Security declaration

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第 4 回日豪外務 防衛閣僚協議 日本とオーストラリア : 平和と安定のための協力 共通のビジョンと目標 1. 玄葉光一郎日本国外務大臣, 森本敏日本国防衛大臣, ボブ カー オーストラリア外務大臣, スティーブン スミス オーストラリア国防大臣は,9 月 14 日にシドニーにおいて会談し, 地域的

の自由 妨げられない通商活動 自制と 1982 年の国連海洋法条約 (UNCLOS) を含む国際法の普遍的な原則に従った紛争の平和的手段による解決を推進することの重要性を強調した 我々は ARF や ASEAN 海洋フォーラム拡大会合等を通じた情報共有や能力構築を含む 海洋安全保障及び海上の安全に関

目次 1. 調査概要 Page 2 2. 回答者属性 Page 3 3. 問 1. 地球儀を俯瞰する外交 Page 4 4. 問 2. 日本の国連安保理非常任理事国としての取組 Page 5 5. 問 3. 東アジアの安全保障政策 Page 6 6. 問 4. 女性参画推進における国際的取組 WAW

HP掲載後微修正】日本側共同声明案和文

エチオピア 2017 年 2 月 エチオピアは FATF 及び ESAAMLG( 東南部アフリカ FATF 型地域体 ) と協働し 有効性強化及び技術的な欠陥に対処するため ハイレベルの政治的コミットメントを示し 同国は 国家的なアクションプランや FATF のアクションプラン履行を目的とした委員会

実であれば このように人命を盾にとって脅迫をするということは誠に許しがたく 強い怒りを覚えているという旨を発言をし そして防衛省としましても 防衛駐在官等を通じまして 情報収集に万全を期す所存である旨を伝えたところでございます そして わが国としてもテロに屈することなく 日英で協力をして 国際社会に

我が国の2015年安保理非常任理事国選挙 バングラデシュ対策(案)

この長期にわたる紛争に対する政治的解決を達成することとマグレブ アラブ連合の加盟国間の協 力の強化は 安定および安全 同様にサヘル地域の全ての人々のための仕事 成長および機会を導き出 すことに貢献するであろうことを認識し 国際連合西サハラ住民投票監視団 (MINURSO) を含む 全ての平和維持活動

平和維持活動業績資料を含む 平和維持活動の有効性に関する資料が 明快で十分に特定された達成条件に基づいて 派遣団の活動の分析と評価を改善するために用いられることを確保するという事務総長への安保理の要請を想起し 派遣団が その職務権限を効果的に実行するために必要とされる技能と柔軟性を保持するような M

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日本国とアラブ首長国連邦との間の戦略的パートナーシップの深化及び強化に関する共同声明 - 繁栄と安定に向けた協力の新たな章の幕開け- ( 和文仮訳 ) 2018 年 4 月 29 日から30 日の安倍晋三日本国総理大臣のアラブ首長国連邦訪問に際し 安倍総理大臣とムハンマド ビン ザーイド アール ナ

設問 6: あなたは普段どの程度国際的なニュースや情報に接しているか ( 注 ) この設問は2015 年より実施 (1) 毎日 (2) 週に2~3 回程度 (3) 週 1 回程度 (4) 月 1 回程度 8 8 (5)2~3ヶ月に1 回程度 2 3 (6)6ヶ月に

撃のリスクが 全ての地域と加盟国に影響する可能性があることに懸念を表明し 民間航空に対するテロ攻撃について深刻な懸念を表明しそしてそのような攻撃を強く非難し 民間航空が 外国人テロ戦闘員による輸送手段として用いられる可能性があることにまた懸念を表明し そして 1944 年 12 月 7 日にシカゴで

インド洋におけるテロ対策海上阻止活動及び海賊行為等対処活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案要綱

参考資料 1-1 本年次報告の位置付け サイバーセキュリティ戦略 (2015 年 9 月 4 日閣議決定 ) に基づく二期目の年次報告 2016 年度のサイバーセキュリティに関する情勢及び年次計画に掲げられた施策の実施状況を取りまとめたもの ウェブアプリケーション (Apache Struts 等

