妊産婦に 関する調査 支援実績と内容 支援対象者の推移 調査票にご回答いただいた方のうち 記載内容から支援が必要と判断され た方を対象に専任の助産師等による電話やメール支援を行っています 平成23年度調査 平成24年度調査 平成25年度調査 平成26年度調査 電話支援対象者数 1,401人 回答者の

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福島県では 東京電力福島第一原子力発電所事故による放射性物質の拡散や避難等を踏まえ 県民の被ばく線量の評価を行うと共に 県民の健康状態を把握し 疾病の予防 早期発見 早期治療につなげ もって 将来にわたる県民の健康の維持 増進を図ることを目的とし 県民健康調査 を実施しています 県民健康調査では全県

飯舘村におけるホールボディカウンタ結果解析 ( 平成 年度施行分 ) 福島県立医科大学放射線健康管理学講座助手 宮崎真 Ver /03/04

放射線とは 物質を通過する高速の粒子 高いエネルギーの電磁波高いエネルギの電磁波 アルファ (α) 線 ヘリウムと同じ原子核の流れ薄い紙 1 枚程度で遮ることができるが エネルギーは高い ベータ (β) 線 電子の流れ薄いアルミニウム板で遮ることができる ガンマ (γ) 線 / エックス (X) 線

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食品安全委員会はリスク評価機関 厚生労働省農林水産省 食品安全委員会消費者庁等 リスク評価 食べても安全かどうか調べて 決める 機能的に分担 相互に情報交換 リスク管理 食べても安全なようにルールを決めて 監視するルを決めて 2

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資料2

QA- 内部被ばくの特徴は どのようなものですか 内部被ばくの特徴として 放射性核種によって特定の臓器に集まりやすいことがあります 特定の臓器についてはこちら * をご参照ください * 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料上巻第 章 ページしかし 体内に取り込まれた放射性物質は代謝によって

福島県立医科大学復興基本構想 計画 福島県復興計画 医療拠点しての復興基本構想 計画 県民の心身の健康を守るプロジェクト 県民の健康保持 増進 地域医療の再構築 最先端医療提供体制の整備 被災者等の心のケア 1 福島県 県民健康管理調査 2 最先端診断 治療拠点整備による早期診断 早期治療 医療関連

放射線被ばくによる小児の 健康への影響について 2011 年 5 月 19 日東京電力福島原子力発電所事故が小児に与える影響についての日本小児科学会の考え方 本指針を作成するにあたり 広島大学原爆放射線医科学研究所細胞再生学研究分野田代聡教授の御指導を戴きました 御尽力に深く感謝申し上げます

降下物中の 放射性物質 セシウムとヨウ素の降下量 福島県の経時変化 単位 MBq/km2/月 福島県双葉郡 I-131 Cs Cs-137 3 8,000,000 環境モニタリング 6,000,000 4,000,000 2,000,000 0 震災の影響等により 測定時期が2011年7

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東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故直後の平成 23 年 3 月 17 日には 原子力安全委員会の示した指標値を暫定規制値として設定し 対応を行ってきました 平成 24 年 4 月 1 日からは 厚生労働省薬事 食品衛生審議会などでの議論を踏まえて設定した基準値に基づき対応を行っています 食品

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目 的 GM計数管式 サーベイメータ 汚染の検出 線量率 参考 程度 β線を効率よく検出し 汚染の検出に適している 電離箱型 サーベイメータ ガンマ線 空間線量率 最も正確であるが シン チレーション式ほど低い 線量率は計れない NaI Tl シンチレー ション式サーベイメータ ガンマ線 空間線量率

評価 今後の方向性 1 本調査で得られた線量推計結果や当時の行動記録は 事故後 4か月間の外部被ばくに限られたデータであるが 今後被ばくによる健康影響を長期的に見守っていく上での基礎となるものである 2 本調査で得られた線量推計結果 ( 事故後 4か月間の外部被ばく実効線量 :99.8% が5mSv

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表 3 TABLE 3 線量係数 DOSE COEFFICIENTS (msv/bq) (a) 年齢グループ Age Group 放射性核種 3ヶ月 1 歳 5 歳 10 歳 15 歳 成人 Radionuclide 3 month 1 year 5 year 10 years 15 years A

2 号機及び 3 号機 PCV - 分析内容 原子炉格納容器 (PCV) 内部調査 (2 号機平成 25 年 8 月 3 号機平成 27 年 10 月 ) にて採取された (LI-2RB5-1~2 LI-3RB5-1~2) を試料として 以下の核種を分析した 3 H, Co, 90 Sr, 94 N

