図2推 定 腹 腔内 出血 量(ml) 図3入 院 期 間(日) 図6術 前 後Hb変 動 量(g/dl) 症 例 症 例 報 告 と し て 初 回686mlの ラ ス 窩 穿 刺 保 存 治 療+術 出血症例 にダグ 中回 収 式 自己血 輸 血 を施 行 した が そ の 後 再 出 血 で 腹 腔 鏡 下 手 術+術 収 式 自 己 血 輸 血 を 施 行 し た 症 例(LT群 中回 に 分 類) を 経 験 した 図4術 症 例:24歳 後発 熱37 以上 の 期 間(日) 未経妊未経産 現 病 歴:2003年1月27日0時 ごろ性 交後 腹 痛 が 出 現 し 消 失 し な い た め5時30分 5時50分 当 科受 診 とな っ た エ コー 上 右 卵 巣 に 3.5cm大 の 出 血性 黄 体 様 腫 瘤 を認 め 推 定 出血 量 は600m1と 診 断 し た(写 酔 下 に16G針 真1) 7時22分 写真1-A右 出血性黄体 写 真1-B両 側 傍 結 腸溝 血 液 貯 留像 に 比 しD群(p=0.0237)で 有 意 に短 か った 以外 各 群 間 で有 意 差 は 無 か っ た (図5) 図5腹 痛 時間(分) 術 前 後Hb変 動 値 は L群(p=0,0098) D群 (p=0.0332)に 比 しLT群 で 有 意 な低 下 阻 止 が 認 め られ た(図6) 治 療 を 要 した 術 後 症 状 と し て L群 で は 悪 心2 名 頭 痛1名 下 痢1名 不 眠1名 D群 頭 痛2名 下 痢1名 LT群 で は 便 秘1名 で は 頭 痛1名 P群 で は 悪 心1名 便 秘1名 不 眠1名 であっ たが 重 篤 な もの は無 か っ た 69 静脈麻 で ダ グ ラ ス 窩 穿 刺 を 行 い 686mlの 無 か っ た(図4) 疼 痛 時 間 は LT群 当 院救 急 外 来
血 液 を 回 収 術 中 回 収 式 自 己 血 輸 血250ml(回 率36.4%)を 収 結 論 施 行 した そ の後 止 血 剤 点 滴 安 静 入 院 管 理 と な っ た が 断 続 的 に 疼 痛 が 有 り 鎮 痛 剤 当科 にお け る卵 巣 出血 に対 す る治療 法 につ いて (ジ ク ロ フ ェ ナ ク ナ ト リ ウ ム 塩 酸 ブ プ レ ノ ル フ 検 討 して み た そ の 結 果 腹 腔 内 出 血 量 が 比 較 的 ィ ン)を 少 ない 症 例 に対 して は 腹 腔 鏡 下 手術 ダグ ラ ス 使 用 した 14時 頃 よ り悪 心 が 出 現 15時 20分 腹 腔 内 出 血 の 増 加 を認 め た 16時14分 エ コ ー 上 推 定 出 血 量2000ml台 と 診 断(写 真2) 手 術 窩 穿 刺 治療 お よび薬 物 保 存 治 療 間 で優 劣 をつ け る 予 定 と し た 19時5分 中 回収 腹 腔 鏡 ド手 術 以 外 の 保 存 的 治 療 も選 択 肢 の 一 つ に 式 自 己 血 輸 血 を 施 行 し た 手 術 時 間45分 全 身 麻 加 え て 良 い の で は な い か と考 え る し か し こ の 酔 気 腹 法 ダ イ レ ク ト穿 刺 トロ ッ カ ー3本 保 存 的 治 療 を 行 う条 件 設 定 の た め に は も っ と多 (臍 部5mml本 右 くの 症 例 の 積 み 重 ね が 必 要 で あ ろ う 一 方 腹 腔 自 己血 輸 血 内 出 血 量 が 多 い 症 例 に 対 して は 腹 腔 鏡 下 手 術 に あ っ た 術 中所 見 だ 術 中 回 収 式 自 己 血 輸 血 を 併 用 す る事 が か な り有 用 腹 腔 鏡 下 手 術+術 腸 骨 棘 レ ベ ル 左11mm1本 5mm1本) 腹 腔 内 出 血 量1750ml 量1092ml(回 収 率62.4%)で が 右 卵 巣 出 血 部 は す で に 止 血 状 態(写 こ とは で きな か っ た 従 っ て 症 例 に よっ て は 真3)で で は な い か と思 わ れ た が こ れ も症 例 を 集 積 して の さ らな る検 討 が 必 要 と思 わ れ た あ っ たが 念 の た め卵 管 間膜 にバ ソ プ レ シ ンを 局 注 