の課題フェイズごとの食に関する問題 大規模な水害や地震が起きると ライフラインが寸断されたり家屋が倒壊 損傷したりして自宅で食事を摂ることができなくなります しばらくすると支援物資が運ばれてきますが 道路の寸断により時間がかかり食料が手に入りにくい状況も想定されます また 避難所や野外へ避難する人が

Similar documents
発行にあたって 自然災害が少ない岡山県に暮らす私たちは 全国各地で大規模地震等が起きても どこか他人事ですませてきました しかし 平成 21 年 8 月に起きた豪雨災害で 美作市を中心に家屋の全半壊や床上浸水が200 戸余りという大きな被害が発生しました 地域には高齢者の一人暮らしや高齢者世帯なども

3 歯科医療 ( 救護 ) 対策 管内の歯科医療機関の所在地等のリスト整理 緊急連絡網整備 管内の災害拠点病院 救護病院等の緊急時連絡先の確認 歯科関連医薬品の整備 ( 含そう剤等 ) 自治会 住民への情報伝達方法の確認 病院及び歯科診療所での災害準備の周知広報 - 2 -

事例9

H25 港南区区民意識調査

id5-通信局.indd

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

<4D F736F F F696E74202D F093EF8A6D95DB8C7689E681768DEC90AC82CC8EE888F882AB2E B8CDD8AB B83685D>

4 災害時における他機関 他施設との協定の締結状況災害時に他機関 他施設との協定を結んでいる施設は 97 施設で 1 か所と締結している施設が多くありました 締結先は 地元自治会 町内会 病院 近隣施設 社会福祉施設 物流会社 福祉ネットワーク 市町村等でした 図 2 災害時における他機関 他施設と

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

職員の運営能力の強化 避難所担当職員研修の実施 全庁対象の避難所担当職員研修(5 回開催で約 400 名参加 ) 区毎の避難所担当職員研修 男女共同参画の視点に立った避難所づくり 共助による災害時要援護者支援の取り組みについて説明 各区災害対策本部との連絡 避難所内の課題解決の調整など 地域団体等へ

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

平常時に個人 家族ができること 個人 家族 非常食の目安 1人3日分の食料 水2ℓ 3日 無洗米 アルファ化米 乾パン 1日3食 3日 カップ麺 レトルト食品 缶詰 1日3食 3日 家族4人なら 水 ペットボトル2ℓ 12本 無洗米 アルファ化米 乾パン 36食 カップ麺 レトルト食品 缶詰 36食

大規模災害対策マニュアル


<4D F736F F D BF88CB4926E88E696688DD08C7689E6918D8A872E646F6378>

災害時の特定給食施設等のための

04 Ⅳ 2(防災).xls

() 港南区の防災 箇条 港南区の防災 箇条は平成 年に定められましたが 初めて言葉を聞いた が% と最も多く 認知度は低くなっています 内容を知っており 箇条をもとに災害時の備えを実施している は% にとどまっています [ 性年代別防災五箇条認知度 ] 高齢者の方が認知度が高くなる傾向にあり 男女

(溶け込み)大阪事務所BCP【実施要領】

<4D F736F F D20967B95B681698DC58F498D D8E968C888DD A2E646F63>

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

災害時要援護者支援マニュアル策定ガイドライン

平成17年度社会福祉法人多花楽会事業計画(案)

者のために個室や隔離したスペースを確保する 身近な福祉避難所 また 一般の避難所や身近な避難所では避難生活が困難な要配慮者を避難させるために 社会福祉施設等に開設する 福祉避難所 と重層的に福祉避難所を設置することを想定している (2) 要配慮者とは福祉避難所の対象者として想定されるのは 法律上 要

平成 28 年度 県民 Webアンケート 第 6 回自主防災の取り組みについて 実施期間 2016/9/15~2016/9/21 アンケート会員数 224 人回収数 191 件 ( 回収率 85.3%) 近年 全国各地で自然災害が多発しており 奈良県でもいつ大きな災害に見舞われるかわかりません 災害

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

はじめに 道では 北海道行政基本条例 に基づき 道政の基本的な方向を総合的に示す計画として 新 北海道総合計画 を策定し 政策展開の基本方向の一つとして 安心で心豊かな北海道ライフスタイル を掲げ 安全 安心な生活の確保 に向け 防災 減災の体制づくり を進めています 保健福祉部では 特に 子ども

