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H26関ブロ美術プレ大会学習指導案(完成版)

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

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1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

ICTを軸にした小中連携

○年○組 □□科学習指導略案

第 学年 組 図画工作科学習指導案

<ICTの活用 > 第 3 時でデジタルカメラを使い子ども達の制作途中の作品を撮影し, 大型テレビを活用して提示する 道具の使い方の工夫を分かりやすく示したり, 作品の面白さを紹介したりすることで 自分の作品にも取り入れてみたい という活動への意欲付けになると考える 2 題材の目標 粘土を切ったりけ

理解させた上で活動させたい 児童たちの意欲を大事にし 自分の思いが自信を持って伝えられ 鑑 賞することの楽しさを十分味わわせたいと考える また お互いの考えを素直に受け入れられるよう な温かい雰囲気の授業にしていきたい (2) 本題材を指導するにあたって本題材は 絵をよく見て 絵について友だちと話し

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

H30全国HP

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

○ ○ 科 学 習 指 導 案

平成 30 年 4 月 1 日 平成 30 年度 第 70 回 日本連合教育会研究大会 桐生大会 大会主題 分科会研究協議題 等 Ⅰ 大会主題及び大会主題設定の趣旨 Ⅱ 分科会研究協議題 研究協議題設定の理由 研究協議の視点 (1) 第 1 分科会国語 (2) 第 2 分科会 社会 (3) 第 3

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

表紙

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○ ○ 科 学 習 指 導 案

4 目標及び評価規準 (1) 目標 光源 材料や身近な場所 空間の特徴をもとに 思いついたり つくり方を考えたりして活 動することができる (2) 本題材における [ 共通事項 ] 光と影の効果を試しながら 形や色 奥行きなどの造形的な特徴をとらえ それらをもとに 活動のイメージをもつ (3) 本題

美術726


○ ○ 科 学 習 指 導 案

乳児期からの幼児教育について 大阪総合保育大学 大方美香

○ ○ 科 学 習 指 導 案


Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

ある 19 % 時々ある 46 % あまりない 31 % ない 4 % 質問 4 どんな活動が好きですか ( 複数回答 ) 風景画などを描くこと 35 % デザイン画を描くこと 48 % 粘土や木などでつくること 36 % 鑑賞 ( 作品鑑賞 ビデオ鑑賞 画家の作品を鑑賞 ) 13 % 質問 5 床

指導に当たっては, 作品に対する解釈は開かれていることから, 子供たちがそこから何を感じどのように考えたか, 子供の思いを大切にしたい そのために, 子供が自分の感じたことを進んで話したり, 友達の思いに興味を持って聞いたりできるような雰囲気づくりに努めることが大切である 自分と異なった捉え方や感じ

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

5. 単元指導目標単元の目標 ( 子どもに事前に知らせる ) 三角形を辺や角に目をつけて分類整理して それぞれの性質を見つけよう 二等辺三角形や正三角形のかき方やつくり方を知ろう 二等辺三角形や正三角形の角を比べよう 子どもに事前に知らせる どうまとめるのか 何を ( どこを ) どうするのか (

中学校学習指導要領解説美術編

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3. ➀ 1 1 ➁ 2 ➀ ➁ /

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課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

第2学年 美術科学習指導案

項目評価規準評価方法状況 C の生徒への対応 関心意欲態度 1 自の考えを持ち 積極的に交流 討論している 2 自らの言葉で 中学生にかりやすく紹介文を書こうとしている 交流 討論で得た仲間の意見を取り入れて 自らの考えを深めるよう促す 参考例を示したり 書き出しを例示したりして 参考にするように指

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

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消費者教育のヒント集&事例集

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

第5学年  算数科学習指導案

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国語科学習指導案様式(案)

題材について 本題材は, 小学校学習指導要領図画工作第 5 学年及び第 6 学年の内容 A 表現 (2) を受け, 特にア 感じたこと, 想像したこと, 見たこと, 伝え合いたいことから, 表したいことを見付けて表すこと, 共通事項 イ 形や色などの造形的な特徴を基に, 自分のイメージをもつこと に

