資産運用 投資主体 08 年 日全 頁 個人型確定拠出年金 (ideco) の加入状況 07 年の 年間で 加入者数は. 倍 公務員は % が加入 金融調査部研究員佐川あぐり [ 要約 ] 07 年 末時点で ideco の加入者数は 7. となり 0 年 末 (0. ) から. 倍の規模となった 07 年の新規加入者数は.8 で 第 号加入者 ( 会社員 公務員 ) 数が 9.7 と全体の 9 割近くを占めた 加入者の拠出する掛金額の分布については 07 年 8 末時点から大きな変化はない 第 号加入者 ( 自営業者等 ) は 少額を拠出する層と限度額近くまで拠出する層に二極 化し 第 号 第 号加入者 ( 専業主婦等 ) では 限度額近くまで拠出する層が比較的 多くなっている 全加入者数の 8 割以上を占める第 号加入者の拠出限度額が低すぎるという指摘もある 今後は 加入者の掛金額の状況に合わせて見直していく必要があるのではないか 08 年 からは 掛金の年単位拠出が可能となった 加入者は経済的事情に合わせた掛金の拠出 また拠出限度額のコントロールも可能となろう 本レポートでは 07 年 から基本的に 0 歳未満の成人国民は誰もが利用できるようにな った個人型確定拠出年金 (ideco) について 国民年金基金連合会が公表する ideco( 個人型 確定拠出年金 ) の加入等の概況 より 07 年の加入状況をまとめた 加入者数の状況 07 年 末時点での加入者数は 7. と 0 年 末時点 (0. ) から. 倍の規模となった 加入対象者数 ( 概算で,700 ) に占める割合は.% となっている 0 年 末時点では 当時の加入対象者数 ( 概算,700 ) に対し ideco の加入者数は.8 で 割合は 0.7% という水準であった ( 図表 ) 日本の確定拠出年金 (DC:Defined Contribution) は 企業年金制度として会社が用意し その会社に勤める従業員が加入する 企業型 DC と 個人が任意で加入する 個人型 DC(iDeCo) の つのタイプがある ideco 公式サイト https://www.ideco-koushiki.jp/library/pdf/join_overview_h9.pdf 参照 株式会社大和総研丸の内オフィス 00-7 東京都千代田区丸の内一丁目 9 番 号グラントウキョウノースタワー このレポートは投資勧誘を意図して提供するものではありません このレポートの掲載情報は信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが その正確性 完全性を保証するものではありません また 記載された意見や予測等は作成時点のものであり今後予告なく変更されることがあります 大和総研の親会社である 大和総研ホールディングスと大和証券 は 大和証券グループ本社を親会社とする大和証券グループの会社です 内容に関する一切の権利は 大和総研にあります 無断での複製 転載 転送等はご遠慮ください
/ 新規加入者数は 07 年の合計で.8 となった 0 年は平均,00 人程度の加入があり 年間合計は 7.8 であった つまり 07 年の新規加入者数は 0 年の 倍近くの規模となっている 新規加入者を区分別で見ると 第 号加入者 ( 自営業者等 ) は. 