次世代に向けて持続可能な地方税財政基盤の確立について 1. 提案 要望項目 提案 要望先 総務省 (1) 地方交付税総額の確保 充実 減少等特別対策事業費等における取組の成果を反映した算定 減少等特別対策事業費 における 取組の成果 へ配分の段階的引き上げ 地域の元気創造事業費 における 地域活性化分 へ配分の重点化 緊急防災 減災事業債の延長および対象事業等の拡大 老朽化対策に係る地方財政計画における所要総額の確保 充実および地方財政措置 の拡充 地方消費税の清算基準における消費指標等の見直し 法人事業税の製造業に係る分割基準の見直し 2. 提案 要望の理由 (1) 地方交付税総額の確保 充実 減少等特別対策事業費等における取組の成果を反映した算定 減少等特別対策事業費 における算定額について 各団体で策定された地方版総合戦略の着実な推進による地域の頑張りや努力の成果をより反映できる取組の成果分に算定額の配分を集中改革期間後の 5 割以上に向けて 段階的に引き上げられたい 地域の元気創造事業費 における地域経済活性化分の算定額について 制度創設から 3 年目となり 各地方公共団体の地域経済活性化の取組の成果が指標に反映されてきたことを踏まえ 行革努力分に偏った算定額を地域経済への施策効果をより反映している地域経済活性化分に配分を重点化すべき 緊急防災 減災事業債については 事業年度を平成 28 年度までとされているが 熊本地震等を踏まえ 災害に強いまちづくりを一層推進する必要があるほか 事前防災 減災に資する国土強靱化の取組を推進するため 事業年度を延長するとともに対象事業の拡大が必要
2. 提案 要望の理由 これまでも 公共施設等の老朽化対策の推進を図る観点から 地方財政計画において公共施設等最適化事業費および維持補修費の増額が図られてきているが 引き続き 所要総額の確保 充実が必要 また 将来の地方財政負担の縮減 平準化を行うためには 長寿命化対策に対する財政措置の充実が不可欠 地方消費税の清算基準は 供給側の統計を用いていることから 居住地であるべき最終消費地と税収帰属地に乖離が生じている この乖離は 大都市近郊で県境を越えて購入することの多い滋賀県にとって影響が大きいことから 消費が税収に適切に反映するよう見直しが必要 事業活動の規模に着目して課税する法人事業税で その規模が適切になるよう 製造業の分割基準で 工場従業者比率の引上げまたは設備状況を表す指標の追加が必要 ( 本県の取組状況と課題 ) (1) 地方交付税総額確保 充実 減少等特別対策事業費等における取組の成果を反映した算定 減少等特別対策事業費 H28 年度 減少等特別対策事業費 算定( 全国 ) 取組の必要度 取組の成果 計 都道府県分 約 1,670 億円 約 330 億円 約 2,000 億円 市町村分 約 3,330 億円 約 670 億円 約 4,000 億円 約 5,000 億円 約 1,000 億円 約 6,000 億円 地域の元気創造事業費 H28 年度 地域の元気創造事業費 算定( 全国 ) 行革努力分 地域経済活性化分 計 都道府県分 約 750 億円 約 225 億円 約 975 億円 市町村分 約 2,250 億円 約 675 億円 約 2,925 億円 約 3,000 億円 約 900 億円 約 3,900 億円 地域の頑張りや努力の成果を反映する 取組の成果 および 地域経済活性化分 への 算定額の段階的引き上げを
緊急防災 減災事業債に係る事業年度の延長および対象事業等の拡大 1 事業年度の延長 現行 平成 26 年度から平成 28 年度まで 提案 熊本地震を踏まえた対応を進めるため 平成 29 年度以降も延長 2 対象事業等の拡大 現行 大規模災害時の防災 減災対策のための必要な施設の耐震化など 提案 熊本地震を踏まえ 災害に強いまちづくりを一層推進する必要があるため 対象事業の拡大 避難所の機能を強化するため 指定避難所については トイレ改修 ( 福祉対応等 ) 等 について対象とする 事前防災 減災に資する国土強靱化の取組を推進するため 緊急輸送道路など対象を限定した上で 県単独で実施する基盤整備等を対象事業として拡充する 公共施設等の老朽化対策に係る地方財政措置の充実 ( 本県の状況 ) 4 つの対応方針 ( ハード対策 ) (1) 良質な性能および安全性の維持 確保 (2) 