<4D F736F F D20CADFCCDEBAD D9595B68E9A816A8AEC91BD95FB8E735F5F91E682558AFA89EE8CEC95DB8CAF8E968BC68C7689E >

平常時の防災活動 家庭内対策 指導ポイント 家屋の耐震診断と補強 家具などの転倒 落下防止と避難経路の確保 市町においては耐 家具の転倒による被害を防ぐ 震診断や耐震補強の ため タンス 食器棚などの家 補助を行っていま 具は 動かないようあらかじめ す 固定しておきましょう 冷蔵庫 などキャスター

( 社会福祉施設用作成例 ) (4) 施設管理者は, 緊急時連絡網により職員に連絡を取りましょう (5) 施設管理者は, 入所者の人数や, 避難に必要な車両や資機材等を確認し, 人員の派遣等が必要な場合は, 市 ( 町 ) 災害対策本部に要請してください (6) 避難先で使用する物資, 資機材等を準

基本事業評価シートA

西区05-CS5_小

第3回検討会_質の向上WG検討状況報告


4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

活実態と関連を図りながら重点的に指導していきたい また, 栄養教諭による給食献立の栄養バランスや食事によるエネルギー量を基盤として, グループごとに話合い活動を取り入れるなどの指導の工夫を行いたい また, 授業の導入にアイスブレイクや, カード式発想法を取り入れることにより, 生徒が本気で語ることが

< F2D817991E F1817A8C46967B2E6A7464>


1 東日本大震災での多くの被害が発生!! 平成 23 年 2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災は 三陸沖を震源としたマグニ チュード 9.0 仙台市内での最大震度 6 強 宮城野区 という巨大な地震でした 東部沿岸地域では 推定 7.1m 仙台港 もの津波により 家屋の浸水やライフラ

PowerPoint プレゼンテーション

東京事務所版 BCP 実施要領目次応急頁 < 第 1グループ> 直ちに実施する業務 1 事務所における死傷者の救護や搬送 応急救護を行う一時的な救護スペースの設置 運営 備蓄の設置 医療機関への搬送 1 2 事務所に緊急避難してきた県民や旅行者等への対応 避難 一次避難スペースの運営 指定避難所への

第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

要配慮者支援班の業務 1 配慮が必要な人の情報把握 (1) 情報把握 総務班名簿係と連携し 避難所利用者 ( 避難所以外の場所に滞在する人を含む ) のうち 配慮が必要な人を グループごとに把握する 避難支援のための個別計画がある場合は 内容を確認する (2) 聞き取り 避難所利用者でつくるグループ

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

本書の目的介護保険サービス事業所は, 高齢者の方が多く利用しており, 災害発生時には避難等の援助が必要となるため, 事業者は, 災害発生時に迅速かつ適切な行動をとれるように備えておく必要があります 本書は, 介護保険サービス事業所が災害対応マニュアルを作成する際に特に留意する点についてまとめています

第3章 指導・監査等の実施

< F2D816994D48D FA957493FC816A >

自主防災組織をつくろう

PowerPoint プレゼンテーション

アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

~ 神奈川県にお住まいの方へ ~ マイ ME-BYO カルテ で毎日の健康記録と いざというときの安心を 神奈川県が運営するアプリ マイME-BYOカルテ を 解説しています 利用料は無料ですので ぜひ 健康管理や災害時の備えとして御利用ください 1 マイME-BYOカルテとは マイME-BYOカル

計画の今後の方向性

子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

<4D F736F F D DD08A518E9E82CC B B68A888E D836A B81698F4390B394C5816A>

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6


障害者 ( 児 ) 防災アンケートの主旨 アンケートの概要 Ⅰ 避難に関すること Ⅱ 情報伝達に関すること Ⅲ 避難所及びその環境に関すること Ⅳ 日頃の備えに関すること 障害者 ( 児 ) 防災アンケート < 配布用 >

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

2. 栄養管理計画のすすめ方 給食施設における栄養管理計画は, 提供する食事を中心とした計画と, 対象者を中心とした計画があります 計画を進める際は, それぞれの施設の種類や目的に応じて,PDCA サイクルに基づき行うことが重要です 1. 食事を提供する対象者の特性の把握 ( 個人のアセスメントと栄

