開業基準 目次

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系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

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助産実践能力習熟段階 ( クリニカルラタ ー ) * レベル Ⅲ 認証制度について 日本助産実践能力推進協議会 * 助産実践能力習熟段階 ( クリニカルラタ ー ) :CLoCMiP(Clinical Ladder of Competencies for Midwifery Practice) 1

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アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

深夜勤務の制限 5 妊産婦の時間外 休日 妊娠中の女性が 母体または胎児の健康保持のため 深夜勤務や時間外勤務等の制限を所属長に請求できます 病院助手専攻医臨床研修医 6 妊娠中の休息 妊娠中の女性は 勤務時間規程に規定する 職務に専念する義務の免除 を利用して 母体または胎児の健康保持のため 勤務

平成18年度標準調査票

乳児家庭全戸訪問事業(一部改正)

はじめての子どもが生まれる前に 赤ちゃんの世話をしたことがある割合 (25 年度と 20 年度の 比較 ) 利用ニーズ把握のための調査 ( 平成 20 年 ( 市民意識調査 ) 25 年 ( 未就学児 )) < 平成 20 年 > 無回答 2.9% < 平成 25 年 > 無回答 %

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

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医師主導治験取扱要覧

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事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

第3章 指導・監査等の実施

会場対象者申込み方法 刈谷市保健セン初妊婦とその夫保健師 助産師 保育士電話または来所で予約ふれあい遊び 沐浴体験 妊婦体験 ハイリスク者向け事業 ( 多胎児 外国人 転入者対象 MCG 等 ) 名称時期 回数会場対象者申込み方法 マタニティサロン 広場等 名称フレッシュ ママクラスマタニティーサロ

資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

3 医療安全管理委員会病院長のもと 国府台病院における医療事故防止対策 発生した医療事故について速やかに適切な対応を図るための審議は 医療安全管理委員会において行うものとする リスクの把握 分析 改善 評価にあたっては 個人ではなく システムの問題としてとらえ 医療安全管理委員会を中心として 国府台

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

起 案 書

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併せて 妊娠 出産 更年期など女性特有の生涯にわたる健康問題を気軽に相談できるよう 対 応を充実させる必要があります はじめての子どもが生まれる前に 赤ちゃんの世話をしたことがある割合 (25 年度と 20 年度の 比較 ) 横浜市利用ニーズ把握のための調査 ( 平成 20 年 ( 市民意識調査 )

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乳幼児健康診査について

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

身体拘束廃止に関する指針 社会福祉法人掛川社会福祉事業会 平成 30 年 5 月 23 日改定

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岐阜県手話言語の普及及び障害の特性に応じた意思疎通手段の利用の促進に関 する条例 目次前文第一章総則 ( 第一条 - 第八条 ) 第二章基本的施策の推進 ( 第九条 - 第十六条 ) 附則 ( 前文 ) 手話が言語であることは 障害者の権利に関する条約において世界的に認められており わが国においても

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱


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( 様式第 6) 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法に関する書類 病院の管理及び運営に関する諸記録の閲覧方法 計画 現状の別 1. 計画 2. 現状 閲 覧 責 任 者 氏 名 閲 覧 担 当 者 氏 名 閲覧の求めに応じる場所 閲覧の手続の概要 ( 注 ) 既に医療法施行規則第 9 条の

特定健康診査等実施計画 ( 第 2 期 ) ベルシステム 24 健康保険組合 平成 25 年 3 月 1 日

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その最初の日と最後の日を記入して下さい なお 他の施設で上記人工授精を施行し妊娠した方で 自施設で超音波断層法を用いて 妊娠週日を算出した場合は (1) の方法に準じて懐胎時期を推定して下さい (3)(1) にも (2) にも当てはまらない場合 1 会員各自が適切と考えられる方法を用いて各自の裁量の

2013 年度 統合実習 [ 表紙 2] 提出記録用紙 5 実習計画表 6 問題リスト 7 看護過程展開用紙 8 ( アセスメント用紙 1) 9 ( アセスメント用紙 2) 学生証番号 : KF 学生氏名 : 実習期間 : 月 日 ~ 月 日 実習施設名 : 担当教員名 : 指導者名 : 看護学科

2コアメンバー会議の開催時期コアメンバー会議は 事実確認調査で得られた情報や相談 通報内容に基づき 緊急性を判断し 緊急性が高いと判断される事例については 早急に開催します 3 協議内容 虐待の事実認定情報の内容により虐待の事実の有無の判断を行います 情報の内容虐待の事実の有無の判断 高齢者の権利を