第 9 部 宇宙空間における制度的枠組 第 1 章 総 論 国際社会は 宇宙空間における軍事利用を禁止又は制限する幾つかの国際的な枠組みを既に作成してきている 例えば 1967 年に発効した宇宙条約は 宇宙を宇宙空間と月その他の天体とに分け 宇宙空間については 核兵器及び他の種類の大量破壊兵器を運ぶ

大綱コンセプトの変遷 初めて策定した 51 大綱 (1976 年策定 ) においては 自らが力の空白となって我が国周辺地域における不安定要因とならないよう 必要最小限度の防衛力を保有するという考え方 すなわち 基盤的防衛力構想 を採用 その後 東西冷戦の終結といった国際情勢の変化 より安定した安全保

テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案要綱

G7 ICT マルチステークホルダー会議からの成果を歓迎する 6. 我々は 2016 年 6 月 21 日から 23 日にかけてメキシコのカンクンで開催される イノベーション 成長及び社会の繁栄をテーマとした デジタル経済に関する OECD 閣僚級会合の成果に期待する 7. 我々は デジタル連結世界

防衛交流の基本方針について(通達)

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国際社会の平和 安定及び我が国の安全保障への寄与 に係る取組状況について 資料 6-1 サイバーセキュリティ戦略 (2018 年 7 月 27 日閣議決定 ) 政策目的 : 自由 公正かつ安全なサイバー空間を創出 発展させ もって 1 経済社会の活力の向上及び持続的発展 2 国民が安全で安心して暮ら

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これまでの G7 コミットメント及び持続可能な開発のための世界的な枠組み を定める 2030 アジェンダに沿って行動する必要性を認識しつつ, 我々 G7 首 脳は, 以下にコミットする 強靱な沿岸及び沿岸部コミュニティ 1. より良い適応計画, 緊急事態への備え及び回復の支援 我々は, 政策ギャップ

Microsoft Word - ★(ワードセット版)CONNEX基本指針

Microsoft Word 【日尼共同声明】和文仮訳

政策目標 5-2: 多角的自由貿易体制の維持 強化及び経済連携の推進並びに税関分野における貿易円滑化の推進 1. 政策目標の内容自由貿易の推進は我が国の対外経済政策の柱であり 力強い経済成長を実現するためには 自由貿易体制を強化し 諸外国の活力を我が国の成長に取り込む必要があるというのが 政府全体と

はじめに 日本の平和と安全を維持し その存立を全うすることは 政府 の最も重要な責務です また 日本の安全保障政策を高い透明性をもって示すことも政府が果たすべき役割です 日本は 戦後 70 年以上にわたり 平和国家として歩んできました 自由 民主主義 人権 法の支配を擁護し 地域そして世界の平和と繁

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よる 誓約 への留意 ( パラ 139) 核兵器使用の影響は瞬時又は長期的な結末をもたらし, それが以前理解されていたよりもずっと深刻であることを確認 ( パラ 140) あらゆる核兵器の使用による壊滅的で非人道的な結末に関する深い懸念は, 核軍縮分野における努力を下支えし続けるべき鍵となる要因であ

( 別紙 ) 国家安全保障戦略 Ⅰ 策定の趣旨政府の最も重要な責務は 我が国の平和と安全を維持し その存立を全うすることである 我が国の安全保障 ( 以下 国家安全保障 という ) をめぐる環境が一層厳しさを増している中 豊かで平和な社会を引き続き発展させていくためには 我が国の国益を長期的視点から

れにMINUSTAH 軍事部門司令部において行われる企画及び調整の分野並びに我が国のMINUSTAHに対する協力を円滑かつ効果的に行うための連絡調整の分野における国際平和協力業務を行わしめるとともに 自衛隊の部隊等により ハイチ地震の被災者の支援等の分野における国際平和協力業務を実施することとする

★EU集計表タイプ公表資料

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地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UNCE-GGIM) 報告 2012 年 8 月ニューヨークで第 2 回の地球規模の地理空間情報管理に関する国連専門家委員会 (UN Committee of Experts on Global Geospatial Information Ma

Microsoft Word - ★日越共同声明日本語仮訳(最終版)

