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平成 27 年度 特定行政書士法定研修 考査問題 解答と解説 本解答と解説は 正式に公表されたものではなく 作成者が独自に作成したものであり 内容の信頼性については保証しない 以下の事項に全て該当 遵守する場合にのみ 利用を許可する 東京都行政書士会葛飾支部会員であること 営利目的でないこと 内容を

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市町村合併の推進状況について

2006 年度 民事執行 保全法講義 第 4 回 関西大学法学部教授栗田隆

保険給付に関する決定についての審査請求に係る労働者災害補償保険審査官の決定に対して不服のある者は 再審査請求をした日から 3 か月を経過しても裁決がないときであっても 再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経ずに 処分の取消しの訴えを提起することはできない (H23-4B)

に含まれるノウハウ コンセプト アイディアその他の知的財産権は すべて乙に帰属するに同意する 2 乙は 本契約第 5 条の秘密保持契約および第 6 条の競業避止義務に違反しない限度で 本件成果物 自他およびこれに含まれるノウハウ コンセプトまたはアイディア等を 甲以外の第三者に対する本件業務と同一ま

到達目標 xlsx

第 1 節取消訴訟の訴訟要件 処分性 原告適格 狭義の訴えの利益 取消訴訟の訴訟手続的要件第 2 節取消訴訟の排他的管轄 ( 行政処分の公定力 ) 第 3 節取消訴訟の本案審理 違法事由の主張 理由の差替え 基準時

行政調査の種類 ( 犯則調査を含む ) について 条文を参照して説明することができる ( 法律の根拠の要否を含む ) 行政計画 行政計画の具体例を 条文を参照して説明することができる 行政計画と 委任立法 ( 法規命令等 ) 行政処分の異同を理解している( 法律の根拠の要否を含む ) 都

丙は 平成 12 年 7 月 27 日に死亡し 同人の相続が開始した ( 以下 この相続を 本件相続 という ) 本件相続に係る共同相続人は 原告ら及び丁の3 名である (3) 相続税の申告原告らは 法定の申告期限内に 武蔵府中税務署長に対し 相続税法 ( 平成 15 年法律第 8 号による改正前の

上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

京都大学法科大学院の到達目標(行政法)

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

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目  次

では ここで 行政 とは具体的にどういうことなのだろうか まず 国家の三権を簡単にいうと以下のようになる 立法 ~ 法律を作ること 司法 ~ 裁判をすること 行政 ~ 法を執行すること この 法を執行すること とはどういうことなのか もっとも身近な行政活動として 税金 ( 所得税 ) の徴収を考えて

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

行政不服審査法等の改正について KL14190

上告理由書・構成案

( 事案の全体像は複数当事者による複数事件で ついての慰謝料 30 万円 あり非常に複雑であるため 仮差押えに関する部 3 本件損害賠償請求訴訟の弁護士報酬 分を抜粋した なお 仮差押えの被保全債権の額 70 万円 は 1 億円程度と思われるが 担保の額は不明であ を認容した る ) なお 仮差押え

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

- 2 - ⑷ 保育所又は学童クラブにおいて 保育又は学童クラブの目的を達成するために 児童又はその保護者に対してされる行政指導 ⑸ 市の職員 ( 地方公務員法 ( 昭和 25 年法律第 261 号 ) 第 2 条に規定する地方公務員に該当する職員をいう 以下同じ ) 又は市の職員であった者に対して

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

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Taro-議案第13号 行政手続条例の

取得に対しては 分割前の当該共有物に係る持分割合を超える部分の取得を除いて 不動産取得税を課することができないとするだけであって 分割の方法に制約を設けているものではないから 共有する土地が隣接している場合と隣接していない場合を区別し 隣接していない土地を一体として分割する場合に非課税が適用されない

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民事訴訟法

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1 A 所有の土地について A が B に B が C に売り渡し A から B へ B から C へそれぞれ所有権移転登記がなされた C が移転登記を受ける際に AB 間の売買契約が B の詐欺に基づくものであることを知らなかった場合で 当該登記の後に A により AB 間の売買契約が取り消された