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

( 保 8) 平成 31 年 4 月 3 日 都道府県医師会 社会保険担当理事殿 日本医師会常任理事 松本吉郎 出産育児一時金等の受取代理制度の届出について ( 平成 31 年度 ) 出産育児一時金等の受取代理制度の届出につきましては 平成 23 年 2 月 7 日付け日医発第 1009 号 ( 保

看護師のクリニカルラダー ニ ズをとらえる力 ケアする力 協働する力 意思決定を支える力 レベル Ⅰ 定義 : 基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する 到達目標 ; 助言を得てケアの受け手や状況 ( 場 ) のニーズをとらえる 行動目標 情報収集 1 助言を受けながら情報収集の基本

別添2 乳児家庭全戸訪問事業の実施状況

2. 出産手当金の支給を受ける産前 産後休暇期間中 職員は給料が支給されますが 病院助手等は無給です その間の生活を支え るために 病院助手 専攻医および研修歯科医は より 出産手当金 が支給され 臨床研修 医は 共済組合より 出産手当金 が支給されます 申請から約 1~2 か月後に指定の口座に出産

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

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日本臨床倫理学会 日本版 POLST(DNAR 指示を含む ) 作成指針 POLST(Physician Orders for Life Sustaining Treatment) 生命を脅かす疾患 に直面している患者の 医療処置 ( 蘇生処置を含む ) に関する医師による指示書 これは日本臨床倫理

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国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院医療に係る安全管理のための指針 第 1 趣旨本指針は 医療法第 6 条の10の規定に基づく医療法施行規則第 1 条の11 の規定を踏まえ 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院 ( 以下 センター病院 という ) における医療事故防止について組織的に


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受付 母子受付 妊婦受付の設置 各書類と筆記用具 書類箱の準備 リーダー * 具体的な責任者名 あるいは役職を書くを確認する 受付と案内 (* 具体的な場所を書くに配置 ) の要員振り分け < 母子 妊婦到着時 > 母子は母子受付 妊婦は妊婦受付へ案内する 父親は体育館に入る * 家族の部屋を明記す

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2. 出産手当金の支給を受ける産前 産後休暇期間中 職員は給料が支給されますが 病院助手等は無給です その間の生活を支え るために 病院助手 専攻医および研修歯科医は より 出産手当金 が支給され 臨床研修 医は 共済組合より 出産手当金 が支給されます 申請から約 1~2 か月後に指定の口座に出産

料 情報の提供に関する記録 を作成する方法 ( 作成する時期 記録の媒体 作成する研究者等の氏名 別に作成する書類による代用の有無等 ) 及び保管する方法 ( 場所 第 12 の1⑴の解説 5に規定する提供元の機関における義務 8 個人情報等の取扱い ( 匿名化する場合にはその方法等を含む ) 9

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

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雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項 第 1 趣旨 この留意事項は 雇用管理分野における労働安全衛生法 ( 昭和 47 年法律第 57 号 以下 安衛法 という ) 等に基づき実施した健康診断の結果等の健康情報の取扱いについて 個人情報の保護に関する法律についての


全な生殖補助医療を含めて, それぞれの選択肢を示す必要がある. 3 種類の HIV 感染カップルの組み合わせとそれぞれの対応 1. 男性が HIV 陽性で女性が陰性の場合 体外受精この場合, もっとも考慮しなければいけないことは女性への感染予防である. 上記のように陽性である男性がすでに治療を受けて

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分娩を取り扱う助産所の開業基準 公益社団法人日本助産師会

項目 1. 開業助産師の資質 2 2. 開業助産師の責務 3 3. 助産所開業までの必要経験例数の基準 5 4. 必須能力 6 5. 記録 8 6. 備品 8 7. 薬剤 9 8. 関係法規 10 9. 嘱託医 : 嘱託医療機関との連携 12 10. 地域母子保健との連携 13 チェックリスト 1~3 助産所部会 部会長 武田智子 委員 伊藤朋子 櫻井裕子 今村理恵子 岡本登美子 岩本美佐子 舟木操 岡田浩子 池添紀美代 戸高佐枝子 平成 24 年 11 月 20 日理事会承認

