(3) 基本的な方向空家はあくまで所有者に管理責任があることから 所有者等が周辺の生活環境に悪影響を及ぼす特定空家等を生み出さないこと また 特定空家等の状態にあるものについては 所有者等が自発的に改善を行うことを本市の特定空家等対策の基本とする このため 所有者等の維持管理義務に関する意識の向上

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特定空家等判定方法マニュアル 別紙資料

●空家等対策の推進に関する特別措置法案

また 立入調査は 市職員又は市長が委任した者が行い 調査者については身分等を示す証明書を携帯し 関係者からの請求があった場合は提示しなければならないため 立入調査員証 ( 様式第 2 号 ) により身分を証明するものとします 参考 < 基本指針 > 一 7(p.12~13) <ガイドライン> 第 3

目次 Ⅰ 特定空家等 ( 老朽危険空き家 ) の認定基準について 1 Ⅱ 老朽危険空家等に対する対応 5 Ⅲ その他報告事項について 6 ( 添付資料 ) 1 特定空家等に対する措置 に関する適切な実施を図るために必要な指針 ( ガイドライン ) 抜粋 8 2 ガイドライン [ 別紙 1]~[ 別紙

<4D F736F F D FF095B6817A BF389C CE8DF482CC C98AD682B782E993C195CA915B A594D48D8692C789C D97528DED8F9C816A>

平成 24 年 7 月 26 日 区長会議 老朽家屋問題検討部会 経過とりまとめ報告書 ~ たたき台 ~ 1. 検討部会等開催状況 (1) 平成 24 年 3 月 16 日幹事区 ( 西成区 生野区 東淀川区 ) 打合せ各区の現状および課題を共有し 関係局を交えての検討会のあり方について議論 (2)

その他の法令等 消防法京都市火災予防条例道路法廃棄物の処理及び清掃に関する法律 対象 状況屋外における火災予防上危険なもの ( 火災の危険が迫っている場合のみに限定 ) 空き家, 空き地で火災予防上危険なもの認定区域内に生じている道路の交通に支障を及ぼすおそれのある行為自己所有地でごみ ( 一般廃棄

<4D F736F F D2092B7956C8E738BF389C C98AD682B782E98FF097E18E7B8D738B4B91A B95B6816A2E646F63>

空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく立入検査の実施について ( 通知 ) 貴の所有 ( 管理 ) する下物件 ( 建築物又はそれに付属する工作物及びその敷地を含む 以下同じ ) について 空家等対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 26 年法律第 12 7 号 以下 法 という ) 第 9

自治基本条例素案のたたき台大和市自治基本条例をつくる会

( 別式第 7 ) をもって 当該所有者等に対し代執行の内容を通知するものとする 5 町長は 法第 14 条第 9 項に基づき行政代執行法による特定空家等の処分を行う場合は その代執行の現場に責任者を派遣し 当該責任者に対し行政代執行法第 4 条に基づく証票として 執行責任者証 ( 別式第 8 )

砥部町特定空家等に対する措置に関する要綱

附則 この規則は 平成 29 年 3 月 1 日から施行する

2 前項の規定による通知を行った場合において 市長は 当該特定空家等の所有者等が除却 修繕 立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置を講じたことにより特定空家等の状態が改善され 特定空家等でないと認めるときは 遅滞なくその旨を 特定空家等状態改善通知書 ( 様式第 7 号 ) に

北上市空家等対策規則 ( 趣旨 ) 第 1 条この規則は 北上市空家等対策条例 ( 平成 28 年北上市条例第 17 号 以下 条例 という ) の実施に関し必要な事項を定めるものとする ( 守秘義務 ) 第 2 条条例第 7 条に定める空家等対策審議会の委員は 職務上知り得た秘密を他に漏らしてはな

<4D F736F F D2081A181798E9197BF82572D32817A92B7956C8E738BF389C C98AD682B782E98FF097E18E7B8D738B4B91A C4816A89FC2E646F63>

⑶ 特定空家等法第 2 条第 2 項に規定する特定空家等をいう ⑷ 居住建築物等区内に存する居住の用に供されている建築物その他の建築物またはこれに付属する工作物およびその敷地 ( 立木その他の土地に定着する物を含む ) であって 空家等に該当しないものをいう ただし 国または地方公共団体が所有し ま

(基本方針中表紙)

空家

資料 -2 空き家実態調査 中間報告

坂戸市条例第 号

ア建築物の部材等が落下し 飛散するおそれのある状態イ建築物の老朽化又は台風等の自然災害により 倒壊又は損傷するおそれのある状態ウ建築物の外壁 窓等が剥落し 建築物の外部から内部が見通せる状態エ竹木その他の土地の定着物が 道路との境界線を越え通行の妨げになっている状態オ物が大量に堆積されている状態カね

Microsoft Word - 【パブコメ後確定】葉山町空家等対策計画

○登米市空き家等の適正管理に関する条例 (素々案)

目 次 第 1 計画の目的と対象 2 1. 計画策定の背景 2. 計画の目的 3. 計画期間 4. 計画の対象 5. 計画の改訂について第 2 大阪市の空家の現状 5 1. 大阪市の空家 ( 住宅用途 ) の状況 2. 空家の発生の経緯等第 3 空家等対策の基本的な方針と目標 基本的な方

( 措置完了報告 ) 第 13 条法第 14 条第 1 項から第 3 項までの規定による助言等及び行政代執行法第 3 条第 1 項の規定による戒告に対し措置を行った場合は 措置完了報告書 ( 様式第 14 ) により報告するものとする ( 標識 ) 第 14 条法第 14 条第 11 項の規定による

目 次 第 1 はじめに 1 第 2 特定空家等に対する措置 の市町村において望まれる基本姿勢 2 第 3 特定空家等に対する措置に係る作業フロー 3 第 4 空家等 及び 特定空家等 の定義 5 第 5 実施体制及び住民からの相談体制の整備 6 第 6 空家等の所有者等に関する情報の把握 9 第