きます そのことを示すのが 半分に減るまでの 半減期 です よく出てくるヨウ素 131 は 8 日で セシウム 137 は 30 年です 半減期を迎えた後は またさらに半分になるまで 半減期 を要することになり これが繰り返されます 2. 放射線の測定 東京工業大学での測定 (1) 放射線の測定放射

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平成**年*月**日

0 棄却限界値検出限界値 ない 分布 ある 分布 バックグラウンド 検出されない 検出されるかもしれない 検出される 図 2 検出限界値のイメージ AT1320A/C で出力される検出限界値 通常 検出限界値の算出には試料を測定したときの計数値を使用しますが AT1320A/C で出力される検出限界

2 チェルノブイリ事故でどんなことが起こったか ( いろんな報告があるが 国連の会議で検討した結果 2008 年に発表された内容による ) ⑴ 緊急作業従事者 134 人が重篤な被ばくにより急性放射線障害を発症した このうち 28 名は致命的な被ばくであった ( 皮膚障害 白内障 ) ⑵ 復興作業員

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REMAT における初動対応での放射線防護 REMAT の隊員が汚染のある地域や高線量率の地域において活動する可能性がある場合 各隊員は個人線量計の他 携帯型の空間線量率計および表面汚染サーベイメータを装備す る また車両および各隊にはラジプローブ ( 補足資料 2 参照 ) を装備する 活動内容や

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原子力災害対策指針の改悪に反対しよう 毎時 20μSv( 一時移転の基準 ) を計測しても 1 日がまん SPEEDI 等の予測的手法は使わず 実測値による避難指示 被ばく前提の避難 30 km圏外のプルーム対策 (PPA) は必要なし 屋内退避のみ安定ヨウ素剤の準備も不要子どもや妊婦の基準もなし

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- 目次 - 乳幼児健診情報システムの全体構造と詳細 1 Ⅰ. データの入力方法 5 Ⅱ. 入力したデータの集計方法 10 Ⅲ. 分析結果の作成方法 1 Ⅳ. 都道府県へ報告する際の報告用ファイルの作成方法 15

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愛する飯舘村を還せプロジェクト 負げねど飯舘!! 活動支援金ご協力のお願い これまで 子どもたちのために と 皆さまからお預かりしている支援金は 避難 ( 計画的避難の早期完了 ) や健康管理を含め 未来ある子どもたちを守るための活動に大切に使わせていただきます 今後計画的避難が進むにつれて 私たち

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福島第1原子力発電所事故に伴う 131 Iと 137 Csの大気放出量に関する試算(II)

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安定ヨウ素 ( または非放射性ヨウ素 ) は ヒトの甲状腺を正常に機能させるためにごく少量必要な必須栄養素である 甲状腺は すべての年齢層で代謝に必須な甲状腺ホルモンを生成するため ヨウ素を取り込む 甲状腺ホルモンは 胎児や小さい子ども ( 妊娠 15 週 ~3 歳 ) の脳の成熟や発達にもきわめて

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81 平均寿命 女 単位 : 年 全 国 長野県 島根県 沖縄県 熊本県 新潟県 三重県 岩手県 茨城県 和歌山県 栃木県

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NEW版下_健診べんり2016_01-12

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Transcription:

妊産婦に 関する調査 概要 2/2 調査の流れ ①放射線医学県民健康管理センターから対象者にについての調査票をお送りします ②ご記入いただいた後 県民健康管理センターに郵送していただきます 10.6 ③その内容を基に 支援が必要と判断された方に対して 助産師 保健師等からお電話を差し上げます ④さらに いつでもご相談に応じることができるようメールによる支援体制を整えています 県民健康調査の とは 福島県立医大放射線医学県民健康管理センターウェブサイト より作成 回答いただいた内容は 放射線医学県民健康管理センターに集約され 支援が必要と考 えられる方 がいないかどうかが確認されます 支援が必要と考えられる場合は 助産師 保健師 医師等専門のスタッフが電話による相談対応やメールによる支援等を行っていま す 気分が沈みがち 物事に興味がわかない という設問の両方に当てはまると回答さ れた方 あるいは 自由記載欄の記入内容で支援が必要と判断された方 例えば 助け を必要としている人 落ち込みが激しい人 育児支援を必要としている人 放射線の数 値について気にしている人 直接的要望 具体的に回答を要望している人等 改訂日 平成 28 年3月 31 日 192

