Return 釧路町職員 職場復帰支援制度 実施マニュアル 平成 27 年 7 月 Return
釧路町職員職場復帰支援制度実施マニュアル 1 趣旨本マニュアルは 釧路町職員心の健康づくり計画 に基づき メンタルヘルス不調により長期間療養中の職員が職場復帰するにあたり支援するための必要な事項及びメンタルヘルスを要因とする不調を疑わせる職員を支援するために必要な事項を定め 円滑な職場復帰と疾患の再発防止を図るものです 釧 路町職員 2 対象者対象となる職員は 釧路町役場職員でメンタルヘルス不調により病気休暇を取得または取得中または休職中の者 ( 以下 職員 とする ) 若しくはメンタルヘルスを要因とする不調により職場支援を必要とする者とします 職場復帰制度実施マニュアル 3 病気休業に係る休暇制度等ついて (1) 病気休暇について 1 メンタルヘルスを事由とする病気休暇の期間は90 日となっています 期間の上限を超えてなお引き続き療養を必要とする場合は休職となります 2 5 日を超える病気休暇を申請する場合は 医師の診断書の添付が必要です 3 病気休暇中の給料は 基本給については全額支給 期末 勤勉手当は休暇期間に応じて減額となります (2) 休職について 1 病気休暇期間の上限を超えてなお引き続き療養を必要とする場合は休職となり 期間は3 年間が上限となっています 2 給料は当初 1 年間が基本給の8 割支給で その後は無給となります ただし 休職期間 1 年間を経過した後の1 年 6ヶ月間は北海道市町村職員共済組合に対し傷病手当金の支給申請が出来ます 4 職場復帰支援制度について < 第 1ステップ> 病気休暇の開始及び休暇中のケア (1) 職員からの診断書の提出及び手続き 1 病気休暇の開始においては 主治医によって作成された診断書を職員本人又は家族から管理監督者に提出します 2 1 回の診断書に記載する療養期間の見込みは3ヵ月を限度とし 3ヵ月以降も引き続き療養が必要な場合は その都度診断書を提出する必要があります 3 管理監督者は 診断書が提出されたことを人事労務部門に報告するとともに 病気休暇に必要な手続きを行います
釧路町職員職場復帰制度実施マニュアル (2) 管理監督者 人事労務部門によるケア 1 理事者は 職員に対して 所属課等及び人事労務部門からそれぞれ1 名の担当者を指名します 2 担当者は 病気休暇を開始する職員に対し 療養に専念するよう指導し不安を取り除き 休暇中の事務手続きや職場復帰支援についての説明を行います 3 担当者は 職員または職員の家族等と連絡を取り病状等状況を確認します ただし 連絡を取り合うことが適当ではないと認める場合には この限りではありません 4 連絡を取り合う場合は 別に定める連絡方法の確認書により行います 5 職員から病気休暇継続の診断書の提出があった場合は 直ちに人事労務部門に報告するとともに 病気休暇に必要な手続きを行います 6 必要があれば職員の了解のもと主治医と連絡を取り 症状等状況を確認します 7 人事労務部門は職員の病状等状況を把握し理事者へ報告を行います < 第 2ステップ> 病気の改善による職場復帰の判断 1 職員は 病状が改善し職場への復帰が可能と判断したときは 主治医の承認を得たうえで 職場復帰の意思を管理監督者に連絡します 2 職員から職場復帰の意思が伝えられたときは 管理監督者は人事労務部門にその旨を連絡します 3 職員が職場へ復帰する際には 事前に三者面談 ( 職員 担当者 主治医による面談 ) を行い復職診断書 ( 別記第 1 号様式 ) を町長へ提出するものとします このとき 主治医の判断は 病状の回復程度を中心に記載されていることが多いことや 職員や家族の希望が含まれている場合もあり その職場で求められる業務遂行能力まで回復しているか否かの判断とは限らないことに注意し 必要に応じて産業医へ相談することとします 4 病気休暇中の者については 状況に応じて主治医の復職診断書のみとし 三者面談を省略することができます < 第 3ステップ> 職場復帰訓練の検討及び職場復帰スケジュールの作成 職場復帰訓練 とは職場復帰訓練 ( 通称 : 試し出勤 ) は 職員自身が実際の職場において ストレスや労働負荷が加わった時にどのような症状が出るのか また どのように対処すればよいのか学習でき 自分自身及び職場の状況を確認しながら復帰の準備を行うことができるため より高い職場復帰率をもたらすことが期待されます (1) 職場復帰訓練 ( 試し出勤 ) の申請 1 職場復帰訓練を希望する職員は 申請書 ( 別記第 2 号様式 ) を町長へ提出するものとします 2 担当者は 復職診断書を参考にして職場復帰訓練の内容 注意事項等を記載した職場復帰支援プラン ( 別記第 3 号様式 ) を作成し 本人及び管理監督者との協議を経て総務部長の承認を得るものとします
