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企業年金におけるスチュワードシップ・コード の受入れ促進に向けて

資産運用ガイドラインの位置づけとこれまでの経緯 資産運用ガイドラインは 現行法のもとで資産運用関係者に課されている善管注意義務 忠実義務について 業務を行う場面を想定して具体的な行動指針を記述したものである 資産運用ガイドラインは法令そのものではなく 資産運用関係者が職務を全うするために留意すべき事

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金融監督等にあたっての留意事項について*事務ガイドライン*第三分冊:金融会社関係

写 年発第 0926 第 4 号 平成 24 年 9 月 26 日 地方厚生 ( 支 ) 局長殿 厚生労働省年金局長 ( 公印省略 ) 厚生年金基金の資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドラインについて の 一部改正について 厚生年金基金の資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドラインにつ い

(資料4)運用機関とのコミュニケーションの取り方や情報開示の方法等(案).pdf

確定給付企業年金 DBパッケージプランのご提案

基金通信

確定給付企業年金 DBパッケージプランのご提案

1 乖離幅が許容範囲を超えた場合 乖離状況が是正されるよう資産の移受管によりリバランスを行う 2 上記 1にかかわらず 積立水準の変化 マーケットの変動 マーケットインパクト 取引コスト等 総合的に判断したうえで 乖離状況が是正されるようリバランスを行うことができる 3 上記 1 2に基づくリバラン

企業年金ノート

平成 25 年 1 月 25 日 年金資産運用に係る 運用の基本方針 愛媛県機械金属工業厚生年金基金 ( 以下 当基金 という ) の年金給付等積立金 ( 以下 年金資産 の運用にあたり基本方針を以下のとおり定める 当基金から年金資産の運用 管理を委託された運用受託機関は この年金資産運用の基本方針

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柔軟で弾力的な給付設計について

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ための手段を 指名 報酬委員会の設置に限定する必要はない 仮に 現状では 独立社外取締役の適切な関与 助言 が得られてないという指摘があるのならば まず 委員会を設置していない会社において 独立社外取締役の適切な関与 助言 が十分得られていないのか 事実を検証すべきである (2) また 東証一部上場

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将来返上認可 過去返上認可 6 基金 解散認可 1 基金 一括納付による解散である 3 指定基金制度ア概要年金給付等に要する積立金の積立水準が著しく低い基金を 厚生労働大臣が指定します この指定された基金に対して 5 年間の財政健全化計画を作成させ これに基づき事業運営を行うよう重点的に指導すること

Microsoft Word - 法令解釈通知(新旧)

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< 目的 > 専ら被保険者の利益 にはそぐわない目的で運用が行われるとの懸念を払拭し 運用に対する国民の信頼を高める 運用の多様化 高度化が進む中で 適切にリスクを管理しつつ 機動的な対応を可能に GPIF ガバナンス強化のイメージ ( 案 ) < 方向性 > 1 独任制から合議制への転換基本ポート

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平成 29 年度 厚生年金保険法第七十九条の八第二項に基づく国家公務員共済組合連合会にかかる管理積立金の管理及び運用の状況についての評価の結果 概要 平成 30 年 12 月 財務省主計局給与共済課

平成18年9月1日

預金を確保しつつ 資金調達手段も確保する 収益性を示す指標として 営業利益率を採用し 営業利益率の目安となる数値を公表する 株主の皆様への還元については 持続的な成長による配当可能利益の増加により株主還元を増大することを基本とする 具体的な株主還元方針は 持続的な成長と企業価値向上を実現するための投

厚生年金基金に関する要望.PDF

退職等年金給付積立金等の管理運用の方針

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1. 指定運用方法の規定整備 今般の改正により 商品選択の失念等により運用商品を選択しない者への対応として あらかじめ定められた指定運用方法 に係る規定が整備されます 指定運用方法とは 施行日(2018 年 5 月 1 日 ) 以降 新たに確定拠出年金制度に加入された方が 最初の掛金納付日から確定拠

