平成 27 年 10 月 23 日 患者のための薬局ビジョン 厚生労働省 薬局のあるべき姿 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 2

Similar documents
6. 患者の自己決定権の尊重 薬剤師は 患者の尊厳と自主性に敬意を払うことによって その知る権利及 び自己決定の権利を尊重して これを支援する 7. 差別の排除 薬剤師は 人種 ジェンダー 職業 地位 思想 信条及び宗教等によっ て個人を差別せず 職能倫理と科学的根拠に基づき公正に対応する 8. 生

薬剤師は 医薬品の研究 開発 治験 製造 流通 試験 管理 情報 調剤 指導 相談及び販売という医薬品に関するすべての業務をつかさどる専門職であり その任務は 薬剤師法第 1 条に 薬剤師は 調剤 医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって 公衆衛生の向上及び増進に寄与し もって国民の健康な

薬剤師行動規範 の制定にあたって 日本薬剤師会は昭和 43 年に 薬剤師倫理規定 を制定し 平成 9 年に全面改定を行いました その後 医薬分業の進展や医療法において薬局が医療提供施設に位置付けられるなど 薬剤師を取り巻く環境は大きく変化しました このような変化や 新しい医療提供体制に相応しい薬剤師

訂正表_青本〔改訂第8版〕_⑧法規・制度・倫理190131完成


周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

<4D F736F F F696E74202D202888F38DFC AB38ED28FEE95F182CC8BA4974C82C98AD682B782E B D B2E >

Microsoft Word 年度シニア 呼吸器内科 2014.docx

301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

序文 特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会 ( 以下 協議会 という ) は キャリアコンサルタントの養成等に関わる団体を会員とし キャリアコンサルティング技能検定の実施 キャリアコンサルタントの能力の維持 向上 キャリアコンサルティングの普及啓発等の事業に取り組んでいます この度 勤労

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

政策課題分析シリーズ14(本文4)

PowerPoint プレゼンテーション


目次 第 1 健康サポート薬局の概要について 1 第 2 健康サポート薬局である旨の表示に係る届出 1 新たに薬局の開設許可申請をする場合 1 2 既存の薬局が新たに健康サポート薬局である旨を表示する場合 1 3 健康サポート薬局である旨の表示を取りやめる場合 3 第 3 健康サポート薬局に係る関連

・人は環境から切り離されては生きられないだけではなく、同時に、多様な環境に生きている

健康サポート薬局の届出に係る添付書類ひながた ( 参考様式 ) ~ 目次 ~ Ⅰ かかりつけ薬局の基本的機能に関する書類別添 1 省令手順書の記載が確認できる書類別添 2 勤務表別添 3 お薬手帳の意義 役割及び利用方法の説明又は指導のための資料別添 4 かかりつけ薬剤師 薬局の意義及び役割等の説明

Microsoft Word - 4㕕H30 �践蕖㕕管璃蕖㕕㇫ㅪ�ㅥㅩㅀ.docx

平成 30 年度調剤報酬改定に係る 都薬によくある問い合わせ ( 平成 28 年 ) 調剤基本料 1 ( 平成 30 年 ) 調剤基本料 1 の場合は提出不要 様式 87 の 3 地域支援体制加算の施設基準に係る届出書添付書類 2 麻薬小売業者免許証の番号 ( 届出する全薬局 ) 該当番号を記載 3

平成18年度標準調査票

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

Ⅰ バイタルリンク 利用申込書 ( 様式 1-1)( 様式 ) の手続 バイタルリンク を利用する者 ( 以下 システム利用者 という ) は 小松島市医師会長宛に あらかじ め次の手順による手続きが必要になります 新規登録手続の手順 1 <システム利用者 ( 医療 介護事業者 )>

