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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

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アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

●子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案

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通知(写入)

【資料1】結核対策について

●アレルギー疾患対策基本法案

④登録要領(医療分野)

Microsoft Word - 表紙 雛形(保険者入り)高齢者支援課180320

Microsoft Word - 【セット版PDF】131105_H25今冬のインフルエンザ総合対策.docx

国際的な人の移動の活発化に伴い 国内での感染があまり見られない感染症について 海外から持ち込まれる事例が増加している デング熱などの蚊が媒介する感染症 ( 以下 蚊媒介感染症 という ) についても 海外で感染した患者の国内での発生が継続的に報告されている 我が国においては 平成二十六年八月 デング

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

アレルギー疾患対策基本法の施行について

1_【鑑】「生活困窮者自立支援法の施行に伴う多重債務者対策担当分野との連携について(通知)」の一部改正について

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(地Ⅲ  )

BSL4の稼働合意について

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0426番号入り。HP用

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

Microsoft Word - 公布通知(医政発0725第10号)

風しん診断事例におけるウイルス遺伝子検査について

( 介 197)( 保 310)F 平成 31 年 3 月 12 日 都道府県医師会社会保険担当理事殿介護保険担当理事殿 日本医師会常任理事 松本吉郎 江澤和彦 要介護被保険者等である患者に対する入院外の維持期 生活期の 疾患別リハビリテーションに係る経過措置の終了に当たっての必要な対応について 入

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3. 定期接種の接種時期について結核の定期接種の対象者については 1 歳に至るまでの間にある者と予防接種法施行令 ( 昭和 23 年政令第 197 号 ) 第 1 条の3に規定されているが 本件に伴い 2に記載した方法を検討してもなお やむを得ず1 歳を超えて接種を行った者に対して定期接種の対象外と

の病床数及び新たに併設する介護保険施設の入所定員 ( 病院から転換した病床 ( 以下 転換病床 という ) を活用するものに限る ) の合計が転換前の病院の病床数以下である場合には 実態として 転換後の施設 ( 病院と介護保険施設を併せた全体をいう 以下同じ ) 全体の医療提供の内容は 転換前の病院

Microsoft Word - 02-頭紙.doc

中東呼吸器症候群(MERS)の国内発生時の対応に関するQ&Aについて

【通知】海外療養費・出産育児一時金の支給の適正化に向けた対策等について

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PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 溶け込み 感染症の予防の総合的な推進を図るための基本的な指針(平成11年4月1日厚生省告示第115号).rtf

都道府県医師会 情報システム担当理事殿 ( 情シ 35) 平成 30 年 11 月 6 日日本医師会常任理事石川広己 医療機関等におけるサイバーセキュリティ対策の周知について 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます 日頃より会務運営に対しましてご高配を賜り深く感謝申し上げます 医療機関でのIT

表紙 雛形(都道府県、市町村、関係団体)介護保険計画課

事務連絡 令和元年 6 月 21 日 ( 公社 ) 岡山県医師会 ( 一社 ) 岡山県病院協会 御中 岡山県保健福祉部健康推進課 手足口病に関する注意喚起について このことについて 厚生労働省健康局結核感染症課から別添のとおり事務連絡が ありましたので 御了知いただくとともに 貴会員への周知をお願い

薬事法における病院及び医師に対する主な規制について 特定生物由来製品に係る説明 ( 法第 68 条の 7 平成 14 年改正 ) 特定生物由来製品の特性を踏まえ 製剤のリスクとベネフィットについて患者に説明を行い 理解を得るように努めることを これを取り扱う医師等の医療関係者に義務づけたもの ( 特

結核罹患率の推移 人口 10 万対率 1000 全結核 結核緊急事態宣言 1999 * 罹患者定義の変更 * 罹患者定義の変更 100 * 10 塗抹陽性肺結核 喀痰塗抹陽性肺結核 年

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健感発 1221 第 1 号 平成 29 年 12 月 21 日 都道府県知事 各保健所設置市長 特別区長 殿 厚生労働省健康局結核感染症課長 ( 公印省略 ) 風しんに関する特定感染症予防指針の一部改正について ( 通知 ) 平素より 感染症対策の推進につきまして 御理解と御協力を賜り誠にありがと

資料2旅館業法整理(案)

