熊本では生活ごみ 片付けごみの収集が課題に 道路上に集積された生活ごみ ( 可燃 不燃 ) 片付けごみ ( 家電 家具 ) 東日本大震災 ( 宮城県石巻市 ) でも想定外のごみ量への対応が課題に 道路上に集積された片付けごみ 平時からの収集体制では対応できない状態に 2

Similar documents
計画の位置づけ 本計画の位置づけは 図 1 に示すとおりです 災害廃棄物対策指針 に基づき 島根県が策定する災害廃棄物処理計画との整合を図りつつ 災害廃棄物処理に関する本市の基本的な考え方と具体的な対応方策を示すものです 災害発生時には 被害状況等の情報収集を行ったうえで 本計画に基づき災害廃棄物の

id5-通信局.indd

第 3 章 水害廃棄物編 水害廃棄物処理計画の趣旨 1 策定の基本的事項 近年 全国的に集中豪雨や台風等により多くの水害が発生しています 大規模な水害が発生した場合 一時的に大量の廃棄物 ( 以下 水害廃棄物 という ) が発生し 道路が通行不能となる等 平常時と同じような廃棄物の収集 運搬や処理が

このような周辺状況の変化に対応し 諸課題の解決を図るべく 基本法及び第三次循環型社会形成推進基本計画に沿って 廃棄物処理法やリサイクルの推進に係る諸法等に基づく制度の適切な実施と相まって 改めて大量生産 大量消費 大量廃棄型の従来の社会の在り方や国民のライフスタイルを見直し 社会における高度な物質循

1.1 阪神 淡路大震災環境省は 阪神 淡路大震災 ( 平成 7 年 1 月 17 日発生 ) の際に兵庫県及び神戸市の協力を得て 大気中の石綿濃度のモニタリング調査を実施した 当時の被災地における一般環境大気中 (17 地点 ) の石綿濃度の調査結果を表 R2.1 に 解体工事現場の敷地境界付近に

東日本大震災に係る災害等廃棄物処理事業の実地調査について

災害廃棄物処理計画概要版

大阪湾広域臨海環境整備センターは、昭和57年3月に設立されて以来、30年余りにわたって、全国で唯一の府県域を超えた広域的な廃棄物の適正な最終処分を海面埋立てにより行う「フェニックス事業」を地方公共団体及び港湾管理者と一体となって推進してきたところであり

目 次 1 計画策定の意義 1 2 基本的方向 2 3 計画期間 2 4 対象品目 各年度における容器包装廃棄物の排出量の見込み 4 6 容器包装廃棄物の排出の抑制の促進するための方策に 関する事項 5 7 分別収集をするものとした容器包装廃棄物の種類及び当該容器 包装廃棄物の収集に係る



<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

24 ごみ減量分野様式 2 ごみゼロをめざすまち 分野目標 1 ごみゼロ都市 なかの を実現するために 区民 事業者 区が連携して3Rの取組みを進め ごみの排出量が減少するまちをめざす 2 循環型社会を実現するために 資源の再使用 再生利用などの資源の有効利用が広がっているまちをめざす 成果指標 区

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF E894A8AFA8B7982D191E495978AFA82C982A882AF82E996688DD091D490A882CC8BAD89BB82C982C282A282C4816A48502E646F63>

防災業務計画 株式会社ローソン

ごみ焼却施設の用地設定

PowerPoint プレゼンテーション

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

家屋の被害状況 被害の状況 県名全壊半壊一部損壊 熊本県 8,528 棟 20,303 棟 84,125 棟 大分県 2 棟 61 棟 2,345 棟 宮崎県 - 2 棟 20 棟 福岡県 - 1 棟 230 棟 熊本県内 一般廃棄物処理施設の被害状況 平成 28 年 5 月 29 日現在 平成 2

Microsoft Word - 資料2 第二次報告の想定結果(概要)  最終(確定).doc

<593A5C926391CC81408AD68C575C8CB897CA90528B6389EF5C91E6388E9F5C91E63689F15F90528B6389EF E31312E31385C8E9197BF345F91E63689F12E646F63>