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

Microsoft PowerPoint - 【厚労省】説明資料_ pptx

<4D F736F F D20CADFCCDEBAD D9595B68E9A816A8AEC91BD95FB8E735F5F91E682558AFA89EE8CEC95DB8CAF8E968BC68C7689E >

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

<4D F736F F D208DBB939C97DE8FEE95F18CB48D EA98EE58D7393AE8C7689E6816A2E646F63>

べ大きく悪化している また 平成 29 年度は 全国で C 型肝炎治療薬 ハーボニー の偽造品流通問題を始め 付け替え請求問題 薬局が無診察での処方せん発行を医師に依頼した事案 処方せん薬不正販売 など多くの不適正な事案が発生した このようななか 平成 30 年 1 月に日本薬剤師会が新しい医療提供

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

歯科中間報告(案)概要

Microsoft Word - M 平成30年度診療報酬改定の基本方針

3 薬局サービス等 (1) 健康サポート薬局である旨の表示 健康サポート薬局 である旨を表示している場合 健康サポート薬局 とは かかりつけ薬剤師 薬局としての基本的な機能に加えて積極的な健康サポート機能 ( 地域住民による主体的な健康の維持 増進を支援する機能 ) をする薬局をいいます (2) 相

<4D F736F F F696E74202D208E7396F22096F296F298418C6782C982C282A282C448502E B8CDD8AB B83685D>

資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関

Microsoft Word _正当理由通知(薬局医薬品) (反映)

Microsoft Word - シラバス.doc

H1-H4

認知症医療従事者等向け研修事業要領

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

01 R1 å®�剎ç€fl修$僓ç€flä¿®ï¼„æł´æŒ°ç€fl修+å®�剎未組é¨fi蕖咂ㆂ;.xlsx

< F2D91DE E8BE08B8B D8790CF97A78BE082CC>

Microsoft Word - 日本交流分析協会倫理綱領22年9月18日改定

平成27年度事業計画書

< F2D8EE888F882AB C8CC2906C>

<838A815B835F815B834A838A834C C42E786C73>

「患者のための薬局ビジョン」実現のためのアクションプラン検討委員会報告書(報告書本編)

<4D F736F F D A8D CA48F43834B C E FCD817A E

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

第3章 指導・監査等の実施

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

02 H30 å°‡éŒ•â–€ï¼„â–¡ã…»æł´æŒ°â–€ï¼„â–¡ï¼‹ç‘¾ä»»ï¼›ã‡«ã…ªã‡�ㅥㅩㅀ.xlsx

ANNUAL REPORT

看護師のクリニカルラダー ニ ズをとらえる力 ケアする力 協働する力 意思決定を支える力 レベル Ⅰ 定義 : 基本的な看護手順に従い必要に応じ助言を得て看護を実践する 到達目標 ; 助言を得てケアの受け手や状況 ( 場 ) のニーズをとらえる 行動目標 情報収集 1 助言を受けながら情報収集の基本

10月HP原稿

令和元年度健康サポート薬局のための技能習得型研修 受講者募集のご案内 平成 28 年 4 月 1 日施行の 健康サポート薬局 制度は 薬局の業務体制や設備について一定の基準 ( 厚生労働省告示 ) に適合する薬局が 都道府県知事等に届出 ( 平成 28 年 10 月 1 日以降 ) することにより

京都府がん対策推進条例をここに公布する 平成 23 年 3 月 18 日 京都府知事山田啓二 京都府条例第 7 号 京都府がん対策推進条例 目次 第 1 章 総則 ( 第 1 条 - 第 6 条 ) 第 2 章 がん対策に関する施策 ( 第 7 条 - 第 15 条 ) 第 3 章 がん対策の推進

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

藤沢型地域包括ケアシステムの推進について 平成 30 年 2 月藤沢市議会定例会厚生環境常任委員会資料 1 ⅠⅠ 中長期を見据えた検討体制の見直し 1 これまでの経過等について現在, 国では 地域共生社会 の実現に向け, 様々な改革が進められており, 平成 30 年 4 月に施行される社会福祉法の一

(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

スライド 1

Taro-事業計画書(公益バージョン

患者のための薬局ビジョン 実現のための アクションプラン検討委員会報告書 ~ かかりつけ薬剤師 薬局となるための具体的な取組集 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 患者のための薬局ビジョン 実現のための アクションプラン検討委員会