名張市地域振興券交付事業特別会計条例

<8A C581698A6D92E8816A2E786477>

様式 1 P3-(1) 空家等相談受付台帳 : 裏面 不動産登簿又は固定資産税台帳による所有者等の確認 所在地番地目地積 土 東伊豆町 東伊豆町 東伊豆町 m2 m2 m2 地 所有権 そ の 他 の 権 利 無 有 ( 有の場合 権利の内容を下欄に入 ) 家屋番号 1 種類 2 構造 床面積 原因

<4D F736F F D2090AC89CA95A887458F8A974C8ED282AA95A CC8FEA8D8782CC97AA8EAE91E38EB78D732E646F6378>

づき通知及び公告をした期日又は場所において意見の聴取を行うことができないときは 意見の聴取の期日を延期し 又は場所を変更することができる 4 市長は 前 2 項の規定に基づき 意見の聴取の期日を延期し 又は場所を変更するときは 法 14 条 7 項の規定に準じて通知し かつ 公告する ( 議長 )

( 定義 ) 第 2 条この条例において 次の各号に掲げる用語の意義は それぞれ当該各号に定めるところによる (1) 空き家等本市の区域内に所在する建物その他の工作物で 正当な権限を有する者の用に現に継続して供されていないもの及びその敷地並びに空き地 ( 原則として農林業用地を除く 以下同じ ) を

目次 第 1 章 計画の方針 1 背景と目的 1P 2 基本方針 3 対象地域 4 計画期間 2P 5 対象とする空家等の種類 6 空家等対策の目標値 7 計画の公表 3P 第 2 章 空家等の対策 1 空家等の調査 3P 2 所有者等による空家等の適切な管理の促進 3 空家等の活用及び跡地 ( 解

( 空家等対策計画 ) 第 6 条町は 空家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため 法第 6 条第 1 項に規定する空家等対策計画 ( 以下 空家等対策計画 という ) を定めなければならない 2 法で定めるもののほか 空家等対策計画の策定等に関し必要な事項は 町長が別に定める ( 協議会

別式第 1 号 ( 第 2 条関係 ) ( 表面 ) 第 号 立入調査員証 写 真 所 属 職 氏名生 年 月 日 上の者は 米子市空き家等の適正管理に関する条例 ( 平成 24 年米子市条例第 28 号 ) 第 4 条第 2 項の規定に基づき立入調査を行う職権を有する者であることを証する ( 裏面

邑南町空き家等の適正管理に関する条例

4 市長は 第 2 項の通知書の交付を受けた者より公開による意見聴取の申し入れがあった場合は 法第 14 条第 7 項の規定により交付を受けた者に対し 通知書 ( 様式第 10 号 ) により意見聴取の期日及び場所を通知するものとする 5 市長が命令を行ったときは 法第 14 条第 11 項及び第

3 事前通知書に記載する命ずるに至った事由は 根拠となる法令の条項及び当該特定空き家等の状態並びに当該特定空き家等が周辺にどのような悪影響を及ぼしていか及びその結果どのような措置を命ぜられているのか等について 所有者等が理解できるように 明確に記載しなければならない 4 事前通知書に記載する意見書の

目次 1. 背景 1 2. 本計画の位置付け 1 3. 対象地区 1 4. 対象とする空家等 2 5. 危険空家等の現状 2 6. 空家等の調査に関する事項 3 7. 空家等発生の要因 背景 3 8. 本計画の期間 4 9. 空家等対策の推進 特定空家等に対する措置 対処 必

山陽小野田市空き家等の適正管理に関する条例 ( 素案 ) ( 目的 ) 第 1 条この条例は 空き家等が管理不全な状態となることを防止し 又は管理不全な状態にある空き家等を適正な管理状態に導くことにより 生活環境の保 全及び安全で安心なまちづくりの推進に寄与することを目的とする この条は この条例の

議案第○○号

( その他 ) 第 11 条この規則に定めるもののほか, 必要な事項は, 市長が別に定める 附則この規則は, 平成 30 年 4 月 1 日から施行する

第 8 条を削り, 第 9 条を第 8 条とし, 第 10 条から第 12 条までを 1 条ずつ繰り上げる 別記第 1 号様式を次のように改める

<288DC58F49298BF389C695F18D908E9197BF2E786477>

都民の健康と安全を確保する環境に関する条例 ( 平成十二年東京都条例第二百十五号 ) 新旧対照表 ( 抄 ) 改正案現行目次 ( 現行のとおり ) 目次 ( 略 ) 第一条から第百十二条まで ( 現行のとおり ) 第一条から第百十二条まで ( 略 ) ( 土壌汚染対策指針の作成等 ) 第百十三条知事

第 2 節 監督処分等 ( 監督処分等 ) 第 81 条 国土交通大臣 都道府県知事又は市長は 次の各号のいずれかに該当する者に対して 都市計画上必要な限度において このの規定によってした許可 認可若しくは承認を取り消し 変更し その効力を停止し その条件を変更し 若しくは新たに条件を付し 又は工事

<4D F736F F D DC58F49817A936F95CA8E738BF389C CE8DF482CC C98AD682B782E993C195CA915B E7B8D738DD791A581698FF095B6817B976C8EAE816A>

はじめに平成 26 年 11 月 27 日に公布された 空家等対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 26 年法律第 127 号 以下 法 という ) においては 空家等の所有者又は管理者 ( 以下 所有者等 という ) が 空家等の適切な管理について第一義的な責任を有することを前提としつつ 法第

目次 第 1 章計画の趣旨 1. 計画策定の背景と目的 2. 計画の性格 3. 対象地区 4. 計画期間 第 2 章本市の現状と推計 1. 住宅 土地統計調査の結果 2. 本市の空家の状況 3. 今後の推計 第 3 章基本的な方針 1. 計画の方向性 2. 所有者の適正な管理の促進 第 4 章推進す

資料1-1 多頭飼育の適正化について

平成11年6月8日

第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

議案第○○号

1 現地及び所有者等の調査現地調査及び所有者等の調査は 以下の記載順によらず事案に応じて判断するものとする ( 同時並行も可 ) 実施手順 現地調査 (1) 現地調査による空家等の状態の把握事案の発生を受け 当該事案に係る空家等が特定空家等に該当するか否かを判定するために必要な調査を行う 1 特定空