「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

高齢者虐待防止対応マニュアル別冊 6 関係機関との連携 (1) 各機関の役割 市町村や地域包括支援センター等の関係機関は それぞれ対応可能な範囲があります 範囲を超えた対応は行うことができません また 事例によって関係機関の対応を依頼する場合があります 市町村が中心となるコアメンバー会議によって 大

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

) 個人 家族平常時のセルフチェック表 () 非常持ち出し用防災袋を準備している 非常食の備蓄セルフチェック項目チェックチェックがつかない場合に取り組むこと手引き 持ち出しやすく わかりやすい場所に保管している 家族全員が保管場所を知っている緊4 急 飲料水 500ml 人数分持 エネルギー源となる

Microsoft PowerPoint - 資料8 家計相談支援事業について

Interview 02 vol. 15 vol

平成 24 年 11 月 6 日 大熊町住民意向調査調査結果 ( 速報版 ) 復興庁福島県大熊町 調査の概要 1. 調査対象 : 全世帯主 ( 分散避難している場合は それぞれの代表者 ) 5,378 世帯 2. 調査時期 : 平成 24 年 9 月 7 日 ( 金 )~9 月 24 日 ( 月 )

国土技術政策総合研究所 研究資料

<4D F736F F F696E74202D E9197BF817C A96688DD081458CB88DD082CC8DA18CE382CC8EE682E DD2E >

スライド 1

72 豊橋創造大学紀要第 21 号 Ⅱ. 研究目的 Ⅲ. 研究方法 1. 対象 A B

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF E894A8AFA8B7982D191E495978AFA82C982A882AF82E996688DD091D490A882CC8BAD89BB82C982C282A282C4816A48502E646F63>

<4D F736F F D208CCB8CB482DC82C682DF95F18D908F E D6F64>

目 次 ページ はじめに 1 地区防災計画制度について 1 防災計画の全体像 地区防災計画制度の全体イメージ 2 地区防災計画とは 2 3 本冊子 手引き の活用方法 2 手引きの構成 手引きの活用イメージ 地区防災計画 作成の手引き 1 制度の背景 3 (1) 作成の目的 (2) 自助 共助の重要

自治会では どのように 取り扱ったらいいの ですか? 自治会における情報の取り扱い 個人情報保護法では 持っている情報を適正に扱うことを規定しています 自治会が会員の氏名や住所 電話番号などの個人情報を持つことは 活動する上で不可欠です これからは 自治会においても大切な情報を守るため 正しい管理に

☆配布資料_熊本地震検証

人的応援 研修 訓練の実施 県受援マニュアル及び災害時緊急連絡員活動マニュアルを踏まえた研修 訓練の強化 () マニュアルに基づく研修 訓練県が策定する 応援職員における奈良県への受入及び市町村への短期派遣マニュアル 及び 災害時緊急連絡員活動マニュアル に基づき 災害時に役立つ実働的な訓練や研修を

<4D F736F F D208EA98EE596688DD DD A8890AB89BB837D836A B2E646F63>

<30352D31208B6391E890E096BE8F AEB8B408AC7979D816A2E786C73>

00.xdw

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

Microsoft Word - ☆5章1栄養.doc

防災業務計画 株式会社ローソン

三重県新地震・津波対策行動計画(中間案)130308

イ留意事項 ( ア ) 対処基本方針が廃止された場合は 救援の継続や復帰のための措置について 何らかの措置により行います ( イ ) 復帰のための措置 a 誘導以外の措置 b 市長 知事による誘導 (2) 別紙第 1 情報計画 参照 2 構想 (1) 活動方針市 ( 環境防災課ほか各課 ) は 県

1 栄養成分表示を活用してみませんか? 媒体の内容 1 ページ 導入 ねらい : 栄養成分表示 とは 食品に含まれているエネルギー及びたんぱく質 脂質 炭水化物 食塩相当量などを表示したものであることを理解する 栄養成分表示を見たことがありますか? と問いかけ 普段から栄養成分表示を見ているか 見て

( 県の責務 ) 第三条県は 地震防災に関する総合的な施策を策定し 及びこれを実施する責務を有する 2 県は 市町村 自主防災組織その他防災関係機関等と連携して 地震防災対策を推進しなければならない 3 県は 地震に関する調査及び研究を行い その成果を県民 事業者及び市町村に公表するとともに 地震防