い ( ただし 当該書面を交付しないで是正の要求等をすべき差し迫った必要がある場合 は この限りでない ) こととされていることに留意すること (2) その他地方自治法第 245 条の5 第 5 項の規定により 是正の要求を受けた地方公共団体は 当該事務の処理について違反の是正又は改善のための必要な

選択式問題を解く基礎力もつきます そして 通常の5 肢選択式問題を解くことによって 記述式の難しい事例問題も解けるようになっていきます 記述式問題の勉強と5 肢選択式問題の勉強は 互いに影響しあう あざなえる縄のような関係にあります 難しい事例問題を解くのも このような基礎的な問題を解くことによって

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による


控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

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Microsoft Word - 行政不服審査制度の見直しについて(案)に対する意見

当法 22 条 2 項,3 項により本件滞納社会保険料等の徴収に関する権限を承継した被告に対し, 本件滞納社会保険料等のうち平成 17 年 5 月分以前のもの ( 以下 本件請求対象社会保険料等 という ) についての納付義務は時効等により消滅しているとして, 本件交付要求のうち本件請求対象社会保険

第 4 章中第 34 条の次に次の 1 条を加える ( 行政指導の中止等の求め ) 第 34 条の 2 法令又は条例等に違反する行為の是正を求める行政指導 ( その根拠 となる規定が法律又は条例 ( 地方自治法第 252 条の17の2 第 1 項又は地方教育行政の組織及び運営に関する法律第 55 条

問題 4 解説 行政代執行法の対象に関する基礎的な問題 行政代執行法の条文知識を確認する趣旨である 行政代執行法 2 条によると, 行政代執行を用いて履行を確保することができるのは, 法律( 法律の委任に基く命令, 規則及び条例を含む ) により直接に命ぜられ, 又は法律に基き行政庁により命ぜられた

(6) 不利益処分広域連合長等が 条例等に基づき 特定の者を名宛人として 直接に これに義務を課し 又はその権利を制限する処分をいう ただし 次のいずれかに該当するものを除く ア略イ申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名宛人としてされる処分ウ名宛人となるべき

職選挙法等の改正により一部改められたものの,1 人別枠方式は維持されたまま, 衆議院が解散され, 選挙区割りの未了を理由に, 従前の選挙区割りに基づいて本件選挙を施行するものとされたことにより, 投票価値の平等が害されたまま投票を行わざるを得ないという重大な損害を被ることとなったのであり, 憲法違反

ものであった また, 本件規則には, 貸付けの要件として, 当該資金の借入れにつき漁業協同組合の理事会において議決されていることが定められていた (3) 東洋町公告式条例 ( 昭和 34 年東洋町条例第 1 号 )3 条,2 条 2 項には, 規則の公布は, 同条例の定める7か所の掲示場に掲示して行

11総法不審第120号

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

民法 ( 債権関係 ) の改正における経過措置に関して 現段階で検討中の基本的な方針 及び経過措置案の骨子は 概ね以下のとおりである ( 定型約款に関するものを除く ) 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置 民法総則 ( 時効を除く ) における改正後の規定 ( 部会資

財務専門官採用試験の例題

非常に長い期間, 苦痛に耐え続けた親族にとって, 納得のできる対応を日本政府にしてもらえるよう関係者には協力賜りたい ( その他は, 上記 (2) と同旨であるため省略する ) (4) 意見書 3 特定個人 Aの身元を明らかにすること及び親子関係の証明に当たっては財務省 総務省において, 生年月日の

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ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

自治基本条例素案のたたき台大和市自治基本条例をつくる会

船橋市住宅改修支援事業実施要綱 ( 趣旨 ) 第 1 条この要綱は 住宅改修支援事業の実施に関し 必要なことを定めるものとする ( 定義 ) 第 2 条この要綱において 住宅改修支援事業 とは 介護保険法施行規則 ( 平成 11 年厚生省令第 36 号 以下 施行規則 という ) 第 75 条第 1

鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等に関する規則 平成 19 年 3 月 31 日規則第 15 号 改正 平成 21 年 2 月 16 日規則第 2 号平成 21 年 8 月 25 日規則第 28 号平成 28 年 3 月 25 日規則第 17 号鹿屋市公の施設に係る指定管理者の指定の申請等