第6章 その他ごみ処理に関し必要な事項

Microsoft Word - ■最新■東北QA

<4D F736F F D208E9197BF342D315F93DE97C78CA794708AFC95A88F88979D8C7689E65F89FC92E C456312E332E646F6378>

福井県建設リサイクルガイドライン 第 1. 目的資源の有効な利用の確保および建設副産物の適正な処理を図るためには 建設資材の開発 製造から土木構造物や建築物等の設計 建設資材の選択 分別解体等を含む建設工事の施工 建設廃棄物の廃棄等に至る各段階において 建設副産物の排出の抑制 建設資材の再使用および

災害廃棄物の発生原単位について ( 第一報 ) 震災対応ネットワーク ( 廃棄物 し尿等分野 ) 取り纏め : 国立環境研究所 家屋の全壊に伴って排出される災害廃棄物 ( 解体廃棄物 ) の発生原単位について既存の文献をレビューした 基本的には被災自治体が公開した発生原単位は現地調

目次 第 1 章災害廃棄物処理実行計画について 計画の目的 計画の位置づけ 計画の期間... 1 第 2 章被災の状況 地震の状況 住家被害の状況... 2 第 3 章災害廃棄物の発生量について 発生量推計の方法..

2 被害量と対策効果 < 死者 負傷者 > 過去の地震を考慮した最大クラス あらゆる可能性を考慮した最大クラス 対策前 対策後 対策前 対策後 死者数約 1,400 人約 100 人約 6,700 人約 1,500 人 重傷者数約 600 人約 400 人約 3,000 人約 1,400 人 軽傷者

( 平常時の情報共有 ) 第 5 条九州 山口 9 県は 発災時に災害廃棄物の処理に係る支援を迅速かつ効率的に行うため 平常時にあらかじめ 次の情報について相互に情報交換を行うものとする 一仮設トイレの設置業者 し尿収集運搬業者及び関係団体等の情報二災害廃棄物 ( し尿を除く ) の収集運搬業者 処

災害対応力向上のための人材づくり

☆配布資料_熊本地震検証

人的応援 研修 訓練の実施 県受援マニュアル及び災害時緊急連絡員活動マニュアルを踏まえた研修 訓練の強化 () マニュアルに基づく研修 訓練県が策定する 応援職員における奈良県への受入及び市町村への短期派遣マニュアル 及び 災害時緊急連絡員活動マニュアル に基づき 災害時に役立つ実働的な訓練や研修を

資料1 第3回災害救助に関する実務検討会における意見に対する回答

報告書_表紙.indd

H28秋_24地方税財源

平成 27 年度一般廃棄物処理等の概要 出典 : 一般廃棄物処理事業実態調査 < 平成 27 年度実績 > ( 環境省大臣官房廃棄物 リサイクル対策部廃棄物対策課 )

(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】

02一般災害対策編-第3章.indd

Microsoft PowerPoint - H27清掃部(市民説明会第2段)1114.pptx

様式第二号の九 ( 第八条の四の六関係 ) ( 第 1 面 ) 産業廃棄物処理計画実施状況報告書 平成 30 年 6 月 14 日 広島県知事 様 提出者 住所 氏名 広島県府中市本山町 佐々田土建株式会社 代表取締役三島俊美 電話番号 廃棄物の処理及び清掃

目 次. 計画策定の意義 2. 基本的方針 3. 計画期間 4. 対象品目 5. 各年度における容器包装廃棄物の排出量見込み ( 第 8 条第 2 項第 号 ) 2 6. 容器包装廃棄物の排出の抑制のための方策に関する事項 ( 第 8 条第 2 項第 2 号 ) 3 7. 分別収集をするものとした容

Microsoft Word - 06_資料6_災害廃棄物対策に関して今後取組むべき事項とその進め方について(案)

新規文書1

目次 第 1 章災害廃棄物処理実行計画策定の趣旨 1 計画の目的 1 2 計画の位置づけと内容 1 3 計画の期間 1 4 計画の見直し 1 第 2 章被害状況と災害廃棄物の量 1 被害状況 2 2 災害廃棄物の量 4 第 3 章災害廃棄物処理の基本方針 1 基本的な考え方 6 2 処理期間 7 3

新ごみ処理施設の整備に向けた 施設整備の基本方針 資料 施設整備の基本方針 ( 案 ) (1) 施設整備の目的泉佐野市田尻町清掃施設組合 ( 以下 本組合 という ) 及び熊取町では 泉佐野市 田尻町及び熊取町から発生する一般廃棄物 ( ごみ及びし尿処理汚泥 ) を泉佐野市田尻町清掃施