02一般災害対策編-第3章.indd

PowerPoint プレゼンテーション

資料 4 医療等に関する個人情報 の範囲について 検討事項 医療等分野において情報の利活用と保護を推進する観点から 医療等に関する個人情報 の範囲をどのように定めるべきか 個別法の対象となる個人情報としては まずは 医療機関などにおいて取り扱われる個人情報が考えられるが そのほかに 介護関係 保健関


北栄町耐震改修促進計画の目的等 目的 本計画は 町民生活に重大な影響を及ぼす恐れのある地震被害から 町民の生命 財産を保護するとともに 地震による被害を軽減し 社会秩序の維持と公共の福祉に資するため 建築物の計画的な耐震化を促進することを目的とします 計画の実施期間 本計画の実施期間は 国及び県の実

<4D F736F F F696E74202D20332E8CFA90B6984A93AD8FC E18F8A93BE8D8297EE8ED293998F5A82DC82A B68A888E B8E968BC682CC8D6C82A695FB B8CDD8AB B83685D>

(1) ほのぼのネット事業 目的事業内容経過方法と時期 担当係: 地域係 地域でサポートを必要としている人の発見 見守り 交流活動を 地域で暮らす住民自らが主体となって取り組む ほのぼのネット活動 の推進を通じて 住民の手による 福祉のまちづくり を展開します 1 ほのぼのネット班 28 班による見

ファシリテータ用ガイド

大津市避難所運営マニュアル

Transcription:

第 2 災害時の食の課題 1 災害時に生じる食の問題ア ) 災害弱者 災害時の支援活動は 生命の確保に重点が置かれ 各市町村においても地域防災計画を策定するなどの対策が講じられています 災害により住宅が倒壊するなど生活する場所を失った場合には 避難所での生活を余儀なくされ そのような場面では 行政等が手配した支援物資等により被災者の食料を確保することになります 支援物資として届けられるものは 被災直後には 生活に必要なエネルギー ( カロリー ) を確保することを最優先とし コンビニエンスストア等の弁当やおにぎり お菓子やジュース等が届けられます これらの食品は輸送面での負担が比較的少なく さらに 菓子類については手軽にエネルギー ( カロリー ) を摂取することができるほか 長期的な保存に適しています しかし 被災後に このような食事が長期的に提供されると健康状態を維持するために必要な栄養素が確保できず 特定の栄養素の不足が原因となり健康な人も体調を崩す恐れがあります さらに 菓子類等の過剰摂取は 肥満や血圧を高めるなどの原因のひとつとなる恐れがあります そもそも このような食事が長期間続くと 健康な人でも食欲が無くなり 提供された食事を食べなくなります イ ) 災害時要支援者 食事に特別な配慮が必要な乳幼児や高齢者 病気のために食事治療を受けている人にとっては 被災直後から的確な食事を摂取しなければ 健康状態を悪化させるなど生命に関わる状態に陥ることになります しかし 災害発生時には生活に必要なエネルギーの確保が最優先となり 災害時要支援者の食事は入手が困難であったり あっても量が不足することが想定されます 2 時系列ごとの課題 災害時には 発生後から時間経過とともに様々な課題が生じてきます それらの状況を踏まえたうえで 平常時から対策を講じることが必要です フェイズごとに次のようなことが想定されます

の課題フェイズごとの食に関する問題 大規模な水害や地震が起きると ライフラインが寸断されたり家屋が倒壊 損傷したりして自宅で食事を摂ることができなくなります しばらくすると支援物資が運ばれてきますが 道路の寸断により時間がかかり食料が手に入りにくい状況も想定されます また 避難所や野外へ避難する人が増え生活環境や衛生環境が悪化するなど 災害時要支援者への配慮も難しくなります 食 フェイズ 1 緊急対策期 : 概ね災害発生後 72 時間以内 自宅で暮らすことができなくなった人は避難所や野外で生活を始め トイレの不足や水の不足等から衛生面の悪化が深刻になります ライフラインはまだ回復せず自宅で食事を摂ることができませんが 支援物資が定期的に届くようになり 地域での炊き出しが始まります しかし 同じような食事が続き食欲が低下し始めます また 災害時要支援者の食事は十分に確保されません この頃になると ライフラインが徐々に復旧し 自宅へ戻る人もで始めたり 仮設住宅の建設が始まり入居者の募集も始まります 避難所や野外での生活が続き トイレ不足から水分摂取を制限するため便秘する人が増えたり 慢性疲労や体調不良を訴えたりする人が増えます また 支援物資での飲食が続くと生鮮食品の不足 塩分の摂取量の増加 栄養の偏り エネルギーの過剰摂取などの問題が生じます さらに 同じような食事が続くことで食欲不振になったり 温かい食事が食べたくなります また 投薬治療を受けている人は 治療中の薬が不足してくるといったことも起きてきます フェイズ 3 復旧 復興対策期 :2 週間以降 ライフラインも概ね復旧し 自宅での生活に戻ったり仮設住宅へ入居したりできるようになります 長期の避難所暮らしを余儀なくされる人は運動不足による肥満や慢性疾患の悪化の恐れがあります また 将来の生活への不安等の精神面の不調が生じることもあります 仮設住宅の調理においては 調理器具が制限されることもあり 料理のメニューが限られたりするので栄養面での配慮が必要となります

