生産緑地制度の概要 市街化区域内の農地で 良好な生活環境の確保に相当の効用があり 公共施設等の敷地に供する用地として適している 500 m2以上 *1 の農地を都市計画に定め 建築行為や宅地の造成を許可制により規制し 都市農地の計画的な保全を図る 市街化区域農地は宅地並み課税がされるのに対し 生産緑

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(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

3 市長は 第 1 項の規定により指定した土地の区域を変更し 又は廃止しようとするときは あらかじめ久喜市都市計画審議会 ( 以下 審議会 という ) の意見を聴くものとする 4 第 1 項及び第 2 項の規定は 第 1 項の規定により指定した土地の区域の変更又は廃止について準用する ( 環境の保全

及びその周辺の地域における自然的条件 建築物の建築その他の土地利用の状況等を勘案し 集落の一体性を確保するために特に必要と認められるときは この限りでない (2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており か

Q&A 〇税制度 Q1 生産緑地地区の指定を受けると 固定資産税は農地評価と聞いていますが 都市計画税はどうでしょうか A1 固定資産税 都市計画税が農地評価 農地課税となります Q2 主たる従事者の死亡や故障等により 生産緑地地区の指定から 30 年経過せずに指定が解除された場合 固定資産税を遡っ

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1. 市街化調整区域における地区計画ガイドライン策定の目的市街化調整区域は 市街化を抑制すべき区域であるとともに 豊かな自然環境を育成 保全すべき区域である そのため 都市計画法において開発行為や建築行為が厳しく制限されている 本市都市計画マスタープランにおいても 将来都市構造の基本的な考え方の一つ

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

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目次 Ⅰ 運用基準の策定にあたって P1 1 策定の目的 P1 2 運用基準の位置づけ P1 Ⅱ Ⅲ 土地利用のあり方 P1 地区計画の活用 P2 1 地区計画とは P2 2 地区計画の活用類型 P2 (a) 地域資源型 P3 (b) マスタープラン適合型 P3 (c) 街区環境整序型 P3 (d)

2 都市計画法第 34 条第 11 号に係る区域指定の許可基準について 都市計画法の趣旨 施策の方針市街化調整区域において, 市街化区域に隣接又は近接し, 一体的な日常生活圏を構成している市街化の進行した一定の区域を条例で指定し, 予定建築物を周辺環境と調和する用途に制限することにより, 許可の対象

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( 賦課期日 ) 第 4 条都市計画税の賦課期日は 当該年度の初日の属する年の1 月 1 日とする ( 納期 ) 第 5 条都市計画税の納期は 次のとおりとする 第 1 期 4 月 1 日から同月 30 日まで第 2 期 7 月 1 日から同月 31 日まで第 3 期 12 月 1 日から同月 25

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地方公共団体等による土地の先買い制度について 公有地の拡大の推進に関する法律とは県や市町村等が公共事業を円滑に進めていくためには 事業に必要な用地を前もって取得し 安定的に確保しておく必要があります このため 公有地の拡大の推進に関する法律 ( 以下公拡法と表記 ) に基づく土地の先買い制度がありま

目次 1 背景 目的 方針の位置づけ 現状の問題と課題 今後の方針

都市農業の現状 市街化区域農地は 概ね 10 年以内に宅地化と位置づけられ その面積は日本の全農地のわずか 2% ほどですが 販売金額は全国合計の約 1 割を占めています 都市近郊という優れた立地条件から 小さな面積でも効率的な農業が営まれていると言えます 市街化区域 2% 8% 農地面積 農地 7

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等調整都市計画税額が 当該商業地等に係る当該年度分の都市計画税の課税標準となるべき価格に 10 分の 6 を乗じて得た額 ( 当該商業地等が当該年度分の固定資産税について法第 349 条の 3( 第 20 項を除く ) 又は法附則第 15 条から第 15 条の 3 までの規定の適用を受ける商業地等で