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る 連合会は 管理運用の方針の策定及び変更等退職等年金給付調整積立金の管理及び運用に係る専門的事項を検討する場合には 資金運用委員会の専門的知見を活用する 3 退職等年金給付調整積立金の管理及び運用におけるリスク管理連合会は 連合会を除く管理運用機関 ( 組合 市町村連合会及び連合会をいう 以下同じ

日本再興戦略 改訂 2015 平成 27 年 6 月 30 日に閣議決定された 日本再興戦略 改訂 2015 においては 企業が確定給付企業年金を実施しやすい環境を整備するため 確定給付企業年金の制度改善について検討することとされている - 日本再興戦略 改訂 2015( 平成 27 年 6 月 3

金融監督等にあたっての留意事項について*事務ガイドライン*第三分冊:金融会社関係

運用基本方針

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

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資料1 平成28年度厚生年金保険法第79条の8第2項に基づく地方公務員共済組合連合会に係る管理積立金の管理及び運用の状況についての評価の結果(概要)

2013(平成25年度) 確定拠出年金実態調査 調査結果について.PDF

8. 内部監査部門を設置し 当社グループのコンプライアンスの状況 業務の適正性に関する内部監査を実施する 内部監査部門はその結果を 適宜 監査等委員会及び代表取締役社長に報告するものとする 9. 当社グループの財務報告の適正性の確保に向けた内部統制体制を整備 構築する 10. 取締役及び執行役員は

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西日本電気工事企業年金基金_No3_2017_9_FIX.indd

年金資産運用の基本方針 東京乗用旅客自動車厚生年金基金 東京乗用旅客自動車厚生年金基金 ( 以下 基金 という ) は 年金給付等積立金 ( 以下 年金資産 という ) の運用にあたり厚生年金保険法第 136 条の4に基づき 以下の基本方針を定め 当基本方針に基づき年金資産の管理運用を行うものとする

Microsoft Word - レジュメ(送付用).doc

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平成22 年 11月 15日

はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)

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付加退職金の概要 退職金の額は あらかじめ額の確定している 基本退職金 と 実際の運用収入等に応じて支給される 付加退職金 の合計額として算定 付加退職金は 運用収入等の状況に応じて基本退職金に上乗せされるものであり 金利の変動に弾力的に対応することを目的として 平成 3 年度に導入 基本退職金 付

【日証協】マイナンバー利活用推進小委員会提出資料

Microsoft PowerPoint - 【資料6】生命保険協会提出資料

このガイドラインは 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する留意事項 ( 制定 発出時点において最適と考えられる法令解釈 運用等 ) を示したものである 第一章 総則 1-1 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令 ( 平成 19 年

DB申請用紙_ xlsx

内部統制ガイドラインについて 資料

2014(平成26)年度決算 確定拠出年金実態調査 調査結果について.PDF

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( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特

確定給付企業年金 DBパッケージプランのご提案

第1回企業年金部会の概要

2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

運用商品一覧 作成日 :2019 年 10 月 8 日 規約名 フジ アスティ企業型確定拠出年金 運営管理機関名 第一生命保険株式会社 < 商品ラインアップの選定 > 選定理由 複数の資産に分散投資を行うバランス型投資信託と 基本 4 資産 ( 国内外の株式 債券 ) を投資対象とする単一資産型投資

日本版スチュワードシップ コード についての第一生命の取組み 当社は 責任ある機関投資家 の諸原則 ( 日本版スチュワードシップ コード ) の趣旨に深く賛同し 受け入れることを表明し ます 当コードの原則 1 から 7 について 以下のような方針で取り組んでいきます 原則 1 機関投資家は スチュ

スチュワードシップ コード改訂に当たって 平成 29 年 5 月 29 日 スチュワードシップ コードに関する有識者検討会 1. 平成 26 年 2 月 26 日 日本版スチュワードシップ コードに関する有識者検討会 によりスチュワードシップ コードが策定されてから約 3 年が経過した この間 スチ

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中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律

PYT & Associates Attorney at law

年金制度のポイント

開示府令改正案(役員報酬の開示拡充へ)

