平成 30 年職員の給与等に関する報告及び勧告の概要 本年の給与勧告のポイント 平成 30 年 9 月 3 日福岡市人事委員会 民間給与との較差等に基づく給与改定 ~ 月例給 ボーナスともに引上げ ~ 1 民間給与との較差 (326 円 0.09%) 解消のため 給料月額を引上げ若年層について重点的に改定 2ボーナス ( 勤勉手当 ) の引上げ (0.05 月分 ) ( 年間支給月数 4.40 月 4.45 月 ) 3 平均年間給与は2 万 4 千円 (0.39%) の増加 1 市職員と民間従業員の給与比較 調査対象事業所 : 常勤の従業員 ( ) が50 人以上の市内民間事業所 (937 事業所 ) 雇用期間の定めがなく常時勤務する従業員 ( パート アルバイト等を除く ) 調査事業所数 : 調査対象事業所 (937 事業所 ) の中から無作為に抽出した198 事業所 198 事業所中 186 事業所の調査完了 ( 調査完了率 93.9%) (1) 月例給について 市職員給与と民間給与の 4 月分支給額を調査した結果 市職員給与が民間給与を 326 円 (0.09%) 下回った 民間給与 ( 事務 技術関係職種 ) 市職員給与 ( 行政職 ) 較差 ( 参考 ) 人事院 較差 381,095 円 380,769 円 326 円 (0.09%) 655 円 (0.16%) 行政職給料表適用職員の平均年齢 39.7 歳 平均勤続年数 16.5 年 ( 参考 ) 平成 29 年の給与較差 41 円 (0.01%) 631 円 (0.15%) (2) ボーナス ( 賞与等の特別給 ) について 民間従業員に対する直近の 1 年間 ( 昨年 8 月 ~ 本年 7 月 ) の賞与等の特別給の支給 実績を調査した 市職員の特別給 ( 期末 勤勉手当 ) の年間支給月数 (4.40 月 ) が 民間従業員の特 別給の年間支給割合 (4.46 月分 ) を下回った ( 参考 ) 人事院 民間の支給割合市職員の支給月数民間の支給割合国家公務員の支給月数 4.46 月 4.40 月 4.46 月 4.40 月 - 1 -
2 給与改定に対する基本的考え方職員の給与については 地方公務員法において 国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与等を考慮して定められなければならないとされている (1) 月例給本年 4 月時点で 市職員給与が民間給与を326 円 (0.09%) 下回っていることから 市職員の給与水準を市内民間企業従業員の給与水準と均衡させること ( 民間準拠 ) を基本として この較差に見合うよう市職員給与の引上げを行うことが適当 (2) 特別給 ( 期末 勤勉手当 ) 市職員の特別給の年間支給月数が 民間の特別給の支給割合を下回っていることから 0.05 月分 ( ) 引き上げることが適当 0.05 月単位で改定 3 勧告内容 次に掲げる項目ごとに 民間との較差のほか 国や他の地方公共団体の状況を考慮し た改定を行うこと (1) 給料表 区分ア行政職給料表 イ医療職給料表消防職給料表ウ教育職給料表 エ特定任期付職員給料表 内容〇民間との較差を踏まえた改定 1 若年層重点的に引上げ改定 2その他改定を行わないことを基本〇行政職給料表の改定との均衡を基本として改定 〇他の地方公共団体の状況を考慮した改定 ( 福岡県の教育職給料表の改定状況を考慮 ) 〇国に準拠した改定 (2) 初任給調整手当 医師に対する初任給調整手当については 福岡市内に勤務する国家公務員に対する当 該手当の支給額の改定があった場合には 当該改定に準拠した改定を行うこと (3) 期末 勤勉手当アイ及びウ以外の職員は 勤勉手当を0.05 月分引き上げること ( 年間 4.40 月 4.45 月 ) イ再任用職員は 勤勉手当を0.05 月分引き上げること ( 年間 2.30 月 2.35 月 ) ウ特定任期付職員は 期末手当を0.05 月分引き上げること ( 年間 3.30 月 3.35 月 ) - 2 -
( 一般の職員の場合の支給月数 ) ( 参考 ) 人事院 6 月期 12 月期 年間計 年間計 期末手当 1.225 月 ( 支給済み ) 1.375 月 ( 改定なし ) 2.60 月 2.60 月平成 30 年度勤勉手当 0.90 月 ( 支給済み ) 0.95 月 ( 現行 0.90 月 ) 1.85 月 1.85 月 平成 31 年度期末手当 1.30 月 1.30 月 2.60 月 2.60 月 以降 勤勉手当 0.925 月 0.925 月 1.85 月 1.85 月 (4) 改定の実施時期 区分 実施時期 (1) 平成 30 年 4 月 1 日 ( さかのぼって改定 ) (2) 国の実施日と同日 (3) 1 平成 30 年 12 月期分 平成 30 年 12 月 1 日 2 平成 31 年度以降分 平成 31 年 4 月 1 日 ウを除く 4 報告事項 (1) 会計年度任用職員制度について 地方公務員の新たな一般職の臨時 非常勤職員制度として 昨年 5 月の地方公務員法及び地方自治法の一部改正により 平成 32 年度から 会計年度任用職員制度 が創設されることとなった 今回の制度創設にあたっては 臨時 非常勤職員の勤務条件等について抜本的な見直しが求められていることから 本市においても法改正の趣旨を踏まえ 計画的かつ適切に対応していくことが必要 (2) 高齢層職員の能力及び経験の活用について 人事院は 定年を段階的に65 歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出 の中で 高齢層職員の能力及び経験を本格的に活用するため 定年を段階的に65 歳に引き上げることが必要とし 役職定年制や定年前の再任用短時間勤務制の導入 60 歳を超える職員の給与について 具体的な考えを示した 本市においても 職員が 60 歳を超えて勤務することを見据えた上で 現行の再任用制度をはじめ 高齢層職員の知識 技術 経験の活用や 高齢層職員を含めた人事管理の在り方について 引き続き検討を行っていくことが必要 また 定年の引上げに係る見直し等について 国の動向を注視していくことが必要 (3) 職員の勤務環境の整備についてア時間外勤務の縮減等について 本市においては 年間 360 時間を時間外勤務の上限の目安時間に設定 平成 29 年度に年間 360 時間を超えた職員は全体の7.6% 平成 28 年度 (8.8%) と比べて減少しているものの平成 27 年度 (7.7%) と比べると同水準の状況 - 3 -
任命権者においては 今年度から業務に応じた柔軟な勤務時間の設定を可能にするなどの新たな取組を実施しているところであり 今後その効果が表れることが期待される また 時間外勤務を含む勤務時間管理の徹底や時間外勤務の要因の分析に努めるとともに 適切なトップマネジメントのもと 職場全体における業務の一層の合理化や効率化を促進し 各種方針の組織内での共有 状況に応じた業務配分 時宜に応じた応援体制の確保などを図り 時間外勤務の縮減に取り組むことが必要 教員については 国において学校における働き方改革の取組が進められている背景を踏まえ 本市教育委員会は 教職員の長時間勤務の解消及び業務改善を総合的に実施していくため 福岡市立学校教職員の業務改善のための実施プログラム を本年 3 月に策定 今後とも 本プログラムに基づき取組を継続していくとともに 国の動向等を注視していくことが必要 イワーク ライフ バランスの推進について 本市においては 福岡市特定事業主行動計画 において 子どもが生まれた男性職員のうち 育児休業 部分休業又は育児短時間勤務のいずれかを取得した職員の割合を平成 32 年度までに 15% 以上にすることを数値目標として掲げている 平成 29 年度の割合は 10.8% で平成 28 年度 (10.7%) とほぼ同水準であるが 近年の状況としては増加の傾向 今後も 育児や介護に関する両立支援制度について職場での理解を深めていくとともに 同制度を活用しやすい職場環境づくりに取り組むことが必要 ウメンタルヘルス対策の推進について 平成 29 年度に病気やけがで1 月以上休んだ長期病休者の実態を見ると 原因となった傷病で最も多いのは 心の病 で 全長期病休者の5 割以上を占めており 依然として高い水準 本市においては 福岡市職員心の健康づくり計画 に基づき 未然防止 (1 次予防 ) 早期発見 早期対応(2 次予防 ) 職場復帰支援 再発防止(3 次予防 ) の対策を総合的に推進 今後も 職員自身 管理監督者及び安全衛生担当部署等がそれぞれの役割を果たし メンタルヘルス対策の取組を根気よく続けていくことが必要 エハラスメントの防止について 近年 ハラスメントの防止対策は社会的にも重要な課題 セクハラについては 国において 本年 6 月に 省庁幹部職員等へのセクハラ研修の義務化などを柱とする対策がまとめられた 本市においては セクハラを含むハラスメント全般について 相談窓口の設置や各種要綱等の策定 周知などに努めている 今後とも 防止のための啓発や相談しやすい窓口づくりに努めるとともに 職員からの相談には真摯に対応しながら 良好な職場環境を確保していくことが必要 - 4 -
(4) コンプライアンスの推進について 本市においては 全庁を挙げて不祥事防止に取り組んできたところであるが 今なお職員による不祥事が発生 任命権者においては これまで以上に 不祥事発生の原因の分析を行い 再発防止のために職員研修等を通じて全庁的に対策を講じるとともに 風通しの良い職場づくりにも努め コンプライアンスの向上に取り組むことにより 市民の信頼を確保していくことが必要 - 5 -
参考資料 (1) 過去の給与較差と期末 勤勉手当の推移 給与較差 ( 月額 ) 期末 勤勉手当 ( 年間支給月数 ) 福岡市国福岡市国 平成 26 年 0.15 % 591 円 0.27 % 1,090 円 4.10 月 4.10 月 平成 27 年 0.13 % 504 円 0.36 % 1,469 円 4.20 月 4.20 月 平成 28 年 0.03 % 98 円 0.17 % 708 円 4.30 月 4.30 月 平成 29 年 0.01 % 41 円 0.15 % 631 円 4.40 月 4.40 月 平成 30 年 0.09 % 326 円 0.16 % 655 円 4.45 月 4.45 月 (2) 給与比較の方法 較差 326 円 通勤手当 時間外手当を除く (3) 給与勧告に伴う職員 ( 行政職 ) の平均年間給与 ( 月例給 + ボーナス ) 勧告前勧告後増減額 618 万 3 千円 620 万 7 千円 行政職給料表適用職員の平均年齢 39.7 歳 2 万 4 千円 (0.39%) - 6 -