1. 開業助産師の資質 助産師は医療法に規定される医療機関である 助産所 を開業できる 開業にあたって助産師は下記項目を真摯にとらえ 資質を磨き続けることが重要である 1. 母子の安全のために 冷静な判断の元に行動し 適切な時期に医療にゆだねる決断力を持っている 2. 妊産婦自身の価値観 主体性 ニーズを尊重しながら ケアや指導ができる感性や創造性を持っている 3. 対象者に対してわかりやすく丁寧な言葉使い 謙虚な態度で接する 4. 自分に厳しく 専門職として生涯にわたり 乳幼児や女性の生涯の健康問題など幅広く関心を持ち 学習 研修や症例検討等により自己研鑽に努める 5. 絶えず質の高いケア提供をめざし 探究心を持ち 創意 工夫に努め 科学的なデータに裏付けられた業務が出来るよう努力する 6. 妊産婦と家族 地域の保健医療職者 助産師仲間など多くの関係者との円滑な関係を創ることができる 7. 職能団体の活動や後輩の育成への協力などを行える 8. 自らの健康管理に気をつけることも仕事上の責務を果たす上で また健康教育者として必要である 2

2. 開業助産師の責務 1. 助産所の理念の掲示 助産師の理念 とは助産師の全活動を支える哲学的基盤であり 助産師として持つべき必須概念である 助産師はこの理念の元に 助産業務の権限を行使することができる この理念と目標を院内に掲げるか 常備することによって 助産師の姿勢が現れ妊産婦の理解が得られるものである 2. 説明と同意助産師は女性へのケアに関する説明責任を有する 助産所で取り扱うことのできる正常範囲 医療との連携 正常からの逸脱時の対応をはじめとして すべての援助 ケアについて丁寧に説明し 女性とその家族の同意を得る必要がある 3. 助産所業務ガイドライン遵守助産業務を行うにあたっては助産所業務ガイドラインに照らし合わせ逸脱しないよう注意し 逸脱している場合は速やかに医療機関に紹介をする 4. 助産所責任保険 産科医療補償制度の加入賠償責任保険は加入しなければならない 助産師及び母親と新生児を万一の事故による経済的負担から守るためには必須条件となる 産科医療補償制度も全分娩が加入することになっている 5. 妊娠期 分娩期 産褥期 乳児期のケアにおける責務助産師は妊娠から分娩全期における母子及び家族のケアの専門家である 自己の責任のもとに正常な分娩を介助し 新生児及び乳幼児のケアを行う その際女性の意思や要望を反映できるように 計画 実施 評価を行い 向上につとめる また 異常の発生や異常徴候の出現を速やかに予測 発見し 嘱託医 嘱託医療機関や他の専門職との連携のもと安全性を確保する 6. ウイメンズヘルスにおける責務助産師は 女性の健康の保持 増進を促し 女性が日常の健康管理を行えるよう支援する 女性のライフステージに対応した健康教育 知識の普及 啓発 健康相談 保健指導を行い 健康をめぐる様々な問題に対処できるよう支援する 3

7. 助産所管理における責務助産師は専門職として 実践領域で管理業務を行う 1 施設を経営するにあたり 安全管理指針 感染対策指針 医療機器 安全使用に関する 基準 医薬品の安全な使用と管理マニュアル を整備し 緊急時の適切な対応や医療事故防止に努め 質の高い助産ケアを提供する 2 施設を自ら経営し または経営管理に参画して 職員同士の意思疎通を図り 健全な財務管理を図る 3 分娩数及び 転院異常報告書を各都道府県の安全対策委員会及び 日本助産師会安全対策委員会へ期日を守って報告する 4 第三者評価を受けること 自分の価値観だけに頼らず第三者の意見を聞くためにも 毎年都道府県助産師会の安全対策委員会が実施する 助産所管理評価 を受け安全性を高める 助産所管理評価は期日を守って報告する 5NPO 法人日本助産評価機構による助産所機能評価を受ける事を推奨する 8. 自己研鑽時代に即した知識 情報を常に捉えていかなければならない 開業助産師は安全管理研修ポイントを年間 2 ポイント以上取得することが必須である 4