本研究で対象とした宮城県で発生した災害廃棄物量は 約 16.7 百万トンと推計され 環境省の公表値 17.6 百万トンよりも小さい値となった また 仮置場の位置は便宜上 各市町村役場の所在地と仮定したうえで評 価に供した 岩手県 宮城県 福島県 4.5 百万 ton 4.0 百万 ton 16.7

巨大災害発生時における災害廃棄物対策のグランドデザインについて 中間とりまとめ 平成26年3月

奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

12年~16年

川口市環境基本計画 .indb



ii 8. 河川法と漁港法との調整に関する協定 ( 抄 ) 運輸省港湾局と農林省水産庁生産部とに関連ある港湾災害復旧事業の処理について 76 第 2 漁港関係災害関連事業 Ⅰ 補助金交付要綱 1. 漁港関係災害関連事業等補助金交付要綱 77 Ⅱ 災害関連漁業集落環境施設復旧事業 1. 災

基本方針

発生時における災害廃棄物対策検討委員会 ) 机上資料 5 大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針 ( 平 27 年 11 月環境省大臣官房廃棄物 リサイクル対策部 ) 机上資料 6 東京都資源循環 廃棄物処理計画 ~Sustainable Design Tokyo~( 平成 28 年 3 月

<4D F736F F D2090C290588CA C8E8682C696DA8E9F2E646F63>

第1 機構・組織・人員及び予算

<323091E693F18FCD208E96914F959C8BBB82CC8EE F DF82E98FE382C582CC8AEE967B934982C88D6C82A695FB2D322E786477>

Microsoft Word - 02.H28秋 重点提言本文【合本】1110.doc

第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

A. 1 管理責任者に変更がない場合書面で ( 書式はありません ) 速やかに所有者の住所 氏名 電話番号及び管理責任者に変更がない旨お知らせ下さい 2 管理責任者に変更がある場合書面で ( 書式はありません ) 速やかに所有者変更の旨お知らせいただき 30 日以内に 管理責任者選任届 を提出して下

「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

災害廃棄物の処理の推進に関する関係閣僚会合 < 設置の背景 > 発災後 1 年を迎えるに当たり 総理のイニシアティブにより災害廃棄物の処理を加速するため設けられたもの < これまでの成果 > 第 1 回 ( 平成 24 年 3 月 13 日 ) 再生した災害廃棄物の大胆な活用 民間企業の協力拡大の要

家庭ごみ有料化制度の 導入是非の検討について

目次 第 1 章総論第 1 節計画策定の背景と目的 1 第 2 節計画の位置付け 2 第 3 節本市で想定される災害 3 第 4 節本計画の対象とする業務と災害廃棄物 4 第 2 章基本方針 第 1 節処理に関する基本方針 6 第 2 節組織体制 7 第 3 章災害廃棄物の推計第 1 節がれき発生量

第 1 章マニュアルの目的 東淀川区役所は 企業 事業所の BCP 策定 修正を支援することで 地域の様々な方々と連携して災害から少しでも早く立ち直ることができる東淀川区をめざしていきたいと考え 平成 25 年度以降 BCP の策定支援を行ってまいりました 現在 東淀川区役所ホームページにて 東淀川

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF31208AC28BAB8FC881798CF68A4A A2E B8CDD8AB B83685D>

Microsoft Word - 様式2-8 産廃処理計画

災害廃棄物対策の基礎~過去の教訓に学ぶ~ 平成26年3月31日

計画の策定にあたって 本計画は 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第 6 条第 1 項の規定される網走市における一般廃棄物処理に関する基本計画です 網走市では 平成 4 年に策定した基本計画に基づき ごみの減量化の推進 リサイクルセンターや最終処分場を整備するとともに 平成 16 年度にはごみ処理の

untitled

2 地震 津波対策の充実 強化 (1) 南海トラフ地震や首都直下地震の被害想定を踏まえ 地震防災上緊急に整備すべき施設整備 津波防災地域づくりに関する法律 の実効性確保 高台移転及び地籍調査の推進など事前防災や減災に資するハード ソフトの対策を地方公共団体が重点的に進めるための財政上の支援措置を講じ

