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手洗いについて できてる? 手を洗う機会 ( 利用者 入所者 ) 来所時 食事前後 トイレ後 外出後 粘土など共有のリハビリ用品等を触った後 動物を触った後 手が汚れてしまった後 手を洗う機会 ( 看護 介護職員 ) 来所時 ( 通勤後 ) 調理時 配膳時 食事介助時 薬を扱う時 トイレの手伝い後


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胃腸炎による入院患者の管理胃腸炎患者の症状が重くて 入院することがあります 入院患者の管理をしなければいけないことが 病院小児科の特異的なところだと思いますので その点に重点を置いてこれからお話しします 胃腸炎の患者が入院しなければいけない時には多くの患者が脱水になっているため 適切な補液が最も重要

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はじめに 高齢者施設等で抵抗力が低い利用者をケアするには 介護スタッフの感染予防が必要です 施設は重度の利用者が中心になり さまざまな基礎疾患を抱えているため 感染しやすい状態の方が急増しています 介護スタッフが感染源にならないための予防策と 介護スタッフ自身の安全なケアの方法が重要となってきます

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(1) 作成上の留意点 清潔で衛生的な食品の製造あるいは加工環境を確保するための要件を わが国では 一般的衛生管理プログラム と称しています このプログラムの内容は コーデックス委員会による 食品衛生の一般的原則 に示されたものと同じであり 安全で良い品質の食品を製造あるいは加工するための設備や器具

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菌名原因食品及び感染したときの症状特徴 黄色ブドウ球菌 原因食品 : 弁当 おにぎりなど潜伏期間 :1~5 時間症状 : 吐き気 おう吐 下痢 腹痛などの症状が現れます ヒトや動物の化膿した傷口やおできなどに存在し 食品に付着し増殖するときに毒素を作ります 毒素は熱や乾燥に強い性質があります ウエル

42 HBs 抗原陽性で HBe 抗原陰性の変異株が感染を起こした場合は, 劇症肝炎を起こしやすいので,HBs 抗原陽性 HBe 抗原陰性血に対しても注意が必要である. なお, 透析患者では, 感染発症時にも比較的 AST(GOT),ALT(GPT) 値が低値をとること,HCV 抗体が出現しにくいこ

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<報道資料>

鼻腔内 ( 通常手順 ) 安全に吸引が実施できる者を選定すること及び緊急時に備える STEP1 安全管理体制確保 評価項目内容実施者 留意事項 考えられるえられる主なリスク 必要な知識知識 技術 利用者の状態に関する情報を共有し 報告 連絡 相談等の連携体制を確保する ( 急変 事故発生時の対策を含

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第 5 条保健所長は 必要に応じ 巡回指導を行い 営業施設の設置状況等の把握に努めるものとする 2 保健所長は 前項の調査の結果 別表に定める基準に適合しないと認めるときは 営業者等に対し 必要な措置を講ずるよう指導し 又は勧告するものとする 附則 この要綱は 平成 15 年 4 月 1 日から施行

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1.9.1 管理基準の遵守状況を連続的又は相当の頻度で確認をするためのモニタリングの方法を設定し その文書を作成すること 十分なモニタリング頻度を設定することまた 設定した理由を整理しておくこと モニタリングに関する全ての文書と記録は モニタリングを行う担当者及び責任者による

特別養護老人ホームにおける施設サービスの質確保に関する検討委員会 感染管理ワーキンググループ < 委員長 > 辻 明良 東邦大学医学部 看護学科感染制御学 教授 < 委員 > 小坂 健 東北大学大学院歯学研究科 国際歯科保健学分野 教授 柴田 清 東京都看護協会 認定看護師教育課程 ( 感染管理 )

4. 通常疥癬と角化型疥癬の違い 1) 通常疥癬 (1) 通常疥癬は 長時間の皮膚と皮膚との直接接触によって感染する 稀に寝具やタオル類を介する間接接触感染もあるが 集団感染の危険性は少ない (2) 強い掻痒感を伴い 皮膚症状は丘疹 結節 疥癬トンネルがある 2) 角化型疥癬 (1) 感染経路は通常

風邪とインフルエンザの特徴と違い 風邪 インフルエンザ 症状の現れ方 緩やか 急激 発熱 37~38 程度 38 以上発熱急激な発熱 症状の出現部位 局所 ( 鼻や喉など上気道が中心 ) 全身 主な体調変化 くしゃみ 鼻水 鼻づまり 咳 咽頭痛などの呼吸器症状が中心 足腰や関節痛の強い痛み 悪寒など