3. 助産所開業までの必要経験例数の基準 助産所開業基準の経験年数及び件数とその裏付け 平成 21 年度厚生労働科学研究 医療機関の規模や特徴に応じた職員研修の具体的で効果的な研修カリキュラムの作成と実際の活用と普及 ( 研究代表者嶋森好子 ) の中で行われた 助産所における医療安全確保のための研修及び開業基準の整備 ( 研究分担者岡本喜代子 ) のアンケート調査 ( 嘱託医療機関の産科医師 師長 助産所開設者 その他の助産師 ) において 助産所開業に必要な経験数として 助産師経験年数 12 年 分娩件数 533 件 妊婦健診 814 例 産婦健診 419 例 新生児健診 393 例 母親学級 140 例母乳相談 332 例との結果が得られた この数値は師長級レベルのキャリアを期待し理想とする数値と考える 実質 日本の助産師教育では 約 10 例の直接分娩介助を必須としているが 独立開業には不十分な経験数と考え 諸外国 特にドイツ イギリス スウェーデン オランダの 4 ヶ国の助産教育と卒後 3 年の間に経験すべき例数と日本の少子化を考え検討 考慮して最低条件を導き出した 経験年数 5 年以上 分娩件数 200 件 卒業後 3 年間に経験すべき件数年間 50 件 3 年間として150 件その後 2 年間で経験すべき件数 50 件として合計 200 件とした 妊婦健康診査新生児健診家庭訪問母乳相談産後 4 週までの健康診査 200 例 200 例 30 例 200 例 200 例 さらに 助産所での研修及び助産所勤務または 院内助産での勤務経験も推奨する 5

4. 必須能力 1. 専門職として自己研鑽し続ける能力専門職として その専門性を向上させるために 日々新たな知識と技術について自己研鑽し続けることができる 2. 連携を整備する能力 1 嘱託医 嘱託医療機関を確保し 医療連携の構築ができる ケース毎の振り返り カンファレンス ミーティングが適宜行える 分娩報告などが適宜適切に行える 2 サポート助産師を確保し 協働する事ができる 3 行政や地域 保健医療機関と連携できる 必要時 ケースの情報を共有し 問題解決に当たる事ができる 4 日本助産師会やその他関連団体に所属し 法律改正や制度変更などの情報を得て 適宜適切に対応できる 5 包括的指示書に従って 薬剤を正しく 入手 管理 使用できる 6 医療機器を正しく管理し 活用できる 3. 妊娠期の診断技術とケア能力 1 助産所業務ガイドラインによる 助産所における分娩の適応リスト を理解し 対象者を A B C に分類できる 2 妊婦の健康診査ができる 妊娠全期のアセスメント 介入 評価ができる 妊婦とその家族に適切な保健指導ができる 妊婦とその家族の精神面への援助ができる 3 胎児の健康診査ができる 週数に応じた胎児の発育と Wellbeing の評価ができる 胎児心拍の聴取 胎児心拍モニタリングの判読ができる B スコープを用いた観察ができる 4 すべての援助についてわかりやすく説明が出来 妊婦とその家族が同意した上で実施できる 4. 分娩期の診断技術とケア能力 1 分娩経過のアセスメントができ 産婦の気持ちに寄り添ったケアを安全に提供できる 2 胎児心拍モニタリングの判読ができる 3 新生児に対し緊急時の対応ができる 新生児蘇生法 (NCPR)B コース以上を取得し実施できる (5 年毎に更新する ) 6

4 母体に対し緊急時の対応ができる 成人の心肺蘇生法 (CPR) を理解し実施できる 留置針にて血管確保ができる 止血法の実施ができる 産道裂傷の手当ができる 5 緊急搬送時の手順が明らかになっており実施ができる 6 すべての援助についてわかりやすく説明が出来 産婦とその家族が同意した上で実施できる 4. 産褥期の診断技術とケア能力 1 褥婦の健康診査ができる 2 母乳育児支援の知識 技術を持ち 実施できる 対象者のニーズを把握しそれに応えることが出来る 3 産後うつ予防の視点をもちケアできる 早期発見のために EPDS( エジンバラ産後うつ病質問票 ) 等の知識を持ち活用する 必要に応じて関係機関と連携を取り合える 社会資源活用や家族環境の調整に当たる事ができる 4 虐待予防の視点を持ちケアできる 児の発達過程各期の発達課題を評価できる 母の疲労度や育児の取り組み姿勢 家族関係の状況を把握できる 必要に応じて関係機関と連携を取り合える 5 すべての援助についてわかりやすく説明が出来 褥婦とその家族が同意した上で実施できる 5. 新生児の診断技術とケア能力 1 新生児の健康診査ができる 新生児の発育発達についての診査 評価ができる 新生児黄疸の観察 ケアができ 必要時医療機関と連携できる 2 先天性代謝異常検査の採血とその説明ができる 3 すべての援助についてわかりやすく説明が出来 母親とその家族が同意した上で実施できる 6. ケアを記録し 評価 フィードバックする能力 1 助産録 記録類を整備することができる 助産録は 5 年間鍵のかかる安全な場所に保管できる 個人情報の取扱いに充分留意できる 2 分娩後の振り返りを行い結果をフィードバックできる 7