3 関係団体等との連携が必要 災害時においては 町内会 自治振興協議会や自主防災組織が重要な役割を担いますが 併せて 関係機関や関係組織との連携も重要です 平常時から 関係機関や関係組織と連携を図り それぞれの役割を明確にしておきましょう また 災害時には 様々な情報が入り交じることによる混乱が生じる可能性があることから 確実な情報伝達ルートを明確にしておく必要があります さらに 炊き出し等の必要性が生じた場合には 炊き出しに必要な場所や調理器具 人材 食材料等の手配が必要となるので 平常時から 関係機関及び関係団体等との連携を図り 円滑に対応できるように体制を整備しておくことが必要です 関係団体例示 : 栄養士会 ( 1) 愛育委員連合会( 2) 栄養改善協議会( 3) 看護協会 ( 4) 薬剤師会 食品衛生協会 調理師会 社会福祉協議会 老人クラブ 商工会 農協 NPO 難病患者団体 災害ボランティア等 1: 栄養士免許を持っている栄養の専門職の団体です 地域や医療現場等で食事に関する指導等に従事するなど 食からの健康づくりを支援しています 2: 地域で母子保健を中心とした生涯にわたる健康づくり活動に取り組むボランティア団体です 3: 地域で食を中心とした健康づくり活動に取り組むボランティア団体です 4: 保健師 助産師 看護師 准看護師の免許を持っている看護職の団体です 地域や医療現場で人々の病気を回復させたり 健康になるための支援を行っています 4 それぞれの課題や役割 災害時には 個人 家族 ( 自助 ) 自主防災組織 町内会等( 共助 ) 行政 ( 公助 ) が状況を把握した上で それぞれの役割を果たすことが必要です そのためには 平常時から 災害を想定した備えが必要です

1) 個人 家族の課題 平常時 災害はいつ起こるかわかりません 非常時に備えて備蓄食品を確保しておきましょう 特に食事に特別な配慮が必要な災害時要支援者は災害時には必要な食料の確保が難しくなります 最低でも3 日分程度の食料を備蓄しておきましょう また 災害時にどのようなものを持ち出すのか 事前に家族で話し合っておくことも重要です 食 災害直後は 電気 ガス 水道等のライフラインが寸断し 普段どおりの食事を摂ることができなくなります また 支援物資も到着するまで時間がかかることがあるため 備蓄食品を活用してエネルギーの確保に努めましょう また 食事に特別な配慮が必要な災害時要支援者は食事の確保が難しくなります 必要な食事が確保できない場合は 周囲に伝えて食料の確保に努めましょう フェイズ 1 緊急対策期 : 概ね災害発生後 72 時間以内 避難所では 不自由な暮らしをしいられます 感染症の流行や衛生面の悪化等から体調を崩す恐れもありますので 体調の管理に気をつけましょう 特に 災害時要支援者は注意が必要です 適切な飲食ができない場合は 避難所の管理者等に支援を求めましょう 避難所等での不自由な生活が続き 慢性疲労や体調不良を訴える人が増えてきます また トイレの不足から水分摂取を控える人が多く 便秘になりやすくなります 引き続き体調の管理に気をつけましょう ライフラインが復旧し 自宅に戻ったり仮設住宅に入居したりできますが 仮設住宅での生活は調理器具が制限されることもあり 栄養が偏ったり調理意欲が低下したりします 今までと違った環境で精神的なストレスが発生することもあります また 長期の避難所暮らしを余儀なくされる人は運動不足による肥満や慢性疾患の悪化等も起こりやすくなります 将来への不安もあり 心のケアも含めて体調管理には引き続き気をつけましょう