ノロウイルス対策の必要性 近年 ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎が多く発生しています 名古屋市内においても 多くのノロウイルス食中毒が発生し たくさんの患者が発生しています 飲食店での食中毒事例を見ると 調理従事者が感染源となり食品を汚染したものがほとんどで 下痢 嘔吐症状があるのに調理をした

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水いぼ ( 伝染性軟属腫 ) ウイルスによる感染症で, 主に 7 歳以下の乳幼児がかかります いぼの中身はウイルスと変質した皮膚からなる白い塊です 掻いてつぶれると広がります 症状潜伏期間は 14~50 日 1~3mm 程度の水っぽい光沢のあるいぼがわきの下, わき腹, 首, 肘などにきますが, か

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給食施設等における

メンテナンスおよび作業方法 初期洗浄 ワックス塗布作業 床材施工後の期間を置いてから 本作業を行います 床材表面に床材施工に用いた接着剤跡がある場合は きちんと除去します 引き渡し清掃などで既にワックスが塗布されている場合は 密着テストを行い もし密着していない場合は ハクリ作業を行ってからワックス

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10/3~10/9 今週前週今週前週 インフルエンザ 7 1 百日咳 1 0 RS ウイルス感染症 ヘルパンギーナ 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 急性出


1 項目 内容事項 有 無配点得点有 無配点得点有 無配点得点有 無配点得点 1) 挨拶励行 気持良い挨拶励行の 1 実施 ) 疾病管理 健康診断 : 年 1 回 2 検便 : 年 2 回以上実施しているか ) 4) 5) 6) 製造室入室手洗い 消毒 製造室入室ローラー

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◎一般的注意事項(各課題共通事項)

( その他 ) 1 清掃要員の更衣室 用具置場は甲が提供する 2 清掃に必要な水道光熱費は 甲にて負担する 3トイレットペーパー 水石鹸 ごみ袋 汚物袋等衛生消耗品は甲にて支給する 4 産業廃棄物は 東京都清掃局の許可業者が収集処理すること この場合の費用は甲の負担とする 5 定期清掃の作業日時を2

P-2 3 自分で降りられないように ベットを柵 ( サイドレール ) で囲む 実施の有無 1 他に介護の方法がないため 2 同室者 他の利用者からの依頼 4 不穏や不安など本人の混乱を防止 5 暴力行為など他人への迷惑行為を防止の為 6 夜間以外の徘徊を防止 7 夜間の徘徊を防止 8 不随運動があ

感染対策マニュアル

理容所 美容所開設までの流れ 事前相談 お店の構造設備などについて 事前に保健所までご相談ください 事前相談の際は店舗の図面 ( 各部屋の面積 設備の配置を記載したもの ) を持参していただくと詳しく相談ができます 届 出 P4 開設届についての提出書類 に記載の書類などを保健所に持参してください

Transcription:

3 一 1 感染予防方法 1 利用者 職員の健康管理 2 十分な手洗い 3 おう吐物 排泄物の適正処理 4 施設内のこまめな清掃 消毒 5 訪問者によるウイルスの持込み防止

3-2 利用者 職員の健康管理 利用者 職員 担当者は毎日確認 記録する 症状の有無 ( 時期 状況 ) 排泄の状況 食事の摂取状況 欠席理由 ( 通所の場合 ) 申し送り時などに毎日確認 記録する 健康状態の確認 体調不良で休んだ場合 発症時期とその症状 現在の症状 ( 家族が発症時も申し送りすること ) 責任者に情報集約!!

3 3 手洗い 施設関係者 利用者全員に共通して最も大切なことは手洗いです 介護 汚物処理の 前後の手洗い 一ケア一手洗い を徹底する 調理前 中 後 食事の前 トイレの後は必ず手洗いを行う 全員で ( 職員 利用者 介護者 外来者ともに ) 徹底する必要がある

3 4 手洗いの留意点 手洗い前に注意すること 作業中は時計や指輪ははずしておきます 爪は常に短くしておきます 手洗い機器などについて 石けん液を使用する ( 固形石けんは避ける ) ペーパータオルを使用する タオルの共用は

3 5 手洗いの方法 1 その 1 石けん液を使いよく泡立てて洗い 流水で流します 1 2 3 1 石けん液をつける 4 2 手のひらを合わせよくこする 3 手の甲 指の間を十分に洗う 4 指先 爪の間を丹念にこする

5 3 6 手洗いの方法 2 6 その 2 6 手首をねじり洗いする水道栓を洗う 7 5 親指をねじり洗いする 8 9 7 手と水道栓を流水でよくすすぐ 8 ペパータオルで手をふく 9 ( 水道栓を洗えないときは ) ペーパータオルを使用して 水道栓を直接さわらずに締める