施設総量の適正化 ( 施設評価の実施 ) (3) 施設の長寿命化 計画的な更新 改修 (4) 維持管理の最適化 施設の有効活用 建築物 H28~H37 の所要見込額 1+2 約 360 億円 1 施設の長寿命化 ( 予防保全型維持管理 ) 長寿命化対象施設 (131 施設 ) において 順次 長期保全計画 (30 年間 ) を策定し 予防保全型維持管理を実施 予防保全型維持管理により 30 年間で約 1,500 億円の削減 平準化効果 2 計画的な更新 改修 向こう 10 年間の更新 改修事業の実施箇所を定めた 更新 改修方針 を策定し 緊急性が高いものから優先的に事業化 長寿命化改修により 使用期間を延伸し 将来の財政負担を削減 平準化 今後 総合管理計画 の策定を契機に 全国的に老朽化対策の推進が図られることも踏まえ 地方財政計画における所要総額の確保 充実 将来の財政負担の縮減 平準化効果に着目した長寿命化改修等に係る地方財政措置 ( 地方債 地方交付税 ) の充実が必要
地方消費税の清算基準の見直し 提案内容 最終消費地と税収帰属地をより一致させるため 1 各都道府県の最終消費を正確に把握できる新たな統計の整備を行い 消費指標として用いる 当分の間は ( 新たな統計による消費指標が用いられるまで ) 2 小売年間販売額 の見直し( による補正 ) および比率の引上げ 見直し案 平成 27 年度税制改正で の割合が 12.5%:12.5% から 15%:10% に変更されるなどの改正がされました 現 行 県外購入やインターネット購入の増大により 小売年間販売額の都道府県別の統計値は 最終消費の実態を反映していない 75% 15% 10% 小売年間販売額 見直し後 新たな統計により把握した 最終消費地 における消費の額 新たな統計による消費指標 当分の間 ( 新たな統計による消費指標が用いられるまで ) 小売年間販売額については 総額を採用したうえで これを により補正した値を用いる 社会保障の財源確保や消費の消費地への帰属を明確にするための比率を高める により補正した小売年間販売額 さらにの比率を高める 本県影響 ( ) 現行 見直し後 清算後税収額 48,468 百万円 清算後税収額 50,879 百万円 消費に相当するシェア 0.9635% 27 年度清算対象額 (5 兆 305 億円 ) を基に試算 ( 小売年間販売額 をで補正し の割合を 20%:5% とした場合 ) 消費に相当するシェア 1.0114%
製造業に係る法人事業税の分割基準の見直し 工場等事業所における等の推移 ( 全国ベース ) ( 千人 ) 12,000 11,000 10,000 9,000 8,000 7,000 6,000 平成 1 年 2 年 3 年 4 年 5 年 6 年 7 年 8 年 9 年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 19 年 20 年 21 年 22 年 23 年 24 年 25 年 26 年 ( 万円 ) 1,400 1,300 1,200 1,100 1,000 900 800 700 600 従業者 1 人当たり付加価値額 労働装備率 出典 : 経済産業省 工業統計調査 法人事業税の製造業の税収 本県の全国に占める割合工場等における付加価値額 工場等における有形固定資産期首期末平均額 2.37% 2.56% 2.62% 工場等事業所における等は平成元年頃に比べて減少している一方 従業者 1 人当たりの付加価値額は緩やかに増加 ( 従業者 1 人当たり付加価値額の変化平成元年 :1,012 万円平成 26 年 :1,247 万円 ) 設備の機械化の程度を示す労働装備率も増加傾向にあり 企業は機械化等の設備投資によって より少ないでも利益が確保できるようにしている 本県の法人事業税の製造業の税収の全国比は 工場等における付加価値額や有形固定資産期首期末平均額の全国比に比べ低い状況である これらのことから 現行の分割基準が事業活動の規模を十分に反映していないのではないかと懸念 提案内容 分割基準に製造業の事業活動の規模をより反映させるため 法人事業税の分割基準において 1 工場の割増率 ( 現行 1.5 倍 ) の引上げ または 2 工場に加えて 有形固定資産や償却資産など工場等事業所の設備状況を表す指標を用いる