一について第一に 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号 以下 感染症法 という )第十二条の規定に基づき 後天性免疫不全症候群(以下 エイズという )の患者及びその病原体を保有している者であって無症状のもの(以下 HIV感染者 という )(以下 エイズの患者等

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老発第    第 号

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薬生発 0926 第 5 号 平成 29 年 9 月 26 日 都道府県知事 各保健所設置市長殿 特別区長 厚生労働省医薬 生活衛生局長 ( 公印省略 ) コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について コンタクトレンズ ( カラーコンタクトレンズを含む ) の販売に関しては これまで

正する 2 第二原因の究明 の 五風しん及び先天性風しん症候群の発生時の迅速な対応 の項における感染経路の把握等の調査について 地域で風しんの流行がない状態において 風しん患者が同一施設で集団発生した場合等に を 風しんの患者が一例でも発生した場合に に改正する 3 第二原因の究明 の 六ウイルス遺

PSP 省令 と それぞれ略称する 記 1. 改正施行規則について希少疾病用医療機器その他の医療上特にその必要性が高いと認められる医療機器であり かつ 当該医療機器についての臨床試験の実施に特に長期間を要すると認められるものに係る承認申請をする場合においては 改正 GVP 省令第 9 条の3 第 1

Microsoft Word - 01沖縄県蚊媒介感染症対策行動計画(第3版)

る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

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4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

出時に必要な援助を行うことに関する知識及び技術を習得することを目的として行われる研修であって 別表第四又は別表第五に定める内容以上のものをいう 以下同じ ) の課程を修了し 当該研修の事業を行った者から当該研修の課程を修了した旨の証明書の交付を受けた者五行動援護従業者養成研修 ( 知的障害又は精神障

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⑤5 地方公共団体における検証等に関する調査結果

乳児家庭全戸訪問事業(一部改正)

スライド 1

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別紙 ( 国内における臓器等移植について ) Q1 一般の移送費の支給と同様に 国内での臓器移植を受ける患者が 療養の給付を受けるため 病院又は診療所に移送されたときは 移送費の支給を行うこととなるのか 平成 6 年 9 月 9 日付け通知の 健康保険の移送費の支給の取扱いについて ( 保険発第 1

都道府県単位での肝炎対策を推進するための計画を策定するなど 地域の実情に応じた肝炎対策を推進することが明記された さらに 近年の状況等を踏まえ 平成 28 年 6 月に基本指針の改正を行い 肝炎対策の全体的な施策目標を設定すること等が追記された 都は 肝炎をめぐる都内の状況や基本指針の改正を踏まえ

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会において検討がなされることから その検討の結果を踏まえ 別途通知することとする なお 都道府県内の難病医療提供体制に関する情報は 住民に分かりやすい形で公表し その進捗状況を周知する必要がある また 各医療機関が診療可能な難病のリスト等を公表

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Microsoft Word - 【通知本文】.doc

01_ポスター(ラグビー協会)

2. 平成 9 年遠隔診療通知の 別表 に掲げられている遠隔診療の対象及び内 容は 平成 9 年遠隔診療通知の 2 留意事項 (3) イ に示しているとお り 例示であること 3. 平成 9 年遠隔診療通知の 1 基本的考え方 において 診療は 医師又は歯科医師と患者が直接対面して行われることが基本

DOTS 実施率に関する補足資料 平成 26 年 12 月 25 日 結核研究所対策支援部作成 平成 23 年 5 月に改正された 結核に関する特定感染症予防指針 に DOTS の実施状況は自治体による違いが大きく実施体制の強化が必要であること 院内 DOTS 及び地域 DOTS の実施において医療

医療事故調査・支援センター~センターの役割と手引~

平成30年度精神保健に関する技術研修過程(自治体推薦による申込研修)

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日医発第437(法安23)

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

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第3章 指導・監査等の実施

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「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業について」の一部改正について(厚生労働省健康局長:H )

【資料1-4】電波環境協議会による「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」周知啓発用資料について

一について人口密集地域であり 簡易宿所が密集する地域を抱えていることから 全国的に見てもいわゆるホームレスの数が多い地域であると推測される東京都(特別区の区域に限る ) 川崎市 横浜市 名古屋市及び大阪市における野宿生活者等の数について各地方公共団体に聴取したところ それぞれの地方公共団体で 野宿生