3-7 手洗いで汚れが残りやすいところ 指先や爪の間 指の間 親指の周り 手のしわ 手首 作業中は時計や指輪ははずしておきます爪は常に短くしておきます

3-8 おう吐物による汚染の範囲 1 汚染領域 = 消毒すべき範囲 1m 程度 0.4~0.8m 2~3m? フローリング等の床に 1m の高さで嘔吐した場合 これまでの消毒領域 おう吐物が見える領域

3-9 おう吐物による汚染の範囲 2 汚染領域にあったものも汚染されている 汚染領域を歩くと汚染が拡大する

3-10 おう吐物への対応で必要とされる事項と順序 1 患者のケア対応者の自己防衛 ( 防御着装着 フル装備 ) 患者への対応 ( おう吐対応 呼吸困難防止 誤嚥防止 点滴 ) 2 他者への感染拡大防止措置汚染拡大防止汚染領域外から汚染領域内への移動禁止汚染領域内から汚染領域外への移動禁止移動禁止室内空気の換気 3 おう吐物の処理汚染されたものの消毒 ( 思わぬものが 汚染されていないか?) おう吐物処理 消毒作業者 同室者の防御着の処理 手洗い 着替え 4 経過観察患者 同室者 対応者 (3 日間 )

3-11 各事項の問題点 1 患者のケア迅速性を要し かつ身体に汚染物が付着しないように対応することは困難 患者のケアのために別に 1 人必要では? 動線は 汚染範囲内で収まるか? 汚染区域外に出て 物品を持ってこなければならないときは? 補助者が必要では? 2 他者への防衛措置汚染拡大防止 汚染領域はどの範囲までか? 換気 汚染空気が施設内へ流れ 汚染物が吹き飛ばされたら問題 ( 安易な窓開けは?) 3 おう吐物の処理汚染区域内のものの消毒 汚染領域はどの範囲までか? どれだけの消毒薬 ペーパータオルが必要? 汚染された手で触れたものは 汚染物 消毒容器などを汚染されないようにするには? 汚染区域内に入ってから 器材が必要となった場合 その外になかなか出られないのでは? 補助者が必要では?

3-12 おう吐物用消毒液 (0.1% 次亜塩素酸ナトリウム液 ) の作り方 1 次亜消毒薬 ( 原液 ) 8 杯注ぐ ペットボトルキャップ 次亜塩素酸ナトリウム5~6% 消毒薬を40ml( ペットボトルキャ ( 前もってマークしておくと便利です ) ップに8 杯分 ) はかりとる 希釈した消毒液は ふたを閉めて 日かげ 室温で保存すれば 1 週間程度はもちます 2 2 その際は 消毒液をやや濃い目 (1 割り増し程度 ) に作ってください 日光 ( 紫外線 ) があたると効果が下がります 水は 汚れていれば効果が下がりますので 水道水を使用してください 消毒薬 ( 原液 ) は 有効期限内のものを使用してください ( 素材によっては 次亜塩素酸ナトリウムにより劣化する場合があるため ) はかり取った消毒液を 2L の水道水に注いで 出来上がり 交 希釈した消毒液の容器にペットボトルを使用する場合は 1 ヶ月程度で 換しましょう

3-13 消毒液は作り置きできるか?( 実験結果 ) 次亜塩素酸ナトリウム溶液の有効日数試験 250 200 NO.1 2 は 移動しなかった NO.1 2 は 8 日目も有効成分の量が変わらなかった 150 100 NO.1~3 を うす暗い部屋に置いた NO.3 のみ 窓ぎわの日なたに移動した NO.1 NO.2 NO.3 残留 50 0 開始日 1 日後 NO.1 NO.2 NO.3 次亜を蒸留水で希釈したもの ( 同じものを 3 つ用意 ) 2 日後 3 日後 4 日後 日数 5 日後 6 日後 日光に当てた NO.3 は有効成分が減少した 7 日後 8 日後 結論 1 消毒液は 暗所 室温に置けば 1 週間程度は保存できます (1 割程度濃い目に作るほうがよい ) 2 日光に当てると 消毒効果が下がります

3-14 ノロセット 事前に ノロセット ( 使い捨てマスク 使い捨て手袋 使い捨てガウン 足カバー 0.1% 次亜塩素酸ナトリウム液 2L ビニール袋大 小 紙タオル ビニールテープ ) を用意します 消毒薬 (0.1% 次亜塩素酸ナトリウム )2L 1 本 一例 ビニール袋 ( 大 ) 数枚 ビニール袋 ( 小 ) 数枚 足カバー 2 人分以上 専用の足カバーが無ければ 厚さ 0.03mm 以上のビニール袋を輪ゴム ( 大 ) でとめても可 ビニールテープ 1( 境界マーク用 ) 紙タオル 10~20 枚程度 使い捨て手袋 3 人分以上 使い捨てマスク 6~7 枚 使い捨てガウン ( そで付 ) 2 枚以上 ヘアキャップがあると更に良い