する 2 行政代執行に係る行政代執行法 3 条 2 項の規定による通知は 代執行令書 ( 式 8 ) により行うものとする 3 行政代執行に係る行政代執行法 4 条の証票の式は 執行責任者証 ( 式 9 ) のとおりとする 4 行政代執行に係る行政代執行法 5 条の規定による納付の命令は 代執行費用

2 賦課期日において 勧告に基づく必要な措置が講じられた場合等には 住宅用地特例が適用除外されないことから 空き家担当部局とも十分連携を図る必要がある ( 別添 特定空家等に対する措置 に関する適切な実施を図るために必要な指針 ( ガイドライン ) 参照 ) 3 特定空家等として勧告された場合 当該

町田市土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例

目次 1 資料 1 略式代執行について 1 2 資料 2 空き家データベースについて 3 3 資料 3 命令に係る措置の履行が不十分な状態の 特定空家等への対応について 4 4 資料 4 その他報告事項 7 ( 別添資料 ) 1 空家等対策の推進に関する特別措置法 2 姫路市老朽危険空家等の対策に関

目 次 第 1 章総則頁第 1 条目的 1 第 2 条定義 2 第 3 条所有者等の管理義務 7 第 4 条市長, 市民及び事業者の責務 8 第 2 章市民等からの情報提供及び調査の実施等第 5 条立入調査等 9 第 6 条類似空家等又は空地等の所有者等に関する情報の利用等 11 第 7 条データベ

空家等指導要綱 ( 案 ) 新旧対照表 ( 旧 ) 第 1 回協議会 ( 案 ) ( 新 ) 第 2 回協議会 ( 案 ) ( 目的 ) ( 趣旨 ) 第 1 条この告示は 空家等対策の推進に第 1 条この告示は 空家等対策の推進に関関する特別措置法 ( 平成 26 年法律第 127 号 する特別措

目次 第 1 章計画の趣旨等 1 計画策定の背景 1 2 計画の位置付け 1 3 空家の定義 1 第 2 章本市の人口と空家等の状況 1 人口 世帯 2~3 2 住宅総数と空家数 3 3 住宅の建築時期と腐朽 破損の状況 4~5 4 調査結果の集計概要 6~11 第 3 章空家等対策に係る基本的な方

格建築物が対象である このため 建基法による完了検査済証が交付されていない場合 その確認をどのように行うかが課題となる ( 古い戸建住宅は完了検査を受検していない事例が特に多い ) また 要件が厳しく判断基準も明確ではないため実際の適用は難しく また 建築物所有者にとって不利益処分であるため 行政庁

本判断基準案に掲載されている個々の情報 ( 文章 写真 イラストなど ) は 大分県及び佐伯市並びに第三者が有する著作権により保護されています 私的使用のための複製 や 引用 など著作権法上認められた場合を除き 無断で転載 複製 改変などはできません 2

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公益社団法人大分県不動産鑑定士協会では 不動産鑑定評価制度に関する社会一般の理解と信頼性をより一層高め 県民からの不動産に関するあらゆる相談に適切に対処するため 毎年 2 回 4 月 ( 不動産鑑定評価の日 ) と 10 月 ( 土地月間 ) に 県内の各市役所などで 不動産に関する無料相談会を行っ

個人情報の保護に関する規程(案)

( 定義 ) 第 2 条この条例において 次の各号に掲げる用語の意義は 当該各号に定めるところによる (1) 老朽危険家屋家屋の老朽度に係る認定の申請を行った家屋で 別表に掲げる家屋の老朽度の判定基準による各評点の合計点数が50 点を超え 認定を受けたものをいう (2) 老朽危険家屋所在地老朽危険家

美浜町空家等解体促進費補助金交付要綱

富士見市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例

はじめに 本マニュアルは 空家等対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 26 年法律第 127 号 以下 法 という ) に基づき特定空家等に対する措置を行うにあたり 特定空家等に対する措置 に関する適切な実施を図るために必要な指針 ( ガイドライン ) を補完するものとして定めるものである 本マニ

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3 市長は 第 1 項の規定により指定した土地の区域を変更し 又は廃止しようとするときは あらかじめ久喜市都市計画審議会 ( 以下 審議会 という ) の意見を聴くものとする 4 第 1 項及び第 2 項の規定は 第 1 項の規定により指定した土地の区域の変更又は廃止について準用する ( 環境の保全

60 第 3 章 空き家 空き地への法的対応 解 説 1 空家対策特別措置法に基づく処置空家対策特別措置法では 特定空家等 に該当する建物については 市町村長が建物所有者に対して 建物の修繕や除却を命じることができるとしています ここにいう 特定空家等 とは 適切な管理が行われていない空家等のうち特

目 次 はじめに... 1 特定空家等の対策 危険な状態になっているとの通知と対策依頼文書の送付 立入調査... 2 (1) 事前通知... 3 (2) 立入調査の実施... 3 (3) 立入調査の身分証の提示... 5 (4) 立入調査拒否等の過料処分 特

第 8 条市長は 法第 14 条第 2 項の規定による勧告をするに当たり 条例第 7 条の規定により意見を述べる機会を与える場合は 当該勧告に係る特定空家等の所有者等に対し勧告に係る事前の通知書 ( 別第 8 号様式 ) を送付するものとする 2 前項の通知書の送付を受けた者は 当該勧告について意見

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ブロック塀撤去補要綱

5 条条例 9 条 2 項の規定による勧告は 空き家等改善勧告書 ( 式 4 ) により行うものとする ( 命令 ) 6 条条例 1 0 条 1 項の規定による命令は 空き家等改善措置命令書 ( 式 5 ) により行うものとする ( 公表の方法 ) 7 条条例 1 1 条 1 項の規定による公表は

はじめに 本マニュアルは 空家等対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 26 年法律第 127 号 以下 法 という ) に基づき特定空家等に対する措置を行うにあたり 特定空家等に対する措置 に関する適切な実施を図るために必要な指針 ( ガイドライン ) を補完するものとして定めるものである 本マニ