102 第 4 章 農業 農地の承継時の特例 資価格は 国税庁 HPの路線価ページから確認できます なお 平成 30 年度税制改正において 対象となる農地の範囲等が改正されました 詳細は 後記 6を参照してください 3 適用要件 (1) 被相続人この特例の対象となる被相続人は 次のいずれかに該当する

第 5 地区拠点地区計画の区域には 次に掲げる区域及び地域は含まないものとする (1) 農業振興地域の整備に関する法律 ( 昭和 44 年法律第 58 号 以下 農振法 という ) 第 8 条第 2 項第 1 号に規定する農用地区域 (2) 農地法 ( 昭和 27 年法律第 229 号 ) による農

制度概要 市街化調整区域内の既存集落では 市街化区域の市街地に比べて人口減少や少子高齢化が 進行しており 地域活力の低下や地域コミュニティの衰退が懸念されています そのため 既存集落における地域活力や地域コミュニティの維持 活性化を図るため 市長が区域と予定建築物の用途を指定して 内で自己用住宅等の

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3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

定にかかわらず 当該都市計画税額とする 5 住宅用地のうち当該住宅用地の当該年度の負担水準が 0.8 以上のものに係る平成 21 年度から平成 23 年度までの各年度分の都市計画税の額は 第 2 項の規定にかかわらず 当該住宅用地に係る当該年度分の都市計画税額が 当該住宅用地の当該年度分の都市計画税

市街化調整区域における都市計画法第 34 条第 12 号の規定による開発許可等の基準に関する条例 の審査基準 ( 趣旨 ) 第 1 条この条例は 市街化調整区域における都市計画法 ( 昭和 43 年法律第 100 号 以下 法 という ) 第 34 条第 12 号の規定による開発許可の基準及び都市計

8 分筆の必要性 所有している生産緑地が一筆の一部である場合 所有者の費用負担が大きいため 分筆しなくてもよい運用にしてもらえますか 現時点では 分筆が必要と考えています 都市計画運用指針の記載内容や 皆さまの考え方も考慮して今後整理し 平成 31(2019) 年度の指定手続きに係る説明会時において

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目次 Ⅰ 背景 目的 1 Ⅱ 運用指針 1 1 基本的事項 2 2 対象地の要件 3 3 対象地の区域 4 4 地区施設等に関する事項 5 5 建築物等に関する事項 6 Ⅲ 附則 6 別表 -A 対象地区の要件 7 別表 -B 建築物等の制限 8

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第 2 章 許可を要しない開発行為 建築行為等 ( 事前に以下の条項のいずれに該当するかの判断資料の提出を求めること ) 第 1 農林漁業用建築物を目的とする開発行為 ( 法第 29 条第 1 項第 2 号 ) 又は建築行為 ( 法第 43 条第 1 項本文 ) 1 趣旨市街化調整区域内で農林漁業に


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目次 1 運用基準策定の目的 1 2 市街化調整区域の地区計画の類型 2 3 市街化調整区域の地区計画の基本事項 3 4 地区計画の技術的な基準 4 5 都市計画の提案制度のフロー 7 6 地区計画と開発行為の手続きフロー 8 7 市街化調整区域における地区計画の運用基準の見直し 9

8--2 建築許可申請 法の規定 ( 省令第 34 条 ) 法第 43 条第 項の建築許可を受けようとする者は 法に定めた事項を記載した 建築物の新築 改築若しくは用途の変更又は第一種特定工作物の新設許可申請書 に必要な書類 図面を添付し 市長に提出してください ( 法第 43 条 省令第 34 条

都市計画法による市街化調整区域等における開発許可等の基準に関する条例

目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

また, 区域外の道路部分については, 区域内の道路の整備後に, 交通量等の利用状況をみて, 検討していきます 4 常磐自動車道の側道沿いの一方通行の道路について, 一方通行の制限を解除できないのか また, この道路の交通量についても調査を実施した上で, 区域外の道路の整備をしなければならないのではな