平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

6. 調査結果及び考察 (1) 児童生徒のスマホ等の所持実態 1 スマホ等の所持実態 54.3% 49.8% 41.9% 32.9% % 78.7% 73.4% 71.1% 76.9% 68.3% 61.4% 26.7% 29.9% 22.1% % 中 3 中 2 中 1

詳細に伝えるためにインタビューやアンケートを実施して情報を収集したりする活動を設定することにする 整理する 場面では,CM のテーマをもとに集めた情報の中から伝えたいことが受け手にしっかりと伝えることができる情報を選択する また, 選択肢した情報を加工しながら, 伝えたいことが伝わりやすい CM の

H27 国語

41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

自己決定の場を設定する 自己存在感を持たせる 共感的な人間関係を育成する準備活動のどの場面で どの子どもを生かすのか 見通しを持って授業に臨む 導入の場面する 深める場面り返りの場面2 確かな学力の育成 複雑で変化の激しい現代社会に子どもたちが主体的に関わり よりよい社会を創造していくためには 一人

第 学年 組 図画工作科学習指導案

Taro-自立活動とは

4 学習指導案 第 5 学年 1 組図工科学習指導案 1 題材名 4 コマで考えて交流しよう 平成 21 年 10 月 15 日 在籍児童数 32 名 2 題材について (1) 児童の実態本学級の児童は図工が大好きである ほとんどの子が夢中になって作品づくりに取り組んでいる しかし どんどん進められ

教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

(2) 指導の実際 1 話すこと 聞くこと の実践ア協働による教材研究の柱 モデルの提示について対話のためのスキルの定着や対話の深まりを目指し, 教師や代表グループによる対話のモデルを提示し, 気付いたことや発見したことを基に自分たちの対話や話合いの様子を振り返らせ, 学びの充実を図るようにする 共

エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

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分もあり まずやってみて動きを修正していくことで ある程度まではできしかし 少し難易度の高い課題になると 論理的に考え 見通しを持ってプログラムをつくっていく必要があ今回は 二人で一台のノートパソコンを使用し 相談しながら車の動きを制御していく フローチャートで表現す二人で相談す考えたことを発言する

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人権教育の推進のためのイメージ図

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

日本・OECD共同イニシアチブプロジェクトの取組報告1 (岸学 東京学芸大学名誉教授)

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P5 26 行目 なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等の関係から なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等から P5 27 行目 複式学級は 小規模化による学習面 生活面のデメリットがより顕著となる 複式学級は 教育上の課題が大きいことから ことが懸念されるなど 教育上の課題が大きいことから P

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

鑑賞活動において鑑賞の視点を明確にせずに感想を書かせると 造形的な視点のない感想文に陥ってしまうことがある 仏像の鑑賞では 顔の表情やポーズなどから受ける印象などを語っていくことが大切であり そのためには 言葉で考えさせ整理させることが重要である 知識の習得にとどまらず 自分の感性で自由に感じ取らせ

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

2 具体的な指導内容について 各教科等を合わせた指導 としては これまで 特別支援学校 ( 知的障害 ) において 日 常生活の指導 生活単元学習 遊びの指導 作業学習 等が実践されています 1 日常生活の指導 日常生活の指導は 児童生徒が毎日の生活で繰り返す様々な活動を 日常の生活の流れにそって働

農山漁村での宿泊体験活動の教育効果について

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第4章 道徳

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実践 報告書テンプレート

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教育研究グループ報告書

作品の情景をよりわかりやすく伝える手だてともなる 指導にあたって 1 では まず 俳句は17 音で作ることや季語を入れることと言ったきまりをおさえる そして 教科書の例を読み 想像した情景や作者の思いを想像し 良いと思うところ 工夫されていると思うところを発表できるようにする 2 の俳句を作る場面で

○数学科 2年 連立方程式

共通事項 (1) A 表現 及び B 鑑賞 の指導を通して, 次の事項を指導する ア自分の感覚や活動を通して, 形や色などをとらえること イ形や色などを基に, 自分のイメージをもつこと A 表現 (1) 造形遊び の評価規準に盛り込むべき事項 造形への関心 意欲 態度発想や構想の能力創造的な技能 身