会員限り

コーポレートガバナンス ガイドライン 2015 年 10 月 27 日制定 2018 年 12 月 13 日改定 大王製紙株式会社 1

(3) リスク分散を図りポートフォリオの効率を高めるために 株式 債券 ( 短期資金 ) といった伝統的な資産以外に プライベート エクイティ 不動産 ヘッジファンド インフラストラクチャーなどのいわゆる非伝統的な資産も投資対象とする ( オルタナティブ投資 ) オルタナティブ投資に当たっては レバ

年金資産運用の基本方針(案)

スライド 1

特定個人情報の取扱いの対応について

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個人データの安全管理に係る基本方針

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14個人情報の取扱いに関する規程

共済事業団をいう 以下同じ ) が共同して モデルポートフォリオを定めるとともに 連合会は モデルポートフォリオを参酌して 長期的な観点からの資産構成割合 ( 以下 基本ポートフォリオ という ) を策定し 管理積立金の管理及び運用を行う (2) 運用の目標 リスク管理等 1 運用の目標管理積立金の

することを可能とするとともに 投資対象についても 株式以外の有価証券を対象に加えることとする ただし 指標連動型 ETF( 現物拠出 現物交換型 ETF 及び 金銭拠出 現物交換型 ETFのうち指標に連動するもの ) について 満たすべき要件を設けることとする 具体的には 1 現物拠出型 ETFにつ

社長必見≪ここがポイント≫マイナンバーガイドライン(事業者編)

Stewardship2017


新旧対照表(第2分冊:保険会社関係)1-14-14

年金資産の運用に関する基本方針 東京金属事業企業年金基金 ( 以下 当基金 という ) の年金給付等積立金 ( 以下 年金資産 という ) の運用にあたり以下の基本方針を定める 年金資産の管理又は運用を委託された運用受託機関は 本基本方針並びに運用ガイドライン ( 運用指針 ) に基づき その役割及

GPIFのオルタナティブ投資について 現行中期計画( 基本ポートフォリオ ) における位置付け 分散投資によるリスクの低減や運用の効率化を進めるため 基本ポートフォリオにおいて オルタナティブ資産での運用について明記 ( 平成 26 年 10 月厚生労働大臣認可 ) 運用体制の整備に伴い管理 運用さ

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

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JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

企業年金のポータビリティ制度 ホ ータヒ リティ制度を活用しない場合 定年後 : 企業年金なし A 社 :9 年 B 社 :9 年 C 社 :9 年 定年 ホ ータヒ リティ制度を活用する場合 ホ ータヒ リティ制度活用 ホ ータヒ リティ制度活用 定年後 :27 年分を通算した企業年金を受給 A

2 資産 地域 時間等を分散して投資することを基本とし 短期的には市場価格の変動等はあるものの 長い投資期間を活かして より安定的に より効率的に収益を獲得し 併せて 年金給付に必要な流動性を確保する 分散投資 一つの籠に卵を盛るな という西洋のことわざがありますが 年金積立金の運用に限らず 一般に

Transcription:

DB のガバナンス ( 資産運用ルール等 ) について ( 第 18 回企業年金部会 ) 総合型 DB 基金のガバナンス については 平成 28 年 6 月 15 日付年金 NEWS DB 厚年基金 総合型 DB 基金のガバナンス見直しについて ( 続報 ) をご参照ください 平成 28 年 6 月 日本生命保険相互会社 本資料は 作成時点における信頼できる情報にもとづいて作成されたものですが その情報の確実性を保証するものではありません 本資料に含まれる会計 税務 法律等の取扱いについては 公認会計士 税理士 弁護士等にご確認のうえ 貴団体自らご判断ください ホームページアドレス http://www.nenkin.nissay.co.jp/info/report.htm H28.6.17 日本生命保険相互会社団体年金コンサルティング G 発行 ( 日本 - 年基 -201606-170-0294- D)