5. 記録 記録物は ケースに関わる全ての人が情報を共有できるよう 必要事項を正確に記し 適切に保管する事が望ましい 産科医療補償制度原因分析委員会からも記録に残すべき事項が示されている 万一事故が起こった場合は正確な記録が残っていることが重要である 助産所部会委員会作成の記録用紙の使用を推奨する * 産科医療補償制度の原因分析 再発防止に係る診療録 助産録および検査データ等の記載事項 : 平成 22 年 5 月産科医療補償制度原因分析の解説 P28.29 1. 記録は正確に記載する 2. 分娩期の経過はパルトグラムを使用し漏れのないよう記録する 3. 助産録等の記録類は鍵のかかる安全な場所に 5 年間保管する 4. 分娩監視装置による記録用紙も必要事項を記載し 助産録等の記録類および検査データと同様に保存する 5. 個人情報の保護に努める 備えるべき備品 6. 備品 1. 妊婦健診使用備品 1 ドップラー 2 血圧計 3 メジャー 4 尿検査紙 5 体重計 6 聴診器 2. 分娩時使用備品 1 分娩器械 2 分娩監視装置 3 衛生材料 4 体温計 5 医療用酸素 6 点滴セット一式 7 ストップウオッチ 8 アンビューバッグ 9 パルスオキシメーター 10 新生児を保温する用具 3. 新生児使用備品 1 メジャー 2 新生児用体重計 3 体温計 4 新生児用聴診器 5 ストップウオッチ 6 経皮黄疸計 7 沐浴用品 8 臍処置備品 9 新生児採血セット一式 4. 事務機器その他 1 パソコン及び付属品 2 鍵のかかる保管庫 備える事が望ましい備品 1 超音波断層装置 2 血糖検査器 3 オートクレーブ 4 血液ガス測定器その他 8

7. 薬剤 助産師は 保健師助産師看護師法第 37 条および 38 条により 臨時応急手当と その他助産師の業務に当然に付随する行為の実施が認められている 嘱託医からの包括的指示書に従って 以下の薬剤を正しく入手 管理 使用 報告する 1. 薬剤 1 維持点滴液 妊産婦に異常が予測される場合 血管確保として使用する場合もある 点滴実施後は搬送を視野に入れて観察する 2 子宮収縮剤 : 子宮収縮不良 弛緩出血と判断した場合に使用する 3 点眼薬 : 新生児結膜炎予防のため使用する 4K 2 シロップ : 乳児ビタミン K 欠乏性出血症 の予防の目的で以下の 3 回使用する 出生後 1 日目 4 日 ~5 日目 1 ヶ月目 (1 回に 2mg を経口投与する ) 5 その他 包括指示に基づく薬品 代用血漿 体外循環希釈剤 : 循環血液量増加の目的で使用する場合がある 止血薬 : 出血多量が予測される場合 出血多量の場合 出血を止める目的で使用する 抗菌剤 : 前 早期破水の場合感染予防として使用する 2. 薬剤の管理 1 薬品の効能書をよく理解する 2 適切な場所に保管し 使用期限を遵守する 3 薬剤管理台帳を作成し管理する 9