1 経過及び趣旨平成 20 年 3 月に策定された 湘南東ブロックごみ処理広域化実施計画 の基本方針として リサイクル推進型 +バイオガス利用 ( 残渣焼却 ) 最終処分場負荷軽減型 のごみ処理システムの構築があり バイオガス化施設導入の調査 検討を進めてきました バイオガス化施設導入の検証にあたっ

<4D F736F F F696E74202D B4917C E7396AF90E096BE89EF816A8DC58F492E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

PowerPoint プレゼンテーション

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

ツールへのデータ入力前にすべきこと 一般廃棄物処理に係るフロー図を作成 < 収集 : 直営 > < 直接搬入 > 粗大ごみ **t <A 破砕施設 : 直営 > <D 最終処分場 > 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 粗大ごみ **t 燃やすごみ **t アルミ缶 **t スチール缶 **t びん

< F2D E968CCC8DD08A5191CE8DF495D281458D718BF38DD0>

10 地震 火山噴火対策等の推進について 近年 我が国は様々な災害に見舞われている 東日本大震災後も 平成 28 年の熊本地震 本年 6 月の大阪府北部地震及び9 月の北海道胆振東部地震など大規模な地震が発生し 多大な人的 物的被害が発生した 地方公共団体においては 突然発生する大規模自然災害に備え

職員の運営能力の強化 避難所担当職員研修の実施 全庁対象の避難所担当職員研修(5 回開催で約 400 名参加 ) 区毎の避難所担当職員研修 男女共同参画の視点に立った避難所づくり 共助による災害時要援護者支援の取り組みについて説明 各区災害対策本部との連絡 避難所内の課題解決の調整など 地域団体等へ

第 5 部 南海トラフ地震防災対策推進計画

スライド 1

1 東日本大震災での多くの被害が発生!! 平成 23 年 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は 三陸沖を震源としたマグニ チュード 9.0 仙台市内での最大震度 6 強 宮城野区 という巨大な地震でした 東部沿岸地域では 推定 7.1m 仙台港 もの津波により 家屋の浸水やライフラ

第4回 東日本大震災アスベスト対策合同会議

第 4 回審議会 資料 4 H ごみ減量 資源化の目標について 1. 現行計画の目標達成状況と今後の予測 (1) 現行計画の目標達成状況現行計画の数値目標の内, 家庭系ごみ原単位目標は平成 29(2017) 年度の時点で既に平成 34(2022) 年度目標を達成しています 低下傾向にあ

建築物等震災対策事業について

山県市地域防災計画【 改訂版】

資料 4 平成 26 年報告書に提言された取組のうち 回収率目標達成アクションプラン以外の取組状況について 平成 29 年 12 月 4 日 経 済 産 業 省 環 境 省

Microsoft Word - 09安城中部.docx

<4D F736F F D208E9197BF342D335F302D318D488E968EF3928D8ED25F8AC493C288F5816A8CFC82AF8E9197BF816988C4816A2E646F63>

上牧町一般廃棄物 ( ごみ ) 処理基本計画概要版 平成 30(2018) 年 3 月 1. 計画策定の背景と目的 上牧町 ( 以下 本町 という ) では 一般廃棄物処理基本計画書 ( 見直し ) 平成 26(2014) 年 10 月 に則り 老朽化した焼却施設の稼働停止 それに伴う焼却処理の民間

宮城県総合防災情報システム(MIDORI)

Microsoft Word - ■最新■東北QA

<4D F736F F D2091E682528CB48D6581A A1917A92E882B782E9926E906B814592C A E646F63>

九州における 道の駅 に関する調査 - 災害時の避難者への対応を中心としてー ( 計画概要 ) 調査の背景等 道の駅 は 平成 16 年 10 月の新潟県中越地震 23 年 3 月の東日本大震災において 被災者の避難場所 被災情報等の発信や被災地救援のための様々な支援の拠点として活用されたことなどか

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

001p_......

