主婦の採用推進に向けた課題と対策 2015.9.15 宇佐川邦子
第一部 国内における労働人口問題 本資料では 講演資料より以下を割愛しています 国内における労働人口問題 ~ 崩れる人口ピラミッド ~ 国内における労働力人口は減少 完全失業者数及び失業率は下降傾向 有効求人倍率は上昇一方 - 1 -
千葉県の人口は横ばい 1995 年から 20 年で約 45 万人増加しているが ここ 5 年は横ばい 635 630 625 620 615 610 605 600 595 590 585 580 575 570 565 560 555 千葉県人口推移 万人 580 592 606 ここ 5 年は横ばいが続いている 627 628 626 624 624 625 1995 年 2000 年 2005 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 出典 : 総務省統計局 労働力調査 - 2 -
千葉の完全失業率と有効求人倍率 完全失業率は減少傾向 有効求人倍率は上昇傾向 完全失業率 有効求人倍率 % 6.0 5.0 千葉県 全国 1.20 1.00 倍 千葉県 継続した上昇傾向 全国 4.0 0.80 3.0 0.60 2.0 1.0 全国の失業率と同じ波形 0.40 0.20 0.0 0.00 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 2014 2013 2012 2011 2010 2009 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 出典 : 総務省統計局 労働力調査 - 3 -
- 4 - 参考 : 都道府県別有効求人倍率出典 : 厚生労働省 一般職業紹介状況 職業安定業務統計 2015 年 7 月 倍 1.02 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2 北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県北海道 東北北関東南関東北陸甲信東海近畿中国四国九州 沖縄全国 1.21 倍有効求人倍率 2015 年 7 月
第一部 国内における労働人口問題のサマリ まとめ 雇用課題 結論 少子高齢化 人口減少 労働力人口減少 完全失業率低下 有効求人倍率上昇 全産業で労働力の獲得競争が激化 潜在労働力の活用 と 従業員の定着促進 がより重要に - 5 -
第二部 新たな労働力について - 6 -
新たな労働力を生み出す人材源 就業率と潜在的労働力の差が大きいのは 女性のミドル層 若年層ミドル層シニア層 1 潜在的労働力が多い新たな労働力として活用 出典 : 総務省統計局 労働力調査 2013 年 - 7 -
女性 主婦 の特徴 ~ 就業重視点と意欲 ~ - 8 -
- 9-1 女性ミドル層の重視要件 女性は 労働条件の柔軟性 勤務地が自宅近郊 を重視出典 : リクルートジョブズ 求職者の動向 意識調査 2013 年 T O T A L 仕事内容 職種 勤務地勤務日数 休日 休暇 勤務時間帯勤務時間数通勤時間 通いやすさ 勤務期間 長 短期 給与職場の雰囲気会社の業種 製造業 サービス業など 福利厚生評価 昇給制度給与の支払日 日払 週払 月払など 教育 研修制度の有無会社の業績 売上 利益 会社の理念 ビジョン会社の知名度会社の規模いずれも該当しない TOTAL 30 代 40 代 6,692 62.0 60.3 59.0 55.8 52.0 46.6 43.6 43.3 42.0 21.8 17.5 15.0 10.7 6.9 8.8 7.2 3.7 3.5 3.6 男性ミドル層 2,469 60.7 45.1 38.9 32.9 30.3 28.4 35.3 49.9 33.9 24.6 19.8 21.5 12.1 9.0 13.1 10.4 4.2 4.9 6.5 女性ミドル層 4,224 62.7 69.2 70.8 69.2 64.6 57.2 48.4 39.4 46.8 20.2 16.1 11.3 9.9 5.7 6.3 5.3 3.3 2.6 1.8 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 男性女性 < 男性 > 1. 仕事内容 2. 給与 < 女性 > 1. 勤務日数 2. 勤務時間勤務地
未就業主婦層の存在 女性の中でも 有配偶者 主婦 の就業率は低い 年代別女性の就業率 出典 : 総務省 労働力調査 2013 年 - 10 -
主婦の 働きたい 理由 約半数は 社会とのつながりを得るため に仕事をしたいと思っている 主婦の 働きたい 理由 収入面除く 社会とのつながりを得るため 47.3% 自分が成長するため 47.3% 視野を広げるため 45.3% 社会に貢献するため 22.4% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 20~49 歳の既婚 子どもありの女性 :N=4,281 出典 : リクルートジョブズ 主婦の就業に関する 1 万人調査 2013 年 - 11 -