し た 術 後1日 目 に38 台 の 発 熱 が あ っ た が 考 2日 目 に は 解 熱 し そ の 後 の 経 過 は 順 調 で 術 後 4日 目 に 退 院 した 術 前 後 のHb値 院 時:11.8g/dl 目:9.8g/dlで 写真2右 の変 動 は 入 手 術 直 前:10.0g/dl 察 卵 巣 出血 に対 す る治 療 法 につ い て の報 告 は過 去 に 多 数 存 在 し て い る 多 くは 保 存 的 治 療 法 と 開 腹 術 後1日 あ っ た 手 術 療 法 の 組 み 合 わ せ で あ る1,3) 保 存 的 治 療 法 と 手 術 療 法(腹 肝臓表面血液貯留像 腔 鏡 下 手 術 開 腹 手 術)の 報告 も あ った が 腹腔 鏡 下 手 術 の 適 応 に 関 して は触 れ て い な か っ た4) 腹 腔 鏡 下 手 術 の 適 応 症 例 に つ い て 治 療 方 針 を 打 ち 出 して い る 最 近 の 報 告 は 著 者 の 調 査 し た 範 囲 で2件 存 在 して い た 1件 は野 村 ら の 報 告 で 全 例 腹 腔 鏡 下 手 術 の 対 象 に な っ て い て 大 量 出 血 に は 同 種 輸 血 で 対 応 し て い た5) も う1 件 はKawamura et al.の報 告 で 400ml以 上の出 血 量 を対象 に して いた が 大 量 出血 に対 す る具 体 的 な 対 応 策 に つ い て は 触 れ て い な か っ た6) 一 方 術 中 回収 式 自 己血 輸 血 の 有 用性 に 関 して は Yamada 写 真3右 et al.が 報 告 して い る が 卵 巣 出 血 に 対 す る腹 腔鏡 下手 術 の具 体 的 な方針 につ い て は述 べ 卵 巣 出血 部 ら れ て い な か っ た7) そ こで 当科 で の治 療 方 針 を決 め る ため に 症 例 を 整 理 し て み た 後 方 視 的 研 究 の た め LT群 と そ の 他 の 群 間 で の 症 例 の 偏 り す な わ ち 腹 腔 内 出 血 量 に 差 が あ っ た 事 か らLT群 と 他 の3群 との 厳 密 な 比 較 は で き な か っ た し か し L群 D群 の 腹 腔 内 出 血 量 D群 P群 の 推 定 腹 腔 内 出 血 量 L群 D群 P群 の 年 齢 月 経 周 期 卵 巣 径 に 有 意 差 が 無 か っ た 事 か ら こ の3群 較 検 討 し た そ の 結 果 3群 は 同 等 と考 え 比 の 治療 法 間 に明 確 な 差 は 見 出せ なか っ た 腹 腔鏡 下手 術 の利 点 は 診 断 が 確 定 で き る と 同 時 に 止 血 治 療 も完 結 で き る 点 で あ る ま た 癒 着 の 原 因 に な り得 る 腹 腔 内 の 血 液 を 排 除 で き る 点 で あ る 村 尾 ら の 報 告1)で は 70
2) Tanaka T: Non-operative management of idiopathic ovarian hemorrhage with massive intraabdominal hemorrhage. Osaka City Med J 43:7,1997. 4) Tohya T: Conservative management of the acute abdomen secondary to hemorrhagic disease of the ovary. Int J Gynecol Obstet 80:165,2003. 6) Kawamura M, et al.: Ovarian bleeding: Guidelines for treatment. J Med Soc Toho 49:193,2002. 7) Yamada T, et al.: Intraoperative autologous blood transfusion for hemoperitoneum resulting from ectopic pregnancy or ovarian bleeding during laparoscopic surgery. JSLS 7:97,2003.