第 号加入者 ( 会社員 公務員 ) は 9.7 第 号加入者 ( 専業主婦等 ) は.8 であり 全体の約 9 割が第 号加入者である ( 図表 ) 第 号加入者については 企業年金なし の加入者数が.0 (07 年 末 ) となった 企業年金のない会社員の数を概算で,00 とすると 加入対象者数に対する加入者数の割合は.8% 程度となるが ここに至るまでに約 年間 ( 00 年 0 の制度誕生から 07 年 まで ) かかっている 一方 公務員 は 加入対象者数が約 0 に対し加入者数が. (07 年 末 ) と その割合は 07 年の 年間ですでに.0% を超えている 掛金の拠出状況 07 年 8 末時点 ( 前回レポートの報告時点 ) と比較すると 各区分で掛金額の分布に大きな変化はないようだ 第 号加入者は 少額を拠出する層と限度額近くまで拠出する層に二極化し 第 号 第 号加入者では 限度額近くまで拠出する層が比較的多くなっている ( 図表 ) もっとも 第 号加入者については 万円から上限まで拠出する層が半数以上を占めるが その割合は 8%( 前回 %) とやや低下している 対して 千円から 9 千円の層は % ( 前回 9%) と上昇し 掛金の平均額は 8 末と比べて 77 円低くなっている 掛金全額は所得控除 の対象という節税効果のメリット があるものの 第 号被保険者は基本的に所得が少ないため 少額から拠出する あるいは掛金額を見直すという動きがあったのではないだろうか 今後の論点 ideco の加入者数はこの 年で倍以上となった 今後も 全加入者数の 8 割以上を占める第 号加入者を中心に 加入者数の増加が期待されるが 第 号加入者については拠出限度額が低すぎるという指摘もある 限度額は第 号加入者が.8 万円に対し 第 号加入者は公務員で. 万円 企業年金のない会社員でも. 万円と低い また 第 号加入者は限度額近くまで拠出する層の割合が 割程度に留まるが 公務員では 9 割以上を占めており 限度額の引き上げを望む加入者も多いだろう ( 図表 ) 今後は 加入者の掛金額の状況に合わせて 拠出限度額を見直していく必要があるのではないだろうか 厚生年金保険 ( 第 号被保険者 ) の加入者数 - 企業年金の加入者数 で算出 07 年 末時点 厚生年金保険 ( 第 号被保険者 ) の加入者数は 厚生労働省 平成 8 年度厚生年金保険 国民年金事業の概況 企業年金の加入者数は 信託協会 企業年金の受託概況 運営管理機関連絡協議会等 確定拠出年金 ( 企業型 ) の統計概況 を参照 なお 企業年金の加入者数は 確定給付企業年金 厚生年金基金と企業型 DC の加入者数を単純合計しており 複数制度に重複して加入している場合を考慮していない 税金を計算する際の所得から差し引くことができ 課税されないものをいう 控除があれば課税所得が低くなるため 上限まで拠出することで節税の効果は高まる
/ 掛金の年単位拠出について 掛金の拠出については 毎一定額 ( 千円以上 千円単位 ) を拠出するというのが基本的な取扱いであるが 08 年 からは 掛金の年単位拠出が可能となっている 前年 ( 納付 ) から ( 納付 ) の 年間を拠出期間とし 加入者は任意に決めたに 複数分の掛金を拠出できるようになった 拠出は自由に決められるが 年の最後のとなる を必ず含める必要がある 年間の拠出限度額は現行通りで 各拠出の限度額が自動的に決まり 加入者はその限度額内で掛金額を設定する また 掛金額が限度額より少額であった場合には 拠出期間内であれば次回以降の拠出時に繰り越して拠出することも可能だ 加入者は 経済的事情に合わせて拠出を変えることができるようになった なお 拠出限度額の使い残しがないようにコントロールすることもできるようになっている 例として 第 号加入者で と ( 年 回 ) に拠出する場合を想定してみる ( 図表 ) 拠出限度額は.8 万円 年 8. 万円である に拠出する掛金の限度額は 前年 から までの カ分の 0.8 万円となる 実際の掛金額が 0 万円だったとすると 限度額と掛金額の差分は 0.8 万円で この差分は 拠出時に繰り越すことができる よって の限度額は 0.8 万円に 0.8 万円を合計し. 万円となる 実際の掛金額が 0 万円とすると 限度額との差分は. 