8. 関係法規 助産師が法律と行政の施策について正しく理解し適切に対応することは助産師の業務や身分を守り 女性と子どもの権利や健康問題を支援していく上で重要である ここでは 開業助産師に必要な法規を抜粋して紹介するが 助産師に関連する法規の新設や変更等のほとんどは厚生労働省 自治体からの通達等で知らされるので見落としのないようにしておくことが大切である 以下の関連法規については項目を抜粋し記した 特に 保健師助産師看護師法 医療法 母子保健法については 全体を良く理解しておく必要がある 1. 保健師助産師看護師法 : 免許 医療行為の禁止 業務範囲 助産録など 2. 医療法 : 助産所の定義 開設や廃止の届け出 管理者 嘱託医と嘱託医療機関 (19 条 ) 安全管理 建築防災上の取り決め 広告 立ち入り検査など 3. 母子保健法 : 母性と乳幼児の健康 健康診査 訪問指導 母子健康手帳 市町村の母子保健事業 養育医療など 4. 母体保護法 : 人工妊娠中絶 (3 章 14 条 ) 受胎調節の実地指導 (3 章 15 条 ) 5. 戸籍法 : 出生届 (2 章 49~52 条 ) など 6. 刑法 : 守秘義務 (134 条 ) 堕胎罪 (29 章 214 条 ) 7. 児童福祉法 : 助産施設 (2 章 22,36 条 ) 乳児家庭全戸訪問事業 ( こんにちは赤ちゃん事業 ) 養育支援訪問事業 8. 生活保護法 : 出産扶助 ( 分娩介助 分娩前後の処置 衛生材料 )(3 章 16 条 ) 9. 薬事法 : 処方箋医薬品の販売 包括指示書 (49 条 ) 10. 児童虐待防止法 : 早期発見防止 (5 条 ) 通告 (6 条 ) 立ち入り調査 (9 条 ) 11. 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律 12. 個人情報保護法 : 第 3 者提供の制限 (23 条 ) 13. 廃棄物の処理および清掃に関する法律 : 胞衣および廃棄汚物処理 自治体の条例を確認しておくこと 10

以下の法律についても熟知しておくとよい その理由は以下の通りである 1. 医療者としての助産師自身の健康管理が定められている 2. ケア対象者の女性やその家族 助産所の従業員の福利厚生母性保護 労働者の権利 が定められている 3. 地域の中の助産所の公益的役割が定められている などがあげられる その他の知っておくべき法律と主な内容 1. 健康保険法 国民健康保険法 : 出産手当金 出産育児一時金 2. 労働基準法 : 産前産後の休業 育児時間 生理休暇 妊産婦に関わる危険有害業務の就業制限 3. 育児 介護休業法 : 育児休業の取得 就業と育児の両立 4. 男女雇用機会均等法 : 妊娠中及び出産後の健康管理に関する配慮及び措置 5 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 ( 感染症予防法 ) 7. 予防接種法 : 乳幼児への予防接種 8. 都市計画法 : 市街化調整区域における公共公益施設の許可基準 ( 助産所も該当 ) 9. 一般社団法人法 : 設立を目指す助産所 10. 扶養義務の準拠法 : 雇用知識 11. 労働契約法 : 雇用知識 11

9. 嘱託医 嘱託医療機関との連携 連携において重要なのは 顔の見える関係 である 通信のみの連携ではなく 医療現場に行き 顔を合わせ 対話をすることが スムーズな実りある連携を生む ことにつながる 1. 嘱託医及び嘱託医療機関を定める医療法第 19 条を満たす嘱託医または嘱託医療機関を定める 2. 嘱託医 嘱託医療機関との連携をスムーズにするために 1 嘱託医及び嘱託医療機関との医療連携体制を話し合い 実際の連携がスムーズにできるよう整理しておく 2 嘱託医及び嘱託医療機関で実際に行われているケアの内容を知り 妊婦への情報提供を行い スムーズに連携を受けられるように配慮する 3 嘱託医及び嘱託医療機関と定期的に事例検討会などを行い意見交換ができる場を設ける 4 話し合いの記録を文章化しお互いが内容を確認し保管しておく 5 ガイドラインに準じ 嘱託医または嘱託医療機関と話し合い 包括的指示書を作成し 共有する 6 包括的指示書は必要時に見直し検討する 変更の必要性がある場合 または嘱託医及び嘱託医療機関等から変更の指示や意見があった場合は見直し検討する 変更があった場合は 包括的指示書にその旨を記載し嘱託医 嘱託医療機関と共有すること 12

10. 地域母子保健との連携 助産所は地域における 母子や家族の相談所のような役割がある 最近では乳幼児虐待やドメスティックバイオレンス (DV) などの支援も期待されており 地域母子保健の向上のために地域行政と連携が重要である 1. 地域の母子保健事業とそれに関わる組織や人材を把握し 連携を図る 1 公的機関 民間機関 NPO 法人 市民サークル 母子保健推進員 民生委員 児童委員など 2 近隣の区市町村における母子保健窓口を把握する 3 公的機関で行われる母子保健連絡会などに参加し 担当者や最新の情報 サービスの現状などの把握に努める 4 協働が必要と思われる時には報告 連絡 相談する 5 地域行政が実施する母子保健事業に協力する 主な母子保健事業は以下の通りである 妊産婦新生児訪問指導事業 乳児家庭全戸訪問事業 養育支援訪問事業 産後ケア事業 その他 2. 助産師会との連携日本助産師会 都道府県助産師会の活動に積極的に参画し 知識を深めるとともに人脈作りをする 多くの助産師と出会い 共働する事が重要である 13