(Microsoft Word - \201\2403-1\223y\222n\227\230\227p\201i\215\317\201j.doc)

Transcription:

大阪市災害廃棄物処理基本計画 概要 等 Ⅰ 策定の背景 (1) 過去の震災による災害廃棄物発生量大規模災害では大量の災害廃棄物が発生し 処理に長期を要する 災害名災害廃棄物発生量処理期間 阪神淡路大震災 (1995 年 ) 1,500 万トン約 3 年 参考資料 2 東日本大震災 (2011 年 ) 3,100 万トン ( 津波堆積物 1,100 万トン含む ) 約 3 年 ( 福島県除く ) 熊本地震 (2016 年 ) 熊本県 195 万トン約 2 年 ( 目標 ) 熊本県災害廃棄物処理実行計画第 1 版平成 28 年 6 月から引用 環境省では 市町村は 災害廃棄物対策指針 を踏まえ 地域防災計画 と整合をとりながら 災害廃棄物処理計画 を策定し 平時からの備えを求めている (2) 災害廃棄物対策に関する国の考え方 災害廃棄物対策指針 ( 平成 26 年 3 月環境省大臣官房廃棄物 リサイクル対策部 ) この指針は 都道府県及び市町村における災害廃棄物処理計画の作成に資することを目的に 東日本大震災の経験を踏まえ 今後発生が予測される大規模地震等による被害を抑止 軽減するための災害予防 さらに発生した災害廃棄物 ( 避難所ごみ等を含む ) の処理を適正かつ迅速に行うための応急対策 復旧 復興対策について 必要事項を整理したものである 1 災害予防 : 組織体制の検討 災害廃棄物処理対策の検討等 2 応急対策 : 災害廃棄物の処理体制の確保 住民等への啓発 広報 迅速な災害廃棄物処理の開始 し尿処理機能の確保 協力 支援体制の検討等 3 復旧 復興 : 支援体制の確立 円滑な災害廃棄物処理の推進 大阪市地域防災計画 ( 震災対策編 ) においても災害廃棄物 ( 生活ごみ がれき等 ) の処理を迅速かつ適切に行い 被災地域の環境整備を図ることが記されている 1

熊本では生活ごみ 片付けごみの収集が課題に 道路上に集積された生活ごみ ( 可燃 不燃 ) 片付けごみ ( 家電 家具 ) 東日本大震災 ( 宮城県石巻市 ) でも想定外のごみ量への対応が課題に 道路上に集積された片付けごみ 平時からの収集体制では対応できない状態に 2

Ⅱ 大阪市の状況 (1) 大阪市における災害廃棄物等の発生想定 想定災害がれき ( コンクリート塊 木くず等 ) 生活ごみ 避難所ごみ 南海トラフ巨大地震約 1,200 万トン 1 1,040 トン ( 日量 ) 3 上町断層帯地震約 1,800 万トン 2 1,070 トン ( 日量 ) 3 1. 大阪府防災会議 第 5 回南海トラフ巨大地震災害対策等検討部会 で公表された被害想定結果概要 ( 津波堆積物を含む ) 2. 大阪府地震被害想定調査 (19 年 3 月 ) 物的被害の想定 から引用 3. 災害時でも生活ごみ 避難所ごみは平時 (1,090 トン / 日 ( 平成 26 年度実績 )) とほぼ同じ量が発生する (2) 大阪市災害廃棄物処理基本計画の策定 大都市における大規模地震による災害は がれき等の廃棄物が他の災害に比べて大量に発生する 交通の途絶等に伴い 通常排出されるごみの収集 処理に困難が予想される 避難所から発生するごみ し尿についても対策を講じる必要がある 大規模災害に伴い発生する災害廃棄物を迅速かつ適切に処理するとともに 事前の体制整備を図るため 災害廃棄物対策指針を踏まえ 大阪市災害廃棄物処理基本計画 を策定する 基本計画に基づく対応を円滑に進めるため 別途 業務実施マニュアル を作成する 3