3-15 立入制限区域 汚染区域の設定 室内を立入制限区域とし 内外の移動を制限します おう吐時に室内にいたものには マスクを着用させ 処理が終了するまでその場から動かないように指示します 換気扇を回して強制換気し 空気中を浮遊するおう吐物の微小飛沫 ( エアロゾル ) を室外に排出します ( 換気扇がない場合は しばらく窓を開けてから 閉めます ) 1 立入制限区域内に入るときは 履物を換える 2 立ち入り制限区域と区域外との境界に消毒薬を含ませた紙タオル等を置き 足裏の消毒を行う などの工夫をしてもよいでしょう マスク 同室者 立入制限区域 立入制限区域外 汚染区域 0.4~0.8m おう吐物が見える部分 その場から動かない 2~3m 換気扇で強制換気する 同室者 おう吐者 ( ノロ患者 ) その場から動かない

3-16 各対応者の立入可能領域 患者対応者 おう吐物対応者 : 汚染 ( 多 ) : 汚染 ( 普通 ) : 非汚染の別 ガウン 手袋 足カバー 立入可能区域 全域 ( ただし 汚染区域に入ったら そこからなるべく出ない ) 立入制限区域 汚染区域 ( ただし 消毒済み部分のみ ) 補助者 立入制限区域 ( 汚染区域外 ) 補助者 立入制限区域 おう吐物対応者 消毒済みの部分 未消毒の部分 患者対応者 汚染区域

3-17 防御着の着用 ヘアキャップをかぶると更に良い 使い捨てマスク 使い捨て手袋 使い捨てガウン 患者対応者と おう吐物処理者は防御着を着用して 立入制限区域に入ります 補助者は 使い捨てマスクと使い捨て手袋を着用して立入制限区域に入ります 足カバー

3-18 おう吐物の処理 ( 汚染区域の設定 消毒 ) 1 マスク 2 補助者 汚染区域 2~3m おう吐物 境界をマーク 手袋 おう吐物処理者 汚染区域 ( おう吐物の中心から 2~3m) を特定し ビニールテープなどで境界をマークします 金属を次亜塩素酸ナトリウムで消毒した場合は ( 腐食するため )10 分後に水ぶきしてください 消毒液を使用できない場合は スチームアイロン等で85 1分以上加熱してください 3 補助者に 汚染領域外から 紙タオル 消毒液の補給 ごみ袋の用意をしてもらいます 消毒液を紙タオルにひたひたになるよう十分に注ぎます 汚染区域を外側から内側へ消毒 汚染区域を外側から 消毒液を浸すように拭いていきます 患者対応者 その他汚染された者の動線部分も併せて拭きます 足場は 消毒済みの部分とします

3-19 おう吐物の処理 ( 汚染区域の消毒 ) 4 足場は 消毒済み部分 ( 材質によっては ぬれた床面は滑りやすくなるため 転倒に注意 ) 消毒済み部分 5 ビニール袋 ( 小 ) の外側は汚染されているので 注意すること おう吐物が見える部分 汚染区域 未消毒部分 ビニール袋 ( 大 ) は 汚染領域外に置き 外側の汚染が無いようにする ごみは ビニール袋 ( 小 ) に入れます たまったら ビニール袋 ( 大 ) に入れます ( ビニール袋 ( 大 ) には 最後に消毒液を注ぎ入れます ) 汚染区域を おう吐物が見える部分を除いて すべて消毒します 衣類等の汚染物は別のビニール袋 ( 大 ) に入れておき 後で 消毒します まず 斜線の領域をすべて消毒

3-20 おう吐物の処理 ( 目で見えるおう吐物処理 ) 6 7 ( 周囲は消毒済み ) おう吐物を 紙タオルで折り返すようにして全てふき取り その上に紙タオルをかぶせます 8 9 足場は 消毒済み部分 消毒液 補助者が 消毒済み部分を通って近づき 紙タオルに消毒液を十分に注ぎます (10 分放置して消毒完了 )

3-21 防御着の脱ぎ方の順序 以下の順番に外していきます ( 消毒薬を含ませた紙タオル等で手袋の汚染面を消毒してから これらの作業を行ったほうが より安全に行えます ) 1 番目ガウン 2 番目足カバー 3 番目手袋 4 番目 ( 最後 ) マスク ( 及びヘアキャップ ) 順番が入れ替わると 汚染が広がる ので注意!!