3 職場復帰支援プランの期間については 復職予定日の概ね1ヵ月前から復職後 1ヵ月を目途として計画します 4 管理監督者は 職員の状態を確認し必要があればプランの見直しを総務部長に要求し 職員が円滑な職場復帰と疾患の再発防止が図れるように努めます 5 職員から職場復帰支援プランの見直しの要望があった場合には 担当者は管理監督者の意見を聞き 総務部長の承認を得て変更することができます 釧路町職員職場復帰制度実施マニュアル (2) 職場復帰訓練の内容内容は概ね次のとおりとし 作業は軽いものから中程度のものへ 又は単純なもの 定型的なものから徐々に複雑なものへと作業の内容 ( 質 量 負荷等 ) を調節します 1 第 1 段階 : 職場への顔出し (1~2 時間程度 ) 2 第 2 段階 : 職場に慣れる ( 半日程度 ) 3 第 3 段階 : 職場に慣れる ( 半日以上 1 日未満 ) 4 第 4 段階 : 通常の勤務生活に慣れる (1 日 ) (3) 職場復帰訓練の出勤時間職場への出勤時間については上記の第 1 段階を除き 原則として午前 8 時 45 分とします これは 職場復帰訓練は復職を前提とした勤務であり 復職すると毎日定時に出勤することが義務付けられるためです このため 特別な場合を除き職場復帰支援プランと違った時間に出勤したり プランにない勤務をすることは望ましくあまりせん (4) 職場復帰訓練開始後の勤務状況報告等職場復帰支援プランに基づく職場復帰訓練状況について 定期的に人事労務部門へ管理監督者が報告を行います これは 所属課等の職員では気付きづらい職員に係る負担や体調及び環境変化を第三者として判断し 職員の病状の再発や重症化への対応をすばやく行うためです (5) 注意点 1 職場復帰訓練は職場の都合ではなく 職員自身の主体的な考えや判断にもとづいて 本人の申請により実施するもので 訓練を実施しなければ復職できないというものではありませんが 円滑な職場復帰と再発予防を目的に実施するものです 2 休職中に行う職場復帰訓練については 休職中の職員に対して支給される給与以外は いかなる給与も支給しないものとします 3 休職中における職場復帰訓練に伴う事故については 公務災害補償の対象外となりますので 職員は普通傷害保険に加入しなければならないことを本人及び家族に説明することが必要となります < 第 4 ステップ > 職場復帰の決定 町長は 職場復帰の決定について 所属部長及び産業医等の意見を聞き 職場復帰訓練の状況 を参考に総合的に判断し 可否を決定します
< 第 5ステップ> 職場復帰後のフォローアップ管理監督者 担当者は 職員が円滑な職場復帰を果たすため 精神的な負担感等を持たせないよう 不調の回復を早期に果たすため配慮するものとし 所属課等職員に対して復帰する職員の回復の程度やそれに伴う業務の制限等の理解を得ておく必要があります 所属課等職員は 受け入れ態勢を十分整えるよう努力します 釧路町職員職 職場復帰後のフォローアップ 1 職員への当面の負担を理解させるため 職場復帰プランにある復帰後 1ヶ月間の業務内容を説明します 2 管理監督者は復帰 1ヵ月後 職員の回復状況を判断し 人事労務部門に報告します 職員の担当部署上司からも聞き取りを行ってください ア. 病状等状況 ~ 治療状況 ( 通院 服薬等 ) 周囲とのコミュニケーション状況 復職後の体調イ. 