妊産婦に 関する調査 支援実績と内容 支援対象者の推移 調査票にご回答いただいた方のうち 記載内容から支援が必要と判断され た方を対象に専任の助産師等による電話やメール支援を行っています 平成23年度調査 平成24年度調査 平成25年度調査 平成26年度調査 電話支援対象者数 1,401人 回答者の15.0 電話支援対象者数 1,104人 回答者の15.4 電話支援対象者数 1,101人 回答者の15.2 電話支援対象者数 830人 回答者の11.6 電話による相談内容 お電話での主な相談内容は年度と共に変わってきています 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 放射線の心配や影響に 関すること 29.2 母親のこころや身体の 33.4 母親のこころや身体の 42.5 母親のこころや身体の 49.5 母親のこころや身体の 子育て関連 離乳食 夜泣き 便秘 予防接 種等 のこと 26.7 子育て関連 離乳食 夜泣き 便秘 予防接 種等 のこと 38.7 子育て関連 離乳食 夜泣き 便秘 予防接 種等 のこと 36.1 放射線の心配や影響に 関すること 子供のこころや身体の 20.2 23.7 20.3 家庭生活に関すること 20.5 第13 18 22回福島県 県民健康調査 検討委員会資料より作成 毎年度 1,000 名近くの方へ電話支援を行っています 震災後には放射線の心配や影響についての相談が最も多くありましたが それらの割合 は時間の経過と共に徐々に低下しています 平成 24 年度以降 徐々に母親のこころや身 体の 子育て関連等の割合が増え 上位を占めるようになってきました 193 10.6 子育て関連 離乳食 夜泣き 便秘 予防接 種等 のこと 14.0

妊産婦に 関する調査 わかってきたこと 1/2 最新の調査結果 http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai.html へ 対象者数の推移 平成23年度調査 平成24年度調査 平成25年度調査 平成26年度調査 対象者数 対象者数 対象者数 対象者数 16,001人 14,516人 15,218人 15,125人 福島県内で妊娠される方が 一時減少したものの 平成25,26年度と増加しつつあります 早産率 低出生体重児率 先天奇形 先天異常発生率 平成23年度 早産率 低出生体重児率 4.75 5.7 8.9 9.6 先天奇形 先天異常発生率 2.85 平成24年度 5.74 5.7 9.6 9.6 2.39 平成25年度 5.40 5.8 9.9 9.6 2.35 平成26年度 5.43 5.7 10.1 9.5 2.30 3 5 一般的な 発生率 早産率と低出生体重児の については各年度の人口動態統計における割合及び発生率 早産 妊娠22週から37週未満で生まれた赤ちゃん 低出生体重児 2500gよりも小さく生まれた赤ちゃん 10.6 早産率 低出生体重児率 先天奇形 先天異常発生率は 政府統計や一般 的に報告されているデータとはほとんど差がないことが分かりました 県民健康調査の とは 福島県立医大放射線医学県民健康管理センターウェブサイト より作成 震災後 一時的に福島県における出産数は減少しましたが 平成 25 26 年度は平成 24 年度と比べて増加しました また 放射線等の新生児への影響が心配されましたが 震災後 福島県内における早産 率 低出生体重児率 先天奇形発生率等は 全国的に人口動態統計や一般的に報告されて いるデータとは差がないことが分かっています 本資料への収録日 平成 27 年3月 31 日 194

妊産婦に 関する調査 わかってきたこと 2/2 最新の調査結果 http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/kenkocyosa-kentoiinkai.html へ 乳児の栄養方法の推移 母乳のみで育てていると 回答された方の割合 母乳で育てる方が 増えてきました 妊産婦のうつ傾向の推移 気分が沈みがち 物事に興味がわか ない という設問に 両方あるいはいずれ かに当てはまると回答された方の割合 妊産婦さんのうつ傾向は徐々に減ってき ていますが まだ高い水準にあります 離乳食を始めるまでの栄養方法を尋ねた項目では 平成 23 年度に比べて 平成 24 平成 25 年度は 母乳のみで育てる母親が増加傾向にありました 一方 気分が沈みがち 物事に興味がわかない といった妊産婦の方のうつ傾向に関す る項目については その両方あるいはいずれかに当てはまると回答された方の数は減少傾 向にあるものの まだ高い水準にあります 本資料への収録日 平成 27 年3月 31 日 195 県民健康調査の とは 福島県立医大放射線医学県民健康管理センターウェブサイト より作成 10.6