1. 資産運用について 1 確定給付企業年金 (DB) の 資産運用におけるガバナンスの見直し は平成 27 年 1 月に取りまとめられた厚生労働省 社会保障審議会 企業年金部会の報告書に盛り込まれた内容 厚生労働省は その具体策として 運用の基本方針 政策的資産割合策定の全 DB 義務化 2 や厚年基金の運用ルールを参考とした 資産運用ガイドラインの見直し を提案した 受託保証型 DB( 生命保険の一般勘定などで運用することにより 積立不足が生じないことが確実に見込まれる仕組み 平成 26 年度から実施中 ) を除く 1. 運用の基本方針 政策的資産構成割合 の策定 一定の予定利率を確保する必要のある DB 制度においては 運用の基本方針や政策的資産構成割合なしに安定的な運営は困難と考えられるため 運用の基本方針 政策的資産割合の策定を全 DB( 受託保証型 DB を除く ) に義務化 運用の基本方針 運用の基本方針を作成し 当該基本方針に沿って運用しなければならない 但し 以下の DB を除く - 加入者の数が 300 人未満かつ資産の額が 3 億円未満の規約型 DB - 受託保証型 DB 受託保証型 DB を除き 全ての DB において策定を義務化 政策的資産構成割合 政策的資産構成割合を定めるよう努めなければならない 受託保証型 DB を除き 全ての DB において策定を義務化

2 2. 資産運用ガイドライン (DB ガイドライン ) の見直し 厚年基金より強化 資産運用委員会 資産運用委員会を設置することが望ましい 資産運用委員の設置 については でも 厚年基金ガイドライン と同様の内容 一定規模以上 ( 例えば資産規模 100 億円以上 ) の DB に 資産運用委員会の設置を義務化 上記状況を検証した上で より小規模の DB における設置のあり方を検討 < ご参考 : 厚年基金ガイドライン > 資産運用委員会 理事長等を補佐するため 資産運用委員会を設置することが望ましい

3 厚年基金と同様 分散投資 資産の運用に当たっては 分散投資に努めなければならない ただし 分散投資を行わないことにつき合理的な理由がある場合は この限りではない 分散投資を行わないことについて合理的な理由がある場合は 合理的理由を 運用の基本方針 に定めるとともに 加入員への周知を義務化 運用の基本方針 に 運用委託先が特定の運用機関に集中しないための方針を定めることとする < ご参考 : 厚年基金ガイドライン > DB ガイドライン に追記される見込みの部分に下線 分散投資義務 基金に係る資産の運用に当たっては 分散投資に努めなければならない 分散投資を行わないことにつき合理的な理由がある場合はこの限りでないが 合理的理由を 運用の基本方針 に定めるとともに 加入員 事業主に周知しなければならない 運用の基本方針に定める事項 特定の運用受託機関に対する資産の運用の委託が 基金の資産全体から見て過度に集中しないよう 運用の基本方針 に 集中投資に関する方針を定めなければならない 次のような合理的理由がある場合は 特定の運用受託機関に資産の運用を委託できる旨定めることができるが 信用リスク等に留意しなければならない 1 当該特定の運用受託機関の複数の資産で構成される商品等に投資する場合 2 生命保険一般勘定契約等の元本確保型の資産に投資する場合 3 その他合理的理由がある場合

4 厚年基金と同様 オルタナティブ 投資 ( オルタナティブ投資に関する規定なし ) 運用の基本方針 にオルタナティブ投資の位置付け等を記載し 運用機関の選任 商品選択等についての留意事項を示す < ご参考 : 厚年基金ガイドライン > DB ガイドライン に追記される見込みの部分に下線 運用の基本方針 オルタナティブ投資を行う場合は 運用の基本方針 に以下の事項を定めなければならない オルタナティブ投資を行う目的 政策的資産構成割合における当該オルタナティブ投資の位置付け 割合 オルタナティブ投資に固有のリスクに関する事項 運用受託機関の選任 以下の事項に留意しなければならない 当該運用受託機関の組織体制に関する事項 当該運用受託機関の財務状況等に関する事項 運用戦略の確認 以下の事項を参考に 運用受託機関に対し運用戦略等についての説明を求める ( 共通事項 ) リターンの源泉 リスク 時価の算出根拠と報告方法 情報開示に対する態勢 運用コスト ( 個別運用戦略 ) 海外のファンドを用いた投資を行う場合 デリバティブ ( 金融派生商品 ) を用いた投資を行う場合 証券化を用いた投資を行う場合 異なる複数のヘッジファンドに投資する場合 未公開株式や不動産等に投資する場合