主婦の 働きたくても働けていない 理由 希望にあう 時間 日数 の案件が少ないことが働けていない理由 主婦の 働きたくても働けていない 理由 希望する終業時間の募集が少ない希望する始業時間の募集が少ない希望する1 日の就業時間が少ない希望する週休日数の募集が少ない自分の能力に不安がある 37.2% 35.9% 34.6% 31.4% 28.8% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 無業 求職者 20~49 歳の既婚 子どもありの女性 :N=690 出典 : リクルートジョブズ 主婦の就業に関する 1 万人調査 2013 年 - 12 -
主婦の 就職への不安度 就業意向者の主婦の 90% 以上が就職に不安を感じている 就職への不安度 90% 以上が不安と回答 就業意向者 主婦 44.3 27.2 22.1 5.9 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 大変不安不安やや不安不安はない無回答 n=2,189 不安理由 4 人に 1 人が回答 離職期間が長いことによって感じる不安 育児と両立させることができるか 人間関係においてうまくやっていけるか 出典 : リクルートジョブズ 主婦の就業に関する1 万人調査 2013 年 - 13 -
第二部 まとめ まとめ 労働力人口減少時代の人材確保のカギ ~ 主婦の特性 ~ 労働時間の柔軟性 社会とのつながり 自身の成長 を求めている 反面 就職への不安 は高い - 14 -
第三部 千葉県の中小企業の実態 - 15 -
調査 千葉県の中小企業 510 社の実態 調査目的 千葉県の中小企業における既婚女性 主婦 の就業実態を把握すること 調査対象 千葉県内の中小企業 小規模事業者 2,500 社 うち有効回答数 510 社 調査主体リクルートジョブズジョブズリサーチセンター 調査期間 2015/5/21~6/10 調査結果の詳細は調査報告書 10/1 公表 を参照 ジョブズリサーチセンター WEB サイト :http://jbrc.recruitjobs.co.jp/ - 16 -
回答企業のプロフィール 従業員数が 49 人以下の企業が 85% を占める 従業員数 35 30 29.6 25 22.2 24.5 20 15 11.8 10 5 6.7 4.5 0 1 人 ~ 4 人 5 人 ~ 9 人 1 0 人 ~ 1 9 人 2 0 人 ~ 4 9 人 5 0 人 ~ 9 9 人 1 0 0 人以上 n=510-17 -
従業員数の過不足感 正社員 正職員 パート に対し 3 割が不足を感じている 従業員数の過不足感 正社員 正職員 契約社員 パート アルバイト 派遣社員 嘱託 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 余っている不足している過不足はない不明 正社員 正職員 n=497 契約社員 n=101 パート n=332 アルバイト n=103 派遣社員 n=43 嘱託 n=90-18 -
主婦の採用意識 パート アルバイトは 54.5% と半数以上が積極的に採用している 主婦の採用意識 正社員 正職員 19.9 14.3 契約社員 20.8 5.9 パート アルバイト 34.6 19.9 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 積極的に採用している どちらかといえば積極的に採用している どちらともいえない 採用しているが どちらかといえば消極的 採用しているが 消極的 採用していない 該当者がいない 不明 正社員 正職員 n=497 契約社員 n=101 パート アルバイトn=367-19 -
主婦を対象とした人材活用の状況 主婦の活用状況は 7 割以上が活用できていると回答 主婦を対象とした人材活用の状況 70% 以上が活用できていると回答 活用できていないのは 6.3% 71% 6.3% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 非常に活用できているどちらかといえば活用できているどちらともいえない どちらかといえば活用できていないまったく活用できていない不明 n=510-20 -
主婦の採用理由 - 21 - 過半数は欠員補充のために主婦を採用しており人材戦略として主婦を積極的に採用しているのは 1 割にとどまる主婦を積極的に採用する理由 0 10 20 30 40 50 60 退職者 休職者の欠員補充事業拡大に伴う人員補充人手不足により 以前と採用のターゲットを変えてでも人員充足が必要なため今後の労働力不足に備えた人材戦略のため事業や商品開発 提供サービスの向上など女性視点を活かすため現在就業中の既婚女性 主婦 従業員が優秀なため応募者に既婚女性 主婦 が多いため世の中の流れで既婚女性 主婦 の就業が促進されているため長期間の就労が見込めるためその他正社員 正職員契約社員パート アルバイト主婦を欠員の補充と考えている 正社員 正職員 n=342 契約社員 n=117 パート アルバイト n=333