人 700 600 小児甲状腺スクリーニング調査 598 (55.4 ) 500 400 282 300 (26.1 ) 123 200 (11.4 ) 100 51 (4.7 ) 15 (1.4 ) 0 0 0.01 0.02 0.03 0.04 4 (0.4 ) 0.05 4 2 (0.4 ) (0.2 ) 0.06 0.07 1 (0.1 ) 0.08 0.09 0.1 マイクロシーベルト/h 原子力安全委員会 小児甲状腺被ばく調査結果に対する評価について 平成23年9月9日 平成 23 年3月 23 日の SPEEDI の試算を踏まえ 小児への健康影響を把握するため 原子力安全委員会緊急助言組織からの依頼 3月 23 日付 に基づき 現地原子力災害 対策本部では小児甲状腺スクリーニング調査を実施しました 調査した 1,149 人のうち 適切に測定された 1,080 人の結果が示されています 測定場所の環境放射線量が簡易測 定を行うには適当でなかった 測定場所の空間線量率が高く 簡易測定による適切な評価 が困難であった ため 適切に測定結果が出せなかった 66 人と年齢不詳の3人の結果は 除かれていますが 調査を受けた全員が 原子力安全委員会がスクリーニングレベルとし ている 毎時 0.2 マイクロシーベルト を下回っていました 甲状腺への被ばくについて これまでに行われた調査では 甲状腺がんの増加が認めら れる可能性を示唆する結果はありません 196

ホールボディ カウンタによる内部被ばく検査 ホールボディ カウンタ WBC 体内の放射性物質からの放射線を計測する装置 セシ ウム134 セシウム137等のγ ガンマ 線を出す核種を測定することができる ホールボディ カウンタ WBC 体内に放射性物質の取り込みがある場合 放射性物質を取り込んで いなかった場合 自然界に存在 するカリウム40 の体内蓄積量 100000 104 放射性物質を取り込んで いた場合 75000 103 計数値 計数値 1461keV 75000 103 50000 102 101 25000 セシウムの 体内蓄積量 100000 104 40K 被検者 0 自然界に 存在する 40K カリウム40の 1461keV 体内蓄積量 50000 102 25000 101 被検者 バックグラウンド ファントム 1000 137Cs 662keV バックグラウンド ファントム 1000 500 1,000 1,500 γ線エネルギー kev 0 500 1,000 1,500 γ線エネルギー量 kev kev キロ電子ボルト 197 ホールボディ カウンタは 体の中から出てくるγ ガンマ 線を計測する装置です 放射性核種によって γ ガンマ 線のエネルギーが異なるため 特定のエネルギー 例 えば 放射性カリウム カリウム 40 のγ ガンマ 線エネルギーである 1,461 キロ電 子ボルト kev に着目すると 体内の放射性カリウムからのγ ガンマ 線であること が分かります なお セシウム 137 のγ ガンマ 線エネルギーは 662 キロ電子ボルト kev です カリウムは生物に必須な元素ですが 全体のカリウムのうちの約 0.01 が放射性のカ リウムです 放射性カリウムは主に細胞の水分の中に含まれていて 筋肉中には存在しま すが 水分をほとんど持たない脂肪細胞には含まれていません 放射性セシウムは 体の至る所に分布しますので 体内量の計測にはホールボディ カ ウンタが使われます