各平和維持活動および特別政治ミッションの職務権限は 関係国の必要性および状況に応じて特異 であることを認識し 中立性 当事国の同意 国の主体性および国の責任の原則を再確認し また特別政治ミッションを 受け入れている諸国の見解および諸国との対話の重要性を強調し 受入国の警備機関はしばしば 治安問題につ

300

総 論

1 自衛隊に対する関心 問 1 あなたは自衛隊について関心がありますか この中から 1 つだけお答えください 平成 30 年 1 月 関心がある ( 小計 ) 67.8% 非常に関心がある 14.9% ある程度関心がある 52.9% 関心がない ( 小計 ) 31.4% あまり関心がない 25.9%

ANNUAL REPORT

新 日米防衛協力のための指針 ( ガイドライン )

日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁とフィリピン共和国労働雇用省との間の在留資格 特定技能 を有する外国人に係る制度の適正な運用のための基本的連携枠組みに関する協力覚書 ( 仮訳 ) 日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁 ( 以下 日本の省庁 と総称する ) 並びにフィリピン共和国労働雇

係を継続的に進展させていく上で重要であるとの認識で一致した Ⅱ. 経済自由貿易 5. 双方は自由で開かれた貿易の力強い支持者であり, 世界貿易機関 (WT O) やAPECなどの国際フォーラムへの積極的な参加者である 双方は, 貿易及び投資の自由化及び円滑化の前進並びに多角的貿易体制の支持への共通の

(日)Brig Gen Cornish Speech (J, final).docx

政府開発援助大綱 平成 15 年 8 月 29 日 外務省経済協力局

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自衛隊の補給支援活動に関する特別世論調査 の要旨 平成 21 年 3 月内閣府政府広報室 調査時期 : 平成 21 年 1 月 22 日 ~2 月 1 日調査対象 : 全国 20 歳以上の者 3,000 人有効回収数 ( 率 ):1,684 人 (56.1%) 1 補給支援活動の認知度 平成 21

2019 年度予算 ( 案 ) 概要 平成 30 年 12 月内閣官房

経済成長, 雇用創出及び信認を強化するため我々の財政戦略を機動的に実施し, 及び構造政策を果断に進めることに関し,G7 が協力して取組を強化することの重要性について合意する 我々は, 成長, 生産性及び潜在産出量を増加するために構造改革を進展させること並びに構造的な課題への対処に際して自ら模範を示す

2025 年 /2050 年の主要国 GDP Goldman Sachs [2007] Source: Goldman Sachs, N 11: More than an Acronym (2007)


安全保障会議 ( 現行 ) の概要 ( 構成 ) 委員長 : 内閣官房長官 委 安全保障会議 ( 構成 ) 議長 : 内閣総理大臣 事態対処専門委員会 内閣総理大臣の諮問に基づき 以下の事項を審議 国防の基本方針 防衛計画の大綱 対処基本方針 武力攻撃事態 / 周辺事態等への対処 / 自衛隊法第 3

日本トルクメニスタン経済委員会・トルクメニスタン日本経済委員会

A: 最近の韓国での出来事だとか 日本での出来事などについて率直に意見交換をしたわけでございますが 私が感じたのは長官の話を通じて 韓国のこの平和と朝鮮半島の平和と安定 これは日本にとっても安全保障上 大変重要なことでございまして 韓国の防衛政策も伺えましたけど 非常にしっかりとしたものであります

日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁とカンボジア王国労働職業訓練省との間の在留資格 特定技能 を有する外国人に係る制度の適正な運用のための情報連携の基本的枠組みに関する協力覚書 ( 仮訳 ) 日本国法務省 外務省 厚生労働省及び警察庁 ( 以下 日本の省庁 と総称する ) 並びにカンボジア王国

平和安全法制などの整備法整備の経緯 図表 Ⅱ 閣議決定 の概要と法制整備 閣議決定 の項目 概要 法制整備 警察や海上保安庁などの関係機関が それぞれの任務と権限に応じて緊密に協力して対応す 治安出動 海上 1 武力攻撃に 至らない るとの基本方針の下 対応能力を向上させ連携を強化するな

第 1 章 2017 年の国際情勢と日本外交の展開日本が政治 安全保障及び経済上の国益を確保し 自由 民主主義 人権 法の支配といった基本的価値に基づいた 日本にとって望ましい国際秩序を維持 発展させていくためには 国際情勢の変化を冷静に把握し その変化に対応しながら 戦略的に外交を展開していく必要