5 運用受託機関の得意とする運用手法を考慮する 定量評価だけでなく 定性評価を加えて総合評価をすることにより行うことが望ましい 厚年基金と同様 運用受託機関の選任 契約締結における定性評価 定量評価の基準について具体的事例を追加する 厚年基金ガイドライン の該当箇所は次頁 運用受託機関の選任 契約締結 厚年基金より追加 上記に加え スチュワードシップ責任 ESG 投資 受託業務監査 投資パフォーマンス基準 (GIPS) を定性評価項目として例示する 各項目の解説は P.7 スチュワードシップ責任 スチュワードシップ責任 を定性評価項目として採用する場合 - 定期的に運用受託機関から議決権行使 スチュワードシップ行動の実績等の説明を求める - 説明内容をその評価項目の一つとする - 議決権行使 スチュワードシップ行動の内容を代議員会等へ報告する

6 < ご参考 : 厚年基金ガイドライン ( 運用受託機関の選任 契約締結 に関する部分 )> DB ガイドライン に追記される見込みの部分に下線 選任の基準 運用受託機関の得意とする運用手法を考慮する 定量評価だけでなく 定性評価を加えて総合評価をすることにより行うことが望ましい 選任の際に行うヒアリングは 定性評価の基準の例に掲げる事項について行う その場合 投資判断を行うファンドマネジャー等に対するヒアリング 及び運用コンサルタントや資産運用委員会等に対するヒアリングを含めることが望ましい 定量評価の基準 一般的に適正と認められる合理的な基準により行う 時価による収益率 リスクを基準とし 資産種類ごとに適切な市場ベンチマークを設定 同様の運用を行う他の運用受託機関の収益率 及びリスクとの相対評価等 アクティブ運用においては シャープレシオやインフォメーションレシオ ( リターンを得るために どのくらいリスクが取られたかを計測する指標 ) 等の指標にも留意しなければならない なお 短期の収益率に著しく問題のある場合等を除き 一定の期間の実績等を評価することが望ましい 定性評価の基準 以下の点を総合的に考慮して行う 運用についての基本的な考え方 運用責任者及び運用担当者の体制及び能力 調査分析等運用支援の体制等 具体的には 以下のような点に留意しなければならない 投資方針( 内容の明確性 合理性 一貫性など ) 組織及び人材( 意思決定の流れや責任の所在の明確性 十分な専門性 経験を有する人材の配置 人材の定着度と運用の継続性 再現性の確保 ) 運用プロセス( 投資方針との整合性 運用の再現性 リターンの追求方法の合理性 有効性 リスク管理指標の合理性 有効性 ) 事務処理体制( 売買 決済等の事務処理の効率性 正確性 運用実績の報告の迅速性 正確性 透明性 ) リスク管理体制( 実効性及び適切性など ) コンプライアンス( 法令や運用ガイドライン遵守体制の整備状況 過去における法令違反の有無 事故発生時における対応体制 監査の状況 )