医歯薬系URAに求められる役割とmedU-net の活動

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

スライド 1

<4D F736F F D DB782B58AB782A6817A5F32342E342E31365F96F28DDC8E7482CC F8BC696B182CC906982DF95FB5F E312E305F2E646F63>

資料1 第1回会議のポイントについて

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

利用者満足の向上センターのチラシの配布など センターのPRのために具体的な取り組みを行っている 苦情対応体制を整備している 特記事項 名刺 サービス情報誌 広報での PR イベントでのパネル設置など実施 相談の際のプライバシーの確保を図っている 公平性 中立性の確保 業務改善への取り組み 相談室の整

, 地域包括支援センターの組織と人材 2. 1 福祉専門職の歴史と特性

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

淀川区生活困窮者

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

<4D F736F F D208CC2906C8FEE95F182C98AD682B782E98AEE967B95FB906A93992E646F63>

koboデスクトップアプリ ユーザーガイド

看護部 : 教育理念 目標 目的 理念 看護部理念に基づき組織の中での自分の位置づけを明らかにし 主体的によりよい看護実践ができる看護職員を育成する 目標 看護職員の個々の学習ニーズを尊重し 専門職業人として成長 発達を支援するための教育環境を提供する 目的 1 看護専門職として 質の高いケアを提供

PowerPoint プレゼンテーション

( 選定提案 ) は 利用者に貸与しようと福祉用具の種目の候補が決まった後で 具体的な提案品目 ( 商品名 ) を検討する際に用いる つまり ( 選定提案 ) に記載されるのは 候補となる福祉用具を利用者に対して提案 説明を行う内容である 平成 30 年度の制度改正では 提案する種目 ( 付属品含む

Microsoft Word - 【口座開設】個人情報保護方針&個人情報の取扱い

個人情報の取り扱いに関する規程

6 割近くが知らない わからない かかりつけ薬剤師 の存在 6 割近くの人は かかりつけ薬剤師 とは何かを 知らない / わからない (57.8%) と認知の低さがわかった 性年代別で 知らない / わからない が最も多いのは男性 40 代で 66.0% 一方 女性 50 代は半数以上の 55.0%

調査票

第 4 条 ( 取得に関する規律 ) 本会が個人情報を取得するときには その利用目的を具体的に特定して明示し 適法かつ適正な方法で行うものとする ただし 人の生命 身体又は財産の保護のために緊急に必要がある場合には 利用目的を具体的に特定して明示することなく 個人情報を取得できるものとする 2 本会

社会福祉法人○○会 個人情報保護規程

リウマチケア看護師規則(案) 21/11・1

2 成分が同一の剤形変更 例 タケプロンOD 錠 15mg タケプロンカプセル 15mg ユリーフOD 錠 4mg ユリーフ錠 4mg コカールドライシロップ 40% カロナール細粒 20% ( 粉砕 ) レボフロキサシン錠 500mg レボフロキサシン細粒 10% 患者に説明 ( 価格 服用方法等

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

001

計画の今後の方向性

更に検討が必要な事項等 ( 抜粋 ) 平成 30 年 9 月 28 日第 6 回医薬品医療機器制度部会資料 2( 抜粋 ) テーマ 3 薬局 薬剤師のあり方 医薬品の安全な入手 (1) 医薬分業とかかりつけ薬剤師 薬局について 処方箋受取率が 70% を超えて医薬分業が進展し 医療保険では調剤医療費

④資料2ー2


薬事法における病院及び医師に対する主な規制について 特定生物由来製品に係る説明 ( 法第 68 条の 7 平成 14 年改正 ) 特定生物由来製品の特性を踏まえ 製剤のリスクとベネフィットについて患者に説明を行い 理解を得るように努めることを これを取り扱う医師等の医療関係者に義務づけたもの ( 特

自治会では どのように 取り扱ったらいいの ですか? 自治会における情報の取り扱い 個人情報保護法では 持っている情報を適正に扱うことを規定しています 自治会が会員の氏名や住所 電話番号などの個人情報を持つことは 活動する上で不可欠です これからは 自治会においても大切な情報を守るため 正しい管理に