Ⅲ 災害廃棄物処理基本計画における考え方 (1) 時間軸を見据えた対応 : 発災後の時期区分の特徴に応じた対応を図る 時期区分時間の目安時期区分の特徴 初動期 応急対応 ( 前半 ) 応急対応 ( 後半 ) 復旧 復興 数日間 発災後 3 日以内 ~3 週間程度 ~3 ヵ月程度 ~3 年程度 人命救助が優先される時期 ( 被害状況の把握 確認 必要資機材の確保 処理実施計画の策定等 ) 避難所生活が本格化する時期 ( 体制の整備 公衆衛生確保 道路啓開など優先的に処理が必要な災害廃棄物を処理 ) 人や物の流れが回復する時期 ( 災害廃棄物の本格的な処理に向けた準備 ) 避難所生活が終了する時期 ( 一般廃棄物の通常業務化が進み 災害廃棄物の本格的な処理 ) (2) 基本方針 : 災害廃棄物は次の方針を踏まえ処理する 1 公衆衛生の確保生活ごみやし尿については 公衆衛生の確保を最重要事項として迅速かつ適切に処理する 2 迅速 円滑な対応処理地域復興 道路啓開の観点から 時々刻々変化する状況に対応できる迅速 円滑な災害廃棄物処理を行う 3 計画的 効率的な対応処理一時的に多量に発生する災害廃棄物に対応するため 仮置場の適正配置や仮設の処理施設の設置等により災害廃棄物を効率的に処理する 4 環境に配慮した処理環境に十分に配慮し災害廃棄物の処理を行う 特に 建築物解体の際のアスベスト飛散防止対策や処理施設におけるダイオキシン類対策等に配慮する 5 リサイクルの推進災害廃棄物を資源化し地域の復興等に役立てることは 処理 処分量の軽減や効率的な処理に有効なことから 徹底した分別とリサイクルを推進する 4

Ⅳ 課題 (1) がれき処理 大規模災害時には 市内の公有地などを活用してもがれきの仮置場の大幅な不足が想定される 市域での処理を基本とするが 発生量によっては広域処理などの要請が必要となる 想定災害 仮置場等の必要面積 南海トラフ巨大地震 約 380 万m2 上町断層帯地震 約 594 万m2 市内の公有地で仮置場となる可能性のある土地の合計面積 : 約 200 万m2 がれき等の発生想定量を 3 年で処理すると仮定して試算した面積 (2) 安定したごみ収集体制 大規模災害の発生時に公衆衛生を確保するには 熊本地震などの事例を見ても 発災直後からごみ収集が必要となる しかし 建物倒壊等により収集機能の低下が予想されるとともに 他都市支援は発災から 1 週間程度後からとなることが過去の事例より予想され こうした点を踏まえた対応が必要となる ( 大阪市業務継続計画 ( 第 1 版 ) でも ごみ収集については発災後 3 日以内の業務再開が目標とされている ) (3) 仮設トイレの確保 被災により 下水道の機能支障が生じた地域では 必要な数の仮設トイレを確保する必要がある 5

Ⅴ 対応等 (1) がれき処理 大量に発生するがれき等を適切に処理するために 市内の未利用地 公園などから 仮置場として利用できる可能性のある土地を予め検討しておく がれき を災害復興資材に利用するとともに 大阪港内の埋立材としての活用について検討する 東日本大震災では コンクリートがら等は復興資材とし 木くず等は破砕し燃料に利用するなど最終処分量の削減が図られ 災害廃棄物の 81% 津波堆積物の 98% が再生利用された 阪神淡路大震災では コンクリート系廃棄物は早期に海面埋立材に再利用された 国や大阪府 関係団体等へ支援 広域処理を要請する 仮置場の場所等については 必要時に市災害対策本部で決定する 関係団体とがれき等の処理の協定を締結するとともに 環境省近畿地方事務所や大阪府などとの間で 平時から広域処理のネットワーク構築を進める がれき等の処理の流れ がれき等 収集 運搬 集積所 運搬 仮置場 収集 運搬 分 別 再資源化 再生利用 中間処理 運搬 埋立処分 運搬 6