の権利 包摂的な貿易 持続可能な開発並びに伝統的な知識を促進することの重要性並びに公共の利益のために締約国が規制を行う権利を有することの重要性を再確認すること並びに他の国又は独立の関税地域のこの協定への加入を歓迎することを決意して 次のとおり協定した 第一条環太平洋パートナーシップ協定の組込み1締約

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併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

自衛隊の新たな統合運用体制への移行計画 米軍の変革と世界的な態勢の見直しといった 日米の 役割 任務 能力に関連する安全保障及び防衛政策における最近の成果と発展を 双方は認識した 1. 重点分野 この文脈で 日本及び米国は 以下の二つの分野に重点を置いて 今日の安全保障環境における 多様な課題に対応

日米同盟:

ドーハ ラウンド交渉の一分野である貿易円滑化については 平成 26 年 11 月のWTO 一般理事会において 貿易円滑化協定に関する改正議定書 が採択され 今後 3 分の2 以上の加盟国が受諾した時点で本協定は発効することになりました 各 WTO 加盟国がこの協定を実施することにより 貿易規則の透明

TPT859057


【】中学社会公民:国際連合

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

★1207共同声明

日本産食品の輸入規制の撤廃の要請,3 原子力安全 ( 安全最優先の原子力発電所の再稼働,IRRSフォローアップミッション実施の要請,OSARTフォローアップミッション受入れ等 ),4 原子力の平和的利用 ( 平和と開発のための原子力 に係る天野事務局長の取組への支持, 本年 11 月の原子力科学技術

第6回国際課税DG 際D6-1

はじめに サントリーグループは 企業理念として定める 人と自然と響きあう と Growing for Good 及びサントリーグループ企業倫理綱領に基づき 安全 安心で高品質な商品 サービスをお届けするために 国連グローバル コンパクト 署名企業として公正 公平な取引を実施し サプライチェーン上のお

三衆議院議員稲葉誠一君提出自衛隊の海外派兵 日米安保条約等の問題に関する質問に対する答弁書一について1 我が国が安全保障理事会の常任理事国となるためには 国連憲章の改正が必要であるが 安全保障理事会の常任理事国は 国連憲章の改正についても いわゆる拒否権を有しており 一般的にいつて 国連憲章の改正に

I. 集団的自衛権 A. 集団的自衛権とは集団的自衛権は 国際連合の成立の際に 初めて国際法上で創設され 国連憲章第 51 条に明文化された権利である 具体的には 自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を 自国が直接攻撃されていないにもかかわらず 実力をもって阻止する権利 であり 日本政府もこの

第4日米同盟の強化同盟強化の基盤となる取組 第 2 節 第 2 節 同盟強化の基盤となる取組 1 同盟強化の経緯 日米両国は 1960( 昭和 35) 年の日米安保条 約締結以来 民主主義の理想 人権の尊重 法の支配 そして共通の利益を基礎とした強固な同盟関係を築いてきた 1978( 昭和 53)

間を検討する 締約国が提出した 貢献 は 公的な登録簿に記録される 締約国は 貢献 ( による排出 吸収量 ) を計算する また 計算においては 環境の保全 透明性 正確性 完全性 比較可能性及び整合性を促進し 並びに二重計上の回避を確保する 締約国は 各国の異なる事情に照らしたそれぞれ共通に有して

権の場合には政権発足後 13 か月目に QDR が発表されることとなる そのため 本来戦略文書の最上位文書にあるはずの NSS よりも早く QDR が公表されるという状況が発生していた ブッシュ政権最初の QDR が公表されたのは9 11テロ事件直後の 2001 年 9 月 30 日であったが 先制

憲章に従い 全ての国の主権 領土保全及び政治的独立への約束を強調するととも に 国際連合憲章の目的及び原則を想起し 事態の平和的かつ外交的な解決に対する要望を更に表明するとともに 対話を通じ た平和的かつ包括的な解決を容易にする理事国及びその他の加盟国の努力に対する 歓迎を改めて表明し 国際の平和及

Microsoft Word - 【セット版】 G7外相会合コミュニケ(仮訳)