区分

本サイトにおける個人情報の利用目的は以下のとおりです 当社は 本人の同意なく目的の範囲を超えて利用しません (1) 本サイト会員登録者の個人認証及び会員向け各種サービスの提供 (2) インターネットまたは電話を通じて提供する 宿予約サービス 及びそれに付帯関連する業務の遂行 (3) 上記 (2) に

PowerPoint プレゼンテーション

Transcription:

患者のための薬局ビジョン実現に 向けた日本薬剤師会の取組み 日本薬剤師会副会長田尻泰典 平成 29 年度かかりつけ薬剤師 薬局推進指導者協議会 平成 30 年 2 月 5 日 ( 月 ) 中央合同庁舎 5 号館 ( 厚生労働省 ) 講堂 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 1

平成 27 年 10 月 23 日 患者のための薬局ビジョン 厚生労働省 薬局のあるべき姿 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 2

ビジョン実現に向けた 日本薬剤師会の取組み 医薬分業対策委員会 地域医療 保健委員会 一般用医薬品等委員会 患者のための薬局ビジョン 実現に向けた担当者合同会議 ( 三委員会合同全国会議 ) の開催平成 29 年 11 月 6 日 かかりつけ薬剤師 薬局 の早期実現を図るべく 各委員会が取り扱う課題や活動 考え方 方向性を共有し 都道府県薬剤師会の垣根を越えた意見交換 情報共有の場を提供することで 得た情報を持ち帰り 今後の地域での取り組みや課題解決に活用されることを目的として開催 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 3

医薬分業対策委員会 院外処方箋の発行推進 ( 受取率 UP) 70% を超える受取率 医薬分業の質の向上 個別最適化 地域包括ケアシステム地域の医療資源 すべての医薬品 衛生材料の供給拠点 患者のための薬局ビジョン実現のための KPI 服薬情報の一元的 継続的把握 24 時間対応 在宅対応 医療機関等との連携 薬学的管理 指導 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 4

重複投薬 残薬 ポリファーマシー 副作用の早期把握と防止患者のための薬局ビジョン実現のためのKPI 医薬分業対策委員会 服薬情報の一元的 継続的把握 電子版お薬手帳 電子薬歴 ICT を用いた地域医療連携 薬剤師資格証 HPKI 薬学的管理 指導 プレアボイド ヒヤリ ハット事例収集 疑義照会 処方提案 医師へ患者の服薬情報等の提供 ( 文書提供 ) 来局者の受診勧奨 ( 状態を示す文書提供 ) 検査値 疾病名等の患者情報 ( 受取実績 ) 24 時間対応 在宅対応 地域包括システムへの参画 医療機関等との連携 健康サポート薬局研修を修了 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 5

来局者向け資材 ( 平成 29 年度薬と健康の週間 ) ポスターチラシ ( 表裏 ) 6 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 6

http://www.nichiyaku.or.jp/kakaritsuke/ Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 7

http://nichiyaku.info/member/e_video/default.html Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 8

Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 9

Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 10

目的 薬と健康の週間 全国統一事業を契機に かかりつけ薬剤師 薬局 の一層の定着を図る一斉行動の一環として ポスター チラシの啓発資材に加え 来局者 患者への声かけをするきっかけとして活用されることを目的としている カードの仕様 名刺サイズの出力を推奨とする両面カラー 片面印刷も可能 提供方法 困りごとカードを作成 本会ホームページ ( 会員向けページ ) を経由した電子媒体での提供 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 11

困りごとカードのデザイン ( イメージ ) 表 裏 定型メッセージ (4 パターン ) 1 飲む薬が多くて困っていませんか? まずは薬剤師にご相談ください 2 どのクスリが良いのかな? 薬剤師にご相談ください 3 使い方など 不安な点やご質問はございませんか? 4 お子さんへの薬の飲ませ方 困っていませんか? 薬剤師にご相談ください そのほか 自由にメッセージを設定できるデザインも用意している Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 12