(2) 安定したごみ収集体制 1 南海トラフ巨大地震による津波浸水被害や建物被害で失われる収集能力 ( 試算 ) 直営 収集能力の約 40% を喪失 ( 配置機材 560 台 333 台 (227 台損失 ) 西北 西部 西南 南部センターの被害を想定 ) 業者 収集能力の約 30% を喪失 ( 承認車両 1,054 台 730 台 (324 台損失 ) 津波浸水被害に加え 建物被害も考慮 ) 2 対策 津波による収集能力の喪失をできるだけ免れるよう 平時の収集効率も考慮しながら重点的な機材配置を進める 地域におけるごみの排出状況や道路状況に応じて収集計画を策定し収集体制を調整するとともに 住民 事業者への周知を行うなど 環境事業センターが発災後の迅速 適切なごみ収集のコントロールタワーとしての機能を果たす 市災害対策本部環境部は 各関係先と必要な調整を行うとともに 環境事業センターを統括し市域全体の迅速 円滑な処理計画を策定する 関係団体等との協定の締結などにより 被災状況に応じて直営収集と業者収集が協力 連携し合える体制をつくる (3) 仮設トイレの確保 本市地域防災計画では 大規模災害発災時には初動期の応急措置として備蓄トイレで対応し 区本部の要請により 3 日以内に仮設トイレを設置することになっている 大規模災害時に必要となる仮設トイレは 最大で 8,000 基と見込んでおり 民間業者等との協定締結や本市での調達等により確保する し尿等の収集については 大阪府を通じて関係団体に協力を要請する 7

(4) 市 市民 事業者の役割 市 市民 事業者は災害廃棄物の処理のため 平時や災害時に次の役割を果たす 1 市の役割 災害廃棄物処理の意識や知見を高めるため研修や訓練を行う 近隣自治体や事業者 関係団体との連携を密にし 相互応援体制を強固なものにする 等 2 市民の役割 災害時においても平常時と同様のごみの分別を行い リサイクルの推進に努める ごみの排出にあたっては ルールを守り 衛生面に配慮する 等 3 事業者の役割 市が行う災害廃棄物の処理について必要な協力を行う 災害時における廃棄物処理の周知に協力する 等 (5) 住民等への広報 災害廃棄物の迅速かつ適正な処理に向けて 生活ごみや粗大ごみ等の排出 処理に関する情報を住民等に周知するために テレビ ラジオ 周知ビラ 広報宣伝車 インターネット SNS 等を活用し 次の広報 啓発を行う < 広報 啓発内容 > ごみ関係 生活ごみの排出 分別方法 生活ごみの収集日時 がれきの処理方法 集積場 仮置場の設置状況等し尿関係 備蓄トイレの確保 利用方法等 仮設トイレの設置場所 設置状況 仮設トイレの使用上の注意及び維持管理等等 8

参考 1 東日本大震災における災害廃棄物及び津波堆積物の処分状況 (13 道県 平成 27 年 3 月末 ) 都道府県数 市町村数 処理完了市町村数 災害廃棄物推計量 ( 千トン ) 処理量 ( 千トン ) 再生利用焼却埋立合計 災害廃棄物 13 239 237 (99%) 20,123 16,290 (81%) 2,431 (12%) 1,332 (7%) 20,053 (99%) 津波堆積物 6 36 35 (99%) 10,600 10,434 (98%) - 166 (2%) 10,600 (99%) 環境省災害廃棄物対策情報サイト HP から抜粋 参考 2 東日本大震災における災害廃棄物由来の再生資材を活用している主な公共事業 仮置場造成事業, 136 その他事業, 212 海岸 河川堤防復旧事業, 133 海岸防災林事業, 135 合計 :1,065 万トン 漁港復旧事業, 51 公園整備事業, 319 単位 : 万トン 圃場整備事業, 79 環境省災害廃棄物対策情報サイト HP から抜粋 9

参考 3 阪神淡路大震災における神戸市の災害廃棄物処分量 災害廃棄物 約 800 万トン 災害廃棄物処理事業業務報告書 ( 平成 10 年 3 月神戸市環境局 ) から作成 コンクリート系 コンクリート造ヒ ル マンション 公共施設等 コンクリート系廃棄物約 340 万トン 積出基地 PI2 期 長田港 灘浜 木質系 木造家屋 木質系廃棄物約 460 万トン 約 401 万トン 約 43 万トン 約 15 万トン 内陸仮置場 積出基地 分別積出基地 布施畑 淡河等 深江 兵庫 脇浜 海面埋立 摩耶埠頭 新港東埠頭 PI2 期 六甲南 フェニックス 分別 焼却 埋立 仮置 分別 焼却 埋立 焼却灰はフェニックスへ (7.3 万トン ) 域外処分 10