ただし 森林の土地の所有権の取得と併せて 当該森林について法第 10 条の2の規定に基づく開発行為の許可を受けて他の用途へ転用する場合など 地域森林計画の対象とする森林から除外されることが確実であるときは 届出書の提出を要さないものとして運用して差し支えない (2) 土地の所有者となった日届出書の提

2

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「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」について

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の同意の取扱い基準 平成 18 年 6 月 1 日東広島市建築審査会 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 43 条第 2 項第 2 号の規定により許可を行う場合, 次 に定める基準のいずれかに該当する建築物の敷地については, 建築審査会

ウ商業地等である 町の土地の平成 28 年度分の固定資産税の課税標準額は 法附則第 18 条第 5 項及び第 25 条第 5 項の規定により 課税標準となるべき価格に0.7を乗じた額となる なお 岐阜市税条例 ( 昭和 25 年岐阜市条例第 14 号 以下 条例 という ) においては これと異なる

宝塚市条例第 33 号宝塚市市街化調整区域における開発行為及び建築物の新築等に関する条例目次第 1 章総則 ( 第 1 条 第 2 条 ) 第 2 章市街化調整区域において行うことができる開発行為及び建築物の新築等 ( 第 3 条 第 4 条 ) 第 3 章北部地域において行うことができる開発行為及


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平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

3. 同意方針 3-1. 共通事項 (1) 上位計画との整合性 ( ア ) 地区計画が 都市計画区域マスタープラン等における土地利用の基本的な考え方と整合していること ( イ ) 地区計画が 市町都市計画マスタープラン等と整合していること 考え方 市街化調整区域は 本来市街化を抑制する区域であること

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一団地認定の職権取消し手続きの明確化について < 参考 > 建築基準法第 86 条 ( 一団地認定 ) の実績件数 2,200 ( 件 ) 年度別 ( 住宅系のみ ) S29 年度 ~H26 年度 実績件数合計 16,250 件 用途 合計 ( 件 ) 全体 17,764 住宅系用途 16,250

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大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

筑豊広域都市計画用途地域の変更 ( 鞍手町決定 ) 都市計画用途地域を次のように変更する 種類 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域 面積 約 45ha 約 29ha 建築物の容積率 8/10 以下 8/10 以下 建築物の建蔽率 5/10

予定建築物等以外の建築等の制限 法 42 条 立地基準編第 5 章 (P127~P131) 法第 42 条で規定されている 予定建築物等以外の建築等の制限 については 次のとおりとする 1 趣旨開発許可処分は 将来その開発区域に建築又は建設される建築物又は特定工作物がそれぞれの許可基準に適合する場合

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参考資料 ( 美祢都市計画区域 ) 目次 1. 区域区分の二次検討 25 23

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3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 このガイドラインに示す事項以外に 開発許可の要件を満たすことが 2. このガイドラインに示す事

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第二項第五号に掲げる事項には、同項第一号の区域のうち、広場、街灯、並木その他の都市の居住者その他の者(以下「都市居住者等

Transcription:

稲沢市都市計画審議会平成 30 年 11 月 5 日 ( 月 ) 生産緑地の運用方針について

生産緑地制度の概要 市街化区域内の農地で 良好な生活環境の確保に相当の効用があり 公共施設等の敷地に供する用地として適している 500 m2以上 *1 の農地を都市計画に定め 建築行為や宅地の造成を許可制により規制し 都市農地の計画的な保全を図る 市街化区域農地は宅地並み課税がされるのに対し 生産緑地は軽減措置が講じられている < 手続の流れ > *1 市区町村が条例により 区域の最低規模を 300~500 m2未満で定めることが可能 生産緑地地区の都市計画決定 ( 市町村 ) 土地所有者等の同意 建築等の行為制限 *2 農地等としての管理 指定要件 500 m2以上 *1 公共施設等の敷地として適する 農林漁業の継続が可能等 < 生産緑地地区の例 > *2 温室や農業用倉庫に加え 直売所や農家レストランも設置可能に 主たる従事者の死亡等 指定後 30 年経過 *3 *3 特定生産緑地に指定されている場合は当該指定から 10 年経過 (1 月以内 ) 買い取る旨の通知 買取申出 ( 特別の事情がある場合に限る ) 買い取らない旨の通知 農林漁業希望者へのあっせん 東京都板橋区 (2 月以内 ) 営農の継続 法律の目的に沿った適切な管理 農地等として生産緑地の管理 不調の場合行為制限解除 < 税制措置 > ( 三大都市圏特定市の市街化区域内農地 ) 固定資産税が農地課税 ( 生産緑地以外は宅地並み課税 ) 相続税の納税猶予制度が適用 ( 生産緑地以外は適用除外 ) 愛知県名古屋市 1

都市緑地法等の一部を改正する法律の施行 (H29.6.15) 市街化区域内農地の位置付けについて 宅地化すべきもの から都市に あるべきもの へと大きく転換し 計画的に農地を保全する方向性に 条例で 生産緑地の面積要件の引下げが可能に 再指定 追加 ( 新規 ) 指定の検討を推進 一団の農地等の運用を改善 2

生産緑地地区の面積要件の引下げ 課題 背景 生産緑地地区を都市計画に定めるには 一団で500m2以上の区域とする規模要件が設けられており 要件を満たさない小規模な農地は 農地所有者に営農意思があっても 保全対象とされていない 公共収用等に伴い 又は複数所有者の農地が指定された生産緑地地区で一部所有者の相続等に伴い 生産緑地地区の一部の解除が必要な場合に 残された面積が規模要件を下回ると 生産緑地地区全体が解除されてしまう ( 道連れ解除 ) 都市農業振興基本計画 ( 抜粋 ) 現行制度上 生産緑地地区の指定の対象とされていない 500 m2を下回る小規模な農地や 農地所有者の意思に反して規模要件を下回ることになった生産緑地地区については 都市農業振興の観点も踏まえ 農地保全を図る意義について検討した上で 必要な対応を行う 小規模でも身近な農地として緑地機能を発揮 営農意欲があっても生産緑地地区が解除される事例 都市住民が農家と交流しながら野菜の収穫体験を行うイベントの実施 面積約 300 m2 買取り申出面積 1,594m2道連れ解除面積 429m2 公共施設の面積 222 m2道連れ解除面積 284 m2 公共施設の設置 ( 道路 ) 買取り申出 道連れ解除 道連れ解除 存続 存続 改正内容 法改正 : 生産緑地地区の面積要件を条例で 300 m2 ( 政令で規定 ) まで引下げ可能に 3

生産緑地地区の再指定 追加指定について 生産緑地法の改正に合わせて 生産緑地地区の指定に関する都市計画運用指針の記載を見直し 都市農地の保全を推進 再指定について追記 現況農地等であっても 農地法第 4 条第 1 項第 7 号及び第 5 条第 1 項第 6 号の規定 (= 農地転用 ) による届出が行われているものは 生産緑地法第 8 条において許容される施設に転用される場合を除き 生産緑地地区に定めることは望ましくない ただし 届出後の状況の変化により 現に再び農業の用に供されている土地で 将来的にも営農が継続されることが確認される場合等には 生産緑地地区に定めることも可能である 特定市における追加指定を推奨するとともに 一般市の制度導入を呼びかけ 改正前 改正後 追記箇所 ( 略 ) 地域の実情を踏まえた都市計画決定権者の判断により生産緑地地区の指定を新たに行うことができる また 三大都市圏の特定市以外の市町村においても 本制度の趣旨に鑑み 生産緑地地区の指定を新たに行うことが望ましい ( 略 ) 一方で その後の人口減少 高齢化の進行や 緑地の減少を踏まえ 身近な緑地である農地を保全し 良好な都市環境を形成するため 生産緑地地区を追加で定めることを検討すべきである また 三大都市圏の特定市以外の都市においても 本制度の趣旨や コンパクトなまちづくりを進める上で市街化区域農地を保全する必要性が高まっていることを踏まえ 新たに生産緑地地区を定めることが望ましい 4