参考文献 : 引用文献 1) 岡本喜代子他助産所開業マニュアル ( 社 ) 日本助産師会 2011 年 2) ( 社 ) 日本産婦人科学会 : 日本産婦人科医会編産科診療ガイドライン ( 社 ) 日本産婦人科学会事務局 2010 年 3) ( 社 ) 日本助産師会編助産所業務ガイドライン ( 社 ) 日本助産師会 2009 年 4) 加藤尚美監修助産業務指針 P2,P6,P10,P13,P14 日本助産師会出版 2010 年 6 月 5) 永山くに子他 1 名 EU における助産師の卒前教育 京都大学医学部保健学科紀要保健科学第 3 巻 2006 年 6) ( 社 ) 日本助産師会編助産所における安全管理指針 ( 社 ) 日本助産師会 2007 年 3 月 14

チェックリスト 1 助産所開業までの経験年数と症例数 項目 最低経験数経験数備考 1 産科臨床経験助産所での研修および勤務 または院内助産システムでの勤務も推奨する 5~10 年間 2 分娩介助数 200 例 3 妊婦健診 200 例 4 褥婦健診 200 例 5 新生児の観察 200 例 6 家庭訪問 30 例 7 母乳ケア 200 例

2 開業に必要な能力 項目 自己評価 1 連携を整備する能力 1) 嘱託医 嘱託医療機関の確保 2) サポート助産師の確保 3) 行政や地域との連携 4) 日本助産師会や関連団体との連携 5) 包括指示書に従った 薬剤の入手 管理 使用 6) 医療機器の正しい管理 活用 2 妊娠期の診断技術とケア能力 1) 助産所業務ガイドラインによる 助産所における分娩適応者リスト の理解 2) 妊婦健康診査ができる 3) 胎児の健康診査ができる 4) 対象者に説明し同意が得られる 3 分娩期の診断技術とケア能力 1) 胎児心拍モニターの判読ができる 2) NCPR B コース以上を取得している 3) 母体緊急時の対応ができる 4) 緊急搬送時の手順があり 実施できる 4 産褥期の診断技術とケア能力 1) 褥婦の健康診査ができる 2) 母乳育児支援の知識 技術がある 3) 産後うつ予防の視点を持ちケアできる 4) 児童虐待予防の視点を持ちケアできる 5 新生児の診断技術とケア能力 1) 新生児の健康診査ができる 2) 先天性代謝異常検査が実施できる 3) 母親家族に説明し同意が得られる 6 ケアを記録し 評価 フィードバックする能力 1) カルテ 記録類を整備できる 2) 分娩後の振かえりができる

3 備えるべき備品 : 薬剤 項目 チェック 備考 1 妊婦健診時使用物品 1) ドップラー 2) 血圧計 3) メジャー 4) 尿検査紙 5) 体重計 ( 成人用 ) 6) 聴診器 ( 成人用 ) 2 分娩時使用物品 1) 分娩器械 2) 分娩監視装置 3) 衛生材料 4) 尿検査紙 5) 医療用酸素 6) 点滴セット一式 ( 留置針 輸液セット 点滴台等 ) 7) 医療用酸素 8) アンビューバッグ ( 新生児用 成人用 ) 9) パルスオキシメーター 10) 新生児を保温する用具 3 新生児使用物品 1) メジャー 2) 新生児用体重計 3) 体温計 4) 聴診器 ( 新生児用 ) 5) ストップウオッチ 6) 経皮黄疸計 7) 沐浴用品 8) 臍処置用品 9) 新生児採血セット1 式 4 事務機器その他 1) パソコンおよび周辺機器 2) 鍵のかかる保管庫 3) 胎盤保管用の冷蔵庫 5 備えることがのぞましい備品 1) 超音波診断装置 2) 血糖測定器 3) オートクレーブ 4) 血液ガス測定器 5) その他 6 薬剤 1) 維持点滴液 2) 子宮収縮剤 3) 点眼薬 4) K2シロップ 5) その他 包括指示に基づく薬品