いろいろな衣装を知ろう

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絵画・デザインの授業アイディア

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

総合的な学習の時間とカリキュラム・マネジメント

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県和歌山市 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

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平成21年度 美術科主任研修会

新しい幼稚園教育要領について

解答類型

Transcription:

1 5 9 3 つなぐ あ あの方法が使えそう つなぐ 力は 学んだことを他に生かしていく力 身につけた力を生きてはたらかせる力 でもある 各題材で育んだ心や力を他題材や他教科 道徳 日常生活ともつなぐように工夫し たい つなぐ力を生み出すためにも教育課程の効果的な編成は重要である 授業での ふりかえり は子供自らが 自分の学びについて再度考えることでもある この 積み重ねは 子供が自らの手で学びをつなげていく力をつけていくことにつながる ふりか える 行為は学年が進むにつれて思考力 判断力が高まることから重要度を増していく 写真は 小学校3年生が 工作を始める前に 教師が これまで やってきたこと を ふりかえる場を作った 例である これは教師が子供の 学 び をつなげた事例である 写真は 中学校3年生が 卒業制作 に取り組んで いる様子であるが それぞ れが自分の表したい主題に 基づいて 絵画や彫刻など に取り組んでいる場面であ る 義務教育の集大成の授 業であるため自由に表現し ているが これはそうなる ために教育課程の編成で学 びをつなげているためであ る 教育課程を編成するということは教科の目標や学年の目標を達成するために 題材 を設定 していくということでもある それぞれ題材は切り離して考えるのではなく 題材と題材をど うつなげていくかは大切なことである 学んだ力がどんどんつながるような教育課程を編成し たい なお 教育課程の編成にあたっては 子どもの発達特性を踏まえておくことが必要で その年齢だからこそ 表現できるものを大切にしたい ただし 発達特性にしばられすぎるこ とは新たな弊害を生む 目の前の子どもを 発達特性 というフィルターを通して見てしまう からだ

1 6 3 3 創造的な技能 7 比べる あれ 目が大きくなりすぎたみたい ここはどうしたらもっとそっくりになるのかなあ 一般的には1 0歳前後から ホンモノみたいに描いてみたい という欲求 個人差が 大き い が生まれてくると言われている この欲求に答えるために 教師として どう支援してい くか シンプルかつ効果的なのは 比べる力 を育てることである 色や形を客観的にとら えるとき 頭の中では形の位置や大きさ 量 長さ 角度や色の微妙な違いなど様々な比較が なされている 比べる ことは表現活動の中での知的な活動である この 比べる ことの 繰り返しによって 客観的な表現が出来るようになっていく バランスをとる ということ と複合的に発揮させる力である 見て本物らしく客観的に 描く力は 子供が本気で本 物らしく描きたいと思った 時 に 教 師 が 比 べ る という行為を促すことで 身につけられる 長さな 面性 角度 陰影など 自 分の描いたものと本物とを 比べ 修正を加えながら描 いていくと良い 自画像 などでは 教師 も形を少しでも正確に捉え られるよう 方法や手順を 示すことが多いが その前 に生徒自身が自画像を描く ことに価値を感じているこ とが重要である 描きたい 気持ちがあると自ずと 比 べる ということを意識し 自ら高める

1 6 5 9 バランスをとる ここの色が強すぎるみたいだ どうも この部分が物足りないなあ かいた形 構図 色彩のなどの調和を生み出すためにバランスが大切である 美を追求する とき 統一と変化 や 全体と部分の関係 などが重要であると言われている これは 言い 換えると全体のバランス 調和の問題である この力は制作途中の作品を はなれて見る ことによって引き出しやすい 教師 ちょっと 手をおいて 作品から離れて見てください 子ども 離れてみて あれ 何だか ここが 大きすぎるみたいだ ここを直そう 教師から指摘されて形を直すのと子ども自らが気付き 自分で直すのとでは 学びの質は大き く違ってくる はなれて見る ただ それだけのことなのだが 非常に効果的である 絵を 作品として意識しだす小学校中学年以降に有効である 自分の描いた絵について 意見を求めている場面であ る 作者は離れて見てもら えるように絵を持っている ことに注目したい 全体的 な印象や全体の調和 バラ ンスを見て欲しいからであ る 日頃から離れて見てバ ランスを考える習慣がある こそである 時は大きな画面いっぱい を使って 絵の具を使って 描くということを楽しませ たい その結果を幼稚園で 展示して保護者とともに鑑 賞する 絵画表現を通して 画面全体のバランをとらえ る力もつく