2 目次 UN Women で働くこととは 3 UN Women とは UN Women について 4 日本と UN Women 5 UN Women の組織と業務 UN Women の組織 6 UN Women で働く日本人 7 UN Women で働くために 応募の実例 8 応募資格 求められる

仮訳 日本と ASEAN 各国との二国間金融協力について 2013 年 5 月 3 日 ( 於 : インド デリー ) 日本は ASEAN+3 財務大臣 中央銀行総裁プロセスの下 チェンマイ イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブ等の地域金融協力を推進してきました また 日本は中国や韓国を

平成 30 年度予算案の主な概要 ( 単位 : 億円 ) 区 分 平成 29 年度予算額 平成 30 年度予算案額 内閣所管 1, ,104.3 内閣官房 ( 主な内訳 ) 1. 情報通信技術 (IT) 総合戦略室 新型インフルエンサ 等対

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こうした私自身の中東に関する経験や, 中東の多くの友人から, これまで頂いた様々な貴重な助言を胸に私は外務大臣として, 中東の平和と安定の実現により深くコミットしていく考えをここに表明します 本日は, その基本的な考え方と新たなイニシアティブについてお話しします 2. 日本にとっての中東, 平和と繁

進展を遂げたと結論づける 1994 年から 2009 年までの間,APEC エコノミーによる物品の総貿易は年 7.1 パーセント増加した一方,APEC 域内の貿易は同期間に 3 倍の増加を示した APEC 地域への, また, 同地域からの海外直接投資は,1994 年から 2008 年までの間に, い

の理解と参加を促進し, 開発協力を支える社会的基盤をより一層広げ, 強化するために, NGO/ 市民社会 (CSO) との連携が推進されるべきことが謳われたところである 以上の経緯と背景の下に NGO と ODA の連携に関する中期計画 ~ 協働のための 5 年間の方向性 ~ が策定されることとなっ

「横浜宣言」に盛り込むべき要素(案)

前提 新任務付与に関する基本的な考え方 平成 28 年 11 月 15 日 内 閣 官 房 内 閣 府 外 務 省 防 衛 省 1 南スーダンにおける治安の維持については 原則として南スー ダン警察と南スーダン政府軍が責任を有しており これを UNMISS( 国連南スーダン共和国ミッション ) の部

キプロス概況 (2018 年 1-3 月 ) 1. キプロス問題 1 月 30 日国連安全保障理事会が UNFICYP のマンデートを 6 か月間 (201 8 年 7 月 31 日まで ) 延長する決議案を採択した 2. 内政 1 月 7 日北キプロス トルコ共和国 (TRNC) にて前倒し 総選

権 基本的自由および法の支配に対する尊重は 効果的なテロ対策措置と補い合いそして相互に強化し合い またテロ対策の好結果の成果に関して欠くことのできない部分であることを強調しまたテロリズムを効果的に予防し且つ闘うための法の支配に対する尊重の重要性を指摘し そしてこれらおよび国際連合憲章の下の義務を含む

条第一項に規定する国際平和協力業務の実施等に関する重要事項九自衛隊法 ( 昭和二十九年法律第百六十五号 ) 第六章に規定する自衛隊の行動に関する重要事項 ( 第四号から前号までに掲げるものを除く ) 十国防に関する重要事項 ( 前各号に掲げるものを除く ) 十一国家安全保障に関する外交政策及び防衛政

日仏外務・防衛相共同記者会見概要 26.1.9


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イラク共和国およびシリア アラブ共和国の独立 主権 統一並びに領土保全を再確認し そして 国際連合憲章の目的および原則を更に再確認し テロリズムはいかなる宗教 民族または文明と関連づけることはできずまた関連づけるべきではな いこともまた再確認し テロの脅威を妨げ 損ない 孤立させそして無能力にする

①180612_G7シャルルボワサミット結果報告(循環部会用セット)

第22回規制改革会議 資料3

Transcription:

安全保障協力に関する日英共同宣言 日本国と英国の両首相は, 日英両国は, 戦略的利益並びに自由, 民主主義, 人権及び法の支配といった基本的価値を共有するグローバルな戦略的パートナーであることを認識し, アジア及び欧州におけるそれぞれ最も緊密な安全保障上のパートナーとして, ルールに基づく国際システムを維持すべく指導力を発揮していくことにコミットし, 日英間の歴史的つながりを想起し,2012 年に署名された日英間の防衛協力に関する覚書及び外務 防衛閣僚会合における議論に基づく日英間の安全保障 防衛協力のめざましい進展を認識し, 法の支配に基づく海洋, 宇宙, サイバー空間への自由で開かれたアクセスは, インド太平洋地域を含む国際社会の安定と繁栄の基礎であることを確認し, 日英両国はそれぞれ, アジア及び欧州における米国の最も緊密な同盟国であること, また, 基本的な価値若しくは利益, 又は両方を共有するパートナー, 友好国及び米国を含む同盟国との協力を強化する戦略的なコミットメントを共有していることを認識し, 日英両国にとっての安全保障上の課題は今や関連し合っており, 伝統的及び新たな種類の脅威に対して日英間の行動の更なる調整が求められていることを認識し, 日英間の安全保障協力の包括的な強化を通じ, 我々のグローバルな安全保障上のパートナーシップを次の段階へと引き上げることにコミットし, 次のとおり決定した 協力の強化日英両国は, 日本の国際協調主義に基づく 積極的平和主義 の政策と英国の グローバルな英国 というビジョンによりそれぞれ具体化された両国の世界的な展望に基づきつつ, グローバルな戦略的パートナーシップ及び協力を次の段階へと引き上げるコミットメントを再確認する 日英両国は, 世界において, 特に, 世界の安全保障及び繁栄におけるその重要性が認 識されているインド太平洋地域において, 協力を強化する 1

日英両国は, こうした共通の理解に基づき, ルールに基づく国際システムに対する共 通の戦略的課題に関し, 協力及びパートナーシップを強化する 1. 日英両国は, 法の支配に基づく国際秩序を維持する重要性を強調し, 力や強制により緊張を高めようとする, 又は現状を変更しようとするいかなる一方的な行動にも強く反対する 今日, 世界は, 北朝鮮の核 ミサイル計画による過去に例を見ない脅威に直面している 日英両国は, 協力して北朝鮮による不安定化を招く危険な政策と挑戦に反対する 我々は, 朝鮮半島の非核化及び国連安全保障理事会決議の厳格かつ完全な実施に向け, 両国の友好国及び同盟国と引き続き協働する 2. 日英両国は, それぞれの安全保障上の懸念に注意を払い, 地域情勢, 長期的戦略 及び国際的課題に関する適時の情報及び分析の交換並びに政策協調を推進する 3. 日本は, 今後あり得べき英国の空母の展開といった陸海空軍の派遣を通じたものを含む, アジア太平洋地域への英国の安全保障面での関与の強化を歓迎する 英国は, 国際協調主義に基づく 積極的平和主義 の政策の下での世界の安全保障に対する日本の積極的なアプローチを歓迎する 日本は, 共同演習のため, 自衛隊の人員, 航空機又は艦艇を英国へ派遣するあり得べき機会を検討する 4. 日英両国は, 二国間, 三国間及び多国間の枠組みを通じた共同演習の実施を強化 し, その定例化を探求する 5. 日本は, 五か国防衛取極 (FPDA) を通じたアジア太平洋地域の安全保障に対 する英国のコミットメントを歓迎する 6. 日英両国は, 最近締結された物品役務相互提供協定 (ACSA) に基づき, 後方 支援, 技術支援及び専門的な支援の相互提供に関する協力を強化する 7. 日英両国は,ACSA を土台とし, 日本国自衛隊と英国軍の間の共同運用 演習 を円滑にするため, 優先事項として, 行政上, 政策上及び法的な手続を改善する ための枠組みに取り組む 8. 日英両国は, 日本国自衛隊と英国軍の間の人的交流及び部隊間交流並びに共同訓 練 演習を推進する 9. 日英両国は, この分野での協力を強化するため, 防衛装備品及び技術の移転に関 2