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第1章 空家等の現状

(2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており かつ 区域外の相当規模の道路と接続していること (3) 区域内の排水路その他の排水施設が その区域内の下水を有効に排出するとともに その排出によって区域及びそ

p81-96_マンション管理ガイド_1703.indd

○新宿区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例

第5章 その他

胎内市空き家等対策計画 平成 30 年 (2018 年 )4 月 胎内市 空き家 と 空家 の記載について 空き家 と 空家 の記載については法律用語と一般名称が混在することから 空家 とした ただし 空き家バンク 空き家等対策計画 及び 胎内市空き地 空き家等の適正管理に関する条例 については 空

【道路台帳整備の対象となる指定道路】

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5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

湯沢市空家等対策計画 ( 平成 28 年度 ~ 平成 30 年度 ) 平成 28 年 5 月 湯沢市市民生活部くらしの相談課

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( 案 ) 土地区画整理事業の施行に伴い設置される 公共施設の管理及び帰属等に関する協議書 埼玉県 ( 以下 甲 という ) と ( 土地区画事業施行 ( 予定 ) 者 ) ( 以下 乙 と いう ) とは 土地区画整理法に基づく土地区画整理事業の施行により設置される公共 施設の管理及び帰属等につい

及びその周辺の地域における自然的条件 建築物の建築その他の土地利用の状況等を勘案し 集落の一体性を確保するために特に必要と認められるときは この限りでない (2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており か

主な事業項目と取組内容 方法 大項目細項目取組内容 方法 (1) 所有者特定等 (2) 所有者の意識啓発 1 法務と連携した所有者特定作業 2 解決困難事案の司法的解決の検討 3 マニュアル作成 1 空き家に関するガイドブック 作成 福岡県司法書士会と協定を締結し 21 名の司法書士によるプロジェク

第 2 条ガイアは 関係法令等及びこれに基づく告示 命令によるほか業務要領に従い 公正 中立の立場で厳正かつ適正に 適合審査業務を行わなければならない 2 ガイアは 引受承諾書に定められた期日までに住宅性能証明書又は増改築等工事証明書 ( 以下 証明書等 という ) を交付し 又は証明書等を交付でき

スライド 1

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

Transcription:

大阪市特定空家等に対する措置等に関する方針 ( 案 ) 1 基本的な考え方 (1) 方針策定の目的本市では 長期間放置され 屋根瓦や外壁の落下 建築物の倒壊などの危険性のある老朽危険家屋の対策を 区役所 関係局が連携し 安全性の確保を目的にこれまで取組んできた 平成 26 年度末までに相談 通報を約 940 件受け付け 建築基準法に基づき 維持管理義務のある所有者等に対して是正指導を実施し 特に危険度が高く緊急の対応が必要にもかかわらず 所有者等が命令に応じない老朽危険家屋に対しては限定的に行政代執行による是正措置を行ってきた 平成 27 年 5 月 26 日に空家等対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 26 年 11 月 27 日法律第 127 号 以下 空家法 という ) が完全施行され 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態 ( 以下 保安上危険 という ) に該当する空家等の他 建築基準法では対応できない そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれがある状態 ( 以下 衛生上有害 という ) 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態 ( 以下 景観阻害 という ) 及びその他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 ( 以下 生活環境上不適切 という ) にある特定空家等に対しても 新たに指導及び処分を行うことができるようになった また その他にも 空家等の所有者調査において 固定資産税の課税情報を利用することや 特定空家等の所有者等に対して改善措置を勧告することにより固定資産税等の住宅用地特例を解除することが法的に可能となっている 本方針は 本市において これらの空家法の手法を活用した特定空家等の対策を遅滞なく推進することを目的として 利活用対策を含めた空家法第 6 条に規定する空家等対策計画に先立ち策定するものである 今後 空家法第 7 条に基づく協議会を設けて本市の空家等対策計画を定めた際には 本方針の内容を計画に引き継ぎ 本方針は廃止する (2) 大阪市の現状と課題本市の空家率は全国的にも高く 空家数も増加傾向にある 総務省の 平成 25 年住宅 土地統計調査 によると 大阪市内の空家数は 約 28 万戸 空家率は 17.2% となっており 全国平均の空家率 13.5% 大阪府内の空家率 14.8% を上回っている 区別にみると 空家率の高い区は西成区 東住吉区 (23.8%) 生野区(22.4%) となっており 老朽木造住宅が多いことがその一因になっていると考えられる 平成 26 年度に本市へ通報があった老朽危険家屋の所有者等の状況を調査したところ 所有者が遠方 相続人が不存在 相続人が複数いるため 意思統一ができていない などの状況となっていることが多くみられ 所有者が実態を把握していないこと 管理意識が乏しいこと 管理責任の所在が不明確なことなどが管理不全となる主な要因となっている 1