一団の農地等の運用改善について 愛知県の 生産緑地法の運用の手引き も改正され 一団の農地等の運用について追記された 追記箇所 ちゅうみつ ただし 稠密な市街地等 1 において 同一の街区 2 又は隣接する街区 3 に存在する複数の農地等が 一体とし て緑地機能を果たすことにより 良好な都市環境の形成に資する場合には 物理的な一体性を有していない場合で あっても 一団の農地等として生産緑地地区を定めることができます この場合 一団の農地等を構成する個々の 農地等の面積については 100 m2程度を下限とし 地域の実情に応じ 適宜判断することが望ましいです なお 一の生産緑地地区の区域に 買取り申出が可能となる時期の異なる複数の農地等が存在することが想定さ れるため 市町村は 区域内の農地等ごとに生産緑地地区に関する都市計画の告示日を台帳等により管理すること が望ましいです ちゅうみつ 1: 稠密な市街地等 は 市町村において 地域の実情に応じ適切に判断することが望ましい なお 参考として 県外の自治体では市街化区域全域としている事例がある また 密集した市街地など特定のエリアを設定し 限定することも考えられる 2: 街区 とは 道路 鉄道若しくは軌道の線路その他の恒久的な施設又は河川 水路等( 農業用道路 農業用水路等を除く ) によって区画した場合におけるその区画された最小単位の地域とする ( 道路等の区画するものは含まない ) 3: 隣接する街区 とは 幅員 12メートル未満の道路等 が介在して隣り合う街区とする 5

面積要件の引下げ及び一団の農地等の運用改善による道連れ解除防止イメージ 買取り申出がなされた農地買取り申出により道連れ解除となる農地同一又は隣接する街区に立地する農地 面積要件の引下げ (300 m2 ) により 道連れ解除を防止 一団の農地等 の運用改善により 道連れ解除を防止 存続 350 m2 500 m2 150 m2 400 m2 150 m2 存続 一団の農地等 の運用改善により 道連れ解除を防止 一団の農地等 の運用改善により 道連れ解除を防止 存続 1700 m2 600m2 250m2 500m2 存続 450 m2 250 m2 6

本市の現状について 市域の大部分が市街化調整区域であり 多くの農地等により緑地が持つ多様な機能は保持されている 市街化区域においては 都市公園等がバランスよく配置されている( 別添資料参照 ) 買取り申出のあった生産緑地を市では買取らないことが常態化している これまでに買取り申出に伴い道連れ解除となった例はあり これからも生じることが想定される 市域の約 11.3% しかない市街化区域では 宅地化を推進したい 生産緑地地区の再指定 追加指定をするのであれば 買取る前提となる緑地について位置付けを図っていく必要がある 運用次第で 生産緑地のまま維持できる状況にあるにもかかわらず 道連れで解除となることについては 本意ではない 7

本市での運用方針について 面積要件の引下げについて 面積要件を引き下げることはせず 従来通りの 500 m2を面積要件とする 生産緑地地区の再指定 追加指定について 生産緑地地区の再指定 追加指定は行わないこととする 新たに市街化区域として編入した場合は 従来通り 500 m2以上を新規指定する 一団の農地等の運用について 道連れ解除となる生産緑地の所有者が生産緑地としての継続を希望し 周囲に一団となりうる生産緑地があれば 愛知県の運用の手引きにならった運用をすることとする 本市における 稠密な市街地 とは 市街化区域全域として取り扱う 9 8

都市公園及び公共施設緑地の分布状況

都市公園等の分布と誘致圏域の状況

生産緑地分布図