住宅リフォーム瑕疵保険とは質問自宅のリフォームを計画していますが リフォームにも新築と同様に リフォ ーム瑕疵保険 という保険があることを知りましたが 工事を予定している業者から未加 入で今後も加入の予定はないと言われました どのような保険なのか 教えてください 住宅リフォーム瑕疵保険とはリフォーム瑕疵保険は リフォーム時の検査と保証がセットになった保険制度です 住宅専門の保険会社 ( 住宅瑕疵担保責任保険法人 以下 保険法人 ) が保険を引き受けます 建築士の資格を持った保険法人の検査員がリフォーム工事の現場検査を行います 万が一 欠陥が見つかった場合には補修費用が保険金として支払われます 事業者の倒産などで補修できない場合には 消費者に直接保険金が支払われます 保険に加入できる事業者リフォーム瑕疵保険は 任意加入の保険で発注者側では強制できません リフォーム瑕疵保険に加入できる事業者となるには 保険法人に登録する必要があります 登録するためには 保険法人が設定する一定の基準をクリアしていなければなりません 登録された事業者は 住宅瑕疵担保責任保険協会のホームページで検索できます 7
保険の仕組み 消費者 ( 発注者 ) 工事請負契約 保険加入の依頼 登録事業者 ( リフォーム事業者 ) 保険金の 保険金 保険金の 保険加入 支払 直接請求 支払 手続 登録事業者が倒産等した場合検査 ( 建築士 ) 保険法人 ( 出所 ) 住宅瑕疵担保責任保険協会ホームページ 保険金の支払対象 1. 保険金の支払対象となる費用 保険金の支払対象となる費用は 1 修補費用 2 調査費用 3 転居 仮住まい費用等で す 2. 保険金 保険金支払額 =( 修補費用等 -10 万円 ) 80%( ) ( ) 登録事業者の倒産等の場合には 発注者に対して支払う金額は 100% となる 3. 支払対象と保険期間 保証対象部分 保険期間 保険金を支払う場合 事象例 構造耐力上主要な部分 ( 柱 基礎など ) 5 年間 基本耐力性能を満たさない場合 建築基準法レベルの構造耐力性能を満たさない場合 雨水の浸入を防止する部分 ( 屋根 外壁など ) 5 年間 防水性能を満たさない場合 雨漏りが発生した場合 上記以外の部分 ( トイレ 浴槽など ) 1 年間 社会通念上必要とされる性能を満たさない事 1 年間配管工事後における水漏れ等 加入方法加入手続は事業者が行いますので ご希望の場合は工事着手前に工事の依頼と併せて事業者に保険への加入を依頼する必要があります 保険料等については各保険法人によって異なります 8
住宅瑕疵担保責任保険法人住宅瑕疵担保責任保険法人は 国土交通大臣が指定した住宅専門の保険会社です 現在 5 法人が指定されています いずれも全国を対象に業務を行っており 事業者はこの中から自由に選択して保険契約を締結することができます 保険加入が金融機関のローンを申し込む条件となる場合リフォーム瑕疵保険は前述したように 任意加入の保険ですが 保険加入がローンを申し込む条件になる場合もあります 住宅金融支援機構の リフォームパック に加入するには 瑕疵保険への加入が必要になります また りそな銀行は保険加入によって金利が通常よりも 0.5% 優遇される無担保型の あんしんリフォームローン を提供しています 建て替え用の住宅ローンは? 質問身内の話で恐縮です 実家の親が自宅を建て替えたいが 現在返済中の住宅ロ ーンの残債があるので建物の取り壊しもできない と困っています 建て替えるため のローンはあるのでしょうか 住宅ローンの借入が残っている自宅を建て替える場合には その残りの借入金を完済して 建物を取り壊し 新しい住宅を建てるための新規の借入が必要になってきます いくつかの金融機関で建て替えローンという商品を取り扱っていますが 同商品は このようなニーズに合わせて 担保不足を補い住宅ローンの利用を実現可能にしているものです 地価が上昇して土地だけであっても担保価値が十分であれば 住宅ローンの残債についても金融機関に相談して建物の取り壊しを認めてもらい 建て替えた新築物件に担保を差し替えるといった交渉もできます しかし 住宅ローンの担保となっている土地の地価下落により担保評価が住宅ローンの残債額を下回っているような場合には 取り壊しを交渉するにも気が引けてしまうことでしょう しかし 建物の老朽化など建て替えの理由にはそれなりの事情があり また 建て替えとあわせて低金利の住宅ローンに借り換えたいという人も多いものです こうしたニーズに応えるため 建て替え専用の住宅ローンとして一部の金融機関が実施しています 建て替えローンでは 担保となる自宅 ( 土地と新築住宅 ) の担保の評価額に対して一定額の上乗せ もしくは担保評価額の 倍までといったように担保条件を緩和していますが 建て替えにかかる新規の借入れ金額は 新築建物の担保評価額の範囲内であり 返済負担率は一般の住宅ローンと同様の基準となっているようです 参考までに 以下にある銀行の建て替えローンの条件を示しておきます 特徴 9