主婦の採用職種 - 22 - 主婦の採用職種は 事務職 が過半数を占めている主婦の採用職種 6.4 55.6 5.9 10.5 10.9 10.5 1.7 0.0 3.6 0.7 23.8 0.5 0.7 0.0 0.2 7.1 6.7 0 10 20 30 40 50 60 管理職事務職営業 渉外職サービス職販売職生産工程 製造関連職建築 土木 工事関連職運輸 通信関連職物流 仕分け関連職保安 警備職介護 看護 医師 薬剤師 I T エンジニアデザイン クリエイティブ職塾講師 家庭教師農林漁業関連職その他不明半数以上が主婦を 事務職 で採用している n=421
主婦の活用による成果 - 23 - 企業イメージの向上や売り上げ拡大など まだまだ成果としての伸びしろは大きい主婦を活用できていることによる成果 0 10 20 30 40 50 60 既婚女性 主婦 の採用ができている / 計画通りに採用できる既婚女性 主婦 の離職率が低い既婚女性 主婦 のモチベーション管理ができている / うまくいっている優秀な人材が採用できるようになっている全従業員の離職率が低くなっている全従業員のモチベーションの向上適切な業務の配分ができている業務効率 生産性の向上事業や商品の企画力 提供するサービスの質の向上企業イメージの向上残業時間の減少従業員の定着による人件費の削減売上高の増加管理職のマネジメント能力の向上子育てをする従業員の理解の促進その他不明卸 小売業医療 福祉関連業製造業その他サービス業離職率の低下や適切な業務配分 残業時間の減少など職場コンディションでの成果は出ている n=99 n=92 n=69n=37
参考 主婦の役立つ経験 能力 スキル - 24 - 育成フォローは必要だが 熱意 意欲 行動力 実行力 が役立つスキルに上がっている役立つ主婦の経験 能力 スキル - 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 実務の経験家事の経験育児の経験介護の経験地域社会のネットワークコミュニケーション能力一般常識 教養資格熱意 意欲協調性行動力 実行力理解力 判断力創造力 企画力その他不明活用できている活用できていない n=510 即戦力ポテンシャル やる気
主婦を活用できない理由 - 25 - 活用できない理由は 採用ができない 勤務日時の調整が難しい 主婦を活用できていない理由 34.4 12.5 3.1 9.4 0.0 0.0 6.3 21.9 3.1 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 既婚女性 主婦 の採用ができない / 計画通りに採用できない既婚女性 主婦 の離職率が高い既婚女性 主婦 のモチベーション管理が難しい / わからない適切な業務の配分が難しい / わからない業務効率 生産性の低下勤務時間の調整に伴う人員の増加勤務時間の調整に伴う人件費の増加勤務時間 勤務日の調整が難しい既婚女性 主婦 の限定された働き方に対し 他従業員から不満がでている n=32
主婦を活用できない理由 労働時間の調整や環境の整備 主婦の仕事ではないというコメントが見られる 主婦を活用できていない理由 労働日時 勤務時間の調整 子どもの学校行事や私用の優先 が難しい 残業時間について 制限される 仕事はしっかりやるが 子供の病気とか 学校行事などであてにならないことが多い 労働環境 男性でだけで働いているので トイレ等の環境を整備しなければならない 採用予定なし 主婦の仕事が無い 女性には無理な職種 - 26 -
今後の採用の見通し 全体の 4 割以上が主婦を積極的に採用する見通しであり 採用全体の見通しと大きな差はみられない 採用の見通し 40% 以上が積極的に採用見通し 採用全体 既婚女性 主婦 新規学卒 シニア層 60 歳以上 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 積極的に採用していく どちらともいえない まったく採用しない予定 どちらかといえば積極的に採用していく どちらかといえば消極的 あまり採用しない予定 不明 n=510-27 -
調査まとめ 主婦の活用割合 主婦の採用 活用状況 確保 定着 活用 多くの産業では欠員の補充 事務職として採用 確保 定着 活用のためには 労働 拘束時間 活用 70% 医療 福祉関連業 が活躍できている割合を押し上げている 離職率が低いという定着だけが大きな成果 活躍できている割合も高くない 売上 UP 企業イメージ向上など本質的に活用していく意識が必要 休日 休暇育成フォロー活用の方針 - 28 -
第四部 労働力確保に向けた取り組み 本資料では 講演資料より以下を割愛しています 主婦の応募に至るまでの行動心理プロセス 労働力定着 確保とサービスプロフィットチェーンの関係 企業の取組労働力確保に必要な要素 取り組み事例 - 29 -