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

附則 この規則は 平成 29 年 3 月 1 日から施行する

業務委託基本契約書

第 4 審理員意見書の結論 本件各審査請求は理由がないから 行政不服審査法 4 5 条 2 項に より いずれも棄却すべきである 第 5 調査審議の経過審査会は 本件諮問について 以下のように審議した 年月日審議経過 平成 30 年 3 月 6 日 諮問 平成 30 年 4 月 26 日審議 ( 第

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1/12 三豊市若者定住促進 地域経済活性化事業補助金交付要綱 三豊市若者定住促進 地域経済活性化事業補助金交付要綱平成 24 年 7 月 10 日告示第 256 号改正平成 26 年 3 月 20 日告示第 46 号平成 26 年 3 月 31 日告示第 88 号平成 27 年 3 月 31 日告

会員に対する処分等に係る手続に関する規則 (2018 年 7 月 30 日制定 ) 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条本規則は 定款第 15 条に規定する会員に対する処分及び不服の申立てに係る手続の施行に関し 必要な事項を定めることを目的とする ( 定義 ) 第 2 条本規則において 次の各号

パブリック・コメントが事後となった理由

ジュリスト No 頁 ) しかし 民事執行法の中に 上記の思想を盛り込まないままで それは 153 条でまかなっていただこう というのは 無理がある 例えば10 万円の給与のうち2 万 5000 円を差し押さえられた債務者が153 条の申立をし 他に収入はないこと ( 複数給与の不存在

審 査 請 求 事 務 取 扱 要 領

2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

固定資産評価審査申出とは

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

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達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

社会保険労務士法.xlsx

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第 2 編違反処理に関する基本的事項 第 1 違反是正の意義等 基本的考え方違反処理の意義違反処理の区分警告 消防法令違反等に対しては 改修計画提出の指示や警告等の行政指導 消防法による措置命令や使用停止命令 告発等の手段を活用して違反処理を行うことができるが 現実には 防火対象物の関係者の自発的な

Microsoft Word 資料1 プロダクト・バイ・プロセスクレームに関する審査基準の改訂についてv16

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11総法不審第120号

しなければならない 2. 乙は プライバシーマーク付与の更新を受けようとするときは プライバシーマーク付与契約 ( 以下 付与契約 という ) 満了の8ヶ月前の日から付与契約満了の4 ヶ月前の日までに 申請書等を甲に提出しなければならない ただし 付与契約満了の4ヶ月前の日までにプライバシーマーク付

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別紙 新旧対照表 ( 注 ) アンダーラインを付した部分は 改正部分である 改正後改正前引用の法令番号一覧表引用の法令番号一覧表 索引法令名法令番号 か ( 省略 ) ( 省略 ) 索引法令名法令番号 か ( 同左 ) ( 同左 ) 家事事件手続法 平成 23 年法律第 52 号 家事審判法 昭和

特例適用住宅 という ) が新築された場合 ( 当該取得をした者が当該土地を当該特例適用住宅の新築の時まで引き続き所有している場合又は当該特例適用住宅の新築が当該取得をした者から当該土地を取得した者により行われる場合に限る ) においては, 当該土地の取得に対して課する不動産取得税は, 当該税額から

北上市空家等対策規則 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は 北上市空家等対策条例 ( 平成 28 年北上市条例第 17 号 以下 条例 という ) の実施に関し必要な事項を定めるものとする ( 守秘義務 ) 第 2 条条例第 7 条に定める空家等対策審議会の委員は 職務上知り得た秘密を他に漏らしてはな

借地権及び法定地上権の評価 ( 競売編 ) 出典 : 株式会社判例タイムズ出版 別冊判例タイムズ第 30 号 借地権の評価 第 1 意義 借地権とは 建物所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう ( 借地法 1 条 借地 借家法 2 条 1 号 ) 第 2 評価方法 借地権の評価は 建付地価格に