2) 自主防災組織 町内会 自治振興協議会等 平常時 災害が起きた時に備えて 炊き出し場所や炊き出し用器具 精米所がある場所を事前に確認しておくことが必要です また 地域で乳幼児 高齢者 病気のため食事治療を受けている人等災害時に配慮が必要な人がどこにいるのか事前に把握しておく必要があります 当事者と災害を想定した避難方法を確認しておくことも大切です 災害時に備えて備蓄を呼びかけることや避難訓練等の普及啓発も行います 災害発生時には 地域住民の安否確認が重要です 特に乳幼児や独居高齢者がいる世帯 介助を要する人がいる世帯等は優先的に確認を行います 市町村等の備蓄食品や支援物資が届いた場合には 必要とする世帯に物資が行き渡るように配慮します また 物資をスムーズに配布するには配布経路や配布方法を事前に決め 明示しておくことも必要です また 炊き出しが必要となることもありますので 炊き出しの準備を行います フェイズ 1 緊急対策期 : 概ね災害発生後 72 時間以内 支援物資は弁当やおにぎり 菓子類が中心となります しかし 乳幼児や高齢者 病気のため食事治療を受けている人等で支援物資を食べられない人もいますので こういった人を把握し必要な食料を確保することが必要です また 支援物資だけでは食料が不足したり 栄養が偏ったりするので 地域で炊き出しを実施し 温かい食事の提供を行います また 生活環境が普段と異なり困っている人の生活支援も必要となってきます なお 避難所が数か所になった場合にも確実に食料等の支援物資が届くように避難所設置場所を把握します ライフラインが徐々に復旧してきます 炊き出しにおいても 復旧段階に応じて内容を変更していく必要があります 水害等においてはライフラインの復旧が比較的早く 炊き出しする期間も数日と短い場合があるので 炊き出しの終了時期についても検討する必要があります また 心身の疲労から体調を崩す人が増えてきます 自分から言い出せない人もいますので 必要であれば医師や保健師や看護師 栄養士等に連絡し 対応してもらいます 困っている人の生活支援も引き続き必要です 仮設住宅へ入居する人もあり 今まで緊密であった近隣の方との関わりも疎遠になる人もいます 被災後の体調の変化が把握しにくくなります 地区組織として住民が孤立しないよう声かけや集まりの場が必要です ボランティア等も活用して 生活支援を行います

3) 関係機関 団体 ( 栄養士会 看護協会 栄養改善協議会 愛育委員連合会等 ) の課題 平常時 災害時を想定したマニュアルの整備が必要です 関係機関と連携し災害時にどのような支援が必要か確認しておきます 災害直後は 迅速に情報を把握するとともに支援体制を整えます 食 フェイズ 1 緊急対策期 : 概ね災害発生後 72 時間以内 各団体の特性を生かして 被災地での支援を実施します 避難所等において巡回指導を実 施したり 炊き出しの支援 生活支援等の活動を実施します 引き続き被災地での支援を実施します 巡回指導や炊き出しの支援 生活支援等を実施し ます 被災者も自宅に戻ったり 仮設住宅に入居したりして普段の生活に戻りつつありますが 仮設住宅に対応した料理の講習や継続支援の必要な人の巡回指導等必要とされる活動を実施します