万円となるが これは次年度には繰り越せないため注意が必要だ 図表 年単位拠出のイメージ 拠出 前年 ( 引落 ) ( 引落 ) ( 引落 ) ( 引落 ) ( 引落 ) ( 出所 ) 国民年金基金連合会 加入者 運用指図者の手引き などを参考に大和総研作成 ただし 第 号加入者で 掛金の納付方法を給与天引にしている場合には 取扱いできないケースもあるため 事前に確認をしておく必要がある 限度額 掛金 限度額と掛金の差分 ( 引落 ).8 万円 カ =0.8 万円 0 万円 0.8 万円 (7 引落 ) 7 (8 引落 ) 8 (9 引落 ) 9 (0 引落 ) 0 ( 引落 ) ( 繰越分 ) 0.8 万円 ( 引落 ) +.8 万円 カ =0.8 万円 0 万円 掛金の合計額 カ カ 計 第 号加入者 年間拠出限度額 :8. 万円 の年 回拠出. 万円 70 万円 拠出期間内は繰り越し可能. 万円 繰り越せない
/ 図表 ideco の加入者数推移 ( ) 80 7. 70 0 0 0 0 0 0 0 第 号加入者 ( 専業主婦等 ) 第 号加入者 ( 会社員等 公務員 ) 第 号加入者 ( 自営業者等 ). 倍.8. 8. 0.0..8.. 8.0 9. 0....9.8 0 0 0 0 0 07 08 09 0 年 7 年 ( 各年 末時点 ) ( 出所 ) 国民年金基金連合会 国民年金基金連合会業務報告書 ( 各年度版 ) 厚生労働省 確定拠出年金の施行状況 より大和総研作成 0. 図表 加入者区分別の新規加入者数 ( 次ベース ) ( 人 ) 70,000 0,000 0,000 0,000 0,000 0,000 0,000 0 第 号加入者 ( 自営業者等 ) 第 号加入者 ( 企業年金なし ) 第 号加入者 ( 企業年金あり ) 第 号加入者 ( 公務員 ) 第 号加入者 ( 専業主婦等 ) 0 年 : 合計 7.8 7 8 加入対象範囲拡大後 9 0 07 年 ~ : 合計.8 ( 出所 ) 国民年金基金連合会 ideco( 個人型確定拠出年金 ) の加入等の概況 ( 平成 9 年 時点 ) より大和総研作成 7 8 0 年 07 年 9 0 07 年の新規加入者数加入者区分別の内訳 第 号.8 %. 9% 7.0 % 第 号. 9% 9. % 第 号 9.7 87%
/ 図表 加入者の区分別の拠出限度額と掛金額の状況 第 号加入者 第 号加入者 第 号加入者 加入者の区分 自営業者等 企業年金なし 企業年金あり ( ア ) 企業型 DC ( イ ) 企業型 DC +DB 等 ( ウ )DB 等 公務員 専業主婦等 数(人). 万円 ~ % 企業年金なし, 第, 拠出限度額 ( 額 ).8 万円. 万円 万円. 万円. 万円. 万円 千円 ~ 7,87 % 8,80 0%,99 8%,799 0%, % 万円 ~,907 % 8,9 % 7,0 8% 9,8 90%,0 7%. 万円 ~,0 % 0,87 % 8 0.% 9 % 掛金 万円 ~,8 % 0, % 0 0.9% 0,788 8% 額別. 万円 ~, % の 万円 ~ 7,9 7% 加入. 万円 ~ 97 % 平均( 単位 : 円 ) 末 8 末 差額 者 万円 ~,98 % 第 号 7,99 7,08 7 万円 ~, % 企業年金あり 0,77 0,9 -. 万円 ~ 88 0% 号 公務員,,9-77 万円 ~,8 % 第 号, 7,7-77. 万円 ~,7 0% 計,7 00% 0,0 00% 7, 00%, 00% 8,8 00% ( 注 ) 掛金額は千円刻みのため 千円 ~ は 千円 千円 7 千円 8 千円 9 千円の掛金額を拠出する加入者数の合計と 各区分に占める割合を示している ( 出所 ) 国民年金基金連合会 ideco( 個人型確定拠出年金 ) の加入等の概況 ( 平成 9 年 時点 ) より大和総研作成