< ご参考 : 定性評価項目として 厚年基金ガイドライン より追加を検討されている項目について > 7 スチュワードシップ責任 機関投資家が 投資先の日本企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な 目的を持った対話 ( エンゲージメント ) などを通じて 当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより 顧客 受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図る責任のこと 金融庁が平成 26 年 2 月に公表した 責任ある機関投資家の諸原則 (( 日本版 ) スチュワードシップ コード ) にその責任を果たすにあたり有用と考えられる諸原則が定められている ESG 投資 長期投資において 投資先企業が持続可能な社会の維持 実現の観点から 環境 社外 ガバナンスに配慮した経営を行っているかどうかを判断要素とする考え方 GPIF が平成 27 年 9 月に ESG の取組に関する基本方針 を公表している 受託業務監査 受託会社がその受託する業務に係る内部統制の有効性を委託業者に証明するために受ける公認会計士監査 投資パフォーマンス基準 (GIPS) 資産運用会社が顧客に提示する運用成績について 公正な表示と完全な開示を確保するための世界共通基準 米国アナリスト協会 (CFA 協会 ) が作成した基準であり 採用するかどうかは各資産運用会社の任意 < ご参考 : 日本再興戦略 2016 において求められたスチュワードシップ コード受入の促進について > 日本再興戦略 2016 - 第四次産業革命に向けて - において 年金基金等において スチュワードシップ コードの受け入れ促進などの取組を通じて 加入者等の老後所得の充実を図る としている 日本再興戦略 2016 - 第 4 次産業革命に向けて - ( 平成 28 年 6 月 2 日閣議決定 ) 2-2. 活力ある金融 資本市場の実現 (1) 新たに講ずべき具体的施策 ⅵ) 企業年金等の改善 抜粋 確定拠出年金法等の一部を改正する法律案の成立後 その円滑な施行を図るとともに 運用リスクを事業主と加入者等で分担する リスク分担型確定給付企業年金制度 等の導入により 企業年金等の普及 拡大を図る あわせて 年金基金等において スチュワードシップ コードの受入れの促進など コーポレートガバナンスの実効性の向上に向けた取組を通じて 加入者等の老後所得の充実を図る

8 厚年基金と同様 運用コンサルタント 運用コンサルタントの利用 運用の基本方針等の策定 運用受託機関の選任 評価等に関し 運用コンサルタントに分析 助言を求めることが考えられる 運用受託機関の選任 評価に関する助言の契約を締結する場合 助言の中立性 公平性の確保に十分留意する必要がある 運用コンサルタントの利用 ( 通り ) 運用コンサルタントの要件 運用コンサルタントは金融商品取引法上の投資助言 代理業者でなければならない 運用コンサルタント採用の際に 運用受託機関との間で利益相反がないか確認する < ご参考 : 厚年基金ガイドライン > DB ガイドライン に追記される見込みの部分に下線 運用コンサルタント等の利用 運用の基本方針等の策定 運用受託機関の選任 評価等に関し必要な場合には 運用コンサルタント等に分析 助言を求めることが考えられる なお 運用受託機関の選任 評価に関する助言の契約を運用受託機関又は運用受託機関と緊密な資本若しくは人的関係にある機関と締結する場合 助言の中立性 公正性の確保に十分留意する必要がある 運用コンサルタント等の要件 基金が契約を締結する運用コンサルタント等は 金融商品取引法の規定による投資助言 代理業を行う者としての登録を受けている者でなければならない 基金が運用コンサルタント等と契約を締結する際には 当該運用コンサルタント等の運用機関との契約関係の有無を確認しなければならない

9 厚年基金と同様 代議員会 加入者への報告 周知事項 代議員会への報告内容 運用の基本方針及び運用ガイドライン 運用結果 ( 時価による資産額 資産構成 収益率 運用機関ごとの運用実績等 ) 理事会における議事の状況 加入員等への周知内容 積立金の運用収益又は運用損失 資産の構成割合その他積立金の運用の概況 運用の基本方針の概要等 代議員会への報告内容 代議員会への報告内容に 運用受託機関の選任 評価状況などを追加する 加入員等への周知内容 資運用委員会の議事録を保存し 議事概要を加入員へ周知する 規約型 DB にも留意しつつ見直しを行う < ご参考 : 厚年基金ガイドライン > 代議員会への報告内容 運用の基本方針及び運用ガイドライン 運用結果 ( 時価による資産額 資産構成 収益率 リスク 運用機関ごとの運用実績等 ) 理事会における議事の状況 運用受託機関の選任状況 運用受託機関の評価結果 運用受託機関のリスク管理状況 基金の理事及び職員に係る研修の受講 自己研鑽の状況 その他基金の管理運用体制の状況 加入員等への周知内容 積立金の運用収益又は運用損失 資産の構成割合その他積立金の運用の概況 運用の基本方針の概要等 資産運用委員会の議事の概要等 DB ガイドライン に追記される見込みの部分に下線