歯科中間報告(案)概要

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

◎外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律

イドライン が策定されたところです こうした中 平成 30 年 6 月 29 日に第 196 回通常国会で成立した 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律 ( 以下 働き方改革関連法 という ) に基づく改正後の労働基準法において 建設業については 平成 31 年 4 月の法施行から5

員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付するこ ととしていることを申し添えます 記 1. 基本要件基準第 13 条第 5 項及び第 6 項への適合性確認の基本的な考え方について (1)2023 年 ( 平成 35 年 )2 月 28 日 ( 以下 経過措置期間終了日 という )

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

PowerPoint プレゼンテーション

報告風しん

都道府県医師会医療安全担当理事殿 ( 法安 56) 平成 27 年 8 月 5 日 日本医師会常任理事今村定臣 酵素電極法を用いた血糖測定に使用する医療機器及び体外診断用医薬品に係る 使用上の注意 の改訂について グルコース分析装置 自己検査用グルコース測定器及び自動分析装置等並びに血液検査用グルコ

Microsoft Word - 【案1】登録認証機関立入要領改正通知(Ver )

Taro-07_学校体育・健康教育(学

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

都道府県医師会担当理事殿 年税第 47 号平成 29 年 0 月 0 日 公益社団法人日本医師会常任理事今村定臣 国税庁の確定申告における医療費控除の提出資料変更に係るチラシの設置について 今般 国税庁より 確定申告における医療費控除の提出資料変更について 別添の通り チラシの設置についての協力依頼

平成 29 年度定期監査 ( 第 1 回 ) の結果報告に基づき講じた措置内容等 墨田区長 監査委員意見について 監 査 結 果 の 内 容 措 置 内 容 (1) 事務処理の適正化について今回の監査では指摘事項に該当する事例はなかったものの 指導 注意事項の事例については これまでの重ねての指摘に

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

麻しん 2

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

( 別添 ) 薬食発 0513 第 1 号平成 23 年 5 月 13 日 都道府県知事各保健所設置市長特別区長 殿 厚生労働省医薬食品局長 薬事法の一部を改正する法律等の施行等についての一部改正について 薬事法の一部を改正する法律 ( 平成 18 年法律第 69 号 ) については 関係政省令とと

Transcription:

( 健 Ⅱ106F) 平成 30 年 8 月 30 日 都道府県医師会 感染症危機管理担当理事殿 日本医師会感染症危機管理対策室長 釜萢 敏 インフルエンザに関する特定感染症予防指針の一部改正について 今般 インフルエンザに関する特定感染症予防指針が改正され 本年 8 月 22 日より適用される旨 別添のとおり厚生労働省より各都道府県等衛生主管部 ( 局 ) 長あて 通知がなされました なお 改正の概要は下記のとおりとなっております つきましては 貴会におかれましても本件についてご了知のうえ 貴会管下郡市区医師会 関係医療機関等に対する周知方について ご高配のほどよろしくお願い申し上げます 記 第一 原因の究明 の中に 感染症法第 14 条の2 第 2 項に規定する指定提出機関がインフルエンザの患者を診断した場合における当該患者の検体又は病原体の一部の提出義務について追記する 新型インフルエンザについては 新型インフルエンザ等対策特別措置法及び新型インフルエンザ等対策政府行動計画に基づき 総合的な対策が進められていることから 指針中の新型インフルエンザに関する記載を削除する

健感発 0822 第 2 号 平成 30 年 8 月 22 日 都道府県 各保健所設置市 特別区 衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省健康局結核感染症課長 ( 公印省略 ) インフルエンザに関する特定感染症予防指針の一部改正について ( 通知 ) 平素より 感染症対策の推進につきまして 御理解と御協力を賜り誠にありがとうございます 平成 30 年 3 月 29 日の予防接種 ワクチン分科会予防接種基本方針部会及び平成 30 年 4 月 26 日の厚生科学審議会感染症部会における議論を踏まえ インフルエンザに関する特定感染症予防指針 ( 平成 11 年厚生省告示第 247 号 以下 指針 という ) を別添のとおり改正しましたので 主な改正内容を下記のとおり通知いたします つきましては 今般の改正の趣旨を踏まえ 感染症対策の一層の推進を図っていただきますようお願いいたします 記第 1 改正の概要 第一 原因の究明 の中に 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 ( 平成 10 年法律第 114 号 ) 第 14 条の2 第 2 項に規定する指定提出機関 ( 都道府県知事の指定を受けた病院若しくは診療所又は衛生検査所をいう ) がインフルエンザの患者を診断した場合における当該患者の検体又は病原体の一部の提出義務について追記する 新型インフルエンザについては 新型インフルエンザ等対策特別措置法 ( 平成 24 年法律第 31 号 ) 及び新型インフルエンザ等対策政府行動計画 ( 平成 25 年 6 月 7 日閣議決定 ) に基づき 総合的な対策が進められていることから 指針中の新型インフルエンザに関する記載を削除する 第 2 適用期日 平成 30 年 8 月 22 日