する協定を活用する 日英両国はまた, 武器及び汎用品 汎用技術の輸出管理についても協力する 日英両国は, 武器貿易条約の共同提案国として, 同条約の普遍化及び履行を強く支持し続ける 10. 日英両国はまた, 軍縮 不拡散について協力し, 国際的な核軍縮 不拡散体制の 礎石として, 核兵器の不拡散に関する条約を支持する 11. 日英両国は, 海賊対策を含む海洋安全保障及び海上安全, テロ対策, サイバーセキュリティ, 人道支援 災害救援, ジェンダー, 平和維持活動といった分野における, 東南アジア, 南アジア及びアフリカの開発途上国の能力構築支援における具体的な連携並びに地雷除去に関する国際的なコミットメントの履行における具体的な連携を更に推進する 12. 日英両国は,2019 年のラグビー ワールドカップ,2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会その他の大規模行事に先立ち, テロ対策やサイバーセキュリティ等の分野において, 日本の警察庁と英国の内務省の間のパートナーシップを通じたものも含め, 政府全体での協力を強化する 13. 日英両国は, 既存の国際法の適用, 自発的で非拘束的な責任ある国家の行動に係る合意された規範, 信頼醸成措置及び能力構築措置から成る, サイバー空間のための国際的な安定の枠組みを促進し, 関連する国内法及び既存の国際法に従い, 適切な枠組みを通じ, 悪意のあるサイバー活動を抑止し, 軽減し, 原因を特定するため, 情報交換を含む協力を強化する 14. 日英両国は, 両国の能力強化のため, 人材開発を含むサイバーセキュリティにつ いての産業界及び学術界の協力を強化し, 支援する 15. 日英両国は, 宇宙活動に関する透明性の向上のための協力を継続するとともに, 全ての宇宙活動のための責任ある行動の規範を強化する 16. 日英両国は, 国際連合,G7 及びG20といった多国間枠組みにおける協力を継続する 日英両国は, 平和 安全アーキテクチャーの改革に関するグテーレス国連事務総長のイニシアチブを支持し, 国連改革プロセスを促進すべく協働する 特に, 国連安全保障理事会の改革について, 英国は, 常任及び非常任議席双方の拡大及び文書に基づく交渉の開始の重要性を認識しつつ, 日本の国連安全保障理事会常任理事国入りに対する強い支持を改めて表明する 17. 日英両国は, ベスト プラクティスの共有, 現代の奴隷制との戦いにおけるグロ 3

ーバルな取組及びオンラインの児童の性的搾取撲滅のための WePROTEC T 世界連携 への積極的な参加を通じたものを含め, 重大かつ組織的な犯罪に対処するための協働を継続する 協力の分野 日英間の安全保障協力の範囲は次を含むが, それに限定されない 1. 戦略的評価及び関連情報の交換 2. 共同演習 3. 国連平和維持活動を含む国際的な平和協力活動 4. 人道支援 災害救援 5. 海外開発 6. 防衛装備品 技術協力 7. 軍縮 不拡散, 武器及び汎用品 汎用技術の輸出管理 8. 開発途上国の能力構築 9. 海洋状況把握 (MDA) 及び海賊対策を含む海洋安全保障及び海上安全 10. 航空保安を含むテロ及び暴力的過激主義対策のための国際的協調活動 11. サイバーセキュリティ 12. 宇宙 13. 紛争下の性的暴力防止 14. 女性 平和 安全保障 15. 現代の奴隷制及びオンラインの児童の性的搾取を含む重大かつ組織的な犯罪との戦い 16. 大規模行事の安全 実施 1. 日英両国は, 上記の二国間安全保障協力に関する関係当局間の具体的な措置を伴う行動計画を策定する 2. 日英両国は, 外務 防衛閣僚会合, 外相戦略対話, 防衛大臣会合及び外務 防衛局長級協議を毎年開催する 3. 日英両国は, 行動計画のプロセスを監督することを含め, 双方の国家安全保障担当補佐官と国家安全保障局の間の協議を四半期に一度開催する 4. 日英両国は, 両国の開発途上国の能力構築支援に関する戦略と将来の協力の方向性を議論するため, 事務レベルの会合を開催する 5. 日英両国は, 上記の課題の遂行のため, 関係省庁 機関間で, 南アジア対話の立上げを含め, その他の事務レベル会合を継続する 4

東京,2017 年 8 月 31 日 日本国総理大臣 安倍晋三 英国首相 テリーザ メイ 5