3-22 防御着の脱ぎ方 ( ガウン 足カバー ) 1 2 汚染面 非汚染面 おう吐物処理者の手は汚染されていると考えて 補助者に清潔な手でガウンのひもをはずしてもらい 汚染面が内側になるように ガウンを脱ぎます 補助者は ガウンの汚染面を触らないこと ( 消毒薬を含んだ紙タオルで手袋表面をぬぐってから作業をおこなうと より安全です ) 3 衣服に触らないように 足カバーを脱ぎます ごみは 補助者に手伝ってもらって ビニール袋 ( 大 ) に入れます ビニール袋には消毒液を注ぎます

3-23 防御着の脱ぎ方 ( 手袋 マスク ) 4 5 6 (1 枚目 ) 手袋の手の甲の外側をつまみ 汚染面が内側になるように外します 7 8 9 (2 枚目 ) 手の甲の内側 ( 非汚染面 ) に指を差し入れ 汚染面が内側になるように外します 10 ( 非汚染面のみを触ります ) 11 最後に マスクやヘアキャップを外します ( できれば その前に一度手洗いをしたほうが望ましい ) 作業後は 十分に手洗いをします

3-24 作業後 作業後は 対応者 同室者は着替え 入浴を行ったほうがよいでしょう ( それら衣類は消毒したほうがよい ) 作業後 十分に換気をしましょう 患者 同室者 対応者は 3 日間程度 ノロウイルス感染について経過観察をしましょう 患者 1 隔離できればしたほうがよいが できなければ動かさない 2 症状回復まで 防御着を着用して接するほうがよい 同室者 1 他の部屋の者と一緒にしない ( 食事等を含む ) 2 健康チェックをする 3 各々おう吐袋を持参してもよいでしょう 対応者 1 十分に手洗いを行う ( 使い捨て手袋を活用してもよい ) 2 他者の食べる食品には素手で触れない 3 健康チェックをする 4 各々おう吐袋を持参してもよいでしょう

3-25 換気の方法おう吐物等の拭き取りと消毒が徹底されていない場合は 乾燥した後にウイルスが室内に拡散し 感染が拡大するおそれがあります おう吐物等を適切に処理したのち 室内の十分な換気を行うことが大切です 空気の動きがあまりない空間 有効な換気の例 空気の出入り口をできるだけ対角線となるよう 2 か所以上作ります 換気扇利用時 換気扇とは反対側の面にある窓を少し開け 空気の入り口を作ると効果的です 効果的な換気が期待できない例 窓の近くは吹き込みの気流で換気されるが 奥のほうは難しい例 風の入り口がなく 通風が期待できない例

3-26 汚物処理 ( 衣類 雑巾 ) 汚物 ( おう吐物 便 ) で汚染された衣類 雑巾は 1 使い捨てビニール手袋 マスク ガウンを着用する 2 おう吐物や便をある程度除去する 除去しないと消毒薬の効果が弱くなります 水洗トイレなどを活用しましょう 3 0.02% 次亜塩素酸ナトリウムに 10 分間漬け込むか 85 1 分以上熱湯消毒する 4 他のものと分けて最後に洗濯 ( 困難な場合は 専門業者を利用しましょう )

3 27 施設などの清掃 消毒 飛沫感染を防ぐため 換気扇などで部屋の換気を十分に行いましょう ( 特に 汚物処理中 後 ) 汚物処理後 3 日間は 感染発生に注意が必要です トイレ ( 便座等 ) 手すり ドアのノブ イス テーブルなど 汚染の可能性がある所は 最低 1 日に 1~2 回は 0.02% 次亜塩素酸ナトリウムで消毒しましょう ( 金属製品は 10 分後に水ぶきしてください ) トイレは常時換気扇を回しましょう トイレの手拭は共用を避け ペーパータオルなど使い捨てにしましょう 施設で流行している時は 利用者を集めて行事を行うことは避けましょう

3 28 施設環境の留意点 有症者は同室 同病棟にし 他の施設関係者への二次感染を予防しましょう 歩行可能な利用者 人の集まる場所 ( 食事 風呂場 作業療法室等 ) が感染を広げる要因となりますので 有症者の集団行動は避けるようにしましょう 職員も感染を広げる要因になりますので 担当職員を固定し 二次感染が起こらないよう特に注意しましょう 面会者がおう吐 下痢など体調不良の場合は 面会を遠慮してもらいましょう ( 掲示 事前説明等 )