2. 加入者等への説明 開示 10 リスク対応掛金 の仕組みが導入されることにより 目標とする積立水準は労使合意に基づき定められることとなる 事業主 加入者ともに意思決定への参画がこれまで以上に求められる中で 制度に対し関心を持つ重要性が高まっている 厚生労働省は 周知される項目や方法に改善の余地がないか検討する方針を示している 見直しの背景 方向性 加入者等への説明 開示 DB 制度の業務概況を加入者等に対して周知する 周知される項目や周知の方法について DB 制度への関心を高めるという観点から改善の余地がないか 検討する < ご参考 :DB 制度における業務概況の周知 (DB 法施行規則 )> 周知事項 事業主は 毎事業年度一回以上 次に掲げる事項を加入者に周知させるものとする 標準的な給付の額 給付の設計 加入者数 受給権者数 給付の支給額等 掛金の額 納付時期等 積立金の額 責任準備金の額 最低積立基準額との比較等 運用収益 運用損失及び資産の構成割合等 基本方針の概要 その他重要事項 周知方法 周知事項を加入者に周知させる場合には 次のいずれかの方法によるものとする 各実施事業所の見やすい場所に掲示する方法 書面を加入者に交付する方法 磁気テープ 磁気ディスク等に記録し 各実施事業所に内容を確認できる機器を設置する方法 その他周知が確実に行われる方法 事業主は 受給権者等にも周知が行われる方法を選択するよう努めなければならない リスク対応掛金 の仕組みについては 平成 28 年 5 月 30 日付年金 NEWS DB DB 制度の拠出弾力化 ハイブリッド型年金について ( パブリックコメント ) をご参照ください

3. 企業年金部会での主な議論 11 資産運用 について 森戸英幸部会長代理 ( 慶応義塾大学大学院法務研究科教授 ) スチュワードシップ コードについて 受託者責任の観点から 経済的な利益と委託者の利益に齟齬が発生することもある 小林由紀子委員 ( 日本経済団体連合会社会保障委員会年金改革部会部会長代理 ) スチュワードシップ コードについて 受託者責任は資料のとおりだと思うが 老後所得の充実とスチュワードシップ コードは必ずしもリンクしていないのではないか 白波瀬佐和子委員 ( 東京大学大学院人文社会系研究科教授 ) スチュワードシップ コードについては 労働者の利益 ( 保護 ) になるということをもっと訴えてほしい そうすることで受け入れやすくなると思う 小林委員 アセットオーナーとして対応すべき部分が明確ではなく スチュワードシップ コードを取り入れる影響 効果が見えてこない 影響 効果をクリアにすべきではないか 村瀬清司オブザーバー ( 企業年金連合会理事長 ) スチュワードシップ コードについて企業年金の理事長は母体企業の役員を兼任していることが多く 基金として宣言しなくても同じ効果を得られることもある 基金が納得した形で進めていただきたい 加入者への説明 開示 について 小林委員 ビジュアルの工夫など 分かりやすさは必要であるものの 開示項目はの内容で十分足りていると思う 分かりやすさの観点では むしろ簡素化することも考えられる また 好事例を集める等の対応もあるのではないか なお 年金運用との間で問題になるのは 総合型 DB のように事業主と制度との間に距離がある場合に限られるのではないか 問題の所在を十分につかんだ上で検討を進めていただきたい 森戸部会長代理 前回の企業年金部会での発言の繰り返しになるが 労働者にとっては 労働条件の 1 つであるので 実態も踏まえて 就業規則等の労基法の規制と併せて検討いただきたい 伊藤委員 これまで 組合から会社に対して説明を求めても 会社が理解していなかったり 断られたりしたケースがあると仄聞するので 是非求めていきたい 伊藤彰久委員 ( 日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長 ) スチュワードシップ コードについて 投資先と意見交換を行うことは良いことだが 形式的ではなく本質的な施策が必要だと考える