インフルエンザに関する特定感染症予防指針 平成 11 年 12 月 21 日厚生省告示第 247 号 ( 平成 12 年 12 月 28 日厚生省告示第 625 号により一部改正 ) ( 平成 14 年 1 月 16 日厚生労働省告示第 3 号により一部改正 ) ( 平成 17 年 3 月 31 日厚生労働省告示第 159 号により一部改正 ) ( 平成 22 年 3 月 31 日厚生労働省告示第 139 号により一部改正 ) ( 平成 26 年 11 月 21 日厚生労働省告示第 439 号により一部改正 ) ( 平成 27 年 3 月 31 日厚生労働省告示第 193 号により一部改正 ) ( 平成 30 年 8 月 22 日厚生労働省告示第 308 号により一部改正 ) 厚生労働省

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法津 ( 平成十年法律第百十四号 ) 第十一条第一項及び予防接種法 ( 昭和二十三年法律第六十八号 ) 第四条第一項の規定に基づき インフルエンザに関する特定感染症予防指針 ( 平成十一年厚生省告示第二百四十七号 ) の一部を次の表のように改正したので 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法津第十一条第一項及び予防接種法第四条第四項の規定に基づき公表する インフルエンザは 人類が数千年前から経験してきた感染症であり 人類にとって最も身近な感染症の一つである また 風邪症候群を構成する感染症の一つであることから 特に 我が国において 普通の風邪と混同されることが多い しかしながら り患した場合の症状の重篤性や肺炎等の合併症の問題を考えた場合には 普通の風邪とは全く異なる転帰を迎えることがあるといった特性に加えて A 型インフルエンザについては 汎流行が数十年に一度発生し 我が国を含めた世界各国で甚大な健康被害と社会活動への影響を引き起こすという特徴を有している このようなインフルエンザが与える個人及び社会全体への影響に鑑みると 行政関係者や医療関係者はもちろんのこと 個々の国民においてもその予防に取り組んでいくことが極めて重要である また 平成六年に 予防接種法 ( 昭和二十三年法律第六十八号 ) の対象からインフルエンザが除外されたことに伴い 国民の間でインフルエンザの危険性とインフルエンザワクチンの有効性を軽視する風潮が生まれ インフルエンザワクチンの必要性を含めたインフルエンザの脅威と予防の重要性が 必ずしも国民の間で十分に認識されなくなった このような状況の下 近年 特別養護老人ホーム等の高齢者が入所する施設においてインフルエンザの集団感染が発生し 入所者が死亡する事例が複数発生し 社会問題化した これを契機に 高齢者のインフルエンザの発病や重症化を防止するため 平成十三年に 予防接種法の一部が改正され 高齢者に係るインフルエンザを予防接種の対象疾病に加えるとともに 予防接種の対象疾病を類型化する等の措置が講じられた これにより インフルエンザの予防接種を希望する高齢者は 予防接種法に基づき 市町村が行う予防接種を自らの判断により受けることが可能になった さらに 近年においては 乳幼児のインフルエンザのり患中に発生する脳炎や脳症の問題等も指摘されている 本指針は このような認識及び状況の下に 我が国最大の感染症であるインフルエンザについて 国 地方公共団体 医療関係者等が連携して取り組んでいくべき対策について 予防接種の推進等による発生の予防及びまん延の防止 良質かつ適切な医療の提供 正しい知識の普及等の観点から新たな取組の方向性を示すことを目的とする また 本指針に基づいて 具体的かつ技術的なインフルエンザ対策要綱を作成し それに基づいた総合的な対策を進めていくこととする なお 新型インフルエンザについては 新型インフルエンザ等対策特別措置法 ( 平成二十四年法律第三十一号 ) 及び新型インフルエンザ等対策政府行動計画 ( 平成二十五年六月七日閣議決定 ) に基づき 総合的な対策が進められている 本指針については 少なくとも五年ごとに再検討を加え 必要があると認めるときは これを変更していくものである 第一原因の究明一基本的考え方冬季に爆発的に患者が発生し 患者発生数が頂点を迎えた後は急速に終息に向かうといったインフルエンザの流行の特性を考えた場合 適切な予防の実施及び良質かつ適切な医療の提供を支援していくためには インフルエンザの発生動向の調査は 極めて重要である 国及び都道府県等 ( 都 1