地域医療 保健委員会 地域包括ケアシステムの実現へ向けて 2025 年 ( 平成 37 年 ) を目途に 高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで 可能な限り住み慣れた地域で 自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう 地域の包括的な支援 サービス提供体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 13

Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 14

健康サポート薬局に常駐する薬剤師の資質 健康サポート薬局に常駐する薬剤師の資質 ( 施行通知より ) 常駐する薬剤師の資質 ( 基準告示三関係 ) 1 要指導医薬品等及び健康食品等の安全かつ適正な使用に関する助言 健康の維持増進に関する相談並びに適切な専門職種又は関係機関への紹介等に関する研修を修了し 一定の実務経験を有する薬剤師 ( 以下 研修修了薬剤師 ) が常駐していること 2 一定の実務経験については 過去に薬局の薬剤師としての経験が 5 年以上あるものとすること 研修の提供者は 研修の修了証を発行する際に確認するものとすること 3 研修修了薬剤師は 研修修了後も健康サポートに関する知識の習得に努めること 4 研修修了薬剤師は かかりつけ薬剤師としての役割が果たせるよう 当該薬局で業務を行っている薬剤師であること また 認定や研修を積極的に受けるなど自己研鑽に努めること ( 以下略 ) 研修実施機関の一つとして 日本薬剤師会 日本薬剤師研修センターが合同で研修を実施 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 15

健康サポート薬局の基準 ( 主なもの ) (1) 関係機関 とあらかじめ連携体制を構築 医療機関 地域包括支援センター 訪問看護ステーションのほか 健診や保健指導の実施機関 市町村保健センターその他の行政機関 介護保険法における介護予防 日常生活支援総合事業の実施者等 (2) 人員配置 運営 1 相談対応や関係機関への紹介に関する研修を修了した薬剤師が常駐 2 平日働く社会人も相談できるよう 土日も一定時間開局 3 地域住民の健康の維持 増進を具体的に支援 薬剤師のお薬相談会 健診の受診勧奨 認知症の早期発見 医師や保健師と連携した糖尿病予防教室 管理栄養士と連携した栄養相談会など (3) 医薬品等の取扱い 設備 1 2 3 要指導医薬品等 衛生材料等を適切に選択できるような供給機能や助言の体制プライバシーに配慮した相談窓口を設置健康サポート機能を有する旨やその内容を薬局内外に表示 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 16

平成 29 年度健康サポート薬局研修開催予定一覧 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 17

ロゴ ( 一例 ) 基本形 呼びかけ文セット Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 18

一般用医薬品等委員会 三委員会合同全国会議における一般用医薬品等 関連の主な議題 1. 職業倫理と法令順守 2. 医薬品販売制度実態把握調査 の示すもの 3. 薬剤師法第 1 条の示すもの 4. すべての医薬品の供給拠点として Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 19

医薬品販売制度実態把握調査結果概要 ( 平成 28 年度 ) 1. 名札等による専門家の区別 2. 要指導医薬品 (1) 購入者が使用者本人であることの確認 2. 要指導医薬品 (3) 文書による情報提供の有無 (2) 使用者の状況の確認 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 20

3. 第 1 類医薬品 (1) 文書による情報提供の有無 (2) 情報提供を行った者の資格 (3) 相談 * に対し適切な回答はあったか (4) 相談に対応した者の資格 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 21

参考 要指導医薬品 一般用医薬品販売の確認リスト Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 22

一般用医薬品等委員会 薬剤師の臨床判断に基づく要指導医薬品 一般用医薬品の適正な販売等に関する研修会 研修会の狙い 開催予定 : 平成 30 年 2 月 25 日 ( 日 ) 12:00~16:30 1. 一般用医薬品等で対応可能と判断された来局者に対して 適切な一般用医薬品等の選定を行うための能力を養う ( 薬剤師の臨床判断をベースに ) 2. 講義や SGD 等をとおして さまざまな観点から対応 ( 一般用医薬品や養生法等 ) ができることに理解を深める 3. 症例検討などを踏まえて 薬局に備蓄すべき一般用医薬品等について理解を深める Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 23