4) 行政 ( 市町村 ) 平常時 防災計画に基づく適正な食料供給体制の整備を行う必要があります 食料の備蓄を行い 炊き出しを行うための体制の整備を行います 食材の調達方法や人材の確保 調理施設 調理器具の整備等事前に確認しておきます 支援物資や炊き出し用食材の確保については 県 市町村の災害時協力協定や民間企業等との協力協定の締結が重要です また 災害時要支援者の把握を行い 名簿を作成しておく必要があります 災害時に支援 協力を得られるボランティア団体の把握も行っておきます 災害直後は 被災地へ確実に届けられるような食料支援体制を整えることが必要です まず優先されることは 必要なエネルギーと水分が補えることで まずはエネルギー源と水の確保であり 被災現場で必要とされる数量を把握し 支給するための計画を立て 迅速に支給することです 特に 災害時要支援者への対応は 被災直後からの食事も健康状態に大きく影響することから 個人に適した食事を提供できることが重要です また 支援物資の搬入経路の確保や保管場所の確保が必要となってくるほか 炊き出しの準備やボランティアセンターの設置等も必要となります フェイズ 1 緊急対策期 : 概ね災害発生後 72 時間以内 この段階になると 支援物資による支給に加え 炊き出しによる食事支援を行うことが求められます そのため 地域の実情を踏まえ 炊き出しの場所や人材 食材調達経路 支給方法等検討し 早急に実施することが大切です 特に 避難所でのトイレ不足から水分摂取を控える傾向も見られ そのことで脱水等の問題が生じてきます また 時期によっては熱中症の原因にもつながることから 水分補給にも重点を置いた活動が求められます また 災害時要支援者の食材の確保や避難所での巡回栄養指導や健康指導等の活動も行います 慣れない避難所生活により ストレス等の精神疲労や体調不良を訴える人が増えることが想定されます また 健康保持に十分な栄養を補えない食事を継続的に摂取することで 便秘や食欲不振等の症状も生じることから 健康保持に必要な食事を支給することが必要です 食欲不振を解消するためには 支給される食事内容を変える 温かい食事を提供する等の配慮のほか 運動不足が食欲不振の原因の一つとなっていることも考えられることから 日常活動を増やせるような支援を行います また 菓子類が多く届けられますが これらを継続的に摂取することで肥満の原因となるほか 特に 幼児期や学童期の子どもは 菓子類を摂取することで食事を食べないといった 10

避難所での巡回健康相談や巡回栄養指導を実施するほか 炊き出しメニューの変更を行い ます 仮設住宅の整備が整い始め 避難所から仮設住宅へ移る人が増える時期です 避難所では 必要な食事が支給されるのに対し 仮設住宅では 自ら食材を調達した上で 限られた調理 環境の中で作らなければならず そのため 簡単な食事で済ませることが多くなり 結果的に 野菜不足やたんぱく質不足といった栄養面での問題が生じます そのため これらを解消す るために仮設住宅で簡単にできる献立の提供等の配慮が必要です 料理教室の開催や訪問栄養指導の実施 運動指導等の健康教育を行います 食の課題影響が出ることが考えられるので 菓子類の摂取に関する健康教育等が必要です 11

5) 行政 ( 県保健所 支所 ) 平常時 災害発生時に備えて市町村の食料備蓄の促進や食料供給体制の整備 炊き出しの体制整備を支援していく必要があります 自主防災組織の育成や一般家庭での食料備蓄の促進の普及啓発等を実施します また 難病患者のリストを作成し 市町村へ提供することや衛生管理の普及啓発 食事ホッとカードの普及啓発を行います 災害発生時には 被災者数の把握やライフラインの被害状況の把握を行うとともに 食料 水供給源の被害状況を把握し 食料や水といった支援物資の確保や人的支援の要請を行います また 難病患者の安否確認を行います フェイズ 1 緊急対策期 : 概ね災害発生後 72 時間以内 引き続き 被災者数の把握や ライフラインや食料 水供給源の被災状況を把握します また 災害時要支援者の状況把握を行い 食料の確保や生活支援を行います 医師 保健師 栄養士等は避難所に避難している人への巡回健康相談や巡回栄養指導を行い 特に要支援者への対応を検討し 医療が必要であれば 医療機関の受診等を支援します また 炊き出しの栄養指導や衛生管理指導を実施し 食料供給の支援を行います 引き続き 被災状況の確認を行う他 避難所への巡回健康相談や巡回栄養指導を行います また 炊き出しの栄養指導や衛生管理 ライフラインの復旧に伴うメニューの変更の助言を行います 避難所や自宅に戻った被災者の食生活支援活動を行います 仮設住宅への入居が始まりますが 仮設住宅では調理器具が制限されることもあり 環境の変化に対応するための支援や訪問栄養指導を実施します また 避難所での生活が続き 運動不足やストレスから肥満や生活習慣病の悪化の恐れがあるので 運動指導や食生活相談を行います また 被災地区全体への支援として健康教育を行ったり 今後の支援活動に資するものとして災害時の食生活実態調査を実施します 12