ホールボディ カウンタによる内部被ばく検査の実施結果 環境モニタリングの結果等から 他の地域に比べ外部及び内部被ばく量が高い可能性がある地域 川俣町山木屋地区 飯舘 村 浪江町 や避難区域等の住民に対して 平成23年6月27日からホールボディ カウンタによる内部被ばく検査を開始 順次 対象地区を拡大し 平成28年2月29日までに28万2,226名を実施 セシウム134及び137による預託実効線量で99.9 以上が1 ミリシーベルト未満 最大でも3.5ミリシーベルト未満であり 全員が健康に影響が及ぶ数値ではなかったとされている ①対象自治体 福島県内全59市町村 ②測定実施機関 実績 福島県 弘前大学医学部附属病院 南相馬市立総合病院 日本原子力研究開発機構 新潟県放射線検査室 広島大学病院 長崎大学病院 大津赤十字病院 杜の都産業保健会 金沢医療センター 日本原子力研究開発機構 愛媛大学医学部付属病 院 放射線医学総合研究所 平成23年のみ ③ホールボディ カウンタ車の巡回による県外での検査について 福島県では県外に避難された方が受検できるようホールボディ カウンタ車を巡回して検査を行っており 平成28年3月ま でに 福島県が検査を委託している常設の機関がない38都道府県 青森県 茨城県 新潟県 石川県 滋賀県 広島県 長 崎県以外 で検査が実施された 平成28年3月31日現在 ④測定結果 預託実効線量 平成27年12月実施分まで 平成28年1月27日発表 平成23年6月27日 平成24年1月31日 平成24年2月1日 平成28年2月29日 15,384名 265,438名 282,200名 1ミリシーベルト 13名 1名 14名 2ミリシーベルト 10名 0名 10名 3ミリシーベルト 2名 0名 2名 15,409名 265,439名 282,226名 1ミリシーベルト未満 合 計 合 計 預託実効線量 平成24年1月までは3月12日の1回摂取と仮定 2月以降は平成23年3月12日から検査日前日まで毎日均等な量を継続して日常的に経 口摂取したと仮定して 体内から受けると思われる内部被ばく線量について 成人で50年間 子供で70歳までの線量を合計したもの 福島県ホームページ ホールボディ カウンタによる内部被ばく検査 検査の結果について より作成 環境モニタリングの結果等から 他の地域に比べ外部及び内部被ばく量が高い可能性が ある地域 川俣町山木屋地区 飯舘村 浪江町 や避難区域等の住民を対象として 平成 23 年6月 27 日からホールボディ カウンタ WBC による内部被ばく検査が開始され ました 対象地区は順次拡大され 平成 28 年 2 月 29 日までに 28 万 2,226 名に検査が 実施されています セシウム 134 及び 137 による預託実効線量で 99.9 以上が 1 ミリシー ベルト未満 最大でも 3.5 ミリシーベルト未満であり 全員が健康に影響が及ぶ数値では なかったとされています 198

食品による内部被ばくについて 放射性セシウムは時間と共に体外に排出される 現在 実施しているホールボディ カウンタ検査については 日常的な 経口摂取の影響について調べている 1ミリシーベルト以上の数値が測定される原因は ほぼ食品由来と考え られる 平成23年6月27日から福島県内全59市町村を対象に ホールボディ カウンタによる内部被ばく検査を 行っており 平成27年12月31日までに約28万人の方を検査しましたが 平成24年4月以降 1ミリシーベ ルト以上の数値は計測されていません Q. もし検出限界以上の数値がホールボディ カウンタ検査で検出されたら A 市場には流通していない放射性セシウム濃度の非常に高い食品類を多く 摂取した可能性がある (例)野生のキノコ 山菜類 野生鳥獣(イノシシ クマ等 の肉等 次の論文を参考に作成 Masaharu Tsubokura, et.al. Reduction of High Levels of Internal Radio-Contamination by Dietary Intervention in Residents of Areas Affected by the Fukushima Daiichi Nuclear Plant Disaster: A Case Series, PLoS One. 2014; 9(6): e100302., US National Library of Medicine, National Institutes of Health, Published online 2014 Jun 16 199 放射性セシウムは時間と共に体外に排出されるため 震災直後に摂取した放射性セシウ ムは 大方体外に排出されています 現在 実施しているホールボディ カウンタ検査では 日常的な経口摂取の影響につい て調べられています 内部被ばく線量として 年間1ミリシーベルト以上の数値が測定さ れる原因は ほぼ食品由来と考えられます 現在 市場に流通している食品を食べている 限り 内部被ばく線量は 年間1ミリシーベルトを超えることはありませんので もし年 間1ミリシーベルトを超えた場合は 市場には流通していない放射性セシウム濃度の高い 食品類を多く摂取した可能性があります 中でも野生のキノコが要因と考えられるケース が報告されています

自分で行う内部被ばく防護について 一般的な放射性セシウムに対する防護 含有量の大きい食品を知ること 同一の食品ばかりを継続して食べないこと 多産地 多品目摂取は大変有効 今の福島の状況 食物以外からの継続した摂取は極めて考えにくい 地元産食材 水の選択の違いによる差は大きくない 正しい情報の収集は極めて重要 第9回食の安全 安心財団意見交換会 平成24年9月3日 発表資料より作成 内部被ばくを増加させないためには 放射性セシウム含有量の大きい食品を知ること 同一の食品ばかりを継続して食べないこと 多産地 多品目摂取をすることが有効です 正しい情報の収集は極めて重要です 200