 ) 対外アピール 継続的評価 ( 経年変化評価 ) が必要