(3) 基本的な方向空家はあくまで所有者に管理責任があることから 所有者等が周辺の生活環境に悪影響を及ぼす特定空家等を生み出さないこと また 特定空家等の状態にあるものについては 所有者等が自発的に改善を行うことを本市の特定空家等対策の基本とする このため 所有者等の維持管理義務に関する意識の向上 特定空家等の状況把握 所有者等への働きかけなどを 市民と行政が協働で取り組んでいく また 地域 住民に近い区役所が拠点となって市民への広報を行うとともに 区役所に相談窓口を設置し 市民からの情報収集や所有者等への必要な情報提供を行う さらに 個々の特定空家等に対しては 空家法を効果的に活用して 所有者の特定に重点的に取り組み 情報提供 助言 勧告と段階的に指導を強化し 自主的な改善を促す それでも改善がみられず 特に必要であると認められるときには処分 ( 命令 行政代執行 ) による是正措置を行う 2 市民の役割 (1) 所有者等の役割空家法では 空家等の所有者等は周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう 空家等の適切な管理に努めるものとされており 所有者等は定期的な空家の状況確認を行うなど 管理意識の向上にも努めなければならない また 相続等に際して自らが関係する空家等が存在しないかを再点検し そのような空家等がある場合には 相続人間など 関係者で話し合いを行い 管理責任の所在を明確にして対応しなくてはならない さらに 将来にわたり建物の適切な維持管理ができるよう 所有者等が相続人等の関係者と必要な準備を行っておくことも 空家問題を未然に防止する上で重要である (2) 地域の役割近隣の住民の間で まちづくりの視点から 空家等の適切な維持管理の重要性についての問題意識を共有すべく 啓発活動等にも取り組むことが望ましい そうした意識の共有が進むことで 所有者が高齢であるなど 周辺の環境を改善するための対応が難しい場合においては 所有者の了解を得て 地域による草刈りや落書き消しなど可能な対応を行い 地域の助け合い ( 共助 ) による問題解決への展開も期待される 3 行政の役割各区役所が拠点となり 相談窓口を設けて 空家等対策の解決に向けた主体として取り組む 市民が特定空家等を生み出さないよう 広く広報を行うとともに 空家等の所有者等に対して維持管理を行うために有効な情報を提供する また 特定空家等の状態にある空家については 空家法の新しい仕組みを活用して段階的に指導等を強化することで 所有者等による自主的な改善を促していく 2

(1) 市民への広報 相談窓口の設置ア市民への広報各区役所を拠点に 空家等の所有者等に維持管理に有効な情報を提供すると共に 特定空家等を生み出さないよう また 特定空家等の状態にあるものについては自主的な改善を促すよう 広く 空家等の適切な維持管理の重要性を広報する また 空家対策における地域の役割の重要性を理解いただくなどの広報活動を通じて 地域と行政がまちづくりの視点から空家等の維持管理に関する問題意識を共有することで 可能なものは地域主体で地域の助け合い ( 共助 ) により解決していくことにもつなげていく イ相談窓口の設置空家法はすでに完全施行されており 市民からの問い合わせも増加していることから 早急に相談窓口を区役所に設置する必要がある 区役所の相談窓口の体制については 各区の空家状況に差があるなど それぞれの区の実情や特性を考慮する必要があることから 平成 28 年 4 月から区役所の相談窓口で開始する特定空家等の通報等の対応に加えて 各区役所における相談業務の充実に取り組んでいく (a) 所在把握特定空家等の所在把握については 本市のような大都市では 悉皆調査を行うことは それに要する労力 費用 時間を考えると現実的ではないと思われる 各区役所に空家対策の相談窓口を設け 広く広報を行い 地域住民から特定空家等の通報を受け付けることにより 所在把握を行い 速やかに空家法を活用した対策を進めることが必要である (b) 台帳の整備特定空家等の情報については 各区役所において以下の項目等をまとめて 整理し 区役所や関係局と共有化を図り 市民の相談に活用する 所在地 位置図 当該物件写真 建物所有者情報 土地所有者情報 依頼者情報 指導履歴 判定表 ( 別表第 5 参照 ) 周辺状況( 写真 ) 近隣ヒアリング状況 臭気レベル測定値等 (c) 関係専門団体との連携市民からの相談については 特定空家等の通報だけではなく 利活用に関する相談 売却に関する相談 相続に関する相談など 幅広い相談が寄せられることが想定されることから 区役所で受けた相談を 内容に応じて各専門団体や 大阪の住まい活性化フォーラム の窓口等を案内するなど 関係団体と連携し 市民のニーズに応えられる相談窓口をめざして取り組んでいく 3

(2) 所有者等への指導 処分特定空家等の所有者等に対しては空家法を効果的に活用し 段階的に指導を強化することで自主的な改善を促していく また 改善がみられないもので特に必要であると認められるときには 処分 ( 命令 行政代執行 ) による是正措置を行う なお これらの手続きについては これまでの建築基準法で行ってきた老朽危険家屋対策の指導実績を活かして進めていく ア空家法の効果的な活用 (a) 新たな分野の追加これまで建築基準法では取組みが難しかった保安上危険以外の衛生上有害 景観阻害 生活環境上不適切な空家等を含めた周辺の生活環境に悪影響を及ぼす特定空家等の改善措置を進めていく (b) 税情報の利用所有者等が不明であることが対策を非常に困難な状態にしているため 利用可能となった税情報を活用し 所有者調査に重点的に取り組むことで 所有者特定の迅速化と不明率の低減を図っていく (c) 固定資産税等の住宅用地特例の解除固定資産税等の住宅用地特例の解除を伴う勧告を行うことで 空家を残すことの税制上の優遇をなくし 自主的な改善を効果的に促していく (d) 国のガイドラインの活用国は 空家法の規定に基づき 特定空家等に対する措置に関し その適切な実施を図るために必要な指針 ( 以下 ガイドライン という ) を定めており 特定空家等の判断や各種手続きについては このガイドラインに従う (e) 協議会に専門部会を設置これまでの実績が乏しい衛生上有害 景観阻害 生活環境上不適切な空家等を空家法第 14 条第 1 項に基づいて 特定空家等としての助言 指導するかどうかの判断が困難な場合や 固定資産税等の住宅用地特例の解除を伴う空家法第 14 条第 2 項に基づく勧告を行う場合には 空家法第 7 条の協議会に設ける有識者で構成される専門部会に諮り 全市的な判断の妥当性や統一性を確保する イ老朽危険家屋対策の実績を活かす本市のような大都市では 建物が密集し周辺への影響が大きいことから これまでの老朽危険家屋対策においては 判定表を用い 危険性のある建物を広く対象として指導を行ってきた 保安上危険な特定空家等についても これまでの実績を活かして 特定空家等として助言 指導を行う対象を広く取り その所有者等に粘り強く助言 指導を行い 自主的な改善を促していく また 関係局と特定空家等対策の拠点となる区役所は 特定空家等の判断や所有者等への指導に関して蓄積したノウハウを共有化 ( 研修 マニュアル作成など ) する 4