様式第 2 号 ( 第 7 条関係 ) 住 所 ( 所在地 ) 氏 名 ( 名 称 ) 様 第 号 平成 年 月 日 広島県知事印 産業廃棄物埋立税特別徴収義務者指定通知書 広島県産業廃棄物埋立税条例第 8 条第 2 項の規定により, あなた ( 貴社 ) を平成 年 月 日から産業廃棄物埋立税特別

間延長をしますので 拒絶査定謄本送達日から 4 月 が審判請求期間となります ( 審判便覧 の 2.(2) ア ) 職権による延長ですので 期間延長請求書等の提出は不要です 2. 補正について 明細書等の補正 ( 特許 ) Q2-1: 特許の拒絶査定不服審判請求時における明細書等の補正は

1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

第26回 知的財産権審判部☆インド特許法の基礎☆

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Unit1 権利能力等, 制限行為能力者 ( 未成年 ) 1 未成年者が婚姻をしたときは, その未成年者は, 婚姻後にした法律行為を未成年であることを理由として取り消すことはできない (H エ ) 2 未成年者が法定代理人の同意を得ないで贈与を受けた場合において, その贈与契約が負担付の

参加人は 異議申立人が挙げていない新たな異議申立理由を申し立てても良い (G1/94) 仮 にアピール段階で参加した参加人が 新たな異議申立理由を挙げた場合 その異議申立手続は第 一審に戻る可能性がある (G1/94) 異議申立手続中の補正 EPCにおける補正の制限は EPC 第 123 条 ⑵⑶に

処分済み

( ただし, 子の監護に要する費用の分担の処分の審判事件を含む ) について, 扶養義務者 ( 申立人となる場合を除く ) の住所地は, その手続保障の観点から, 管轄原因とすることが相当であると解されるが, どのように考えるべきか ( なお, 子の監護に要する費用の分担の処分の審判事件については,

また 立入調査は 市職員又は市長が委任した者が行い 調査者については身分等を示す証明書を携帯し 関係者からの請求があった場合は提示しなければならないため 立入調査員証 ( 様式第 2 号 ) により身分を証明するものとします 参考 < 基本指針 > 一 7(p.12~13) <ガイドライン> 第 3

特集ⅰ 11 条 2 項 ( 総代互選命令 ) ⅱ 13 条 1 項 ( 利害関係人の参加許可 ) ⅲ 13 条 2 項 ( 利害関係人への参加要請 ) ⅳ 16 条 ( 標準審理期間を作成し公にすること ) ⅴ 23 条 ( 審査請求書の補正 ) ⅵ 25 条 ( 執行停止 ) の手続は内閣府情報

( 措置完了報告 ) 第 13 条法第 14 条第 1 項から第 3 項までの規定による助言等及び行政代執行法第 3 条第 1 項の規定による戒告に対し措置を行った場合は 措置完了報告書 ( 様式第 14 ) により報告するものとする ( 標識 ) 第 14 条法第 14 条第 11 項の規定による

当社からの電子メール の受信を許諾すること (3) 当社が 会員の電力受給契約情報 本サービスの利用にあたって登録した会員情報等を本規約で定める範囲内で利用することを許諾すること 2 当社は 会員資格を満たす者から第 5 条第 1 項に定める方法による利用申込を受付け

処分に関する規則(案)


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11総法不審第120号

<解説資料> 処分取消訴訟における原告適格

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GET ビジネス学習舘 2014 行政書士講座 第 9 回行政法テキスト補助 本書は 著作権法 によって 著作権等の権利が保護されています 本書の一部又は全部につき 無断で天気 複写その他の方法で記録されると 著作等の権利侵害となります 上記のような使い方をされる方は あらかじめ岐阜ひまわり事務所の許諾を求めてください http://ido.gyosei.or.jp