道府県 保健所を設置する市及び特別区をいう 以下同じ ) がインフルエンザに関する情報の収集及び分析を行い 国民や医師等の医療関係者に対して情報を公開していくことが インフルエンザ対策を進めていく上で 最も基本的な事項である 二発生動向の調査の強化国及び都道府県等は 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 ( 平成十年法律第百十四号 以下 感染症法 という ) に基づくインフルエンザの発生動向の調査を強化すべきである 特に 感染症の情報収集における迅速性と正確性という本来相反する二つの側面の均衡に配慮しつつ 感染力が極めて強く かつ 極めて短期間の間に流行が拡大するというインフルエンザの特性に応じた効果的かつ効率的な情報収集体制を整備すべきである また 感染症法第十四条の二第二項において 都道府県知事の指定を受けた病院若しくは診療所又は衛生検査所 ( 以下 指定提出機関 という ) の管理者は 当該指定提出機関 ( 病院又は診療所に限る ) の医師がインフルエンザの患者を診断したとき 又は当該指定提出機関 ( 衛生検査所に限る ) の職員がインフルエンザの患者の検体若しくはインフルエンザの病原体について検査を実施したときは 当該患者の検体又は当該病原体の一部を都道府県知事等に提出することが義務づけられており 感染症の発生動向の調査に当たっては 患者に関する情報のみならず 病原体に関する情報も含めて 総合的な調査を行うことが重要である 三発生動向の調査の結果の公開及び提供の強化国及び都道府県等がインフルエンザの発生動向の調査の結果の公開及び提供を行うに当たり 様々な立場の者が情報の受け手として想定される したがって 医療関係者等の感染症の専門家のみならず 感染症についての専門的な知識を有していない国民が 必要な情報を短時間で 正確かつ理解しやすい形で入手できるよう調査の結果の公開及び提供を強化していくことが重要である 四国際的な発生動向の把握インフルエンザは 我が国のみならず世界中で発生する地球規模の感染症であることから 我が国のインフルエンザ対策をより一層的確なものとするため 国際的なインフルエンザの発生及び流行の状況を把握すべきである 第二発生の予防及びまん延の防止一基本的考え方インフルエンザの発生の予防及びまん延の防止においては 個々の国民が自ら予防に取り組むことが基本であり 個人の予防の積み重ねが 社会全体のまん延の防止に結びつく 特に高齢者については 重症化防止に予防接種が有効であることが明らかになっていることから 平成十三年の予防接種法の一部改正の趣旨に沿って積極的に予防接種を受けることが望ましい また 国及び都道府県等においては 医師会等の関係団体とともに 個々の国民が自ら予防に取り組むことを積極的に支援していくことが重要である 二予防接種の推進インフルエンザについては 予防接種が最も基本となる予防方法であり 個人の発病や重症化の防止の観点から 予防接種を推進していくべきである このため 予防接種の実施者である市町村は 六十五歳以上の者をはじめとする予防接種法に基づく予防接種の対象者に対し 同法に基づく接種対象者である旨を周知するよう努めるとともに 接種対象者がかかりつけ医と相談しながら自らの判断で予防接種を受けるか否かを決定することができるよう インフルエンザワクチンの効果 2