ウ段階的な指導等の強化情報提供 助言等 ( 空家法第 12 条 ) 助言 指導( 空家法第 14 条第 1 項 ) 及び固定資産税等の住宅用地特例の解除を伴う勧告 ( 空家法第 14 条第 2 項 ) と段階的に指導を強化し 自主的な改善を促す それでも改善がみられず 特に必要であると認められるときには処分 ( 空家法第 14 条第 3 項による命令 空家法第 14 条第 9 条による行政代執行 ) による是正措置を行う また 段階的な指導等の強化の詳細については別表第 1により 各種手続きについては別表第 2による なお どうしても所有者を確知できないため所有者等による自主的な改善が見込めず 特に必要があると認めるときは空家法第 14 条第 10 項による略式代執行により是正措置を行う (3) 区役所を拠点とした取組み体制づくり空家等対策に関する情報収集や助言 指導を効果的に行うためには 地域と密接に連携して行うことが不可欠であり より地域 住民に近い方がニーズに合った政策ができるという ニア イズ ベター の視点から 区役所が拠点となり 各区役所に相談窓口を設置して 解決に向けた主体として取り組む ア平成 28 年 4 月の体制整備空家法の平成 27 年 5 月 26 日の施行に伴い 市民から多数の問い合わせを受けるなど その対応が喫緊の課題となっていることから 平成 28 年 4 月には 各区役所において特定空家等対策の体制整備を行う イ老朽危険家屋対策のノウハウを区役所へ継承区役所の業務が軌道に乗るまでの暫定措置として 建築基準法による老朽危険家屋対策で経験を持っている都市計画局が 協議会設置のための大阪市空家等対策協議会条例の制定 所管及び各区役所の特定空家等対策担当に対して保安上危険な空家を中心として技術的支援 ( 研修 マニュアル作成など ) を行う ウ 3 年後を目処に空家等対策全体の推進にふさわしい体制を構築 3 年後を目処に 区役所を拠点に関係部局が横断的に連携しながら空家等対策を推進できる体制の構築をめざす また 大阪市空家等対策協議会条例についても 当該の体制にふさわしい局または区役所が所管するものとする エ役割分担について区役所及び関係局が 特定空家等への対応開始から解決に至るまで相互に連携して取り組むことを原則とする なお 役割分担については 別表第 3による 5

別表第 1 段階的な指導等の強化 1 所有者の中には 遠方に居住しており 現地の状況を把握していない方や近隣が迷惑していることに気づいていない方もおり 空家法第 12 条により 情報の提供や助言等を行い 自主的な改善を促す 2 内容に応じて各種専門団体等の窓口案内を行う A 空家等についての情報提供 助言等 ( 空家法第 12 条 ) B 特定空家等についての助言 指導 ( 空家法第 14 条第 1 項 ) 1 空家法第 12 条の助言を行ったにもかかわらず 状態が改善されないと認められるもののうち 国のガイドラインで示された 特定空家等 の判断の参考となる基準 ( 別表第 4 参照 ) に該当するものを ( イ ) 保安上危険 ( ロ ) 衛生上有害 ( ハ ) 景観阻害 ( ニ ) 生活環境上不適切な特定空家等とする 2 特定空家等のうち 周辺への影響や危険度の切迫性などを総合的に判断して 必要と認められるものについて 必要な措置をとるよう助言 指導する 3 2の総合的な判断が困難な場合には 専門部会に諮り判断する なお ( イ ) の保安上危険の総合的な判断については 別表第 5の判定表を使用して判断する 4 空家等の適切な維持管理は所有者の責務であるため 粘り強く助言 指導をくり返し 自主的な改善を促す 5 特定空家等の判断となる分野が ( イ )~( ニ ) の複数の項目に該当する場合には 項目ごとにその事由などを示し 一括して助言 指導を行う 6( ロ )( ニ ) 分野の特定空家等については ( イ )( ハ ) よりも早急の対応が必要になることが予想されるなど 各分野によって 助言 指導等を行う期間が異なることにも留意すること C 特定空家等についての勧告 ( 空家法第 14 条第 2 項 ) 1 空家法第 14 条第 1 項の助言 指導に従わないもののうち 必要と認められるものについては 専門部会にその妥当性を諮り勧告する 2ただし 緊急を要する場合や助言 指導の段階で既に専門部会に諮っているものについては 省略することができる 3 専門部会には 各分野で判断材料となる資料を提示する ( 例 : 状況写真 周辺状況 ( イ ) の保安上危険の判定表 ( 別表第 5 参照 ) 近隣ヒアリング状況 臭気レベル測定値 指導履歴 過去の事例集等 ) 4 複数の項目について助言 指導している特定空家等を勧告する場合には 勧告に至る項目のみを対象として勧告を行う 5また 複数項目について勧告する場合には 各項目ごとに適切な措置の期限を定める 6 勧告による固定資産税等の住宅用地特例の解除の効果によって 自主的な改善が期待できる場合には 勧告を繰り返す D 固定資産税等の住宅用地特例の解除 勧告した場合 当該敷地については 固定資産税等の住宅用地特例の 適用を解除するものとする ただし 改善措置がなされた場合は 固定 資産税等の住宅用地特例の適用の対象となる 6

相談 通報現場確認所有者調査( 法第 14 条第 9 項 ) E 特定空家等についての命令 ( 空家法第 14 条第 3 項 ) 空家法第 14 条第 2 項に基づく勧告をしたもののうち 正当な理由がなくその勧告に係る措置をとらないものについては 周辺生活環境への影響や所有者等の指導等に対する反応などを総合的に判断し 特に必要があると認める場合には 空家法第 14 条第 3 項に基づく命令を行う F 特定空家等への行政代執行 ( 空家法第 14 条第 9 項 ) 1 空家法第 14 条第 3 項に基づく命令を履行しないとき 履行しても十分でないとき又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときには 空家法第 14 条第 9 項に基づき行政代執行を行う 2また どうしても所有者が不明なもののうち 特に必要があるものについては 空家法第 14 条第 10 項に基づき略式代執行を行う 3 行政代執行は 最終手段であり 本来は 所有者の責務において適切に対応されるものであるが 特に周辺への影響が大きく 第三者に危害を及ぼすおそれがあるなど 緊急性が高い場合で 所有者が命令に応じない場合や どうしても所有者が特定できない場合に行政代執行を行う 段階的な指導等の強化の流れ ( 参考 ) 特定空家等についての指導等 空家等についての 情報提供 助言等 ( 法第 12 条 ) 助言 指導 ( 法第 14 条第 1 項 ) 勧告 ( 法第 14 条第 2 項 ) 命令 ( 法第 14 条第 3 項 ) 行政代執行 判断が難しい場合は専門部会に諮る 専門部会に諮る 特に必要があると認めるとき 所有者等による是正 7