3. 執行停止の取消し審査庁は執行を停止した後でも 執行停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼす 手続きの続行が不可能 事情が変更した時は 執行停止を取り消す事が出来る けんちゃんの用語チェック〇 処分の効力の停止 とは 強制執行を伴わない処分であって後続処分のない処分の停止の事 例えば 許認可等の拒否処分の停止や公務員の免職処分の停止の事〇 処分の執行の停止 とは 強制執行の停止の事〇 手続きの続行の停止 とは 不服申立や取消訴訟の対象となる処分の後に一連の処分や手続きが予定されている時に それを止める事 例えば 課税処分 の取消しを求める時には 滞納処分 が手続きの続行にあたる 9 教示 2. 教示の種類と内容 (1) 必要的教示不服申立てができる処分をする時は 行政庁は処分の相手方に 1 不服申立てができる事 2 不服申立てをする行政庁 3 不服申立てできる期間を 原則 : 書面で教示 例外 : 口頭で処分する時は口頭でもよい (2) 請求による教示利害関係人から教示を求められたら原則 : 口頭例外 : 求められたら書面で しないかん (3) 適用除外地方公共団体が固有の資格において処分の相手方になる時は教示の規定は適用されない 地方競馬など 3. 教示をしなかった場合行政庁が教示をしなかった時は どこの行政庁に不服申立てをしていいのか解らないわけだからその処分をした行政庁に不服申立書を提出できる 岐阜ひまわり事務所 http://ido.gyosei.or.jp - 67 - GET ビジネス学習館 http://www.get-b.com/gyousei/

4. 誤った教示をした場合 (1) 不服申立先の行政庁を誤って教示した場合 1 審査請求ができる時に間違った審査庁を教えた時誤って審査請求書の提出を受けた行政庁は速やかに 審査請求書を処分庁または審査庁に送付しかつ審査請求人に通知 2 審査請求できるのに異議申立てできると教えた時速やかに 異議申立書又は異議申立録取書を審査庁に送付しかつ異議申立人に通知 送付された時は始めっから審査庁に審査請求があったものとみなされる 3 異議申立しないかんのに審査請求できると教えた時 異議申立ても審査請求もできるのに間違った審査庁を教えた時誤って審査請求書の提出を受けた行政庁は速やかに 審査請求書を処分庁に送付しかつ審査請求人に通知 送付された時は始めっから処分庁に異議申立てがあったものとみなされる 岐阜ひまわり事務所 http://ido.gyosei.or.jp - 68 - GET ビジネス学習館 http://www.get-b.com/gyousei/

第 4 章行政事件訴訟法 (46 条しかないから全て目を通しておくこと 特に改正 追加条文が大事 ) 平成 16 年の行政事件訴訟法の改正条文 追加条文 行政事件訴訟法の改正条文 3 条 5 4 条 11 条 13 12 条 1 14 条 13 23 条 1 25 条 2 26 条 2 33 条 1 38 条 13 40 条 12 41 条 1 45 条 4 行政事件訴訟法の追加条文 3 条 67 9 条 2 11 条 2456 12 条 45 14 条 45 23 条の2 25 条 3 37 条の2 37 条の3 37 条の4 37 条の5 46 条 岐阜ひまわり事務所 http://ido.gyosei.or.jp - 69 - GET ビジネス学習館 http://www.get-b.com/gyousei/

2 一般法 1. 一般法 行政事件訴訟は 原則行政事件訴訟法で解決例外他の法律に定めがある時は そっちの法律で解決つまり行政事件訴訟法は 行政事件訴訟に関する一般法たる性質がある 2. 民事訴訟手続の準用仮処分とは民事訴訟で苦労して勝訴判決を得ていざ強制執行に取り掛かろうと思っても 相手が財産を処分してしまっていると何もできない 例えば 敗訴しそうだと感じた被告が訴訟の途中で不動産の名義を他人に移した場合 原告が当該不動産を差し押さえることは難しくなる こういったことを避けるためには 被告が訴訟中 訴訟前に財産を処分することを防がなければなりません この手続を 仮差押え 仮処分という 3 行政事件訴訟の類型 1. 抗告訴訟 以下の6つの法定抗告訴訟と無名抗告訴訟に分類される (2) 処分の取消しの訴え行政庁の処分その他の公権力の行使にあたる行為の取消しを求める訴訟 (3) 裁決の取消しの訴え審査請求 異議申立てに対する裁決 決定の取消しを求める訴訟 ( 行政事件訴訟法では 審査請求 異議申立てその他の不服申立てを ( 裁決 決定を含めて ) 単に 裁決という ) (4) 無効等確認の訴え行政処分の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟 (5) 不作為の違法確認の訴え不作為な状態の違法の確認を求める訴訟 (6) 義務付けの訴え行政庁に行政処分又は裁決をするよう義務付ける判決を裁判所に求める訴訟 (7) 差止めの訴え行政庁に行政処分又は裁決をしないように命じる判決を裁判所に求める訴訟 (8) 無名抗告訴訟上記 6つ以外の抗告訴訟を無名抗告訴訟と言う ( 注 )( 最判 S47.11.30) 行政事件訴訟法は 抗告訴訟として 上記 6つの訴訟形式を法定しているが この6つはあくまでも例示であって 公権力の行使に関する不服の訴訟をこの6つに限定する趣旨ではない 岐阜ひまわり事務所 http://ido.gyosei.or.jp - 70 - GET ビジネス学習館 http://www.get-b.com/gyousei/