副反応等について正しい知識の普及に努めることが必要である なお 接種を希望しない者が接種を受けることがないよう 市町村は徹底しなければならない また 国及び都道府県等は 予防接種法に基づく予防接種の対象者以外の一般国民に対しても 自らの判断で予防接種を受けるか否かを決定することができるよう インフルエンザワクチンの効果 副反応等について正しい知識の普及に努めていくことが重要である 三予防接種以外の一般的な予防方法の普及国及び都道府県等は 予防接種以外の一般的な予防方法について 科学的根拠に基づき かつ インフルエンザ以外の普通の風邪の予防も併せて想定した上で 国民に対する周知徹底を図っていくことが重要である 四施設内感染の防止インフルエンザウイルスは感染力が非常に強いことから 集団生活の場に侵入することにより 大規模な集団感染を起こすことがある 特に 高齢者等の高危険群に属する者が多く入所している施設においては 日常の健康管理や居住環境の向上に努めるとともに 施設内にインフルエンザウイルスが持ち込まれないようにすることが重要である 国は インフルエンザウイルスの施設への侵入の阻止と侵入した場合のまん延の防止を目的とした標準的な施設内感染防止の手引きを策定し 都道府県等とともに各施設に普及していくべきである その上で 各施設においては 施設内感染対策の委員会等を設置し 当該手引きを参考に 各施設の特性に応じた独自の施設内感染対策の指針を事前に策定しておくべきである なお 高齢者等の高危険群が多く入所している施設において 入所している者に対して予防接種法に基づく予防接種を行う場合には 個々の者に対して接種の希望を確認した上で 接種を行わなければならず 一律に接種が行われることはあってはならないことである 五一般向け情報提供体制及び相談機能の強化国は 予防接種の意義 有効性 副反応等やインフルエンザの一般的な予防方法 流行状況等に関する国民の疑問に的確に答えていくため 関係団体と連携を図り 情報提供体制及び相談機能を強化していくべきである 第三医療の提供一基本的考え方インフルエンザは 健康な人がり患した場合には 重症化することは少ないが 初期症状は普通の風邪と共通する点が多いことから その鑑別診断は容易ではない よって インフルエンザ様の症状を呈する患者の診療に当たっては 的確な鑑別診断が重要である また 乳幼児がり患した場合には 脳炎や脳症を引き起こすことも問題として指摘されており 高齢者を中心として慢性疾患を有する者等がり患した場合には 合併症を併発することにより重症化する場合が多く これらの高危険群に属する者に対しては 呼吸器症状の治療のみならず 十分な全身の管理が求められる したがって 国及び都道府県等は 医療関係者を支援していくため 医療機関向け学術情報の発信強化等を図ることが重要である 二医療機関向け学術情報の発信強化国及び都道府県等は 日進月歩で進んでいるインフルエンザに関する診断方法 治療方法等の研究成果について 医療機関に迅速に提供していくため 医師会等の関係団体との連携を図りながら 各種学術情報の発信強化を行うことが重要である また 国は 関係団体と連携を図り 医療関 3

係者からの相談にも応じられるよう相談機能の強化を図るべきである 三流行が拡大した場合の対応の強化インフルエンザの流行に伴い 患者が大量に発生した場合においても 良質かつ適切な医療を提供するためには 国 都道府県等 医師会等の関係団体等の相互の連携が重要であり 流行していない時期から継続的に連携を図ることが重要である 国及び都道府県等は 実際にインフルエンザが大流行して多数の患者が発生した場合を想定して 消防機関と医療機関との一層の連携強化を図るとともに 必要な病床や機材の確保 診療に必要な医薬品の確保 医師 看護婦等の医療従事者の確保等の緊急時の医療提供体制をあらかじめ検討しておくことが重要である 四施設における発生事例への対応の強化高齢者等の高危険群に属する者が多く入所している施設において インフルエンザの流行が発生した場合には 都道府県等は 当該施設等の協力を得ながら積極的疫学調査 ( 感染症法第十五条に規定する感染症の発生の状況 動向及び原因の調査をいう 以下同じ ) を実施し 感染拡大の経路及び感染拡大に寄与した因子の特定等を行うことにより 施設内感染の再発防止に役立てることが望ましい また 国及び都道府県等は 積極的疫学調査のほか 施設からの求めに応じて適切な支援及び助言を行うことが求められる 五インフルエンザワクチン等の供給国は インフルエンザワクチン並びに必要な診断薬及び治療薬について 円滑な生産及び流通が図られるよう努めることが重要である このため 特に インフルエンザワクチンについて 毎年度の需要を検討するとともに インフルエンザワクチンの製造販売業者等と連携しつつ 必要量が円滑に供給できるように努めることが重要である また 予期せぬ需要の増大が生じた場合には 高危険群に属する者への円滑な接種に配慮しつつ 供給面についての対策を検討することが重要である 第四研究開発の推進一基本的考え方インフルエンザの特性に応じた発生の予防及びまん延の防止や良質かつ適切な医療の提供を推進していくためには 研究結果が感染の拡大抑制 また 良質かつ適切な医療の提供につながるような研究を行っていくべきである 特に インフルエンザは いまだ解明されていない点が多く 基礎 疫学 臨床等の各分野における知見の集積は不可欠であるが これらの自然科学的側面のみならず 社会的側面や政策的側面にも配慮した研究を行っていくことが重要である このため 国及び都道府県等は このような観点から インフルエンザ研究の基盤整備を推進することが重要である 二インフルエンザワクチン等の研究開発国は より有効かつ安全なインフルエンザワクチン及び治療薬の開発に向けた研究 より迅速かつ確実な診断方法及び検査方法の開発に向けた研究 現行のインフルエンザワクチン及び治療薬等の使用に関する研究等を強化するとともに 戦略的な研究目標を設定することが重要である 三疫学研究の推進国は インフルエンザの発生及びまん延の状況の早期把握 流行予測の手法に関する研究を推進するとともに 高齢者に対するインフルエンザワクチンの接種の効果の検証 インフルエンザにり患した場合における脳炎や脳症の発症の可能性があるためにインフルエンザの高危険群に属する 4