別表第 2 各種手続きについて A 立入調査の方法 1 空家法第 9 条第 2 項に基づき 特定空家等に対して助言 指導 勧告 命令を行うにあたり 必要な範囲で立入調査を行うものとし 5 日前までに所有者へ通知するとともに 立入調査時には身分証明書を携帯し 関係者の請求があった場合は これを提示する 2 所有者等に対し通知することが困難であるときは 通知は要せず 空家等を損壊させるようなことのない範囲内での立入調査を行う 3また 相手方から明示的な拒否があった場合は物理的強制力を行使してまで立入調査をすることはできない 立入調査中に建物内に占有者がいる等使用実態が判明した場合は特定空家等に該当しないため立入調査を直ちに中止する B 勧告 命令等の 手続き 1 勧告 命令 代執行については 定められた様式により書面で行う 2 勧告を行った際には 税務部局に通知するとともに 改善された場合にも税務部局に通知する 3 命令に係る通知書を受けた者は 意見聴取の請求を行い 公開による意見の聴取を受けることができる 4また 市長は命令をした場合は 第三者に不測の損害を与えることを未然に防止する観点から 標識を設置するとともに ホームページに掲載し 命令をした旨を公示する 5なお 市長は過失なく措置を命ぜられるべき者を確知することができない場合は 空家法第 14 条第 10 項に基づく事前の公告を行ったうえで略式代執行ができる C 固定資産税等の住宅用地特例解除の手続き 1 税務部局は 勧告を行った通知を受けた場合 当該用地について固定資産税等の住宅用地特例を解除する 2ただし 改善された旨の通知を税務部局が受けた場合には 以降に到来する最初の固定資産税の賦課期日 ( 当該年度の初日の属する年の1 月 1 日 ) の分の課税年度から住宅用地特例の対象とする D 立入調査を拒否した者や命令に違反した者等に対する過料 立入調査を拒み 妨げ 又は忌避した者は 20 万円以下の過料に処 し また 命令に違反した者は 50 万円以下の過料に処する 8

相談窓口台帳の整備別表第 3 役割分担 A 保安上危険な特定空家等に対する役割分担 B 衛生上有害 景観阻害 生活環境上不適切な特定空家等に対する役割分担 C 全ての特定空家等に対する役割分担 D 空家法以外の法律に基づく特定空家等に対する役割分担 1 区役所の役割 通報受付 相談窓口 現地調査 所有者調査 適切な管理を助言( 空家法 12 条 ) 特定空家等として助言 指導( 空家法 14 条 1 項 ) 空家法 14 条 2 項 : 関係局と相談し 専門部会に諮問 2 都市計画局 ( 監察課 ) 注意喚起 助言 指導 勧告にかかるアドバイス 保安上危険な特定空家にかかる区役所職員への研修 命令 代執行これまでの具体事案の経験が乏しいため 当面の処置として 平成 28 年度から各区役所が受ける通報事案に対して 各区役所が事案の解決に必要な関係局 ( 健康局 都市計画局 ( 景観担当 ) 環境局 消防局 建設局等 ) と対策チームを組織し 実態に応じ役割を分担して 空家法に基づく処理を行う 財政局 所有者調査に係る税情報の提供 勧告を行った通知を受けた場合の固定資産税等の住宅用地特例の解除 1 都市計画局 ( 監察課 ) 建築基準法による行政指導 命令 代執行 ( 住家等の空家法の対象外建築物 ) 2 消防局消防組織法による対応 ( 危害の排除 ) 3 建設局道路法による対応 ( 緊急処理 ) 役割分担フロー図 ( 参考 ) 区役所 審議会 市民からの通報 相談情報提供 住家 空家 ごみ屋敷担当 老朽危険家屋担当 空家担当 ごみ屋敷条例に基づく指導 勧告 命令 行政代執行 区役所 建築基準法に基づく指導 命令 行政代執行 都市計画局 ( 建築指導 ) 保安上危険 消防組織法 道路法による対応 消防局 建設局 空家法による現地調査 所有者調査 助言 指導 勧告 各区役所 勧告すれば税の住宅用地特例の解除 財政局 空家法による 命令 行政代執行 都市計画局 ( 建築指導 ) 各専門団体等 ( 大阪の住まい活性化フォーラム等 ) ( 仮称 ) 空家等対策協議会 専門部会 勧告の妥当性などを諮問 衛生上有害 景観阻害 生活環境上不適切 当面の処置として 区役所が受ける通報事案に対して 各区役所が事案の解決に必要な関係局 ( 健康局 都市計画局 ( 景観担当 ) 環境局 消防局 建設局等 ) と対策チームを組織し 実態に応じ役割を分担して 空家法に基づく処理を行う 凡例 既存の取組みを示す 9