参考 災害時の想定被害と必要な廃棄物収集輸送体制 ( 試算 ) 1 収集体制への影響 津波浸水被害建物被害 全壊 半壊 ( 津波除く ) 南海トラフ巨大地震時に 津波浸水被害を受ける可能性がある地域に 事業所が所在する民間業者数等は次のとおりである 事業所所在 事項 民間業者数 ( 社 ) 津波被害想定地域内にある事業所数 民間業者数 割合 市域内 238 73 30.7% 市域外 70 3 4.3% 合計 308 76 24.7% 南海トラフ巨大地震時に 建物被害を受ける可能性がある民間業者数等は次のとおりである 建物被害 ( 全壊 ) ( 単位 : 棟 ) 建物総数液状化揺れ津波急傾斜火災被害計 府域 2,530,162 71,091 15,375 31,135 79 61,473 179,153 市域 543,860 38,248 3,974 29,056 0 7,643 78,921 以外 1,986,302 32,843 11,401 2,079 79 53,830 100,232 出典 : 大阪府防災会議南海トラフ巨大地震災害対策等検討部会公表資料 等より抜粋 民間業者が建物被害 ( 津波除く ) を受ける可能性 市域 (78,921-29,056)/ 543,860=9.16% 以外 (100,232-2,079)/1,986,302=4.94% (238-73) 9.16+(70-3) 4.94=18.4 社 全体の 6.0% 被害想定 津波浸水被害全体の 24.7% 建物被害全体の 6.0% 収集能力喪失の可能性 約 30.7% 1

参考 災害時の想定被害と必要な廃棄物収集輸送体制 ( 試算 ) 2 災害を想定した体制 通常時 ごみ量 100 % 家庭系 事業系 直営 39.3% 委託 2.9% 民間業者 57.8% 収集時間帯 昼間時 17.9% 夜間時 39.9% 現民間業者の現行収集能力 災害時 ごみ量 104.7 % 家庭系 事業系 46.9% 直営 39.3% 民間業者 57.8% 粗大ごみ増量分 1.3% (4.6-1) 倍 =4.7% 委託 2.9% 粗大増量 4.7% 上記のうち 30.7% の能力喪失の可能性 対応可能量 39.9% (100% 30.7%) 2 サイクル = 55.3% 49.4% の能力が不足 (100%+4.7%-55.3%) 昼夜間 2 サイクル可能とすれば 24.7%(49.4% 2 サイクル ) を処理できる機材確保の体制が別途必要となる 2

参考 災害時の想定被害と必要な廃棄物収集輸送体制 ( 試算 ) 2 災害を想定した体制 24.7% を処理できる機材確保の体制 他都市応援 参考 東日本大震災時の災害応援の状況 ( 仙台市 ) 発災後 ( 平成 23 年 3 月 11 日 ) 一定程度の応援が得られる状況となった翌 4 月の状況 1 か月平均 23 台 / 日 ( 最大 30 台 最小 12 台 ) ごみ収集能力に換算すると 約 4~5% の能力規模 粗大の増量 (4.7%) 相当は 他都市からの応援で対応可能とすると 約 20% 相当の機材確保が必要 (49.4%-4~5%) 2 サイクル ( 参考 )H26 年度区分別ごみ収集量比 現状の普通ごみ収集実績から換算 20% 34.9% (679 名 H28 年度配置 +46 名 委託化分 )=415 名 必要な人員体制は 普通ごみ収集換算で 約 400 名程度 直営 の収集量 委託 の収集量 民間業者 の収集量 事項 普通資源容プラ 古紙衣類 粗大一般廃棄物古紙資源容プラ衣類焼却破砕焼却破砕 資源 容プラ 割合 34.9% 2.3% 2.0% 1.2% 1.0% 0.3% 0.2% 0.2% 0.1% 57.2% 0.4% 0.1% 0.1% 3

参考 災害時の想定被害と必要な廃棄物収集輸送体制 ( 試算 ) 2 災害を想定した体制 災害時 2 交替制により対応するためには 計算上 400 工数 ( 名 ) 2 サイクル =800 工数 ( 名 ) が必要 対 応 策 今後の職員数の推移 ( 見込 ) によると 平成 43 年度頃までは対応可能 職員数 895 名 ( 再任用職員を含む ) それ以降については ごみの減量や民間業者の状況 被災想定の変更などを踏まえながら 民間業者との連携や非常勤雇用 稼働時間延長等により要員を確保する 4