三委員会合同全国会議 におけるスモールグループディスカッションでの意見 参加者によるグループディスカッションを実施 ( 全 18 グループ ) テーマごとに実際の取組事例や今後の検討課題を情報交換 テーマは3つ 1 医薬品の供給拠点 2 地域包括ケアシステムにおける薬局 3かかりつけ薬剤師 薬局の普及推進 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 24

テーマ 1 医薬品の供給拠点主な課題や取組事例 ( 一例 ) 課題 薬は薬剤師に相談し購入する という意識を持ってもらうための啓蒙が重要 政令指定都市ということで基準が厳しい 収益確保のため OTC 薬販売よりも処方箋調剤に重きをおく薬局が多い 来局者とコミュニケーションできていない ( トリアージ以前の問題 ) 陳列スペースがないというのは言い訳 OTC 薬に関心がなく 研修会を開催しても参加者が少ない OTC 薬期限切れの問題や返品がネックとなり取り扱いが進まない 取組 製薬企業とタイアップして品目を絞ってセット販売を実施 OTC の期限切れ対策として薬局間での備蓄の共有実施 ICT の活用 薬局のモチベーションアップを図る取組の充実 強化 健康サポート薬局以外で調剤と OTC を両立している薬局の先生に話してもらうことで情報共有を図ることを実施 OTC メーカーに講習をしてもらい啓発に努めている ICT 活用して情報共有できる支部の人材育成を実施している Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 25

テーマ 2 地域包括ケアシステムにおける薬局主な課題や取組事例 ( 一例 ) 課題 健康サポート薬局に興味を示さない薬局が多い 県内市町村の地域ケア会議に出席させており 薬剤師の参加は多職種から好評である一方 午前中開催が多く参加しづらいほか 参加可能薬局が限られることも課題 地域ケア会議派遣薬剤師を支部毎に担当者を決めているが 派遣薬剤師以外の関心が低く 時間的にも出席が難しい 地域全体で医療材料の供給拠点の役割を整備できたらよい 地域包括ケアシステムを確立することで薬局が疲弊してくる 取組 地域ケア会議に呼ばれたときに意見を言える薬剤師を育てるために模擬会議を開催 健康サポート薬局の基本的理解を目的とした研修会の実施 他職種の団体と業務協定を結ぶなど 事業展開の幅を広げる活動を行っている 骨折をテーマに医師会と連携して 薬局で受診勧奨を行った後のフィードバックを行ってもらう取り組みを始めている 地域医療連携情報ネットワークへの積極的に参加 地域ケア会議へ薬剤師を派遣するシステム作り ( 薬剤師の売り込み ) Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 26

テーマ 3 かかりつけ薬剤師 薬局の普及推進主な課題や取組事例 ( 一例 ) 課題 地域で 24 時間対応できる輪番制を導入するも なかなかうまくいかない かかりつけ薬剤師指導料 といわゆるかかりつけ薬剤師の理念と乖離している 患者 / 来局者における かかりつけ薬剤師 の認知度が低く 定着してない かかりつけ薬剤師以外の薬剤師への業務のしわ寄せ 普及啓発の事業 ( 県主体等 ) は単年度事業が多いので 継続的な視点で取り組める事業メニューを考えることが大切 地域のイベント 薬薬連携 その他事業を実施するにあたり人材の確保が課題 取組 退院時カンファレンスには参加できなくても 退院時に知らせてもらい なるべく早い時期に訪問する仕組み作り ( 専用ダイヤル設置や事務職員対応 ) 薬局間や医療機関も確認できる各薬局の在庫リストを作成 ( 後発医薬品使用促進の際の医師向けの説明に活用 ) 医師 / 薬剤師を対象とした後発医薬品に関する研修 健康サポート機能強化のための機器の貸し出し ( リース 買い取り ) 企業に卒煙指導 地域で生活習慣対策 Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 27

終焉を迎えた? 調剤に特化した薬局のモデル 患者のための薬局ビジョン 立地優先 健康寿命延伸策 薬局 機能優先 地域包括ケアシステム 健康問題の FirstAccess の場 薬局がいかに医療 介護への貢献を果たすか Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 28

Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 29

薬剤師行動規範 昭和 43 年 8 月 26 日薬剤師倫理規定制定 平成 9 年 10 月 24 日薬剤師倫理規定改定 平成 30 年 1 月 17 日薬剤師行動規範制定薬剤師は 国民の信託により 憲法及び法令に基づき 医療の担い手として 人権の中で最も基本的な生命及び生存に関する権利を守る責務を担っている この責務の根底には生命への畏敬に基づく倫理が存在し さらに 医薬品の創製から 供給 適正な使用及びその使用状況の経過観察に至るまでの業務に関わる 確固たる薬 ( やく ) の倫理が求められる 薬剤師が人々の信頼に応え 保健 医療の向上及び福祉の増進を通じて社会に対する責任を全うするために 薬剤師と国民 医療 介護関係者及び社会との関係を明示し ここに薬剤師行動規範を制定する 1. 任務薬剤師は 個人の生命 厳及び権利を尊重し 医薬品の供給その他薬事衛生業務を適切につかさどることによって 公衆衛生の向上及び増進に寄与し もって人々の健康な生活を確保するものとする 2. 最善努力義務薬剤師は 常に自らを律し 良心と他者及び社会への愛情をもって保健 医療の向上及び福祉の増進に努め 人々の利益のため職能の最善を尽くす 3. 法令等の遵守薬剤師は 薬剤師法その他関連法令等を正しく理解するとともに これらを遵守して職務を遂行する 4. 品位及び信用の維持と向上薬剤師は 常に品位と信用を維持し 更に高めるように努め その職務遂行にあたって これを損なう行為及び信義にもとる行為をしない 5. 守秘義務薬剤師は 職務上知り得た患者等の情報を適正に管理し 正当な理由なく漏洩し 又は利用してはならない 6. 患者の自己決定権の尊重薬剤師は 患者の尊厳と自主性に敬意を払うことによって その知る権利及び自己決定の権利を尊重して これを支援する 7. 差別の排除薬剤師は 人種 ジェンダー 職業 地位 思想 信条及び宗教等によって個人を差別せず 職能倫理と科学的根拠に基づき公正に対応する 9. 学術発展への寄与薬剤師は 研究や職能の実践を通じて 専門的知識 技術及び社会知の創生と進歩に尽くし 薬学の発展に寄与する 10. 職能の基準の継続的な実践と向上薬剤師は 薬剤師が果たすべき業務の職能基準を科学的原則や社会制度に基づいて定め 実践 管理 教育及び研究等を通じてその向上を図る 11. 多職種間の連携と協働薬剤師は 広範にわたる業務を担う薬剤師間の相互協調に努めるとともに 他の医療 介護関係者等と連携 協働して社会に貢献する 12. 医薬品の品質 有効性及び安全性等の確保薬剤師は 医薬品の創製から 供給 適正な使用及びその使用状況の経過観察に至るまで常に医薬品の品質 有効性及び安全性の確保に努め また医薬品が適正に使用されるよう 患者等に正確かつ十分な情報提供及び指導を行う 13. 医療及び介護提供体制への貢献薬剤師は 予防 医療及び介護の各局面において 薬剤師の職能を十分に発揮し 地域や社会が求める医療及び介護提供体制の適正な推進に貢献する 14. 国民の主体的な健康管理への支援薬剤師は 国民が自分自身の健康に責任を持ち 個人の意思又は判断のもとに健康を維持 管理するセルフケアを積極的に支援する 15. 医療資源の公正な配分薬剤師は 利用可能な医療資源に限りがあることや公正性の原則を常に考慮し 個人及び社会に最良の医療を提供する 8. 生涯研鑽薬剤師は 生涯にわたり知識と技能の水準を維持及び向上するよう研鑽するとともに 先人の業績に敬意を払い また後進の育成に努める Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 30

薬剤師の仕事とは 薬剤師の任務 第一条薬剤師は 調剤 医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて 公衆衛生の向上及び増進に寄与し もつて国民の健康な生活を確保するものとする Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 31

ご清聴ありがとうございました Japan Pharmaceutical Association All Rights Reserved 32