1 6 6 1 0 山崎 子供の造形表現を通して育みたい力 使う わっー きれない色ができた なるほど こうすれば怪我をしないんだ そんな方法があるんだ 様々な表現技法や色 形 材に関する基礎知識 体験 を自分の表現意図にあわせて使う力 自分のを こうしたい と思ったときに最も効果的生きる力 表現技法 安全な道具の使い方も含め は教えるもの 育てるものがある 技法は子どもの中に必要感 必然性があってこそ 生きてはたらく力となる 本当に必要で あれば子どもは 技 を生み出す 子どもは必要があれば 工夫 をする 道具を 使う 力をつけ るためには 安全指導も含 めて きちんと教えなくて はいけないものもある 近 年の小学校 中学校の図工 美術の教科書では 全社 が教えるべきことが明確に 示しているので活用したい 水彩絵具で絵を描く上で パレットの使い方も指導し たいが ややもすると色を 並べることそのものが目的 化しがちであるが 色を作 りたくなる 水加減を工夫 したくなるような授業が あってのことである 指導 要領では小学校3年生以降 となっている

1 6 7 4 鑑賞の能力 1 1 感じとる これをつくった人の気持ちや考えを想像したら それがいかにす ごいことであるかがわかりました こんな身近なところにも美しさがあるんだなあ 子供の日常生活はさまざまなモノがあふれている しかし ややもすると消費社会の中に埋 没し 流行に流されることもある また身近な生活の中にあるよさや美しさに気がつかなかっ たりということもある 鑑賞や表現などの豊かな体験の積み重ねが子供の中の 感じとる 感 性を鋭敏にしていく また長い年月をかけて受け継がれて来ている伝統文化など価値ある物に出会わせる そこに 鑑賞の大切な役割がある このような活動を通して価値観 美意識を更新していく 社会科 の中でも扱う美術との違いもおさえたい 名画や級友の作品だけが鑑賞の対象ではない 道ばたに咲いている花からも美を感じとるよ うな感性を大事にし より豊かに育てていきたい どのようなものを鑑賞の 題材とするか 感じ取った ことが日常化するようなも のも好ましい この鑑賞で は 自然のよさや美しさな どを画家の目を通して感じ 取っている場面である 対話による意味生成的な 美術鑑賞 という探究的な 鑑賞の方法が普及している 子供が積極的に作品を鑑 賞することがわかってきて いることから 普及してき ている方法である

1 6 9 1 3 他者理解 私は この絵が好きだなあ というのは 自分の絵にはそんなよさがあったのか ここでいう他者理解とは作者に対す理解と鑑賞を通して知る級友への理解の二つがある 美術はコミュニケーションのための優れたツールである 他者を理解する経験の積み重ねは 美術のおもしろさを味わうとともに表現への意欲を生み出す 対話による鑑賞 対話による意味生成的な美術鑑賞 の授業などでは 他者の感想を聞 きながら自分の感じ方が広がったり 深まったりしていく さらに鑑賞活動を通して 言語能 力 も高まるよさもある また 一人一人が違うということを実感することにもなり 他者理解が深まる こうして生 まれる共感の感覚は学級づくり 人間関係づくりにも生きていく 級友の作品を鑑賞しあう ことで その人の感じたこ とや考えたことについて知 る こ う し た 世 の 中 に は 様々な価値観があることを 知る 他者理解が深まるこ とで受容的感覚が育つ 表現の過程でさりげない 会話も大切にしたい 結果 として作品を見て感じ取る よりも むしろ制作過程の 方が仲間から刺激を受け 自分の表現へすぐ生かせる こともある 学び合い ことは他者理解も促す