勤務状況 ~ プラン達成に向けた意欲と取組経過 3 おおむね病状の回復が測られたと判断した場合 職場復帰プランを終結しますが 極端に職員の負担感を持たせないよう 業務分担に十分配慮してください 4 おおむね病状の回復が測られたと判断した場合 職場復帰プランを1ヶ月単位で見直し実施してください 場 復帰制度実施マニュアル 5 メンタルヘルスを要因とする不調からの回復へのフォローアップ管理監督者 担当者は メンタルヘルスを要因とする不調による有給休暇を取得している職員が円滑な職場復帰を果たすため 精神的な負担感等を持たせないよう 不調の回復を早期に果たすため配慮するものとし 所属課等職員に対して復帰する職員の回復の程度やそれに伴う業務の制限等の理解を得ておく必要があります 所属課等職員は 受け入れ態勢を十分整えるよう努力します 1 職員の不調の要因について 職員と管理監督者若しくは所属部署の上司等と面談し 聞き取りを行ってください 2 業務過多を要因とする場合は 職員の不調に配慮した事務分掌の見直しを行ってください ただし 事務分掌を見直す場合は職員及び所属部署若しくは係員と十分に協議して理解を得ておく必要があります 3 人間関係を要因とする場合は 管理監督者若しくは所属部署の上司等が日常からコミュニケーションの取りやすい環境改善を行ってください 4 職員の不調により他の係員等の業務負担が増すことで 環境的悪化に繋がりやすく二次的不調にいたる場合も想定し 他の係員等についても心の健康状態の把握に努めてください 5 職員の不調が続き分担業務の遂行に支障が生じている場合は 1ヶ月単位の業務プランを作成し実施してください 必ず職員と協議 同意のうえ業務プラン作成を行ってください これは 職員に目標をはっきり示すことで業務への不安を取り除き 目標達成時の自信の回復 不調の重症化を防ぐことを目的とします
6 その他職場復帰支援に関して検討 留意すべき事項 (1) 主治医との連携の仕方主治医との連携に当たっては 事前に当該職員への説明と了解を得ておく必要があります また 主治医に対してそれぞれの立場や役割 病気休業の経過や職場復帰計画 プライバシーに関する事項等について説明を行うことも必要です 釧路町職員職場復帰制度実施マニュアル (2) 職場復帰可否の判断基準職場復帰可否について定型的な判断基準を示すことは困難であり 個々のケースに応じて総合的な判断を行わなければなりません 職員の業務遂行能力が職場復帰時には未だ病前のレベルまでは完全に改善していないことも考慮した上で 職場の受け入れ態勢と組み合わせながら判断しなければなりません 概ね7~8 割まで回復した状態を目安としますが 職場復帰判定基準の例として 以下の項目があげられます ア. 職員が職場復帰に対して十分な意欲を示していることイ. 通勤時間帯に一人で安全に通勤が出来ることウ. 所定の勤務時間の就労が可能であることエ. 業務に必要な作業 ( 職務に関する書物の読書及びコンピュータ作業 軽度の運動等 ) をこなすことができることオ. 作業等による疲労が翌日までに十分回復していることカ. 適切な睡眠覚醒リズムが整っていることキ. 昼間の眠気がないことク. 業務遂行に必要な注意力 集中力が回復していること等 (3) まずは現職へ復帰 の原則職場復帰に関しては 現職へ復帰させることが原則となっています これは 仮により好ましい職場への配置転換や異動であったとしても 新しい環境への適応にはある程度の時間と心理的負担を要するためであり そこで生じた負担が疾病の再発 再燃に結びつく可能性が指摘されているからです このため 今後配置転換や異動が必要と思われる事例においても まずは元の慣れた職場で ある程度のペースがつかめるまで業務負担を軽減しながら経過を観察し その上で配置転換や異動を考慮した方が良い場合が多いと考えられます しかし これはあくまでも原則であり 職場要因と個人要因の不適合が生じている可能性がある場合等においては 本人や職場 主治医等からも十分に情報を集め 総合的に判断しながら配置転換や異動の必要性を検討する必要があります (4) 職場復帰する職員への心理的支援疾病による休業は 多くの労働者にとって働くことについての自信を失わせる出来事です 必要以上に自信を失った状態での職場復帰は 健康及び就業能力の回復に好ましくない影響を与える可能性が高いため 周囲からの適切な心理的支援が大切となります 特に管理監督者は 職員の焦りや不安に対して耳を傾け 健康の回復を優先するよう努め 何らかの問題が生じた場合には早めに相談するよう職員に伝え 担当者と相談しながら適切な支援を行っていく必要があります