特定空家等 の判断の参考となる基準 国ガイドライン ( 特定空家等に対する措置 に関する適切な実施を図るために必要な指針 ) より引用 特定空家等の 4 分野 以下に掲げる状態 ( 将来そのような状態になることが予見される場合を含む ) に該当するか否かにより判断する 以下に列挙したものは例示であることから 個別の事案に応じてこれによらない場合も適切に判断していく必要がある ( イ ) そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態 (1) 建築物が著しく保安上危険となるおそれがある 建築物が倒壊等するおそれがある 屋根 外壁等が脱落 飛散等するおそれがある (2) 擁壁が老朽化し危険となるおそれがある 擁壁表面に水がしみ出し 流出している 吹付け石綿等が飛散し暴露する可能性が高い状況である ( ロ ) そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態 (1) 建築物又は設備等の破損等が原因で 以下の状態にある (2) ごみ等の放置 不法投棄が原因で 以下の状態にある 浄化槽等の放置 破損等による汚物の流出 臭気の発生があり 地域住民の日常生活に支障を及ぼしている 排水等の流出による臭気の発生があり 地域住民の日常生活に支障を及ぼしている ごみ等の放置 不法投棄による臭気の発生があり 地域住民の日常生活に支障を及ぼしている ごみ等の放置 不法投棄により 多数のねずみ はえ 蚊等が発生し 地域住民の日常生活に支障を及ぼしている 10 ( ハ ) 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態 (1) 適切な管理が行われていない結果 既存の景観に関するルールに著しく適合しない状態となっている (2) その他 以下のような状態にあり 周囲の景観と著しく不調和な状態である (1) 立木が原因で 以下の状態にある 景観法に基づき景観計画を策定している場合において 当該景観計画に定める建築物又は工作物の形態意匠等の制限に著しく適合しない状態となっている 景観法に基づき都市計画に景観地区を定めている場合において 当該都市計画に定める建築物の形態意匠等の制限に著しく適合しない 又は条例で定める工作物の形態意匠等の制限等に著しく適合しない状態となっている 地域で定められた景観保全に係るルールに著しく適合しない状態となっている 屋根 外壁等が 汚物や落書き等で外見上大きく傷んだり汚れたまま放置されている 多数の窓ガラスが割れたまま放置されている 看板が原型を留めず本来の用をなさない程度まで 破損 汚損したまま放置されている 立木等が建築物の全面を覆う程度まで繁茂している 敷地内にごみ等が散乱 山積したまま放置されている 立木の腐朽 倒壊 枝折れ等が生じ 近隣の道路や家屋の敷地等に枝等が大量に散らばっている 立木の枝等が近隣の道路等にはみ出し 歩行者等の通行を妨げている 動物の鳴き声その他の音が頻繁に発生し 地域住民の日常生活に支障を及ぼしている 動物のふん尿その他の汚物の放置により臭気が発生し 地域住民の日常生活に支障を及ぼしている ( ニ ) その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 (2) 空家等に住みついた動物等が原因で 以下の状態にある (3) 建築物等の不適切な管理等が原因で 以下の状態にある 敷地外に動物の毛又は羽毛が大量に飛散し 地域住民の日常生活に支障を及ぼしている 多数のねずみ はえ 蚊 のみ等が発生し 地域住民の日常生活に支障を及ぼしている 住みついた動物が周辺の土地 家屋に侵入し 地域住民の生活環境に悪影響を及ぼすおそれがある シロアリが大量に発生し 近隣の家屋に飛来し 地域住民の生活環境に悪影響を及ぼすおそれがある 門扉が施錠されていない 窓ガラスが割れている等不特定の者が容易に侵入できる状態で放置されている 屋根の雪止めの破損など不適切な管理により 空き家からの落雪が発生し 歩行者等の通行を妨げている 10 周辺の道路 家屋の敷地等に土砂等が大量に流出している 別表第 4

別表第 5 1. 建築物が著しく保安上危険となるおそれがある の判定表 部 基礎 土台 柱又ははりの状況 外壁の状況 位 柱 はりが傾斜しているもの 土台 柱又ははりが腐朽し 又は破損しているもの等小修理を要するもの ( 看板 屋上水槽 ア屋根ぶき材料の一部にンテナ等もあわせて判剥落 ずれ 破損等が生断 ) じており 小修理を要するもの 保安上危険な建築物の判定表 25 点 50 点 12.5 点 25 点 部位別危険度 作成日判定者 A ランク B ランク C ランク評点 基礎に不同沈下のあるもの 柱の傾斜が著しいもの はりが腐朽し 又は破損しているもの 土台又は柱の数ヶ所に腐朽又は破損があるも の等 大修理を要するもの 屋根ぶき材料に 著しい剥落 ずれ 破損等が生じており 大修理を要するもの 100 点 ( 看板 給湯設備等も 外壁面の一部に剥落 外壁面に著しい剥落 あわせて判断 ) 破損 飛散等があり 小 ずれ 破損 飛散が生じ 修理を要するもの ており 大修理を要する もの 屋根の状況 12.5 点 25 点 50 点 基礎 土台 柱又ははりの腐朽 破損又は変形が著しく崩壊の危惧があ り 建築物の除却が必要なもの (1/20 超の傾斜など ) 屋根が柱 はりの状況によって 著しく変形 若しくは屋根ぶき材料に 全面的に剥落 ずれ 破損等が生じており 落下の危惧があり 建築物の除却が必要なもの 点 点 点 建築物の危険度 ( 部位別の危険度 評点 の合計 ) 0 点 注 ) 評点は 建築物全体の除却 を 1 0 とした場合の危険を解消するための対策 ( 修理等 ) の規模の大きさを点数化したもの 2. 周辺の建築物や通行人等に対し悪影響をもたらすおそれがあるか否か 及び 悪影響の程度と危険等の切迫性 の判定表 敷地周囲の状況から見た崩落 落下による影響が敷地外及び第 3 者に危害を及ぼす恐れ 無しの場合の理由 有り 無し 3. 総合判定 危険度 0 合計した評点が 0 点 ( 特定空家等に該当せず ) 12 条 ( 情報提供 助言等 ) 対象 危険度 1 危険度 2 危険度 3 合計した評点が 0 点を超え 100 点以下のもの 合計した評点が 100 点を超えるもののうち 第 3 者に危害を及ぼすおそれがないもの 合計した評点が 100 点を超えるもののうち 第 3 者に危害を及ぼすおそれがあるもの 12 条で改善されない場合は 14 条 1 項 ( 助言 指導 ) 対象 12 条で改善されない場合は 14 条 1 項 ( 助言 指導 ) 対象 12 条 14 条 1 項で改善されない場合は 14 条第 2 項 ( 勧告 ) 対象 コメント ( 構造躯体の危険箇所やその他落下の危険性 周辺への影響やその度合い等 ) 11