2. 当事者訴訟 (1) 意義民事訴訟とは 私人間の法律関係に関する訴訟 当事者訴訟とは 本来は民事訴訟で争うべき内容の訴訟だが 当事者の片方が行政主体の場合の訴訟 次の二つがある (2) 形式的当事者訴訟 1 定義当事者間の法律関係を確認 形成する処分 裁決に関する訴訟で 法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの 形式的当事者訴訟に関しては定義で理解するのではなく 形式的当事者訴訟の典型的なケースを覚える 2 具体例 < 形式的当事者訴訟の典型的なケース> 土地収用法 133 条土地収用委員会がダム建設の為 土地収用裁決をした 補償額だけに不満がある 取消し訴訟を提起できそう しかし土地収用法 133 条には 補償額だけに不満がある場合は土地収用裁決の取消し訴訟ができず 起業者 ( 国 ) と被収用者との間で争いなさい と明記されている このように当事者間の訴訟を形式的当事者訴訟というけんちゃんの例ゆき夫君の家がダムの予定地となりました もちろん補償金がでます が ゆき夫君は その補償金額に不満があるとします さて ゆき夫君はどんな裁判を起こしたらいいのだろうか? ここで注意すべき点は 土地の収用自体には不満はなく 補償の金額だけに不満を持っていることである ならば 補償の金額について 実際に補償金を支払うダムの起業者 ( 電力会社 ) を被告として つまり当事者同士で裁判で争った方が話が早い そこで 起業者を被告として裁判を起こす ( 土地収用法 133 条 3 項 ) このように 当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定により ( 今回のケースだと土地収用法の規定による ) その法律関係の当事者の一方を被告とする 訴訟を形式的当事者訴訟と呼ぶんだよ ( 行政事件訴訟法 4 条前段 ) 注意してちょんまげ ゆき夫くんが収用そのものに対して不服がある場合は 収用委員会を被告として 土地収用裁決の取消訴訟を提起するんだぜぇ 収用自体に不服がある 収用裁決の取消訴訟 ( 被告は収用委員会 ) 補償金額に不服がある 形式的当事者訴訟 ( 被告は起業者 ) 岐阜ひまわり事務所 http://ido.gyosei.or.jp - 71 - GET ビジネス学習館 http://www.get-b.com/gyousei/