可能性がある乳幼児に関する疫学研究等を推進することが重要である 四研究機関の連携体制の整備国及び都道府県等は 研究の充実を図るため 国立感染症研究所 地方衛生研究所 大学 国立病院 国立療養所等から成る研究機関の連携体制を整備するとともに 研究成果が相互に活用できる体制を整備することが重要である 五研究評価の充実国は 研究の充実を図るため 研究の成果を的確に評価するとともに 国民や医療関係者等に対する公開及び提供を積極的に行うことが重要である 第五国際的な連携一基本的考え方インフルエンザは 我が国のみならず世界中で発生する地球規模の感染症であり 我が国のインフルエンザ対策の充実と世界全体への貢献の観点から 国際機関 先進国等との連携を図りつつ 対策を進めていくことが極めて重要である 二国際機関との連携強化国は 世界保健機関その他の国際機関への支援を通じて 国際的なインフルエンザの発生動向の調査の体制を構築するとともに 世界各地でインフルエンザが流行した場合には その情報を迅速に収集できる体制を構築することが必要である 三先進国相互間の協力体制の整備国は インフルエンザの予防方法 診断方法及び検査方法の標準化 治療方法の開発等について 先進国相互間で情報交換を行うとともに 共同でこれらを行う等の政府間や研究者間の協力体制の整備を進めていくことが重要である 四開発途上国への協力インフルエンザ対策が公衆衛生上の優先課題となっていない国々に対する発生動向の調査体制の整備に関する技術支援を通じて これらの国々におけるインフルエンザの発生動向等の情報を収集するとともに 感染の拡大の抑制等に向けた支援を行っていくことが重要である このため 二国間保健医療協力分野においても 外務省等とも連携を図りながら 積極的に協力を推進することが望ましい 第六関係機関との連携の強化等一基本的考え方関係するすべての機関が 役割を分担し 協力しつつ それぞれの立場からの取組を推進することが必要である このため 厚生労働省 外務省 文部科学省 農林水産省等における普及啓発の推進 研究成果の情報交換 官民連携による施策の推進を図るほか 国及び都道府県等と医師会等の関係団体との連携を強化することによって インフルエンザの発生動向の調査体制の充実 報道機関等を通じた積極的な広報活動の推進等を図ることが重要である 二保健所及び地方衛生研究所の機能強化地域における感染症対策の中核としての保健所の役割を強化するとともに 感染予防対策を推進する上での所管地域の特性等の留意点を分析できるよう保健所の機能強化を図ることが重要である また 都道府県等における病原体検査の中心的な役割を果たす地方衛生研究所の機能強化を図 5

ることが重要である 三専門家会合の開催予防接種に代表される発生の予防及びまん延の防止の方法は 科学的根拠に基づいたものであることが不可欠である 国は インフルエンザの専門家から成る委員会を設置することにより 科学的知見を定期的に蓄積し その結果をインフルエンザ対策に反映することが重要である 四本指針の進捗状況の評価及び展開本指針を有効に機能させるためには 関係者が協力して本指針に掲げた施策に取り組むことが極めて重要である このため 国は 流行期におけるインフルエンザの発生状況及び本指針に基づく取組の進捗状況を取りまとめ 次の流行期に備えておくべきである 6