必要な建てかえ資金の借入に際し 返済中の住宅ローンが障害になっている等の状況を解決し お住まいの建てかえをサポートするための住宅ローン 新築建物を加え 自宅の担保評価額の最高 300% まで融資が可能 返済中のローン残額分も今の金利でご融資できる 利用可能者 借入時の年齢が満 20 歳以上満 70 歳未満の方で 最終ご返済時の年齢が満 80 歳未満の方前年の税込年収が 100 万円以上の方 給与所得者の場合は 勤続年数 1 年以上の方 給与所得者以外の場合は 勤続または営業年数が 3 年以上の方 本人居住用住宅に対する現在お借入れの住宅ローンを借入れてから 3 年以上正常にご返済されている方 団体信用生命保険に加入できる方 資金使途 本人が所有し お住まいになる住宅の建てかえ資金 現在お借入中の住宅ローンのご返済資金 融資金額 50 万円以上 1 億円以内 (1 万円単位 ) ただし 税込年収に占める年間元利金返済額の割合が最高 35% 以内 ( 年間返済額には他のお借入れのご返済分も含まれる また 年間返済額は当社所定のルールにより算出 ) 担保となる自宅( 新築建物を含む ) の担保評価額の最高 300% の金額または担保評価額に最高 2,500 万円を加えた金額のいずれか低い方の金額が上限 現在借入中の住宅ローン残高を含め 自宅に対するお借入金の合計が最大で 1 億円となる金額以内 建て替えにかかる新規の借入金額の上限は 新築建物の担保評価額の範囲内 また 建て替えローンにこだわらず 借換え等も同時に検討するのであれば 金融機関の窓口で相談することで 借換え + 新築の扱いでローン取組みが可能となる場合もあるようです いくつかの金融機関にご相談されてみるのがよいでしょう 連帯債務と連帯保証の違いは? 質問住宅ローンの収入合算者が連帯債務者になったり 連帯保証人になったりというこ とがあるようですが この両者の違いはどのようなものでしょうか? まず 連帯債務というのは 一つの債務に対して 2 人以上の債務者がそれぞれ独立して 10
責任を負う債務のことです たとえば A Bの2 人が金融機関から 600 万円借りて その返済について連帯債務を負うと A Bは各自独立に 600 万円を金融機関に返済しなければならず A Bのいずれかが 600 万円を返済すると 他の者も債務を免れます このように 数人の債務者が同一内容の給付について各自独立に全部の給付をなす義務を負い その中の 1 人が弁済すれば他の者も債務を免れる多数当事者の債務を連帯債務といいます 住宅ローンでは主に収入合算という形で連帯債務が関係します 連帯債務となる収入合算の組み方では それぞれが独立してローンの債務者になります 例 夫 債務 ( 借金 ) 妻 夫も妻も同等の債務者 この場合は 夫 妻それぞれがローンの主たる債務者になるので 各借入れ金額に見合った住宅ローン控除が受けられます ちなみにフラット 35 や公的金融機関の住宅ローンでは収入合算者を連帯債務者として扱います 一方 連帯保証というのは ひとつの債務に対して 保証人となった人が主債務者 ( 実際に借金をした人 ) と連帯して債務を負担することです ふつうの保証と違って 連帯保証には補充性がありません したがって 債権者は連帯保証人から催告の抗弁権や検索の抗弁権を対抗されませんから 連帯保証された債権者の権利はふつうの保証よりも強力です これも連帯債務と同様 住宅ローンでは主に収入合算という形で連帯保証が関係します 連帯保証では 債権者 ( 銀行 ) と保証人 ( 収入合算者 ) が保証契約を結び それが連帯であるという特約によって成り立っています 例 銀行妻 ( 保証人 ) 特約付保証契約 し う 夫のみが主たる債務者 夫 ( 借入人 ) この場合にはローンの債務者は夫のみになるので住宅ローン控除も夫のみで妻は受けられません ちなみに民間の銀行で住宅ローンを収入合算で組むとこの形式をとることが多いようです *1 催告の抗弁権 ( 民法 452 条 ) 債権者が主たる債務者に請求せずに保証人に返済の履行を請求してきた場合には 保証人は まず主たる債務者に請求せよ と主張して その請求を拒絶することができる権利 *2 検索の抗弁権 ( 民法 453 条 ) 債権者が主たる債務者に催告した後で保証人に請求した場合であっても 保証人は さらに まず主たる債務者の財産に執行せよ と主張することができる権利 11