(3) 実質的当事者訴訟当事者間の公法上の法律関係 ( 権利義務 ) に関する訴訟 ( たとえば公営住宅の明渡訴訟や公務員の給与支払請求訴訟など ) 抗告訴訟は 公権力 VS 私人 対等な立場じゃない 実質的当事者訴訟は原告と被告が対等な立場で争う ( 例 ) 〇私人同士で売買契約を結ぶ私法上の法律関係 ( 権利義務 ) が発生し もし紛争が生じたら私法 ( 民事訴訟法 ) で解決する 〇私人と国の間で契約を結ぶ公法上の法律関係 ( 権利義務 ) が発生し, もし紛争が生じた時に実質的当事者訴訟により解決する 3. 民衆訴訟国民の個人的利害とは関係なく もっぱら行政の違法行為の是正を目的とする訴訟 ( 例 ) 公職選挙法に定める選挙訴訟や地方自治法に定める住民訴訟など 4. 機関訴訟国又は公共団体の機関相互における権限の存否又はその行使に関する紛争についての訴訟 ( 例 ) 地方公共団体の議会の議決などが権限を越えたり法令などに違反していたりするかどうかについて 長と議会が対立したときに最終的に裁判所に出訴する場合 5. 主観訴訟と客観訴訟主観訴訟 ( 抗告訴訟 当事者訴訟 ) とは 私人の権利利益の保護を目的としている 客観訴訟 ( 民衆訴訟機関訴訟 ) とは 私人の権利利益の保護を目的としているのではなく 法秩序の維持や 行政の適法性の保障を目的とする訴訟 よって誰もが提起できるのではなく 法律の定める場合に法律の定める者のみが提起できる 4 取消訴訟 2. 不服申立て と 取消訴訟 の関係 (1) 原則 : 自由選択主義不服申立てと取消訴訟は どっちを先に提起しても良い また 同時でも良い 但し 同時に提起された時は 裁判所は不服申立ての裁決があるまで 審査請求をしたのに3ヶ月経過しても裁決がない時は 取消訴訟の手続きを中止できる (2) 例外 : 不服申立前置主義法律に定めがあるときは 不服申立てを先に提起して その裁決を経た後でないと取消訴訟を提起できない 岐阜ひまわり事務所 http://ido.gyosei.or.jp - 72 - GET ビジネス学習館 http://www.get-b.com/gyousei/

( 不服申立前置主義の具体例 ) 住民基本台帳法 (31 条の4) この法律の規定により市町村長がした処分に不服がある者は 都道府県知事に審査請求をすることができる この場合においては 異議申立てをすることもできる (32 条 ) 前条に規定する処分の取消しの訴えは 当該処分についての審査請求の裁決を経た後でなければ 提起することができない ( 最判 S36.7.21) 所得税更正処分の取消の訴えは 原則として審査の決定を経なければ提起できないが 国税庁官が誤ってこれを不適法として却下した場合には 却下裁決であってもこれは審査の決定にあたり 審査請求前置主義の要件を満たしたものとみなす (3) 例外の例外 : 不服申立前置主義の例外以下のときは 裁決を経ないで取消訴訟を提起できる 1 不服申立てがあった日から3ヶ月が経過しても裁決が得られない時 2 緊急の必要がある時 3 正当な理由がある時 3. 処分の取消しの訴え と 裁決の取消しの訴え の関係 (1) 行政事件訴訟法 原処分主義処分の取消しの訴えと裁決の取消しの訴えは どちらを提起しても良いし同時に提起してもよい しかし 原則として原処分主義が取られている 原処分主義とは 裁決の取消しの訴え を提起した時は 裁決の固有の瑕疵 ( 棄却裁決に至るまでの手続き上の違法性 ) しか主張できず 処分の違法性に基づいて棄却裁決の取消しを求める事はできない 処分の違法性を主張したければ 処分取消しの訴え を提起すべき と いう考え方だぴょん 原処分主義の例外として裁決主義をとっている場合もある 裁決主義とは 行政事件訴訟法以外の法律で 原処分に対しての 処分の取消しの訴え を許さない旨の定めがある場合は 裁決の取消しの訴え のみ提起できる この場合には 原処分の違法も 裁決の取消しの訴え で主張できる ( 裁決主義の具体例 ) 電波法 (96 条の2) この法律又はこの法律に基づく命令の規定による総務大臣の処分に不服がある者は 当該処分についての異議申立てに対する決定に対してのみ 取消しの訴えを提起することができる 岐阜ひまわり事務所 http://ido.gyosei.or.jp - 73 - GET ビジネス学習館 http://www.get-b.com/gyousei/

岐阜ひまわり事務所 http://ido.gyosei.or.jp - 74 - GET ビジネス学習館 http://www.get-b.com/gyousei/ 4. 要件審理訴えを提起適法の訴えか?(訴訟要件を備えているか否かを審理する これを要件審理という)却下判決本案審理請求に理由がない棄却判決請求に理由がある認容判決事情判決いいえ(ひとつでも訴訟要件を備えていない)はい(全ての訴訟要件を備えている)